JP2005209996A - ステンシルマスク及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 相補分割が必要となるパターンについて、相補分割マスクを用いることなく、また二重露光を行うことなくEPLで露光処理を行う。
【解決手段】 相補分割が必要となるパターン23をファジーバウンダリー領域内43に配置する様に設計し、ファジーバウンダリーを利用して隣接するサブフィールド1の間でパターンを相補分割する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体装置の製造に係り、特に半導体装置の製造プロセス等、材料基板上に回路パターンを転写するリソグラフィ・プロセスに好適なステンシルマスク及びこのマスクを用いた半導体装置の製造方法に関する。
近年、半導体装置などの製造においては当該装置構造の微細化が進むに伴い、従来の光を用いたリソグラフィ・プロセスではパターン形成が困難な状況となりつつある。そのため、光に代わるエネルギー線を用いたリソグラフィ技術が開発されている。その一つに、電子線などの荷電粒子線を露光線源とし、ステンシルマスクを用いた一括転写方式のリソグラフィ技術が実用化段階にある。中でも、EPL(Electron Projection Lithography) と呼ばれる電子線縮小投影露光方式は現在注目を浴びる方式の一つである。このEPLでは、シリコンなどの材料を2μm乃至それ以下の膜厚とした薄膜部(すなわち、メンブレン部)に、電子線透過のための開口部を設けた原板すなわちステンシルマスク(以下、単にマスクと記述する場合もある)が用いられる。
図10はEPLの露光原理を説明する模式図である。図10において、電子線感応性レジスト102を塗布したシリコンウエーハ(以下、単にウエーハと記述する)101に対して、マスク103を介して電子線104を照射する。マスク103には、当該マスクを構成するメンブレン部105に回路等の設計パターンに対応して電子線104を透過させる開口部106を有する。マスク103の開口部106を透過した電子線107は第1の投影レンズ108、絞り109、第2の投影レンズ110を通して電子線感応性レジスト102を塗布したウエーハ101に結像される。この結像で露光されるレジスト102の部分を感応部111で示す。この感応部111のパターンはマスク103の開口106のパターンに対応する。
上記したように、マスク103に照射された電子線104は、その開口部106ではそのまま透過するが、非開口部すなわちメンブレン部105では散乱される。メンブレン部105で散乱された電子線112は、マスク103の開口部106で形成された像(回路等のパターン、以下単にパターンとも記述する)をウェーハ101上のレジスト102の面へ投影する投影光学系内のクロスオーバー面(電子線収束面)近傍に設けられた絞り109によってそのほとんどが遮断される。したがって、ウエーハ101の面では、マスク103の開口部106を透過した電子線107のみで上記回路等のパターンが結像される。
図11はステンシルマスクの構成例の説明する模式図である。マスク103のメンブレン部105は、一般的には厚さが数μm(好ましくは、おおむね1μm〜3μm程度)のシリコン膜やその他の材料で構成されるため、機械的強度が大変に弱い。そのため、格子状に配置した支持梁113を備えてマスク全体の機械的強度を保つ構造となっている。この支持梁113となる部分は露光マスクとしての機能に寄与できないため、EPL露光に用いるマスクでは、そのパターンはサブフィールドと呼ばれる領域毎に分割し形成される。そして、支持梁113で囲まれるメンブレン部をそれぞれ個々のサブフィールドに対応させる。形成するパターンをこれらサブフィールド単位で分割し、分割したものをマスク上にサブフィールド毎に離散させて形成する。EPL露光においては、分割されたサブフィールド毎に電子線を照射し、ウェーハ上にマスク像すなわちパターンを投影していく。
図12はEPL露光機における電子線光学系の概要を説明する模式図である。電子銃120から出射された電子ビーム121は、第1のコンデンサレンズ122、第2のコンデンサレンズ123、第1絞り124、第3のコンデンサレンズ126を通ってマスク127に至る。マスク127はマスクステージ128で2次元平面内で移動可能に支持されている。マスク127のパターンを通過した電子ビーム121は第1投影レンズ129、第2偏向器130、第2投影レンズ133によりウエーハ134に投影される。ウエーハ134はウエーハステージ135上に2次元平面内で移動可能に支持されている。
図13はサブフィールド分割例の説明図であり、図13(a)はマスク上のサブフィールドパターンを、図13(b)はウエーハ上に投影されたサブフィールドパターンを示す。なお、ここでは、マスクに形成されるフィールド、サブフィールドを、それぞれマスク・フィールド、マスク・サブフィールドとし、ウエーハ上に投影されたフィールド、サブフィールド(すなわち、マスク・フィールド、マスク・サブフィールド)のパターンを投影フィールド、投影サブフィールドとして説明する。
マスクには、図13(a)に示されたように一辺が1mmのマスク・サブフィールド(SFm)1302を4個並べてフィールド(Fm)1301のパターン「A」を分割した分割パターンの開口106が支持粱113で囲まれた各メンブレン105に形成されている。このマスクのマスク・フィールド(Fm)1301を構成するマスク・サブフィールド(SFm)1302の各パターン開口を通して縮小投影されたウエーハ上のパターンは、一辺が250μmの4個の投影サブフィールド(SFe)1304が繋ぎ合わされてパターン「A」の投影フィールド(Fe)1303となる。なお、これらの具体的な数値はあくまで一例である。
マスク127の上流に配置された第1偏向器125は、マスク127上での電子ビーム121の照射位置を変えて、該マスク上のマスク・サブフィールド1302を選択し、マスク127より下流にある第2偏向器130を用いて、上記選択されたマスク・サブフィールド1302のパターン「A」の分割パターンをウェーハ134上の所望の位置へ照射する。実際の露光に際しては、これらの各偏向器125、132およびマスクステージ128、ウェーハステージ135それぞれの動きを調節し、マスク127上で離散的に分割された各マスク・サブフィールド1302のパターンがウェーハ134上では元の設計パターンと同様の繋ぎ合わさった「A」の縮小パターンとなる様に順に照射されて、露光パターンを形成していく。
この様にパターンをサブフィールドに分割し、これらのパターンを離散的に配置したステンシルマスクは、現在の代表的なEPL露光システムにおけるマスク・サブフィールドの大きさはマスク上で一辺が1mm(1mm四方の正方形)、ウェーハ上での縮小転写サイズは一辺が250μm(250μm四方の正方形)となっている。本明細書では、上記マスク・サブフィールドのサイズを用いて以降の説明を続けるものとする。
図14はステンシルマスクにおける課題の一つであるドーナツパターンの説明図である。また、図15は図14に示したドーナツパターンをマスクに形成する際の問題を説明する模式図である。ステンシルマスクでは、図15(a)に示したように、ウエーハ上にパターンとして結像させたいパターン領域152をマスク150のメンブレン部151の開口部とするため、当該マスクを構成するメンブレン151に開口153を開ける(図15(b))。このため、図14に示したような閉じた開口パターン142に対応させたマスクでは、当該パターンとして結像させたい領域に周囲を取り囲まれて島状に残った非パターン部(すなわち、マスク上でメンブレン部を残したい部分(遮蔽部)141に対応した部分は、周囲全てが開口部(つまり孔)となってしまい、この島状部分のメンブレン部151’を機械的に支持する構造が無くなって、図15(c)のように、脱落してしまう。これを一般にドーナツパターン問題と呼んでいる。
この問題は露光パターンを2つの相補パターンに分割し、これら2つの相補パターンを二重に露光するためのマスクを作成し、これら相補分割マスクを互いに重なり合う様に露光することで解決されることが一般に知られている。
図16は図14に示したパターンに対応る相補分割マスクを形成するパターンの説明図、図17は図16のパターンを有する相補分割マスクの説明図である。図14のパターン142は図16(a)と(b)に示したように2つのパターン142Aと142Bとに分割し、これを夫々図17の(a)と(b)に示したような二枚の分割マスク171、172とする。この二枚の分割マスク171、172は、互いに補って元のパターン142の露光を実現するという意味で、相補分割マスクと称している。
また、上記したような相補分割マスクに代えて、非パターン部として解像できる限界以下の細い梁状のパターン(支持梁)を先のドーナツパターンとなる部分へ付加することにより、中抜きのためのメンブレンを機械的に支持することで解決可能なことも一般に既知である。
図18は支持梁で中抜きのためのメンブレン部を機械的に支持したマスクの説明図である。すなわち、中抜きのためのメンブレン部151’は支持梁113で外周のメンブレン部151に支持されている。
また、一方で、EPL用のマスクのメンブレン部には全体的に応力がかかっており、メンブレンにパターンPの開口を設けること自体で当該パターン部を形成するメンブレン部MBが歪むことが知られている。特に、比較的大きな開口や1辺の長さが長いパターンに対応する開口を設けると、当該パターンの歪みは顕著になる。この問題を回避するためにもまた相補分割マスクを用いる方法が一般的に知られている。特許文献1には相補分割マスクを用いる露光について記載されている。また、ステンシルマスクを用いた電子線露光方法については、特許文献2に開示がある。
特開2003−77817号公報 特開2003−100614号公報
上記したようなドーナツパターンを含んでいたり、マスク歪みが問題となる様な大パターン、長パターンを含む場合には、相補分割マスクを用いることでその問題自体を回避し、あるいは低減することができる。しかし、相補分割マスクを用いる場合は、必ず二重露光を行うことになるため、相補分割を行わない1枚マスクを用いた露光に比較して露光処理により多くの時間がかかり、処理のスループットを低下させる。また、そもそも二重露光を行うためのマスクを2枚必要とすることは、マスクの製作コストがその分だけ高くつくことになる。このような相補分割マスクを用いる方法では、例えばパターンの極く一部にのみ前記したような相補分割すべきパターンが存在する場合においても、パターンの全てを相補分割したマスクを作成して二重露光を行うことになるため、作業効率が悪くなる。
上記のように、EPLに用いるマスクには、一般的に応力が働いていることが多く、細長いライン状のパターンなど、長辺の長いパターンをマスク上に形成した場合には、応力によりパターンが歪む。この歪は長辺の長さが大であるほど大きい。この様なマスクの歪みは、パターンの位置精度や寸法精度にも影響を及ぼすことから、この影響を低減するためにもまた、パターンの長辺の長さがある許容範囲内に収まる様に相補分割をしたマスクを用いるのが一般的である。
あるいはまた、ドーナツパターンには至らないまでも、細長い梁状のパターンや、片持ち梁の様な突き出しパターンなど、機械的強度が弱くなり破損するなどの心配があるパターンなどに対しても同様に相補分割をしたマスクを用いるのが一般的である。例えば、半導体装置の配線形成工程におけるホール層の露光に適用する場合について見てみると、露光により形成されるパターンのほとんどはホールパターンである。これらのパターンにおいては、前記したドーナツパターン問題や大パターンあるいは長パターンによるマスク歪みの問題が発生することは無く、パターンの占める面積も比較的小さく、相補分割をする必要はないものと考えられ易い。
EPLにおいては、ライン状のパターンが支配的な素子分離層やゲート層、配線層においてはパターンの長辺が比較的大きく、しかもパターンの面積密度も高いことなどから、ステンシルマスクを用いることの必要性は大きくない。これに比べて、コンタクトホール(ビアホール)層はパターンの辺の長さは短く、パターンの面積密度も低いことからステンシルマスクはEPLでの露光に適している場合が多い。
しかし、近年の半導体装置の配線間絶縁部材には吸湿性のある材料が使われることも少なくない。そのため、外部から半導体装置への湿気の浸入を防ぐための保護構造物(ここでは、ガードリングと呼ぶ)の形成を要求されたり、あるいは全ての層で必要とされるアライメントや検査のためのマークパターンが挿入されていたりするため、ホール層においても相補分割を必要とするパターンが何かしら存在するのがむしろ一般的であると言える。アライメントや検査のためのマークパターンは、ホールのみを用いて形成できたとしても、殊にガードリングは半導体装置の外側を切れ目無く取り囲む様に形成しなければならず、ライン状のパターンを露光する必要が生じる。
ガードリングが取り囲む領域は一般的にEPLのサブフィールドサイズに比べて十分に大きく、サブフィールド境界をまたぐものになるため、ガードリングが直接的にドーナツパターン問題を引き起こす可能性は極めて低いと言えるが、サブフィールドの端から端までをまたぐ様な長いラインパターンが発生することになり、マスク歪みが発生する。このような、マスク歪みによる精度劣化を避ける為には相補分割マスクが必要となり、結果的に処理効率や生産コストを悪化させ生産性を低下させる結果をもたらす。これと逆に、処理効率や生産コストを重視して相補分割しないマスクを用いた場合には、自ずと露光精度の悪化を招くことになる。
本発明は、相補分割を必要とするパターンについて、相補分割マスクを用いることなく、また二重露光を行うことなしにEPLで露光処理を行うことを目的とする。
本発明では、EPL用のマスクをサブフィールドに分割し、各サブフィールドの境界にファジーバウンダリー領域を持たせ、相補分割が必要なパターンを含む場合、ファジーバウンダリー領域内に相補分割が必要なパターンを配置する。ファジーバウンダリー領域を利用し、隣接するサブフィールド間で当該パターンを相補に分割したマスクとして、二重露光なしにパターンの縮小投影を行う。
本発明のステンシルマスクは、メンブレン上にサブフィールド毎で分割されたパターンの開口を有し、隣接する前記サブフィールド境界部分に、当該サブフィールド境界を含む幅でファジーバウンダリー領域を有する。そして、相補分割を必要とするパターンを相補パターンに分割して前記ファジーバウンダリー領域に含まれている各隣接サブフィールドに前記分割した相補パターンを割り振っている。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、上記のように電子ビーム通過開口パターンを形成したステンシルマスクを用いた電子ビーム露光による方法であり、当該ステンシルマスクは、電子ビーム通過開口パターンの設計時に予め前記サブフィールドサイズを考慮し、相補分割を要すると判断されるパターンを前記ファジーバウンダリー領域に収まるように設計する。
また、本発明の半導体装置の製造方法に用いるステンシルマスクは、電子ビーム通過開口パターンの設計に予めサブフィールドサイズを考慮し、相補分割を要すると判断されるパターンの一部がファジーバウンダリー領域に含まれ、あるいは交差する様に設計する。
また、本発明の半導体装置の製造方法に用いるステンシルマスクは、既に作成された設計パターンから相補分割が必要と判断されるパターンを抽出し、それら相補分割が必要と判断されたパターンがファジーバウンダリー領域に収まるか、あるいはまたそれら相補分割が必要と判断されたパターンの一部がファジーバウンダリー領域に含まれ、あるいは交差する様に、設計パターンとサブフィールド境界との相対的な位置関係を調整し作成する。
上記した本発明の構成により、相補分割が必要となるパターンについて、相補分割マスクを用いることなく、また二重露光を行うことなくEPLで露光処理を行う子とが出来、高精細な半導体装置が得られる。
EPLを用いた露光プロセスは比較的パターン密度が低く、また比較的寸法の大きいパターンがほとんどないホール形成層のパターン形成に適しているとされる。図19は一般的な半導体デバイスにおける配線層の断面を示した模式図である。ここでは、特にゲート電極やソース・ドレイン電極へ配線を接続するコンタクトホールや、配線層の間で配線同士を接続するビアホールの形成を例に説明を進める。図19において、参照符号190はシリコン基板、191はコンタクト層、192はビアホール、193は層間絶縁膜、194は配線材料を示す。
図20はEPL露光を用いたコンタクトホールあるいはビアホール(以下、まとめてホールとする)形成の一般的なフローの概賂図である。図20の左側にホール形成工程のフローの概略を、右側に対応する断面を示す。図20において、参照符号200はシリコン基板、201はゲート、202は層間絶縁膜、203はレジスト、204は導電性材料を示す。先ず、(1)酸化シリコンなど層間絶縁膜193となる材料を基板200上に堆積させ、その表面を平坦化する。次に、(2)その表面にレジスト材料203を塗布し、EPL露光、現像を施す。ホール形成の露光では、一般にポジレジストを用い、電子線が照射された部分のみが現像液に溶解されることでホール形成部のみレジストが抜けた所望のパターンが形成される。更に、(3)この基板表面をエッチングすることでレジストパターンを絶縁膜へ転写し、ホール開口を形成する。(4)こうして絶縁膜に形成された開口にアルミニウムや銅などの導電性材料204が埋め込まれる。
配線層やゲート層の様な線状のパターンが主であるのに対して、ホール層では長寸法パターンほとんど存在せず、ステンシルマスクを用いるEPL露光においては比較的適用の容易なパターンであると一般的に考えられている。しかし、実際の半導体デバイスでは半導体装置への湿気の浸入を防ぐためのガードリングの形成を要求されるなど、ホール層のパターンと言えども線状の長寸法パターンの形成が存在する。本発明では、これらの長寸法パターン等EPLでは本来相補分割マスクを用いることを前提としているパターンを、EPLが持つファジーバウンダリー領域へ上手く配置することで、相補マスクを用いず1枚のマスクで露光することが出来る様にすることを特徴としている。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1はEPL露光におけるファジーバウンダリの概念を説明するための模式図である。図1において、参照符号1はサブフィールド(SF、前述の投影サブフィールド)で、ここでは、1辺が250μmの四方の正方形である。また、2はサブフィールド境界(SFB)、3はファジーバウンダリー領域(FB)を示す。図1(a)におけるパターン4(P)は、図1(b)に示した2つの分割パターン41(P1)、42(P2)に分割される。
EPLでは、各サブフィールド1の露光において、本来のサブフィールドである1μm四方の領域から更に外にはみ出す領域のパターンも余裕を持って照射し、ウェーハへ転写することができるようになっている。このことを利用して、パターン4のサブフィールド1での分割処理においては、サブフィールド境界2でパターン4の全てを一律に分割するのではなく、サブフィールド境界2で分割するよりもサブフィールド境界2から少し外れたところで分割する方が合理的であると判断されるパターンに対しては分割位置をずらすことができるようになっている。このように、サブフィールド1の分割におけるパターン分割位置に裕度を持たせられる領域のことをファジーバウンダリー領域(FB)3と呼ぶ。
EPLにおいては、一般的に、ファジーバウンダリー領域3はマスク上の寸法でサブフィールド境界2から10μmの範囲と定められており、ウェーハ上のサイズで言えばサブフィールド境界2の片側で2.5μm、両側で計5μm幅の領域がこのファジーバウンダリー領域3ということになる。
本来相補分割を必要とする大パターンやドーナツパターンをサブフィールド境界2近傍のファジーバウンダリー領域3に収まるように配置する。ファジーバウンダリー領域3内でドーナツパターンや大パターン、長パターンとしての問題を回避する様にパターンを相補分割する。
例えば、前記したガードリングを含んだパターンを例に説明する。図2はファジーバウンダリー領域を考慮したガードリング配置を説明する概念図である。参照符号21は設計領域、22は半導体装置パターン、23はガードリング、24はアライメントマークなどのガードリングの外側に配置可能なパターン群、25はサブフィールドピッチ、26はファジーバウンダリー領域幅を示す。この例の場合、ガードリング23以外には大パターンやドーナツパターンなど相補分割を必要とするパターンが存在しないことを前提として、ガードリング23の全てをEPLのサブフィールド境界2のファジーバウンダリー領域3に収めるものとする。
EPLのサブフィールド1のサイズ(サブフィールドピッチPSF)は、ウェーハ上で250μm、ファジーバウンダリー領域3の幅26はサブフィールド境界2を中心とした幅5μmの領域である。先ず、設計段階において、ガードリング23をファジーバウンダリー領域3に収まるように設計しておく。ガードリング23は半導体装置パターン22の最外周に形成され、半導体装置パターン22の周囲を切れ目無く取り囲むことによって所望の機能を果たすことから、設計上のルールとしてその位置を規定することはさほど困難なことではない。
ここでは、例として以下の(1)、(2)に記載の2点の制約を設けることにする。(1)ガードリングの幅は5μm 以下とする。(2)ガードリングの配置は縦横とも250μmの升目パターンの罫線上に載せる。これら2点の制約を共に満たすことを設計上の条件とすることでガードリングGRをファジーバウンダリー領域3に納めることができる。
図3は本発明の実施例1を説明するための図であって、ファジーバウンダリー領域を利用したガードリングの相補分割の説明図である。図3における参照符号31はサブフィールド1の幅である。上記のようにして作成したガードリング23のパターンを元にEPL用のマスクを作成するにあたっては、図3(a)に示したファジーバウンダリー領域43に存在するガードリング23のパターンを、図3(b)に示したように短いパターン231、232に分割して、隣接する各サブフィールド1に分割した各パターン231、232を割り振る。パターンの分割、割り振りにおいては、マスク歪みを考慮して大パターンが出来たり1辺の長さが長くなり過ぎたりしないように配慮する。
本実施例により、相補分割マスクでない通常のEPL用マスクのサブフィールド境界2部分に必ず存在するファジーバウンダリー領域43を利用して当該パターンの相補分割を行うことができる。このため、ファジーバウンダリー領域43にドーナツ問題となるパターンや歪による変形するパターンを収めることさえできれば、相補分割による二重露光マスクを用いずに露光を行うことができる。このため、従来技術では二重露光マスクが必要となったパターンの露光が1枚のマスクで済み、マスク製作コストが削減でき、またスループットの悪くなる相補分割による二重露光を行わなくて済むために処理効率を向上することができる。
図4はファジーバウンダリー領域と相補分割を必要とするパターンの関係の説明図である。実施例1においては、図4(a)に示したように、相補分割が必要と判断されたパターンPは設計時の制約を設けるなどして図4(b)の如く、ファジーバウンダリー領域FBに収める様な分割パターンP1、P2にパターン設計を行うということを説明した。しかし、必ずしも相補分割の必要なパターン全てをファジーバウンダリー領域内に収める必要は無い。
図5は本発明の実施例2におけるファジーバウンダリー領域と相補分割を必要とするパターンの関係の説明図である。例えば、図5(a)に示すようなファジーバウンダリー領域3の幅よりも大きなドーナツパターン4が存在する場合、パターン4全体をファジーバウンダリー領域3内に収めることはできない。しかし、該パターン4がファジーバウンダリー領域3を跨ぐようにパターン配置した分割パターン41、42に相補分割することで、このドーナツパターン問題を回避することができる。このように、実施例2では、相補分割が必要と判断されたパターンについてはそれら個々のパターンの全体あるいは一部分をファジーバウンダリー領域FBに重なる様にパターン設計を行う。
本実施例によれば、設計時の規約が複雑になる反面、実施例1に効果に加えて、パターン配置の裕度が増し、より多くのパターンに対応することができる。
図6〜図9は本発明の実施例3の説明図であり、図6は設計パターンの構成図、図7はファジーバウンダリー領域を考慮しない場合の相補分割パターンの配置図、図8は設計段階からファジーバウンダリー領域を考慮した場合の相補分割パターンの配置図、図9はパターンをサブフィールドに分割する際に分割位置を調整した場合の相補分割パターンの配置図である。相補分割対象パターンPが図6に示した位置にあるものとする。
ファジーバウンダリー領域を考慮しない場合の相補分割パターンは、図7に示したようにサブフィールド1の中に位置される。また、設計段階からファジーバウンダリー領域を考慮した場合は図8に示したように、当該パターン4はファジーバウンダリー領域43内に収まる。
これに対し、実施例3では、既に設計された実施例1および実施例2におけるようなファジーバウンダリー領域を考慮した設計を行っていないパターンデータについて、該パターン4をサブフィールド1にパターン分割する際には、先ず該パターンに相補分割が必要とされるパターンが含まれているかを検査する。その結果、相補分割が必要とされるパターンが含まれている場合にはその相補分割対象パターンの位置を認識し、それら個々の相補分割対象パターンの全部あるいは一部分がファジーバウンダリー領域43に重なるようにサブフィールド分割位置を決定する。図9に示したように、パターン4はファジーバウンダリー領域43内に収まる。このように、相補分割を必要とするパターンをファジーバウンダリー領域を有効に利用して相補パターンに分割することができる。
実施例3によれば、実施例1および実施例2の効果に加え、EPL用のマスクのファジーバウンダリーを考慮せずに作成されたデータに対して、相補分割による二重露光マスク露光を回避することができる。
EPL露光におけるファジーバウンダリの概念を説明するための模式図である。 ファジーバウンダリー領域を考慮したガードリング配置を説明する概念図である。 本発明の実施例1を説明するための図である。 ファジーバウンダリー領域と相補分割を必要とするパターンの関係の説明図である。 本発明の実施例2におけるファジーバウンダリー領域と相補分割を必要とするパターンの関係の説明図である。 本発明の実施例3を説明する設計パターンの構成図である。 本発明の実施例3を説明するファジーバウンダリー領域を考慮しない場合の相補分割パターンの配置図である。 本発明の実施例3を説明する設計段階からファジーバウンダリー領域を考慮した場合の相補分割パターンの配置図である。 本発明の実施例3を説明するパターンをサブフィールドに分割する際に分割位置を調整した場合の相補分割パターンの配置図である。 EPLの露光原理を説明する模式図である。 ステンシルマスクの構成例の説明する模式図である。 EPL露光機における電子線光学系の概要を説明する模式図である。 サブフィールド分割例の説明図である。 ステンシルマスクにおける課題の一つであるドーナツパターンの説明図である。 図14に示したドーナツパターンをマスクに形成する際の問題を説明する模式図である。 図14に示したパターンに対応する相補分割マスクを形成するパターンの説明図である。 図16のパターンを有する相補分割マスクの説明図である。 支持梁で中抜きのためのメンブレン部を機械的に支持したマスクの説明図である。 一般的な半導体デバイスにおける配線層の断面を示した模式図である。 EPL露光を用いたコンタクトホールあるいはビアホール(以下まとめてホールとする)形成の一般的なフローの概賂図である。
符号の説明
43・・・・ファジーバウンダリー領域、23・・・・ガードリング、231、232・・・・分割したパターン、43・・・・ファジーバウンダリー領域。

Claims (5)

  1. メンブレン上にサブフィールド毎で分割されたパターンの開口を有するステンシルマスクであって、
    隣接する前記サブフィールド境界部分に、当該サブフィールド境界を含む幅でファジーバウンダリー領域を有し、
    相補分割を必要とするパターンを相補パターンに分割して前記ファジーバウンダリー領域に含まれている各隣接サブフィールドに前記分割した相補パターンを割り振ったことを特徴とするステンシルマスク。
  2. 電子ビーム通過開口パターンを形成したステンシルマスクを用いた電子ビーム露光による半導体装置の製造方法であって、
    前記ステンシルマスクは、メンブレン上にサブフィールド毎で分割されたパターンの開口を備え、
    隣接する前記サブフィールド境界部分に、当該サブフィールド境界を含む幅でファジーバウンダリー領域を有し、
    相補分割を必要とするパターンを相補パターンに分割して前記ファジーバウンダリー領域に含まれている各隣接サブフィールドに前記分割した相補パターンを割り振ってなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記ステンシルマスクは、前記電子ビーム通過開口パターンの設計時に予め前記サブフィールドサイズを考慮し、相補分割を要すると判断されるパターンを前記ファジーバウンダリー領域に収まるように設計したことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記ステンシルマスクは、前記電子ビーム通過開口パターンの設計に予め前記サブフィールドサイズを考慮し、相補分割を要すると判断されるパターンの一部が前記ファジーバウンダリー領域に含まれ、あるいは交差する様に設計したことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記ステンシルマスクは、既に作成された設計パターンから相補分割が必要と判断されるパターンを抽出し、それら相補分割が必要と判断されたパターンが前記ファジーバウンダリー領域に収まるか、あるいはまたそれら相補分割が必要と判断されたパターンの一部が前記ファジーバウンダリー領域に含まれ、あるいは交差する様に、前記設計パターンと前記サブフィールド境界との相対的な位置関係を調整し作成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。




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