JP2004047687A - 露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一のマスクで複数のパターンが露光できる露光方法を提供する。
【解決手段】半導体露光装置10において光Lの光路上に、水平方向に進退可能な4枚のブラインド3a〜3dを設け、マスク4への光Lの照射領域を任意の矩形領域に制限可能とする。一方、マスク4には複数の異なるマスクパターンを形成する。いずれか1つのパターンを露光する際は、当該パターンの上方のみが光Lの照射領域となり、周辺は遮光されるようにブラインド3a〜3dを配置する。これにより、1枚のマスク4によって複数の異なるパターンの露光を行うことができ、マスクの製作費用の削減と製作期間の短縮が実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体露光装置10において光Lの光路上に、水平方向に進退可能な4枚のブラインド3a〜3dを設け、マスク4への光Lの照射領域を任意の矩形領域に制限可能とする。一方、マスク4には複数の異なるマスクパターンを形成する。いずれか1つのパターンを露光する際は、当該パターンの上方のみが光Lの照射領域となり、周辺は遮光されるようにブラインド3a〜3dを配置する。これにより、1枚のマスク4によって複数の異なるパターンの露光を行うことができ、マスクの製作費用の削減と製作期間の短縮が実現できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスを製造する際に、各種のパターニングに使用する半導体製造用マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造用マスクとは、半導体デバイスの製造工程における1プロセスである写真製版工程において、パターンを形成する際の原版となる。写真製版工程では、マスクに形成されているパターンがそのまま、ウェハ上のレジストに転写されて、パターンが形成される。そのレジストパターンに基づいてエッチングや注入を行うことにより、ウェハ上に半導体デバイスが形成される。
【0003】
図11は、従来のマスク500を上面から見た図である。従来のマスク500は、ある配線工程用のマスクを例示的に示すものである。以下、この配線工程における写真製版は、光が照射された箇所のレジストが現像によって消滅するポジレジストを用いると想定する。従来のマスク500の外枠101には、通常はガラス基板が用いられる。
【0004】
露光は、ショット枠511fの内部のショット領域511に対し行われる。なお、本明細書において、一回ごとの露光処理のことを「ショット」といい、ショットが行われる領域を「ショット領域」、その周囲の枠を「ショット枠」という。
【0005】
ショット枠511fの内部のショット領域511において斜線で示すのは、例えばCr膜あるいはMoSi膜などによって、マスク500の表面側に形成される遮光部512である。このマスク500を用いてレジスト塗布された基板を露光することにより、基板上のショット領域511に相当する領域において、遮光部512のレジストは現像後に残存し、それ以外の光が透過する領域のレジストは除去される。これにより、基板上には、遮光部512と同一形状のレジストパターンが形成されることになる。
【0006】
また、ショット枠511fより外側にも周辺遮光部102が形成されているが、これは、一度の露光におけるショット領域511以外の領域には、光が当たらないようにするためである。それらの領域は、マスクを移動させた後、順次露光されることとなる。
【0007】
なお、実際のマスクには上記以外に、露光装置でマスクの位置決めをするために用いるレチクルアライメントマーク、マスクを識別する印字もあり、またマスクをごみから守るペリクルが貼り付けられているが、本発明の説明には本質的な関係を持たないので、以降も含め説明は省略する。
【0008】
また、隣接するショット間ですきまが生じても細いレジストが残存しないよう、ショット枠511fに対して、数μm外側まで光が透過するスリットと呼ばれる領域も通常設けられるが、これも記述の簡略化のため省略する。
【0009】
以後では、本来の回路パターンの露光に用いられる実体部分を「マスク」と称する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、1つのパターン形成工程ごとに、図11で示したようなマスクを1枚ずつ要していた。一方で、デバイスの微細化、配線層の増加等により、1つのデバイスを製造するのに必要な写真製版の工程数、したがってマスク枚数も増加している。また、マスクもより精密なものが要求されるので、マスク製作に必要な費用および期間の増加が問題となっている。例えば、0.15μmルールで、5層配線のLogicデバイスでは、マスクは30〜40枚程度必要となっている。
【0011】
大規模な量産品であれば、そのマスク費用が全体に占める割合は軽微なものであるが、小規模な量産品や試作品の製造、またはプロセス開発においては、マスク製作期間を短縮し、かつマスクの費用を減らすことが必要となってきている。
【0012】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、1つのデバイスを製造するために必要となるマスク枚数を削減することが可能な露光方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、マスクを用いて基板上に所定のパターンを露光する方法であって、マスク面にそれぞれ異なる工程に対応する複数の異なるマスクパターンが形成されたマスクにおける光の照射領域を制限する遮蔽工程と、制限された照射領域を介して前記光を基板に与える工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の露光方法であって、前記遮蔽工程が、前記マスクの配置位置の直上に備わる遮蔽手段により行われることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の露光方法であって、前記遮蔽手段が互いに対向配置された2つの遮蔽板の対を2対備え、そのうちの1対を構成する2つの遮蔽板の移動方向と、他の1対を構成する2つの遮蔽板の移動方向とが、互いに直交することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の露光方法であって、前記マスクの前記複数の異なるマスクパターンのそれぞれについて順次露光を行う露光工程をさらに備え、前記遮蔽工程は、前記複数の異なるマスクパターンのうち前記露光工程において露光対象となったマスクパターンに対応して、前記照射領域を設定可能であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1は、縮小投影露光装置と呼ばれる半導体露光装置10の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、半導体露光装置10は、レチクルとも呼ばれるマスク4に光Lを照射して、マスク4に形成されているパターンを、基板7上に縮小投影して露光するためのものである。半導体露光装置10はそのために、露光用の特定の波長の光Lを出す水銀ランプまたはレーザである光源1と、光源1からの光Lを所望の状態に変形する照明光学系2と、マスク4の配置位置の直上に配置され、照明光学系を経た光Lを一部遮蔽して、マスク4において照射される領域を制限するブラインド部3と、マスク4を保持するレチクルステージ5と、パターンを縮小投影するための縮小光学系6と、基板7が載置され、水平方向に稼働して露光の位置決めを担う露光ステージ8と、各部の動作を制御する制御部9とを主として備える。図1においては、露光ステージ8が移動を行う面内をxy面、これに垂直な、光Lの入射する方向をz軸とする3次元座標を付している。以下の図面もこの座標系に従うものとする。
【0018】
図2は、ブラインド部3について説明するための図である。ブラインド部3は、4つのブラインド(遮蔽板)3a、3b、3c、および3dからなり、マスク4の直上に備わる。また、各ブラインドにはそれぞれ、制御部9からの所定の制御信号に応答して当該ブラインドを水平方向に進退移動させる駆動手段としてのアクチュエータAC(ACa、ACb、ACc、ACd)が備わっている。ブラインド3aとブラインド3bとは互いに対向配置され、制御部9からの所定の制御信号に応答したアクチュエータACaおよびACbの作用により、矢印AR1およびAR2に示すようにそれぞれx軸方向に移動する。ブラインド3cとブラインド3dとはその上方に対向配置され、制御部9からの所定の制御信号に応答したアクチュエータACcおよびACdの作用により、矢印AR3およびAR4に示すようにそれぞれy軸方向に移動する。従って、ブラインドの第一の対3a、3bの移動方向と、第2の対3c、3dの移動方向とは、互いに直交している。本実施の形態に係る半導体露光装置10は、このブラインド部3の配置を適宜設定することにより、マスク4における光Lの照射領域11を、様々なサイズおよび位置の矩形領域として制限することが可能である。図2(a)と図2(b)とは、それぞれ異なる照射領域11aおよび11bが形成された場合の例を示している。なお、ブラインド部3はマスク4の直上に備わるので、照射領域11に確実に光Lが照射される。
【0019】
図3は、図1におけるマスク4の一例としてのマスク100を、上面から見た図である。マスク100は、図11に示す従来のマスク500と同様に、外枠101と、例えばCr膜あるいはMoSi膜などによって表面側に形成された周辺遮光部102とを備える。
【0020】
さらに、マスク100において特徴的なことは、外枠101および周辺遮光部102とに囲まれた平坦なマスク面100Sに、2つのショット領域111および121が形成され、それぞれに異なるパターンが形成されていることである。すなわちマスク100は、異なる2回の写真製版工程に使用されるものである。それぞれの工程を、第1配線工程と第2配線工程とすると、第1配線工程は、ショット枠111fに囲まれたショット領域111に形成された遮光部からなる配線パターン112によって露光する工程、第2配線工程はショット枠121fによって囲まれたショット領域121に形成された遮光部からなる配線パターン122によって露光する工程である。また、2つのショット領域111と121との間には、パターン間遮光領域103が形成されている。パターン間遮光領域103は、周辺遮光部102と同じく、ショット領域111および121の外部を遮光するためのものであるが、第1配線工程のショット枠111fと第2配線工程のショット枠121fの間のところで、200〜600μm程度の幅を持つことを特徴とする。なお、このパターン間遮光領域103の幅は、このブラインド部3の位置精度に基づいて定められる。
【0021】
本実施の形態に係る半導体露光装置10においては、このマスク100を用い、かつ、図2に示したようにブラインド部3の各ブラインドの配置を調整することで、一のマスク100を2つの製版工程に使用することを実現する。
【0022】
図4は、マスク100を用いて第1配線工程の露光を行う場合を説明するための図である。まず第1配線工程の露光においては、ショット領域111の上方のみを照射領域131とし、その周囲は遮光領域132となるようにブラインド部3が配置される。この状態で光Lを照射することにより、基板には、マスク100において制限された照射領域を介して、第1配線工程のパターンのみが露光されることになる。そして、現像処理や、他のマスクによる露光等を経た後、第2配線工程の露光を行う段階に達すると、再びマスク100および基板7をセットし、照射領域11をショット領域121の上方に位置させるようブラインド部3を配置して、ショット領域121のみを露光することになる。
【0023】
このようにすることで、従来は配線工程ごと別々に2枚のマスクが必要であったものが、1枚のマスクで済み、マスク製作に要する費用、期間が約半分になる。
【0024】
これを利用した例として、15回の写真製版で作られる4層配線CMOSデバイスの写真製版プロセスを図5に示す。15回の写真製版とは、図5の左欄に示すように、(1)分離パターン1F、(2)NウェルパターンNW、(3)PウェルパターンPW、(4)ゲートパターン1G、(5)NchソースドレインパターンN+、(6)PchソースドレインパターンP+、(7)第1コンタクトパターン1C、(8)第1配線パターン1M、(9)第1ビアパターン1V、(10)第2配線パターン2M、(11)第2ビアパターン2V、(12)第3配線パターン3M、(13)第3ビアパターン3V、(14)第4配線パターン4M、(15)ポリイミドパターンPCの各マスクパターンにより、順に露光を行っていくプロセスである。従来のように、1回の写真製版につき1枚のマスクを要する場合は15枚のマスクを必要とする。しかし、本実施の形態のように、2つの工程のマスクパターンを1枚のマスク上に形成すれば、例えば図5の右欄に示すように、分離パターン1Fとゲートパターン1G、NウェルパターンNWとPウェルパターンPW、NchソースドレインパターンN+とPchソースドレインパターンP+、第1コンタクトパターン1Cと第1ビアパターン1V、第2ビアパターン2Vと第3ビアパターン3V、第1配線パターン1Mと第2配線パターン2M、および第3配線パターン3Mと第4配線パターン4Mをそれぞれ同一のマスクに形成するとすれば(ポリイミドパターンPCのみ単独で形成)、計8枚のマスクで全ての工程を形成することができ、マスク枚数を概ね半減させることができる。
【0025】
図6は、この8枚のマスクの一例として、分離パターン1Fとゲートパターン1Gとを形成したマスク150を示す図である。マスク150は、外枠151と、分離パターン1Fのショット領域152と、そのマスクパターン153と、ゲートパターン1Gのショット領域154と、そのマスクパターン155とを備える。
【0026】
また、図7は、マスクパターン155を写真製版し、レジストにてゲートパターン1Gを形成した後の基板の断面図である。図7は、図6におけるAA’断面に相当し、基板161上に、分離パターン1Fであるマスクパターン153に基づいて分離酸化膜162を形成し、さらにゲート酸化膜163、ゲート電極となるポリシリコン164を順次形成し、図6のゲートパターン1Gであるマスクパターン155に基づき、レジスト35にてゲートパターン1Gを形成した状態を示している。
【0027】
なお、複数工程のパターンを1枚のマスク上に作る場合は、以下の2点について考慮することが好ましい。
【0028】
第1の点は、好ましくないパターンの組み合わせの存在である。図5の例であれば、第1コンタクトパターン1C、第1ビアパターン1V等のホール工程にはハーフトーンマスクが、第1配線パターン1M、第2配線パターン2M等の配線工程にはノーマルマスクが用いられる場合が一般的である。ホールパターンの方がラインパターンより解像が難しいので、ホールパターンの第1コンタクトパターン1C、第1ビアパターン1Vには、ノーマルマスクより高い解像性を持つハーフトーンマスクを用い、第1配線パターン1M、第2配線パターン2Mにはノーマルマスクを用いるという使い分けがなされることが多く、かつ、両者は異なる光透過性を実現するため、遮光部に用いる素材も異なる(ノーマルマスクはCr、MoSi等、ハーフトーンマスクMiSiON、CrON等)からである。
【0029】
よって、上記の場合、例えば第1コンタクトパターン1Cと第1配線パターン1Mとを同じマスク上に作るのは好ましくなく、第1コンタクトパターン1Cと第1ビアパターン1V、第1配線パターン1Mと第2配線パターン2Mのような組合せを選択する方が好ましい。
【0030】
また、マスク作成時に必要なアドレスユニット(マスクパターンを電子ビーム描画する際にビームを移動させるグリッド)、および形成するマスクパターンの寸法精度が同じパターンを、同一マスク上に作る方が好ましい。微細な寸法のパターンから成り、高い寸法精度が要求されるマスクには、より小さいアドレスユニットが用いられてマスクパターンが形成されるので、その分電子ビーム描画にも時間、さらにはコストがかかることとなる。そうした小さいアドレスユニットが必要でない工程用のマスクまで、同じアドレスユニットを用いて描画するのは無駄である。図5の例であれば、分離パターン1Fやゲートパターン1Gは、注入工程であるNウェルパターンNW、PウェルパターンPW、NchソースドレインパターンN+、PchソースドレインパターンP+より微細な寸法のパターンから成り、高い寸法精度が要求される。例えば分離パターン1FとNウェルパターンNWといった組み合わせで一のマスクを作成するのは好ましくないといえる。
【0031】
第2の点は、ショット領域が小さくなる制約である。従来の露光装置のウェハ上での最大の露光領域、すなわち最大のショット寸法は22mm×22mm程度であったが、これを2分割し、さらにまたパターン間遮光領域を設ける場合には、パターン間遮光領域を例えば500μm程度と想定すると、最大のショット寸法はおおよそ22mm×10.75μmとなる。この点については、この範囲に収まるチップが露光対象であれば、本発明の露光方法を十分に適用可能である。
【0032】
また、露光領域を最大限に利用したマルチチップレチクルとはできず、半導体露光装置としてのスループットの向上を図ることは困難であるが、本発明について想定される主用途は、試作品や少量生産品であるので、実施上の問題とはならない。
【0033】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、写真製版工程に用いるマスクの枚数を低減することができるので、マスク製作の費用を削減し、製作に要する期間を短縮することが可能となる。
【0034】
<実施の形態2>
実施の形態1では、1枚のマスクに2つの工程のパターンを形成したが、さらに多くの工程に相当するパターンを、1枚のマスク上に形成することも可能である。
【0035】
図8は、4つの配線工程用のパターンを形成したマスク300を例示的に示す図である。マスク300においては、外枠101および周辺遮光部102に囲まれた露光可能な平坦なマスク面100Sに、4つのショット領域311、321、331および341が形成され、それらには、順に、第1配線、第2配線、第3配線、第4配線の工程に対応するパターン312、322、332、342が形成されているとする。また、パターン間遮光領域103(103a、103b)により、各ショット領域間が遮光される。
【0036】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、それぞれの配線工程についての露光処理を行うたびごとに、ブラインド部3がそれぞれのショット領域に対応する照射領域を与えるように配置され、露光処理が行われることとなる。
【0037】
これにより、従来は4枚のマスクが必要であった4つの工程のパターンを、1枚のマスクに形成できるので、マスク製作にかかる費用は低減され、製作期間は大幅に短縮される。
【0038】
例えば、実施の形態1で述べた4層配線CMOSデバイスの写真製版プロセスであれば、図9に示すように、最大4つの工程のパターンを1枚のマスク上に形成することで、計5枚のマスクで作ることができ、マスク枚数を1/3に低減させることができる。
【0039】
<実施の形態3>
試作品の製造や製品の開発段階では、設計変更によりマスクパターンの改訂・変更が必要となる場合が多々ある。そうした場合、費用や製作期間の増加をできるだけ抑制することが求められる。本発明は、こうした場合についても対応が可能である。
【0040】
図10は、実施の形態2に係るマスク300を用いた写真製版工程において、第2配線工程に対応するパターン322にのみ改訂が必要となった場合の、改訂マスク350の例を示す図である。改訂マスク350は、外枠101および周辺遮光部102に囲まれた露光可能なマスク面100Sのうち、実施の形態2に係るマスク300の第2配線工程に対応するショット領域321と同位置に、同サイズのショット領域321aを備えている。ショット領域321aには、改訂後のパターン322aが形成されている。そして他のパターンに相当する領域には全て、遮光部323が形成されている。
【0041】
このような改訂マスク350を用意することで、新たな写真製版工程においては、第2配線工程についての露光のみこの改訂マスク350を用い、他の第1、第3、および第4配線工程については、改訂前のマスク300をそのまま使用することになる。
【0042】
このように、改訂が必要なパターンを改訂対象パターンとして決定し、その改訂対象パターンに相当する部分のみを新たに作成することで、マスク全体を新しく作成する場合に比べ、作成の際の描画時間を短縮でき、かつ、マスクの検査、修正に要する時間、手間も省くことができる。結果として、改訂マスク製作に要する費用は最小限に抑制され、製作期間も短縮することができ、設計変更に対し迅速に対応することが可能となる。
【0043】
<変形例>
上述の実施の形態においては、1枚のマスクに2ないし4工程のパターンを形成するものとしたが、本発明はそれには限定されず、3工程もしくは5工程以上の工程のパターンを1枚のマスク上に形成することも可能である。ただし、同一マスク上に形成する工程が増えるとショット領域が減少するので、実際に製作したいデバイスのショットの大きさから、工程数の上限が定まることとなる。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、マスクの所定の領域にのみ露光用光を照射することができるので、複数のマスクパターンを有するマスクの一部分のパターンについてのみ、選択的に露光を行うことができる。
【0045】
また、請求項2の発明によれば、所定の照射領域に確実に露光用光を照射することができる。
【0046】
また、請求項3の発明によれば、マスクにおける露光用光の照射領域を、様々なサイズおよび位置の矩形領域とすることができる。
【0047】
また、請求項4の発明によれば、一のマスクによって、複数の異なるパターンを露光することができるので、写真製版工程において必要なマスク枚数を低減でき、マスク製作にかかる費用の削減、および製作期間の短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体露光装置10の構成を模式的に示す図である。
【図2】ブラインド部3について説明するための図である。
【図3】マスク100の上面図である。
【図4】マスク100を用いて第1配線工程の露光を行う場合を説明するための図である。
【図5】4層配線CMOSデバイスの写真製版プロセスにおけるパターンの組合せを示す図である。
【図6】1Fと1Gのパターンを形成したマスク150を示す図である。
【図7】ゲートパターンを形成した後の基板の断面図である。
【図8】4つの配線工程用のパターンを形成したマスク300を例示的に示す図である。
【図9】4層配線CMOSデバイスの写真製版プロセスにおけるパターンの組合せを示す図である。
【図10】改訂マスク350の例を示す図である。
【図11】従来のマスク500の上面図である。
【符号の説明】
1 光源、2 照明光学系、3 ブラインド部、4,100,150,300マスク、5 レチクルステージ、6 縮小光学系、7,161 基板、8 露光ステージ、9 制御部、10 半導体露光装置、11,131 照射領域、101 外枠、102 周辺遮光部、103 パターン間遮光領域、111,121,311,321,331,341 ショット領域、112,122 配線パターン、132 遮光領域、162 分離酸化膜、163 ゲート酸化膜、164 ポリシリコン
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスを製造する際に、各種のパターニングに使用する半導体製造用マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造用マスクとは、半導体デバイスの製造工程における1プロセスである写真製版工程において、パターンを形成する際の原版となる。写真製版工程では、マスクに形成されているパターンがそのまま、ウェハ上のレジストに転写されて、パターンが形成される。そのレジストパターンに基づいてエッチングや注入を行うことにより、ウェハ上に半導体デバイスが形成される。
【0003】
図11は、従来のマスク500を上面から見た図である。従来のマスク500は、ある配線工程用のマスクを例示的に示すものである。以下、この配線工程における写真製版は、光が照射された箇所のレジストが現像によって消滅するポジレジストを用いると想定する。従来のマスク500の外枠101には、通常はガラス基板が用いられる。
【0004】
露光は、ショット枠511fの内部のショット領域511に対し行われる。なお、本明細書において、一回ごとの露光処理のことを「ショット」といい、ショットが行われる領域を「ショット領域」、その周囲の枠を「ショット枠」という。
【0005】
ショット枠511fの内部のショット領域511において斜線で示すのは、例えばCr膜あるいはMoSi膜などによって、マスク500の表面側に形成される遮光部512である。このマスク500を用いてレジスト塗布された基板を露光することにより、基板上のショット領域511に相当する領域において、遮光部512のレジストは現像後に残存し、それ以外の光が透過する領域のレジストは除去される。これにより、基板上には、遮光部512と同一形状のレジストパターンが形成されることになる。
【0006】
また、ショット枠511fより外側にも周辺遮光部102が形成されているが、これは、一度の露光におけるショット領域511以外の領域には、光が当たらないようにするためである。それらの領域は、マスクを移動させた後、順次露光されることとなる。
【0007】
なお、実際のマスクには上記以外に、露光装置でマスクの位置決めをするために用いるレチクルアライメントマーク、マスクを識別する印字もあり、またマスクをごみから守るペリクルが貼り付けられているが、本発明の説明には本質的な関係を持たないので、以降も含め説明は省略する。
【0008】
また、隣接するショット間ですきまが生じても細いレジストが残存しないよう、ショット枠511fに対して、数μm外側まで光が透過するスリットと呼ばれる領域も通常設けられるが、これも記述の簡略化のため省略する。
【0009】
以後では、本来の回路パターンの露光に用いられる実体部分を「マスク」と称する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、1つのパターン形成工程ごとに、図11で示したようなマスクを1枚ずつ要していた。一方で、デバイスの微細化、配線層の増加等により、1つのデバイスを製造するのに必要な写真製版の工程数、したがってマスク枚数も増加している。また、マスクもより精密なものが要求されるので、マスク製作に必要な費用および期間の増加が問題となっている。例えば、0.15μmルールで、5層配線のLogicデバイスでは、マスクは30〜40枚程度必要となっている。
【0011】
大規模な量産品であれば、そのマスク費用が全体に占める割合は軽微なものであるが、小規模な量産品や試作品の製造、またはプロセス開発においては、マスク製作期間を短縮し、かつマスクの費用を減らすことが必要となってきている。
【0012】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、1つのデバイスを製造するために必要となるマスク枚数を削減することが可能な露光方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、マスクを用いて基板上に所定のパターンを露光する方法であって、マスク面にそれぞれ異なる工程に対応する複数の異なるマスクパターンが形成されたマスクにおける光の照射領域を制限する遮蔽工程と、制限された照射領域を介して前記光を基板に与える工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の露光方法であって、前記遮蔽工程が、前記マスクの配置位置の直上に備わる遮蔽手段により行われることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の露光方法であって、前記遮蔽手段が互いに対向配置された2つの遮蔽板の対を2対備え、そのうちの1対を構成する2つの遮蔽板の移動方向と、他の1対を構成する2つの遮蔽板の移動方向とが、互いに直交することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の露光方法であって、前記マスクの前記複数の異なるマスクパターンのそれぞれについて順次露光を行う露光工程をさらに備え、前記遮蔽工程は、前記複数の異なるマスクパターンのうち前記露光工程において露光対象となったマスクパターンに対応して、前記照射領域を設定可能であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1は、縮小投影露光装置と呼ばれる半導体露光装置10の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、半導体露光装置10は、レチクルとも呼ばれるマスク4に光Lを照射して、マスク4に形成されているパターンを、基板7上に縮小投影して露光するためのものである。半導体露光装置10はそのために、露光用の特定の波長の光Lを出す水銀ランプまたはレーザである光源1と、光源1からの光Lを所望の状態に変形する照明光学系2と、マスク4の配置位置の直上に配置され、照明光学系を経た光Lを一部遮蔽して、マスク4において照射される領域を制限するブラインド部3と、マスク4を保持するレチクルステージ5と、パターンを縮小投影するための縮小光学系6と、基板7が載置され、水平方向に稼働して露光の位置決めを担う露光ステージ8と、各部の動作を制御する制御部9とを主として備える。図1においては、露光ステージ8が移動を行う面内をxy面、これに垂直な、光Lの入射する方向をz軸とする3次元座標を付している。以下の図面もこの座標系に従うものとする。
【0018】
図2は、ブラインド部3について説明するための図である。ブラインド部3は、4つのブラインド(遮蔽板)3a、3b、3c、および3dからなり、マスク4の直上に備わる。また、各ブラインドにはそれぞれ、制御部9からの所定の制御信号に応答して当該ブラインドを水平方向に進退移動させる駆動手段としてのアクチュエータAC(ACa、ACb、ACc、ACd)が備わっている。ブラインド3aとブラインド3bとは互いに対向配置され、制御部9からの所定の制御信号に応答したアクチュエータACaおよびACbの作用により、矢印AR1およびAR2に示すようにそれぞれx軸方向に移動する。ブラインド3cとブラインド3dとはその上方に対向配置され、制御部9からの所定の制御信号に応答したアクチュエータACcおよびACdの作用により、矢印AR3およびAR4に示すようにそれぞれy軸方向に移動する。従って、ブラインドの第一の対3a、3bの移動方向と、第2の対3c、3dの移動方向とは、互いに直交している。本実施の形態に係る半導体露光装置10は、このブラインド部3の配置を適宜設定することにより、マスク4における光Lの照射領域11を、様々なサイズおよび位置の矩形領域として制限することが可能である。図2(a)と図2(b)とは、それぞれ異なる照射領域11aおよび11bが形成された場合の例を示している。なお、ブラインド部3はマスク4の直上に備わるので、照射領域11に確実に光Lが照射される。
【0019】
図3は、図1におけるマスク4の一例としてのマスク100を、上面から見た図である。マスク100は、図11に示す従来のマスク500と同様に、外枠101と、例えばCr膜あるいはMoSi膜などによって表面側に形成された周辺遮光部102とを備える。
【0020】
さらに、マスク100において特徴的なことは、外枠101および周辺遮光部102とに囲まれた平坦なマスク面100Sに、2つのショット領域111および121が形成され、それぞれに異なるパターンが形成されていることである。すなわちマスク100は、異なる2回の写真製版工程に使用されるものである。それぞれの工程を、第1配線工程と第2配線工程とすると、第1配線工程は、ショット枠111fに囲まれたショット領域111に形成された遮光部からなる配線パターン112によって露光する工程、第2配線工程はショット枠121fによって囲まれたショット領域121に形成された遮光部からなる配線パターン122によって露光する工程である。また、2つのショット領域111と121との間には、パターン間遮光領域103が形成されている。パターン間遮光領域103は、周辺遮光部102と同じく、ショット領域111および121の外部を遮光するためのものであるが、第1配線工程のショット枠111fと第2配線工程のショット枠121fの間のところで、200〜600μm程度の幅を持つことを特徴とする。なお、このパターン間遮光領域103の幅は、このブラインド部3の位置精度に基づいて定められる。
【0021】
本実施の形態に係る半導体露光装置10においては、このマスク100を用い、かつ、図2に示したようにブラインド部3の各ブラインドの配置を調整することで、一のマスク100を2つの製版工程に使用することを実現する。
【0022】
図4は、マスク100を用いて第1配線工程の露光を行う場合を説明するための図である。まず第1配線工程の露光においては、ショット領域111の上方のみを照射領域131とし、その周囲は遮光領域132となるようにブラインド部3が配置される。この状態で光Lを照射することにより、基板には、マスク100において制限された照射領域を介して、第1配線工程のパターンのみが露光されることになる。そして、現像処理や、他のマスクによる露光等を経た後、第2配線工程の露光を行う段階に達すると、再びマスク100および基板7をセットし、照射領域11をショット領域121の上方に位置させるようブラインド部3を配置して、ショット領域121のみを露光することになる。
【0023】
このようにすることで、従来は配線工程ごと別々に2枚のマスクが必要であったものが、1枚のマスクで済み、マスク製作に要する費用、期間が約半分になる。
【0024】
これを利用した例として、15回の写真製版で作られる4層配線CMOSデバイスの写真製版プロセスを図5に示す。15回の写真製版とは、図5の左欄に示すように、(1)分離パターン1F、(2)NウェルパターンNW、(3)PウェルパターンPW、(4)ゲートパターン1G、(5)NchソースドレインパターンN+、(6)PchソースドレインパターンP+、(7)第1コンタクトパターン1C、(8)第1配線パターン1M、(9)第1ビアパターン1V、(10)第2配線パターン2M、(11)第2ビアパターン2V、(12)第3配線パターン3M、(13)第3ビアパターン3V、(14)第4配線パターン4M、(15)ポリイミドパターンPCの各マスクパターンにより、順に露光を行っていくプロセスである。従来のように、1回の写真製版につき1枚のマスクを要する場合は15枚のマスクを必要とする。しかし、本実施の形態のように、2つの工程のマスクパターンを1枚のマスク上に形成すれば、例えば図5の右欄に示すように、分離パターン1Fとゲートパターン1G、NウェルパターンNWとPウェルパターンPW、NchソースドレインパターンN+とPchソースドレインパターンP+、第1コンタクトパターン1Cと第1ビアパターン1V、第2ビアパターン2Vと第3ビアパターン3V、第1配線パターン1Mと第2配線パターン2M、および第3配線パターン3Mと第4配線パターン4Mをそれぞれ同一のマスクに形成するとすれば(ポリイミドパターンPCのみ単独で形成)、計8枚のマスクで全ての工程を形成することができ、マスク枚数を概ね半減させることができる。
【0025】
図6は、この8枚のマスクの一例として、分離パターン1Fとゲートパターン1Gとを形成したマスク150を示す図である。マスク150は、外枠151と、分離パターン1Fのショット領域152と、そのマスクパターン153と、ゲートパターン1Gのショット領域154と、そのマスクパターン155とを備える。
【0026】
また、図7は、マスクパターン155を写真製版し、レジストにてゲートパターン1Gを形成した後の基板の断面図である。図7は、図6におけるAA’断面に相当し、基板161上に、分離パターン1Fであるマスクパターン153に基づいて分離酸化膜162を形成し、さらにゲート酸化膜163、ゲート電極となるポリシリコン164を順次形成し、図6のゲートパターン1Gであるマスクパターン155に基づき、レジスト35にてゲートパターン1Gを形成した状態を示している。
【0027】
なお、複数工程のパターンを1枚のマスク上に作る場合は、以下の2点について考慮することが好ましい。
【0028】
第1の点は、好ましくないパターンの組み合わせの存在である。図5の例であれば、第1コンタクトパターン1C、第1ビアパターン1V等のホール工程にはハーフトーンマスクが、第1配線パターン1M、第2配線パターン2M等の配線工程にはノーマルマスクが用いられる場合が一般的である。ホールパターンの方がラインパターンより解像が難しいので、ホールパターンの第1コンタクトパターン1C、第1ビアパターン1Vには、ノーマルマスクより高い解像性を持つハーフトーンマスクを用い、第1配線パターン1M、第2配線パターン2Mにはノーマルマスクを用いるという使い分けがなされることが多く、かつ、両者は異なる光透過性を実現するため、遮光部に用いる素材も異なる(ノーマルマスクはCr、MoSi等、ハーフトーンマスクMiSiON、CrON等)からである。
【0029】
よって、上記の場合、例えば第1コンタクトパターン1Cと第1配線パターン1Mとを同じマスク上に作るのは好ましくなく、第1コンタクトパターン1Cと第1ビアパターン1V、第1配線パターン1Mと第2配線パターン2Mのような組合せを選択する方が好ましい。
【0030】
また、マスク作成時に必要なアドレスユニット(マスクパターンを電子ビーム描画する際にビームを移動させるグリッド)、および形成するマスクパターンの寸法精度が同じパターンを、同一マスク上に作る方が好ましい。微細な寸法のパターンから成り、高い寸法精度が要求されるマスクには、より小さいアドレスユニットが用いられてマスクパターンが形成されるので、その分電子ビーム描画にも時間、さらにはコストがかかることとなる。そうした小さいアドレスユニットが必要でない工程用のマスクまで、同じアドレスユニットを用いて描画するのは無駄である。図5の例であれば、分離パターン1Fやゲートパターン1Gは、注入工程であるNウェルパターンNW、PウェルパターンPW、NchソースドレインパターンN+、PchソースドレインパターンP+より微細な寸法のパターンから成り、高い寸法精度が要求される。例えば分離パターン1FとNウェルパターンNWといった組み合わせで一のマスクを作成するのは好ましくないといえる。
【0031】
第2の点は、ショット領域が小さくなる制約である。従来の露光装置のウェハ上での最大の露光領域、すなわち最大のショット寸法は22mm×22mm程度であったが、これを2分割し、さらにまたパターン間遮光領域を設ける場合には、パターン間遮光領域を例えば500μm程度と想定すると、最大のショット寸法はおおよそ22mm×10.75μmとなる。この点については、この範囲に収まるチップが露光対象であれば、本発明の露光方法を十分に適用可能である。
【0032】
また、露光領域を最大限に利用したマルチチップレチクルとはできず、半導体露光装置としてのスループットの向上を図ることは困難であるが、本発明について想定される主用途は、試作品や少量生産品であるので、実施上の問題とはならない。
【0033】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、写真製版工程に用いるマスクの枚数を低減することができるので、マスク製作の費用を削減し、製作に要する期間を短縮することが可能となる。
【0034】
<実施の形態2>
実施の形態1では、1枚のマスクに2つの工程のパターンを形成したが、さらに多くの工程に相当するパターンを、1枚のマスク上に形成することも可能である。
【0035】
図8は、4つの配線工程用のパターンを形成したマスク300を例示的に示す図である。マスク300においては、外枠101および周辺遮光部102に囲まれた露光可能な平坦なマスク面100Sに、4つのショット領域311、321、331および341が形成され、それらには、順に、第1配線、第2配線、第3配線、第4配線の工程に対応するパターン312、322、332、342が形成されているとする。また、パターン間遮光領域103(103a、103b)により、各ショット領域間が遮光される。
【0036】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、それぞれの配線工程についての露光処理を行うたびごとに、ブラインド部3がそれぞれのショット領域に対応する照射領域を与えるように配置され、露光処理が行われることとなる。
【0037】
これにより、従来は4枚のマスクが必要であった4つの工程のパターンを、1枚のマスクに形成できるので、マスク製作にかかる費用は低減され、製作期間は大幅に短縮される。
【0038】
例えば、実施の形態1で述べた4層配線CMOSデバイスの写真製版プロセスであれば、図9に示すように、最大4つの工程のパターンを1枚のマスク上に形成することで、計5枚のマスクで作ることができ、マスク枚数を1/3に低減させることができる。
【0039】
<実施の形態3>
試作品の製造や製品の開発段階では、設計変更によりマスクパターンの改訂・変更が必要となる場合が多々ある。そうした場合、費用や製作期間の増加をできるだけ抑制することが求められる。本発明は、こうした場合についても対応が可能である。
【0040】
図10は、実施の形態2に係るマスク300を用いた写真製版工程において、第2配線工程に対応するパターン322にのみ改訂が必要となった場合の、改訂マスク350の例を示す図である。改訂マスク350は、外枠101および周辺遮光部102に囲まれた露光可能なマスク面100Sのうち、実施の形態2に係るマスク300の第2配線工程に対応するショット領域321と同位置に、同サイズのショット領域321aを備えている。ショット領域321aには、改訂後のパターン322aが形成されている。そして他のパターンに相当する領域には全て、遮光部323が形成されている。
【0041】
このような改訂マスク350を用意することで、新たな写真製版工程においては、第2配線工程についての露光のみこの改訂マスク350を用い、他の第1、第3、および第4配線工程については、改訂前のマスク300をそのまま使用することになる。
【0042】
このように、改訂が必要なパターンを改訂対象パターンとして決定し、その改訂対象パターンに相当する部分のみを新たに作成することで、マスク全体を新しく作成する場合に比べ、作成の際の描画時間を短縮でき、かつ、マスクの検査、修正に要する時間、手間も省くことができる。結果として、改訂マスク製作に要する費用は最小限に抑制され、製作期間も短縮することができ、設計変更に対し迅速に対応することが可能となる。
【0043】
<変形例>
上述の実施の形態においては、1枚のマスクに2ないし4工程のパターンを形成するものとしたが、本発明はそれには限定されず、3工程もしくは5工程以上の工程のパターンを1枚のマスク上に形成することも可能である。ただし、同一マスク上に形成する工程が増えるとショット領域が減少するので、実際に製作したいデバイスのショットの大きさから、工程数の上限が定まることとなる。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、マスクの所定の領域にのみ露光用光を照射することができるので、複数のマスクパターンを有するマスクの一部分のパターンについてのみ、選択的に露光を行うことができる。
【0045】
また、請求項2の発明によれば、所定の照射領域に確実に露光用光を照射することができる。
【0046】
また、請求項3の発明によれば、マスクにおける露光用光の照射領域を、様々なサイズおよび位置の矩形領域とすることができる。
【0047】
また、請求項4の発明によれば、一のマスクによって、複数の異なるパターンを露光することができるので、写真製版工程において必要なマスク枚数を低減でき、マスク製作にかかる費用の削減、および製作期間の短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体露光装置10の構成を模式的に示す図である。
【図2】ブラインド部3について説明するための図である。
【図3】マスク100の上面図である。
【図4】マスク100を用いて第1配線工程の露光を行う場合を説明するための図である。
【図5】4層配線CMOSデバイスの写真製版プロセスにおけるパターンの組合せを示す図である。
【図6】1Fと1Gのパターンを形成したマスク150を示す図である。
【図7】ゲートパターンを形成した後の基板の断面図である。
【図8】4つの配線工程用のパターンを形成したマスク300を例示的に示す図である。
【図9】4層配線CMOSデバイスの写真製版プロセスにおけるパターンの組合せを示す図である。
【図10】改訂マスク350の例を示す図である。
【図11】従来のマスク500の上面図である。
【符号の説明】
1 光源、2 照明光学系、3 ブラインド部、4,100,150,300マスク、5 レチクルステージ、6 縮小光学系、7,161 基板、8 露光ステージ、9 制御部、10 半導体露光装置、11,131 照射領域、101 外枠、102 周辺遮光部、103 パターン間遮光領域、111,121,311,321,331,341 ショット領域、112,122 配線パターン、132 遮光領域、162 分離酸化膜、163 ゲート酸化膜、164 ポリシリコン
Claims (4)
- マスクを用いて基板上に所定のパターンを露光する方法であって、
マスク面にそれぞれ異なる工程に対応する複数の異なるマスクパターンが形成されたマスクにおける光の照射領域を制限する遮蔽工程と、
制限された照射領域を介して前記光を基板に与える工程と、
を備えることを特徴とする露光方法。 - 請求項1に記載の露光方法であって、
前記遮蔽工程が、前記マスクの配置位置の直上に備わる遮蔽手段により行われることを特徴とする露光方法。 - 請求項2に記載の露光方法であって、
前記遮蔽手段が互いに対向配置された2つの遮蔽板の対を2対備え、
そのうちの1対を構成する2つの遮蔽板の移動方向と、他の1対を構成する2つの遮蔽板の移動方向とが、互いに直交することを特徴とする露光方法。 - 請求項3に記載の露光方法であって、
前記マスクの前記複数の異なるマスクパターンのそれぞれについて順次露光を行う露光工程をさらに備え、
前記遮蔽工程は、前記複数の異なるマスクパターンのうち前記露光工程において露光対象となったマスクパターンに対応して、前記照射領域を設定可能であることを特徴とする露光方法。
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