JP2003331871A - 平板型の固体酸化物形燃料電池およびセパレータ - Google Patents

平板型の固体酸化物形燃料電池およびセパレータ

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JP2003331871A JP2003049581A JP2003049581A JP2003331871A JP 2003331871 A JP2003331871 A JP 2003331871A JP 2003049581 A JP2003049581 A JP 2003049581A JP 2003049581 A JP2003049581 A JP 2003049581A JP 2003331871 A JP2003331871 A JP 2003331871A
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Kiichi Komada
紀一 駒田
Koji Hoshino
孝二 星野
Takashi Hosoi
敬 細井
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Mitsubishi Materials Corp
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Kansai Electric Power Co Inc
Mitsubishi Materials Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電セルの軽量化と発電効率の向上を図る。 【解決手段】 固体酸化物形燃料電池は、固体電解質層
の両面に燃料極層と酸化剤極層を配置し、燃料極層と酸
化剤極層の外側にそれぞれ燃料極集電体と酸化剤極集電
体を配置し、燃料極集電体と酸化剤極集電体の外側にセ
パレータ8を配置して構成される。セパレータ8から燃
料極集電体および酸化剤極集電体を介して燃料極層およ
び酸化剤極層に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給する。
このセパレータ8は、中央部に第1のガス吐出孔25を
周辺部に第2のガス吐出孔24を輪状に設けた金属製薄
板21と、凸凹状の金属製薄板22とを含む複数の金属
製薄板を積層して構成される。上記構成では、セパレー
タ8から吐出するガスを集電体を通して電極層全面に供
給することができるため、ガス利用効率の良い効率的な
発電を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体酸化物形燃料
電池に関し、詳しくは、導入ガスを集電体内の全域に亘
って供給することにより電極反応のアンバランスを無く
し、発電効率の向上を図った平板型の固体酸化物形燃料
電池におけるセパレーの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化物イオン伝導体からなる固体電解質
層を空気極層(酸化剤極層)と燃料極層との間に挟んだ
積層構造を持つ固体酸化物形燃料電池は、第三世代の発
電用燃料電池として開発が進んでいる。固体酸化物形燃
料電池では、空気極側に酸素(空気)が、燃料極側には
燃料ガス(H2 、CO等)が供給される。空気極と燃料
極は、ガスが固体電解質との界面に到達することができ
るように、いずれも多孔質とされている。
【0003】空気極側に供給された酸素は、空気極層内
の気孔を通って固体電解質層との界面近傍に到達し、こ
の部分で、空気極から電子を受け取って酸化物イオン
(O2-)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃料
極の方向に向かって固体電解質層内を拡散移動する。燃
料極との界面近傍に到達した酸化物イオンは、この部分
で、燃料ガスと反応して反応生成物(H2 O、CO2
等)を生じ、燃料極に電子を放出する。
【0004】燃料に水素を用いた場合の電極反応は次の
ようになる。 空気極: 1/2 O2 + 2e- → O2- 燃料極: H2 + O2- → H2 O+2e- 全体 : H2 + 1/2 O2 → H2
【0005】固体電解質層は、酸化物イオンの移動媒体
であると同時に、燃料ガスと空気を直接接触させないた
めの隔壁としても機能するので、ガス不透過性の緻密な
構造となっている。この固体電解質層は、酸化物イオン
伝導性が高く、空気極側の酸化性雰囲気から燃料極側の
還元性雰囲気までの条件下で化学的に安定で、熱衝撃に
強い材料から構成する必要があり、かかる要件を満たす
材料として、イットリアを添加した安定化ジルコニア
(YSZ)が一般的に使用されている。
【0006】一方、電極である空気極(カソード)層と
燃料極(アノード)層はいずれも電子伝導性の高い材料
から構成する必要がある。空気極材料は、700℃前後
の高温の酸化性雰囲気中で化学的に安定でなければなら
ないため、金属は不適当であり、電子伝導性を持つペロ
ブスカイト型酸化物材料、具体的にはLaMnO3 もし
くはLaCoO3 、または、これらのLaの一部をS
r、Ca等に置換した固溶体が一般に使用されている。
また、燃料極材料は、Ni、Coなどの金属、或いはN
i−YSZ、Co−YSZなどのサーメットが一般的で
ある。
【0007】固体酸化物形燃料電池には、1000℃前
後の高温で作動させる高温作動型のものと、700℃前
後の低温で作動させる低温作動型のものとがある。低温
作動型の固体酸化物形燃料電池は、例えば電解質である
イットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)の厚
さを10μm程度まで薄膜化して、電解質の抵抗を低く
することにより、低温でも燃料電池として発電するよう
に改良された発電セルを使用する。
【0008】高温の固体酸化物形燃料電池では、セパレ
ータには、例えばランタンクロマイト(LaCrO3
等の電子伝導性を有するセラミックスが用いられるが、
低温作動型の固体酸化物燃料電池では、ステンレス等の
金属材料を使用することができる。
【0009】また、固体酸化物形燃料電池の構造には、
円筒型、モノリス型、及び平板型の3種類が提案されて
いる。それらの構造のうち、低温作動型の固体酸化物形
燃料電池には、金属のセパレータを使用できることか
ら、金属のセパレータに形状付与し易い平板型の構造が
適している。
【0010】平板型の固体酸化物形燃料電池のスタック
は、発電セル、集電体、セパレータを交互に積層した構
造を持つ。一対のセパレータが発電セルを両面から挟ん
で、一方は空気極集電体を介して空気極と、他方は燃料
極集電体を介して燃料極と接している。燃料極集電体に
は、Ni基合金等のスポンジ状の多孔質体を使用するこ
とができ、空気極集電体には、Ag基合金等の同じくス
ポンジ状の多孔質体を使用することができる。スポンジ
状多孔質体は、集電機能、ガス透過機能、均一ガス拡散
機能、クッション機能、熱膨脹差吸収機能等を兼ね備え
るので、多機能の集電体材料として適している。
【0011】セパレータは、発電セル間を電気接続する
と共に、発電セルに対してガスを供給する機能を有する
もので、燃料ガスをセパレータ外周面から導入してセパ
レータの燃料極層に対向する面から吐出させる燃料通路
と、酸化剤ガスをセパレータ外周面から導入してセパレ
ータの酸化剤極層に対向する面から吐出させる酸化剤通
路とをそれぞれ有している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、低温作動の
固体酸化物形燃料電池の場合、セパレータは厚さ5〜1
0mm程度の金属板(ステンレス等)を用い、その中央
部に側面より導入された燃料ガスおよび酸化剤ガスを集
電体に吐出するためのガス吐出孔を設けた構造のものが
知られている。図4はその一例を示す燃料電池スタック
の要部断面図で、図4中、符号3は燃料極層、符号6は
燃料極集電体、符号8はセパレータ、符号11は燃料通
路、符号25はガス吐出孔であり、矢印は燃料ガスの透
過状態を示している。
【0013】ところが、このような従来型のセパレータ
構造は以下のような問題を有していた。
【0014】即ち、セパレータ8の中央部より吐出した
燃料ガスは、多孔質クッション材より成る燃料極集電体
6を通して燃料極層3の全域に供給される構造である
が、実際はガスの吐出孔25付近での電極反応によって
燃料ガスが大幅に消費され、ガス吐出孔25から遠ざか
るに連れてガス濃度が低下するといった問題である。こ
のため、電極全域において電極反応が均一に行われず、
発電セル内で温度勾配が生じ、その際の熱応力によって
発電セルが破壊されたり、非効率的な発電による発電特
性の低下(発電量が発電セルの中央部で大きく周辺部で
小さくなる)を招くこととなった。この問題は特に燃料
極側で顕著であった。
【0015】また、厚さ5〜10mmといった肉厚の金
属板を使用することにより、単セル自体の重量が重くな
り、複数の電池スタックを縦置きにして構成される固体
酸化物形燃料電池の場合にあっては、下方に配置される
電池スタックの発電セルがその重圧によって破損し易い
といった問題がある。このため、現状ではセル構成を加
重に耐え得る積層数に制限せざるを得ないといった問題
が残されている。因みに、従来構造の場合、電池スタッ
クの重量は1kg程度有り、この電池スタックを多数積
層した電池モジュールの総重量は25kg程になる。従
って、その支持構造も自ずと複雑になってくる。
【0016】本発明は、上記問題に鑑み、集電体内の電
極反応を均一にすることにより発電効率の向上を図ると
共に、セパレータの軽量化を図って破損事故等の弊害を
防止した平板型の固体酸化物形燃料電池および固体酸化
物形燃料電池用セパレータを提供することを目的として
いる。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記
載の本発明は、固体電解質層の両面に燃料極層と酸化剤
極層を配置し、当該燃料極層と酸化剤極層の外側にそれ
ぞれ燃料極集電体と酸化剤極集電体を配置し、当該燃料
極集電体と酸化剤極集電体の外側にセパレータを配置
し、当該セパレータから前記燃料極集電体および酸化剤
極集電体を介して前記燃料極層および酸化剤極層に燃料
ガスおよび酸化剤ガスを供給する平板型の固体酸化物形
燃料電池において、前記セパレータは、導入されたガス
をその中央部から吐出するための第1のガス吐出孔と周
辺部に沿って環状に吐出するための複数の第2のガス吐
出孔を有することを特徴としている。本構成では、セパ
レータの中央部と周辺部からはガスが輪状に吐出される
ため、集電体全体に十分に行き渡らせることができる。
これにより、電極全域に亘って均一な電極反応が行われ
るようになり、中央部と周辺部とで発電量の差を無くし
た効率的な発電を行うことができる。
【0018】また、請求項2に記載の本発明は、請求項
1に記載の平板型の固体電解質形燃料電池において、前
記セパレータは、少なくとも、前記第1のガス吐出孔と
第2のガス吐出孔を設けた金属製薄板、および凸凹状に
加工した金属製薄板とを含む複数の金属製薄板を積層し
て構成されることを特徴としている。本構成により、セ
パレータ自体を軽量化できると共に、金属製薄板の凸凹
がガス流路を形成するため、導入ガスはセパレータ内全
域に満遍なく拡散されていき、セパレータ中央部の第1
のガス吐出孔へはもとより、周辺部に環状に形成した第
2のガス吐出孔へのガス供給も確実にする。
【0019】また、請求項3に記載の本発明は、請求項
2に記載の平板型の固体酸化物形燃料電池において、前
記第1のガス吐出孔と第2のガス吐出孔を設けた金属製
薄板が少なくとも前記燃料極集電体側に配設されて成る
ことを特徴としている。集電体内における電極反応の不
均一性は、特に燃料ガスの供給側で顕著である。これ
は、燃料ガスは空気(酸化剤ガス)のように大量に供給
することができず、供給量が限定されているためであ
る。そこで、本構成では、少なくとも燃料極集電体と接
するセパレータ部分にこのようなガス吐出構造を適用し
て燃料極層における電極反応の不均一性を改善するよう
にしている。
【0020】また、請求項4に記載の本発明は、各電極
の外側に配した集電体に接して電極側にガス供給用のガ
ス通路を形成する固体酸化物形燃料電池用セパレータで
あって、導入されたガスをその中央部から吐出するため
の第1のガス吐出孔と周辺部に沿って環状に吐出するた
めの複数の第2のガス吐出孔を有することを特徴として
いる。
【0021】また、請求項5に記載の本発明は、請求項
4に記載の固体酸化物形燃料電池用セパレータにおい
て、少なくとも、前記第1のガス吐出孔と第2のガス吐
出孔を設けた金属製薄板、および凸凹状に加工した金属
製薄板とを含む複数の金属製薄板を積層して構成される
ことを特徴としている。
【0022】また、請求項6に記載の本発明は、請求項
5に記載の固体酸化物形燃料電池用セパレータにおい
て、前記第1のガス吐出孔と第2のガス吐出孔を設けた
金属製薄板が、少なくとも燃料極集電体側に配設されて
成ることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。尚、説明を簡略化するため、以下の
説明において従来と共通する部分については同一の符号
を用いた。図1は本発明に係る平板型の固体酸化物形燃
料電池の要部構成を示す分解斜視図、図2は燃料極側の
セパレータ構造を示す図、図3は燃料電池スタックの要
部断面図である。
【0024】先ず、図1に基づいて本実施形態に係る固
体酸化物形燃料電池の構成を説明する。図1中、符号1
は燃料電池スタックを示し、固体電解質層2の両面に燃
料極層3と空気極層(酸化剤極層)4を配した発電セル
5と、燃料極層3の外側の燃料極集電体6と、空気極層
4の外側の空気極集電体(酸化剤極集電体)7と、各集
電体6、7の外側のセパレータ8をそれぞれ順番に積層
した構造を有する。本実施形態は、燃料極集電体の外周
端にガスシールがないシールレス構造に適用して好適で
ある。
【0025】ここで、前記固体電解質層2はイットリア
を添加した安定化ジルコニア(YSZ)等で構成され、
前記燃料極層3はNi、Co等の金属あるいはNi−Y
SZ、Co−YSZ等のサーメットで構成され、前記空
気極層4はLaMnO3 、LaCoO3 等で構成され、
前記燃料極集電体6はNi基合金等のスポンジ状の多孔
質焼結金属板で構成され、前記空気極集電体7はAg基
合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成されてい
る。
【0026】前記セパレータ8は、従来型と同様に発電
セル5間を電気接続すると共に、発電セル5に対してガ
スを供給する機能を有するものであるが、その構造は図
4に示した従来型と相違している。
【0027】即ち、従来のセパレータが肉厚の金属単板
で作製されているのに対し、本実施形態のセパレータ8
は、図2(a)、(b)に示すように、複数のガス吐出
孔を設けた金属製の上板21と、表面を凸凹状に加工し
た中板22と、平坦形状の下板23とを順次積層して成
る3層構造を有する。これらは何れも、ステンレス等で
成る薄い金属板が使用されている。前記上板21には、
中央部に第1の燃料ガス吐出孔25が形成され、そして
周辺部に複数の第2の燃料ガス吐出孔24が輪状に整列
して形成されており、セパレータ8の外周端面より燃料
通路11を介して導入された燃料ガスをこれらのガス吐
出孔24および25より吐出し、これと対面する燃料極
集電体6に供給するようになっている。
【0028】前記中板22は、セパレータとしての強度
と厚さを確保するため、表面を凸凹状に加工した板金材
が使用されており、これと上板21と下板23を図2
(b)のように組み合わせて中空状のセパレータ8を構
成する。この凸凹による中空部が燃料ガスを拡散し易く
するガス流路として機能し、同時にセパレータ8の軽量
化が実現できる。尚、この凸凹形状は板金の塑性加工に
よって形成することができ、図示のような矩形状でなく
波形(波板)としても良い。また、エンボス加工により
凸凹模様を付けた板材を用いても良い。
【0029】前記下板23は燃料極側と空気極側の隔壁
を構成する。既述した上板21と中板23の組み合わせ
は燃料極側のセパレータ構造であり、実際はこの下板2
3を隔て空気極側のセパレータ部分が形成されることに
なるが、本図ではその部分を省略してある。
【0030】尚、図1に示す燃料スタック1の両端のセ
パレータ8(8A、8B)は、上記した燃料極側もしく
は空気極側セパレータ構造の何れか一方のみを有する。
【0031】以上の構成の平板型の固体酸化物形燃料電
池では、セパレータ8の中心部および周辺部から吐出す
る燃料ガスを燃料極集電体6を通して燃料極層3の全面
に良好な分布で行き渡らせることができ、よって、電極
層の全面に亘って効率的なガス反応が行われるようにで
きる。
【0032】即ち、図4に示すセパレータ8の中央部の
みにガス吐出孔25を設けた従来型では、ガスが周辺部
にまで十分に行き渡りにくい構造であることから、電極
反応に偏りが生じ、熱応力による発電セルの破壊や発電
効率の低下といった問題を引き起こしていたが、本実施
形態のセパレータ構造によれば、図3に示すように、セ
パレータ外周面より燃料通路11を介して導入された燃
料ガスがセパレータ8の中空部(凸凹)をガス通路とし
て全面に拡散されるようになり、中央部の第1の燃料ガ
ス吐出孔25および周辺部の複数の第2の燃料ガス吐出
孔24より燃料ガスを吐出し、これと対面する燃料極集
電体6を通して燃料極層3の全面に良好な分布で行き渡
らせることができる。これにより、電極全域に亘って均
一な電極反応が行われるようになり、中央部と周辺部と
で発電量の差を無くした効率的な発電を行うことができ
る。
【0033】加えて、本実施形態のセパレータ8は、内
部を空洞とする積層構造としたので、肉厚構造の従来型
に比べてセパレータ自体の重量を大幅に軽減できる。係
る構造は、多数の電池スタックを縦置きに積層した構造
の燃料電池モジュールにおいては、下方部に位置する発
電セルへの重圧を軽減するという面で極めて有効であ
り、これにより、燃料電池モジュールの支持構造を簡略
化し、且つ、電池スタック積層数の制約を大幅に緩和す
ることも可能となる。これにより、高起電力発電が実現
できる。
【0034】以上、本実施形態では、燃料極集電体6に
接するセパレータ部分の構造について説明したが、空気
極集電体7に接する側のセパレータ部分も同様の構造と
することができる。また、図示しないが、上記以外のよ
り単純なガス吐出構造(例えば、中央部のみのガス吐出
構造)とすることもできる。集電体内部での電極反応の
不均一性は、特に燃料ガスの供給側で顕著であるため、
少なくとも燃料極集電体6と対面する側のセパレータ部
分に本実施形態の構造を適用することが重要である。ま
た、本実施形態では、セパレータ8を3枚の金属薄板に
よる3層構造としたが、これに限定されるものではな
く、下板23を省略した2層構造とすることも勿論可能
である。これにより、セパレータ8の更なる軽量化が期
待できる。
【0035】また、本実施形態では、発電セルの電解質
にイットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)を
用いる固体酸化物形燃料電池を示したが、本発明は、そ
の他の固体酸化物形燃料電池、例えばセリア系電解質、
ガレート型電解質を用いる固体酸化物形燃料電池にも適
用することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1、請求項
4に記載の本発明によれば、セパレータの中央部と周辺
部にガス吐出孔を設けたので、ガスを集電体全体に十分
に行き渡らせることができる。これにより、電極全域に
亘って均一な電極反応が行われるようになり、発電セル
の中央部と周辺部とで発電量の差を無くした効率的な発
電を行うことができる。
【0037】また、請求項2、請求項5に記載の本発明
によれば、少なくとも、第1のガス吐出孔と第2のガス
吐出孔を設けた金属製薄板、および凸凹状に加工した金
属製薄板とを含む複数の金属製薄板を積層してセパレー
タを構成したので、セパレータ自体か軽量化され、縦型
燃料電池モジュールにおける電池スタックの積層数を増
やすことができるため、高起電力発電が実現できる。加
えて、凸凹がガス流路を形成するため導入ガスが集電体
全域に供給され易くなり、集電体内部での電極反応の不
均一性を改善した効率的な発電が行えるようになる。
【0038】また、請求項3、請求項6に記載の本発明
によれば、上記した請求項1と請求項2のセパレータ構
造を少なくとも燃料極集電体側のセパレータ部分に適用
するようにしたので、特に燃料ガスの供給側で顕著であ
る燃料極集電体内部での電極反応の不均一現象を効果的
に改善することができ、これにより燃料利用率の高い効
率的な発電を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体酸化物形燃料電池の要部構成
を示す分解斜視図。
【図2】本発明に係る燃料極側のセパレータ構造を示
し、(a)は平面図、(b)は断面図。
【図3】本発明に係る燃料電池スタックの要部断面図。
【図4】従来の燃料電池スタックの要部断面図。
【符号の説明】
2 固体電解質層 3 燃料極層 4 酸化剤極層(空気極層) 6 燃料極集電体 7 酸化剤極集電体(空気極集電体) 8 セパレータ 21、22、23 金属製薄板(上板、中板、下板) 24 第2のガス吐出孔 25 第1のガス吐出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 孝二 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱マ テリアル株式会社総合研究所那珂研究セン ター内 (72)発明者 細井 敬 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱マ テリアル株式会社総合研究所那珂研究セン ター内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CC03 CX04 EE02 EE12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質層の両面に燃料極層と酸化剤
    極層を配置し、当該燃料極層と酸化剤極層の外側にそれ
    ぞれ燃料極集電体と酸化剤極集電体を配置し、当該燃料
    極集電体と酸化剤極集電体の外側にセパレータを配置
    し、当該セパレータから前記燃料極集電体および酸化剤
    極集電体を介して前記燃料極層および酸化剤極層に燃料
    ガスおよび酸化剤ガスを供給する平板型の固体酸化物形
    燃料電池において、 前記セパレータは、導入されたガスをその中央部から吐
    出するための第1のガス吐出孔と周辺部に沿って環状に
    吐出するための複数の第2のガス吐出孔を有することを
    特徴とする平板型の固体酸化物形燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記セパレータは、少なくとも、前記第
    1のガス吐出孔と第2のガス吐出孔を設けた金属製薄
    板、および凸凹状に加工した金属製薄板とを含む複数の
    金属製薄板を積層して構成されることを特徴とする請求
    項1に記載の平板型の固体酸化物形燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記第1のガス吐出孔と第2のガス吐出
    孔を設けた金属製薄板が、少なくとも前記燃料極集電体
    側に配設されて成ることを特徴とする請求項2に記載の
    平板型の固体酸化物形燃料電池。
  4. 【請求項4】 各電極の外側に配した集電体に接して電
    極側にガス供給用のガス通路を形成する固体酸化物形燃
    料電池用セパレータであって、導入されたガスをその中
    央部から吐出するための第1のガス吐出孔と周辺部に沿
    って環状に吐出するための複数の第2のガス吐出孔を有
    することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セパレー
    タ。
  5. 【請求項5】 少なくとも、前記第1のガス吐出孔と
    第2のガス吐出孔を設けた金属製薄板、および凸凹状に
    加工した金属製薄板とを含む複数の金属製薄板を積層し
    て構成されることを特徴とする請求項4に記載の固体酸
    化物形燃料電池用セパレータ。
  6. 【請求項6】 前記第1のガス吐出孔と第2のガス吐出
    孔を設けた金属製薄板が、少なくとも燃料極集電体側に
    配設されて成ることを特徴とする請求項5に記載の固体
    酸化物形燃料電池用セパレータ。
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