JP2003330249A - 画像形成装置の非接触近接帯電部材及びその形成方法 - Google Patents

画像形成装置の非接触近接帯電部材及びその形成方法

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JP2003330249A
JP2003330249A JP2002142717A JP2002142717A JP2003330249A JP 2003330249 A JP2003330249 A JP 2003330249A JP 2002142717 A JP2002142717 A JP 2002142717A JP 2002142717 A JP2002142717 A JP 2002142717A JP 2003330249 A JP2003330249 A JP 2003330249A
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JP2002142717A
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Shoji Ishiwatari
正二 石渡
Toru Miyabori
透 宮堀
Shinji Ueda
信二 植田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、感光体表面に所望の帯電電位を低
電圧で付与でき、画像欠陥の発生を防止でき、人体に有
害なオゾンや画像ながれを発生させる窒素酸化物の発生
が低減できる。 【解決手段】 本発明の画像形成装置の非接触近接帯電
部材は、非接触近接帯電部材の帯電電位付与機能を構成
する材質がアルミニウム又はアルミニウム合金である。
その外径両端に帯電ギャップを形成するための拡径部を
形成し、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に体
積固有抵抗1010Ω・cm以上で厚さ300〜500
0nmの多孔質陽極酸化皮膜を形成する。この多孔質陽
極酸化皮膜の表面の無数に形成されたポアー内部のバリ
ヤー層を20〜300nmの範囲でポアーフィリング法
を用いて所定の厚みに調整し、非帯電電位付与領域を絶
縁被覆し、帯電電位付与領域のポアー内部のバリヤー層
から、太さ10〜50nmの金属ナノ細線を二次電解形
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非接触近接帯電部材
及びその形成方法に関し、詳細には複写機やレーザプリ
ンタ等の画像形成装置の感光体の帯電面となる範囲に帯
電ギャップを形成して電圧を印加して感光体表面に帯電
電位を付与する非接触近接帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やレーザプリンタなどの画像形成
装置に使用される有機感光体への帯電方法には、接触式
帯電器と非接触式帯電器とが使用されている。接触式帯
電器には弾性ローラを用いたローラ帯電器、ファーブラ
シ、磁気ブラシ、ブレード等を用いたものが実用化さ
れ、非接触式帯電器では50μm程度のワイヤーを用い
たコロナ帯電器、鋸刃状ブレードを用いたコロナ帯電
器、また有機感光体に近接して配置される非接触ブレー
ド帯電器、非接触ローラ帯電器等があげられる。
【0003】非接触式のコロナ帯電器では、有機感光体
と放電部材であるワイヤーや鋸刃状ブレード先端との間
隔が5〜15mmと広いため4〜7KVの高電圧でコロ
ナ帯電させるため、放電で生じたオゾンが帯電器内で1
〜2ppmと非常に多く、画像形成装置外に飛散し不快
臭となったり、窒素酸化物が同時に生成し、有機感光体
表面に付着し画像のながれ現象等の不具合を生じる原因
となっている。一方、接触式帯電器では、有機感光体と
弾性体のローラ表面が直接接触するため、記録紙の紙紛
が弾性ローラ表面に付着し、感光体への帯電電位が不均
一となって画像ムラの原因となり耐久性を低下させてい
る。また、ファーブラシ、磁気ブラシを用いた帯電器で
は、トナーや紙紛がブラシに固着し、同じく帯電電位が
不均一となり、スジ状の画像ムラの原因となって耐久性
を低下させてしまう。更に、接触式のブレードを用いた
帯電器では、感光体に傷やトナーのフィルミングが起き
易く耐久性の面で問題となるため、その問題を解消する
目的から非接触で近接式帯電器の要求があり、感光体へ
の所望の電位を帯電ムラの発生の少ない構造で、低電圧
で効率良く帯電させ、オゾンや窒素酸化物の生成の少な
い帯電電位を付与する表面構造と、感光体表面への異常
放電を抑制する構造を持ったローラ式非接触近接帯電部
材が望まれている。
【0004】そこで、このような要求に応える技術が従
来よりいくつか提案されている。その一つとして、特開
平7−199599号公報(以下従来例1と称す)は、
帯電部材の両端部の放電量を抑制して、両端部に対応す
る感光体の非画像領域の局所的な削れを防止するもの
で、芯金に弾性層、抵抗調整層を設け、さらに両端部
(感光体の非画像領域に対応する非画像領域相当部)に
絶縁層を設けて、帯電部材を構成するものである。これ
により、帯電部材の中央部(画像領域相当部)よりも両
端部の電気抵抗値が高くなり、多くなりがちな両端部の
放電量を抑制している。
【0005】また、特開2001−250467号公報
(以下従来例2と称す)には、電圧印可による電子放出
素子において、大気圧中でも素子の劣化がなく、低電圧
で、安定した電子放出が可能な電子放出素子で、オゾン
やNOxの発生の少ない非接触型帯電器を提供するもの
で、先端部分に金属または合金、あるいは金属を含む窒
化物、炭化物、ケイ化物またはホウ化物の少なくとも1
種で被覆されたカーボンナノチューブを構成要素として
有する電子放出素子、帯電器及び画像記録装置が提案さ
れている。
【0006】更に、特開平10−288881号公報
(以下従来例3と称す)は、帯電部材と感光体とが非接
触である近接帯電装置において、帯電部材を移動(回
転)させた場合の帯電むら発生の防止をするもので、感
光体ドラムの表面に対向して、回転する帯電ローラ又は
ベルトを、非接触で近接配置するものである。そして、
最近接部の距離は0.1mm以上で放電停止距離以下と
する。帯電ローラに電圧を印加して、感光体表面との間
に放電を発生させて感光体表面を帯電する。また、最近
接部よりも上流側で、帯電ローラの帯電面に非接触に対
向する位置に、予備放電部材を備えている。必要に応じ
て予備放電部材に表面被覆を施し、また、予備放電部材
で帯電ローラをクリ−ニングしている。
【0007】また、特開平9−305002号公報(以
下従来例4と称す)は、放電時に発生するオゾンガス、
NOxガスを同時に減少させるもので、放電基板の第2
の電極は低仕事関数、低スパッタ率を有する素材(La
、W,Ti等)で形成すると共に、第2電極の開口
部の主走査方向の長さ寸法を70μm以下とすることに
より、放電電圧を下げて発生NOxガスを減らし、放出
面積を減少させて放出量を減少している。更に、狭い放
電域での電界容量が大きくなり、開口部近辺での温度上
昇、オゾンの熱分解反応が促進され、オゾンガス、NO
xガス共に機外排出基準を満足させた平面型固体放電装
置を提供するものである。
【0008】更に、特開平7−281506号公報(以
下従来例5と称す)は、感光ドラムの駆動トルクを低減
するとともに、感光ドラム表面と帯電面との間の微小間
隙を長期にわたって精度よく保持して帯電不良をなくす
もので、近接帯電板を、帯電面が感光ドラム表面に対向
するように配置し、左右両端部をそれぞれ保持部材によ
って保持している。各保持部材は、感光ドラムの回転方
向の上流側と下流側とにスペースローラを回転自在に支
持し、保持部材を圧縮ばねによって感光ドラムに向けて
付勢し、合計4個のスペースローラを感光ドラム表面に
当接させている。これにより、感光ドラム表面と帯電面
とを間の微小間隙を精度よく確保する。帯電時に感光ド
ラムを回転駆動すると、スペースローラが従動回転する
ので両者の間に摺接はない。
【0009】また、特開平6−250493号公報(以
下従来例6と称す)には、環境による抵抗値の変動が少
なく、各環境で良好な画像が得られる接触帯電装置を提
供するもので、帯電部材を被帯電体面に圧接させて相対
移動させることにより被帯電体面を帯電処理する接触帯
電装置において、帯電部材が芯金、芯金上の導電性弾性
層及び弾性層上の表面層からなり、該表面層がOH当量
の互いに異なるポリオール化合物(I)、ポリオール化
合物(II)及びポリイソシアネート化合物を必須の原料
成分とする反応生成物を含有し、ポリオール化合物
(I)がOH当量500以上で、その1分子当たりのO
H基数が2〜60個のポリオール化合物であり、ポリオ
ール化合物(II)がOH当量300以下のポリオール化
合物である接触帯電装置が提案されている。
【0010】更に、特開2000−81752号公報
(以下従来例7と称す)は、接触帯電において、帯電部
材として簡易な部材を用いた場合でも、より帯電均一性
に優れ且つ長期に渡り安定した直接注入帯電を実現す
る、即ち、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を簡
易な構成で実現すること、またこれにより、オゾン生成
物による障害、帯電不良による障害等のない、簡易な構
成、低コストな画像形成装置やプロセスカートリッジを
得るものである。そして、電圧を印加した、被帯電体と
ニップ部を形成する可撓性の帯電部材により被帯電体表
面を帯電する接触帯電において、帯電部材は、連続気泡
の弾性発泡体で構成され、かつ被帯電体に対して速度差
を持って移動し、少なくとも帯電部材と被帯電体とのニ
ップ部に帯電促進粒子が存在している。
【0011】また、特開2001−9800号公報(以
下従来例8と称す)は、発光デバイス、光デバイス、磁
性デバイス、マイクロデバイスなどの機能材料として、
広い範囲で利用可能な細孔を有するナノ構造体を提供す
るもので、アルミニウムを陽極酸化することで作成され
る細孔体を具備するナノ構造体において、細孔径の異な
る少なくとも2種類以上の細孔を有している。
【0012】更に、特開平11−246300号公報
(以下従来例9と称す)は、基体上に特定の方向を有
し、細線径が均一なチタンナノ細線を等間隔に配したチ
タンナノ細線の製造方法を提供するもので、チタンを含
む表面を有する基体上に該表面に対して伸びる細孔を有
する層を備えた構造体を用意する第1の工程、及び構造
体を熱処理して該細孔内にチタンを含む細線を形成する
第2の工程を有している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1〜9のいずれも、画像形成装置の感光体の表面に
帯電を行わせるための帯電部材を非接触近接式とし、感
光体への所望の電位を帯電ムラが少ない構造で、効率良
く帯電でき、オゾンや窒素酸化物の生成の少ない帯電電
位付与表面構造に改質されていない。
【0014】本発明はこれらの問題点を解決するための
ものであり、感光体表面に所望の帯電電位を低電圧で付
与でき、バリヤー層が抵抗となって異常放電を抑制する
ため、画像欠陥の発生を防止でき、人体に有害なオゾン
や画像ながれを発生させる窒素酸化物の発生がワイヤー
等によるコロナ帯電の1/5以下に、従来の非接触近接
帯電器0.01〜0.05ppm以下に低減できる画像
形成装置の非接触近接帯電部材及びその形成方法を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明の画像形成装置の非接触近接帯電部材は、
画像形成装置の感光体両端部と当接し、感光体の帯電面
となる範囲に帯電ギャップを形成して電圧を印加し、感
光体表面に帯電電位を付与する帯電部材である本発明の
画像形成装置の非接触近接帯電部材は、非接触近接帯電
部材の帯電電位付与機能を構成する材質がアルミニウム
又はアルミニウム合金である。そして、その外径両端に
帯電ギャップを形成するための拡径部を形成し、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金の表面に体積固有抵抗10
10Ω・cm以上で厚さ300〜5000nmの多孔質
陽極酸化皮膜を形成する。更に、この多孔質陽極酸化皮
膜の表面の無数に形成されたポアー内部のバリヤー層を
20〜300nmの範囲でポアーフィリング法を用いて
所定の厚みに調整し、非帯電電位付与領域を絶縁被覆
し、帯電電位付与領域のポアー内部のバリヤー層から、
太さ10〜50nmの金属ナノ細線を二次電解形成した
非接触近接帯電部材である。よって、非接触近接帯電部
材の帯電付与面の金属ナノ細線のその電極先端から容易
にコロナ放電が可能となり、感光体表面に所望の帯電電
位を低電圧で付与でき、バリヤー層が抵抗となって異常
放電を抑制するため、画像欠陥の発生を防止でき、人体
に有害なオゾンや画像ながれを発生させる窒素酸化物の
発生がワイヤー等によるコロナ帯電の1/5以下に、従
来の非接触近接帯電器0.01〜0.05ppm以下に
低減できる。
【0016】また、金属ナノ細線は銅又は銅合金である
ことにより、金属ナノ細線が磁化することもなく、微細
な鉄紛を含んだトナーを使用しても電極表面の汚れの発
生が少なくなり、あるいは金属ナノ細線はニッケル又は
コバルト及びニッケルコバルト合金であることにより、
コロナ放電時の電極表面の劣化が抑制でき、コバルト1
0〜50%を含むニッケルコバルト合金とすればニッケ
ル電析金属の熱的脆さを解消でき、コロナ放電時の熱
的、電気的な劣化に対しより強度を有することになる。
【0017】更に、金属ナノ細線は、多孔質陽極酸化皮
膜の表面から凸形状に5μm以下の範囲に形成されるこ
とにより、感光体表面に帯電電位付与時の放電開始電圧
を低下させ、オゾンや窒素酸化物の発生量が抑制され
る。
【0018】また、金属ナノ細線に、金又は金合金を電
解鍍金したことにより、非接触式近接帯電部材表面の放
電面ではオゾンの発生と同時に窒素酸化物も発生するた
め表面の酸化や腐食に対して最も安定な金又は金合金を
被覆すれば非常に耐久性を良くすることができる。
【0019】更に、帯電ギャップは20〜80μmであ
って、帯電電位付与面と拡径部の同軸度が5μm以下で
あることにより、非接触近接帯電部材回転時の帯電ギャ
ップの変動が非常に少なくなり、有機感光体表面への帯
電電位の変動も非常に少ないものとなって画像ムラが形
成され難くなる。
【0020】また、帯電ギャップを形成するための拡径
部と帯電電位付与面とが同時加工で形成されることによ
り、拡径部と帯電付与面との同軸度は5μm以下の高精
度となり、非接触近接帯電部材回転時の帯電ギャップの
変動が非常に少なくなり、有機感光体表面への帯電電位
の変動も非常に少ないものとなって画像ムラが形成され
難くなる。
【0021】更に、非帯電電位付与領域を封孔処理した
ことにより、陽極酸化皮膜のポアー入口が体積膨張して
閉塞されるため、陽極酸化に使用した電解液の僅かな染
みだしが無くなり絶縁性が増し、拡径部での異常な放電
をせず、帯電電位付与面のコロナ放電を安定化させるこ
とができる。
【0022】また、非帯電電位付与領域をフッ素樹脂、
塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレンプロピレン等の
熱収縮チューブ等の無端状部材で、その厚み20〜30
μmで、膜厚偏差5μm以下のものを被覆形成したこと
により、陽極酸化に使用した電解液の僅かな染みだしが
無くなり、絶縁性が増し、拡径部で異常放電をせず、帯
電電位付与面のコロナ放電を安定化させる事ができ、ロ
ーラ式非接触近接帯電部材回転時の帯電ギャップの変動
が非常に少なくなり、有機感光体表面への帯電電位の変
動も非常に少ないものとなって画像ムラが形成され難く
なる。
【0023】更に、帯電電位付与領域及び非帯電電位付
与領域をナイロンやポリエステル等の絶縁性樹脂で、膜
厚0.3〜3μm被覆形成したことにより、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金材の添加金属や材料欠陥等での
陽極酸化皮膜破損部分からの異常放電が防止でき、点状
の画像欠陥の発生が抑えられる。
【0024】また、帯電電位付与面の陽極酸化処理工程
で陽極酸化され易く、絶縁性となり、回転軸端部からの
電圧印加の際に接触不良を招き易く、また軸径が4〜6
mmと細くなるためアルミニウム材ではローラ製作時の
機械強度が低下して加工精度を出し難いため、帯電電位
付与機能を構成する材質の回転軸となる部分の材質は、
ステンレス鋼又は銅又は銅合金又は鉄にニッケル鍍金さ
れて構成された材料を使用する方が機械強度上及び電気
接点上好ましい。
【0025】更に、別の発明として、画像形成装置の非
接触近接帯電部材の形成方法は、非接触近接帯電部材の
帯電電位付与機能を構成する材質がアルミニウム又はア
ルミニウム合金であって、その外径両端に帯電ギャップ
を形成するための拡径部を形成する工程と、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金の表面に体積固有抵抗10
Ω・cm以上で厚さ300〜5000nmの多孔質陽極
酸化皮膜を形成する工程と、多孔質陽極酸化皮膜の表面
の無数に形成されたポアー内部のバリヤー層を20〜3
00nmの範囲でポアーフィリング法を用いて所定の厚
みに調整し、非帯電電位付与領域を絶縁被覆する工程
と、帯電電位付与領域のポアー内部のバリヤー層から、
太さ10〜50nmの金属ナノ細線を二次電解形成する
工程とを有する。よって、非接触近接帯電部材の帯電付
与面の金属ナノ細線のその電極先端から容易にコロナ放
電が可能となり、感光体表面に所望の帯電電位を低電圧
で付与でき、バリヤー層が抵抗となって異常放電を抑制
するため、画像欠陥の発生を防止でき、人体に有害なオ
ゾンや画像ながれを発生させる窒素酸化物の発生がワイ
ヤー等によるコロナ帯電の1/5以下に、従来の非接触
近接帯電器0.01〜0.05ppm以下に低減できる
非接触近接帯電部材を形成できる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成装置の非接触近
接帯電部材は、非接触近接帯電部材の帯電電位付与機能
を構成する材質がアルミニウム又はアルミニウム合金で
ある。そして、その外径両端に帯電ギャップを形成する
ための拡径部を形成し、アルミニウム又はアルミニウム
合金の表面に体積固有抵抗1010Ω・cm以上で厚さ
300〜5000nmの多孔質陽極酸化皮膜を形成す
る。更に、この多孔質陽極酸化皮膜の表面の無数に形成
されたポアー内部のバリヤー層を20〜300nmの範
囲でポアーフィリング法を用いて所定の厚みに調整し、
非帯電電位付与領域を絶縁被覆し、帯電電位付与領域の
ポアー内部のバリヤー層から、太さ10〜50nmの金
属ナノ細線を二次電解形成した。
【0027】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る非接触近接帯
電部材の形成方法の各工程を示す概略図である。同図に
示す本実施例の非接触近接帯電部材の形成工程は、有機
感光体表面に所望の帯電電位を付与し易くするため、低
電圧でコロナ放電を生じさせ、コロナ放電により発生す
る有害なオゾン量を低減するための表面改質をしたロー
ラ式非接触近接帯電部材の形成方法である。同図の
(a)において、本実施例の非接触近接帯電部材は、有
機感光体両端表面に接触して回転するため、及び帯電ギ
ャップを形成するための帯電ギャップ形成端1と、帯電
ギャップ形成端2と、有機感光体表面に帯電電位を与え
るための帯電電位付与面3をアルミニウム材で形成し、
有機感光体の軸線中心に絶縁ブッシュを介して合芯する
よう構成するための軸受け部4,5で形成されたローラ
式非接触近接帯電部材である。そして、帯電ギャップ形
成端1,2と帯電電位付与面3とで形成される帯電ギャ
ップ6を20〜80μmとし、その帯電ギャップ形成端
1,2と帯電電位付与面3の同軸度を5μm以下の高精
度とするため、同時外径加工した後、同図の(b)に示
すように、軸受け部4,5のそれぞれをビニル樹脂7と
ビニル樹脂8で被覆し、アルミニウム材で形成された形
状の範囲に陽極酸化処理を施して電気抵抗率1010Ω
・cm以上で厚み300〜5000nmの多孔質陽極酸
化皮膜9を形成する。この多孔質陽極酸化皮膜9の一部
を○で囲んだ部分の拡大図に示すように、皮膜表面10
には、ナノ構造を有する10〜50nmの孔径のポアー
11が間隔50〜200nmで無数に形成され、そのポ
アーの底12には無孔性のバリヤー層13が20〜50
nmの厚みで形成される。
【0028】次に、多孔質陽極酸化皮膜9を形成後に、
皮膜表面のナノ構造の無数に形成されたポアーが封孔処
理されないように常温で電解液を水洗する。一度化成し
た多孔質陽極酸化皮膜9を再び、バリヤー型皮膜形成用
の中性塩電解液で、ポアーフィリング法を用いて二次電
解し、同図の(c)に示すように、多孔質陽極酸化皮膜
9の孔の底14を埋めて、バリヤー層15を20〜50
0nmの範囲で所定の厚みに操作し形成する。このポア
ーフィリング法は、工業的には多孔質陽極酸化皮膜の多
孔質構造をバリヤー層で埋めて皮膜を強化するために使
われ、学術的にはバリヤー層中のイオンの輸率を推定す
るために使われるのが一般的である。ポアーフィリング
法を用いて、バリヤー層15を所定の厚みに二次電解が
終了したら、残存するポアー16が封孔処理されないよ
うに常温で電解液を水洗する。そして、洗浄液が乾燥し
たら、帯電電位付与面17以外の両端をビニル樹脂1
8,19で被覆し、銅単体、又は銅合金、ニッケル単体
又はコバルト単体、又はニッケルコバルト合金を二次電
解し、同図の(d)に示すように、帯電電位付与放電面
20を形成する。この帯電電位付与放電面20の一部を
○で囲んだ部分の拡大図に示すように、二次電解により
ナノ構造を有する10〜50nmのポアーの底21か
ら、太さ10〜50nmの銅又は銅合金、ニッケル又は
ニッケル合金、コバルト、又はニッケルコバルト合金の
金属ナノ細線22が無数に形成された表面となる。この
金属ナノ細線22は、多孔質絶縁皮膜23の表面から凸
部24に5μm以下の範囲で形成し、酸化防止のための
金や金合金を電解鍍金するとコロナ放電時の陰極損耗に
抑制効果があり、安定した電極面となる。帯電電位付与
放電面20を形成後、同図の(e)に示すように、両端
のビニル樹脂の被覆を除去し、帯電ギャップ形成端2
5,26を80度以上の洗浄水で5〜15分洗浄し、帯
電ギャップ形成端25,26を○で囲んだ部分の拡大図
に示すように、開孔しているポアー27の入口部分28
を封孔処理して乾燥させる。
【0029】次に、同図の(f)に示すように、金属ナ
ノ細線22が無数に形成された帯電電位付与放電面29
の表面30と、帯電ギャップ形成端25,26の表面3
1に、ナイロンやポリエステル等の絶縁性樹脂を溶剤で
溶解して塗布し、0.3〜3μmの絶縁性樹脂薄層32
を形成して、ローラ式非接触近接帯電部材33を形成す
る。また、同図の(g)に示すように、ローラ式非接触
近接帯電部材33の帯電ギャップ形成端34,35に、
フッ素樹脂、塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレンプ
ロピレン等の熱収縮チューブ等の無端状部材36,37
を被覆形成すれば、拡径部に熱収縮して固定され取れる
ことなく、有機感光体への帯電付与領域で安定したコロ
ナ放電が行えるローラ式非接触近接帯電部材となる。
【0030】このように形成されたローラ式非接触近接
帯電部材33は、感光体表面に帯電電位を付与する放電
面が多孔質陽極酸化皮膜表面に形成されるナノ構造を有
する10〜50nmの無数に形成されたポアーのバリヤ
ー層から、太さ10〜50nmの金属ナノ細線を形成し
た表面に改質されているため、この金属ナノ細線の先端
に印加電圧の電界が集中して、コロナ放電開始電圧を低
下させてコロナ放電を容易にし、有機感光体表面への帯
電電位の付与が容易となり、低電圧でコロナ放電を生じ
させるため、画像形成装置の配置される事務所等での発
生濃度が0.1ppmを越えると人体に有害で、悪臭と
なるオゾン量を低減することができるローラ式非接触近
接帯電部材となる。
【0031】図2は画像形成装置における画像形成部の
構成を示す概略断面図である。図3,4は従来の帯電器
の構成を示す概略図である。図2において、有機感光体
38は最表面を電荷発生層、その下に電荷輸送層、その
下に下引き層の順にアルミ基体上に形成され、有機感光
体38を基準として、その表面に電荷を付与するための
帯電部材39が配置されている。有機感光体38の表面
に帯電する方法として、接触帯電、非接触近接帯電、コ
ロナ帯電方法等で600〜800Vの帯電を行い、レー
ザビーム40を有機感光体38の軸方向に操作して画像
の光書き込みを行う。書き込まれた潜像に現像ローラ4
1により、トナー42を搬送供給して静電付着させて現
像し、転写ローラ43にバイアス電位を与えて有機感光
体38の表面から記録紙44に有機感光体38の表面に
静電付着していたトナー42を転写して画像形成させ
る。余剰残留した有機感光体38表面のトナー42は、
クリーニングブレード45により除去回収され、再度、
帯電部材38により有機感光体38表面に帯電が行わ
れ、繰り返し画像形成されるものである。図3の(a)
に示すように、帯電部材39には、ワイヤー式コロナ帯
電器46が広く利用され、放電ワイヤー47に、5〜7
kVを印加し、コロナ48を発生させて放電させ、グリ
ッド49の電圧を制御して有機感光体50の表面に所望
の帯電電位を付与するものである。しかし、帯電過程で
発生するオゾン量が多いことや感光体表面への所望の帯
電電位を得るための放電ワイヤー47への印加電圧が高
いことなどから、オゾン量や印加電圧を下げるために、
図3の(b)に示すように、放電ワイヤー47からコロ
ナ放電面を鋭くした鋸刃状放電面51を持った鋸刃式帯
電器52などが使用されるようになった。それでも、コ
ロナ放電面と感光体との距離が5〜10mmと離れてい
るため感光体への帯電量を確保するため、印加電圧が高
電圧となり、有害となるオゾン量を減らすことや印加電
圧を低下させる状況にはなかった。
【0032】そこで、図4の(a)に示すように、この
オゾン量の低減と印加電圧を低下させるため、感光体表
面に導電性を付与したゴム製の接触式ローラ帯電器53
が開発され、オゾン量の低減と印加電圧を低下させるこ
とが可能となった。しかし、有機感光体表面54とロー
ラの帯電電位付与面が接触式であるため、導電性を付与
したゴムローラ表面55が、感光体表面54に付着した
残留トナーや記録紙の転写時に付着する紙紛により、汚
れが付着堆積し、帯電電位が部分的に乱れ、画像にムラ
が発生するなどの耐久性において問題となった。そこ
で、図4の(b)に示すような非接触近接帯電器56が
考案された。この非接触近接帯電器56は、有機感光体
57と対向するローラ表面58との間隔が50〜100
μmあるため、図4の(a)の接触式帯電器53より、
有機感光体表面57への帯電電位付与電圧は高くなるも
のの、コロナ放電領域59は、ローラ表面58の円周方
向に1〜2mmの幅の範囲と狭く、図3のコロナ帯電器
46や鋸刃状帯電器52より約1/5程度とオゾンの発
生量は少なく、また図4の(a)の接触式帯電器53よ
りトナー転写時に付着する残留トナーや紙紛により汚れ
の付着堆積が無いなどの利点を有する。しかし、ローラ
表面58が、異常放電を防止するための抵抗体や誘電体
で形成されているため、有機感光体表面57への帯電電
位を確保し難いという問題がある。また、図4の(b)
の非接触近接帯電器56は、画像形成装置での連続使用
において、有害なオゾンが0.01〜0.05ppm発
生し、オゾン吸着剤を搭載しても、スペース上処理容量
を大きくとることができず、画像形成装置を連続使用す
ると機外に僅かにオゾンが拡散して不快臭を発生する。
そこで、図4の(c)に示すような、電荷注入式でオゾ
ンが発生しにくいと言われるブラシ帯電器60が検討さ
れたが、感光体と接触する磁気ブラシ61の中に接触帯
電器と同じく紙紛が混入付着し、スジ状の画像欠陥が発
生するなどやはり耐久性に問題を生じるに至っている。
【0033】そこで、非接触近接帯電器56のコロナ放
電面を、異常放電を防止するための抵抗体と、低電圧で
コロナ放電を生じさせ、有機感光体表面に所望の帯電電
位を付与し易くし、発生するオゾン量を低減するための
改質を行った、図1のローラ式非接触近接帯電部材33
を画像形成装置に組み込み、有機感光体への帯電電位の
付与とオゾンの発生量を見極めた。
【0034】図5は本実施例の非接触近接帯電部材を用
いた画像形成装置における画像形成部の構成を示す図で
ある。同図において、非接触近接帯電器62に用いた帯
電部材を図1に示すローラ式非接触近接帯電部材33と
し、帯電電位付与放電面63の帯電ギャップ形成端6
4,65が有機感光体表面66の有効画像範囲外の外周
面67,68に接触し、帯電電位付与放電面63と感光
体表面66とに帯電ギャップ69を20〜80μmの範
囲で形成するよう構成される。そして、帯電ギャップ形
成端67,68は、帯電電位付与放電面63と同軸度5
μm以下の高精度とし、帯電ギャップ69の変動を極力
抑えるよう設定するため、ローラ式非接触近接帯電部材
33の製造時に同時加工を施して精度を向上させてい
る。ローラ式非接触近接帯電部材33の軸受け部70,
71のそれぞれには、ブッシュ72,73によりフレー
ム74と絶縁され、フレーム74に保持されるローラ加
圧バネ75,76で感光体外周面と確実に接触して回動
する。軸受け部71には、有機感光体表面66に所望の
電位を帯電させるためのスリップ電極77が取付けら
れ、1〜3kHzの交流成分を重畳した負電圧1〜2k
Vが印加電圧供給部78から供給されて、有機感光体表
面66に画像形成プロセスに必要な負帯電電位600〜
800Vが帯電付与される。
【0035】図6は図5の部分拡大図である。また、図
7は本実施例のローラ式非接触近接帯電部材を用いた非
接触帯電器と従来型の接触帯電器及び非接触帯電器にお
ける印加電圧−帯電電位の関係を示す特性図である。な
お、本実施例のローラ式非接触近接帯電部材は、帯電電
位付与面の表面に多孔質陽極酸化皮膜を形成し、その表
面の無数に形成されたナノ構造のポアーのバリヤー層か
ら太さ10〜50nmの金属ナノ細線を形成して表面改
質したローラ式非接触近接帯電部材であり、従来型の導
電性ゴムローラの接触帯電器は体積固有抵抗10〜1
Ω・cmを持ち、従来型の導電性ローラの非接触近
接式帯電器は体積固有抵抗10〜10 Ω・cmを持
つ非接触近接式帯電器である。また、図6に示すよう
に、有機感光体表面79とローラ式非接触近接帯部材の
帯電ギャップ形成端80の外径と帯電電位付与放電面8
1の外径との帯電ギャップ82を50μmとして、1〜
3kHzの交流成分を重畳した負電圧1〜4kVが印加
電圧供給部83から供給されて、線速200mm/秒で
有機感光体を回転移動させたときの有機感光体表面の帯
電電位特性を示す図7において、帯電曲線84は、帯電
ギャップ82が無い体積固有抵抗10〜10Ω・c
mを持つ従来型の導電性ゴムローラ接触帯電器の電位、
帯電曲線85は従来型の体積固有抵抗110〜10
Ω・cmを持つ導電性ローラ非接触近接帯電器の電位、
帯電曲線86は金属ナノ細線の表面を持つローラ式非接
触近接帯電部材33での感光体表面帯電電位である。図
7からわかるように、ローラ式非接触近接帯電部材33
では、図6の○で囲んだ部分の拡大図に示すように帯電
電位付与放電面81に無数に形成された金属ナノ細線の
個々の先端87に印加電圧の電界が集中し、微細なグロ
ーコロナ88が低電圧で発せられるため、導電性ローラ
非接触近接帯電器の帯電曲線85と比較して、印加電圧
1kVで帯電電位を数十ボルトの範囲(図7中参照符号
89で示す範囲)で上昇させている。また、印加電圧2
〜3kVの範囲でも帯電電位は上昇傾向を示し、有機感
光体表面の帯電量が向上する方向にあり、従来型の体積
固有抵抗10 〜10Ω・cmを持つ導電性ローラ式
非接触近接帯電器の帯電曲線85と同帯電電位とした場
合には印加電圧を低下させることができ、有機感光体表
面への帯電電位付与時にオゾンや窒素酸化物の発生量が
低減されることがわかる。
【0036】また、一度化成した多孔質陽極酸化皮膜を
再び、バリヤー型皮膜形成用の中性塩電解液で、ポアー
フィリング法を用いて二次電解し、多孔質陽極酸化皮膜
の孔の底を埋めて、バリヤー層を20〜300nmの範
囲で所定の厚みに操作し形成すれば、バリヤー層90が
コンデンサとなり、等価回路のコンデンサ91の電流i
は、2πfCVの範囲で、直流電圧Vに重畳され
る交流成分の周波数fと電圧Vと容量Cにより電流量
の制御ができ、直流電圧Vの電流iは等価回路
の抵抗92を僅かに流れる程度であり、金属ナノ細線か
らの異常放電が起こりにくい条件設定が可能となり、感
光体の微小部分が損傷する画像欠陥の発生が抑制され
る。
【0037】図8はバリヤー層の厚みを変えた際の印加
電圧−帯電電位の関係を示す特性図である。同図におい
て、20〜50nmでの帯電電位の特性は帯電曲線93
に示し、50〜100nmでの帯電電位の特性は帯電曲
線94に示し、バリヤー層の厚みを変えればコロナ放電
を抑制でき、感光体の微小部分が損傷する画像欠陥の発
生が抑制される。また、画像形成装置を連続使用する際
に発生するオゾン量を低減することもでき、搭載するオ
ゾン吸着剤の使用時間を延ばせ、機外に拡散するオゾン
臭も低いものとなり、またオゾンの発生により派生する
窒素酸化物が低下することから、画像ながれ等の画像欠
陥の発生も抑制され、画像形成装置の耐久性を向上する
ことができるようになる。
【0038】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変
形や置換可能であることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成
装置の非接触近接帯電部材は、画像形成装置の感光体両
端部と当接し、感光体の帯電面となる範囲に帯電ギャッ
プを形成して電圧を印加し、感光体表面に帯電電位を付
与する帯電部材である本発明の画像形成装置の非接触近
接帯電部材は、非接触近接帯電部材の帯電電位付与機能
を構成する材質がアルミニウム又はアルミニウム合金で
ある。そして、その外径両端に帯電ギャップを形成する
ための拡径部を形成し、アルミニウム又はアルミニウム
合金の表面に体積固有抵抗1010Ω・cm以上で厚さ
300〜5000nmの多孔質陽極酸化皮膜を形成す
る。更に、この多孔質陽極酸化皮膜の表面の無数に形成
されたポアー内部のバリヤー層を20〜300nmの範
囲でポアーフィリング法を用いて所定の厚みに調整し、
非帯電電位付与領域を絶縁被覆し、帯電電位付与領域の
ポアー内部のバリヤー層から、太さ10〜50nmの金
属ナノ細線を二次電解形成した非接触近接帯電部材であ
る。よって、非接触近接帯電部材の帯電付与面の金属ナ
ノ細線のその電極先端から容易にコロナ放電が可能とな
り、感光体表面に所望の帯電電位を低電圧で付与でき、
バリヤー層が抵抗となって異常放電を抑制するため、画
像欠陥の発生を防止でき、人体に有害なオゾンや画像な
がれを発生させる窒素酸化物の発生がワイヤー等による
コロナ帯電の1/5以下に、従来の非接触近接帯電器
0.01〜0.05ppm以下に低減できる。
【0040】また、金属ナノ細線は銅又は銅合金である
ことにより、金属ナノ細線が磁化することもなく、微細
な鉄紛を含んだトナーを使用しても電極表面の汚れの発
生が少なくなり、あるいは金属ナノ細線はニッケル又は
コバルト及びニッケルコバルト合金であることにより、
コロナ放電時の電極表面の劣化が抑制でき、コバルト1
0〜50%を含むニッケルコバルト合金とすればニッケ
ル電析金属の熱的脆さを解消でき、コロナ放電時の熱
的、電気的な劣化に対しより強度を有することになる。
【0041】更に、金属ナノ細線は、多孔質陽極酸化皮
膜の表面から凸形状に5μm以下の範囲に形成されるこ
とにより、感光体表面に帯電電位付与時の放電開始電圧
を低下させ、オゾンや窒素酸化物の発生量が抑制され
る。
【0042】また、金属ナノ細線に、金又は金合金を電
解鍍金したことにより、非接触式近接帯電部材表面の放
電面ではオゾンの発生と同時に窒素酸化物も発生するた
め表面の酸化や腐食に対して最も安定な金又は金合金を
被覆すれば非常に耐久性を良くすることができる。
【0043】更に、帯電ギャップは20〜80μmであ
って、帯電電位付与面と拡径部の同軸度が5μm以下で
あることにより、非接触近接帯電部材回転時の帯電ギャ
ップの変動が非常に少なくなり、有機感光体表面への帯
電電位の変動も非常に少ないものとなって画像ムラが形
成され難くなる。
【0044】また、帯電ギャップを形成するための拡径
部と帯電電位付与面とが同時加工で形成されることによ
り、拡径部と帯電付与面との同軸度は5μm以下の高精
度となり、非接触近接帯電部材回転時の帯電ギャップの
変動が非常に少なくなり、有機感光体表面への帯電電位
の変動も非常に少ないものとなって画像ムラが形成され
難くなる。
【0045】更に、非帯電電位付与領域を封孔処理した
ことにより、陽極酸化皮膜のポアー入口が体積膨張して
閉塞されるため、陽極酸化に使用した電解液の僅かな染
みだしが無くなり絶縁性が増し、拡径部での異常な放電
をせず、帯電電位付与面のコロナ放電を安定化させるこ
とができる。
【0046】また、非帯電電位付与領域をフッ素樹脂、
塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレンプロピレン等の
熱収縮チューブ等の無端状部材で、その厚み20〜30
μmで、膜厚偏差5μm以下のものを被覆形成したこと
により、陽極酸化に使用した電解液の僅かな染みだしが
無くなり、絶縁性が増し、拡径部で異常放電をせず、帯
電電位付与面のコロナ放電を安定化させる事ができ、ロ
ーラ式非接触近接帯電部材回転時の帯電ギャップの変動
が非常に少なくなり、有機感光体表面への帯電電位の変
動も非常に少ないものとなって画像ムラが形成され難く
なる。
【0047】更に、帯電電位付与領域及び非帯電電位付
与領域をナイロンやポリエステル等の絶縁性樹脂で、膜
厚0.3〜3μm被覆形成したことにより、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金材の添加金属や材料欠陥等での
陽極酸化皮膜破損部分からの異常放電が防止でき、点状
の画像欠陥の発生が抑えられる。
【0048】また、帯電電位付与面の陽極酸化処理工程
で陽極酸化され易く、絶縁性となり、回転軸端部からの
電圧印加の際に接触不良を招き易く、また軸径が4〜6
mmと細くなるためアルミニウム材ではローラ製作時の
機械強度が低下して加工精度を出し難いため、帯電電位
付与機能を構成する材質の回転軸となる部分の材質は、
ステンレス鋼又は銅又は銅合金又は鉄にニッケル鍍金さ
れて構成された材料を使用する方が機械強度上及び電気
接点上好ましい。
【0049】更に、別の発明として、画像形成装置の非
接触近接帯電部材の形成方法は、非接触近接帯電部材の
帯電電位付与機能を構成する材質がアルミニウム又はア
ルミニウム合金であって、その外径両端に帯電ギャップ
を形成するための拡径部を形成する工程と、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金の表面に体積固有抵抗10
Ω・cm以上で厚さ300〜5000nmの多孔質陽極
酸化皮膜を形成する工程と、多孔質陽極酸化皮膜の表面
の無数に形成されたポアー内部のバリヤー層を20〜3
00nmの範囲でポアーフィリング法を用いて所定の厚
みに調整し、非帯電電位付与領域を絶縁被覆する工程
と、帯電電位付与領域のポアー内部のバリヤー層から、
太さ10〜50nmの金属ナノ細線を二次電解形成する
工程とを有する。よって、非接触近接帯電部材の帯電付
与面の金属ナノ細線のその電極先端から容易にコロナ放
電が可能となり、感光体表面に所望の帯電電位を低電圧
で付与でき、バリヤー層が抵抗となって異常放電を抑制
するため、画像欠陥の発生を防止でき、人体に有害なオ
ゾンや画像ながれを発生させる窒素酸化物の発生がワイ
ヤー等によるコロナ帯電の1/5以下に、従来の非接触
近接帯電器0.01〜0.05ppm以下に低減できる
非接触近接帯電部材を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る非接触近接帯電部材の
形成方法の各工程を示す概略図である。
【図2】画像形成装置における画像形成部の構成を示す
概略断面図である。
【図3】従来の帯電器の構成を示す概略図である。
【図4】従来の帯電器の構成を示す概略図である。
【図5】本実施例の非接触近接帯電部材を用いた画像形
成装置における画像形成部の構成を示す図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【図7】本実施例のローラ式非接触近接帯電部材を用い
た非接触帯電器と従来型の接触帯電器及び非接触帯電器
における印加電圧−帯電電位の関係を示す特性図であ
る。
【図8】バリヤー層の厚みを変えた際の印加電圧−帯電
電位の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1,2;帯電ギャップ形成端、3、17;帯電電位付与
面、4,5;軸受け部、6;帯電ギャップ、7,8,1
8,19;ビニル樹脂、9;多孔質陽極酸化皮膜、1
0;皮膜表面、11,16,27;ポアー、12,1
4,21;底、13,15;バリヤー層、20,29;
帯電電位付与放電面、22;金属ナノ細線、23;多孔
質絶縁皮膜、24;凸部、25,26,34,35;帯
電ギャップ形成端、28;入口部分、30,31;表
面、32;絶縁性樹脂薄層、33;ローラ式非接触近接
帯電部材、36,37;無端状部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 信二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H200 FA07 FA19 GA23 HA12 HA28 HB06 HB22 HB43 HB45 HB46 HB47 HB48 LA40 LC00 LC09 MA01 MA04 MA08 MB03 MB04 NA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置の感光体両端部と当接し、
    感光体の帯電面となる範囲に帯電ギャップを形成して電
    圧を印加し、感光体表面に帯電電位を付与する画像形成
    装置の非接触近接帯電部材において、 非接触近接帯電部材の帯電電位付与機能を構成する材質
    がアルミニウム又はアルミニウム合金であって、その外
    径両端に帯電ギャップを形成するための拡径部を形成
    し、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に体積固
    有抵抗1010Ω・cm以上で厚さ300〜5000n
    mの多孔質陽極酸化皮膜を形成し、該多孔質陽極酸化皮
    膜の表面の無数に形成されたポアー内部のバリヤー層を
    20〜300nmの範囲でポアーフィリング法を用いて
    所定の厚みに調整し、非帯電電位付与領域を絶縁被覆
    し、帯電電位付与領域のポアー内部のバリヤー層から、
    太さ10〜50nmの金属ナノ細線を二次電解形成した
    ことを特徴とする画像形成装置の非接触近接帯電部材。
  2. 【請求項2】 前記金属ナノ細線は、銅、銅合金、ニッ
    ケル又はコバルト及びニッケルコバルト合金である請求
    項1記載の画像形成装置の非接触近接帯電部材。
  3. 【請求項3】 前記金属ナノ細線は、前記多孔質陽極酸
    化皮膜の表面から凸形状に5μm以下の範囲に形成され
    る請求項1又は2に記載の画像形成装置の非接触近接帯
    電部材。
  4. 【請求項4】 前記金属ナノ細線に、金又は金合金を電
    解鍍金した請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装
    置の非接触近接帯電部材。
  5. 【請求項5】 前記帯電ギャップは20〜80μmであ
    って、帯電電位付与面と拡径部の同軸度が5μm以下で
    ある請求項1記載の画像形成装置の非接触近接帯電部
    材。
  6. 【請求項6】 前記帯電ギャップを形成するための拡径
    部と帯電電位付与面とが同時加工で形成される請求項1
    記載の画像形成装置の非接触近接帯電部材。
  7. 【請求項7】 前記非帯電電位付与領域を封孔処理した
    請求項1記載の画像形成装置の非接触近接帯電部材。
  8. 【請求項8】 前記非帯電電位付与領域をフッ素樹脂、
    塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレンプロピレン等の
    熱収縮チューブ等の無端状部材で、その厚み20〜30
    μmで、膜厚偏差5μm以下のものを被覆形成した請求
    項1又は7に記載の画像形成装置の非接触近接帯電部
    材。
  9. 【請求項9】 前記帯電電位付与領域及び前記非帯電電
    位付与領域をナイロンやポリエステル等の絶縁性樹脂
    で、膜厚0.3〜3μm被覆形成した請求項1又は7に
    記載の画像形成装置の非接触近接帯電部材。
  10. 【請求項10】 前記帯電電位付与機能を構成する材質
    の回転軸となる部分の材質は、ステンレス鋼又は銅又は
    銅合金又は鉄にニッケル鍍金されて構成される請求項1
    記載の画像形成装置の非接触近接帯電部材。
  11. 【請求項11】 画像形成装置の感光体両端部と当接
    し、感光体の帯電面となる範囲に帯電ギャップを形成し
    て電圧を印加し、感光体表面に帯電電位を付与する画像
    形成装置の非接触近接帯電部材の形成方法において、 非接触近接帯電部材の帯電電位付与機能を構成する材質
    がアルミニウム又はアルミニウム合金であって、その外
    径両端に帯電ギャップを形成するための拡径部を形成す
    る工程と、 アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に体積固有抵
    抗1010Ω・cm以上で厚さ300〜5000nmの
    多孔質陽極酸化皮膜を形成する工程と、 該多孔質陽極酸化皮膜の表面の無数に形成されたポアー
    内部のバリヤー層を20〜300nmの範囲でポアーフ
    ィリング法を用いて所定の厚みに調整し、非帯電電位付
    与領域を絶縁被覆する工程と、 帯電電位付与領域のポアー内部のバリヤー層から、太さ
    10〜50nmの金属ナノ細線を二次電解形成する工程
    とを有することを特徴とする画像形成装置の非接触近接
    帯電部材の形成方法。
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US7603063B2 (en) 2003-11-20 2009-10-13 Ricoh Company, Ltd. Method and apparatus for electro photographic image forming capable of effectively performing an evenly charging operation
US8686281B2 (en) 2009-04-08 2014-04-01 Fujifilm Corporation Semiconductor device and solar battery using the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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