JP2003327940A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP2003327940A JP2002141928A JP2002141928A JP2003327940A JP 2003327940 A JP2003327940 A JP 2003327940A JP 2002141928 A JP2002141928 A JP 2002141928A JP 2002141928 A JP2002141928 A JP 2002141928A JP 2003327940 A JP2003327940 A JP 2003327940A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種プラスチックフィルムや金属に対する接
着性、耐熱性、耐寒性、耐ブロッキング性に優れた接着
剤提供する。 【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)/フェノール樹
脂(B)=50/50〜99/1重量%である接着剤組
成物において、該ポリエステル樹脂(A)の数平均分子
量が5000〜50000、ガラス転移温度が20℃未
満、融点が50℃以上であると共に、ポリエステル樹脂
100重量%中に1〜50重量%のポリアルキレングリ
コールを共重合することにより含むことを特徴とする接
着剤組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤組成物に関
するものであり、優れた耐熱性、耐寒性、各種プラスチ
ックフィルムや金属に対する接着性を有した接着剤であ
る。特に本接着剤は高度な金属密着性、耐熱性、耐寒
性、耐屈曲性を要求されるフレキシブルフラットケーブ
ル用接着剤及びフレキシブルフラットケーブルをコネク
ターに接続する部分を補強する補強板用の接着剤等に有
用である。
【0002】
【従来の技術】近年、家電製品や自動車部品の軽薄短小
化に伴い、回路基板同士の配線にはフレキシブルフラッ
トケーブル(以下FFCと略す。)が多用されるように
なった。FFCは錫メッキ導箔をはじめとする金属導箔
を、接着剤を介して絶縁フィルムと貼り合わせる構造、
すなわち絶縁フィルム/接着剤/金属導線/接着剤/絶
縁フィルムの構造を有している。またフラットケーブル
の端部は導線がむき出しになっているものも多く、回路
基板のコネクターへの接続を可能にするために補強板と
呼ばれる絶縁シートを、接着剤を介して接着したものが
ある。
【0003】最近、FFCは従来よりも多くの用途に使
用されるようになり、さらに優れた耐熱性、耐寒性、耐
屈曲性が求められている。従来の技術としては、接着剤
として熱可塑性ポリエステルを使用しているものも多い
が、金属への接着性、耐熱性が十分でない。これを改善
すべく特開平5−17727号公報で開示されているよ
うにイソシアネートを配合する例があるが、イソシアネ
ートとポリエステルは室温で徐々に反応が進行し、生産
管理及び接着テープとした際の保存管理が困難である。
また、特公平4−22954号公報のようにポリエーテ
ルエステルエラストマーとエポキシ樹脂から成る接着剤
がある。このような接着剤においては、FFCを製造す
る工程において、接着剤をポリエステルフィルム(以下
PETフィルムと略す)に塗布した接着テープを製造す
る際、ポリエーテルエステルエラストマーとエポキシ樹
脂に含まれるグリシジル基が反応することが通常であ
り、反応の制御が難しく、ゲル状物の発生することがあ
る。すなわち平滑な接着テープを製造するのが困難にな
る場合がある。
【0004】特開平6−36619号公報では、特定の
弾性率を有するポリエステル系接着剤を用いてフラット
ケーブルを製造することを提案しているが、ここで用い
られているポリエステル樹脂は非晶性のものであり、ガ
ラス転移温度以下での低温での接着性が低下する傾向に
あり、また、高温時には逆に高温時にブロッキングの問
題が生じ、夏場のフラットケーブルの生産時に問題の生
じる可能性が有る。
【0005】特開平10−12050号公報では、特定
の弾性率を有するポリエステル樹脂系接着剤を用いてフ
ラットケーブルの補強板を製造することを提案してい
る。この実施例ではポリエステル樹脂として東洋紡績
(株)製バイロンXT20、東亞合成工業(株)製アロ
ンメルトPES−120HEEのように結晶性の樹脂が
用いられている。これらは夏場のブロッキング性は優れ
ているが、結晶性であるが故に、塗工後、非晶状態から
結晶状態になる際のひずみエネルギーの緩和がうまく行
われないことがあり、特に錫メッキ銅箔をはじめとする
金属銅箔に対する接着性、その中でも0℃未満における
接着性と室温から高温までの幅広い温度領域での接着性
に不満があり、特に冬場、電化製品等を輸送しているだ
けで接着層の弾性率の上昇と共に、錫メッキ銅箔層と絶
縁テープ層の剥がれの生じる可能性があった。
【0006】さらには、自動車用部品や家電製品の配線
部品に用いるとき、FFCが長時間折り曲げて使用され
る場合や、または褶曲部分に用いられる場合を考慮する
と、接着剤にはかなり高度な耐屈曲性等の機械的特性が
要求される。すなわち自動車、家電製品がさらされる夏
場の高温から冬場の低温まで広い温度領域での安定した
接着性が求められてきた。
【0007】以上のように、従来の技術では、各種プラ
スチックフィルムや金属に対する広い温度領域での接着
性、耐熱性、耐寒性、耐ブロッキング性を両立し、さら
には、優れた耐屈曲性等の機械的特性を満足させ、製造
する際に安定した接着剤は未だ提案されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車部
品、電化製品、フィルム、繊維用途に用いられる接着剤
に関して、特にFFC用接着剤として非常に有用であ
る。すなわち、本発明の課題は各種プラスチックフィル
ムや金属に対する接着性、耐熱性、耐寒性、耐ブロッキ
ング性に優れた接着剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、各種プラ
スチックフィルムや金属に対する接着性、耐熱性、耐寒
性、耐ブロッキング性を有する接着剤を得るべく鋭意研
究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち本発明は
以下の接着剤組成物である。
【0010】(1)ポリエステル樹脂(A)/フェノー
ル樹脂(B)=50/50〜99/1重量%である接着
剤組成物において、該ポリエステル樹脂(A)の数平均
分子量が5000〜50000、ガラス転移温度が20
℃未満、融点が50℃以上であると共に、ポリエステル
樹脂100重量%中に1〜50重量%のポリアルキレン
グリコールを共重合することにより含むことを特徴とす
る接着剤組成物。
【0011】(2)ポリアルキレングリコールがポリテ
トラエチレングリコールであることを特徴とする(1)
に記載の接着剤組成物。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の接着剤の構成成分として
用いられるポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は
20℃未満である。より好ましくは10℃未満、さらに
好ましくは0℃未満、最も好ましくは−10℃未満であ
る。ガラス転移温度が20℃以上であると室温付近にお
ける弾性率が高くなりすぎて、特に室温領域での接着性
が低下する虞がある。下限は特に限定されないが高温領
域の接着性を考慮すると−70℃以上、好ましくは−4
0℃以上である。
【0013】本発明において用いられるポリエステル樹
脂(A)の融点は50℃以上である。好ましくは80℃
以上、より好ましくは100℃以上である。融点が50
℃より低いとブロッキングが発生する場合がある。上限
は特に限定されないが、フィルム成型性や低温での接着
性を考慮すると180℃未満が望ましい。ここで融点や
ガラス転移温度は示差走査型熱量計を用いて測定した値
である。また本発明の融点は示差走査型熱量計測定結果
において最大吸熱ピークを示す温度である。
【0014】本発明において用いられるポリエステル樹
脂(A)の数平均分子量は5000〜50000が好ま
しい。より好ましくは10000以上、40000未満
である。数平均分子量が5000より低いと接着剤とし
ての機械的特性が不足してしまい十分な接着性や耐熱性
が得られない場合があり、50000を越えると加熱溶
融時の溶融粘度が高くなりフィルムへの成型性が低下し
たり、接着時のシール温度が高くなる傾向にある。
【0015】本発明の接着剤組成物に用いられるポリエ
ステル樹脂(A)の二塩基酸成分としては、特に制限さ
れるものでは無いが、テレフタル酸、イソフタル酸、オ
ルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジ
カルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族二塩
基酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、ダイマー酸等の脂肪族や脂環族二塩基酸を共重合す
ることができる。これらのうち、目的のガラス転移温度
や融点を有するポリエステルを得るためにはテレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸を用いることが好ましく、さらに耐熱性や屈曲性
を考慮するとテレフタル酸及び/またはイソフタル酸を
全酸成分のうち、50モル%以上必須成分とするのがよ
り好ましい。またシクロヘキサンジカルボン酸を10モ
ル%以上共重合すると、後述するフェノール樹脂(B)
との相溶性が高まるためか接着性が飛躍的に向上する。
【0016】また、グリコール成分としては、特に制限
されるものでは無いが、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル
−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレ
ングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,5−ペン
タンジオ−ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エス
テル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノ−
ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキ
サスド付加物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオ
クタンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブチ
ル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタ
ノール、ポリカーボネートグリコール等を共重合するこ
とができる。これらのうち、目的のガラス転移温度や融
点を有するポリエステルを得るためには、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジ
オ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペ
ンチルグリコ−ル、ポリテトラメチレングリコールを用
いることが好ましく、さらに耐熱性や屈曲性を考慮する
と1,4−ブタンジオールを全グリコール成分のうち5
0モル%以上の必須成分とするのがより好ましい。
【0017】本発明の接着剤組成物に用いられるポリエ
ステル樹脂(A)には、ポリエステル樹脂100重量%
中に1〜50重量%のポリアルキレングリコールを共重
合することにより含むことが必要である。すなわちポリ
エステル/ポリエーテルグリコール=99/1〜50/
50重量%のブロック共重合体であることが好ましい。
さらには95/5〜60/40重量%がより好ましく、
90/10〜70/30重量%が最も好ましい。含有量
が1重量%未満であると耐寒接着性や耐屈曲性が低下し
てしまい、ポリアルキレングリコールが50重量%を越
えると機械的特性が劣り接着性、耐熱性が低下してしま
うことがある。ポリアルキレングリコールを1重量%以
上共重合すると、適度な柔軟性を付与すると共に、その
他の長鎖グリコールや長鎖カルボン酸を共重合するのと
は異なり、結晶化時の体積収縮による接着性低下が起こ
りにくい。理由は定かではないが、ポリエステル樹脂が
ソフトセグメントとハードセグメントのブロック状にな
ることより、結晶歪みエネルギーがソフトセグメントに
よって効果的に緩和されるものと推定される。
【0018】本発明の接着剤組成物に用いられるポリエ
ステル樹脂(A)のポリアルキレングリコールとしては
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメ
チレングリコール、ポリネオペンチレングリコールやそ
れらの共重合体が例示される。こららのうち、ポリテト
ラメチレングリコールは重合時の安定性、接着剤として
の耐水性等のバランスが良く、特に好ましい。これらの
ポリアルキレングリコールの数平均分子量は300〜5
000、特には500〜2500のものが好適に使用さ
れる。
【0019】本発明の接着剤組成物に用いられるフェノ
ール樹脂(B)としては、ノボラック型樹脂、レゾール
型樹脂が挙げられる。フェノール樹脂の出発原料として
は、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−
ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キ
シレノール、2,5−キシレノール等の2官能性フェノ
ール、及び、フェノール、m−クレゾール、m−エチル
フェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェ
ノール等の3官能性フェノール、または、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF等の4官能性フェノール等が挙
げられる。また、フェノール樹脂の製造に使用されるホ
ルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド、トリオキサン等が用いられる。その他
フェノールアラルキルやフェノール変性キシレン樹脂等
のフェノール変性樹脂が挙げられる。
【0020】本発明の接着剤組成物はポリエステル樹脂
(A)とフェノール樹脂(B)の含有量はポリエステル
樹脂(A)/フェノール樹脂(B)=50/50〜99
/1重量%、好ましくは60/40〜95/5重量%で
ある。ポリエステル樹脂(A)成分が50重量%より少
ないと、機械的特性が劣るため接着性、耐熱性が低下
し、99重量%以上であると被着体との密着性に劣り、
接着性が低下してしまうことがある。また、フェノール
樹脂(B)成分が1重量%より少ないと、被着体との密
着性に劣り、特に室温から高温度域での接着性が低下
し、50重量%以上であると、機械的特性が劣るため接
着性、耐熱性が低下してしまう場合がある。
【0021】また、本発明の接着剤組成物は、必要に応
じ難燃剤を併用することができる。難燃剤としては、例
えば、ペンタジブロモトルエン、臭素化フェニルメタク
リル酸エステル、2,4−ジブロモフェノール、臭素化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂等の臭素系難燃剤や臭素系難燃
助剤である三酸化アンチモンやリン酸エステル、リン酸
アミド、有機フォスフィンオキサイド等の有機リン系難
燃剤や赤燐、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼ
ン、トリアジン、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃
剤、ポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩等の金属
塩系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
等の水和金属系難燃剤、その他無機系難燃剤等が挙げら
れる。
【0022】また本発明の接着剤組成物は、各種の添加
剤を配合する事ができる。添加剤としては、タルク、雲
母、ポリエチレン及びエポキシ基等を含有する変性ポリ
エチレン、各種金属塩等の結晶核剤、着色顔料、無機、
有機系の充填剤、タック性向上剤等が挙げられる。
【0023】本発明の接着剤はFFCの絶縁フィルムを
接着するための接着剤及びFFCをコネクターに接続す
る部分の補強の目的でFFCと他の素材を貼り合わせる
補強板に用いる接着剤に用いると優れた効果を発揮す
る。特に難燃剤やその他の添加剤を配合することの少な
い後者の用途に用いると、効果が最大限に発揮される。
一般にFFCの絶縁フィルムは塩化ビニルやポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルムで構成されること
が多く、ポリエステルはこれら素材に対する密着性が良
好である。従来技術ではポリエステルのガラス転移温度
と融点を適度に調節することにより、ある程度の温度範
囲で接着性に適した弾性率に保持することを可能とし
た。しかしながら、室温で適度な弾性率を有するポリエ
ステルでも、高温では弾性率が不足気味となり、その結
果接着性の低下する傾向にある。また逆に低温では弾性
率が高くなり、変形に対する応力に耐えることが出来
ず、剥離が起こる原因となった。本発明では低温での接
着性の良好な比較的ガラス転移温度の低い結晶性ポリエ
ステル樹脂にフェノール樹脂を配合することにより、低
温から高温までの幅広い温度領域での接着性を高めるこ
とができたものである。フェノール樹脂を添加すると特
に高温での接着性が向上する原因は明らかでないが、高
温ではポリエステルの弾性率が低下しても、フェノール
骨格構造自身が剛直であり、接着剤全体としての弾性率
が低下するのを抑えているためか、あるいはフェノール
骨格自身が基材、特にFFCの導線として良く用いられ
る錫メッキ銅箔に対して選択的に優れた接着性を示すた
めではないかと予想している。
【0024】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために以下に
実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定される
ものではない。なお、実施例に記載された測定値は以下
の方法によって測定したものである。
【0025】樹脂組成:重クロロホルム溶媒中でヴァリ
アン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200
を用いて、1H−NMR分析を行なって決定した。ポリ
テトラメチレングリコールの重量%についても、そのプ
ロトンの積分比より算出した。
【0026】数平均分子量:テトラヒドロフランを溶離
液としたウォーターズ社製ゲルろ過浸透クロマトグラフ
ィー(GPC)150cを用い、カラム温度30℃、流
量1ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算し
て、ポリスチレン換算の測定値を得た。ただしカラムは
昭和電工(株)shodex KF−802,804,
806を用いた。
【0027】酸価:ポリエステル0.2gを20mlの
クロロホルムに溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタ
ノール溶液で滴定し、樹脂106g当たりの当量(eq
/106g)を求めた。
【0028】ガラス転移温度、融点:サンプル5mgを
アルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコー
インスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DS
C)DSC−220を用いて、昇温速度20℃/分にて
測定することにより求めた。
【0029】<ポリエステル樹脂(A)の合成例1>撹
拌機、温度計、流出用冷却機を装備した反応缶内に、テ
レフタル酸199部、アジピン酸117部、エチレング
リコール136部、1,4ブタンジオール216部、テ
トラブチルチタネート0.14部をオートクレーブに仕
込み、180〜240℃で1時間エステル化反応を実施
した。次いでエステル化反応終了後、分子量1000の
ポリテトラメチレングリコール20部を仕込み、10分
撹拌後、反応系を240℃から250℃に昇温する一
方、系内を徐々に減圧していき、60分かけて500P
aとした。そして、さらに130Pa以下で65分間重
縮合反応を行い、ポリエステル樹脂(A)合成例1を得
た。ポリエステル樹脂(A)合成例1はNMR分析の結
果テレフタル酸60モル%、アジピン酸40モル%、エ
チレングリコール40モル%、1,4−ブタンジオール
60モル%、ポリテトラメチレングリコール含有量4.
7重量%の組成を有しており、数平均分子量3500
0、酸価30eq/106g、ガラス転移温度−15
℃、融点112℃であった。
【0030】<ポリエステル樹脂(A)の合成例2〜
3、比較合成例1〜4>ポリエステル樹脂(A)の合成
例1と同様にポリエステル樹脂(A)の合成例2〜3、
比較合成例1〜4の作成を行った。これらの結果を表1
及び表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1、2中、ポリエステル組成はモル比で
表し、ポリテトラメチレングリコールはポリエステル・
ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体全体1
00に対する重量比で表した。
【0034】比較合成例1は分子量が本発明範囲外であ
る。比較合成例2はポリテトラメチレングリコール含有
量が本発明範囲外である。比較合成例3は融点が本発明
範囲外である。比較合成例4は融点が本発明範囲外であ
る。
【0035】<実施例1>ポリエステルの合成例1で得
られたポリエステル樹脂(A)9000部と、フェノー
ル樹脂(B)としてGP200(三菱瓦斯化学(株)社
製、フェノール変性キシレン樹脂)1000部を200
℃にて1時間溶融混練し得られた接着剤を50μmの二
軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム
の上に、スクリュー径40mmφの押し出し機を用い
て、170℃の温度でTダイを通して接着剤厚が30μ
mとなるように押し出し、接着テープを得た。この接着
テープを用いて、下記の評価を行った。
【0036】PET接着性:上記接着テープの接着面
と、50μmの二軸延伸PETフィルムを合わせ、テス
ター産業社製ロールラミネータを用いて接着した。な
お、ラミネートは温度170℃、圧力0.3mPa、速
度0.5m/minで行った。接着強度は東洋ボールド
ウイン社製RTM100を用いて、0℃下、25℃下及
び100℃下で引っ張り試験を行い、50mm/min
の引っ張り速度でT型剥離接着力を測定した。 (判定)○:接着強度10N/cm以上、 ×:接着強度10N/cm未満
【0037】スズメッキ銅接着性:上記接着テープの接
着面と、スズメッキ銅を上記と同様の方法でラミネート
した。接着強度は東洋ボールドウイン社製RTM100を
用いて、0℃下、25℃下及び100℃下で引っ張り試
験を行い、50mm/minの引っ張り速度で180度
剥離接着力を測定した。 (判定)○:接着強度10N/cm以上、 ×:接着強度10N/cm未満
【0038】耐ブロッキング性:上記接着テープを同方
向に5枚重ね、接着層の上にPETフィルムが重なるよ
うにした。次いで、このようにして重ねた接着フィルム
の上に90g/cm2の荷重をかけ、80℃雰囲気中に24
時間保存した。この後、接着シートを取り出し、接着剤
の非粘着性を観察し、重ねたシート間の接着強度を測定
し、下記の判定を行った。 (判定)◎:0〜3g/cm ○:3〜5g/cm △:5〜15g/cm ×:15g/cm以上
【0039】耐屈曲性:上記接着テープの接着層側上に
スズメッキ銅箔を0.7mm幅、長さ15cmに切断し
た導線を1mm間隔で5本並べ、さらにこの上に、上記
接着テープを接着層が下になるように重ね合わせ、テス
ター産業社製ロールラミネーターを用いてラミネートは
温度170℃、圧力0.3mPa、速度0.5m/mi
nの条件で接着し、フラットケーブルモデルとした。こ
のフラットケーブルモデルを用いて、JIS規格C50
16の耐屈曲性試験法に従い、ケーブルの機械的特性
(耐屈曲性)を調べた。 (判定)○:屈曲回数 2×106回以上 △:屈曲回数 1×106回以上2×106回未満 ×:屈曲回数 106回未満 以上の評価結果を表3に示す。
【0040】<実施例2〜5、比較例1〜5>以下同様
にして行った実施例2〜5を表3に、比較例1〜5を用
いて評価を行った結果を表4に示した。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】本発明の接着剤組成物は、従来技術と比較
して、PET及び金属接着性、耐熱性、耐寒性、耐ブロ
ッキング性、耐屈曲性に優れている。
【0044】それに対して、表4に見られるように、比
較例1では、フェノール樹脂を配合していないので、金
属への密着性に劣る為、スズメッキ銅接着性、耐屈曲性
が劣る。比較例2では、フェノール樹脂配合量が多すぎ
るために、接着剤の機械的強度が低下し、PET及びス
ズメッキ銅接着性、耐屈曲性が劣る。比較例3では、ポ
リエステル樹脂の分子量が低い為に、機械的強度が低下
し、PET及びスズメッキ銅接着性、耐屈曲性が劣る。
比較例4ではポリエステル樹脂(A)中にポリテトラメ
チレングリコールを含有していないので、耐寒性に劣
る。比較例5では、ポリエステル樹脂が融点を持たない
為に、高温時の接着性、耐ブロッキング性に劣る。
【0045】
【発明の効果】本発明で得られた接着剤組成物は各種プ
ラスチックフィルムや金属に対して広い温度領域で安定
した接着性を示す接着剤である。特に本接着剤は高度な
金属密着性、耐熱性、耐寒性、耐屈曲性を要求されるフ
レキシブルフラットケーブル用接着剤及びフレキシブル
フラットケーブル補強板用の接着剤等に有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂(A)/フェノール樹
    脂(B)=50/50〜99/1重量%である接着剤組
    成物において、該ポリエステル樹脂(A)の数平均分子
    量が5000〜50000、ガラス転移温度が20℃未
    満、融点が50℃以上であると共に、ポリエステル樹脂
    100重量%中に1〜50重量%のポリアルキレングリ
    コールを共重合することにより含むことを特徴とする接
    着剤組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレングリコールがポリテトラ
    エチレングリコールであることを特徴とする請求項1に
    記載の接着剤組成物。
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