JP2003327605A - ビーズ状重合体の製造方法 - Google Patents

ビーズ状重合体の製造方法

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JP2003327605A
JP2003327605A JP2002141666A JP2002141666A JP2003327605A JP 2003327605 A JP2003327605 A JP 2003327605A JP 2002141666 A JP2002141666 A JP 2002141666A JP 2002141666 A JP2002141666 A JP 2002141666A JP 2003327605 A JP2003327605 A JP 2003327605A
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polymer
meth
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mass
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JP2002141666A
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English (en)
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Yukinori Okimoto
幸則 沖本
Hiroki Hatakeyama
宏毅 畠山
Takuji Fujii
卓司 藤井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 攪拌効率の低下を抑制して、ビーズ状重合体
を効率よく製造するビーズ状重合体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 重合槽と、該重合槽内で回転可能に配置
された攪拌手段とを含む重合装置を用いて、少なくとも
ビニル系単量体を含む分散相と分散媒とからなる反応系
を懸濁重合するビーズ状重合体の製造方法。この際に使
用する重合装置における攪拌軸の偏心率を5〜20%と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビーズ状重合体の
製造方法に関する。更に詳しくは、少なくともビニル系
単量体を含む分散相(例えば単量体混合物)を懸濁重合
するビーズ状重合体の製造方法において、攪拌機の偏心
率が特定範囲内の重合装置を用いることにより、懸濁重
合の攪拌により形成される傾向がある攪拌軸周りの下降
渦巻き流を抑制して、ビーズ状重合体を効率よく製造で
きる重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】懸濁重合は、単量体(モノマー)を溶解
しないか、または殆ど溶解しない分散媒(主として水)
中に単量体を分散させ、通常は分散媒に不溶または難溶
性で、且つ単量体に易溶性の重合開始剤を用いて、分散
媒中に懸濁された単量体小滴内で重合反応を進行させる
重合様式であり、工業的に広く使用されている。この懸
濁重合において、重合は単量体小滴内で進行するため、
重合熱が分散媒によって除かれるため、温度の調節が容
易で、通常は生成重合体の分子量は大きく、且つ濾過等
の簡単な操作によってビーズないし微粒子状の重合体が
容易に得られるという特徴がある。
【0003】他方、ビニル系単量体を含む分散相を懸濁
重合に供するビーズ状重合体の製造方法において、該重
合のための装置内において攪拌羽根で重合すべき懸濁液
を混合攪拌すると、通常は攪拌軸の周りに下降渦巻き流
が形成され、懸濁液中に気泡が噛み込まれる現象が起き
ていた。このような現象が起きると、攪拌効率が低下し
て、質量平均粒子径の小さなビーズ状重合体が得られに
くくなることや、気泡を抱き込んだビーズ状重合体が生
成して、粗大化ビーズ状重合体または異形のビーズ状重
合体が多く生成する問題がある。
【0004】このような問題を解決するために、邪魔板
が備わった重合装置を用いることで、通常攪拌軸の周り
に起きる下降渦巻き流を低減させる提案がなされている
(特開2001−198444号)。この提案によれ
ば、攪拌軸の周りに起きる下降渦巻き流を低減させるこ
とが一応は可能になるが、この邪魔板にカレット(cull
et)状重合体が付着して、正規のビーズ状重合体の収率
が低くなる欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術における問題点を解決することができるビ
ーズ状重合体の製造方法を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、攪拌効率の低下を抑
制して、ビーズ状重合体を効率よく製造するビーズ状重
合体の製造方法を提供することにある。
【0007】本発明の更に他の目的は、粗大化および/
又は異形のビーズ状重合体、ないしはカレット状重合体
の生成を抑制して、正規のビーズ状重合体を効率よく製
造するビーズ状重合体の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
標を達成するために鋭意検討を進めた結果、ビニル系単
量体を含む分散相を懸濁重合するに際して、攪拌機の偏
心率が特定範囲内の重合装置を用いることことが、上記
目的の達成のために極めて効果的なことを見出した。
【0009】本発明のビーズ状重合体の製造方法は上記
知見に基づくものであり、より詳しくは、重合槽と、該
重合槽内で回転可能に配置された攪拌手段とを含む重合
装置を用いて、少なくともビニル系単量体を含む分散相
と分散媒とからなる反応系を懸濁重合するビーズ状重合
体の製造方法であって、前記重合装置における下記式
(I)で表わされる攪拌軸の偏心率が5〜20%である
ことを特徴とするものである。
【0010】
【数2】
【0011】本発明者の知見によれば、本発明において
上記した特定の攪拌軸の偏心率を採用することによっ
て、通常は攪拌軸の周りに形成される下降渦巻き流を効
果的に抑制することが可能となると推定される。
【0012】この下降渦巻き流の抑制により、攪拌効率
の低下、気泡を抱き込んだ粗大化ビーズ状重合体または
異形のビーズ状重合体、カレット状重合体の生成が抑制
され、正規のビーズ状重合体を効率よく製造することが
可能となると推定される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、必要に応じて図面を参照し
つつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載におい
て量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り
質量基準とする。
【0014】(ビーズ状重合体の製造方法)
【0015】本発明においては、実質的に円筒状の重合
槽と、該重合槽内で回転可能に配置された攪拌手段とを
含む重合装置を用いて、少なくともビニル系単量体を分
散相に含む反応系を懸濁重合に供する。
【0016】本発明においては、この際に使用する重合
装置において、上記式(I)で表わされる攪拌軸の偏心
率が5〜20%であることが特徴である。
【0017】(重合装置)
【0018】本発明に用いるべき重合装置は、重合槽
(反応容器、重合釜、等と称される場合もある)と、該
重合槽内で回転可能に配置された攪拌手段とを少なくと
も含む。この重合槽の材質、形状、大きさ、構造等は特
に制限されない。腐食の点からは、ステンレス製の重合
槽であることが好ましい。該重合槽は、後述するよう
に、いわゆる「邪魔板」が配置された重合槽であっても
よい。
【0019】更には、この重合装置には、必要に応じ
て、他の公知の重合装置用の手段、装置等が配置されて
いてもよい。より具体的には、内容液の加熱、冷却等の
手段、例えば加熱、冷却用の媒体が導入可能なジャケッ
ト、内容液を反応容器外に抜き出し加熱、冷却等を行な
う外部循環熱交換器等が、本発明における重合装置に設
けられていてもよい。
【0020】(攪拌手段)
【0021】本発明に用いるべき攪拌手段は、撹拌軸を
有し、且つ上記した重合槽内で回転可能に配置されてい
る限り、該攪拌手段の材質、形状、大きさ、構造等は特
に制限されない。攪拌手段は、撹拌軸に固定された(ま
たは撹拌軸と一体化された)撹拌翼を有することが好ま
しい。この撹拌翼の材質、形状、大きさ、構造等は特に
制限されないが、例えば、パドル翼、錨型翼、スクリュ
ー翼等を用いることができる。本発明に用いるべき重合
装置は、必要に応じて、このような撹拌翼を複数有して
いてもよい。重合槽内径に対する撹拌翼の直径の比は、
30〜60%の範囲内であることが好ましい。
【0022】(偏心率)
【0023】本発明のビニル系単量体を含む分散相(例
えば単量体混合物)を懸濁重合するビーズ状重合体の製
造方法において、重合装置の攪拌軸の偏心率の範囲とし
ては、5〜20%である。この偏心率は、10%以上で
あることが好ましく、18%以下であることが好まし
い。
【0024】重合装置の攪拌軸の偏心率が5%以上であ
ると、攪拌軸の周りに形成される下降渦巻き流の抑制効
果が増大する傾向がある。他方、該偏心率が20%以下
であると、攪拌羽根の大きさを大きくできるため、質量
平均粒子径の小さなビーズ状重合体が容易に得られる傾
向がある。
【0025】(好ましい態様の一例)
【0026】図1は、本発明において好適に使用可能な
態様の重合装置の一例を示す模式断面図である。図1を
参照して、この態様の重合装置10は、重合槽11と、
該重合槽11の内部に回転可能に配置された攪拌手段1
2とを含む。該攪拌手段12には、複数の攪拌翼13が
固定されている。この図1の重合装置10において、偏
心率(%)は、(a/b)×100で表される。
【0027】(邪魔板)
【0028】本発明においては、必要に応じて、重合装
置内に、特開2001−198444号に記載されたよ
うな「邪魔板」を配置してもよい。このような「邪魔
板」を配置することにより、通常攪拌軸の周りに起きる
下降渦巻き流の低減が、より容易となる。
【0029】(ビニル系単量体)
【0030】本発明においては、上記した重合装置を用
いて、少なくともビニル系単量体を含む分散相と分散媒
とからなる反応系を懸濁重合に供する。
【0031】本発明において上記の分散相を構成するビ
ニル系単量体は、特に限定されないが、不飽和脂肪酸エ
ステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
不飽和二塩基酸またはその誘導体、不飽和脂肪酸または
その誘導体等を使用することができる。必要に応じて、
これらのビニル系単量体を二種以上組合せ(ないしは混
合し)て使用してもよい。
【0032】不飽和脂肪酸エステルとしては、(メタ)
アクリル酸エステル類が挙げられる。ここで、(メタ)
アクリル酸エステルとは、メタクリル酸エステルまたは
アクリル酸エステルを示す。(メタ)アクリル酸エステ
ル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソ−ブチル、(メタ)アクリル酸t−
ブチル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシル等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロ
ヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アク
リル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル
等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メ
タ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル
等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル、(メタ)アク
リル酸フルオロフェニル、(メタ)アクリル酸クロロフ
ェニル、(メタ)アクリル酸フルオロベンジル、(メ
タ)アクリル酸クロロベンジル等の(メタ)アクリル酸
置換芳香族エステル、(メタ)アクリル酸フルオロメチ
ル、(メタ)アクリル酸フルオロエチル等の(メタ)ア
クリル酸ハロゲン化アルキルエステル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸
グリシジル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールエ
ステル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエ
ステル等が挙げられる。
【0033】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α―メチルスチレン、α―エチルスチレン等のα―置換
スチレン、フルオロスチレン、メチルスチレン等の核置
換スチレン等が挙げられる。シアン化ビニル化合物とし
ては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げ
られる。
【0034】不飽和二塩基酸またはその誘導体として
は、N―メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレ
イミド等のN−置換マレイミド、マレイン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0035】不飽和脂肪酸およびその誘導体としては、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミ
ド等の(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸
カルシウム、(メタ)アクリル酸バリウム、(メタ)ア
クリル酸鉛、(メタ)アクリル酸すず、(メタ)アクリ
ル酸亜鉛等の(メタ)アクリル酸の金属塩、(メタ)ア
クリル酸等が挙げられる。
【0036】(好ましいビニル系単量体)
【0037】上述したビニル系単量体のうち、本発明に
おいて好ましいビニル系単量体は、下記一般式(A)
【0038】
【化2】 (RはHまたはCH、RはCのアルキル
基)で表わされる(メタ)アクリル酸エステルであり、
特に好ましいのは、メタクリル酸メチルである。
【0039】本発明においては、ビニル系単量体を含む
分散相(例えば単量体混合物)の主成分がメタクリル酸
メチルであることが好ましい。本発明において、「主成
分がメタクリル酸メチルである」とは、単量体混合物1
00質量%中に、メタクリル酸メチルが50質量%以上
含まれることを意味する。
【0040】(懸濁重合の一態様)
【0041】本発明のビニル系単量体を含む分散相(例
えば単量体混合物)を懸濁重合するビーズ状重合体の製
造方法の一態様について説明する。
【0042】まず、ビニル系単量体に、重合開始剤、お
よび必要に応じて連鎖移動剤を攪拌、溶解させる。
【0043】次いで、その得られた均一混合液を、分散
安定剤を存在させた分散媒(例えば、水媒体)に懸濁し
た後、攪拌軸の偏心率が5〜20%の重合装置を用い
て、所定の重合温度で一定時間保持して重合を完結させ
る。得られた懸濁重合物を濾過し、水洗、乾燥すること
により本発明のビーズ状重合体を得ることができる。
【0044】(重合開始剤)
【0045】上記懸濁重合の際に使用可能な重合開始剤
としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリル等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,
1−ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキ
サン等の過酸化物系開始剤等を挙げることができる。こ
れらの重合開始剤の使用量は、上記単量体混合物100
質量部に対して0.001〜3質量部の範囲が好まし
い。
【0046】(連鎖移動剤)
【0047】上記懸濁重合の際に使用可能な連鎖移動剤
としては、例えばt−ブチルメルカプタン、n−ブチル
メルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン等を挙げることができる。これらの連鎖
移動剤の使用量は、上記単量体混合物100質量部に対
して0〜3質量部の範囲が好ましい。
【0048】(分散剤)
【0049】上記懸濁重合の際に使用可能な分散剤とし
ては、特に限定されないが、リン酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、澱粉末シリカ等の水難
溶性無機化合物;ポリビニルアルコール、ポリエチレン
オキサイド、セルロース誘導体等のノニオン系高分子化
合物;ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸
およびその塩、メタクリル酸エステルとメタクリル酸お
よびその塩との共重合体等のアニオン系高分子化合物を
挙げることができる。
【0050】上記した分散剤として最も好ましいもの
は、ポリメタクリル酸およびその塩、メタクリル酸エス
テルとメタクリル酸およびその塩との共重合体等のアニ
オン系高分子化合物である。
【0051】これらの分散剤の使用量は、分散媒(例え
ば、水)100質量部に対して、0.01〜5質量部の
範囲が好ましい。また、必要に応じて、これらの分散剤
と共に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム、硫酸マンガン等の分散助剤を併用す
ることもできる。
【0052】(分散媒)
【0053】本発明においては、使用すべき分散媒は特
に制限されず、公知のものを使用することが可能であ
る。このような分散媒としては、水(例えば、脱イオン
水)を主成分とするものが好適に使用可能である。
【0054】懸濁重合の際に使用される分散媒(例え
ば、水)の量としては、特に限定されないが、上記単量
体混合物100質量部に対して100〜1000質量部
の範囲が好ましく、より好ましくは150〜400質量
部の範囲である。
【0055】(重合温度)
【0056】懸濁重合の重合温度としては、特に限定さ
れないが、重合温度は50〜150℃の範囲が好まし
く、より好ましくは、50〜130℃の範囲である。
【0057】(添加剤)
【0058】本発明の懸濁重合の際には、目的に応じ
て、公知の添加剤、例えば各種酸化防止剤、離型剤等を
添加することができる。
【0059】(生成物の成形)
【0060】また、本発明の懸濁重合により得られたビ
ーズ状重合物は、目的に応じて、押出成形等の方法によ
りペレット形状にすることが可能である。
【0061】更に、本発明の懸濁重合により得られたビ
ーズ状重合物を押出成形等の方法によりペレット形状に
する際には、目的に応じて、公知の添加剤、例えば染
料、顔料等の着色剤、各種酸化防止剤、可塑剤、紫外線
吸収剤などの光安定剤等を添加することができる。
【0062】必要に応じて、上記により得られたペレッ
トを更に、種々の形状に加工することができる。例え
ば、該ペレットを、情報伝送体、情報記録媒体、撮像系
レンズ、ピックアップレンズ、fθレンズ等の光学用透
明部材、テールランプ、バックパネル等の自動車部品、
ランプカバーやルーバー等の照明器具、チューナー等の
インジケーター、メーターカバー等のオーディオ部品、
OA機器部品などに成形することもできる。
【0063】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0064】以下の各実施例、比較例において用いられ
た単量体の略号は、以下の化合物を示す。
【0065】MMA :メタクリル酸メチル
【0066】MA :アクリル酸メチル
【0067】各実施例および比較例で得た共重合体の物
性の評価項目、評価方法は、次の通りである。 (1)ビーズ状重合体の質量平均粒子径
【0068】懸濁重合後のスラリーの粒度分布を、レー
ザー回折/散乱式粒度分布測定装置[(株)堀場製作所
製、LA−910]を用いて測定した。
【0069】(2)重合廃液中の乳化粒子量(100μ
mパス分)
【0070】懸濁重合後のスラリーを、目開き100μ
mのナイロンメッシュにて濾過し、その濾過された重合
廃液を蒸発乾固した。その後、得られた残存物の質量を
測定し、仕込み単量体質量との比率より算出した。
【0071】(3)粗大ビーズ状重合体量
【0072】100μmのナイロンメッシュにて捕捉し
たビーズ状重合体を乾燥し、目開き1400μmの篩に
て篩別した。その目開き1400μmの篩上に捕捉され
た分のビーズ状重合体の質量を測定し、仕込み単量体質
量との比率より算出した。
【0073】(4)ビーズ状重合体量
【0074】100μmのナイロンメッシュにて捕捉し
たビーズ状重合体を乾燥し、目開き1400μmの篩に
て篩別した。その通過分のビーズ状重合体の質量を測定
し、仕込み単量体質量との比率より算出した。
【0075】(5)ビーズ状重合体の形状
【0076】上記(4)ビーズ状重合体の形状を目視評
価した。
【0077】(6)カレット状重合体量 重合抜液水洗後に、重合装置内壁面、攪拌軸及び羽根、
邪魔板の表面に付着したカレット状重合体を全て回収、
乾燥した。その後、カレット状重合体質量を測定し、仕
込み単量体質量との比率より算出した。
【0078】(7)ビーズ状重合体の固有粘度
【0079】得られた(4)ビーズ状重合体1gをクロ
ロホルム100mlに溶解し、25℃の測定環境下で、
オストワルド型細管式粘度計を用いて測定した。 [製造例1] (分散剤の製造)
【0080】攪拌機を備えたステンレス製内容積2リッ
トルの重合装置に、メタクリル酸2−スルホエチルナト
リウム58質量部、メタクリル酸カリウム水溶液(メタ
クリル酸カリウム分30質量%)31質量部、メタクリ
ル酸メチル11質量部からなる混合物と、脱イオン水9
00質量部を加えて攪拌溶解させた。その後、窒素雰囲
気下で混合物を攪拌しながら60℃まで昇温し、6時間
攪拌保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。
【0081】この際、混合物(分散系)の温度が50℃
に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム
0.1質量部を添加、さらに別に計量したメタクリル酸
メチル11質量部を75分間かけて連続的に滴下した。
この製造方法により得られたアニオン系高分子化合物水
溶液を(A1)とする。
【0082】[実施例1]
【0083】図2に示すような2つのスクリュー翼を有
し、内径130mm、フランジまでの高さ220mm、
容量2リットルの重合槽であって、偏心率11%の攪拌
機を備えた図3に示すような重合装置に、MMA90質
量%、MA10質量%の単量体混合物100質量部(7
50g)を入れ、重合開始剤として2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル0.1質量部、連鎖移動剤としてn
−オクチルメルカプタン0.2質量部、離型剤としてス
テアリルアルコール0.3質量部を加え攪拌溶解させ
た。
【0084】また、別の容器に脱イオン水150質量部
(1125g)を入れ、分散剤として[製造例1]で得
たアニオン系高分子化合物水溶液(A−1)0.4質量
部、分散助剤として硫酸ナトリウム0.35質量部を加
え攪拌溶解した。
【0085】次いで、このように別容器で攪拌溶解した
脱イオン水混合物を、上記したような単量体混合物を収
容した、攪拌機を備えた重合装置に投入し、窒素置換し
ながら500rpmで15分間攪拌した。その後、75
℃に加温して重合を開始させ、重合発熱によって系内の
温度が極大値を示す重合ピーク発現後、95℃、30分
間の熱処理を行い、重合を完結させて、ビーズ状重合体
を得た。
【0086】このようにして得られたビーズ状重合体の
質量平均粒子径、重合廃液中の乳化粒子量、粗大ビーズ
状重合体量、ビーズ状重合体量、ビーズ状重合体の形
状、カレット状重合体量、ビーズ状重合体の固有粘度を
評価した。得られた重合体の評価結果を、後述する表1
に示す。
【0087】[実施例2]
【0088】攪拌軸の偏心率を後述する表1に示すよう
に変更した以外は、実施例1と同様に懸濁重合を行い、
ビーズ状重合体を得た。
【0089】このようにして得られたビーズ状重合体の
質量平均粒子径、重合廃液中の乳化粒子量、粗大ビーズ
状重合体量、ビーズ状重合体量、ビーズ状重合体の形
状、カレット状重合体量、ビーズ状重合体の固有粘度を
評価した。得られた重合体の評価結果を、後述する表1
に示す。
【0090】[比較例1]
【0091】図3に示す重合装置に代えて、図4に示す
ように攪拌軸の偏心率を0%に変更した重合装置を用い
た以外は、実施例1と同様に懸濁重合を行い、ビーズ状
重合体を得た。
【0092】このようにして得られたビーズ状重合体の
質量平均粒子径、重合廃液中の乳化粒子量、粗大ビーズ
状重合体量、ビーズ状重合体量、ビーズ状重合体の形
状、カレット状重合体量、ビーズ状重合体の固有粘度を
評価した。得られた重合体の評価結果を、後述する表1
に示す。
【表1】
【0093】
【発明の効果】本発明においては、ビニル系単量体を含
む分散相(例えば単量体混合物)を懸濁重合してビーズ
状重合体を製造するに際して、通常は攪拌軸の周りに形
成される傾向がある下降渦巻き流を抑制することができ
る。
【0094】本発明においては、このような下降渦巻き
流を抑制に基づき、攪拌効率の低下、気泡を抱き込んだ
粗大化ビーズ状重合体または異形のビーズ状重合体、カ
レット状重合体の生成を抑制し、正規のビーズ状重合体
を効率よく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用可能な重合装置の代表的な一例を
示す模式断面図である。
【図2】実施例において用いた重合装置の攪拌翼の形状
を示す模式平面図(1)および模式側面図(2)であ
る。
【図3】実施例において用いた重合装置の一例を示す模
式断面図である。
【図4】比較例において用いた重合装置の一例を示す模
式断面図である。
【符号の説明】
10…重合装置 11…重合槽 12…撹拌手段 13…撹拌翼 a…重合槽内径の中心と撹拌軸の中心との距離 b…重合槽内径
フロントページの続き (72)発明者 藤井 卓司 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 Fターム(参考) 4J011 AA01 AA08 AC06 BA08 DB05 DB12 DB16 JA06 JB06 JB07 JB08 JB19 JB26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合槽と、該重合槽内で回転可能に配置
    された攪拌手段とを含む重合装置を用いて、少なくとも
    ビニル系単量体を含む分散相と分散媒とからなる反応系
    を懸濁重合するビーズ状重合体の製造方法であって、前
    記重合装置における下記式(I)で表わされる攪拌軸の
    偏心率が5〜20%であることを特徴とするビーズ状重
    合体の製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 重合槽が、実質的に円筒状の形状を有す
    る請求項1に記載のビーズ状重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 分散媒中で、アニオン系高分子化合物を
    分散剤として用いる請求項1または2に記載の重合体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 ビニル系単量体が少なくとも下記一般式
    (A) 【化1】 (RはHまたはCH、RはC〜Cのアルキル
    基)で表わされる(メタ)アクリル酸エステルを含有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビ
    ーズ状重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 分散相の主成分がメタクリル酸メチルで
    ある請求項4に記載のビーズ状重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017514960A (ja) * 2014-05-02 2017-06-08 リライアンス インダストリーズ リミテッドReliance Industries Ltd. ポリマーのハロゲン化装置

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