JP2003327526A - 封入された化合物のパーセントが増加したリポソーム - Google Patents

封入された化合物のパーセントが増加したリポソーム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、薬物の封入効率を最大限に
高めて低い脂質:薬物比を達成するリポソーム製剤を得
るための別のよりよい方法を提供することである。 【解決手段】 水、中性脂質、直線的な形態で結合した
約13〜約28の炭素原子を有する炭素鎖を含む両親媒性脂
質、及び生物活性化合物を含む多胞リポソーム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば薬物のよう
な化合物のリポソーム製剤に関するものである。特に本
発明は、リポソーム製剤への所望の化合物の封入量を増
加させる方法及びそのような製剤の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】リン脂質及びその他の多くの両親媒性脂
質を水性媒質に静かに分散させると、それは膨張し水和
して、脂質二重層の間に水性媒質の層を有する多重層同
心二重層小胞を自然に形成する。これらの系は一般に多
重層リポソーム(multilameller liposome)あるいは多
重層小胞(multilameller vesicle, MLV)と呼ばれ、通
常0.2〜5μmの直径を有する。MLVを超音波処理すると、
小さな単層小胞(smallunilameller vesicle, SUV)が
形成され、これは直径が通常20〜100 nmの範囲にあり、
コアに水溶液を含んでいる。多胞リポソーム(multives
icular liposome,MVL)は、リポソーム内部にランダム
に非同心に配置された小室が存在する点で多重層リポソ
ームとは異なるものである。両親媒性脂質は水中に分散
されると、脂質の水に対するモル比に応じてリポソーム
以外の種々の構造を形成し得るが、比が小さいときには
リポソームが好ましい構造である。
【0003】リポソームの物理的特性は、一般にpH及び
イオン強度によって決まる。リポソームは、イオン性物
質及び極性物質に対する低い透過性を示すことを特徴と
するが、一定の温度では、それらの製造において使用さ
れた脂質の物理的性質に応じてゲル-液晶相(または主
相)転移を起こし得、これによりその透過性は著しく変
化する。相転移は、ゲル状態として知られている密に充
填された規則的な構造から、液晶状態として知られてい
る粗く充填された規則性のより小さい構造への変化を伴
う。
【0004】鎖長、飽和状態、及び頭部基が異なる様々
な種類の脂質が、上述の単層リポソーム、多重層リポソ
ーム、及び多胞リポソームを含むリポソーム薬物製剤に
おいて長年にわたって用いられてきた。この分野の主な
目標の一つは、薬物及びその他の目的の化合物の持続的
放出のためのリポソーム製剤、及び封入化合物の放出速
度を制御できるリポソーム製剤を開発することである。
【0005】これらの目標は重要であり、その達成に向
けて様々な研究がなされてきた。認識度はより低いが、
別の目標として、デリバリー用物質として用いられるリ
ポソーム製剤からの製品の収率を高めることは、特に医
薬品工業において、同様に実用面で極めて有益である。
例えば、リポソーム製剤に封入された薬物のパーセント
を増加させることにより、収率が高められ実質的なコス
ト節約につながる。リポソーム薬物製剤の場合には、所
与の脂質:薬物比率について封入された薬物のパーセン
トを最大限に高めて、所望の投与量を達成するために患
者に高粘度の製剤を注射したり、大容量の注射をする必
要をなくすことも望ましいことである。何らかの方法に
より、封入された化合物のパーセンテージは高いが薬
物:脂質比率の低い製品が生じる場合は、特定の薬物投
与量を達成するために製剤が高いリポクリット(ヘマト
クリットに類似する)を有するか、あるいは注射によっ
て治療上有効な量の生物活性物質を与えることが一般に
必要である。リポクリットは、ヘマトクリットに類似
し、リポソーム懸濁物の総体積に対するリポソームが占
める体積の割合のパーセントである尺度である。しかし
このような製剤はその高い粘性のために注射によって投
与することが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、薬物の封入効
率を最大限に高めて低い脂質:薬物比を達成するリポソ
ーム製剤を得るための別のよりよい方法に対する要請が
存在する。
【0007】
【課題を解決するための手段】リポソームの脂質成分の
少なくとも1種の脂質の炭素鎖の炭素数を増加させるこ
とを含み、その2種の脂質の化学構造はその他の点では
実質的に同様なものとする、リポソーム製剤に封入され
る薬物のような化合物のパーセントを増加させる方法を
提供する。多胞リポソームにおける少なくとも1種の脂
質の炭素鎖の長さは、好ましくは炭素数で約13〜約28の
範囲の整数、最も好ましくは約13〜22の範囲の整数まで
長くされる。炭素鎖長を増加させる脂質で好ましいもの
はリン脂質である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、化合物がリポソーム製
剤に封入される効率を高めるための方法を提供する。驚
くべきことに、リポソーム製剤の製造で用いられる両親
媒性脂質の少なくとも1種の炭素鎖の炭素数を増加させ
ることによって、リポソーム製剤における活性物質の封
入効率が著しく高められることが見出された。本発明
は、所与の薬物投与量について製剤のリポクリットを実
質的に高めることなく、薬理学的に活性な量の生物活性
化合物をリポソームに封入する効率を高めるために医薬
品工業の分野において特に有用なものである。本発明の
方法は、任意の種類のリポソームの封入効率を高めるの
に有用であるが、好ましい態様においては、多胞リポソ
ーム製剤の製造の際に封入効率を高める方法が提供され
る。
【0009】少なくとも3つの種類のリポソームが存在
する。本明細書及び請求の範囲全体を通して使用される
用語「多胞リポソーム(MVL)」は、多数の非同心の水
性小室を内包する脂質膜を含む人工の非常に小さな脂質
小胞を意味する。これに対して「多重膜リポソームまた
は小胞(MLV)」は、「たまねぎの皮状の」同心多重層
を有し、その間に貝殻状の同心水性区画を有するもので
ある。多重層リポソーム及び多胞リポソームは、その特
徴としてマイクロメートル範囲の平均直径、通常0.5〜2
5μmの平均直径を有する。本明細書で用いられ用語「単
層リポソームまたは小胞(ULV)」は、一つの水性小室
を有し、平均直径が通常約20〜500 nmのリポソーム構造
を意味する。
【0010】多重層リポソーム及び単層リポソームは、
いくつかの比較的簡単な方法によって製造することがで
きる。従来技術にはULV及びMLVを製造するための技術が
多数記載されている(例えば、Lenkに付与された米国特
許第4,522,803号、Baldeschweilerに付与された米国特
許第4,310,506号、Papahadjopoulosに付与された米国特
許第4,235,871号、Schneiderに付与された米国特許第4,
224,179号、Papahadjopoulosに付与された米国特許第4,
078,052号、Taylorに付与された米国特許第4,394,372
号、Marchettiに付与された米国特許第4,308,166号、Me
zeiに付与された米国特許第4,485,054号、及びRedzinia
kに付与された米国特許第4,508,703号等)。
【0011】これに対して、多胞リポソームの製造には
いくつかのプロセスステップが必要である。簡単に述べ
ると、MVLを製造するための好ましい方法は以下の通り
である。第1のステップは、少なくとも1種の両親媒性脂
質及び少なくとも1種の中性脂質を脂質成分のための1種
またはそれ以上の揮発性有機溶媒に溶解することにより
「油中水」エマルションを作り、この脂質成分に不混和
性の第1の水性成分及び封入される生物活性物質を加え
ることであり、所望に応じて脂質成分と第1の水性成分
の両方またはいずれか一方に、MVLからの封入された生
物活性物質の放出速度を調節するための酸またはその他
の添加剤を加える。この混合物を乳化し、次に第2の不
混和性水性成分と混合して第2のエマルションを作る。
この第2のエマルションを超音波エネルギー、ノズルを
用いた噴霧等、またはそれらの組み合わせにより機械的
に混合して、第2の水性成分に懸濁された溶媒小球を形
成する。この溶媒小球は、そこに溶解された封入される
べき物質を含む多数の水性液滴を含んでいる(Kimら、B
iochem. Biophys. Acta, 728:339-348, 1983参照)。UL
V及びMLV製造の様々な方法を包括的に概観するために
は、Szokaら、Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9:465:508,
1980を参照されたい。
【0012】本明細書及び請求の範囲全体を通して用い
る用語「溶媒小球」は、内部に多数のより小さい水性溶
液の液滴を含んでいる非常に小さい有機溶媒の球形の液
滴を意味する。この溶媒小球は第2の水性溶液に懸濁さ
れ、完全に溶液内に浸漬されているものである。
【0013】用語「中性脂質」は、それ自体は膜形成能
を有しておらず、親水性「頭部」基を欠いている油また
は脂肪を意味する。
【0014】用語「両親媒性脂質」は、親水性「頭部」
基と疎水性「尾部」基を有し、膜形成能を有する分子を
意味する。
【0015】用語「双性イオン性脂質」は、pH 7.4にお
いて正味の電荷がゼロとなる両親媒性脂質を意味する。
【0016】用語「陰イオン性脂質」とは、pH 7.4にお
いて正味で負の電荷を有する両親媒性脂質を意味する。
【0017】用語「陽イオン性脂質」とは、pH 7.4にお
いて正味で正の電荷を有する両親媒性脂質を意味する。
【0018】多胞リポソームの形成のためには、少なく
とも1種の両親媒性脂質及びその脂質成分に含められる1
種の中性脂肪が必要である。この両親媒性脂質は双性イ
オン性脂質、陰イオン性脂質、陽イオン性脂質であり得
る。双性イオン性の両親媒性脂質の例としては、ホスフ
ァチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ス
フィンゴミエリン等が挙げられる。陰イオン性の両親媒
性脂質の例としては、ホスファチジルグリセロール、ホ
スファチジルセリン、ホルファチジルイノシトール、ホ
スファチジル酸等が挙げられる。陽イオン性の両親媒性
脂質の例としては、ジアシルトリメチルアンモニウムプ
ロパン及びエチルホスファチジルコリンが挙げられる。
中性脂肪の例としては、例えばジオレイン、ジパルミト
レイン、及び混合カプリリン−カプリンジグリセリドの
ようなジグリセリド;例えばトリオレイン、トリパルミ
トレイン、トリリノレイン、トリカプリリン、及びトリ
ラウリンのようなトリグリセリド;例えば大豆油のよう
な植物性油脂;例えば豚脂及び牛脂のような動物性脂
肪;スクアレン;トコフェロール;及びこれらの組み合
わせが挙げられる。さらに、多胞リポソームの製造にお
いては、コレステロールや植物ステロールも用いること
ができる。
【0019】本明細書で用いる「薬物または他の化合物
の封入のパーセント」は、リポソーム製造プロセスの最
終懸濁物中の封入されるべき化合物の量の、プロセスの
第1の水溶液に用いられる封入されるべき化合物の総量
に対する比に100を乗じたものを意味する。
【0020】化合物の封入のパーセント=(封入された
化合物の量)/(封入の前に導入された化合物の量)×
100
【0021】本明細書で用いる、ヘマトクリットに類似
したものとして定義される「リポクリット」は、リポソ
ームによって占められる体積の懸濁物の総体積に対する
比に100を乗じたものを意味する。
【0022】リポクリット(%)=(リポソームによっ
て占められる体積)/(リポソーム懸濁物の総体積)×
100 本明細書で用いる「遊離薬物のパーセント」は、最終リ
ポソーム懸濁物中のリポソームの外部にある薬物の量
の、最終懸濁物(最終製品)中の薬物の総量に対する比
に100を乗じたものを意味する。
【0023】遊離薬物のパーセント=(最終製品中のリ
ポソームの外部にある薬物の量)/(最終製品中の薬物
の量)×100 これらのパラメータを決定するための方法は、本出願の
実施例2に説明されている。
【0024】本明細書で用いる用語「治療上有効な量」
は、所望の薬理作用を誘導するために必要な生物活性物
質の量を意味する。この量は、特定の活性物質の有効
性、個々の患者の年齢、体重、及び反応、並びに患者の
症状の性質及び重篤度に応じて大幅に変化し得る。従っ
て活性物質の量の臨界的な上限または下限は存在しな
い。本発明において用いられる治療上有効な量は当業者
であれば容易に決定できる。
【0025】本発明の方法においては、炭素鎖に12以下
の炭素を有する短い鎖の両親媒性脂質を用いている所与
のリポソーム製剤の封入効率を、リポソーム製剤におい
て用いられる所与の脂質内の炭素鎖の長さを、一般に13
〜約28個程度の炭素数、好ましくは約18〜約22個の炭素
数の炭素鎖まで長くすることによって高めることができ
る。この一般的原則は、変化させる両親媒性脂質の炭素
鎖が飽和しているか否か、あるいはそれが1またはそれ
以上の二重結合を有しているか否かに関わらず有効であ
る。しかし一般には、多胞リポソームの製造において用
いられる脂質の選択においては、脂質が少なくとも1つ
の二重結合を炭素鎖内に有する場合には、炭素鎖に所与
の数の炭素を有する脂質を用いるのに沸点のより低い有
機溶媒を用いることができることを留意すべきである。
封入効率の高い多胞リポソームの製造において用いるた
めに好ましい両親媒性脂質はリン脂質であり、これはリ
ン脂質が体内に存在する天然の脂質であることによる。
【0026】本発明の実施において用いるのに好ましい
長鎖両親媒性脂質の代表的なもののリストは以下の通り
である。このリストは例示であり、あらゆる意味で本発
明の範囲を限定するものではない。本明細書においてリ
ン脂質を表すために用いる略号も併記する。 DOPCまたはDC18:1PC=1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3
-ホスホコリン DLPCまたはDC12:0PC=1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3
-ホスホコリン DMPCまたはDC14:0PC=1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ
-3-ホスホコリン DPPCまたはDC16:0PC=1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ
-3-ホスホコリン DSPCまたはDC18:0PC=1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ
-3-ホスホコリン DAPCまたはDC20:0PC=1,2-ジアラキドイル-sn-グリセロ
-3-ホスホコリン DBPCまたはDC22:0PC=1,2-ジベヘノイル-sn-グリセロ-3
-ホスホコリン DC16:1PC=1,2-ジパルミトレオイル-sn-グリセロ-3-ホ
スホコリン DC20:1PC=1,2-ジエイコセノイル-sn-グリセロ-3-ホス
ホコリン DC22:1PC=1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホコ
リン DPPG=1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリ
セロール DOPG=1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセ
ロール
【0027】本明細書で用いる用語「生物活性化合物」
は、例えば医学上の効果、農業上の効果、または化粧品
としての効果のような、生物における望ましくない既存
の状態の調整または治療において所望の効果を上げるよ
うに、生物学的プロセスを調節するための有用性を有す
るものとして当分野において知られている化学物質を意
味する。従って生物活性物質は一般に、薬物、医薬、放
射性同位体、農業製品、及び化粧品の広いカテゴリーか
ら選択される。
【0028】本発明の方法及び組成物において封入され
る治療用の生物活性化合物、すなわち薬物は、抗腫瘍
剤、抗感染剤、ホルモン、抗うつ剤、抗ウイルス剤、抗
侵害受容剤、抗不安薬、及び生物製剤からなる一般的な
群から選択され得る。
【0029】本発明の組成物及び方法において有用な抗
腫瘍剤の代表的な例としては、メトトレキセート、タキ
ソール、腫瘍壊死因子、クロラムブシル、インターロイ
キン、エトポシド、シタラビン、フルオロウラシル、ビ
ンブラスチン等が挙げられる。
【0030】本発明の組成物及び方法において有用な抗
感染剤の代表的な例としては、ペンタミジン、メトロニ
ダゾール、ペニシリン、セファレキシン、テトラサイク
リン、クロラムフェニコール等が挙げられる。
【0031】本発明の組成物及び方法において有用な抗
ウイルス剤の代表的な例としては、ジデオキシシチジ
ン、ジドブジン、アシクロビル、インターフェロン、ジ
デオキシイノシン、ガンシクロビル等が挙げられる。
【0032】本発明の組成物及び方法において有用な抗
不安薬及び鎮静剤の代表的な例としては、ジアゼパムの
ようなベンゾジアゼピン、フェノバルビタールのような
バルビツール酸塩、及びブスピロン及びハロペリドール
のようなその他の化合物が挙げられる。
【0033】本発明の組成物及び方法において有用なホ
ルモンの代表的な例としては、エストラジオール、プレ
ドニゾン、インスリン、成長ホルモン、エリスロポエチ
ン、プロスタグランジン等が挙げられる。
【0034】本発明の組成物及び方法において有用な抗
うつ剤の代表的な例としては、フルオキセチン、トラゾ
ドン、イミプラミン、ドクセピン等が挙げられる。
【0035】本発明の組成物及び方法において有用な抗
侵害受容剤の代表的な例としては、ヒドロモルフィン、
オキシコドン、フェンタニル、モルヒネ、メペリジン等
が挙げられる。
【0036】用語「生物製剤」は、核酸(DNA及びRN
A)、タンパク質、及びペプチドを包含し、また例えば
サイトカイン、ホルモン(下垂体ホルモンや下垂体性ホ
ルモン)、成長因子、ワクチン等のような化合物を含
む。特に重要なものは、インターロイキン2、インスリ
ン様成長因子1、インターフェロン、インスリン、ヘパ
リン、ロイプロリド、顆粒球コロニー刺激因子(GCS
F)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CS
F)、腫瘍壊死因子、インヒビン、腫瘍増殖因子α及び
β、ミュラー管阻害物質(Mullerian inhibitory subst
ance)、カルシトニン、及びB型肝炎ワクチンである。
【0037】本発明において、生物活性物質は、例えば
分子複合体や生物学的に許容される塩のような種々の形
態で用いることができる。そのような塩の代表的な例と
しては、コハク酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、
リン酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、
酒石酸塩、サリチル酸塩、金属塩(例えば、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属塩)、アンモニウム塩または
アミン塩(例えば4級アンモニウム塩)等が挙げられ
る。さらに、所望の保持及び放出特性を有するが生理的
pHまたは酵素によってin vivoで容易に加水分解される
エステル、アミド、及びエーテルのような活性物質の誘
導体も含まれ得る。
【0038】本発明の方法は、通常炭化水素鎖に12個未
満の炭素を有するリン脂質のような特定の種類の短い鎖
の脂質を、鎖における1またはそれ以上の追加の炭素を
有するもの、通常は13個〜約22個の炭素を有するものに
置換することによって実施される。例えば、12個の炭素
の脂質から13個の炭素の脂質に置き換えたり、あるいは
14個の炭素の脂質から16個の炭素の脂質に置き換えるこ
とよりリポソーム製剤の封入効率を高めることができ、
このときこの2つの脂質の化学構造はその他の点では実
質的に類似しており、リポソーム製剤の組成はその他の
点では変わらない。表2に示すように、12炭素飽和PC
を、14〜18炭素のより長い鎖の飽和PCに置き換えると、
シタラビンの封入効率は0.2%から56.9%まで単調に増加
した。同様に表2に示すように、16炭素の不飽和PCを、
アシル鎖の同じ位置(位置9)に同じ数の二重結合を有
する18炭素の不飽和PCで置き換えると、シタラビンの封
入効率は30.1%から44.6%に上昇し、18炭素の不飽和PC
を、アシル鎖において同じ数であるが異なる位置(位置
11)に二重結合を有する20炭素の不飽和PCで置き換える
と、44.6%から57.5%に上昇した。しかし、2つの脂質の
化学構造が他の点で実質的に異なっている場合、即ち脂
質の頭部基が異なる場合、立体化学が異なる場合(例え
ばシス型からトランス型へ、D型からL型への変化、すな
わち他の型の立体異性体への変換)、または2種の不飽
和脂質内の二重結合の数が異なる場合には、封入化合物
のパーセントの上昇は、12炭素の飽和脂質を13炭素の不
飽和脂質に、あるいは12炭素のリン脂質を13炭素のリン
脂質に置き換えることにより必ずしも得られるわけでは
ない。
【0039】リポソーム製剤の封入効率を高める方法
は、生物活性物質をMVLに封入するための技術に適用す
ることが好ましい。一般にリポソーム製剤の封入効率は
少なくとも30%高めることができ、MVLでは、活性物質の
封入のパーセントは、製剤に使用される脂質及び生物活
性物質の化学的特性に応じて、65%程度、あるいは85%程
度までも高められる。例えば多胞リポソーム製剤へのロ
イプロリドの封入効率は、リポソーム製造において使用
される飽和リン脂質の炭素数を12から20へ増加させるこ
とによって5倍高めることができるが、このとき粒径は1
0.9μmから15.1μmまで増加するに過ぎないことが見出
された。本発明のリポソームの直径は、一般に50μm未
満、好ましくは25μm未満である。製剤のリポクリット
に生ずる変化は、リポソーム懸濁物の同様な薬物濃度に
ついては、35.8%から40.1%までのものに過ぎない。さら
に、最終リポソーム懸濁物における所与の薬物濃度につ
いて、MLV製剤はMVL製剤より有意に高いリポクリットを
有する。例えば、DSPCを用いたシタラビンのMLV製剤
は、3.5 mg/mLの薬物濃度について24.6のリポクリット
を有するが、DSPCを用いたMVL製剤は26.8のリポクリッ
トを有し、このときの薬物濃度は10.2 mg/mLであり、こ
れは3倍高い薬物濃度である。
【0040】この知見は多胞リポソームに特有なもので
はない。以下の実施例8に例示するように、その製造で
用いられる少なくとも1種の脂質の鎖の炭素数を増加さ
せると、多重層リポソームでも封入効率の上昇が見られ
る。しかし、一般に多重層リポソームでは上昇の程度は
多胞リポソームほど大きくはなく、通常6〜50%の範囲で
ある。例えば、実施例8に示すように、多重層製剤で
は、リン脂質の炭素鎖の炭素数を14から18に増加させる
ことにより、封入効率が6.5%から44.2%まで上昇した。
【0041】リポソームの製造に用いられるリン脂質の
炭素数の増加に伴う封入効率の上昇は、不飽和リン脂質
を製剤に導入する場合にも得られる。一般に、MVLにお
いて不飽和リン脂質の鎖の炭素数を増加させると、封入
効率は30〜80%の範囲で上昇するが、それに伴う粒径の
増加は比較的小さい。例えば、ロイプロリドを1つの二
重結合を有する不飽和リン脂質を含む多胞リポソームに
封入する場合、リン脂質の炭素鎖の炭素数が18から22に
増加すると、封入効率は55.4%から83.3%に上昇し、平均
粒径は9.7から14.3μmに増加する。
【0042】原則として、封入効率を高めるために使用
され得る脂質炭素鎖の長さに上限はないが、但しプロセ
ス条件での脂質の相転移温度が上限を与える。本発明の
方法で使用されるMVLの製造では、考慮すべき3つの温
度、即ち溶媒の沸点、脂質のゲル−液晶相転移温度、及
びプロセス温度が存在する。これらの中で溶媒の沸点が
最も高い温度で、脂質の相転移温度が最も低い温度であ
り、プロセス温度をその中間とすべきである。従って、
水性溶媒の場合、脂質の鎖の長さは、標準状態で100℃
未満のゲル−液晶相転移温度を有するように選択するべ
きである。さらに、封入効率を最大限に高めるために
は、飽和脂質を多胞リポソームの製剤に使用する場合に
は、溶媒小球の製造において使用される脂質のゲル−液
晶転移温度より高い温度で乳化を行うことが通常必要で
ある。
【0043】本明細書で用いる、リポソーム製剤の「貯
蔵寿命(shelf life)」は、例えば生理食塩水(0.9%塩化
ナトリウム)のような貯蔵用溶液中における、例えば4
℃の貯蔵温度でのリポソーム製剤からの封入された物質
の放出速度と関係を有する。ここで開示するように、例
えば13〜28個の炭素を含む長鎖の両親媒性脂質を組み込
むことによってその封入効率を高めている多胞リポソー
ム製剤の貯蔵寿命も炭素鎖の炭素数の増加に比例して有
意に長くなる。
【0044】従って本発明は、一つの態様において、13
〜28個、好ましくは13〜22個の炭素を含む炭素鎖を有す
る少なくとも1種の両親媒性脂質を含む多胞リポソーム
製剤に封入された、薬理学的に活性な量の生物活性化合
物を含むリポソーム組成物を提供する。このような多胞
リポソームは本明細書に説明する方法によって製造する
ことができ、他の既存の種類のリポソームより高い効率
で生物活性化合物を封入する能力を本来的に有する。こ
の効率は製剤の製造において用いられる両親媒性脂質の
炭素鎖における炭素数に正比例して上昇する。好ましく
は、多胞リポソームの長鎖両親媒性脂質の少なくとも1
種はリン脂質であり、最も好ましくはホスホコリンであ
る。
【0045】本発明の組成物及び方法は、特に製薬工業
に対していくつかの利点をもたらす。すなわち、封入効
率を改善することによって収率が改善され、コストが節
約されることになる。
【0046】高い化合物の封入を達成する本発明の方法
により、任意の所与の薬物についての薬物:脂質比率が
他の封入方法によって達成され得るものより高いことを
特徴とするリポソーム製剤の製造が一般に可能となる。
薬物-脂質比率が高いことは薬物や他の治療用化合物のi
n vivo投与のためのリポソーム系にとって実用上重要な
ことであり、これは体内への注射のために製造されたリ
ポソーム製剤は一般に注射可能と考えられる約60%未満
のリポクリットを有し、しかも好ましくは注射を反復す
ることを避けるために治療上有効な量の封入薬物を単回
投与量に含んでいなければならないからである。従っ
て、高い薬物封入効率と高い薬物:脂質比率とを併せ有
する製剤は、注射によって患者に投与するためにリポソ
ーム製剤に薬物封入される治療的処置のために特に好ま
しく、本発明の方法を用いることにより得られる。
【0047】本発明を実施できる方法を以下の実施例に
おいて説明する。しかし、これらの実施例は例示を目的
としており、実施例における特定の材料や条件に本発明
を限定しようとするものではない。
【0048】
【実施例】実施例1 多胞リポソーム製剤の製造 多胞リポソーム製造の第1のステップは、「油中水型(wa
ter-in-oil)」エマルションの製造であった。この第1の
エマルションは、クロロホルム中の13.20 mMの炭素数12
〜22個の範囲の炭素鎖(飽和、不飽和いずれか)を有す
る試験用ホスファチジルコリン(PC)(Avanti Polar Lip
ids Inc., Alabaster, AL)と、19.88mMのコレステロー
ル(Spectrum Chemical Manufacturing Corporation, G
ardena, CA)と、2.79 mMの1,2-ジパルミトイル-sn-グ
リセロ-3-ホスホグリセロール(DPPG)と、2.44 mMのト
リオレイン(Avanti Polar Lipids)とから形成された
溶液の4〜5 mLを含む試験用脂質成分から製造した。こ
の脂質成分を、4〜5 mLの水性薬物溶液と混合して、以
下の薬物、シタラビン、ロイプロリド、またはモルヒネ
の1種を含む第1の水性溶液を製造した。
【0049】この第1の混合ステップでは、TK model K
Autohomogenizerを使用して9,000 rpmの速度で8分間混
合物を乳化した。得られた第1のエマルションに、4重量
%のグルコース(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)
及び40 mMのリシン(DegussaCorp., Marceau, France)
を含む溶液を20 mL添加した。第2の混合ステップでは、
model K Autohomogenizerを使用して4,000 rpmの速度で
60秒間、混合物を再び乳化した。得られた第2のエマル
ションである「水中油中水型(water-in-oil-in-wate
r)」二重エマルションを、4重量%のグルコースと40 mM
のリシンの溶液30 mLの入った1 Lのエルレンマイヤーフ
ラスコに静かにまぜながら(swirling)移した。静かに振
盪しながらこのエマルションに37℃で20分間窒素ガスを
通し、クロロホルムを蒸発させた。得られた多胞リポソ
ームを、50 mLの生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム)(M
cGaw Inc., Irvine, CA)で、あるいは特定のモルヒネ
製剤中のモルヒネ結晶を除去する必要がある場合には酸
性化食塩水で2回洗浄した。洗浄したリポソームをベン
チトップ遠心機で600×gで遠心分離し、上清をデカント
して2〜8 mLの「最終懸濁物」を得た。試験用PCの主相
転移温度が室温に近いかそれより高い場合は、通常は第
1及び第2の混合ステップにおいて高い温度を用いて多胞
リポソームを形成した。
【0050】実施例2 化合物の封入、リポクリット、遊離薬物のパーセント、
及び粒径分布の測定 上述の調製物のそれぞれを以下のように特性化した。0.
2 mLの懸濁物をエッペンドルフ遠心管内で600×gで3分
間遠心分離して上清を得た。シタラビン及びモルヒネ製
剤の場合は、50μLの上清を取り出して、3:1 v/vイソプ
ロピルアルコール:1N塩酸(Fisher Chemical, Fair La
wn, NJ)が2 mL入ったガラス管にピペットで移し、激し
く混合して透明な溶液を得た。U-2000分光光度計(Hita
chi Instruments Inc., Danbury, CT)で、シタラビン
の場合は280 nmの吸光度を、モルヒネの場合は285 nmの
吸光度を測定した。ロイプロリド製剤の場合は、50μL
の上清を取り出して、0.1 N水酸化アンモニウムを用い
てpH 10に滴定した1:1イソプロピルアルコール:水が2
mL入ったガラス管にピペットで移し、激しく混合して透
明な溶液を得た。次いで前記分光光度計で280 nmの吸光
度を測定した。リポソーム懸濁物に対しても、懸濁物が
より高濃度の薬物を含んでいた場合にはより大きい希釈
が必要であった点を除いて同様に吸光度測定を行った。
各薬物についての参照吸光度標準を、試験用溶解溶液に
試験用薬物を既知の濃度で溶解した溶液に基づいて作成
した。懸濁物及び上清中の薬物の濃度を、既知の方法を
用いて参照吸光度標準に基づいて計算した。
【0051】化合物の封入のパーセントは、封入された
薬物量の、封入前に導入された化合物の量に対する比に
100を乗じたものである。遊離薬物のパーセントは、リ
ポソーム懸濁物中のリポソームの外部にある薬物濃度
の、リポソーム懸濁物中の薬物の総量に対する比に(10
0-リポクリット)を乗じたものである。
【0052】リポクリットは、ヘマトクリット法で求め
た。約50μLの多胞リポソーム懸濁物を取り出して毛細
管に入れた。気泡が生じないようにしながら管の一端を
封止した。600×gで10分間遠心分離すると、懸濁物はペ
レット層と上清層とに分かれた。ペレットが占める管の
長さの、懸濁物が占める長さに対するパーセント比を求
めてリポクリットを計算した。
【0053】粒径分布及び平均粒径は、LA-500またはLA
-910 Particle Size Analyzer (Horiba Inc., Irvine,
CA)を用いてレーザー光回折法によって求めた。
【0054】下記の表1のデータに示すように、3回の測
定を行ったときの相対的標準偏差は、化合物の封入量に
ついては3%未満、全薬物濃度、遊離薬物のパーセント、
リポクリット、及び平均粒径については10%未満であっ
た。
【0055】
【表1】
【0056】実施例3 多胞リポソーム中のシタラビンについての、化合物の封
入のパーセントのPC鎖長に対する依存性 上述のようにシタラビンを多胞リポソームに封入した
が、但し第1の水溶液として136 mM塩酸中の20 mg/mlの
シタラビンを用いた。5 mLの第1の水溶液を5 mLの試験
用脂質配合溶液と混合して第1のエマルションを生成し
た。鎖長が12〜20個の炭素からなる長さの異なるリン脂
質を含む7種の試験用脂質配合溶液を製造した。それぞ
れ以下のリン脂質、DC12:0PC、DC14:0PC、DC16:0PC、DC
18:0PC、DC16:1PC、DC18:1PC、またはDC20:1PC(Avanti
Polar Lipids, Inc. Alabaster, AL)の1種を含むもの
とした。飽和リン脂質のDC14:0PC、DC16:0PC、及びDC1
8:0PCの場合は、それぞれ45℃、55℃、及び60℃で乳化
させた。不飽和リン脂質のDC16:1PC、DC18:1PC、及びDC
20:1PCの場合は、周囲温度(〜23℃)で乳化させた。各
製剤について化合物の封入のパーセントを求めた。結果
を下記表2にまとめた。
【0057】
【表2】 表2のデータから、飽和リン脂質及び不飽和リン脂質の
何れの場合も、リン脂質の炭素鎖長が長くなるにつれて
シタラビンの封入効率が上昇することが分かる。一方、
リポクリットや粒径の脂質の鎖長への明らかな依存性は
見られなかった。
【0058】実施例4 その他の脂質についての化合物の封入のパーセントの依
存性の共通性 化合物の封入における増加の傾向がリポソーム製剤中の
PC以外の脂質中の鎖長すなわち炭素数に依存するかどう
かを調べるため、実施例3のシタラビン製剤のDPPGを、
異なる炭素鎖長及び飽和状態を有するDOPGに置換した。
3種の異なる脂質の組合せの溶液を製造し、それぞれDOP
Gと、以下のリン脂質、DC16:1PC、DC18:1PC及びDC20:1P
Cのいずれか1種とを含むものとした。これらのリン脂質
は不飽和であるため、乳化は周囲温度(およそ23℃)で行
った。これらの実験の結果を下記表3に示す。
【0059】
【表3】 表3にまとめた結果は、DPPGをDOPGに置換しても、リポ
ソーム中の鎖長の増加にともなう封入効率の増加の傾向
は変化しないことを示している。この関係は飽和及び不
飽和のリン脂質の両者についてあてはまる。DOPG及び1
個の二重結合と16炭素鎖を有する不飽和リン脂質DC16:1
PCを使用して製造されたリポソームは36.8%の封入効率
でシタラビンを封入し、DOPG及び1個の二重結合と20炭
素鎖を有するリン脂質DC20:1PCの組合せは53.2%の化合
物の封入率でシタラビンを封入した。
【0060】実施例5 シタラビンを封入する多重層リポソーム(MLV)の製造 60〜65℃に予め温めた20 mg/mLシタラビン(Upjohn Co.,
Kalamazoo, MI)溶液を、14〜18の炭素の範囲の鎖長を
有する試験用ホスファチジルコリン(PC)のシリーズ(DC
n:0PC, n=14〜18)のいずれか1種を含む試験管に加えて1
00 mM脂質分散物を製造することにより、多重層リポソ
ーム(MLV)を製造した。10分間のインターバルで計5回、
攪拌機(Baxter S/P Bortex Mixer)を用いて最大速度で
分散物を試験管内で30秒間攪拌した。その後分散物を試
験用PCの相転移温度をまたぐ冷却-加熱サイクルに3回か
け、リポソームの二重層膜両側の薬物平衡を促進した。
そしてMLVを600×gの遠心分離によりペレット化し、生
理食塩水で洗浄した(容量比20:1)。ペレットの洗浄を適
当なものとするため、種々の洗浄温度で食塩水洗浄試験
を行った。洗浄温度を試験PCのゲル-液晶転移温度未満
に維持すると、2回のみの食塩水洗浄により比較的完全
な洗浄が得られることが判った。このため、試験用PCと
してDC14:0PCを使用して製造したMLVを4℃で洗浄し、DC
16:0PCまたはDC18:0PCを試験用PCとして使用して製造し
たものは周囲温度で洗浄した。洗浄後、ペレットを生理
食塩水に再懸濁した。
【0061】実施例6 モルヒネ 実施例1に記載したようにしてモルヒネを多胞リポソー
ムに封入し、上記実施例2に記載したように特性化し
た。但し、100 mM塩酸中の36 mg/mlの硫酸モルヒネ5水
和物(Mallinckrodt Chemical Inc., St. Louis, MO)を
第1の水溶液とした。第1の水溶液の5 mLを5 mLの脂質配
合溶液と混合して第1のエマルションを生成した。飽和
リン脂質、DC14:0PC及びDC18:0PCについては、それぞれ
45℃及び60℃の異なる2種の温度で乳化を行った。結果
を表4にまとめた。
【0062】
【表4】 表4のデータにより示されるように、化合物の封入は、
飽和及び不飽和リン脂質の両者についてPC鎖長が増加す
るに従って増加する。
【0063】実施例7 ロイプロリド 上記実施例1及び2に記載したようにしてロイプロリドを
多胞リポソームに封入し特性化した。但し以下の変更を
加えた。クロロホルム中の39.60 mMの種々の鎖長及び飽
和状態のホスファチジルコリン(PC)、59.64 mMのコレス
テロール、9.37mMのDPPG、及び7.32mMのトリオレインか
ら形成された試験脂質配合溶液の4 mLをそれぞれ、100
mMリン酸中の10 mg/mlの酢酸ロイプロリド(Bachem Bios
cienceInc., King of Prussia, PA)の4 mLと混合して第
1のエマルションを製造した。結果を表5にまとめた。
【0064】
【表5】 表5のデータにより示されるように、薬物封入効率は、
飽和及び不飽和リン脂質の両者についてPC鎖長が増加す
るに従って増加する。
【0065】実施例8 多重層リポソーム中へのシタラビンの封入の鎖長に対す
る依存性 化合物の封入のパーセントと脂質鎖長との関係が多胞リ
ポソーム以外のリポソームに適用されるかどうかを調べ
るため、14、16、及び18個の炭素の飽和炭素鎖を有する
リン脂質、DC14:0PC、DC16:0PCまたはDC18:0PCをそれぞ
れ使用して製造した3種の異なる多重層リポソーム中に
シタラビンを封入した。結果を下記表6にまとめた。こ
れらの結果から、多胞リポソームの場合と同様に、多重
層リポソームの薬物封入効率は、脂質の炭素鎖長ととも
に増加することが判る。
【0066】
【表6】
【0067】実施例9 シタラビンを含む多胞リポソームにおける貯蔵寿命の鎖
長及び鎖飽和状態に対する依存性 多胞リポソーム製剤の貯蔵寿命に対する脂質鎖長の影響
を調べるため、シタラビンとDC14:0PC、DC16:0PC及びDC
18:1PCとを含む多胞リポソームの製剤について一連のリ
アルタイム安定性試験を行った。製剤は実施例1に記載
したようにして製造し、実施例2に記載したようにして
特性化した。上記安定性試験の結果を図1〜3にまとめ
た。この実験においては、14あるいは16炭素の炭素鎖長
を有する飽和PCを含む製剤の貯蔵寿命安定性が18炭素の
炭素鎖長を有する不飽和PCを含む製剤のものよりも高か
った。
【0068】これまでの本発明の説明は実例と説明のた
めの例示的なものである。本発明の概念及び範囲を逸脱
することなく種々の改変を行い得ることが理解されるべ
きである。従って以下の請求の範囲はそのような改変の
全てを包含するものと解されることを意図するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、DC18:1PCで製造した多胞リポソームの4
℃における薬物放出プロフィールを示すグラフである。
封入された薬物はシタラビンである。
【図2】図2は、DC14:0PCで製造した多胞リポソームの4
℃における薬物放出プロフィールを示すグラフである。
封入された薬物はシタラビンである。
【図3】図3は、DC16:0PCで製造した多胞リポソームの4
℃における薬物放出プロフィールを示すグラフである。
封入された薬物はシタラビンである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サンカラム,マントリプラガダ,ブヒマ アメリカ合衆国 92130 カリフォルニア 州,サンディエゴ,サンディー クレスト コート 12655 Fターム(参考) 4C076 AA19 AA94 BB11 CC01 CC27 CC30 CC31 CC33 CC35 DD34 DD63F DD70F FF31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、中性脂質、直線的な形態で結合した
    約13〜約28の炭素原子を有する炭素鎖を含む両親媒性脂
    質、及び生物活性化合物を含む多胞リポソーム。
  2. 【請求項2】 生物活性化合物の封入のパーセントが約
    7.5〜約85%の範囲の量である請求項1に記載の多胞リポ
    ソーム。
  3. 【請求項3】 25μm未満の平均直径を有する請求項2
    に記載の多胞リポソーム。
  4. 【請求項4】 炭素鎖が18〜22個の炭素を含む請求項1
    に記載の多胞リポソーム。
  5. 【請求項5】 両親媒性脂質がリン脂質である請求項1
    に記載の多胞リポソーム。
  6. 【請求項6】 両親媒性脂質がホスホコリンである請求
    項1に記載の多胞リポソーム。
  7. 【請求項7】 両親媒性脂質が飽和している請求項6に
    記載の多胞リポソーム。
  8. 【請求項8】 両親媒性脂質が不飽和である請求項6に
    記載の多胞リポソーム。
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