JP2001505549A - 封入された化合物のパーセントを増加させるリポソームの製造方法 - Google Patents

封入された化合物のパーセントを増加させるリポソームの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 リポソームの製造の間に約13〜約28の炭素を含む炭素鎖を有する脂質を使用することにより薬剤のリポソーム製剤中への封入効率が高められる。好ましくはリポソームは多胞リポソームである。

Description

【発明の詳細な説明】 封入された化合物のパーセントを増加させるリポソームの製造方法 発明の背景 本発明は、例えば薬物のような化合物のリポソーム製剤に関するものである。 特に本発明は、リポソーム製剤への所望の化合物の封入量を増加させる方法及び そのような製剤の製造方法に関するものである。 リン脂質及びその他の多くの両親媒性脂質を水性媒質に静かに分散させると、 それは膨張し水和して、脂質二重層の間に水性媒質の層を有する多重層同心二重 層小胞を自然に形成する。これらの系は一般に多重層リポソーム(multilamelle r liposome)あるいは多重層小胞(multilameller vesicle,MLV)と呼ばれ、通 常0.2〜5μmの直径を有する。MLVを超音波処理すると、小さな単層小胞(smallu nilameller vesicle,SUV)が形成され、これは直径が通常20〜100nmの範囲にあ り、コアに水溶液を含んでいる。多胞リポソーム(multivesicular liposome,M VL)は、リポソーム内部にランダムに非同心に配置された小室が存在する点で多 重層リポソームとは異なるものである。両親媒性脂質は水中に分散されると、脂 質の水に対するモル比に応じてリポソーム以外の種々の構造を形成し得るが、比 が小さいときにはリポソームが好ましい構造である。 リポソームの物理的特性は、一般にpH及びイオン強度によって決まる。リポソ ームは、イオン性物質及び極性物質に対する低い透過性を示すことを特徴とする が、一定の温度では、それらの製造において使用された脂質の物理的性質に応じ てゲル-液晶相(または主相)転移を起こし得、これによりその透過性は著しく 変化する。相転移は、ゲル状態として知られている密に充填された規則的な構造 から、液晶状態として知られている粗く充填された規則性のより小さい構造への 変化を伴う。 鎖長、飽和状態、及び頭部基が異なる様々な種類の脂質が、上述の単層リポソ ーム、多重層リポソーム、及び多胞リポソームを含むリポソーム薬物製剤におい て長年にわたって用いられてきた。この分野の主な目標の一つは、薬物及びその 他の目的の化合物の持続的放出のためのリポソーム製剤、及び封入化合物の放出 速度を制御できるリポソーム製剤を開発することである。 これらの目標は重要であり、その達成に向けて様々な研究がなされてきた。認 識度はより低いが、別の目標として、デリバリー用物質として用いられるリポソ ーム製剤からの製品の収率を高めることは、特に医薬品工業において、同様に実 用面で極めて有益である。例えば、リポソーム製剤に封入された薬物のパーセン トを増加させることにより、収率が高められ実質的なコスト節約につながる。リ ポソーム薬物製剤の場合には、所与の脂質:薬物比率について封入された薬物の パーセントを最大限に高めて、所望の投与量を達成するために患者に高粘度の製 剤を注射したり、大容量の注射をする必要をなくすことも望ましいことである。 何らかの方法により、封入された化合物のパーセンテージは高いが薬物:脂質比 率の低い製品が生じる場合は、特定の薬物投与量を達成するために製剤が高いリ ポクリット(ヘマトクリットに類似する)を有するか、あるいは注射によって治 療上有効な量の生物活性物質を与えることが一般に必要である。リポクリットは 、ヘマトクリットに類似し、リポソーム懸濁物の総体積に対するリポソームが占 める体積の割合のパーセントである尺度である。しかしこのような製剤はその高 い粘性のために注射によって投与することが困難である。 従って、薬物の封入効率を最大限に高めて低い脂質:薬物比を達成するリポソ ーム製剤を得るための別のよりよい方法に対する要請が存在する。発明の概要 リポソームの脂質成分の少なくとも1種の脂質の炭素鎖の炭素数を増加させる ことを含み、その2種の脂質の化学構造はその他の点では実質的に同様なものと する、リポソーム製剤に封入される薬物のような化合物のパーセントを増加させ る方法を提供する。多胞リポソームにおける少なくとも1種の脂質の炭素鎖の長 さは、好ましくは炭素数で約13〜約28の範囲の整数、最も好ましくは約13〜22の 範囲の整数まで長くされる。炭素鎖長を増加させる脂質で好ましいものはリン脂 質である。図面の簡単な説明 図1は、DC18:1PCで製造した多胞リポソームの4℃における薬物放出プロフィー ルを示すグラフである。封入された薬物はシタラビンである。 図2は、DC14:OPCで製造した多胞リポソームの4℃における薬物放出プロフィー ルを示すグラフである。封入された薬物はシタラビンである。 図3は、DC16:OPCで製造した多胞リポソームの4℃における薬物放出プロフィー ルを示すグラフである。封入された薬物はシタラビンである。好ましい態様の詳細な説明 本発明は、化合物がリポソーム製剤に封入される効率を高めるための方法を提 供する。驚くべきことに、リポソーム製剤の製造で用いられる両親媒性脂質の少 なくとも1種の炭素鎖の炭素数を増加させることによって、リポソーム製剤にお ける活性物質の封入効率が著しく高められることが見出された。本発明は、所与 の薬物投与量について製剤のリポクリットを実質的に高めることなく、薬理学的 に活性な量の生物活性化合物をリポソームに封入する効率を高めるために医薬品 工業の分野において特に有用なものである。本発明の方法は、任意の種類のリポ ソームの封入効率を高めるのに有用であるが、好ましい態様においては、多胞リ ポソーム製剤の製造の際に封入効率を高める方法が提供される。 少なくとも3つの種類のリポソームが存在する。本明細書及び請求の範囲全体 を通して使用される用語「多胞リポソーム(MVL)」は、多数の非同心の水性小 室を内包する脂質膜を含む人工の非常に小さな脂質小胞を意味する。これに対し て「多重膜リポソームまたは小胞(MLV)」は、「たまねぎの皮状の」同心多重 層を有し、その間に貝殻状の同心水性区画を有するものである。多重層リポソー ム及び多胞リポソームは、その特徴としてマイクロメートル範囲の平均直径、通 常0.5〜25μmの平均直径を有する。本明細書で用いられ用語「単層リポソームま たは小胞(ULV)」は、一つの水性小室を有し、平均直径が通常約20〜500nmのリ ポソーム構造を意味する。 多重層リポソーム及び単層リポソームは、いくつかの比較的簡単な方法によっ て製造することができる。従来技術にはULV及びMLVを製造するための技術が多数 記載されている(例えば、Lenkに付与された米国特許第4,522,803号、Baldeschw eilerに付与された米国特許第4,310,506号、Papahadjopoulosに付与された米国 特許第4,235,871号、Schneiderに付与された米国特許第4,224,179号、Papahadjo poulosに付与された米国特許第4,078,052号、Taylorに付与された米国特許第4,3 94,372号、Marchettiに付与された米国特許第4,308,166号、Mezeiに付与された 米国特許第4,485,054号、及びRedziniakに付与された米国特許第4,508,703号等 )。 これに対して、多胞リポソームの製造にはいくつかのプロセスステップが必要 である。簡単に述べると、MVLを製造するための好ましい方法は以下の通りであ る。第1のステップは、少なくとも1種の両親媒性脂質及び少なくとも1種の中性 脂質を脂質成分のための1種またはそれ以上の揮発性有機溶媒に溶解することに より「油中水」エマルションを作り、この脂質成分に不混和性の第1の水性成分 及び封入される生物活性物質を加えることであり、所望に応じて脂質成分と第1 の水性成分の両方またはいずれか一方に、MVLからの封入された生物活性物質の 放出速度を調節するための酸またはその他の添加剤を加える。この混合物を乳化 し、次に第2の不混和性水性成分と混合して第2のエマルションを作る。この第2 のエマルションを超音波エネルギー、ノズルを用いた噴霧等、またはそれらの組 み合わせにより機械的に混合して、第2の水性成分に懸濁された溶媒小球を形成 する。この溶媒小球は、そこに溶解された封入されるべき物質を含む多数の水性 液滴を含んでいる(Kimら、Biochem.Biophys.Acta,728:339-348,1983参照) 。ULV及びMLV製造の様々な方法を包括的に概観するためには、Szokaら、Ann.Re v.Biophys.Bioeng.9:465:508,1980を参照されたい。 本明細書及び請求の範囲全体を通して用いる用語「溶媒小球」は、内部に多数 のより小さい水性溶液の液滴を含んでいる非常に小さい有機溶媒の球形の液滴を 意味する。この溶媒小球は第2の水性溶液に懸濁され、完全に溶液内に浸漬され ているものである。 用語「中性脂質」は、それ自体は膜形成能を有しておらず、親水性「頭部」基 を欠いている油または脂肪を意味する。 用語「両親媒性脂質」は、親水性「頭部」基と疎水性「尾部」基を有し、膜形 成能を有する分子を意味する。 用語「双性イオン性脂質」は、pH7.4において正味の電荷がゼロとなる両親媒 性脂質を意味する。 用語「陰イオン性脂質」とは、pH7.4において正味で負の電荷を有する両親媒 性脂質を意味する。 用語「陽イオン性脂質」とは、pH7.4において正味で正の電荷を有する両親媒 性脂質を意味する。 多胞リポソームの形成のためには、少なくとも1種の両親媒性脂質及びその脂 質成分に含められる1種の中性脂肪が必要である。この両親媒性脂質は双性イオ ン性脂質、陰イオン性脂質、陽イオン性脂質であり得る。双性イオン性の両親媒 性脂質の例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン 、スフィンゴミエリン等が挙げられる。陰イオン性の両親媒性脂質の例としては 、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホルファチジルイノシ トール、ホスファチジル酸等が挙げられる。陽イオン性の両親媒性脂質の例とし ては、ジアシルトリメチルアンモニウムプロパン及びエチルホスファチジルコリ ンが挙げられる。中性脂肪の例としては、例えばジオレイン、ジパルミトレイン 、及び混合カプリリン−カプリンジグリセリドのようなジグリセリド;例えばト リオレイン、トリパルミトレイン、トリリノレイン、トリカプリリン、及びトリ ラウリンのようなトリグリセリド;例えば大豆油のような植物性油脂;例えば豚 脂及び牛脂のような動物性脂肪;スクアレン;トコフェロール;及びこれらの組 み合わせが挙げられる。さらに、多胞リポソームの製造においては、コレステロ ールや植物ステロールも用いることができる。 本明細書で用いる「薬物または他の化合物の封入のパーセント」は、リポソー ム製造プロセスの最終懸濁物中の封入されるべき化合物の量の、プロセスの第1 の水溶液に用いられる封入されるべき化合物の総量に対する比に100を乗じたも のを意味する。 化合物の封入のパーセント =(封入された化合物の量)/(封入の前に導入された化合物の量)×100 本明細書で用いる、ヘマトクリットに類似したものとして定義される「リポク リット」は、リポソームによって占められる体積の懸濁物の総体積に対する比に 100を乗じたものを意味する。 リポクリット(%) =(リポソームによって占められる体積)/(リポソーム懸濁物の総体積)×10 0 本明細書で用いる「遊離薬物のパーセント」は、最終リポソーム懸濁物中のリ ポソームの外部にある薬物の量の、最終懸濁物(最終製品)中の薬物の総量に対 する比に100を乗じたものを意味する。 遊離薬物のパーセント =(最終製品中のリポソームの外部にある薬物の量)/(最終製品中の薬物の量 )×100 これらのパラメータを決定するための方法は、本出願の実施例2に説明されて いる。 本明細書で用いる用語「治療上有効な量」は、所望の薬理作用を誘導するため に必要な生物活性物質の量を意味する。この量は、特定の活性物質の有効性、個 々の患者の年齢、体重、及び反応、並びに患者の症状の性質及び重篤度に応じて 大幅に変化し得る。従って活性物質の量の臨界的な上限または下限は存在しない 。本発明において用いられる治療上有効な量は当業者であれば容易に決定できる 。 本発明の方法においては、炭素鎖に12以下の炭素を有する短い鎖の両親媒性脂 質を用いている所与のリポソーム製剤の封入効率を、リポソーム製剤において用 いられる所与の脂質内の炭素鎖の長さを、一般に13〜約28個程度の炭素数、好ま しくは約18〜約22個の炭素数の炭素鎖まで長くすることによって高めることがで きる。この一般的原則は、変化させる両親媒性脂質の炭素鎖が飽和しているか否 か、あるいはそれが1またはそれ以上の二重結合を有しているか否かに関わらず 有効である。しかし一般には、多胞リポソームの製造において用いられる脂質の 選択においては、脂質が少なくとも1つの二重結合を炭素鎖内に有する場合には 、炭素鎖に所与の数の炭素を有する脂質を用いるのに沸点のより低い有機溶媒を 用いることができることを留意すべきである。封入効率の高い多胞リポソームの 製造において用いるために好ましい両親媒性脂質はリン脂質であり、これはリン 脂質が体内に存在する天然の脂質であることによる。 本発明の実施において用いるのに好ましい長鎖両親媒性脂質の代表的なものの リストは以下の通りである。このリストは例示であり、あらゆる意味で本発明の 範囲を限定するものではない。本明細書においてリン脂質を表すために用いる略 号も併記する。 DOPCまたはDC18:1PC=1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DLPCまたはDC12:OPC=1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DMPCまたはDC14:OPC=1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DPPCまたはDC16:OPC=1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DSPCまたはDC18:OPC=1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DAPCまたはDC20:OPC=1,2-ジアラキドイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DBPCまたはDC22:OPC=1,2-ジベヘノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DC16:1PC=1,2-ジパルミトレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DC20:1PC=1,2-ジエイコセノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DC22:1PC=1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン DPPG=1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール DOPG=1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール 本明細書で用いる用語「生物活性化合物」は、例えば医学上の効果、農業上の 効果、または化粧品としての効果のような、生物における望ましくない既存の状 態の調整または治療において所望の効果を上げるように、生物学的プロセスを調 節するための有用性を有するものとして当分野において知られている化学物質を 意味する。従って生物活性物質は一般に、薬物、医薬、放射性同位体、農業製品 、及び化粧品の広いカテゴリーから選択される。 本発明の方法及び組成物において封入される治療用の生物活性化合物、すなわ ち薬物は、抗腫瘍剤、抗感染剤、ホルモン、抗うつ剤、抗ウイルス剤、抗侵害受 容剤、抗不安薬、及び生物製剤からなる一般的な群から選択され得る。 本発明の組成物及び方法において有用な抗腫瘍剤の代表的な例としては、メト トレキセート、タキソール、腫瘍壊死因子、クロラムブシル、インターロイキン 、エトポシド、シタラビン、フルオロウラシル、ビンブラスチン等が挙げられる 。 本発明の組成物及び方法において有用な抗感染剤の代表的な例としては、ペン タミジン、メトロニダゾール、ペニシリン、セファレキシン、テトラサイクリン 、クロラムフェニコール等が挙げられる。 本発明の組成物及び方法において有用な抗ウイルス剤の代表的な例としては、 ジデオキシシチジン、ジドブジン、アシクロビル、インターフェロン、ジデオキ シイノシン、ガンシクロビル等が挙げられる。 本発明の組成物及び方法において有用な抗不安薬及び鎮静剤の代表的な例とし ては、ジアゼパムのようなベンゾジアゼピン、フェノバルビタールのようなバル ビツール酸塩、及びブスピロン及びハロペリドールのようなその他の化合物が挙 げられる。 本発明の組成物及び方法において有用なホルモンの代表的な例としては、エス トラジオール、プレドニゾン、インスリン、成長ホルモン、エリスロポエチン、 プロスタグランジン等が挙げられる。 本発明の組成物及び方法において有用な抗うつ剤の代表的な例としては、フル オキセチン、トラゾドン、イミプラミン、ドクセピン等が挙げられる。 本発明の組成物及び方法において有用な抗侵害受容剤の代表的な例としては、 ヒドロモルフィン、オキシコドン、フェンタニル、モルヒネ、メペリジン等が挙 げられる。 用語「生物製剤」は、核酸(DNA及びRNA)、タンパク質、及びペプチドを包含 し、また例えばサイトカイン、ホルモン(下垂体ホルモンや下垂体性ホルモン) 、成長因子、ワクチン等のような化合物を含む。特に重要なものは、インターロ イキン2、インスリン様成長因子1、インターフェロン、インスリン、ヘパリン、 ロ イプロリド、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球マクロファージコロニー 刺激因子(GM-CSF)、腫瘍壊死因子、インヒビン、腫瘍増殖因子α及びβ、ミュ ラー管阻害物質(Mullerian inhibitory substance)、カルシトニン、及びB型 肝炎ワクチンである。 本発明において、生物活性物質は、例えば分子複合体や生物学的に許容される 塩のような種々の形態で用いることができる。そのような塩の代表的な例として は、コハク酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩 、酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、サリチル酸塩、金属塩(例えば、アルカリ 金属またはアルカリ土類金属塩)、アンモニウム塩またはアミン塩(例えば4級 アンモニウム塩)等が挙げられる。さらに、所望の保持及び放出特性を有するが 生理的pHまたは酵素によってin vivoで容易に加水分解されるエステル、アミド 、及びエーテルのような活性物質の誘導体も含まれ得る。 本発明の方法は、通常炭化水素鎖に12個未満の炭素を有するリン脂質のような 特定の種類の短い鎖の脂質を、鎖における1またはそれ以上の追加の炭素を有す るもの、通常は13個〜約22個の炭素を有するものに置換することによって実施さ れる。例えば、12個の炭素の脂質から13個の炭素の脂質に置き換えたり、あるい は14個の炭素の脂質から16個の炭素の脂質に置き換えることよりリポソーム製剤 の封入効率を高めることができ、このときこの2つの脂質の化学構造はその他の 点では実質的に類似しており、リポソーム製剤の組成はその他の点では変わらな い。表2に示すように、12炭素飽和PCを、14〜18炭素のより長い鎖の飽和PCに置 き換えると、シタラビンの封入効率は0.2%から56.9%まで単調に増加した。同様 に表2に示すように、16炭素の不飽和PCを、アシル鎖の同じ位置(位置9)に同じ 数の二重結合を有する18炭素の不飽和PCで置き換えると、シタラビンの封入効率 は30.1%から44.6%に上昇し、18炭素の不飽和PCを、アシル鎖において同じ数であ るが異なる位置(位置11)に二重結合を有する20炭素の不飽和PCで置き換えると 、44.6%から57.5%に上昇した。しかし、2つの脂質の化学構造が他の点で実質的 に異なっている場合、即ち脂質の頭部基が異なる場合、立体化学が異なる場合( 例えばシス型からトランス型へ、D型からL型への変化、すなわち他の型の立体異 性 体への変換)、または2種の不飽和脂質内の二重結合の数が異なる場合には、封 入化合物のパーセントの上昇は、12炭素の飽和脂質を13炭素の不飽和脂質に、あ るいは12炭素のリン脂質を13炭素のリン脂質に置き換えることにより必ずしも得 られるわけではない。 リポソーム製剤の封入効率を高める方法は、生物活性物質をMVLに封入するた めの技術に適用することが好ましい。一般にリポソーム製剤の封入効率は少なく とも30%高めることができ、MVLでは、活性物質の封入のパーセントは、製剤に使 用される脂質及び生物活性物質の化学的特性に応じて、65%程度、あるいは85%程 度までも高められる。例えば多胞リポソーム製剤へのロイプロリドの封入効率は 、リポソーム製造において使用される飽和リン脂質の炭素数を12から20へ増加さ せることによって5倍高めることができるが、このとき粒径は10.9μmから15.1 μmまで増加するに過ぎないことが見出された。本発明のリポソームの直径は、 一般に50μm未満、好ましくは25μm未満である。製剤のリポクリットに生ずる変 化は、リポソーム懸濁物の同様な薬物濃度については、35.8%から40.1%までのも のに過ぎない。さらに、最終リポソーム懸濁物における所与の薬物濃度について 、MLV製剤はMVL製剤より有意に高いリポクリットを有する。例えば、DSPCを用い たシタラビンのMLV製剤は、3.5mg/mLの薬物濃度について24.6のリポクリットを 有するが、DSPCを用いたMVL製剤は26.8のリポクリットを有し、このときの薬物 濃度は10.2mg/mLであり、これは3倍高い薬物濃度である。 この知見は多胞リポソームに特有なものではない。以下の実施例8に例示する ように、その製造で用いられる少なくとも1種の脂質の鎖の炭素数を増加させる と、多重層リポソームでも封入効率の上昇が見られる。しかし、一般に多重層リ ポソームでは上昇の程度は多胞リポソームほど大きくはなく、通常6〜50%の範囲 である。例えば、実施例8に示すように、多重層製剤では、リン脂質の炭素鎖の 炭素数を14から18に増加させることにより、封入効率が6.5%から44.2%まで上昇 した。 リポソームの製造に用いられるリン脂質の炭素数の増加に伴う封入効率の上昇 は、不飽和リン脂質を製剤に導入する場合にも得られる。一般に、MVLにおいて 不飽和リン脂質の鎖の炭素数を増加させると、封入効率は30〜80%の範囲で上昇 するが、それに伴う粒径の増加は比較的小さい。例えば、ロイプロリドを1つの 二重結合を有する不飽和リン脂質を含む多胞リポソームに封入する場合、リン脂 質の炭素鎖の炭素数が18から22に増加すると、封入効率は55.4%から83.3%に上昇 し、平均粒径は9.7から14.3μmに増加する。 原則として、封入効率を高めるために使用され得る脂質炭素鎖の長さに上限は ないが、但しプロセス条件での脂質の相転移温度が上限を与える。本発明の方法 で使用されるMVLの製造では、考慮すべき3つの温度、即ち溶媒の沸点、脂質のゲ ル−液晶相転移温度、及びプロセス温度が存在する。これらの中で溶媒の沸点が 最も高い温度で、脂質の相転移温度が最も低い温度であり、プロセス温度をその 中間とすべきである。従って、水性溶媒の場合、脂質の鎖の長さは、標準状態で 100℃未満のゲル−液晶相転移温度を有するように選択するべきである。さらに 、封入効率を最大限に高めるためには、飽和脂質を多胞リポソームの製剤に使用 する場合には、溶媒小球の製造において使用される脂質のゲル−液晶転移温度よ り高い温度で乳化を行うことが通常必要である。 本明細書で用いる、リポソーム製剤の「貯蔵寿命(shelf life)」は、例えば生 理食塩水(0.9%塩化ナトリウム)のような貯蔵用溶液中における、例えば4℃の 貯蔵温度でのリポソーム製剤からの封入された物質の放出速度と関係を有する。 ここで開示するように、例えば13〜28個の炭素を含む長鎖の両親媒性脂質を組み 込むことによってその封入効率を高めている多胞リポソーム製剤の貯蔵寿命も炭 素鎖の炭素数の増加に比例して有意に長くなる。 従って本発明は、一つの態様において、13〜28個、好ましくは13〜22個の炭素 を含む炭素鎖を有する少なくとも1種の両親媒性脂質を含む多胞リポソーム製剤 に封入された、薬理学的に活性な量の生物活性化合物を含むリポソーム組成物を 提供する。このような多胞リポソームは本明細書に説明する方法によって製造す ることができ、他の既存の種類のリポソームより高い効率で生物活性化合物を封 入する能力を本来的に有する。この効率は製剤の製造において用いられる両親媒 性脂質の炭素鎖における炭素数に正比例して上昇する。好ましくは、多胞リポソ ームの長鎖両親媒性脂質の少なくとも1種はリン脂質であり、最も好ましくはホ スホコリンである。 本発明の組成物及び方法は、特に製薬工業に対していくつかの利点をもたらす 。すなわち、封入効率を改善することによって収率が改善され、コストが節約さ れることになる。 高い化合物の封入を達成する本発明の方法により、任意の所与の薬物について の 薬物:脂質比率が他の封入方法によって達成され得るものより高いことを特徴と するリポソーム製剤の製造が一般に可能となる。薬物-脂質比率が高いことは薬 物や他の治療用化合物のin vivo投与のためのリポソーム系にとって実用上重要 なことであり、これは体内への注射のために製造されたリポソーム製剤は一般に 注射可能と考えられる約60%未満のリポクリットを有し、しかも好ましくは注射 を反復することを避けるために治療上有効な量の封入薬物を単回投与量に含んで いなければならないからである。従って、高い薬物封入効率と高い薬物:脂質比 率とを併せ有する製剤は、注射によって患者に投与するためにリポソーム製剤に 薬物封入される治療的処置のために特に好ましく、本発明の方法を用いることに より得られる。 本発明を実施できる方法を以下の実施例において説明する。しかし、これらの 実施例は例示を目的としており、実施例における特定の材料や条件に本発明を限 定しようとするものではない。 実施例1 多胞リポソーム製剤の製造 多胞リポソーム製造の第1のステップは、「油中水型(water-in-oil)」エマル ションの製造であった。この第1のエマルションは、クロロホルム中の13.20mMの 炭素数12〜22個の範囲の炭素鎖(飽和、不飽和いずれか)を有する試験用ホスフ ァチジルコリン(PC)(Avanti Polar Lipids Inc.,Alabaster,AL)と、19.88mM のコレステロール(Spectrum Chemical Manufacturing Corporation,Gardena, CA)と、2.79mMの1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール(DPP G)と、2.44mMのトリオレイン(Avanti Polar Lipids)とから形成された溶液の 4〜5mLを含む試験用脂質成分から製造した。この脂質成分を、4〜5mLの水性薬物 溶液と混合して、以下の薬物、シタラビン、ロイプロリド、またはモルヒネの1 種を含む第1の水性溶液を製造した。 この第1の混合ステップでは、TK model K Autohomogenizerを使用して9,000rp mの速度で8分間混合物を乳化した。得られた第1のエマルションに、4重量%のグ ルコース(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)及び40mMのリシン(Degussa C orp., Marceau,France)を含む溶液を20mL添加した。第2の混合ステップでは、model K Autohomogenizerを使用して4,000rpmの速度で60秒間、混合物を再び乳化した 。得られた第2のエマルションである「水中油中水型(water-in-oil-in-water)」 二重エマルションを、4重量%のグルコースと40mMのリシンの溶液30mLの入った1L のエルレンマイヤーフラスコに静かにまぜながら(swirling)移した。静かに振盪 しながらこのエマルションに37℃で20分間窒素ガスを通し、クロロホルムを蒸発 させた。得られた多胞リポソームを、50mLの生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム) (McGaw Inc.,Irvine,CA)で、あるいは特定のモルヒネ製剤中のモルヒネ結晶 を除去する必要がある場合には酸性化食塩水で2回洗浄した。洗浄したリポソー ムをベンチトップ遠心機で600×gで遠心分離し、上清をデカントして2〜8mLの「 最終懸濁物」を得た。試験用PCの主相転移温度が室温に近いかそれより高い場合 は、通常は第1及び第2の混合ステップにおいて高い温度を用いて多胞リポソーム を形成した。 実施例2 化合物の封入、リポクリット、遊離薬物のパーセント、及び粒径分布の測定 上述の調製物のそれぞれを以下のように特性化した。0.2mLの懸濁物をエッペ ンドルフ遠心管内で600×gで3分間遠心分離して上清を得た。シタラビン及びモ ルヒネ製剤の場合は、50μLの上清を取り出して、3:1 v/vイソプロピルアルコー ル:1N塩酸(Fisher Chemical,Fair Lawn,NJ)が2mL入ったガラス管にピペッ トで移し、激しく混合して透明な溶液を得た。U-2000分光光度計(Hitachi Inst ruments Inc.,Danbury,CT)で、シタラビンの場合は280nmの吸光度を、モルヒ ネの場合は285nmの吸光度を測定した。ロイプロリド製剤の場合は、50μLの上清 を取り出して、0.1N水酸化アンモニウムを用いてpH10に滴定した1:1イソプロピ ルアルコール:水が2mL入ったガラス管にピペットで移し、激しく混合して透明 な溶液を得た。次いで前記分光光度計で280nmの吸光度を測定した。リポソーム 懸濁物に対しても、懸濁物がより高濃度の薬物を含んでいた場合にはより大きい 希釈が必要であった点を除いて同様に吸光度測定を行った。各薬物についての参 照吸光度標準を、試験用溶解溶液に試験用薬物を既知の濃度で溶解した溶液に基 づいて作成した。懸濁物及び 上清中の薬物の濃度を、既知の方法を用いて参照吸光度標準に基づいて計算した 。 化合物の封入のパーセントは、封入された薬物量の、封入前に導入された化合 物の量に対する比に100を乗じたものである。遊離薬物のパーセントは、リポソ ーム懸濁物中のリポソームの外部にある薬物濃度の、リポソーム懸濁物中の薬物 の総量に対する比に(100-リポクリット)を乗じたものである。 リポクリットは、ヘマトクリット法で求めた。約50μLの多胞リポソーム懸濁 物を取り出して毛細管に入れた。気泡が生じないようにしながら管の一端を封止 した。600×gで10分間遠心分離すると、懸濁物はペレット層と上清層とに分かれ た。ペレットが占める管の長さの、懸濁物が占める長さに対するパーセント比を 求めてリポクリットを計算した。 粒径分布及び平均粒径は、LA-500またはLA-910 Particle Size Analyzer(Hor iba Inc.,Irvine,CA)を用いてレーザー光回折法によって求めた。 下記の表1のデータに示すように、3回の測定を行ったときの相対的標準偏差は 、化合物の封入量については3%未満、全薬物濃度、遊離薬物のパーセント、リポ クリット、及び平均粒径については10%未満であった。表1 鎖長及び飽和状態の異なる多胞リポソームにおけるシタラビン封入 の再現性の測定 1[シタラビン]は、最終リポソーム懸濁物におけるシタラビンの濃度を表す。実施例3 多胞リポソーム中のシタラビンについての、化合物の封入のパーセントのPC鎖長 に対する依存性 上述のようにシタラビンを多胞リポソームに封入したが、但し第1の水溶液と して136mM塩酸中の20mg/mlのシタラビンを用いた。5mLの第1の水溶液を5mLの試 験用脂質配合溶液と混合して第1のエマルションを生成した。鎖長が12〜20個の 炭素からなる長さの異なるリン脂質を含む7種の試験用脂質配合溶液を製造した 。それぞれ以下のリン脂質、DC12:OPC、DC14:OPC、DC16:OPC、DC18:OPC、DC16:1 PC、DC18:1PC、またはDC20:1PC(Avanti Polar Lipids,Inc.Alabaster,AL) の1種を含むものとした。飽和リン脂質のDC14:OPC、DC16:OPC、及びDC18:OPCの 場合は、それぞれ45℃、55℃、及び60℃で乳化させた。不飽和リン脂質のDC16:1 PC、DC18:1PC、及びDC20:1PCの場合は、周囲温度(〜23℃)で乳化させた。各製 剤について化合物の封入のパーセントを求めた。結果を下記表2にまとめた。 表2 多胞リポソームへのシタラビン封入効率に対するリン脂質鎖長の影響 1[シタラビン]は、最終リポソーム懸濁物におけるシタラビンの濃度を表す。 表2のデータから、飽和リン脂質及び不飽和リン脂質の何れの場合も、リン脂 質の炭素鎖長が長くなるにつれてシタラビンの封入効率が上昇することが分かる 。一 方、リポクリットや粒径の脂質の鎖長への明らかな依存性は見られなかった。 実施例4 その他の脂質についての化合物の封入のパーセントの依存性の共通性 化合物の封入における増加の傾向がリポソーム製剤中のPC以外の脂質中の鎖長 すなわち炭素数に依存するかどうかを調べるため、実施例3のシタラビン製剤のD PPGを、異なる炭素鎖長及び飽和状態を有するDOPGに置換した。3種の異なる脂質 の組合せの溶液を製造し、それぞれDOPGと、以下のリン脂質、DC16:1PC、DC18:1 PC及びDC20:1PCのいずれか1種とを含むものとした。これらのリン脂質は不飽和 であるため、乳化は周囲温度(およそ23℃)で行った。これらの実験の結果を下記 表3に示す。 表3 多胞リポソームへのシタラビン封入の封入効率に対するリン脂質鎖長の変化の影 響 1[シタラビン]は、最終リポソーム懸濁物におけるシタラビンの濃度を表す。 表3にまとめた結果は、DPPGをDOPGに置換しても、リポソーム中の鎖長の増加 にともなう封入効率の増加の傾向は変化しないことを示している。この関係は飽 和及び不飽和のリン脂質の両者についてあてはまる。DOPG及び1個の二重結合と1 6炭素鎖を有する不飽和リン脂質DC16:1PCを使用して製造されたリポソームは36. 8%の封入効率でシタラビンを封入し、DOPG及び1個の二重結合と20炭素鎖を有す るリン脂質DC20:1PCの組合せは53.2%の化合物の封入率でシタラビンを封入した 。 実施例5 シタラビンを封人する多重層リポソーム(MLV)の製造 60〜65℃に予め温めた20mg/mLシタラビン(Upjohn Co.,Kalamazoo,MI)溶液を 、14〜18の炭素の範囲の鎖長を有する試験用ホスファチジルコリン(PC)のシリー ズ(DCn:OPC,n=14〜18)のいずれか1種を含む試験管に加えて100mM脂質分散物を 製造することにより、多重層リポソーム(MLV)を製造した。10分間のインターバ ルで計5回、攪拌機(Baxter S/P Bortex Mixer)を用いて最大速度で分散物を試験 管内で30秒間攪拌した。その後分散物を試験用PCの相転移温度をまたぐ冷却-加 熱サイクルに3回かけ、リポソームの二重層膜両側の薬物平衡を促進した。そし てMLVを600×gの遠心分離によりペレット化し、生理食塩水で洗浄した(容量比20 :1)。ペレットの洗浄を適当なものとするため、種々の洗浄温度で食塩水洗浄試 験を行った。洗浄温度を試験PCのゲル-液晶転移温度未満に維持すると、2回のみ の食塩水洗浄により比較的完全な洗浄が得られることが判った。このため、試験 用PCとしてDC14:OPCを使用して製造したMLVを4℃で洗浄し、DC16:OPCまたはDC18 :OPCを試験用PCとして使用して製造したものは周囲温度で洗浄した。洗浄後、ペ レットを生理食塩水に再懸濁した。 実施例6 モルヒネ 実施例1に記載したようにしてモルヒネを多胞リポソームに封入し、上記実施 例2に記載したように特性化した。但し、100mM塩酸中の36mg/mlの硫酸モルヒネ5 水和物(Mallinckrodt Chemical Inc.,St.Louis,MO)を第1の水溶液とした。第 1の水溶液の5mLを5mLの脂質配合溶液と混合して第1のエマルションを生成した。 飽和リン脂質、DC14:OPC及びDC18:OPCについては、それぞれ45℃及び60℃の異な る2種の温度で乳化を行った。結果を表4にまとめた。表4 多胞リポソームへのモルヒネの封入の封入効率に対するリン脂質鎖長の影響 1[モルヒネ]は、最終リポソーム懸濁物におけるモルヒネの濃度を表す。 表4のデータにより示されるように、化合物の封入は、飽和及び不飽和リン脂 質の両者についてPC鎖長が増加するに従って増加する。 実施例7 ロイプロリド 上記実施例1及び2に記載したようにしてロイプロリドを多胞リポソームに封入 し特性化した。但し以下の変更を加えた。クロロホルム中の39.60mMの種々の鎖 長及 び飽和状態のホスファチジルコリン(PC)、59.64mMのコレステロール、9.37mMのD PPG、及び7.32mMのトリオレインから形成された試験脂質配合溶液の4mLをそれぞ れ、100mMリン酸中の10mg/mlの酢酸ロイプロリド(Bachem Bioscience Inc.,Kin g of Prussia,PA)の4mLと混合して第1のエマルションを製造した。結果を表5に まとめた。 表5 多胞リポソームへのロイプロリド封入の効率に対するリン脂質鎖長の影響 1[ロイプロリド]は、最終リポソーム懸濁物におけるロイプロリドの濃度を表す 。 表5のデータにより示されるように、薬物封入効率は、飽和及び不飽和リン脂 質の両者についてPC鎖長が増加するに従って増加する。 実施例8 多重層リポソーム中へのシタラビンの封入の鎖長に対する依存性 化合物の封入のパーセントと脂質鎖長との関係が多胞リポソーム以外のリポソ ームに適用されるかどうかを調べるため、14、16、及び18個の炭素の飽和炭素鎖 を有するリン脂質、DC14:OPC、DC16:OPCまたはDC18:OPCをそれぞれ使用して製造 した3種の異なる多重層リポソーム中にシタラビンを封入した。結果を下記表6に まとめた。これらの結果から、多胞リポソームの場合と同様に、多重層リポソー ムの薬物封入効率は、脂質の炭素鎖長とともに増加することが判る。 表6 多重層リポソームへのシタラビン封入の効率に対する鎖長の影響 1[シタラビン]は、最終リポソーム懸濁物におけるシタラビンの濃度を表す。実施例9 シタラビンを含む多胞リポソームにおける貯蔵寿命の鎖長及び鎖飽和状態に対す る依存性 多胞リポソーム製剤の貯蔵寿命に対する脂質鎖長の影響を調べるため、シタラ ビンとDC14:OPC、DC16:OPC及びDC18:1PCとを含む多胞リポソームの製剤について 一連のリアルタイム安定性試験を行った。製剤は実施例1に記載したようにして 製造し、実施例2に記載したようにして特性化した。上記安定性試験の結果を図1 〜3にまとめた。この実験においては、14あるいは16炭素の炭素鎖長を有する飽 和PCを含む製剤の貯蔵寿命安定性が18炭素の炭素鎖長を有する不飽和PCを含む製 剤のものよりも高かった。 これまでの本発明の説明は実例と説明のための例示的なものである。本発明の 概念及び範囲を逸脱することなく種々の改変を行い得ることが理解されるべきで ある。従って以下の請求の範囲はそのような改変の全てを包含するものと解され ることを意図するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AU,BR ,CA,CN,CZ,EE,HU,IL,IS,JP, KR,LV,MX,NO,NZ,RU,SG,TR,U A

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.リポソーム中に封入される化合物のパーセントを増加させる方法であって、 リポソームの脂質成分中の第1の脂質を、実質的に同じ化学構造を有するが、 炭素鎖中の炭素数がより大きい第2の脂質に置換することを含み、第2の脂質中 の炭素数の増加により封入される化合物のパーセントが増加する前記方法。 2.リポソームが多重層である請求項1に記載の方法。 3.炭素数を12以下から13〜約28の範囲の数に増加させる請求項2に記載の方法 。 4.封入される化合物のパーセントが約7.5〜50パーセントの間の値に増加する 請求項3に記載の方法。 5.リポソームが多胞である請求項1に記載の方法。 6.脂質が両親媒性脂質であり、炭素数を12以下から13〜約22の範囲の数に増加 させる請求項5に記載の方法。 7.両親媒性脂質がリン脂質である請求項6に記載の方法。 8.両親媒性脂質が飽和リン脂質である請求項6に記載の方法。 9.両親媒性脂質がリン脂質である請求項1に記載の方法。 10.不飽和リン脂質が1つの二重結合を有する請求項9に記載の方法。 11.二重結合がcis-配置である請求項10に記載の方法。 12.不飽和リン脂質が2〜4の二重結合を有する請求項9に記載の方法。 13.封入される化合物のパーセントが約30〜85パーセントの間の値に増加す る請求項6に記載の方法。 14.リン脂質が、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジラウ ロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホ スホコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジステ アロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジアラキドイル-sn-グリセロ-3- ホスホコリン、1,2-ジベヘノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジパル ミトレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジエイコセノイル-sn-グリ セロ-3-ホスホコリン、1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2- ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール、及び1,2-ジオレオイル- sn-グリセロ-3-ホスホグリセロールからなる群から選択される請求項7に記載 の方法。 15.生物活性化合物をリポソーム中に封入する方法であって、脂質成分中に長鎖 両親媒性脂質を含む脂質成分を分散し、その中に封入された前記物質を有する リポソームを獲得することを含み、前記獲得段階における封入された化合物の パーセントが約0.2〜約85%である前記方法。 16.リポソームが多重層である請求項15に記載の方法。 17.リポソームが多胞である請求項15に記載の方法。 18.両親媒性脂質の炭素数が約14〜22の範囲である請求項15に記載の方法。 19.両親媒性脂質が、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジ ラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ- 3-ホスホコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジ ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジベヘノイル-sn-グリセロ- 3-ホスホコリン、1,2-ジパルミトレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2 -ジエイコセノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジエルコイル-sn-グリ セロ-3-ホスホコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロー ル、及び1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロールからなる群か ら選択される請求項16に記載の方法。 20.両親媒性脂質が飽和している請求項16に記載の方法。 21.両親媒性脂質が不飽和である請求項16に記載の方法。 22.(a)1)有機溶媒、長鎖両親媒性脂質、及び中性脂質を含む脂質成分、及び 2)不混和性の第1の水性成分からエマルションを形成し、ここで少なくとも1 種の生物活性化合物が不混和性成分あるいは両方のいずれかに導入されている ものとし、 (b)エマルションを第2の水性成分と混合して溶媒小球を形成し、 (c)溶媒小球から有機溶媒を除去して前記生物活性物質を封入する多胞リポ ソームを形成することを含み、 封入される生物活性化合物のパーセントが30〜85パーセントの範囲であるリポ ソーム製剤の製造方法。 23.両親媒性脂質がその炭素鎖に13〜約28の炭素を有する請求項22に記載の方法 。 24.両親媒性脂質がその炭素鎖に13〜約22の炭素を有する請求項22に記載の方法 。 25.両親媒性脂質が、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジ ラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ- 3-ホスホコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジ ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジベヘノイル-sn-グリセロ- 3-ホスホコリン、1,2-ジパルミトレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2 -ジエイコセノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジエルコイル-sn-グリ セロ-3-ホスホコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロー ル、及び1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロールからなる群か ら選択される請求項22に記載の方法。 26.水、中性脂質、直線的な形態で結合した約13〜約28の炭素原子を有する炭素 鎖を含む両親媒性脂質、及び生物活性化合物を含む多胞リポソーム。 27.生物活性化合物の封入のパーセントが約7.5〜約85%の範囲の量である請求項 26に記載の多胞リポソーム。 28.25μm未満の平均直径を有する請求項27に記載の多胞リポソーム。 29.炭素鎖が18〜22個の炭素を含む請求項26に記載の多胞リポソーム。 30.両親媒性脂質がリン脂質である請求項26に記載の多胞リポソーム。 31.両親媒性脂質がホスホコリンである請求項26に記載の多胞リポソーム。 32.両親媒性脂質が飽和している請求項31に記載の多胞リポソーム。 33.両親媒性脂質が不飽和である請求項31に記載の多胞リポソーム。
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