JP2007529546A - 吸入によるシスプラチンの投与 - Google Patents

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Abstract

肺癌患者を治療する方法を提供する。本方法は、シスプラチンを含有する脂質組成物を患者の気管に少なくとも2回の治療サイクルの期間にわたって投与するステップを含む。少なくとも約15mg/m2のシスプラチンが各治療サイクルで投与され、そして治療サイクル間の間隔は2週間以内である。

Description

関連出願
本出願は、引用をもってその全文をここに援用することとする2004年3月18日に提出された米国仮出願60/554,262号及び2004年5月21日に提出された米国仮出願60/573,521号に基づく優先権を主張するものである。
発明の背景
本発明は、細胞障害性作用薬(例えばシスプラチン)を含有する脂質組成物を治療上有効量、患者の気道に送達することによる、癌を治療する方法に関する。本方法により、臨床医は、数多くの癌細胞障害性作用薬(例えばシスプラチン)の全身投与に共通する付随する副作用(例えば腎毒性、骨髄毒性)なしで、より頻回の治療サイクルを施与することができる。
細気管支肺胞上皮癌(BAC)又は肺胞上皮癌は、気道全体で見られる肺の非小細胞癌の一種である腺癌の形の一つである。BACは、肺の腺癌症例のほぼ10乃至25%、あるいは、全肺癌の2乃至6%を占め、時には異なる現れ方や、生物学的挙動を有することがある。BACは、他の組織種の肺癌よりも女性や非喫煙患者でより一般的である。
BACは、胸部X線像で孤立性末梢小結節、多病巣性病変、あるいは、びまん性浸潤巣に見える急速な進行型で見える場合がある。当該細胞は、肺の気道からの過剰な粘液排出である気管支漏につながり得るムチン及びサーファクタント・アポたんぱく質を分泌する。細気管支肺胞上皮癌は、他の種の癌よりも、よりびまんした病巣として現れることがある。それが患者のX線で一個の塊として発見された場合、この種類の肺癌は、優れた予後を有する。術後5年生存率は75乃至90%の範囲である。しかし、それがびまん型で発見された場合(それが一個の塊を超えて広がったことを意味する)、その予後はあまりよくない。
その管理及び予後は、他の種類の非小細胞性肺癌と基本的に同じである。腫瘍が切除可能なものであれば手術が好ましい治療である。手術不可能な症例では放射線療法及び化学療法を用いてもよい。細気管支肺胞上皮癌に特異的な治療を調べるために治験が行われている。
リンパ管性の広がりのある癌腫、即ちリンパ管性癌腫症(LC)とは、腫瘍による肺実質性リンパ管のびまん性浸潤及び閉塞を言う。多様な新生物がリンパ管性癌腫症を起こし得るが、80%が腺癌である。最も頻発する原発部位は乳房、肺、結腸、及び胃である。他の源には、膵臓、甲状腺、子宮頚管、前立腺、喉頭、及び原発部位が未知の転移性腺癌がある。
LCは、最初に腫瘍が肺に血行性の広がりを起こした結果であり、その後、悪性の浸潤が血管壁を通して肺の間質及びリンパ系へと続く。次に腫瘍はこれらの抵抗性の低い管を通って容易に増殖し、広がる。あまり一般的ではないが、連続した縦隔又は肺門リンパ節症から、あるいは隣接する原発性の気管支癌から、直接的な浸潤が起きる。病理組織学的には、間質性浮腫、(隣接する肺実質組織へ腫瘍が広がった結果の線維形成性反応に続発する)間質性線維症
、及び腫瘍細胞をすべて、見ることができる。転移性の腺癌は、80%の症例を占める。大半の患者は中年の成人である。
米国では、LCが全肺転移のうちの7%を占める。死後検査での有病率は、放射線で検出可能な疾患の発生率よりも有意に高い。顕微鏡的間質性腫瘍浸潤は、肺転移患者の56%に見られる。LC患者の予後はよくない。大半の患者は数週間又は数ヶ月間しか生存しない。
典型的には、肺癌の化学療法には、細胞障害性作用薬などの化学療法薬の患者への全身投与がある。静脈内投与などによるこのような投与には、しばしば、腎毒性及び骨髄毒性を含め、いくつかの有害な副作用が伴う。例えば、肺癌の全身治療で用いられる、より有効な抗腫瘍剤の一つであるシスプラチン(cis-ジアミン-ジクロロプラチナム(II))の全身投与には、しばしば、患者の腎毒性などの症状による負荷がある。腎毒性により、臨床医がシスプラチンを患者に投与することのできる頻度に限界が出る。実際、シスプラチンの連続治療サイクルには、典型的に、腎毒性と相関する血中レベルにシスプラチンが達するのを防ぐために、治療サイクルの間に三週間以上の間隔が必要である。化学療法計画には、典型的に5週間以上の治療サイクルが必要であるため、治療サイクルの間のこの遅延は、全体的な化学療法計画に必要な時間を延長することとなる。シスプラチンの全身投与の期間が長引くと、患者の不快感及び不都合が増してしまい、また患者のコンプライアンスが低下することにもなりかねない。
従って、シスプラチンを吸入により投与することで、治療サイクル間に必要な間隔を短縮して、高い局所濃度の薬物を達成できるような新しい肺癌患者の治療方法が望ましい。このような方法は、好ましくは、治療薬の吸入投与で典型的に障害となる、肺からのシスプラチンの急速なクリアランスの問題も解決するとよい。
発明の概要
ある局面では、本発明は、患者の気道にシスプラチンを含む脂質組成物を少なくとも2回の治療サイクルの期間にわたって投与するステップであって、但し少なくとも約15mg/m2のシスプラチンが各治療サイクルで投与され;そして治療サイクル間の間隔が2週間以内である、ステップを含む、癌患者を治療する方法を特徴とする。
ある好適な実施態様では、治療サイクル間の間隔が1週間未満である。別の好適な実施態様では、本方法は少なくとも3回の治療サイクルを含む。別の好適な実施態様では、本方法は少なくとも4回の治療サイクル、そしてより好適には少なくとも5回の治療サイクルを含む。
別の好適な実施態様では、本脂質組成物のシスプラチン対脂質の比は、重量で約1:50乃至約1:5である。更なる実施態様では、本脂質組成物のシスプラチン対脂質の比は、重量で約1:50対約1:10である。更なる実施態様では、本脂質組成物のシスプラチン対脂質の比は重量で約1:25乃至約1:15である。
別の好適な実施態様では、本脂質組成物は、卵ホスファチジルコリン(EPC)、卵ホスファチジルグリセロール (EPG)、卵ホスファチジルイノシトール (EPI)、卵ホスファチジルセリン (EPS)、卵ホスファチジルエタノールアミン (EPE)、卵ホスファチジン酸 (EPA)、大豆ホスファチジルコリン (SPC)、大豆ホスファチジルグリセロール (SPG)、大豆ホスファチジルセリン (SPS)、大豆ホスファチジルイノシトール (SPI)、大豆ホスファチジルエタノールアミン (SPE)、大豆リン酸質の酸(SPA)、水素化卵ホスファチジルコリン (HEPC)、水素化卵ホスファチジルグリセロール (HEPG)、水素化卵ホスファチジルイノシトール (HEPI)、水素化卵ホスファチジルセリン (HEPS)、水素化卵ホスファチジルエタノールアミン (HEPE)、水素化卵ホスファチジン酸 (HEPA)、水素化大豆ホスファチジルコリン (HSPC)、水素化大豆ホスファチジルグリセロール (HSPG)、水素化大豆ホスファチジルセリン (HSPS)、水素化大豆ホスファチジルイノシトール (HSPI)、水素化大豆 ホスファチジルエタノールアミン (HSPE)、水素化大豆リン酸質の酸 (HSPA)、ジパルミトイルホスファチジルコリン (DPPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン (DMPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール (DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール (DPPG)、ジステアロイルホスファチジルコリン (DSPC)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール (DSPG)、ジオレイルホスファチジル-エタノールアルニン(原語: (DOPE))、パルミトイルステアロイルホスファチジルコリン (PSPC)、パルミトイルステアロールホスファチジルグリセロール (PSPG)、モノ-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン (MOPE)、コレステロール、コレステロールヘミ-スクシネート、 コレステロール硫酸水素、コレステロール硫酸、エルゴステロール、エルゴステロールヘミ-スクシネート、エルゴステロール硫酸水素、エルゴステロール硫酸、ラノステロール、ラノステロールヘミ-スクシネート、ラノステロール硫酸水素、ラノステロール硫酸、及びこれらの混合物、から成る群より選択される脂質を含む。更なる実施態様では、本脂質組成物はDPPCを含む。更なる実施態様では、本脂質組成物はコレステロールを含む。更なる実施態様では、本脂質組成物の脂質成分は、約50乃至約65モル%のDPPC と約35乃至約50モル%のコレステロールを含む。
別の好適な実施態様では、本脂質組成物は更に水性成分を含む。更なる実施態様では、本脂質組成物中には重量で少なくとも80%の該水性成分がある。
別の好適な実施態様では、本脂質組成物はエーロゾルとして投与される。別の好適な実施態様では、本脂質組成物は、少なくとも約0.15mL/分の流速でネブライザにより投与される。
別の好適な実施態様では、本脂質組成物は一つ以上のリポソームを含む。
別の好適な実施態様では、当該の癌は肺癌である。更なる実施態様では、前記肺癌は、細気管支肺胞上皮癌及びリンパ系の広がりを伴う癌腫から成る群より選択される。更なる実施態様では、当該の肺癌は細気管支肺胞上皮癌である。
別の局面では、本発明は、患者の気道にシスプラチンを含む脂質組成物を少なくとも5回の治療サイクルの期間にわたって投与するステップであって、但し少なくとも約15mg/m2のシスプラチンが各治療サイクルで投与され;そして治療サイクル間の間隔が2週間以内である、ステップを含み、前記脂質組成物が約50乃至約65モル%のDPPCと、約35乃至約50モル%のコレステロールを含み、そしてシスプラチン対脂質の比が重量で約1:25乃至約1:15である、細気管支肺胞上皮癌患者を治療する方法を特徴とする。
ある好適な実施態様では、本脂質組成物は、更に重量で少なくとも約80%の水性成分を含み、本脂質組成物はネブライザにより投与される。
ある好適な実施態様では、本脂質組成物は、少なくとも約0.15mL/分の流速でネブライザにより投与される。
本発明のこれらの実施態様、他の実施態様、及びそれらの特徴及び特質は、以下の説明及び請求項から明白であろう。
発明の詳細な説明
定義
Figure 2007529546
便宜上、本発明を更に説明する前に、本明細書、実施例及び付属の請求項で用いられたいくつかの用語をここに集める。これらの定義は本開示の他の部分を参照しつつ読まれねばならず、また、当業者が理解する通りに理解されねばならない。そうでないと規定しない限り、ここで用いられた全ての技術及び科学用語は、当業者が通常理解するものと同じ意味を有するものである。
「活性プラチナ」化合物とは、配位プラチナを含有すると共に抗腫瘍活性を有する化合物である。活性プラチナ化合物には、例えばシスプラチン、カルボプラチン、及び、オキサプラチンなどのDACH-プラチナ化合物がある。
本方法で治療しようとする「患者」、「対象」又は「ホスト」は、ヒト又はヒト以外の動物のいずれをも意味する場合がある。
用語「治療効果」は当業で公知であり、動物、特に哺乳動物、そしてより具体的にはヒトで、薬理学的に活性な物質により引き起こされる局所又は全身の効果を言う。文言「治療上有効量」とは、いずれかの治療に適用される妥当な利益/リスク比で何らかの所望の局所又は全身効果を生ずる物質量を意味する。ある物質の治療上有効量は、治療しようとする対象及び疾患状態、対象の体重及び年齢、疾患状態の重篤度、投与の態様等、当業者であれば容易に決定することのできる因子に応じて様々であろう。
用語「治療する」は当業で公知であり、状態又は疾患の少なくとも一つの症状を治癒させる又は軽減することや、状態又は疾患の発生を妨げることを言う。
「治療サイクル」とは、ある用量のシスプラチンを患者に投与する期間を意味する。治療サイクルには、シスプラチンを含有するリポソーム製組成物が患者に能動的に投与される一回以上の期間も包含するであろう。このような期間は四日以内で実施されてもよいが、より好ましくは一日間又は二日間にわたって実施されるとよい。
概論
シスプラチンを含有する脂質組成物を治療上有効量、患者の気道に送達することによる肺癌の治療法を提供する。本方法により、患者のより集中的な化学療法が可能になる。具体的には、本発明の方法を用いると、臨床医は、シスプラチンによる治療サイクルを、より頻回、安全に施与することができる。結果的に、治療計画全体を終了するまでに必要な時間が短縮される。
本方法は、シスプラチンを含有する脂質組成物を患者の気道に少なくとも二回の治療サイクルにわたって投与するステップを含む。各治療サイクルの間、少なくとも約15mg/m2のシスプラチンが患者の気道に投与され、治療サイクルの間の間隔は2週間以内である。ここで用いられる場合の治療サイクルの間の間隔とはそれぞれの連続した治療サイクルの開始から開始までの期間を言う。投与される脂質組成物は、生理食塩水などの水性成分を組み合わせるなどして、エーロゾルとして投与してもよい、シスプラチンを含有するリポソーム性/脂質錯体組成物である。
一般的には、シスプラチンの用量は、年齢、身体状態、及び医業で公知の他の因子に基づき、医師により選択されるであろう。各治療サイクルにおいて、好適な投薬量は、約15mg/m2及び約60mg/m2の間である。一般的に、治療サイクル間の間隔は二週間以内であり、好ましくは治療サイクル間の間隔は一週間以内であるとよい。
本方法は、シスプラチンの気道への局所的送達のおかげで、肺癌治療に向けてより集中的な化学療法計画に資するものである。本方法では、シスプラチンの毒性効果に対する体内の非癌性細胞の全身暴露が抑えられるため、臨床医は、より頻回の治療サイクルでより多量の薬物を肺癌患者に投与できよう。シスプラチンを全身投与する場合に典型的に治療サイクルの頻度を制限する、腎毒性への患者の性向も低下する。
更に本方法は、概して薬物の吸入投与に伴う欠点も、本脂質組成物により克服するものである。本脂質組成物(特にリポソーム・ベースの組成物)は、シスプラチンがその標的部位に送達されるときにそれを保護し、また、非癌性組織をこの薬物の細胞毒性効果に暴露されないように保護するために役立つ。その上、本脂質組成物は、本組成物の肺への付着を促し、また薬物の放出を遅らせるため、吸入投与に典型的に伴う急速なクリアランスを低下させる。更に、本組成物は肺で充分に安定なため、治療上有用な期間、本調合物を有効なままで維持することができる。
本方法は、シスプラチン対脂質の比の大変高い脂質組成物を包含するものである。本発明で見られる対生物活性作用薬対脂質の比は、重量で約1:5乃至重量で約1:50の間である。更に好ましくは、見られる対生物活性作用薬対脂質の比は、重量で約1:10乃至重量で約1:30の間であるとよい。最も好ましくは、見られる対生物活性作用薬対脂質の比は、重量で約1:15乃至重量で約1:25の間であるとよい。ネブライザを用いた投与用に水性成分と一緒に調合された場合のシスプラチンは、最終調合物中に約0.5 mg/mL 乃至約 1.7 mg/mL、存在してよく、そして好ましくは約0.8 乃至約1.3 mg/mL、存在するとよい。
当該の脂質成分、シスプラチン及び選択的な水性成分に加え、本脂質組成物は更に通常用いられる薬学的に許容可能な(溶媒、塩及び緩衝剤を含む)医薬品添加物、保存剤及び界面活性剤も含有してもよい。
本脂質組成物には、リポソーム、脂質錯体、脂質包接化合物及びプロリポソーム、即ち、水に接触させたときにin vitro又はin vivoでリポソームを形成することのできる組成物、を含めることができる。組成物は、好ましくは吸入による使用、そしてより好ましくは当該組成物の投与用の吸入送達器具での使用に適合されているとよい。当該の吸入システムは、ヒト及び動物の両方で、肺癌治療用に用いることができる。
本脂質組成物の調製法
本脂質組成物は、好ましくは、引用をもってその全文をここに援用することとする、2003年8月4日に提出された同時係属中の米国特許出願10/634,144号に解説された通りに形成されるとよい。簡単に説明すると、本脂質錯体は、溶媒(例えばエタノール)に溶解又は懸濁させた適した脂質とシスプラチンとを混合し、当該の混合物を、二つの別個の温度を有する一つ以上のサイクルに曝すことにより、形成することができる。このプロセスは、活性なプラチナ化合物凝集物の形であると考えられる。
水溶液中では、シスプラチンは1、2ミクロンの結晶直径を持つ大型の結晶凝集物を形成する。脂質二重層など、両親媒性のマトリックス系の存在下では、シスプラチンは脂質と錯体形成する。例えば、当該の錯体は、脂質二重層の炭化水素コア領域中に形成されるであろう。このプロセスのうちの加熱サイクル中、シスプラチンは、二重層中でよりも高速で、プロセス混合物の水性領域中で溶液に戻ると考えられる。2回以上の冷却/加熱サイクルを適用する結果、シスプラチンは脂質二重層中に更に蓄積する。提案された理論に本発明を限定することはないが、実験では、シスプラチン錯体により、界面二重層領域のすぐ周囲がより疎水性かつ密になることが示されている。この結果、冷却及び加熱サイクルを繰り返すにつれ、活性プラチナ化合物の取込みが高レベルになる。
本調合物は、著しく高い取込み率のシスプラチンを有する。その取込みは、場合によっては、約 20、30、40、50、60、70、80、又は約 90%に達することが示されている。この量は、ほぼ2-10%の取込みである従来の水性の取込みから予測される最も効率的な取込みよりも遥かに高い。
本プロセスは、シスプラチンを疎水性のマトリックス担持系(脂質/溶媒混合物)に配合するステップと、より高い及びより低い温度の間で溶液をサイクル循環させるステップとを含む。好ましくは、前記のサイクル循環が2回以上、行われるとよい。より好ましくは、前記ステップが、二回以上、又は三回以上、行われるとよい。サイクルの低温部分では、例えば約-25℃乃至約25℃の温度を用いることができる。より好ましくは、前記のステップで、約-5乃至約5℃の間、又は約 1 乃至約 5℃の間の温度を用いるとよい。製造上の便宜にために、そして所望の温度が設定されることを確実にするためには、冷却及び加熱ステップを、例えばほぼ約 5 乃至約 300分間、又は約 30乃至約 60分間など、一定の時間、維持することができる。
加熱ステップには、反応容器を約 4乃至約 70℃に加熱するステップが含まれる。より好ましくは、加熱ステップが、反応容器を約 45 乃至約 55℃に加熱するステップを含むとよい。上記の温度範囲は、主にジパルミトイルホスファチジコリン(原語:phosphatidycholine) (DPPC) 及びコレステロールを含有する脂質組成物を用いた使用に特に好ましい。
温度サイクル循環を考慮するもう一つの方法は、当該サイクルの加熱及び冷却ステップ間の温度差の観点である。この温度差は、例えば約 25 乃至約 70℃の差、好ましくは約 40 乃至約 55℃の差など、約25℃以上であってもよい。冷却ステップ及び加熱ステップの温度は、活性プラチナ化合物の取込み増加に基づいて選択される。理論に制限される訳ではないが、処理される混合物中の活性プラチナ化合物の可溶性を実質的に高めるのに有効なより高温を選択すると便利であると考えられる。好ましくは、加熱ステップの温度が約50℃以上であるとよい。またこの温度は、当該脂質組成物中の脂質の遷移温度より下でも、又は上でも、選択することができる。
上述した方法に適した温度は、場合によっては、通常の実験により判断できるように、本方法で用いられる脂質組成物に応じて様々であろう。
実験結果では、主にリポソーム・ベシクルの形成中にシスプラチンを取込みすることにより取込みがなされることが強く示されている。更にその結果は、シスプラチンの濃度が可溶性限界よりも遥かに高いため、シスプラチンの物理状態が固体(凝集物)又は脂質に結合していることを示している。更に結果では、プロセスには本組成物を凍結させるステップは必要ではないが、凍結よりも高い温度まで冷却すると優れた結果が生ずることも示されている。結果では、更に、3回のサイクルで達成される取込み効率は、6回のサイクルの冷却及び加熱サイクルで達成されるものと同様であることも示され、3回のサイクルの温度処理があれば、好適度の高いレベルの取込みを達成するのに充分であったことも示された。
結果では、更に、シスプラチンを取込み上でのプロセス効率を高めながらも当該プロセスをスケール・アップすることができることが示されている。このように、本発明は、(適したより少量の増分で)合計約 200 mL以上、約 400 mL以上、又は約 800mL以上を投与するのに適合された量を提供するように行われるプロセスも更に提供するものである。その他の点はすべて同じであり、一般的には、より多量を製造すれば、より少量規模のプロセスよりも効率が高いと考えられる。このような量は、投与には適当なものであるが、保管用にはこの量を減らすこともできることは認識されよう。
結果は更に、この方法により作製された、脂質と錯体形成したシスプラチンは、取り込まれたシスプラチンを、その漏出も最小限で1年を超えて保持することができることを示している。これは更に、本調合物の独自性の更なる実証であり、また、シスプラチンがリポソーム構造内に結合しており、容易には遊離して漏出しないことを示している。
脂質
本発明の組成物中に用いられる脂質は合成でも、半合成でも、又は、天然で生じる資質でもよく、典型的にはホスホリピド及びステロール類がこれに含まれる。ホスホリピドの点では、これらには、例えば卵ホスファチジルコリン (EPC)、卵ホスファチジルグリセロール (EPG)、卵ホスファチジルイノシトール (EPI)、卵ホスファチジルセリン (EPS)、ホスファチジルエタノールアミン (EPE)、及びホスファチジン酸 (EPA);大豆の相当物、大豆ホスファチジルコリン (SPC);SPG、SPS、SPI、SPE、及びSPA;水素化した卵及び 大豆相当物(例えばHEPC、HSPC)、12乃至26個の炭素原子の鎖と、グリセロールの1位に異なる先頭基とを含有する、コリン、グリセロール、イノシトール、セリン、エタノールアミンを含むグリセロールの2及び3位の脂肪酸のエステル結合からなる他のホスホリピドや、対応するホスファチジン酸などの脂質が含まれよう。これらの脂肪酸上の鎖は飽和していても、又は不飽和でもよく、そして当該のホスホリピドは、異なる鎖長及び異なる不飽和度の脂肪酸から成っていてもよい。具体的には、本調合物の組成には、天然で生じる肺表面活性物質の主要構成成分であるDPPCを含めることができる。他の例には、ジミリストイルホスファチジルコリン (DMPC) 及びジミリストイルホスファチジルグリセロール (DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール (DPPG) ジステアロイルホスファチジルコリン (DSPC) 及びジステアロイルホスファチジルグリセロール (DSPG)、ジオレイルホスファチジル-エタノールアルニン
(DOPE) 及び混合ホスホリピド、例えば、パルミトイルステアロイルホスファチジル-コリン (PSPC) 及びパルミトイルステアロールホスファチジルグリセロール (PSPG)、及び単一のアシル化ホスホリピド、例えばモノ-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン (MOPE)、がある。
ステロール類には、コレステロール、コレステロールヘミ-スクシネートを含むコレステロールのエステル、コレステロール硫酸水素及びコレステロール硫酸を含むコレステロールの塩、エルゴステロール、エルゴステロールヘミ-スクシネートを含むエルゴステロールのエステル、エルゴステロール硫酸水素及びエルゴステロール硫酸を含むエルゴステロールの塩、ラノステロール、ラノステロールヘミ-スクシネートを含むラノステロールのエステル、ラノステロール硫酸水素及びラノステロール硫酸を含むラノステロールの塩を含めることができる。
本発明のある好適な実施態様では、本脂質組成物は、50乃至100モル%のDPPCと0乃至50モル%のコレステロールを含有する。より好ましくは、本脂質錯体が、50乃至65モル%のDPPCと35乃至50モル%のコレステロールを含有するとよい。
吸入器具
本吸入システムの吸入送達器具は、ネブライザ、計量吸入器(MDI)又は乾燥粉末吸入器(DPI)であってよい。本器具は、一回分の用量の本脂質組成物を含有することができ、また一回分の用量の本脂質組成物を送達するために用いることができるか、あるいは、本器具は、複数回分の用量の本発明による本脂質組成物を含有することができ、また複数回分の用量の本発明による本脂質組成物を送達するために用いることができる。
ネブライザ型の吸入送達器具には、本発明の組成物を、通常は水性である溶液又は懸濁液として含有させることができる。吸入に向けて本組成物のネブライザ噴霧を発生させるには、本ネブライザ型送達器具を、超音波により、圧縮空気又は他の気体により、電子的又は機械的に(例えば振動性多孔膜などを含む)により、駆動してもよい。超音波式のネブライザ器具は通常、電気化学的振動表面を解して当該調合物の液膜上に高速振動波形を印加することにより作動する。この波形は所定の振幅で不安定となるため、液膜を崩壊させて当該調合物の小さな液滴を生ずる。空気又は他の気体により駆動されるネブライザ器具は、高圧気流が局部的な圧力低下を起こすと液体調合物が毛管作用により気流内に吸い込まれることに基づいて作動する。次に、この微細な流れはせん断力により崩壊する。ネブライザのデザインは携帯可能かつ手持ち式でもよく、自給式電気装置と備えていてもよい。このネブライザ器具を、当該の液体調合物を加速することのできる確定された孔サイズの二つの一致する出口チャンネルを有するノズルから構成することができる。その結果二つの流れの嵌入と、当該調合物の噴霧化が起きる。このネブライザは、当該液体調合物を、確定された孔サイズの多オリフィスのノズルを通るように強制して吸入用の調合物エーロゾルを生じさせるために機械的アクチュエータを用いてもよい。一回分の用量用のネブライザをデザインする場合、一回分の用量の調合物を含有するブリスタ・パックを用いてもよい。
本発明においては、ネブライザを用いて、肺などの中での粒子の位置にとって確実に最適となるように、薬物の液体粒子を含有する水性の液滴の大きさを決定する。ネブライザ式脂質組成物にとって典型的な液滴サイズは、約1 乃至約 5 ミクロンである。
ネブライザで用いる場合、本脂質組成物は、好ましくは水性成分を含有するとよい。典型的には、重量で少なくとも約 80%、そして好ましくは重量で少なくとも約 90%の水性成分が、ネブライザで投与される脂質組成物中にあるとよい。水性成分には、例えば生理食塩水が含まれよう。加えて、水性成分には、重量で最高約20%のエタノールなどの水性適合性溶媒が含まれよう。
ネブライザを用いた総投与時間は、流速や当該脂質組成物中のシスプラチン濃度に依存するであろう。総投与時間の変更は、当業者の権限の範囲である。一般的には、ネブライザの流速は、例えば少なくとも約 0.15 mL/分であり、約 0.2 mL/分の流速が典型的である。例示すると、約1mg/mLのシスプラチン濃度を有する脂質組成物を用いた約 24 mg/m2 のシスプラチン用量の投与は約4時間であろう(患者の体表面積を約 2 m2と仮定して)。この投与時間を、例えば一回の治療サイクルを完了するのに1又は二日間の経過にわたって投与される二回の投与に分割してもよいだろう。
代替的な実施態様では、計量吸入器 (MDI) を本吸入システムの吸入送達器具として用いることができる。この器具は、加圧式(pMDI)であり、その基本構造は計量弁、アクチュエータ及び容器から成る。推進剤を用いて当該調合物を器具から排出する。本組成物を、加圧された推進剤液体に懸濁させた確定された大きさの粒子から構成することができるが、あるいは、本組成物は、加圧された液体推進剤に入れた溶液又は懸濁液中にあってもよい。用いられる推進剤は、主に、134a及び227などの環境に優しいハイドロフルオロカーボンである。CFC-1 1、12 及び114などの従来のクロロフルオロカーボンは必須な場合にのみ、用いられる。本吸入システムの器具は、例えばブリスタ・パックなど、一回分の用量を送達するものでも、あるいは、デザイン上、それは複数回分の用量であってもよい。精確な用量の本脂質ベースの組成物を送達するために、本吸入システムの加圧式計量吸入器を呼吸で作動させることもできる。投薬量を確実に精確にするために、本調合物の送達を、マイクロプロセッサでプログラムして、吸入サイクルの特定の時間で行われるようにしてもよい。当該MDIは携帯可能かつ手持ち式でもよい。
別の代替的な実施態様では、乾燥粉末吸入器(DPI)を、本吸入システムの吸入送達器具として用いることができる。この器具の基本デザインは、計量システム、粉末組成物及び、本組成物を分散させる方法からなる。回転及び振動などの力を用いて本組成物を分散させることができる。計量及び分散システムを機械的又は電気的に駆動してもよく、またマイクロプロセッサでプログラム可能にしてもよい。本器具は携帯可能かつ手持ち式でもよい。本吸入器は、デザイン上、複数回用量でも、一回分の用量でもよく、そして硬質ゼラチン・カプセルや、単位用量が精確になるようにブリスタ・パックを用いてもよい。本組成物を、受動的吸入、即ち、患者自身の吸気努力により本器具から分散させることもでき、あるいは能動的分散システムを用いてもよい。本組成物の乾燥粉末の大きさは、ジェット・ミリング、スプレー乾燥及び超臨界流体製造などのプロセスを通じて決定することができる。糖類マンニトール及びマルトースなどの許容可能な医薬品添加物を、粉末状調合物の調製に用いてもよい。これらは、凍結乾燥させたリポソーム及び脂質錯体の調製時に特に重要である。これらの糖類は、凍結乾燥中にリポソームの物理的特徴を維持したり、それらを吸入により投与するときにそれらの凝集を抑えたりする上で役立つ。糖の水酸基は、ベシクルがそれらの三次水和化状態を維持する際に役立ち、そして粒子の凝集を最小限にする際に役立つと思われる。
本方法は、肺癌、特に、細気管支肺胞上皮癌、又はリンパ管性の広がりを持つ癌腫症の治療に特に向いている。加えて、原発性及び転移性の両方の肺癌とも、本発明の方法にとって優れた候補である。
投薬量
本発明のいずれの組成物の投薬量は、患者の症状、年齢及び体重、治療又は防止しようとする障害の性質及び重篤度、投与経路、並びに補助剤の形に応じて様々であろう。本調合物のいずれも、一回分の用量にして投与しても、あるいは分割された用量にして投与してもよい。本発明の化合物の投薬量は、当業者に公知の技術により、又は、ここで教示するように、容易に決定されよう。更に、本発明は、2種以上の当該化合物や他の治療薬の混合物も考察する。更に、本発明は、当該治療薬の遊離時に形成される配位錯体に対する当該治療薬の比を高めるために、当該錯体自体と組み合わせた、当該配位錯体(又は関連する作用薬)内に含有された治療薬の投与を考察するものである。
いくつかの実施態様では、当該化合物の投薬量は、一般に、体重1kg当り約 0.01 ng 乃至約 10 g 、具体的には1kg当り約 1 ng 乃至約 0.1 g の範囲、そしてより具体的には1kg当り約 100 ng 乃至約 10 mg の範囲内であろう。
調合物の有効な用量又は量、そして投与のタイミングに対して可能性のある影響を、本発明のいずれか特定の化合物について特定する必要があるかも知れない。これは、1群以上の動物(好ましくは1群当り少なくとも5匹の動物)を用いて、あるいは適当な場合はヒトの治験で、ここで解説する通りの慣例的な実験により、達成されよう。いずれかの化合物及び治療法又は予防法の有効性は、当該補助剤を投与し、その投与の効果を、対象の新生物に関連する一つ以上の指数を測定し、治療後のこれらの指数の数値を、治療前の同じ指数の数値に比較することにより評価すれば、評価できよう。
ある患者において最も有効な治療を生じるであろう、いずれか特定の化合物の精確な投与時間及び量は、特定の化合物の活性、薬物動態、及び生物学的利用能、(年齢、性別、疾患の種類及び段階、全体的な身体状態、ある投薬量及び投薬の種類に対する反応性を含む)当該患者の生理学的条件、投与経路等に応じるであろう。ここで提供する指針を、投与の最適な時間及び/又は量を判定するためなど、治療を最適化するために用いてもよく、それには,例えば対象を観察し、投薬量及び/又はタイミングを調節することから成るごく慣例的な実験しか要さないであろう。
対象を治療中、患者の健康を、24時間の間、所定の時点で関連する指数のうちの一つ以上を測定することにより観察してもよい。補助剤、量、投与時間及び調合物を含め、治療をこのような観察の結果に従って最適化してもよい。患者を周期的に再評価して、同じパラメータを測定することにより改善の程度を判定してもよく、初回のこのような評価は典型的には、治療の開始から4週間経った最後に行われ、そしてその後の評価は、治療中4乃至8週間後に行われ、そしてその後は3ヶ月毎に行われる。治療を、数ヶ月から数年にわたって継続してもよく、その場合、ヒトの治療の典型的な長さは最短で1ヶ月である。投与される作用薬の量の調節や、そして可能性としてではあるが投与時間の調節を、これらの再評価に基づき行ってもよいであろう。
治療を、当該化合物の最適な用量よりも少ない少量の投薬量で開始してもよい。その後、最適な治療効果が達成されるまで、この投薬量を少しずつ増加させていってもよい。
本発明の複数の化合物、あるいは代替的には他の化学療法薬、を組み合わせた使用では、いずれかの個々の成分に必要な投薬量が減る場合がある。なぜなら、異なる成分の効果の開始及び持続期間が補完的になる場合があるからである。このような併用療法では、異なる活性作用薬を一緒に送達しても、あるいは別々に送達してよく、また同時に送達しても、又は1日中の異なる時点で送達してもよい。
対象化合物の毒性及び治療効果は、例えばLD50及びED50を判定するためなど、細胞培養又は実験動物での標準的薬学的手法で判定できよう。大きな治療指数を示す組成物が好ましい。毒性の副作用を示す化合物を用いてもよいが、副作用を減らすために、当該化合物を所望の部位に狙い撃ちする送達系をデザインするよう、注意が必要である。
細胞培養検定及び動物研究で得られたデータを、ヒトで用いる投薬量範囲を処方する際に用いてもよい。いずれかの補助剤の投薬量、又は代替的にはここで挙げたいずれかの成分の投薬量は、好ましくは、毒性が少ないか、又は全くないような、ED50を含む血中濃度範囲内にあるとよい。投薬量は、用いる剤型や用いる投与経路に応じてこの範囲内で様々であろう。本発明の作用薬の場合、治療上有効な用量は、まず細胞培養検定から推定されよう。動物モデルで用量を処方して、細胞培養で判定したときのIC50(即ち、症状の阻害の最大値の半分を達成する検査化合物濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成してもよい。このような情報を用いると、ヒトで有用な用量をより精確に判定できよう。血漿中のレベルは、例えば高速液体クロマトグラフィなどで測定できよう。
キット
更に本発明は、本発明の方法を便利かつ効果的に実施するためのキットも提供するものである。このようなキットは、本発明の化合物のいずれか、又はその組み合わせ、と、本発明の方法のコンプライアンスを促す手段とを含む。このようなキットは、治療しようとする対象が、適した活性作用薬を正しい投薬量かつ正しい態様で確実に摂取するための便利かつ効果的な手段となるものである。このようなキットのコンプライアンス手段は、本発明の方法に従った活性作用薬の投与を促すいずれかの手段を含む。このようなコンプライアンス手段には、指示、梱包、及び計量分配手段、並びにこれらの組み合わせ、がある。キットの成分は、前述の方法を手動で、又は部分的もしくは完全に自動化して実施するために梱包されていてもよい。キットに関与する他の実施態様では、本発明は、本発明の組成物、そして選択的にはそれらの使用に関する指示を含むキットを考察する。
以下の実施例は本発明を更に描写するものであるが、もちろんではあるが、その範囲をいずれの態様でも限定するものとみなされてはならない。
実施例
70 mg のDPPC 及び28 mg のコレステロールを1 mL のエタノールに溶解させ、10 mL の4 mg/mL シスプラチンの0.9% 生理食塩水溶液に加えた。この試料のアリクォート(50%)を3回のサイクル、4℃までの冷却及び50℃までの加熱で処理した。試験管に入ったこのアリクォートを冷蔵で冷却し、水槽で加熱した。その結果、取込みされなかったシスプラチン(遊離シスプラチン)を透析で洗い落とした。この試料の残りは温度サイクルで処理せず、透析で直接、洗い落とした。表1は、冷却及び加熱サイクルが有る場合及び無い場合のシスプラチンの取込み率を表す。
Figure 2007529546
1.0gの DPPC 及び0.4 g のコレステロールを6 mL のエタノールに溶解させた。60 mg のシスプラチンを、65℃の10 mL の0.9% 生理食塩水溶液に溶解させた。できた脂質混合物溶液のうちの1 mL を、できた10 mL のシスプラチン溶液に加えた。この脂質/シスプラチン懸濁液をほぼ4℃まで冷却した後、その温度で20分間、保持し、50℃まで加熱し、その温度で20分間、保持した。
前記の加熱時間の間、N2ガスを懸濁液中に泡立てることにより、エタノールを取り除いた。前記の冷却及び加熱ステップを更に5回、繰り返した。総シスプラチンの濃度は5.8 mg/mL であり、このとき取込みされたシスプラチンは91.6%であり、薬物:脂質比(重量で)は1 : 26だった。
リポソーム性調合物をホスファチジルコリン (PC) 及びコレステロール (57:43のモル比で)を用いて調製した。0.55 mモルの PC 及び0.41 mモルのコレステロールを2 mL のエタノールに溶解させ、20 mL の 4 mg/mL シスプラチン溶液に加えた。各試料のアリクォート(50%)を3回のサイクルの冷却及び加熱で処理した後、透析で洗浄した。各試料の別の部分を透析により直接、洗浄した。取込みは、最終濃度及び当初濃度の比から推定された。
Figure 2007529546
脂質調合物(DPPC:コレステロール は5:2 w/wの比)をエタノールに溶解させ、シスプラチン溶液に加えた。前記調合物の一部分を、4℃までの冷却と55℃までの加熱のサイクルで処理したが、一部分はこのような処理をされなかった。その後、脂質/シスプラチン懸濁液を透析により洗浄した。
Figure 2007529546
投薬スケジュール
患者に、生理食塩水と一緒に調合された最高約7mLまでの脂質組成物(約 1 mg/mL のシスプラチンを含有する)で充填したジェット・ネブライザ(Pari LCスター)で投薬した。このネブライザからの脂質組成物の流速は約 0.2 mL/分である。この速度では、例えば、約 4 mL の脂質組成物を投与するのに約 20 分間、かかる。表4はこの投薬スケジュールを示す。
Figure 2007529546
前記の研究の患者番号1、3、及び9では安定化が示された(即ち更なる腫瘍成長がないか、あるいは、20%未満の腫瘍成長)。
引用による援用
ここで引用した特許及び公開文献のすべてを、引用をもってここに援用する。
均等物
当業者であれば、ごく慣例的な実験を用いるのみで、ここに解説した本発明の具体的な実施態様の均等物を数多く、認識され、又は確認できることであろう。このような均等物は以下の請求の範囲の包含するところと意図されている。

Claims (22)

  1. シスプラチンを含む脂質組成物を患者の気管に少なくとも2回の治療サイクルの期間にわたって投与するステップであって、
    但し少なくとも約15mg/m2のシスプラチンが各治療サイクルで投与され;そして
    治療サイクル間の間隔が2週間以内である、ステップ
    を含む、癌患者を治療する方法。
  2. 治療サイクル間の間隔が1週間未満である、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも3回の治療サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 少なくとも4回の治療サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 少なくとも5回の治療サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記脂質組成物のシスプラチン対脂質の比が、重量で約1:50乃至約1:5である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記脂質組成物のシスプラチン対脂質の比が、重量で約1:50対約1:10である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記脂質組成物のシスプラチン対脂質の比が、重量で約1:25乃至約1:15である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記脂質組成物がDPPCを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記脂質組成物がコレステロールを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記脂質組成物の脂質成分が約 50 乃至約 65 モル% のDPPC 及び約 35乃至 約 50 モル% のコレステロールを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記脂質組成物が水性成分を更に含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記脂質組成物中に重量で少なくとも80%の前記水性成分がある、請求項12に記載の方法。
  14. 前記脂質組成物がエーロゾルとして投与される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記脂質組成物は、少なくとも約0.15mL/分の流速でネブライザにより投与される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記脂質組成物が一つ以上のリポソームを含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記癌が肺癌である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記肺癌が、細気管支肺胞上皮癌及びリンパ系の広がりを伴う癌腫から成る群より選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記肺癌が細気管支肺胞上皮癌である、請求項18に記載の方法。
  20. 患者の気道にシスプラチンを含む脂質組成物を少なくとも5回の治療サイクルの期間にわたって投与するステップであって、
    但し少なくとも約15mg/m2のシスプラチンが各治療サイクルで投与され;そして
    治療サイクル間の間隔が2週間以内である、ステップを含み、
    前記脂質組成物が約50乃至約65モル%のDPPCと、約35乃至約50モル%のコレステロールを含み、そして
    シスプラチン対脂質の比が重量で約1:25乃至約1:15である、細気管支肺胞上皮癌患者を治療する方法。
  21. 前記脂質組成物が、更に重量で少なくとも約80%の水性成分を含み、前記脂質組成物がネブライザにより投与される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記脂質組成物が、少なくとも約0.15mL/分の流速でネブライザにより投与される、請求項21に記載の方法。
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