JP2003327143A - 電動式舵取装置 - Google Patents

電動式舵取装置

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JP2003327143A
JP2003327143A JP2002139126A JP2002139126A JP2003327143A JP 2003327143 A JP2003327143 A JP 2003327143A JP 2002139126 A JP2002139126 A JP 2002139126A JP 2002139126 A JP2002139126 A JP 2002139126A JP 2003327143 A JP2003327143 A JP 2003327143A
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steering
backlash
elastic body
motor
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JP2002139126A
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Satoyasu Yamazaki
学泰 山崎
Yoshifumi Obata
佳史 小幡
Akiro Osuga
章朗 大須賀
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵に応じて駆動される電動モータの回転を
舵取機構に伝えるウォームギヤ減速機のウォーム及びウ
ォームホイールのバックラッシの経時的な増大を吸収し
て、長期に亘って適正なバックラッシを保ち得るように
する。 【解決手段】 ウォームホイール22と噛合するウォーム
21を複リードウォームとし、このウォーム21を、リード
角が小さい側から大きい側に第1の弾性体31により押圧
付勢し、リード角が大きい側から小さい側に第2の弾性
体32により、第1の弾性体31よりも小さい力にて押圧付
勢して、ウォーム21とウォームホイール22との噛合部の
バックラッシが増大したとき、第1,第2の弾性体31,
32の力バランスによりウォーム21が軸長方向に移動し
て、リード角が小さい、即ち、歯厚が大きい部分がウォ
ームホイール22に噛合するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵に応じて駆動
される電動モータの回転を、ウォームギヤ減速機を介し
て舵取機構に減速伝動して操舵を行わせる構成とした電
動式舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】操舵のために操舵手段(ステアリングホ
イール)に加えられる操舵トルクの検出結果に基づいて
操舵補助用の電動モータ(以下単にモータという)を駆
動し、該モータの回転力を舵取機構に伝えて舵取りを補
助する電動パワーステアリング装置の一形式として、ス
テアリングホイールと舵取機構とを連絡するコラム軸の
中途に前記モータの回転を伝達し、該コラム軸の回転を
補助するようにしたコラムアシスト形の電動パワーステ
アリング装置がある。
【0003】この電動パワーステアリング装置は、コラ
ム軸を回転自在に支持するハウジングの外側に操舵補助
用のモータを取り付け、該モータの回転を前記ハウジン
グの内部に配設された減速機を介してコラム軸に伝達す
る構成となっている。前記減速機は、小出力のモータに
より十分な操舵補助力を得るために必要であり、省スペ
ースにて高減速比が得られる減速機として、前記モータ
の出力軸に連設されたウォームを前記コラム軸の中途に
嵌着されたウォームホイールに噛合させてなるウォーム
ギヤ減速機が広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の如く構成
されたコラムアシスト形の電動パワーステアリング装置
においては、コラム軸の中途に伝動構成されるモータが
車室の内部に位置するため、該モータから前記コラム軸
への伝動系の消音が重要な課題となっている。伝動系の
消音のためには、前記ウォームギヤ減速機を構成するウ
ォーム及びウォームホイールの噛合音の低減が有効であ
り、このためには、ウォームとウォームホイールとの噛
合部におけるバックラッシを適正化する必要がある。
【0005】しかしながらウォーム及びウォームホイー
ルのバックラッシは、一般的には、両者の芯間距離によ
って定まり、適正なバックラッシを実現するためには、
前記ハウジングの異なる位置にて行われるウォーム及び
ウォームホイールの支持部の加工に高い精度が要求され
るという問題がある。
【0006】この問題を解消するため、従来一般的に
は、芯間距離の公差範囲内に含まれる種々の寸法下にて
適正なバックラッシを実現し得るウォーム及びウォーム
ホイールの組み合わせを複数組用意しておき、ハウジン
グの加工後、個々に実現されている芯間距離に応じて適
正な組を選択して組立てを行わせる方法、所謂、層別組
立て法により適正なバックラッシを与えるようにしてい
る。
【0007】また特開2002-21944号公報には、組立て後
のバックラッシ調整を可能としたウォームギヤ減速機を
備える電動パワーステアリング装置が開示されている。
前記ウォームギヤ減速機は、軸長方向の一側から他側に
向けて連続的にリード角を変化させた特殊なウォーム
(複リードウォーム)を備えると共に、このウォームを
軸長方向に移動させる移動手段を備えて構成されてい
る。
【0008】前記リード角の変化は、軸長方向の一側か
ら他側に向けて、歯厚及び歯溝の幅を連続的に増減せし
めて実現されており、このようなウォームを歯厚が増す
向きに移動させた場合、ウォームホイールとの噛合部に
おけるバックラッシが小さくなり、逆に、歯厚が減じる
向きに移動させた場合、ウォームホイールとの噛合部に
おけるバックラッシが大きくなって、バックラッシを調
整することができる。
【0009】ところが、前記層別組立て法を実施する場
合、複数種類のウォーム及びウォームホイールを用意す
る必要があり、これらの加工、及び選別を含めた組立て
に多大の手間を要するという問題があった。
【0010】また、コラムアシスト形の電動パワーステ
アリング装置においては、前述した噛合音の低減のため
に、少なくとも歯部を樹脂製としたウォーム又はウォー
ムホイールが用いられることがあり、このようなウォー
ム又はウォームホイールを用いた場合、噛合部における
経時的な摩耗が避けられず、前記層別組立て法、又は特
開2002-21944号公報に開示された方法により初期設定さ
れたバックラッシが摩耗の進行によって増加し、適正な
噛合状態が保てなくなって噛合音の増大を招くという問
題があった。
【0011】これらの問題は、コラムアシスト形以外の
電動パワーステアリング装置においても発生し、更に、
ステアリングホイール等の操舵手段から機械的に分離さ
れた舵取機構を備え、該舵取機構に付設された操舵モー
タを前記操舵手段の操作に応じて駆動して、該操舵モー
タの発生力のみにより舵取りを行わせる構成とした分離
式の舵取装置、所謂、ステアバイワイヤ式の舵取装置に
おいても発生する。
【0012】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、操舵に応じて駆動される電動モータの回転を舵
取機構に伝える伝動系にウォームギヤ減速機を備える構
成において、ウォーム及びウォームホイール間のバック
ラッシの初期調整を可能とすると共に、噛合部の摩耗に
よるバックラッシの経時的な増大を吸収することがで
き、長期に亘って適正なバックラッシを保ち、噛合音の
低減を図り得る電動式舵取装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
電動式舵取装置は、操舵に応じて駆動される電動モータ
の回転を、互いに噛合するウォーム及びウォームホイー
ルを備えるウォームギヤ減速機を介して舵取機構に伝え
る構成としてある電動式舵取装置において、前記ウォー
ムは軸長方向の一側から他側に向けて連続的に増大する
リード角を有する複リードウォームとしてあり、該ウォ
ームに一側から弾接し他側に向けて押圧付勢する第1の
弾性体と、前記ウォームに他側から弾接し前記第1の弾
性体よりも小さい力にて一側に向けて押圧付勢する第2
の弾性体とを備えることを特徴とする。
【0014】本発明においては、複リードウォームとし
て構成されたウォームを、これの両側に弾接する第1,
第2の弾性体により、リード角が小さい側から大きい側
に向けて、即ち、歯厚が大きい側から小さい側に向けて
押圧付勢しておき、噛合部の経時的な摩耗によりバック
ラッシが増大したとき、前記第1,第2の弾性体による
押圧付勢によりウォームを軸長方向に移動させ、歯厚が
より大きい部分をウォームホイールに噛合させてバック
ラッシの増大分を吸収し、長期に亘って適正なバックラ
ッシを保ち、噛合音の低減により静粛な動作を可能とす
る。
【0015】また本発明の第2発明に係る電動式舵取装
置は、第1発明におけるウォームを軸長方向に移動させ
前記ウォームホイールとの間のバックラッシを調整する
バックラッシ調整手段を備えることを特徴とする。
【0016】この発明においては、複リードウォームと
して構成されたウォームを軸長方向に移動させるバック
ラッシ調整手段を備え、該バックラッシ調整手段の操作
により組立段階でのバックラッシの調整を可能とする。
【0017】更に本発明の第3発明に係る電動式舵取装
置は、第1発明又は第2発明における第1の弾性体及び
第2の弾性体が、前記ウォームの両側にて該ウォームを
支持する軸受に弾接させてあることを特徴とする。
【0018】この発明においては、ウォームを押圧付勢
する第1の弾性体及び第2の弾性体を、前記ウォームの
両側を支持し非回転状態にある軸受に弾接させ、これら
による押圧付勢を確実に行わせる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る電動
式舵取装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【0020】図示の電動式舵取装置は、コラム軸1を回
転自在に支持するコラムハウジングHの外側に操舵補助
用のモータMを取り付け、該モータMの回転を前記コラ
ムハウジングHの内部に構成されたウォームギヤ減速機
2を介して前記コラム軸1に伝達し、該コラム軸1の下
端部(図における左端部)にユニバーサルジョイントU
を介して連結された図示しない舵取機構に伝えて、該舵
取機構の動作によってなされる操舵を補助するコラムア
シスト形の電動パワーステアリング装置として構成され
ている。
【0021】コラム軸1の上端部(図における右端部)
は、コラムハウジングHの上部に連設された筒形ハウジ
ングH1 の内部に延長され、操舵手段としてのステアリ
ングホイール(図示せず)に連結されており、コラム軸
1は、前記ステアリングホイールの回転操作に応じて回
転するようになしてある。
【0022】コラムハウジングH内部のコラム軸1は、
トーションバー10を介して同軸上に連結された上部軸11
と下部軸12とに分割されており、これらの連結部には、
前記ステアリングホイールの操作に応じて両軸11,12に
加わる操舵トルクを検出する公知のトルクセンサ3が構
成されている。またコラムハウジングHの内部には、下
部軸12の囲繞部分を大径に拡径して、前記ウォームギヤ
減速機2を収容するギヤ室20が設けてあり、操舵補助用
の前記モータMは、前記ギヤ室20の外周部に前記下部軸
12と略直交する軸心を有して取り付けられている。
【0023】ウォームギヤ減速機2は、前記モータMか
らの伝動により回転するウォーム21と、下部軸12の中途
に嵌着されたウォームホイール22とを備えている。ウォ
ームホイール22は、下部軸12に嵌着された金属製のボス
部 22aと、該ボス部 22aの外側にモールド成形された樹
脂製の環状歯部 22bとを備えており、該環状歯部 22bの
外周に前記ウォーム21が噛合させてある。
【0024】以上の如く構成された電動パワーステアリ
ング装置において、操舵補助用のモータMは、前記トル
クセンサ3による操舵トルクの検出結果に基づいて、図
示しない制御部から与えられる動作指令に応じて駆動制
御される。このモータMの回転は、前記ウォーム21及び
ウォームホイール22の噛合部において所定の減速比にて
減速され、該ウォームホイール22が嵌着された下部軸12
に伝わり、更に、ユニバーサルジョイントUを介して舵
取機構に伝えられて、該舵取機構の動作による操舵が補
助される。
【0025】前記トルクセンサ3による検出トルクは、
操舵のためのステアリングホイールの回転操作に応じて
上部軸11及び下部軸12に伝達されるトルクであり、この
検出トルクに基づいて操舵補助用のモータMを駆動制御
することにより適正な操舵補助がなされる。なお、操舵
トルクの検出結果に基づく前記モータMの制御におい
て、車速、操舵角度、ヨーレート等の走行状態の検出結
果に基づく補正を実施することにより、走行状態に適合
する補助力特性を実現することが可能である。走行状態
に基づく補正の手順については、従来から多くの発明が
なされており、これらのうちから適宜の手順を選定すれ
ばよい。
【0026】前記ウォーム21及びウォームホイール22を
備えるウォームギヤ減速機2においては、コンパクトな
構成により大なる減速比が得られるから、小出力のモー
タMにより所望の操舵補助が可能となり、ウォームギヤ
減速機2を含めてコラム軸1の中途に無理なく配設する
ことができる。また樹脂製の環状歯部 22bを備えるウォ
ームホイール22が用いられていることから、ウォーム21
との噛合音を低レベルに抑えて静粛な動作が可能とな
る。
【0027】更に、図1に示す電動パワーステアリング
装置は、ウォーム21及びウォームホイール22の噛合部に
おけるバックラッシを適正に保ち、噛合音を低レベルに
抑えるために以下に示す特徴的な構成を備えている。図
2は、図1におけるII−II線によるギヤ室20の横断面図
であり、該ギヤ室20の内部において噛合するウォーム21
及びウォームホイール22が示されている。
【0028】コラムハウジングHは、ギヤ室20の外周の
一か所に連設され、接線方向に延びる円筒形のウォーム
室23を備えており、操舵補助用のモータMは、前記ウォ
ーム室23の一側端部を同軸的に拡径して設けられたモー
タ座24にフランジ固定されている。このように固定され
たモータMの出力軸25は、ギヤ室20内部のウォームホイ
ール22の外周に沿って、これの軸心に直交するようにウ
ォーム室23の内部に延設されており、ウォーム室23の他
側端部に内嵌された軸受26により先端部を支持され、ま
たモータMの内部に固着された軸受27,28により、基端
部及び中間部を夫々支持されている。
【0029】ウォーム21は、以上の如き出力軸25の中途
部を前記軸受26,28による支持部間にて拡径して一体形
成され、前記ウォームホイール22に噛合させてある。こ
のウォーム21は、軸長方向の一側(軸受26による支持
側)から他側(軸受28による支持側)に向けて連続的に
増加するリード角を有する複リードウォームとして構成
されている。
【0030】図3は、ウォーム21とウォームホイール22
との噛合状態の説明図である。図示の如くウォーム21の
リード角の増加は、その外周に螺旋状をなして形成され
たウォーム歯の歯厚を、一側(図の右側)から他側(図
の左側)に向けて連続的に増し、これに応じて歯溝の幅
を連続的に減じて実現されている。一方、このようなウ
ォーム21に噛合するウォームホイール22外周の歯は、全
周に亘って一定の歯厚及び歯溝の幅を有して形成されて
おり、周方向の一か所にてウォーム21に噛合させてあ
る。
【0031】而して、このような噛合下にあるウォーム
21を、図中に白抜矢符により示す如く軸長方向に移動さ
せた場合、該ウォーム21は、歯厚が大きい部分又は小さ
い部分にてウォームホイール22に噛合するようになり、
この噛合部におけるバックラッシ(歯面間の遊び)は、
図の右向きの移動に応じて小さくなり、左向きの移動に
応じて大きくなる。
【0032】図2に示す如く、以上の如きウォーム21が
一体形成された出力軸25は、両端部の軸受26,27により
ラジアル及びスラスト方向に支持され、中間部の軸受28
によりラジアル方向に支持されている。出力軸25の一端
部を支持する軸受26は、ウォーム室23の同側開口部内周
に設けられたねじ部に螺合する調整キャップ29に対向さ
せてあり、該調整キャップ29と前記軸受26の外輪との間
には、板ばねを用いてなる第1の弾性体31が介装されて
いる。軸受26の内輪の他側は、ウォーム21の同側端面に
当接させてある。
【0033】また出力軸25の他端部を支持する軸受27
は、モータMの同側の内壁に対向させてあり、該内壁と
の前記軸受27の外輪との間には、板ばねを用いてなる第
2の弾性体32が介装されている。また軸受27の内輪の他
側は、出力軸25の該当位置に設けられた段部に当接させ
てある。
【0034】以上の構成により前記出力軸25、及びこれ
と一体形成されたウォーム21は、前記軸受26を介して加
わる第1の弾性体31のばね力により、図における右向き
に押圧付勢され、また前記軸受27を介して加わる第2の
弾性体32のばね力により、図における左向きに押圧付勢
された状態にある。ここで第2の弾性体32は、第1の弾
性体31よりもばね定数の小さい板ばねとしてあり、ウォ
ーム21は、両者のばね力の力バランスにより、軸受26に
よる支持側から軸受28による支持側に向けて、即ち、ウ
ォームホイール22との噛合部におけるバックラッシが減
少する側に向けて押圧付勢されている。
【0035】また、前記出力軸25の軸受26による支持側
の端部に対向する前記調整キャップ29は、外部からの回
転操作によりウォーム室23に対して螺進し、前記軸受26
に対して接離移動することができる。調整キャップ29が
軸受26に接近せしめられた場合、出力軸25及びウォーム
21は、第1の弾性体31及び軸受26を介して加わる押圧力
の増大により図の右向きに移動せしめられ、ウォームホ
イール22との噛合部におけるバックラッシが小さくな
る。
【0036】逆に調整キャップ29が軸受26から離反せし
められた場合、出力軸25及びウォーム21は、第1の弾性
体31及び軸受26を介して加わる押圧力の減少により図の
左向きに移動せしめられ、ウォームホイール22との噛合
部におけるバックラッシが大きくなる。このような調整
キャップ29の螺進操作は、組立て時におけるウォーム21
とウォームホイール22との間のバックラッシの初期調整
のために行われ、このバックラッシ調整を終えたウォー
ム21及びウォームホイール22は、実質的にバックラッシ
無しの状態で噛合し、前記モータMから前記コラム軸1
への回転伝達に際して発生するウォーム21及びウォーム
ホイール22の噛合音を低レベルに保つことができ、静粛
な動作が可能となる。
【0037】なお以上の如き初期調整を終えた調整キャ
ップ29は、例えば、ウォーム室23の端面へのロックナッ
ト30の締め付けにより移動不可に固定し、運転中の外力
の作用による調整キャップ29の位置ずれを防止するのが
望ましい。
【0038】また、ウォームホイール22は、樹脂製の環
状歯部 22bを介してウォーム21に噛合させてあり、この
環状歯部 22bがウォーム21との噛合の繰り返しにより摩
耗して、初期調整されたバックラッシが増大する場合が
ある。ここで前記ウォーム21は、前述の如く介装された
第1の弾性体31及び第2の弾性体32の力バランスによ
り、ウォームホイール22との噛合部におけるバックラッ
シが減少する側に向けて押圧付勢されているから、前記
摩耗によりバックラッシが増大した場合、前記ウォーム
21が図2中に矢符にて示す向きに移動し、バックラッシ
の増加分が吸収される。これによりウォーム21及びウォ
ームホイール22は、適正なバックラッシを維持すること
ができ、噛合音が小さい静粛な運転を長期に亘って継続
することが可能となる。
【0039】なお、第1の弾性体31及び第2の弾性体32
の力バランスにより生じるウォーム21の実際の移動量
は、ウォームホイール22の摩耗量に応じて異なるが、10
〜20μm程度であり、第1,第2の弾性体31,32として
用いられる板ばねに大なる変形ストロークは不要であ
り、また前記ウォーム21の移動が、モータMの内部にお
いて図示しないロータとステータとの位置関係に与える
影響は小さく、モータ効率及び駆動力の低下を招く虞れ
はない。
【0040】また以上の実施の形態においては、第1,
第2の弾性体31,32として板ばねを用いているが、コイ
ルばね等の他のばねを用いてもよく、更には、ゴム等の
弾性材料製のリングを用いてもよい。
【0041】また以上の実施の形態においては、第1,
第2の弾性体31,32によるウォーム21の押圧付勢を、こ
れの両側を支持する軸受26,27を介して行わせる構成と
してあるが、ウォーム21を直接的に押圧付勢する構成と
してもよい。但し、実施の形態に示す如く、非回転状態
にある前記軸受26,27の外輪を押圧付勢することによ
り、安定した付勢を行わせることができる。
【0042】また以上の実施の形態においては、操舵補
助用のモータMの出力軸25にウォーム21を一体形成して
ある構成について述べたが、前記ウォーム21を前記出力
軸25と別体に設けたウォーム軸に形成し、該ウォーム軸
の両側を第1,第2の弾性体により押圧付勢する構成と
してもよい。
【0043】更に以上の実施の形態においては、コラム
アシスト形の電動パワーステアリング装置への適用例に
ついて述べたが、本発明は、他の形式の電動パワーステ
アリング装置においても、操舵補助用のモータから舵取
機構への伝動系の中途にウォームギヤ減速機を備える場
合に適用可能である。また、ステアリングホイールから
機械的に分離された舵取機構を備え、該舵取機構に付設
された操舵モータを前記操舵手段の操作に応じて駆動し
て、該操舵モータの発生力のみにより舵取りを行わせる
構成とした分離式の舵取装置、所謂、ステアバイワイヤ
式の舵取装置においても、前記操舵モータから舵取機構
への伝動系のの中途にウォームギヤ減速機を備える場合
に適用可能である。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る電動式舵
取装置においては、モータの回転を舵取装置に伝達する
ウォームギヤ減速装置のウォームを複リードウォームと
し、このウォームを、該ウォームの両側に弾接する第
1,第2の弾性体の力バランスによりリード角が増大す
る側に押圧付勢したから、ウォームホイールとの噛合部
の摩耗によるバックラッシの増大時にウォームが軸長方
向に移動し、歯厚が大きい部分がウォームホイールに噛
合してバックラッシの増加分が吸収され、長期に亘って
適正なバックラッシを保つことができ、噛合音の低減に
より静粛な動作が可能となる等、本発明は優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コラムアシスト形の電動パワーステアリング装
置として構成された本発明に係る電動式舵取装置の要部
の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II線によるギヤ室の横断面図
である。
【図3】ウォームとウォームホイールとの噛合状態の説
明図である。
【符号の説明】
1 コラム軸 2 ウォームギヤ減速機 3 トルクセンサ 20 ギヤ室 21 ウォーム 22 ウォームホイール 23 ウォーム室 26 軸受 27 軸受 29 調整キャップ(バックラッシ調整手段) 31 第1の弾性体 32 第2の弾性体 H コラムハウジング M モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大須賀 章朗 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 Fターム(参考) 3D033 CA02 CA04 CA12 CA13 CA16 CA17 CA21 3J009 DA03 EA06 EA19 EA23 EA32 EB30 EC02 FA08 3J030 AB06 BA03 BD06 CA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵に応じて駆動される電動モータの回
    転を、互いに噛合するウォーム及びウォームホイールを
    備えるウォームギヤ減速機を介して舵取機構に伝える構
    成としてある電動式舵取装置において、 前記ウォームは軸長方向の一側から他側に向けて連続的
    に増大するリード角を有する複リードウォームとしてあ
    り、 該ウォームに一側から弾接し他側に向けて押圧付勢する
    第1の弾性体と、 前記ウォームに他側から弾接し前記第1の弾性体よりも
    小さい力にて一側に向けて押圧付勢する第2の弾性体と
    を備えることを特徴とする電動式舵取装置。
  2. 【請求項2】 前記ウォームを軸長方向に移動させ前記
    ウォームホイールとの間のバックラッシを調整するバッ
    クラッシ調整手段を備える請求項1記載の電動式舵取装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1の弾性体及び第2の弾性体は、
    前記ウォームの両側にて該ウォームを支持する軸受に弾
    接させてある請求項1又は請求項2記載の電動式舵取装
    置。
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