JP2003326999A - 四輪駆動・前輪増速駆動切換機構 - Google Patents

四輪駆動・前輪増速駆動切換機構

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JP2003326999A JP2002137498A JP2002137498A JP2003326999A JP 2003326999 A JP2003326999 A JP 2003326999A JP 2002137498 A JP2002137498 A JP 2002137498A JP 2002137498 A JP2002137498 A JP 2002137498A JP 2003326999 A JP2003326999 A JP 2003326999A
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Yasuyuki Narumiya
靖幸 成宮
Nobuyuki Abe
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Tomohito Amaya
智人 天谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の四輪駆動・前輪増速駆動切換機構で、
四輪駆動側と前輪増速駆動側のそれぞれに油圧式クラッ
チを備えているものがあるが、この機構ではエンジンの
停止によりクラッチの接続能力が低下し、前輪の駆動経
路が絶たれて前輪の制動力が低下してしまう。 【解決手段】 四輪駆動と、前輪増速速駆動に切換可能
とした走行車両において、前輪1への駆動出力軸である
前輪駆動出力軸30と一体的に回動するシリンダ80に
四駆クラッチピストン81・82を摺動可能に内挿し、
一方の四駆クラッチピストン81と標準駆動入力歯車5
0との間に常時咬合すべく付勢されている爪式クラッチ
を設け、他方のクラッチピストン82と増速駆動入力歯
車60との間に摩擦式クラッチを設け、これらのクラッ
チをエンジン5の動力を受けて駆動される油圧ポンプ8
6からの作動油によって個々に切換可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ等の走行
車両において、四輪駆動と前輪増速駆動を切り換えるク
ラッチの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラクタ等の走行車両において、
ステアリングハンドルの操作量や、前輪の切れ角の変化
等により、車体の旋回操作を検出し、車体の旋回時には
後輪の周速度よりも前輪の周速度を増速するよう駆動を
切り換えることにより車体の旋回速度を速くしながら圃
場面を荒らさないようにする前輪増速機構を備えたもの
が知られている。これらの四輪駆動状態と前輪増速駆動
状態の切換機構では、例えば、特開2001−3283
65号公報に掲載の技術のように、四輪駆動用及び前輪
増速駆動用の油圧式クラッチをそれぞれ備え、個々のク
ラッチを断接操作することにより四輪駆動状態と前輪増
速駆動状態とを切り換えるよう構成されている。そし
て、油圧式クラッチはエンジンにより駆動されるポンプ
から送られる作動油により断接操作される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の四輪駆
動状態と前輪増速駆動状態の切換機構では、エンジンが
停止すると油圧ポンプも停止されて作動油の圧力が低下
するため、クラッチの切換操作が不能となり、前輪の駆
動経路が絶たれるため、前輪が制動されなくなる。そこ
で、本発明では、確実に四輪駆動と前輪増速駆動が切換
可能であり、且つ、エンジンが停止した状態であって
も、前輪への制動力の低下することのない切換機構を提
供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0005】即ち、請求項1においては、前輪への駆動
出力軸である前輪駆動出力軸への動力伝達状態を、前輪
を後輪の周速と略同速に駆動する四輪駆動状態と、前輪
を後輪の周速よりも増速して駆動する前輪増速速駆動状
態に切換可能とした走行車両において、前記前輪駆動出
力軸上に切換クラッチを設け、該切換クラッチを二つの
摺動体を順次摺動させるとともに、一方の摺動体の摺動
により四輪駆動状態を解除し、続いて他方の摺動体によ
り前輪増速速駆動状態に切り換えるように構成したもの
である。
【0006】請求項2においては、請求項1に記載の四
輪駆動・前輪増速駆動切換機構において、前記切換クラ
ッチを、前記前輪駆動出力軸と一体的に回動するシリン
ダと、該シリンダに収納される摺動体となる二個のクラ
ッチピストンと、該クラッチピストンを付勢する弾性体
等で構成し、一方のクラッチピストンと標準駆動入力歯
車との間に爪式クラッチを設け、他方のクラッチピスト
ンと増速駆動入力歯車との間に摩擦式クラッチを設けた
ものである。
【0007】請求項3においては、請求項2に記載の四
輪駆動・前輪増速駆動切換機構において、前記爪式クラ
ッチは弾性体にて咬合するよう常時付勢されているもの
である。
【0008】請求項4においては、請求項2又は請求項
3に記載の四輪駆動・前輪増速駆動切換機構において、
前記切換クラッチを油圧作動式とし、シリンダ内に二つ
のシリンダ室を形成して互いに連通し、標準駆動入力歯
車側のシリンダ室に圧油を供給するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明の実施例に係るトラクタの全体的な構
成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は動力伝
達構成を示したスケルトン図、図4は動力伝達構成を示
すミッションケースの断面展開図である。図5はクラッ
チハウジングを示す前斜視図、図6はクラッチハウジン
グの構造を示す断面図、図7はクラッチハウジングを示
す後斜視図である。図8は副変速レバー非操作時のガイ
ド機構を示す説明図、図9は副変速レバー操作時のガイ
ド機構を示す説明図である。図10は本発明の四輪駆動
・前輪増速駆動切換機構を示すミッションケース下部の
側面断面図、図11は四輪駆動・前輪増速駆動切換機構
の拡大図、図12は四輪駆動・前輪増速駆動切換機構の
制御を示すフローチャート図である。図13はブレーキ
ペダルの連結機構を示すブレーキペダルの正面図、図1
4は同じく側面図、図15はブレーキペダルの連結機構
の別形態を示すブレーキペダルの背面図、図16はブレ
ーキペダルの連結制御を示すブロック図、図17はブレ
ーキペダルの連結制御を示すフローチャート図である。
【0010】図1及び図2に示す如く、この走行車両は
トラクタを実施例としており、本機の前後に前輪1・1
及び後輪2・2が支承され、前部のボンネット6内部に
はエンジン5が配置され、該ボンネット6の後方にはス
テアリングハンドル10が配設されている。前記ステア
リングハンドル10の後方には座席11が配設され、該
座席11の側部には主変速レバー77や副変速レバー7
3等の操作レバーが配設されている。
【0011】また、エンジン5の後部にクラッチハウジ
ング7が配置され、該クラッチハウジング7の後部にミ
ッションケース9が配設され、エンジン5からの動力を
後輪2に伝達して駆動し、後述する本発明の四輪駆動・
前輪増速駆動切換機構79を介して前輪1にも同時に駆
動力を伝達することを可能としている。
【0012】なお、ミッションケース9やクラッチハウ
ジング7には、外部と内部との間に介在する外壁127
と、内部と内部との間に介在する内壁128が存在する
が、内壁128には凹凸が形成され、外壁127には外
側に凸となる形状のリブが存在しない状態に形成され
て、ミッションケース9やクラッチハウジング7の剛性
の向上が図られるとともに、土や水の付着の要因となる
外側に凸となる形状のリブが廃止されている。また、ク
ラッチハウジング7やミッションケース9の上面の凸状
のリブを廃止することで、クラッチハウジング7やミッ
ションケース9の上面に位置する、ステップ中央の膨ら
みを低減させている。
【0013】一例として、図5ではクラッチハウジング
7を示している。クラッチハウジング7の内壁128に
は、図6にも示す如く、ミッションケース9が接続され
る側(7a)が凹、反対側に凸となる複数の凸部126
・126・・・が一体的に形成されている。該凸部12
6・126・・・により内壁128の剛性を向上して、
外壁127に十分な剛性を付与している。特に、アルミ
ダイキャスト製のクラッチハウジングでは、外壁に内部
に対して凸状のリブが形成されると、抜き勾配が必要と
なることから、リブの深さに従って肉厚となるが、内壁
128を外壁127の補強部として利用することでクラ
ッチハウジング7の内壁128及び外壁127の肉厚を
均等にすることができる。また、肉厚が均等になるた
め、外壁127の内側に放射状のリブを形成することが
可能となり強度確保が容易となる。また、図7にも示す
如く、前記凸部126・126・・・の間は、ミッショ
ンケース9側に対して開放された複数の小空間(小部
屋)を形成することから、ミッションケース9内部より
発生する放射音の減衰を図ることができる。
【0014】前記エンジン5の駆動力はミッションケー
ス9後端から突出したPTO軸15に伝達されて、該P
TO軸15から図示しないユニバーサルジョイント等を
介して車両後端に作業機装着装置を介して装着した作業
機100を駆動するように構成している。そして、前記
座席11前下方のステップ上にはクラッチを断接操作す
るためのクラッチペダル16とブレーキペダルが配設さ
れている。
【0015】前記ボンネット6の前方には、フロントウ
エイト取付部53が設けられ、ここに、車両の前後バラ
ンスを調節する化粧ウエイト54が装着されている。該
化粧ウエイト54は、左右方向に横架されており、その
幅は、ボンネット6の横幅より左右にそれぞれ幅Wだけ
大きく、座席11に着座した状態の操縦者から見れば、
化粧ウエイト54がボンネット6の左右側方にはみ出し
た状態に見える。このように構成した化粧ウエイト54
は、操縦者が目視により畦と車両との距離を決定する目
安となり、枕地旋回時に、枕地距離を略一定にすること
ができ、また、必要以上に枕地距離が生じることのない
ようにしている。
【0016】次に、動力伝動系の構成について図3及び
図4より説明する。前記クラッチハウジング7内には多
板式の主クラッチ21が収納され、前記クラッチペダル
16に連係されている。そして、前記エンジン5の出力
軸(クランク軸)22の回転が主クラッチ21に入力さ
れ、該主クラッチ21の出力軸23は車両後方に延出さ
れ、PTOクラッチ軸29と同一軸心に配設されてい
る。
【0017】前記出力軸23の後端上に伝動歯車64と
PTO三速爪64aが配置され、PTOクラッチ軸29
上には三枚のPTO変速歯車、すなわち、PTO一速歯
車61、PTO二速歯車62、PTO逆転歯車63、が
遊嵌される。該PTO変速歯車61・62と伝動歯車6
4は、主軸25に固設あるいは形設した三枚の前記伝達
歯車41・42・44に噛合しており、PTO逆転歯車
63はカウンタ歯車37を介して伝達歯車43と噛合
し、後述するPTOクラッチスライダ93・94の摺動
により、伝達歯車41・42・43・PTO三速爪64
aからPTOクラッチ軸29に回転駆動力が伝達され
る。
【0018】また、PTOクラッチ軸29には二つのP
TOクラッチスライダ93・94が軸方向摺動可能にス
プライン嵌合されており、該PTOクラッチスライダ9
3・94は、図略のPTO変速レバーに連係されてい
る。そして、PTO変速レバーの操作によりPTOクラ
ッチスライダ93・94とPTO一速歯車61、PTO
二速歯車62、PTO逆転歯車63に形成した爪とPT
O三速爪64aとの咬合を選択しPTOクラッチ軸29
に回動力が伝達される。前記PTOクラッチ軸29の回
転動力は減速歯車91を介してPTO軸15伝達され、
該PTO軸15は後方に延出され、作業車後端に接続さ
れた作業機100を駆動する。
【0019】前記主軸25に固設あるいは形設した四枚
の前記伝達歯車41・42・43・44は、主変速軸2
4にそれぞれ遊嵌された主変速歯車、すなわち、主変速
一速歯車31、主変速二速歯車32、主変速三速歯車3
3、主変速四速歯車34と噛合している。主変速軸24
には二つの主変速クラッチスライダ51・52が軸方向
摺動可能にスプライン嵌合されており、該主変速クラッ
チスライダ51・52は、主変速レバー77に連係され
ている。そして、主変速レバー77の操作により主変速
クラッチスライダ51・52と主変速一速歯車31、主
変速二速歯車32、主変速三速歯車33、主変速四速歯
車34に形成した爪との咬合を選択し、選択されたいず
れか一つの主変速歯車31・32・33・34を介して
主軸25から主変速軸24へ動力が伝達される。このよ
うにして、四段階の変速を可能とした主変速装置を構成
し、主軸25からの変速後の回転が主変速軸24に伝達
される。
【0020】そして、主変速軸24は前方に延長され
て、該延長部分には正逆転機構が構成されて正転側歯車
26及び逆転側歯車27がそれぞれ同一軸心上に遊嵌さ
れている。そして、リバーサレバー71(図2)の操作
によりリバーサクラッチ57が前進側又は後進側いずれ
かが選択されて接続され、主変速軸24の回転は正転側
歯車26又は逆転側歯車27のいずれかに伝達される。
但し、リバーサレバー71がニュートラル位置の場合
は、回転は両歯車26・27のいずれにも伝達されな
い。
【0021】正転側歯車26は伝達軸48に嵌合又は固
設された歯車45に噛合しており、また、逆転側歯車2
7は、カウンタ軸38に嵌合又は固設されたカウンタ歯
車39に噛合しており、該カウンタ歯車39は伝達軸4
8に嵌合又は固設された歯車47と噛合している。従っ
て、リバーサクラッチ57が前進側に接続されたときに
は、主変速軸24の回転動力が正転側歯車26を介して
伝達軸48に伝達され、リバーサクラッチ57が後進側
に接続されたときには、主変速軸24の回転動力が、逆
転側歯車27から、カウンタ軸38を介して伝達軸48
を逆転方向に回転するよう伝達される。
【0022】伝達軸48に嵌合又は固設された歯車45
は、前記正転側歯車26と噛合するとともに、副変速軸
35に遊嵌した歯車59に噛合している。副変速軸35
には副変速シフタ92がスプライン嵌合しており、該副
変速シフタ92は副変速レバー73によって操作され、
副変速シフタ92の前部に形成された副変速二速歯92
aと、前記歯車59の後部に形成された歯59aが噛合
する状態と、副変速シフタ92に設けられた副変速一速
歯92bと、伝達軸48に形成された歯車46が噛合す
る状態と、副変速シフタ92に回転動力が伝達されない
状態に、切換可能とした副変速装置が構成されている。
そして、副変速シフタ92の摺動に基づく選択により、
伝達軸48の回転が二段の変速を経て出力され、副変速
軸35に入力される。
【0023】ところで、副変速レバー73を高速操作位
置から低速操作位置に(又は、逆方向に)切り換える際
には、まず、副変速シフタ92に形成された嵌合溝92
dに副変速レバー73を嵌入させ、副変速レバー73を
回動させて副変速シフタ92を移動させる。しかし、副
変速シフタ92が可動であるために、副変速レバー73
が嵌合溝92dの縁92fに当接して嵌合溝92dに嵌
入し難く、変速操作フィーリングを損ねるという不具合
があった。そこで、副変速レバー73にガイド機構55
を設けて、副変速レバー73が嵌合溝92dに良好に嵌
入できるようにして、変速操作フィーリングを向上させ
ている。なお、このガイド機構55は副変速レバー73
のみに限定されるものではなく、他の操作レバーにも適
応させることができる。
【0024】図8及び図9に示す如く、副変速レバー7
3をガイドするガイド体130は、略円柱状体であっ
て、嵌合溝92dに挿入側の端部にフランジ130aが
形成されている。但し、ガイド体130の形状は柱状体
に限定されるものではなく、多角形柱状体とすることも
できる。前記ガイド体130は、副変速レバー73に形
成された嵌入孔73cに貫通され、止め輪131にてガ
イド体130から副変速レバー73の抜け止めが為され
ている。そして、ガイド体130にはバネ132が外嵌
され、該バネ132の一側はガイド体130のフランジ
130aに、他側は副変速レバー73に当接している。
該バネ132によって副変速レバー73は止め輪131
側に押圧されている。また、前記ガイド体130の軸部
には、嵌合溝92dに向けて開口する円柱状の溝130
bが形成されて、該溝130bに球体134が嵌入さ
れ、該溝130bの奥部と球体134の間にバネ133
が介装されている。球体134はバネ133によって嵌
合溝92d側へ押圧されている。
【0025】上述の構成において、副変速レバー73非
操作時(図8)には、副変速シフタ92の嵌合溝92d
から副変速レバー73が出た状態にある。そして、副変
速レバー73を操作時(図9)には、副変速レバー73
を副変速シフタ92の嵌合溝92d側に移動操作する
と、副変速レバー73に押圧されてバネ132が縮み、
バネ132の弾性力によって、ガイド体130が嵌合溝
92d側へ押圧される。嵌合溝92dの略中心奥部に
は、落溝92eが形成されており、ガイド体130が嵌
合溝92d側へ押圧されると、バネ133が縮んでその
弾性力により球体134が嵌合溝92d側にさらに強く
押圧されることにより、球体134が落溝92eに嵌入
するよう移動する。球体134が落溝92eに嵌入すれ
ば、ガイド体130は嵌合溝92dの略中心にあること
になり、従って、副変速レバー73を嵌合溝92d側へ
さらに移動することにより副変速レバー73は嵌合溝9
2dの縁92fに当接することなく嵌合溝92dに嵌入
される。
【0026】上述の如く副変速装置によって変速されて
伝達軸48より副変速軸35に伝達された回転動力は、
該副変速軸35上の三つの歯車49・19・20によっ
て、後輪駆動系と前輪駆動系の二方向に出力される。前
記ミッションケース9後部には後輪デフ装置66bが配
置され、前記副変速軸35の回転が、その後端に形設し
た傘歯車20を介して該後輪デフ装置66bに入力さ
れ、リアアクスルケース内の車軸、伝達歯車等を経由し
て後輪2が駆動される。96はブレーキ装置である。ま
た、本発明の四輪駆動・前輪増速駆動切換機構79によ
って、副変速軸35上に固設した歯車19より前輪駆動
出力軸30上に遊嵌した標準駆動入力歯車50を介し
て、又は、副変速軸35上に固設した歯車49より前輪
駆動出力軸30上に遊嵌した増速駆動入力歯車60を介
して、前輪駆動出力軸30に入力された動力が、前輪駆
動出力軸30の前端に連結する前輪伝達軸14に伝えら
れて、ユニバーサルジョイント等を介して前輪側のデフ
装置66aに入力され、フロントアクスルケース内の車
軸、伝達歯車等を介して前輪1が駆動される。
【0027】次に本発明の四輪駆動・前輪増速駆動切換
機構79について説明する。四輪駆動・前輪増速駆動切
換機構79により、四輪駆動状態での走行時に、自動切
換モードとしたときには、前輪1の切れ角より車体の旋
回操作が検出され、設定角度以上前輪1がきられると、
後輪2の周速度よりも前輪1の周速度を増速する前輪増
速駆動状態に自動的に切り換えられて、車体が速やかに
旋回できるように制御される。
【0028】前記前輪駆動出力軸30は前記ミッション
ケース9の前下部に、出力軸23や主変速軸24やPT
O軸15等と平行に前後方向にベアリングを介して回転
自在に支持され、前輪駆動出力軸30の前端はミッショ
ンケース9より前方に突出されている。
【0029】図10に示す如く、前輪駆動出力軸30上
には標準駆動入力歯車50及び増速駆動入力歯車60が
それぞれベアリングを介して遊嵌され、これらの歯車5
0・60の間にシリンダ80が前輪駆動出力軸30に固
設されている。該シリンダ80には、標準駆動入力歯車
50側及び増速駆動入力歯車60側に四駆クラッチピス
トン81及び増速クラッチピストン82の二個のシリン
ダピストンが摺動可能に内挿されている。
【0030】前記四駆クラッチピストン81及び増速ク
ラッチピストン82とシリンダ80に設けられたバネ受
けの間には、弾性係数の異なる弾性体して、バネ荷重特
性の異なるバネ83・84が介装されている。本実施例
では径の異なるバネ83・84を採用して、四駆クラッ
チピストン81及び増速クラッチピストン82はいずれ
も、シリンダ80の前後略中央に形成された仕切壁80
e側へ押圧されるよう付勢されるが、四駆クラッチピス
トン81より、増速クラッチピストン82がより強く仕
切壁80eへ押圧されるようにしている。
【0031】標準駆動入力歯車50と、四駆クラッチピ
ストン81の内周部であって標準駆動入力歯車50が対
向する面にはそれぞれ咬合体となるクラッチ爪50b・
81aが形成されて爪式クラッチが設けられ、前記バネ
83の付勢力によりクラッチ爪50b・81aが咬合す
るように構成している。さらに、四駆クラッチピストン
81の外周部に形成されたクラッチ爪81bと、シリン
ダ80に形成されたクラッチ爪80aが咬合している。
従って、四駆駆動状態では、副変速軸35上の歯車19
から標準駆動入力歯車50に入力された動力は、標準駆
動入力歯車50→四駆クラッチピストン81→シリンダ
80→前輪駆動出力軸30という経路によって前輪駆動
系へ伝達され、前輪1は後輪2の周速と略同速となるよ
う回転駆動される。
【0032】また、増速駆動入力歯車60と、シリンダ
80の内周部であって増速駆動入力歯車60が対向する
側にはそれぞれ摩擦板60b・80bが設けられ、増速
クラッチピストン82の増速駆動入力歯車60と対向す
る面には、摩擦板60b・80bを押圧して摩擦力を発
生させる押圧体98が設けられて、油圧式摩擦クラッチ
が形成されている。そして、前記バネ84の付勢力によ
って、摩擦板60b・80b間に摩擦が生じない状態
に、増速クラッチピストン82が付勢されている。
【0033】そして、前輪増速駆動状態では、押圧体9
8が増速駆動入力歯車60へ移動して、摩擦板60b・
80bが押圧されれば、増速駆動入力歯車60とシリン
ダ80が連結されて、一体となって回転する。従って、
副変速軸35上の歯車49から増速駆動入力歯車60に
入力された動力は、増速駆動入力歯車60→シリンダ8
0→前輪駆動出力軸30という経路によって前輪駆動系
へ伝達され、前輪1は後輪2の周よりも増速して回転駆
動される。
【0034】次に、上述の如く構成した四輪駆動・前輪
増速駆動切換機構79の四駆クラッチピストン81と増
速クラッチピストン82の制御について説明する。図1
0及び図11に示す如く、前記前輪駆動出力軸30内に
は、油圧ポンプ86からの圧油が送られる油路30a・
30cが形成され、さらに、前記シリンダ80に形成さ
れた仕切壁80eには油路80dが形成され、これらの
油路30a・30c・80dを介して、油圧ポンプ86
からの作動油を四駆クラッチピストン81の配設された
四駆側シリンダ室Haに圧送できるようにしている。さ
らに、仕切壁80eと、増速クラッチピストン82に
は、四駆側シリンダ室Haと、増速側シリンダ室Hbと
を連通する油路80c・82aが形成されている。
【0035】また、前輪駆動出力軸30に穿設した油路
30aはミッションケース9上またはその前部に連設し
たクラッチハウジング7に付設した切換バルブ85と接
続され、該切換バルブ85は油圧ポンプ86と接続され
ている。前記切換バルブ85は電磁バルブより構成さ
れ、該切換バルブ85を構成するソレノイド85cは制
御装置101と接続されている。制御装置101よりソ
レノイド85cに送信された信号により、切換バルブ8
5は、OFF信号のとき四輪駆動側弁85bに、また、
ON信号のとき増速駆動側弁85aに、切り換えられ
る。なお、上述の如く構成した切換バルブ85では、該
切換バルブ85を切換制御するソレノイド85cと制御
装置101の間に構成される回路は、ONとOFFとを
切り換える一回路のみでよく、また、回路を構成する加
工コストが削減されて、コストの削減に寄与している。
【0036】また、前記制御装置101には、前輪1の
ステアリング切れ角を検出するための切れ角センサ89
が電気的に接続されている。該切れ角センサ89は、前
輪1に設けられたキングピン88に設けられている。な
お、切れ角センサ89はステアリングハンドル10や、
ステアリング軸等に設けることもできる。
【0037】そして、制御装置101には、自動切換モ
ードのON/OFFを切り換える切換スイッチ102が
接続されている。切換スイッチ102は前記ステアリン
グハンドル10または座席11近傍に配置されて、走行
時や作業時等において操縦者が容易に操作できるように
している。前記自動切換モードがONのときには、前輪
1の切れ角に基づいて、四輪駆動状態から自動的に前輪
増速駆動状態に、すなわち、切換バルブ85を四輪駆動
側弁85bから増速駆動側弁85aに切換制御される。
また、前輪1の切れ角に基づいて、前輪増速駆動状態か
ら自動的に四輪駆動状態に、すなわち、切換バルブ85
を増速駆動側弁85aから四輪駆動側弁85bに自動的
に切換制御される。そして、自動切換モードがOFFの
ときには、四輪駆動状態が保持され、切換バルブ85は
四輪駆動側弁85bに固定される。
【0038】次に、自動切換モード時の制御を図12に
示すフローチャートを用いて説明する。制御装置101
は、切換スイッチ102からのON/OFF信号によ
り、自動切換モードがONとされる(150)と、切れ
角センサ89からの情報による、前輪1の切れ角θと、
予め設定した切換角度βとを比較する(152)。自動
切換モードがONのときには、常に切れ角θと切換角度
βの比較が行われるが、切換スイッチ102がOFFと
なれば、その時点で自動切換制御は終了する(15
1)。そして、切れ角θが切換角度β以上であれば、制
御装置101から、切換バルブ85を増速駆動側弁85
aに切り換えるようソレノイド85cにON信号が送信
される(154)。
【0039】切換バルブ85が、増速駆動側弁85aに
切り換われば、油圧ポンプ86から、油圧ポンプ86→
油路30a→油路30c→油路80d→四駆側シリンダ
室Ha、という経路により作動油が四駆側シリンダ室H
aに圧送される。これにより、四駆クラッチピストン8
1は、標準駆動入力歯車50側へ摺動して、クラッチ爪
50b・81aの咬合が解除され、一旦、副変速軸35
から前輪駆動出力軸30への動力伝達が断絶される。さ
らに、油圧ポンプ86からの作動油が、四駆側シリンダ
室Haから、油路80c・82aを通じて、増速側シリ
ンダ室Hbに送油されて、この圧力によりクラッチピス
トン82が押圧体98を介して摩擦板80b・60bを
押圧して、摩擦板80b・60b間での摩擦力が発生
し、増速駆動入力歯車60とシリンダ80が一体的に回
動するようになる。従って、歯車49→増速駆動入力歯
車60→摩擦板60b・80b→シリンダ80→前輪駆
動出力軸30→前輪伝達軸14等を介して前輪1に動力
が伝達されて、前輪増速駆動状態となる(155)。
【0040】また、車両が旋回を終え、切れ角センサ8
9からの情報による、前輪1の切れ角θと、予め設定し
た切換角度βとを比較して(156)、切れ角θが切換
角度βより小さい値となれば、制御装置101から、切
換バルブ85を四輪駆動側弁85bに切り換えるようソ
レノイド85cにOFF信号が送信される(157)。
【0041】切換バルブ85が、四輪駆動側弁85bに
切り換われば、ドレンタンク87に繋がる油路が開かれ
て油路全体の圧が低くなることによって、四駆側シリン
ダ室Ha及び増速側シリンダ室Hbの圧が低くなり、ク
ラッチピストン82による摩擦板80b・60bの押圧
が解除されるとともに、バネ83による付勢により四駆
クラッチピストン81が摺動して、四輪クラッチピスト
ン81と標準駆動入力歯車50のクラッチ爪81a・5
0bが咬合し、四輪駆動状態となる(158)。
【0042】上述の如く構成された、四輪駆動・前輪増
速駆動切換機構79では、エンジン5が停止して、油圧
ポンプ86から作動油が送られない状態となっても、四
駆クラッチピストン81のクラッチ爪81aと、標準駆
動入力歯車50のクラッチ爪50bが咬合を保持するた
め、後輪デフ装置66bから副変速軸35に作用する制
動力により、前輪駆動出力軸30にも制動力が働き、前
輪1が自由に回転するような状態が発生しないため、制
動力を保持できる。
【0043】また、四輪駆動状態においては、作動油が
ドレンタンク87に戻されて圧が発生せず、また、爪式
クラッチにより、四輪駆動状態を保持するため、油圧式
のクラッチを採用するときと比較して馬力のロスが低減
される。油温の上昇に繋がる馬力のロスが低減されるた
め、油量を増やしたり、オイルクーラーを装備したりす
ることによって、油温の上昇を抑制する必要がない。
【0044】なお、前記制御装置101には、左右のブ
レーキペダル17L・17Rの連結状態を検出する連結
検出センサ103が電気的に接続されており、左右のブ
レーキペダル17L・17Rが連結されている状態で
は、切換スイッチ102がONとなって、自動切換モー
ドであっても、四輪駆動状態を保持し、前輪増速駆動状
態とはならないように制御されている(153)。
【0045】従来、左右の車輪を個々に制動させること
が可能とされた二ペダル式のブレーキペダル17を採用
した車両では、作業時には左右のブレーキペダル17L
・17Rの連結を解除し、路上走行時やトラックへの積
み卸し作業の際には左右のブレーキペダル17L・17
Rを連結させるが、これらの連結又は連結解除作業は手
動により行われていた。高速での路上走行時に、左右の
ブレーキペダル17L・17Rの連結忘れにより連結解
除された状態であれば、急ブレーキを作動させると転倒
する恐れがある。そこで、左右のブレーキペダル17L
・17Rを自動的に連結又は連結解除するようにして、
連結忘れの生じることのないようにしている。
【0046】図13及び図14に示す如く、左右のブレ
ーキペダル17L・17Rの裏面には連結板110を挿
脱可能な連結板受け111L・111Rが一体的に形成
されている。そして、左右のブレーキペダル17L・1
7Rを連結するための連結板110は、その上部がアク
チュエータ112に連結されている。本実施例では、ア
クチュエータ112を電動シリンダ113とし、該電動
シリンダ113により伸縮駆動される伸縮アーム114
の下端に連結板110が固定されている。該電動シリン
ダ113は先端にブレーキペダル17Lを設けたペダル
アーム115に固定されている。そして、伸縮アーム1
14が伸縮駆動されることにより、連結板110がブレ
ーキペダル17L・17Rの連結板受け111L・11
1Rに挿脱されるよう構成されている。
【0047】なお、前記伸縮アーム114の先端には、
連動板110を連結するための継手114aが固設され
ている。該継手114aは側面視U字状に形成されて、
該U字で連結板110を挟持してピン116を挿入する
ことにより継手114aと連結板110を固定してい
る。但し、連結板110と継手114aの固定はボルト
等によって行うこともできる。このように、連結板11
0を伸縮アーム114より簡易に脱着できるようにし
て、電動シリンダ113が故障した際には手動で左右の
ブレーキペダル17L・17Rの連結又は連結解除を行
うことができるようにしている。
【0048】そして、連結板受け111L・111Rを
ブレーキペダル17L・17Rの裏面に形成し、ブレー
キペダル17L・17Rの裏側において連結又は連結解
除動作が行われることにより、操縦者はブレーキペダル
17L・17Rの状態を目視にて確認することができ、
ブレーキペダル17L・17Rの操作ミスの発生を抑制
することができる。
【0049】また、前記連結板110を回動式として、
連結板110を駆動するアクチュエータ112を電動モ
ータ121とすることもできる。図15に示す如く、連
結板110が左右一側のブレーキペダル17L(17
R)の裏面に枢結され、該枢結部分に連結板110の回
動位置を検出するセンサ122と、連結板110の回動
操作を行う電動モータ121が設けられている。また、
他側のブレーキペダル17R(17L)の裏面には、連
結板受け123が形成されている。そして、電動モータ
121の動力により連結板110を回転駆動されて連結
板受け123に挿脱され、ブレーキペダル17L・17
Rの連結又は連結解除動作が行われる。
【0050】なお、前記ブレーキペダル17L・17R
の連結又は連結解除作業は、車速に対応して行われる。
すなわち、車速に応じて自動的に左右のブレーキペダル
17L・17Rの連結又は連結解除動作が行われるので
ある。以下に、図16及び図17を用いて、ブレーキペ
ダル17L・17Rの連結又は連結解除の自動切換モー
ドにおいて、左右のブレーキペダル17L・17Rの連
結が解除された状態から始まる制御を説明する。
【0051】まず、車両の変速操作を行う主変速レバー
77や副変速レバー73等の操作レバーに設けられた回
動位置検出センサ77a・73aからこれらの操作レバ
ーの操作位置を検出し、また、エンジン5の出力軸22
に設けられた回転数検出センサ118からエンジン5の
回転数を検出し(160)、これらの情報が制御装置1
01に伝達される。制御装置101では、操作レバーの
操作位置とエンジン5の回転数から車速Vを算出する
(161)。なお、車速Vは後輪2の駆動軸の回転数を
検出することにより算出するよう構成することもでき
る。
【0052】上述の如く算出された車速Vと、予め設定
された、ブレーキペダル17L・17Rの連結と連結解
除動作を行う切換速度αとを比較して(162)、車速
Vが切換速度α以下であれば、ブレーキペダル17L・
17Rの連結が解除された状態が保持される。そして、
車速Vが切換速度より大きければ、制御装置101はブ
レーキペダル17L・17Rの連結動作を行うようアク
チュエータ112に信号を送信する(163)。本実施
例では制御装置101より送信された電気的信号により
電磁バルブの開閉操作が行われ、電動シリンダ113の
伸縮アーム114の伸長駆動が行われ、左右のブレーキ
ペダル17L・17Rが連結される(164)。
【0053】このようにして、ブレーキペダル17L・
17Rの連結動作が行われれば、連結板受け111L・
111Rに設けられた連結検出センサ103により左右
のブレーキペダル17L・17Rの連結状態を検出する
(165)。なお、連結板受け111L・111Rに設
けられた連結検出センサ103によるブレーキペダル1
7L・17Rの連結状態の検出は常時行われており、制
御装置101では常にブレーキペダル17L・17Rの
連結状態を検知することができるようにしている。例え
ば、ステアリングハンドル10近傍に設けられたランプ
と制御装置101を電気的に連結して、ランプの点灯状
態によって操縦者が常にブレーキペダル17L・17R
の連結状態を確認できるように構成することもできる。
そして、ブレーキペダル17L・17Rの連結動作が行
われたにもかかわらず、ブレーキペダル17L・17R
が連結されていなければ、警告灯124を点灯して、操
縦者に注意を促すことができるようにしている(16
6)。
【0054】上述の如く、ブレーキペダル17L・17
Rが連結された状態において、車両の変速操作を行う主
変速レバー77や副変速レバー73等の変速操作レバー
に設けられた回動位置検出センサ77a・73aから操
作レバーの操作位置を検出し、また、エンジン5の出力
軸22に設けられた回転数検出センサ118からエンジ
ン5の回転数を検出し(167)、これらの情報が制御
装置101に伝達される。制御装置101では、操作レ
バーの操作位置とエンジン5の回転数から車速Vを算出
される(168)。車速Vと、予め設定された、ブレー
キペダル17L・17Rの連結と連結解除動作を行う切
換速度αとを比較して、車速Vが切換速度αより大きけ
れば、ブレーキペダル17L・17Rの連結が保持され
る。そして、車速Vが切換速度α以下であれば、制御装
置101はブレーキペダル17L・17Rの連結解除動
作を行うようアクチュエータ112に信号を送信し(1
70)、アクチュエータ112が作動して左右のブレー
キペダルの連結が解除される(171)。
【0055】ブレーキペダル17L・17Rの連結動作
の、手動切換モードと自動切換モードの切換はステアリ
ングハンドル10近傍に配置された切換スイッチ119
により切換可能である。そして、手動切換モードのとき
には、ステアリングハンドル10近傍に配置された連結
スイッチ120を操作することにより、ブレーキペダル
17L・17Rの連結又は連結解除を操作することがで
きる。連結スイッチ120は、制御装置101に電気的
に接続されており、連結スイッチ120のON・OFF
が制御装置101に伝達され、連結スイッチ120がO
FFからONに切り替われば、制御装置101はアクチ
ュエータ112にブレーキペダル17L・17Rの連結
動作を行うよう信号を送信し、連結スイッチ120がO
NからOFFに切り替われば、制御装置101はアクチ
ュエータ112にブレーキペダル17L・17Rの連結
解除動作を行うよう信号を送信する。
【0056】なお、手動切換モードにおいても、車両の
変速操作を行う主変速レバー77等の操作レバーの操作
位置とエンジン5の回転数から算出された車速が切換速
度より大きくなれば、制御装置101はアクチュエータ
112にブレーキペダル17L・17Rの連結動作を行
うよう信号を送信する。このようにして、手動切換モー
ド・自動切換モードに関わらず、車速が切換速度αより
大きくなれば常にブレーキペダル17L・17Rが連結
された状態となるように制御される。
【0057】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0058】即ち、請求項1に示す如く、前輪への駆動
出力軸である前輪駆動出力軸への動力伝達状態を、前輪
を後輪の周速と略同速に駆動する四輪駆動状態と、前輪
を後輪の周速よりも増速して駆動する前輪増速速駆動状
態に切換可能とした走行車両において、前記前輪駆動出
力軸上に切換クラッチを設け、該切換クラッチを二つの
摺動体を順次摺動させるとともに、一方の摺動体の摺動
により四輪駆動状態を解除し、続いて他方の摺動体によ
り前輪増速速駆動状態に切り換えるように構成したの
で、エンジンが停止しても、前輪駆動出力軸への伝動系
が途切れることなく前輪への制動力を保持することがで
きる。
【0059】請求項2に示す如く、請求項1に記載の四
輪駆動・前輪増速駆動切換機構において、前記切換クラ
ッチを、前記前輪駆動出力軸と一体的に回動するシリン
ダと、該シリンダに収納される摺動体となる二個のクラ
ッチピストンと、該クラッチピストンを付勢する弾性体
等で構成し、一方のクラッチピストンと標準駆動入力歯
車との間に爪式クラッチを設け、他方のクラッチピスト
ンと増速駆動入力歯車との間に摩擦式クラッチを設けた
ので、エンジンが停止しても、前輪駆動出力軸への伝動
系が途切れることなく前輪への制動力を保持することが
できる。また、爪式クラッチを用いることで馬力のロス
を低減させることができる。
【0060】請求項3に示す如く、請求項2に記載の四
輪駆動・前輪増速駆動切換機構において、前記爪式クラ
ッチは弾性体にて咬合するよう常時付勢されているの
で、エンジンが停止しても、前輪駆動出力軸への伝動系
が途切れることなく前輪への制動力を保持することがで
きる。
【0061】請求項4に示す如く、請求項2又は請求項
3に記載の四輪駆動・前輪増速駆動切換機構において、
前記切換クラッチを油圧作動式とし、シリンダ内に二つ
のシリンダ室を形成して互いに連通し、標準駆動入力歯
車側のシリンダ室に圧油を供給するので、クラッチの咬
合状態を切り換えるバルブの制御回路がON/OFFの
一回路で構成でき、コストの削減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るトラクタの全体的な構成
を示した側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】動力伝達構成を示したスケルトン図。
【図4】動力伝達構成を示すミッションケースの断面展
開図。
【図5】クラッチハウジングを示す前斜視図。
【図6】クラッチハウジングの構造を示す断面図。
【図7】クラッチハウジングを示す後斜視図。
【図8】副変速レバー非操作時のガイド機構を示す説明
図。
【図9】副変速レバー操作時のガイド機構を示す説明
図。
【図10】本発明の四輪駆動・前輪増速駆動切換機構を
示すミッションケース下部の側面断面図。
【図11】四輪駆動・前輪増速駆動切換機構の拡大図。
【図12】四輪駆動・前輪増速駆動切換機構の制御を示
すフローチャート図。
【図13】ブレーキペダルの連結機構を示すブレーキペ
ダルの正面図。
【図14】同じく側面図。
【図15】ブレーキペダルの連結機構の別形態を示すブ
レーキペダルの背面図。
【図16】ブレーキペダルの連結制御を示すブロック
図。
【図17】ブレーキペダルの連結制御を示すフローチャ
ート図。
【符号の説明】
1 前輪 5 エンジン 30 前輪駆動出力軸 50 標準駆動入力歯車 50b クラッチ爪 60 増速駆動入力歯車 60b 摩擦板 79 四輪駆動・前輪増速駆動切換機構 80 シリンダ 80a クラッチ爪 80b 摩擦板 81 四駆クラッチピストン 81a クラッチ爪 81b クラッチ爪 82 増速クラッチピストン 83 バネ(弾性体) 84 バネ(弾性体) 98 押圧体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 信行 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 天谷 智人 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 Fターム(参考) 3D043 AB12 AB17 EA16 EA18 EB14 3J057 AA04 AA09 BB01 BB04 EE01 FF03 FF07 FF10 FF11 FF14 FF17 GA12 GA26 HH05 JJ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪への駆動出力軸である前輪駆動出力
    軸への動力伝達状態を、前輪を後輪の周速と略同速に駆
    動する四輪駆動状態と、前輪を後輪の周速よりも増速し
    て駆動する前輪増速速駆動状態に切換可能とした走行車
    両において、前記前輪駆動出力軸上に切換クラッチを設
    け、該切換クラッチを二つの摺動体を順次摺動させると
    ともに、一方の摺動体の摺動により四輪駆動状態を解除
    し、続いて他方の摺動体により前輪増速速駆動状態に切
    り換えるように構成したことを特徴とする四輪駆動・前
    輪増速駆動切換機構。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の四輪駆動・前輪増速駆
    動切換機構において、前記切換クラッチを、前記前輪駆
    動出力軸と一体的に回動するシリンダと、該シリンダに
    収納される摺動体となる二個のクラッチピストンと、該
    クラッチピストンを付勢する弾性体等で構成し、一方の
    クラッチピストンと標準駆動入力歯車との間に爪式クラ
    ッチを設け、他方のクラッチピストンと増速駆動入力歯
    車との間に摩擦式クラッチを設けたことを特徴とする四
    輪駆動・前輪増速駆動切換機構。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の四輪駆動・前輪増速駆
    動切換機構において、前記爪式クラッチは弾性体にて咬
    合するよう常時付勢されていることを特徴とする四輪駆
    動・前輪増速駆動切換機構。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の四輪駆動
    ・前輪増速駆動切換機構において、前記切換クラッチを
    油圧作動式とし、シリンダ内に二つのシリンダ室を形成
    して互いに連通し、標準駆動入力歯車側のシリンダ室に
    圧油を供給することを特徴とする四輪駆動・前輪増速駆
    動切換機構。
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