JP2003326662A - 包装用積層フィルム - Google Patents

包装用積層フィルム

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JP2003326662A JP2002142734A JP2002142734A JP2003326662A JP 2003326662 A JP2003326662 A JP 2003326662A JP 2002142734 A JP2002142734 A JP 2002142734A JP 2002142734 A JP2002142734 A JP 2002142734A JP 2003326662 A JP2003326662 A JP 2003326662A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境性、作業環境性に優れ、従来の耐煮沸性、
接着性、透明性、ガスバリア性能を保持し、各種ガスバ
リア包装用として好適な積層フィルムを提供すること。 【解決手段】基材フィルムにアンカーコート剤とガスバ
リア性樹脂が積層された包装用積層フィルムであって、
アンカーコート剤の主剤が親水性基含有化合物と反応し
たポリオール、ポリイソシアネートおよび中和剤との反
応生成物からなる水分散型ポリエステル系ポリウレタン
樹脂であって、該ポリイソシアネートが脂環族ポリイソ
シアネートまたは/および芳香脂肪族ポリイソシアネー
トであり、アンカーコート剤の硬化剤が脂肪族ポリイソ
シアネートと該脂肪族ポリイソシアネートおよびアルコ
キシポリアルキレンエーテルグリコールとの反応生成物
との混合物からなる水分散型ポリイソシアネート化合物
であるとともにイソシアネート基含有率が3〜50重量
%であることを特徴とする包装用積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環境性、作業環境性
に優れ、耐煮沸水適性、接着性、透明性、ガスバリア性
に優れた包装用積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル、ポリプロピレンの
フィルムは、製膜性、透明性、成形性および防湿性に優
れていることから、広く包装用途に用いられてきてい
る。この中でもポリエステル二軸延伸フィルムは、耐熱
性、ガスバリア性に優れることから、無延伸ポリオレフ
ィン系フィルムとラミネートされ、包装材料の基材フィ
ルムとして用いられている。
【0003】ところで、包装材料のガスバリア性能を向
上する目的で、ポリ塩化ビニリデン(以下PVDCと略
称する)等のガスバリア製樹脂塗布層や、アルミニウム
(Al)蒸着層が積層されたポリエステルフィルムまた
はポリプロピレンフィルムなどの基材フィルムが包装材
料の構成の一部として使用されているのが一般的であ
る。より具体的には、基材フィルム/ガスバリア樹脂層
/接着層/無延伸ポリオレフィンフィルムや基材フィル
ム/印刷層/接着層/ガスバリア樹脂層またはAl/基
材フィルム/接着層/無延伸ポリオレフィンフィルムな
どの構成が知られている。しかし、ガスバリア樹脂を使
用する構成では、通常、ガスバリア樹脂は基材フィルム
との接着力が弱く、そのため、基材フィルムにコロナ放
電処理等の表面処理およびガスバリア樹脂と接着性の良
いアンカーコート剤が塗布され、その上にガスバリア樹
脂が塗布されるのが一般的である。アンカーコート剤は
アセトン。酢酸エチル、トルエン等の有機溶剤で希釈し
た溶剤型のアンカーコート剤が用いられていた。これら
の溶剤型アンカーコート剤は接着性、耐熱性、耐水性等
の点でに高い性能を示すものの、大量の有機溶剤を使用
するため、作業環境や環境汚染の問題、さらには省資源
の点から好ましいものではなかった。
【0004】これらの改善として、特公昭57−262
32号公報、特公平1−19343号公報、特公昭55
−3150号公報に有機溶剤を使用しない水性アンカー
コート剤が提案されているが、煮沸滅菌処理での透明性
の悪化や接着性の低下など耐熱性が不十分であった。ま
た、特開平6−346019号公報に水性アクリル変性
ポリウレタン樹脂からなるコーティング剤が提案されて
いるが、煮沸滅菌処理を行う包装材料として使用するに
は接着性、透明性が不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる技術
では成しえなかった、有機溶剤を使用しない水分散型ア
ンカーコート剤を塗布し、環境性、作業環境性に優れ、
煮沸処理後のフィルムの接着性、透明性、ガスバリア性
に優れた包装用積層フィルムを提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
本発明の包装用積層フィルムは、主として次の構成を有
する。すなわち、基材フィルムにアンカーコート剤とガ
スバリア性樹脂が積層された包装用積層フィルムであっ
て、アンカーコート剤の主剤が親水性基含有化合物と反
応したポリオール、ポリイソシアネートおよび中和剤と
の反応生成物からなる水分散型ポリエステル系ポリウレ
タン樹脂であって、該ポリイソシアネートが脂環族ポリ
イソシアネートまたは/および芳香脂肪族ポリイソシア
ネートであり、アンカーコート剤の硬化剤が脂肪族ポリ
イソシアネートと該脂肪族ポリイソシアネートおよびア
ルコキシポリアルキレンエーテルグリコールとの反応生
成物との混合物からなる水分散型ポリイソシアネート化
合物であるとともにイソシアネート基含有率が3〜50
重量%であることを特徴とする包装用積層フィルムであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の包装用積層フィルムに用
いられる基材フィルムは、ポリオレフィン系樹脂、ナイ
ロン樹脂、ポリエステル樹脂の二軸延伸フィルムを用い
ることができる。なかでも、耐熱性の点から、ポリエス
テルフィルムが好ましい。また、基材フィルム中には平
均粒子径0.01〜5μmの公知の内部粒子、無機粒子
および/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に
選定される粒子を含有させることができる。ここで5μ
mを越える平均粒子径を有する粒子を使用すると、フィ
ルムに欠陥が生じる可能性がある。使用できる粒子とし
ては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリ
カ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸
カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリ
ン、クレー、ヒドロキシアパタイト等の無機粒子および
スチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポ
リエステル、ジビニルベンゼン等を構成成分とする有機
粒子等を使用することができる。なかでも、乾式、湿式
および乾式コロイド状シリカ、アルミナ等の無機粒子お
よびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル
酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等を構成成分とす
る有機粒子等が好ましく使用される。これらの内部粒
子、無機粒子、有機粒子は二種以上を併用してもよい。
また、これらの添加量は、合計で0.01重量%〜1重
量%の範囲であることが好ましい。0.01重量%未満
であれば、フィルム巻き取りが難しくなる可能性があ
り、1重量%を越えると粗大突起や透明性および製膜性
の悪化などを引き起こす可能性が生じる。
【0008】かかる基材フィルムは、少なくとも片面の
中心線平均表面粗さRaが、0.01〜0.05μm、
さらには0.01〜0.03μmであるのが好ましい。
かかる好ましい中心線平均表面粗さRaの範囲である
と、フィルムのハンドリング性が良好である一方、耐傷
性も良好で、滑り性が適度でハンドリング性が低下する
こともない。かかる中心線平均粗さRaを前記の範囲と
する方法は、特に限定されないが、基材フィルムに粒子
を含有させる方法が好ましく採用されるが、なし地模様
の金属ドラムにより、フィルムにドラム表面の凹凸を転
写させる方法であっても構わない。
【0009】また、基材フィルムの表面にアンカーコー
ト剤を円滑に塗布できるようにするために、予備処理と
して基材フィルムの表面にコロナ放電処理を好ましく採
用できる。コロナ放電処理後の表面自由エネルギーとし
ては45mN/m以上であることが好ましい。このよう
に表面自由エネルギーを好ましい範囲とするとガスバリ
ア性樹脂の塗布時に塗布ムラになりにくく、接着力やガ
スバリア性が良好である。またアンカーコート剤を塗布
した面にさらにコロナ放電処理を施し、フィルム表面の
自由エネルギーを45mN/m以上に上げることは、ガ
スバリア性樹脂の接着力を向上させるために好ましく採
用できる。コロナ放電処理時の雰囲気ガスとしては、空
気、炭酸ガス、あるいは窒素/炭酸ガスの混合系のいず
れでもよく、特に炭酸ガスあるいは窒素/炭酸ガスの混
合ガス(体積比:95/5〜50/50)中でコロナ処
理することが好ましい。
【0010】基材フィルムには本発明の効果を損なわな
い範囲で、必要に応じて、ブロッキング防止剤以外の添
加剤を添加することができる。造核剤、紫外線吸収剤、
耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、無
機・有機の充填剤など通常樹脂に添加して使用される添
加剤を含有することができる。
【0011】本発明の包装用積層フィルムに使用される
アンカーコート剤の主剤としては、親水性基含有化合物
と反応したポリオール、ポリイソシアネートおよび中和
剤との反応生成物からなる水分散型ポリエステル系ポリ
ウレタン樹脂であって、該ポリイソシアネートが脂環族
ポリイソシアネートまたは/および芳香脂肪族ポリイソ
シアネートであるものを用いる。
【0012】水分散型ポリエステル系ポリウレタン樹脂
とは活性水素基含有化合物とイソシアネート基含有化合
物とを常法によって反応させることにより製造される。
また水分散性を付与するためは、活性水素基含有化合物
と親水性基含有化合物とを反応させることが必要であ
る。
【0013】前記活性水素基含有化合物としては、例え
ば活性水素基を有する基として、アミノ基、水酸基、メ
ルカプト基を有する化合物等が挙げられるが、イソシア
ネート基との反応速度、及び塗布後の機械的物性を考え
ると、水酸基含有化合物、特にポリオールが好ましい。
前記水酸基含有化合物としては、例えばポリエステル
ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエ
ステルポリオール、ポリウレタンポリオール等またはそ
れらの混合物が挙げられる。
【0014】ポリエステルポリオールの具体例として
は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバチン酸等の二塩基酸もしくはそれら
のジアルキルエステルまたはそれらの混合物と、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘ
プタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール等のグリコール類もしくはそれらの混合物とを反
応させて得られるポリエステルポリオール、例えばポリ
カプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチ
ルバレロラクトン)等のラクトン類開環重合して得られ
るポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0015】ポリエーテルポリオールの具体例として
は、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、トリメチロール、グリセリン等の低分子量ポリオ
ールを開始剤として、例えばエチレンオキシドプロピレ
ンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等
のオキシラン化合物を重合させることにより得られるポ
リエーテルポリオール等が挙げられる。
【0016】ポリエーテルエステルポリオールの具体例
としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の二塩基酸もしくは
それらのジアルキルエステルまたはそれらの混合物と、
前記ポリエーテルポリオールとを反応させて得られるポ
リエーテルエステルポリオール等が挙げられる。
【0017】ポリウレタンポリオールの具体例として
は、例えば1分子中に当たりにウレタン結合を有するポ
リオールが挙げられ、例えば分子量200〜5000の
ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポ
リエーテルエステルポリオール等と1分子当たり少なく
とも2個のイソシアネート基をイソシアネート基含有化
合物とを(NCO基/OH基)のモル数が1未満、好ま
しくは0.9未満で反応させることにより得られるもの
が挙げられる。好適にはポリエステルポリオールが好ま
しい。
【0018】イソシアネート基含有化合物としては、例
えばテトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、
1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−
シクロヘキシレンジイソシアネート、水素添加キシリレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレン
ジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の
芳香脂肪族ジイソシアネート、2,4,6−トリイソシ
アネートトルエン、2,4,6−トリイソシアネートジ
フェニルエーテル、トリ(イソシアネートフェニル)メ
タン、トリ(イソシネートフェニル)チオフォスファイ
ト等のトリイソシアネート類、ジイソシアネートイソシ
アネートの3モルと水の1モルから誘導されるビウレッ
ト型ポリイソシアネート、ジイソシアネート類の三量化
より形成されるイソシアヌレート型ポリイソシアネー
ト、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート製
造時に副生するポリメチレンポリフェニルポリイソシア
ネート、およびグリコール類、トリオール類またはポリ
エステルポリオール、ポリエーテルポリオール等に前記
のポリイソシアネートを付加して得られるアダクト型ポ
リイソシアネートやイソシアネートプレポリマー等のポ
リイソシアネート類およびこれらの混合物等が挙げられ
る。好適には脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシ
アネート、芳香脂肪族ジイソシアネートが好ましく、脂
環族ジイソシアネートの中では水添キシリレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジ
メチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、芳香族ジイソシアネートの中ではトリレンジイ
ソシアネート、芳香脂肪族の中ではテトラメチルキシレ
ンジイソシアネートが特に好ましい。
【0019】親水性基含有化合物としては、例えば分子
内に少なくとも1個以上の活性水素基を有し、かつカル
ボキシル基、スルホン酸基、スルホネート基、エポキシ
基、ポリオキシアルキレン基等の親水性基を有する化合
物が挙げられる。親水性基含有化合物を反応させる時期
は特に限定されない。
【0020】親水性基含有化合物としては、例えば2−
オキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スル
ホ安息香酸、スルホコハク酸、5−スルホイソフタル
酸、スルファニル酸、スルファニル酸、1,3−フェニ
レンジアミン−4,6−ジスルホン酸、2,4−ジアミ
ノトルエン−5−スルホン酸等のスルホン酸含有化合物
もしくはこれらの誘導体、またはこれらを共重合して得
られるポリエステルポリオール、例えば2,2−ジメチ
ロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,
2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6
−ジオキシ安息香酸、、3,4−ジアミノ安息香酸等の
カルボキシル基含有化合物もしくはこれらの誘導体、無
水マレイン酸無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメ
リット酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物と活性水素
基を有する化合物とを反応させてなるカルボキシル基含
有化合物もしくはその誘導体、またはこれらを共重合し
て得られるポリエステルポリオール、エチレンオキサイ
ドの繰り返し単位が少なくとも30重量%以上含有し、
ポリマー中に少なくとも1個以上の活性水素基を含有す
る分子量300〜10000のポリオキシアルキレン化
合物等のノニオン基含有化合物またはこれらを共重合し
て得られるポリエステルエーテルポリオールが挙げられ
る。好適には2,2−ジメチロールプロピオン酸が好ま
しい。
【0021】前記中和剤としては、例えばアンモニア、
トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプ
ロパタノールアミン、トリメチルアミン、ジメチルエタ
ノールアミン等の3級アミン、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属、又は
アルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。これらは
単独又は2種以上の混合物で使用する。好適には3級ア
ミンが好ましい。その添加量は親水性基に対して0.1
〜2.0当量が好ましく、0.3〜1.3当量がより好
ましい。
【0022】鎖伸長剤を反応させることにより高分子量
化をはかることもできるも可能である。鎖延長剤として
は、ペンダントカルボキシル基含有ジオール類や例えば
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコールなどのグリコー
ル類、あるいはポリアミン化合物、例えばエチレンジア
ミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチ
レンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジ
ン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシル
メタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシ
クロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロへキサン
ジアミン等のジアミン類、等のポリアミン類、ヒドロキ
シエチルヒドラジン、ヒドロキシエチルジエチレントリ
アミン、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノー
ル、3−アミノプロパンジオール等のアミノ基と水酸基
を有する化合物、ヒドラジン類、酸ヒドラジド類等が挙
げられる。鎖延長剤は、単独または2種以上の混合物で
使用される。
【0023】本発明の包装用積層フィルムに使用される
アンカーコート剤の硬化剤としては、脂肪族ポリイソシ
アネートと該脂肪族ポリイソシアネートおよびアルコキ
シポリアルキレンエーテルグリコールとの反応生成物と
の混合物からなる水分散型ポリイソシアネート化合物で
あるとともにイソシアネート基含有率が3〜50重量%
であるものを用いる。
【0024】水分散型ポリイソシアネート化合物は、主
剤の製造に用いられる前記イソシアネート基含有化合物
と同様のものが用いられるが、水中分散性、耐水性、耐
煮沸性の点から、テトラメチレンジイソシアネート、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポ
リイソシアネートが好ましい。特に1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネートが好ましい。
【0025】前記アルコキシポリアルキレンエーテルグ
リコールは、分子量200〜2000の、少なくとも5
〜30、より好ましくは5〜15のエチレンオキシドユ
ニットを有するポリエーテル鎖を1個含有する1価また
は多価のアルコキシポリアルキレンエーテルグリコール
であることが好ましい。例えば、メトキシポリエチレン
グリコール、ドデシルアルコール−エチレンオキシド、
ラウリルアルコール−エチレンオキシド、ポリエステル
エチレングリコール等が挙げられる。好ましくはポリエ
ステルエチレングリコールが好ましい。ポリエステルは
主剤の製造に用いられる前記親水性基含有化合物のポリ
エステルポリオールと同様のものが用いられる。これら
のアルコキシポリアルキレンエーテルグリコールは前記
脂肪族ポリイソシアネートの一部と反応して反応生成物
となる。
【0026】また、水分散型ポリイソシアネート化合物
のイソシアネート基含有率は3重量%未満であると主剤
との反応性が劣り、耐煮沸性、耐水性が劣る場合があ
る。また50重量%を超えると主剤との反応で未反応の
イソシアネート化合物が耐煮沸性、耐水性等に悪影響を
及ぼす場合がある。また、水分散型ポリイソシアネート
化合物の平均官能基数は3〜5が好ましい。平均官能基
数がかかる好ましい範囲であると主剤との反応性が良好
である。
【0027】水分散型ポリイソシアネート化合物を反応
により得るための脂肪族ポリイソシアネート/脂肪族ポ
リイソシアネートとアルコキシポリアルキレンエーテル
グリコールとの割合は、水中分散性の点から、9/1〜
5/5の範囲が好ましい。
【0028】水分散型ポリエステル系ポリウレタン樹脂
の他に、他の水性エマルジョン、例えば、ポリ塩化ビニ
ルエマルジョン、ウレタンアクリルエマルジョン、シリ
コンアクリルエマルジョン、酢酸ビニルアクリルエマル
ジョン、アクリルエマルジョン等やラテックス、例え
ば、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリ
ルニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメ
タアクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、クロ
ロプレンラテックス、ポリブタジェンラテックスのゴム
系ラテックス、ポリアクリル酸エステルラテックス、ポ
リ塩化ビニリデンラテックス、ポリブタジエンラテック
ス、あるいはこれらのラテックスのカルボキシル変性物
や水溶性物質、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性
エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイ
ド、水性アクリル樹脂、水性エポキシ樹脂、水性セルロ
ース誘導体、水性ポリエステルおよび水性リグニン誘導
体等であっても構わないが、基材フィルムとの接着性の
点で水性ポリエステル系ポリウレタンエマルジョンが好
ましい。該エマルジョン樹脂中にカルボキシル基、スル
ホン酸基等の有機酸基を有し、アミン、アルカリ金属等
の塩基性物質と塩を形成して分散するものであって、か
つ、エマルジョン樹脂中に水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基等のイソシアネート基と反応可能な官能基を有す
るものである。
【0029】アンカーコート剤は主剤の水分散型ポリエ
ステル系ポリウレタン樹脂と硬化剤の水分散型ポリイソ
シアネート化合物とを、主剤/硬化剤の固形分の割合と
して5/1〜1/5の割合となるように混合し、適度な
濃度に水で希釈することによって用いられる。混合後、
安定な塗布品質を得るためには25℃の温度でのポット
ライフを6時間以上とするのが好ましい。
【0030】また、基材フィルムの表面にアンカーコー
ト剤を円滑に塗布できるようにするために、予備処理と
してフィルム表面にコロナ放電処理を施すか、アンカー
コート剤の混合水溶液とともにこれと化学的に不活性な
消泡剤を併用することが好ましい。
【0031】該消泡剤はアンカーコート剤の表面張力を
低下せしめて、基材フィルムへの濡れを促進するもので
あり、例えば低級アルコール系、有機極性化合物系、鉱
物油系、シリコーン系などの消泡剤が好ましい。低級ア
ルコール系消泡剤としては、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n-ブタノールなど、有機極性化合
物系消泡剤としてはアミノアルコール、オクチルアルコ
ール、イソブチルカルビトール、トリブチルフォスフェ
ート、オレイン酸、トール油、金属石鹸、界面活性剤
(例えば、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビ
タンラウリン酸トリエステル、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、プルロニック型非イオン活性剤な
ど)、ポリプロピレングリコール、アクリルビニル系ポ
リマーなど、鉱物油系消泡剤としては鉱物油の界面活性
剤、鉱物油と脂肪酸金属塩の界面活性剤配合品など、シ
リコーン系消泡剤としてはシルコーンオイル、シリコー
ン樹脂、変性シリコーン、シリコーンと界面活性剤配合
品、シリコーンと無機粉末の配合品などが挙げられる。
これらの中でもシリコーン系消泡剤が微量でも効果ある
ので好ましく採用できる。
【0032】またアンカーコート剤の混合水溶液の中に
本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、添加
剤を添加することができる。例えば、ロジンエステルエ
マルジョン、テルペン樹脂エマルジョン、石油樹脂エマ
ルジョン等の粘着付与剤、アミノシラン、エポキシシラ
ン、アクリルシラン等のシランカップリング剤、カルボ
キシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の増粘
剤、シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の充填
剤、カルボジイミド、エポキシ樹脂等の架橋剤、ステア
リン酸、ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤、3級アミン、有
機酸の金属塩類等の触媒等が挙げられる。
【0033】本発明の包装用積層フィルムに使用される
ガスバリア性樹脂の素材としては、ガスバリア性を有す
る限り特に制限はないが、たとえば、ポリ塩化ビニリデ
ン、モンモリロナイトなどの無機系層状化合物を分散し
たエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、モンモリロ
ナイトなどの無機系層状化合物を分散したポリビニルア
ルコール樹脂などが好ましく用いられる。
【0034】次に、本発明の包装用積層フィルムの製造
方法について、基材フィルム/アンカーコート剤/ガス
バリア性樹脂の順に積層した一例を挙げて説明する。な
お、アンカーコート剤は、市販の基材フィルムに塗布し
てもよいが、インラインで製膜された基材フィルムに塗
布してもよい。
【0035】まず、基材フィルムとして、厚み12μm
程度のポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、ア
ンカーコートを施す表面を空気中または窒素/炭酸ガス
の混合ガス雰囲気中でコロナ放電処理を施し、シート表
面の自由エネルギーを45mN/m以上にする。
【0036】次に、アンカーコート剤の主剤として、水
分散型ポリエステル系ポリウレタン樹脂、硬化剤として
水分散型ポリイソシアネート化合物を用い、主剤/硬化
剤の割合を固形分として5/1〜1/5に水を加え適当
な濃度の水溶液とする。該水溶液を基材フィルムのコロ
ナ放電処理面に塗布し、温度90〜120℃で5〜60
秒間乾燥してロール状に巻き取る。その後、アンカーコ
ート面に水分散型ガスバリア性樹脂を塗布し、温度90
〜120℃で5〜60秒間乾燥してロール状に巻き取
る。その後ロール状シートを30℃以上の雰囲気中で9
6時間以上放置してガスバリア性樹脂を結晶化させて包
装用積層フィルムを製造する。
【0037】またヒートシール層を設ける場合は、前記
包装用積層フィルムのガスバリア性樹脂塗布面を空気中
または窒素/炭酸ガスの混合ガス雰囲気中でコロナ放電
処理を施し、表面の自由エネルギーを45mN/m以上
とするのが良い。コロナ放電処理面に、ポリオレフィン
系樹脂、例えば直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を押出ラ
ミネート法あるいは接着剤などで無延伸ポリオレフィン
フィルムなどの他のフィルムを積層して包装用材料とし
て好ましく用いることができる。ここで接着剤として
は、例えば、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着
剤、フェノール樹脂系接着剤、α−オレフィン樹脂接着
剤、水性高分子とイソシアネートの混合物による接着
剤、エポキシ系接着剤、溶液型酢酸ビニル樹脂系接着
剤、エマルジョン型酢酸ビニル樹脂系接着剤、アクリル
エマルジョン系接着剤、ホットメルト接着剤、シアノア
クリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤、クロロプ
レンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、SBR系接
着剤、変性ゴムエマルジョン系接着剤、エチレン共重合
樹脂系接着剤、レゾルシン系接着剤、天然ゴム系接着
剤、セルロース系接着剤、でんぷん質糊料、デキストリ
ン等を使用することができる。
【0038】該包装用材料はヒートシール層を重ね合わ
せてシールされて包装袋として好ましく用いられる。
【0039】
【実施例】次に、本発明の効果を実施例により説明す
る。まず、特性値の測定方法および評価方法を以下に示
す。 [表面自由エネルギー]包装用積層フィルムを剥離して、
剥離したアンカーコート層の表面の上に純水、エチレン
グリコール、ホルムアルデヒド、ヨウ化メチレンの溶液
を注射器で1.5μlを落とし、協和界面科学社製接触
角計CA−Dを用いて室温23℃湿度65%の雰囲気下
で接触角を測定し、次のようにして表面自由エネルギー
を求める。
【0040】固体の表面自由エネルギー(γS)は表面
表力(γL)が既知の液体に対する接触角(θ)を測定
することによって間接的に求められる。固体の表面自由
エネルギーを分散力成分(γS d)、極性力成分
(γS p)、水素結合成分(γS h)の三成分に分離し、F
owkes式を拡張した次式(1)(拡張Fowkes式)を用い
る。
【0041】 γSL=γS+γL−2(γS dγL d)1/2−2(γS pγL p)1/2−2(γS hγL h)1/2 (1) ここでγSLは固体と液体の界面での張力である。
【0042】平滑な固体面と液滴が接触角(θ)で接し
ているときの状態を次式(2)のYoungの式を用いる。
【0043】γS=γSL+γLCOSθ (2) 式(1)と式(2)を組み合わせ、次式(3)を得る。
【0044】 (γS dγL d)1/2+(γS pγL p)1/2+(γS hγL h)1/2=γL(1+COSθ)/2 (3) 純水、エチレングリコール、ホルムアルデヒド、ヨウ化
メチレンの液体についてアンカーコート面の接触角を各
液体について3回ずつ測定し、平均した値を式(3)に代
入する。各液体について4つの式からなる連立方程式を
立て、4元連立方程式を解くことによってアンカーコー
ト面の表面自由エネルギーの分散力成分、極性力成分、
水素結合成分を分離して求め、それらの合計の値を表面
自由エネルギーとしてmN/mの単位で示す。 [アンカーコート剤のポットライフ]アンカーコート剤の
主剤と硬化剤を調合後、25℃で調合水溶液中のイソシ
アネート残存率が60%未満になる時間が3時間を越え
るものを○、3時間未満のものを×として評価する。
(○:合格、×:不合格) [接着強度]包装用積層フィルムにガスバリア樹脂塗布面
に直鎖状低密度ポリエチレン(LLD-PE)を押出ラ
ミネート法で積層した、包装用積層体を用い、この積層
フィルムを幅15mmに切り出した後、温水90℃で2
0分間煮沸処理を行った。その後基材フィルム側とLL
D-PE側をポリエステルテープで補強し、オリエンテ
ック社製UCT-100型“テンシロン”を用いて、引
張速度100mm/分で接着面を180°剥離したとき
に要した力を接着強度として、N/cmの単位で求め、
以下の評価基準で判定する。
【0045】○:1.3N/cmを越えるもの。
【0046】△:0.56N/cm以上1.3N/cm
未満のもの。
【0047】×:0.65N/cm未満のもの。 (○:合格、△:合格、×:不合格) [フィルムの透明性(ヘイズ)]包装用積層フィルムを温
水90℃で20分間煮沸処理を行った後、そのサンプル
をASTM D1003−52に準じて測定する。 [ガスバリア性]包装用積層フィルムを温水90℃で20
分間煮沸処理を行った後、下記の測定を行う。
【0048】A.水蒸気透過率(防湿性) モダンコントロール社製の水蒸気透過率計“PERMA
TRAN”W3/31を用いて、湿度100%、温度3
7.8℃の条件下で測定した値をg/m2・日の単位で示
す。
【0049】B.酸素透過率 モダンコントロール社製の酸素透過率計“OXTRA
N”-100を用いて、湿度0%、温度23℃の条件下
で測定した値をml/m2・日・MPaの単位で示す。 [総合評価]塗布性、環境作業性、煮沸後のフィルム特
性、包装用フィルムとしての実用性について、優れるも
のを○、やや劣るものを△、劣るものを×として評価す
る。 (実施例1)本発明の包装用積層フィルムの基材フィル
ムとして、東レ(株)製ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム“ルミラー”タイプP60(厚み12μm)に表
面自由エネルギー45mN/m以上のコロナ放電処理を
行い、アンカーコート剤の主剤として水分散型ポリエス
テル系ポリウレタン樹脂(ポリオールとしてアジピン
酸、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ルの反応により生成した分子量1000のポリエステル
ポリオール、親水性基含有化合物としてジメチロールプ
ロピオン酸、イソシアネート基含有化合物として脂環族
ポリイソシアネートの3,3'-ジメチル-4,4'-ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、鎖伸長剤として2
−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール、中和剤
としてトリエチルアミンとの反応生成物から得られる水
溶液)、硬化剤としてイソシアネート基含有率17重量
%の水分散型ポリイソシアネート化合物{1,6-ヘキ
サメチレンジイソシアネート(70重量部)および1,
6ヘキサメチレンジイソシアネートとポリエステルポリ
オールとポリエチレングリコールとの反応生成物(30
重量部)から得られる脂肪族イソシアネート混合物}を
固形分として1対1の重量比に純水を加え5重量%水溶
液として、コーティングバーを用いて、フィルムのコロ
ナ放電処理面に塗布し、100℃30秒乾燥して、厚み
約0.4μmのアンカーコート剤を塗布した。その後ア
ンカーコート面にガスバリア性樹脂{ポリ塩化ビニリデ
ン(呉羽化学工業(株)製“クレハロンラテックス”DO
821S)}を塗布し、100℃30秒乾燥して、ポリ塩化
ビニリデンの塗布厚み約4μmの包装用積層フィルムを
得た。 (実施例2)アンカーコート剤の主剤として水分散型ポ
リエステル系ポリウレタン樹脂(ポリオールとしてアジ
ピン酸、ネオペンチルグリコールおよびエチレングリコ
ールの反応により生成した分子量2000のポリエステ
ルポリオール、親水性基含有化合物としてジメチロール
プロピオン酸、イソシアネート基含有化合物として脂環
族ポリイソシアネートのイソホロンジイソシアネート/
芳香脂肪族ポリイソシアネートのテトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート、中和剤としてトリイソプロパノー
ルアミンとの反応生成物から得られる水溶液)、硬化剤
としてイソシアネート基含有率25重量%の水分散型ポ
リイソシアネート化合物{1,6-キサメチレンジイソ
シアネート(70重量部)および1,6ヘキサメチレン
ジイソシアネートとメトキシポリエチレングリコールと
の反応生成物(30重量部)から得られる脂肪族イソシ
アネート混合物}を用い、ガスバリア性樹脂としてポリ
塩化ビニリデン(Solvay社製IXAN PA23
2)を用いた以外は実施例1と同様にして包装用積層フ
ィルムを得た。 (実施例3)アンカーコート剤の主剤として水分散型ポ
リエステル系ポリウレタン樹脂(ポリオールとしてアジ
ピン酸とネオペンチルグリコールと1,6−ヘキサンジ
オールとの反応により生成した分子量2000のポリエ
ステルポリオール、親水性基含有化合物としてジメチロ
ールプロピオン酸、イソシアネート基含有化合物として
脂環族ポリイソシアネートの3,3'-ジメチル-4,4'-
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、中和剤とし
てトリエチルアミンとの反応生成物から得られる水溶
液)、硬化剤としてイソシアネート基含有率15重量%
の水分散型ポリイソシアネート化合物{1,6-ヘキサ
メチレンジイソシアネート(70重量部)および1,6
ヘキサメチレンジイソシアネートとメトキシポリエチレ
ングリコールとの反応生成物(30重量部)から得られ
る脂肪族イソシアネート混合物}を用い、ガスバリア性
樹脂として、無機系層状化合物のモンモリロナイト(ク
ニミネ工業(株)社製“クニピア−F”)を5重量%に
なるように水に分散させ、エチレン含有率32モル%の
エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂に純水/イソプ
ロパノールを重量比50/50を加えた5重量%溶液を
用いた以外は実施例1と同様にして包装用積層フィルム
を得た。 (実施例4)アンカーコート剤の主剤として水分散型ポ
リエステル系ポリウレタン樹脂(ポリオールとしてアジ
ピン酸とネオペンチルグリコールと1,6−ヘキサンジ
オールとの反応により生成した分子量2000のポリエ
ステルポリオール、親水性基含有化合物としてジメチロ
ールプロピオン酸、イソシアネート基含有化合物として
脂環族ポリイソシアネートの3,3'-ジメチル-4,4'-
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート/脂環族ポリ
イソシアネートのトリレンジイソシアネート、中和剤と
してナトリウムとの反応生成物から得られる水溶液)、
硬化剤としてイソシアネート基含有率15重量%の水分
散型ポリイソシアネート化合物{1,6-ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(70重量部)および1,6-ヘキ
サメチレンジイソシアネートとメトキシポリエチレング
リコールとの反応生成物(30重量部)から得られる脂
肪族イソシアネート混合物}を用い、ガスバリア性樹脂
として無機系層状化合物のモンモリロナイト(クニミネ
工業(株)製“クニピア−F”)を5重量%になるよう
に水に分散させ、ポリビニルアルコール樹脂((株)ク
ラレ製“ポバール”PVA−105)に純水/イソプロ
パノールを重量比50/50を加えた5重量%溶液を用
いた以外は実施例1と同様にして包装用積層フィルムを
得た。 (比較例1)アンカーコート剤の主剤として水分散型ポ
リエステル系ポリウレタン樹脂(ポリオールとしてポリ
エステルポリオール、親水性基含有化合物としてジメチ
ロールプロピオン酸、イソシアネート基含有化合物とし
て脂肪族ポリイソシアネートの1,6-ヘキサメチレン
ジイソシアネート、中和剤としてトリエチルアミンとの
反応生成物から得られる水溶液)、硬化剤としてイソシ
アネート基含有率55重量%の水分散型ポリイソシアネ
ート化合物(トリレンジイソシアネートの芳香族イソシ
アネート)を用い、ガスバリア性樹脂としてポリ塩化ビ
ニリデン(呉羽化学工業(株)製“クレハロンラテック
ス”DO821S)を用いた以外は同様にしてポリ塩化ビニリ
デン積層フィルムを得た。 (比較例2)アンカーコート剤の硬化剤を添加しなかっ
た以外は実施例1と同様にしてポリ塩化ビニリデン積層
フィルムを得た。 (比較例3)アンカーコート剤の主剤として水分散型ポ
リエステル系ポリウレタン樹脂(ポリオールとしてポリ
エステルポリオール、イソシアネート基含有化合物とし
て脂環族ポリイソシアネートの3,3'-ジメチル-4,4'
-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、鎖伸長剤
として2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノー
ル、中和剤としてトリエチルアミンとの反応生成物から
得られる水溶液)、硬化剤としてイソシアネート基含有
率16重量%の水分散型ポリイソシアネート化合物
{1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(70重量
部)および1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートと
トリドデシルアルコール−エチレンオキサイド、オレイ
ン酸、トリエチルアミンとの反応生成物(30重量部)
から得られる脂肪族イソシアネート混合物}を用いた以
外は実施例1と同様にしてポリ塩化ビニリデン積層フィ
ルムを得た。
【0050】包装用積層フィルムの品質評価結果を表1
に示した。
【0051】この結果、実施例1〜4で得られた包装用
積層フィルムは、接着性、透明性に優れ、ガスバリア性
に優れたフィルムであった。
【0052】一方、比較例1で調合したアンカーコート
水溶液は、該水溶液のポットライフが短いためフィルム
へ塗布後半には塗膜ムラが生じてしまい包装用積層フィ
ルムが得られなかった。また、比較例2〜比較例3で得
られた積層フィルムは、透明性、接着性やガスバリア性
が劣るためガスバリア性包装袋として用いた場合に、実
用性に劣ったフィルムであった。
【0053】
【表1】 略記号 PEO(1):アジピン酸、ネオペンチルグリコールおよ
び1,6−ヘキサンジオールの反応により生成したポリ
エステルポリオール PEO(2):アジピン酸、ネオペンチルグリコールおよ
びエチレングリコールの反応により生成したのポリエス
テルポリオール DMPA:ジメチロールプロピオン酸 H12MDI:3,3'-ジメチル-4,4'-ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート IPDI:イソホロンジイソシアネート TDI:トリレンジイソシアネート TMXDI:テトラメチルキシリレンジイソシアネート HDI:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート AEAE:2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノ
ール TIPA:トリイソプロパノールアミン TEA:トリエチルアミン Na:ナトリウム PEO:ポリエステルポリオール PEG:ポリエチレングリコール MPEG:メトキシポリエチレングリコール DA−EO:トリドデシルアルコール−エチレンオキサ
イド LA−EO:ラウリルアルコール−エチレンオキサイド ガスバリア性樹脂の品種 A:呉羽化学工業(株)製クレハロンラテックスDO8
21S B:Solvay社製IXAN PA232 C:モンモリロナイト(5重量%)含有エチレン−ビニル
アルコール共重合樹脂(エチレン含有率32モル%) D:モンモリロナイト(5重量%)含有クラレ社製“ポバ
ール”PVA−105
【0054】
【発明の効果】本発明の包装用積層フィルムは、従来の
耐煮沸水性、接着性、透明性、ガスバリア性を保持しつ
つ、環境性、作業環境性に優れており、各種包装用途に
適した積層フィルムを提供できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 AB01 AD01 BA04 BA15 BA24 BB02 BB05 BB22 BB71 4F100 AK41A AK41B AK41K AK51B AK51H AK51K AR00C AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA02B CA19A DD07A DE01A DE01H EJ65B GB15 JB09 JD02 JD02C JJ03 JK06 JK15A JM01B JN01 YY00A YY00B 4J034 BA03 DA01 DA05 DC02 DC50 DF01 DF14 HA01 HA02 HA04 HA07 HA13 HC01 HC12 HC22 JA02 JA03 JA13 JA43 LA16 QD06 RA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムにアンカーコート剤とガス
    バリア性樹脂が積層された包装用積層フィルムであっ
    て、アンカーコート剤の主剤が親水性基含有化合物と反
    応したポリオール、ポリイソシアネートおよび中和剤と
    の反応生成物からなる水分散型ポリエステル系ポリウレ
    タン樹脂であって、該ポリイソシアネートが脂環族ポリ
    イソシアネートまたは/および芳香脂肪族ポリイソシア
    ネートであり、アンカーコート剤の硬化剤が脂肪族ポリ
    イソシアネートと該脂肪族ポリイソシアネートおよびア
    ルコキシポリアルキレンエーテルグリコールとの反応生
    成物との混合物からなる水分散型ポリイソシアネート化
    合物であるとともにイソシアネート基含有率が3〜50
    重量%であることを特徴とする包装用積層フィルム。
  2. 【請求項2】 水分散型ポリイソシアネート化合物の原
    料である脂肪族ポリイソシアネートが1,6−ヘキサメ
    チレンジイソシアネートであり、アルコキシポリアルキ
    レンエーテルグリコールがポリエステルとポリエチレン
    グリコールとの反応生成物であることを特徴とする請求
    項1に記載の包装用積層フィルム。
  3. 【請求項3】 水分散型ポリエステル系ポリウレタン樹
    脂の原料である親水性基含有化合物がジメチロールプロ
    ピオン酸、ポリオールがポリエステルポリオール、ポリ
    イソシアネートが脂環族ポリイソシアネート、中和剤が
    3級アミンであることを特徴とする請求項1に記載の包
    装用積層フィルム。
  4. 【請求項4】 基材フィルムがポリエステルフィルムで
    あり、フィルム中に平均粒子径が0.01〜5μmの粒
    子を0.005〜1重量%含有するフィルムであって、
    少なくとも片面の中心線平均表面粗さRaが0.01〜
    0.05μmであることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の包装用積層フィルム。
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