JP2003322652A - マイクロ検査素子 - Google Patents

マイクロ検査素子

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JP2003322652A
JP2003322652A JP2002131936A JP2002131936A JP2003322652A JP 2003322652 A JP2003322652 A JP 2003322652A JP 2002131936 A JP2002131936 A JP 2002131936A JP 2002131936 A JP2002131936 A JP 2002131936A JP 2003322652 A JP2003322652 A JP 2003322652A
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micro
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carrier
dna
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JP2002131936A
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Hidenori Osada
英紀 長田
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SIGMAKOKI Co Ltd
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SIGMAKOKI Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査対象を識別するための識別物質を用途毎
にフレキシブルに組み合わせて検査キットを構成できる
ようにすると共に、識別物質を用いて検査対象を迅速か
つ容易に特定できるようにする。 【解決手段】 披検DNAを識別するための複数のDN
A断片3の各々を、個別の基板2に担持させてマイクロ
DNAチップを構成する。基板2のDNA断片3が担持
されていない領域には、この基板2に担持されている当
該DNA断片3を特定する2次元バーコードを印字す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ検査素子
及びこれを用いた検査キットと、マイクロ検査素子の管
理方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、予め構造や機能などの分かっ
ている識別物質を用いて検査対象を特定することが行わ
れている。例えば、遺伝子解析では、DNAチップが用
いられている。DNAチップは、識別物質として予め解
読されたDNA断片(プローブ)を複数種用いて、検査
対象である被検DNAの塩基配列を特定しようとするも
のである。現在普及しているDNAチップには、米国Af
fymetrix社のいわゆるGene Chipがある。これは、図2
6(a)に示すように、数センチ角の基板上に、多数の
DNA断片を格子状に配置してなる。DNA断片の固定
には、フォトリソグラフィー技術等が用いられる。ま
た、特開2001-133464号公報に開示されてあるように、
基板の空き領域に、そのDNAチップを他の種類のDN
Aチップと区別するためにバーコード等を付して管理番
号をもたせたものもある。なお、図26(a)は、説明
のための模式図であり、実際には同一の基板上に、数百
〜数十万程度のDNA断片が固定される。
【0003】この種のDNAチップにおいては、次のよ
うにして遺伝子解析を行う。まず、被検DNAに蛍光色
素を付して作成した試料を、DNAチップに滴下する。
このとき、チップ上のDNA断片と被検DNAとが相補
的である場合はそれらが結合し、そうでない場合は被検
DNAが流れ落ちる。被検DNAは蛍光標識してあるか
ら、画像処理などの手段を用いて、チップ上において発
光している場所の2次元位置座標(番地)を測定するこ
とにより、この被検DNAがチップ上のどのDNA断片
と結合したかを特定できる。具体的には、読取側には図
26(b)に示すような管理テーブルが予め用意されて
いて、上記読み取った番地(X,Y)と、このDNAチ
ップに付されてる管理番号とから、管理テーブルを照合
して、結合したDNA断片にかかる詳細情報を知る。こ
れにより、被検DNAの塩基配列が特定される。
【0004】また、こうしたDNAチップと同様の考え
方に基づいて、上記識別物質としてタンパク質を用い、
これを基板上に配置したいわゆるタンパク質チップと称
されるもの等の開発も進められている。なお、DNAチ
ップやタンパク質チップは、マイクロアレイとも称され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
DNAチップやタンパク質チップ等(以下、チップとい
う。)の構成では、基板上に固定する識別物質をフレキ
シブルに変更できない。そのため、用途毎にチップを初
めから製作する必要がある。また一般に、上記チップに
は、汎用性を高めるために予め幾つかの用途を想定して
選択された多数の識別物質が担持される。従って、例え
ば数個から数十個程度の識別物質を用いるだけで充分に
検査対象を特定できるような場合であっても、当該検査
に実質的に寄与しない識別物質までが冗長的に担持され
たチップが用いられることもあった。
【0006】また、上記チップを用いた検査方法は、基
板上に配列された識別物質の2次元座標位置(番地)を
読み取る工程を有するが、2次元座標の読み取りは煩雑
かつ困難であると共に、読み取り誤りが発生しやすいと
いう課題があった。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みて成されたも
のであり、検査対象を識別するための識別物質を用途毎
にフレキシブルに組み合わせて検査キットを構成できる
ようにすることを目的とする。また本発明は、識別物質
を用いて検査対象を迅速かつ容易に特定できるようにす
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
検査対象を識別する複数の識別物質のうちの一つのみ
が、個別の担体に担持されてなるマイクロ検査素子であ
る。第1の態様によれば、最小単位の識別物質ごとの取
り扱いが可能となるから、このマイクロ検査素子を複数
ストックしておけば、用途毎に始めから専用のチップを
構成しなくても、ストック中のマイクロ検査素子をフレ
キシブルに組み合わせるだけで、検査対象を識別するの
に必要充分な検査キットを構成できる。
【0009】ここで前記識別物質としては、DNA、R
NA、PNAその他の核酸の断片、タンパク質、酵素、
基質、抗原、抗体、ホルモン、レセプタ、オルガネラ、
エピドープ、ポリヌクレオチド、ペプチド、細胞、組
織、及び微生物等が挙げられる。
【0010】本発明の第2の態様は、第1の態様による
マイクロ検査素子において、前記担体の前記識別物質が
担持されていない領域に、この担体に担持されている当
該識別物質を特定する特定情報が付されてなるマイクロ
検査素子である。第2の態様によれば、検査においては
検査対象と相互作用した識別物質に対応する特定情報を
直接読み取ることにより、検査対象を特定できる。従っ
て、従来のように2次元位置座標を測定する必要がなく
なり、検査対象を迅速かつ容易に特定できるようにな
る。
【0011】本発明の第3の態様は、検査対象を識別す
る複数の識別物質のうちの同じ属性を有する群のみが、
個別の担体に担持されてなるマイクロ検査素子である。
第3の態様によれば、識別物質を属性単位で取り扱うこ
とが可能となるから、このマイクロ検査素子を複数スト
ックしておけば、用途毎に始めから専用のチップを構成
しなくても、ストック中のマイクロ検査素子をフレキシ
ブルに組み合わせるだけで、検査対象を識別するのに必
要充分な検査キットを構成できる。
【0012】本発明の第4の態様は、第3の態様による
マイクロ検査素子において、前記担体の前記識別物質が
担持されていない領域に、この担体に担持されている当
該各識別物質を特定する特定情報が付されてなるマイク
ロ検査素子である。
【0013】本発明の第5の態様は、第2又は第4の態
様によるマイクロ検査素子において、前記担体は板状に
形成されてなり、この板状体の一方面に前記識別物質が
担持され、他方面に前記特定情報が付されてなるマイク
ロ検査素子である。
【0014】本発明においては、前記担体を、ガラス、
セラミックス、シリコン、プラスチック、及び樹脂の何
れかを用いて構成するのが好ましい。
【0015】本発明の第6の態様は、第2又は第4の態
様によるマイクロ検査素子において、前記特定情報が、
このマイクロ検査素子に特有の情報であるマイクロ検査
素子である。第6の態様によれば、同じ識別物質を担持
したマイクロ検査素子どうしにおいても異なる特定情報
が付されることにより、各々のマイクロ検査素子を正確
に管理できる。
【0016】本発明の第7の態様は、第6の態様による
マイクロ検査素子において、前記特定情報が、100億
以上の前記マイクロ検査素子の各々を特定できる形態で
前記担体に付されてなるマイクロ検査素子である。
【0017】本発明の第8の態様は、第7の態様による
マイクロ検査素子において、前記特定情報が、2次元デ
ータコードとして前記担体に付されてなるマイクロ検査
素子である。
【0018】本発明の第9の態様は、第8の態様による
マイクロ検査素子において、前記2次元データコード
が、平面視において100×100マイクロメートル以
下のサイズで前記担体に付されてなるマイクロ検査素子
である。
【0019】本発明の第10の態様は、第1乃至第9の
何れかの態様によるマイクロ検査素子において、前記担
体が、平面視において200×400マイクロメートル
以下のサイズに形成されてなるマイクロ検査素子であ
る。
【0020】本発明の第11の態様は、第1乃至第10
の何れかの態様によるマイクロ検査素子において、前記
識別物質が、核酸の断片又はタンパク質であるマイクロ
検査素子である。
【0021】本発明の第12の態様は、第1乃至第11
の何れかの態様によるマイクロ検査素子を複数有してな
る検査キットである。
【0022】本発明の第13の態様は、第2又は第4の
態様によるマイクロ検査素子の管理方法であって、前記
特定情報を、各々の前記マイクロ検査素子に特有の情報
とし、この特定情報に、当該マイクロ検査素子の管理情
報と、このマイクロ検査素子に担持される前記識別物質
に関する情報とを対応付けた管理テーブルを用いる管理
方法である。
【0023】本発明の第14の態様は、第13の態様に
よる管理方法において、前記マイクロ検査素子の管理情
報には、当該マイクロ検査素子の製造日、保管場所、保
管温度、若しくは当該マイクロ検査素子が収められる容
器を表す情報、又は前記特定情報を示す画像の少なくと
も何れかが含まれる管理方法である。
【0024】
【発明の実施の形態】〔マイクロDNAチップ〕図1
は、実施の形態によるマイクロDNAチップ1を示す。
このマイクロDNAチップ1は、予め解読された相異な
る複数のDNA断片の各々を、個別の基板2に担持させ
たものである。すなわち、一つのマイクロDNAチップ
1は、被検DNAを識別する複数のDNA断片のうちの
一つのみが、個別の基板2に担持されてなる。DNA断
片3は、図1(a)に示すように、基板2の表面に単一
のスポット状に固定された状態で担持されている。な
お、基板2のサイズは、平面視において略200μm×
400μmである。
【0025】DNA断片3の担持態様としては、DNA
断片3を基板2上に載せる態様、基板2に貼り付ける態
様、基板2と化学的に結合させる態様、又は予め基板2
に形成したセルに挿入する態様などのいずれであっても
よい。
【0026】一方、図1(b)に示すように、基板2の
裏面には、当該DNA断片3を特定するマイクロビット
コード(MBC)4が付されている。マイクロビットコ
ード4は、図2(a)に示すように、平面領域を14行
14列でマトリックス状に区分することにより、この領
域内に196(=14×14)個のセル41を構成し、
各セル41に0又は1の2値情報を持たせて実現する。
これにより、約1京(9999兆)個のマイクロDNA
チップ1を管理できる。図2(b)には、このマイクロ
ビットコード4の一実施例を示してある。このマイクロ
ビットコード4が占める平面領域は、略100μm×1
00μmであり、各セルのサイズは、7μm×7μm程
度である。
【0027】なお、マイクロビットコード4におけるセ
ル41の数は特に限定されない。例えば、平面領域を8
行18列でマトリックス状に区分することにより、この
領域内に124(=8×18)個のセル41を構成する
こともできる。
【0028】このようなマイクロDNAチップ1によれ
ば、最小単位であるDNA断片3ごとの取り扱いが可能
となる。従って、マイクロDNAチップ1を予め複数ス
トックしておけば、用途毎に始めから専用のチップを構
成しなくても、ストック中のマイクロDNAチップ1を
フレキシブルに組み合わせるだけで、検査対象を識別す
るのに必要充分な検査キットを構成できる。
【0029】さらに、個々のマイクロDNAチップ1に
は、そのマイクロDNAチップ1が担持しているDNA
断片3を特定するマイクロビットコード4が付されてい
るから、検査においては、被検DNAとハイブリタイズ
して2重鎖を構成したDNA断片3に対応するマイクロ
ビットコード4を直接読み取ることにより、DNA断片
を特定できる。これにより、2次元位置座標を測定する
必要がなくなり、検査対象を迅速かつ容易に特定できる
ようになる。
【0030】〔マイクロDNAチップの変形例1〕図3
は、マイクロDNAチップの変形例を示す。このマイク
ロDNAチップ5は、基板2のDNA断片3が固定され
ている面と同じ面にマイクロビットコード4を付したも
のである。このように、マイクロビットコード4を付す
箇所は特に限定されず、基板2のDNA断片3が固定さ
れていない領域にマイクロビットコード4を付せばよ
い。
【0031】〔マイクロDNAチップの変形例2〕図4
は、マイクロDNAチップの別の変形例を示す。このマ
イクロDNAチップ6は、被検DNAを識別する複数の
DNA断片のうちの同じ属性を有する群のみを、個別の
基板7に担持させたものである。なおここにいう属性と
は、例えば、生物種、組織、配置位置などを指す。例え
ば、図4(a)に示すマイクロDNAチップ6では、同
じ属性を有する3つのDNA断片群のみが、個別の基板
7に担持されている。なお、基板7の形状は、必ずしも
矩形でなくともよく、図5(e)に例示すような形状で
あってもよい。このようなマイクロDNAチップによれ
ば、属性毎のDNA断片の取り扱いが可能となる。
【0032】〔検査キット〕次に、検査キットについて
説明する。図5(a)は、図1に示したマイクロDNA
チップ1を用いて構成した検査キットを示す。この検査
キットは、複数のマイクロDNAチップ1が基体8に固
定されてなる。基体8は、透光性を有していて、該基体
8の裏側から、各マイクロDNAチップ1の裏面に付さ
れたマイクロビットコード4の読取が可能となってい
る。図5(b)は、図3に示したマイクロDNAチップ
5を用いて構成した検査キットを示す。この場合は、各
マイクロDNAチップ5の表面にマイクロビットコード
4が付されているから、必ずしも基体8が透光性を有し
ていなくてもよい。図5(c)は、図4に示したマイク
ロDNAチップ6を用いて構成した検査キットを示す。
この検査キットでは、複数のマイクロDNAチップ6が
基体8の表面を略隙間なく充填するように組み合わされ
て該基体8に固定されている。なお、基体8の形状は特
に限定されるものではなく、棒状であってもよい。
【0033】〔マイクロDNAチップの製造方法1〕次
に、マイクロDNAチップの製造方法につき説明する。
まず、基板2の母材として用いる母基板について説明す
る。実施例においては母基板として厚さ200μmのセ
ラミック基板を用いる。但し、母基板の厚さは特に限定
されない。セラミック基板には、後の工程において、D
NA断片3が担持されると共に、マイクロビットコード
4が印字される。従って、これらとの相性を良くするた
めに、セラミック基板に所定の表面処理を施すのが好ま
しい。
【0034】表面処理としては、図6(a)に示すよう
に、クリーンルーム内で、母基板(セラミック基板)1
0の1表面にグレース加工を施して、当該表面を膜厚数
μmのガラス膜10aで被覆する方法がある。グレース
加工には、グレーザ(つやだし炉)を用いる。グレーザ
とは、押し出し加工等の成型品の表面光沢を改善するた
めの熱処理炉である。
【0035】また表面処理としては、図6(b)に示す
ように、クリーンルーム内で、母基板(セラミック基
板)10の1表面にDLC(Diamond Like Carbon)コ
ート加工を施して、当該表面を結晶構造のダイアモンド
コート10bで被覆する方法がある。ダイアモンドコー
ト10bは、DNA断片3と共有結合可能であるから、
これを確実かつ容易に固定できる。また、ダイアモンド
コート10bは緻密であり、DNA断片を高密度で配置
できる。
【0036】上記のガラス膜10a或いはダイアモンド
コート10bは、レーザ光を良好に吸収するから、マイ
クロビットコード4を正確かつ容易に印字できるように
なる。但し、必ずしも母基板に表面処理を施さなくても
よい。
【0037】続いて、図7を参照してさらに説明する。
まず、上記のようにして得た母基板10の表裏面を複数
のセグメント11…に分ける。各セグメント11は、マ
イクロDNAチップ1の基板2に対応する。ここで、各
セグメント11は仮想的に構成されて認識されたもので
あってもよい。また、母基板10の表裏面に実際に、境
界線や目印となる点等を形成することによってもセグメ
ント11を構成できる。この場合、各セグメント11の
境界の機械強度が弱くなるようにするのが好ましい。具
体的には、各セグメント11の境界部分の厚みを、他の
部分よりも薄くするのが好ましい。
【0038】次いで、母基板10の各セグメント11の
裏面側に、後述するMBCマーキング装置20(図12
参照)を用いて、マイクロビットコード4を付す。ま
た、付されたマイクロビットコード4を、後述するMB
C読取装置40(図17、18参照)を用いて読み取る
ことにより、当該マイクロビットコード4が確実に読取
可能な形態で付されたどうかを検査する。
【0039】一方、各セグメント11の表面側には、D
NA断片固定手段30を用いて予め指定された種類のD
NA断片3をスポット状に固定する。ここで、DNA断
片固定手段30としては公知のものを用いることができ
る。公知のものとしては、マイクロスポッティング法や
インクジェット法等を利用した装置がある。マイクロス
ポッティング法は、DNA断片3を含んだ溶液を、ピン
や毛細管等を用いてスポットさせる方法である。インク
ジェット法は、圧電素子等を用いて微小ノズルからDN
A断片3を含んだ溶液を滴下させる方法である。
【0040】なお、同一のセグメント11に対して、マ
イクロビットコード4の印字及び読取と、DNA断片3
の固定とを同時に行うこともできる。その場合には、マ
イクロビットコード4の印字に近赤外レーザを用いるの
が好ましいこともある。
【0041】次いで、後述するレーザ切断装置50(図
12参照)を用いて、母基板10を各セグメント11毎
に細分化することにより、マイクロDNAチップ1を複
数得る。
【0042】〔マイクロDNAチップの製造方法2〕次
に別の製造方法について説明する。この方法は要する
に、母基板10にDNA断片3を担持させる前に、母基
板10を細分化する方法である。そのために前提とし
て、母基板10を細分化してブランク状態の基板2を多
数得るまでの段階につき図8、図9を参照して説明す
る。
【0043】図8は、レーザ切断装置50(図12参
照)を用いる場合の説明図である。まず、セラミックス
を焼結し所定の表面処理を施した母基板10を用意す
る。次いで、この母基板10の表面を複数のセグメント
11…に分ける。各セグメント11は、仮想的なもので
よい。次いで、レーザ切断装置50(図12参照)を用
いて、母基板10を各セグメント11毎に細分化するこ
とにより、ブランク状態の基板2を複数得る。
【0044】図9は、ブレークマシンを用いる場合の説
明図である。まず、硬化する前の柔らかな母基板10を
用意する。次いで、この母基板10を所定の金型を用い
てプレスする。これにより、母基板10の表裏面にセグ
メント11が構成される。このとき用いる金型は、各セ
グメント11の境界部分の厚みが他の部分よりも薄くな
るような形状を有している。次いで、プレスした母基板
10を焼結した後、ブレークマシンにかける。各セグメ
ント11の境界部分のみの機械強度が弱くなっているか
ら、母基板10は確実かつ容易に、複数の基板2に細分
化される。次いで、細分化された各基板2を洗浄すると
共に乾燥させる。その後、各基板2を、整列機を用いて
整列させる。この方法によれば、量産時のコストを低減
できる。
【0045】続けて、図8又は図9に示した方法で得ら
れたブランク状態の各基板2にDNA断片3を付加する
と共に、マイクロビットコード4を印字する工程につき
図10を参照して説明する。ブランク状態の基板2を、
図示せぬ搬送系により一列に並べた状態で搬送する。基
板2が搬送される過程で、その表面にDNA断片固定手
段30によってDNA断片3が固定される。一方、その
裏面にMBCマーキング装置20によってマイクロビッ
トコード4が印字されると共に、印字されたマイクロビ
ットコード4がMBC読取装置40によって読み取られ
る。このとき、同一の基板2に対して、DNA断片3の
固定と、マイクロビットコード4の印字とを表裏面側か
ら同時に行うこともできる。その場合には、マイクロビ
ットコード4の印字に近赤外を用いるとよい。以上のよ
うにして、マイクロDNAチップが順次完成する。
【0046】なお、基板2において、DNA断片3を固
定する面と、マイクロビットコード4を印字する面とを
同一にする場合には、図11に示すように、DNA断片
固定手段30とMBCマーキング装置20とを搬送ライ
ンに沿って併置するとよい。
【0047】〔MBCマーキング装置、レーザ切断装
置〕次に、前述したMBCマーキング装置20、及びレ
ーザ切断装置50について詳細に説明する。本実施の形
態においては、これら2つの装置をひとつの装置(以
下、「MBCマーキング/レーザ切断装置」という。)
で兼ねる。MBCマーキング/レーザ切断装置は、図1
2に示すように、YAG基本波を発生する第1モジュー
ル21と、この第1モジュール21で発生したYAG基
本波を非線形結晶により2倍波及び4倍波へ変換する第
2モジュール22と、伝送光学系及び観察光学系を含む
第3モジュールとからなる。
【0048】第1モジュール21は、基本波用共振器ミ
ラー211、AOMやEOMなどの基本波用Qスイッチ
素子212、基本波発生用レーザ媒質(YAG結晶)2
13、半導体レーザ214a,214b、及び基本波・
2倍波用共振器ミラー215を有する。第2モジュール
22は、2倍波用結晶221、2倍波・4倍波用共振器
ミラー222、4倍波結晶223、4倍波用共振器ミラ
ー224、4倍波用減衰器225、及び4倍波用ビーム
エキスパンダ226を有する。2倍波用結晶221及び
4倍波結晶223には、レーザを安定させるためにこれ
らを例えば40℃に保つ温調手段を設けるのが好まし
い。第3モージュール23は、観察光学系用ミラー23
1,232、一対のガルバノ用ミラー233,234、f
θレンズ235、照明光源236、ズームレンズ23
7、CCDユニット238を有する。
【0049】また、MBCマーキング/レーザ切断装置
は、操作コンピュータに接続されていて、該操作コンピ
ュータを用いて所定の入力操作を行えるようになってい
る。
【0050】このMBCマーキング/レーザ切断装置が
MBCマーキング装置20として機能する場合の作用は
次の通りである。前提として、図13(a)に示すよう
に、操作コンピュータにおいてマイクロビットコード4
に持たせる管理番号を入力する。なお管理番号は、個々
のマイクロDNAチップに特有のものである。さらに図
13(b)に示すように、操作コンピュータにおいて、
刻印データ、文字サイズ、文字基準位置、ペン番号、電
流値、周波数、マーキングのON/OFF、連番設定、
ステージ番号などのパラメータを入力する。
【0051】そして、第3モジュール23の観察光学系
により、母基板10のセグメント11又は基板2(以
下、「ワークW」という。)上におけるマイクロビット
コード4を付す位置を定める。すなわち、照明光源23
6から出射された観察光は、観察光学系用ミラー23
1、ガルバノ用ミラー233,ガルバノ用ミラー234
をこの順に経由して、fθレンズ235を介してワーク
Wに照射される。
【0052】ワークWに照射された観察光は、このワー
クWで反射される。その反射光は、上記とは逆の光路、
すなわちfθレンズ235を介して、ガルバノ用ミラー
234、ガルバノ用ミラー233、観察光学系用ミラー
231をこの順に経由して観察光学系用ミラー232に
至る。観察光学系用ミラー232に至った反射光は、こ
の観察光学系用ミラー232によって反射されてズーム
レンズ237を介してCCDユニット238に入射す
る。以上のようにしてCCDユニット238においてワ
ークW表面の像を確認しながら、ガルバノ用ミラー23
3,234の姿勢を変化させて、このワークW上におけ
るマイクロビットコード4を付す位置を定める。
【0053】なお、位置決めのときには、操作コンピュ
ータの画面に図13(c)に示すようなマイクロビット
コード4の予想画像が表示され、スタート操作により、
マイクロビットコード4のマーキングが実行される。
【0054】すなわち、第1モジュールでは、半導体レ
ーザ214a,214bによって基本波発生用レーザ媒
質213が励起され、波長1.06μmの基本波レーザ
が発生する。発生した基本波レーザは、ミラー211と
ミラー222との間で繰り返し反射して共振する。ミラ
ー211とミラー222との間の光路には、2倍波用結
晶221が配置されているから、基本波が2倍波用結晶
221を透過することにより、波長0.532μmの2
倍波レーザが発生する。
【0055】発生した2倍波レーザは、ミラー215と
ミラー224との間で繰り返し反射して共振する。ミラ
ー215とミラー224との間の光路には、4倍波用結
晶223が配置されているから、2倍波レーザが4倍波
用結晶223を透過することにより、波長0.266μ
mの4倍波レーザ(UVレーザ)が発生する。そして発
生した4倍波レーザの一部は、ミラー222とミラー2
24との間で繰り返し反射し、他の一部はミラー224
を透過し、結果としてそれらが共振し合う。共振した4
倍波レーザは、減衰器225、ビームエキスパンダ22
6を介して、第3モジュールの伝送光学系に入射する。
【0056】第3モジュールの伝送光学系に入射した4
倍波レーザは、ガルバノ用ミラー233,234を経由
し、fθレンズ235を介してワークWに照射される。
なお、4倍波レーザのスポット径は、7μm程度であ
る。その過程で、一方のガルバノ用ミラー233を図1
2の紙面に垂直な回転軸を中心として回転させ、他方の
ガルバノミラー234を図12の紙面内にある回転軸を
中心として回転させる。このようにして、当該各ミラー
233,234の姿勢を制御することにより、ワークW
上における4倍波レーザのスポット位置を走査させる。
なお、スポットの位置決め精度は、±2μm以下であ
る。
【0057】そして、4倍波レーザのスポットの走査と
同期をとりながら、Qスイッチ素子212をON/OF
F制御することにより、ワークW上の所定領域にマイク
ロビットコード4を形成する。このような制御手段は、
具体的にはソフトウエアによって実現される。すなわ
ち、Qスイッチ素子212がONのときには、4倍波レ
ーザのスポットがワークW上のセル41(図2(a)参
照)に照射されて、当該セル41が黒色になる。一方、
Qスイッチ素子212がOFFのときには、基本波レー
ザが遮断されるから、ワークWには4倍波レーザが実質
的に照射されず、セル41はブランク(白色)のままで
ある。このようにして、各セル41に対して、黒か白か
の2値情報を与えることにより、マイクロビットコード
4を形成する。
【0058】次に、マイクロビットコード4を印字する
際の問題点について説明する。図2(b)に示したよう
に、マイクロビットコード4の各セル41が白か黒かが
明瞭に検出できる状態が理想である。しかしながら図1
4に示すように、本来なら黒色にマーキングされるべき
セル41に濃淡の変化が生じてしまうことが考えられ
る。甚だしい場合には、図14(c)のようになってし
まい、このマイクロビットコード4を正確に検出できな
くなる懸念がある。その原因として、MBCマーキング
装置20におけるレーザパワーの変動とワークW表面の
特性が考えられる。
【0059】MBCマーキング装置20側に起因する濃
淡の変化を防止するためには、パルスの時間的及び空間
的な安定性が重要であり、パルスピークの変動率を15
%以内とするのが好ましい。そのためには、Qスイッチ
素子212におけるノイズの低減が重要である。また、
ワークWに起因する濃淡の変化を防止するためには、ワ
ークWとして表面のレーザ吸収特性が良好なもの、また
表面粗さが所定以下のものを用いるのが重要である。特
に、ワークWをセラミック基板とする場合には、気泡部
のサイズが3μm以下であるのが好ましい。さらに、後
のマイクロビットコード4の読み取りを考慮すると、ワ
ークWの素材としては、マイクロビットコード4とのコ
ントラストを大きく(20%以上)とれるものが好まし
い。
【0060】また、別の問題点として、図15(a)に
示すように、マイクロビットコード4に位置ズレが生じ
る場合が考えられる。この場合は、セル41に濃淡の変
化が生じていなくても、誤ったデータを読み取ってしま
う懸念がある。さらには図15(b)に示すように、位
置ズレと濃淡の変化とが併発してしまうことも考えられ
る。
【0061】位置ズレの問題を防止するためには、レー
ザ光のパワーの安定性のみならず方向性(ポインティン
グスタビリティー)が重要である。さらにスポットの走
査とQスイッチ素子212をON/OFF制御とを正確
に同期させることが重要である。また、ガルバノ系の安
定性が重要であり、ガルバノ用ミラー233,234を
駆動するガルバノモータを温度制御することにより、こ
の問題を低減できる。さらには、電磁ノイズの影響を最
小限に抑えるデジタル信号処理手段を設けるのが好まし
い。
【0062】次に、MBCマーキング/レーザ切断装置
が、レーザ切断装置50として機能する場合について説
明する。操作コンピュータの画面には、図16に示すよ
うに、MBCマーキング/レーザ切断装置によって認識
されたセグメント11が表示される。スタート操作によ
り、母基板のレーザ切断が実行される。MBCマーキン
グ/レーザ切断装置が、レーザ切断装置50として機能
する場合には、マイクロビットコードをマーキングする
場合よりも、UVレーザのパルス幅が短くなると共に、
そのパワーが増大するようになっている。またこの場
合、Qスイッチ素子212として高速繰り返し型EOM
を採用するのが好ましい。
【0063】以上説明したMBCマーキング/レーザ切
断装置は、光源にYAG4倍波を用いているから、マイ
クロビットコード4のマーキングの際には、微小スポッ
トを作りやすく、ワークW切断の際にはこれを容易に加
工できる。特に、ワークWとしてのガラス基板やセラミ
ック基板は硬く割れやすい為、従来これらの微小加工は
困難であったが、本発明のMBCマーキング/レーザ切
断装置は、これらの微小加工に好適に用いることができ
る。また、ワークWとして波長266nmの紫外線(Y
AG4倍波)を吸収するガラス素材を採用すれば、該ガ
ラス基板に対する印字及び加工を正確かつ容易に行え
る。また、ワークWとしてセラミック基板を採用する場
合には、該セラミック基板がYAG4倍波のみならず波
長532nmの2倍波レーザ及び波長1064nmの基
本波レーザも吸収することにより、これに微細なマイク
ロビットコード4を良好に印字できることが考えられ
る。
【0064】〔MBC読取装置〕次に、前述したMBC
読取装置40について説明する。図17は、MBC読取
装置40の構成を示す模式図であり、図18は、MBC
読取装置40の機能ブロック図である。MBC読取装置
40は、ワークWが載置されるXYステージ401を備
える。XYステージ401のサイズは平面視において1
50×150mmである。XYステージ401に対向し
て、顕微鏡部402が配置されている。顕微鏡部402
には、照明システム402aが設けられている。照明シ
ステム402aは、リング照明、同軸照明、射光照明の
3つの照射方法の何れかにより、XYステージ401上
のワークWを照射する。
【0065】XYステージ401上のワークWに印字さ
れたマイクロビットコード4は、顕微鏡部402を介し
てCCDカメラ403によって撮像され、その画像デー
タが生成される。生成された画像データは、画像処理ボ
ード404を介してコンピュータ405に送られる。
【0066】また、XYステージ401上のワークに
は、面照明406によって照明光が照射される。照明光
源としては、それぞれ波長400nm、532nm、6
70nm、808nm、940nmの照明光を発生する
5つのLED407a〜407e、及びハロゲンランプ
407fが用意されている。これらのうち何れかの光源
が切替器407によって選択され、選択された光源から
の照明光が面照明406によってワークWに照射される
ようになっている。
【0067】XYステージ401は、ステージ制御部4
09によってドライバー408が制御されることによ
り、XY平面内で移動する。位置決めの分解能は、0.
1μmである。これにより、XYステージ401上のワ
ークWが所定位置に位置決めされる。一方、顕微鏡部4
02は、AF(auto focus)制御部409によってドラ
イバー411が制御されることにより、Z軸方向に昇降
する。Z軸方向のストロークは30mmである。AF系
には、共焦点方式やナイフエッジ方式を用いてよい。こ
れらステージ制御部409及びAF制御部409もコン
ピュータ405に接続されている。すなわち、コンピュ
ータ405は、このMBC読取装置40の統合制御部と
しての機能を果たす。
【0068】次に、図19を参照して、このMBC読取
装置40の作用について説明する。まず、図示せぬ搬送
手段により、XYステージ401上にワークWを搬送す
る(ステップS1)。次いで、ステージ制御部409が
ドライバ408を駆動制御することにより、ワークWの
XY平面上の位置が定められる(ステップS2)。次い
で、AF制御部412がドライバー411を駆動制御す
ることにより、顕微鏡部402がZ軸方向に位置決めさ
れる(ステップS3)。これにより、ワークWに焦点が
定められ、画像取り込みルーチンが実行される(ステッ
プS4)。
【0069】画像取り込みルーチンでは、予め定められ
た複数の照明条件の下で、画像を取り込む。照明条件と
しては、照明システム402aでの照射方法が3種類
で、切替器407で切替可能な光源が6種類であるか
ら、最大18(3×6)通りある。但し、これらの組み
合わせ及び照明条件の数は特に限定されず、コンピュー
タ405側のソフトウエアによって任意に設定できる。
【0070】すなわち、コンピュータ405は、照明シ
ステム402a及び/又は照明切替器407を制御し
て、予め定められた複数の照明条件のうちの一つを設定
する(ステップS5)。これにより、その設定された照
明条件下で、XYステージ401上のワークWに照明光
が照射される(ステップS6)。次いで、画像処理ルー
チンが実行される(ステップS7)。すなわち、CCD
カメラ403によって撮像されたマイクロビットコード
4の画像が、画像処理ボード404の画像グラバー40
4aによって取り込まれる(ステップS8)。取り込ま
れた画像データが画像メモリ404bに蓄積される(ス
テップS9)。
【0071】次いで、画像処理ボード404では、画像
処理用DSP404cによって、画像メモリ404bに
蓄積されている画像データにグレー処理や2値化処理な
どの画像処理を施す(ステップS10)。画像処理が施
された画像データは、画像メモリ404bに蓄積される
(ステップS11)。
【0072】次いで、コンピュータ405は、予め定め
られた全ての照明条件下で、マイクロビットコード4の
画像を取り込んだか否かを判定する(ステップS1
2)。まだ、全ての照明条件下で画像を取り込んでいな
い場合には(ステップS12;NO)、再びステップS
5に戻る。このようにして、上記ステップ5〜ステップ
S11までの処理を、全ての照明条件について行う。こ
のように、各照明条件についての画像データを合成する
ことにより、仮にマイクロビットコード4に位置ズレ、
濃淡バラツキ、大きさバラツキ等が多少生じていても、
読み取りのエラー率を低減でき、正確な読み取りが実現
できる。
【0073】一方、全ての照明条件下での画像の取り込
みが終了すると(ステップS12;YES)、画像処理
用DSP404cは、画像メモリ404bに蓄積されて
いる各照明条件ごとの画像処理結果を合成する(ステッ
プS13)。次いで、画像処理用DSP404cによっ
ては合成処理された画像データは、デコーダ404dで
解読されることにより(ステップS14)、データコー
ドへ変換されてコンピュータ405に取り込まれる。コ
ンピュータ405では、解読された合成画像に基づいて
マイクロビットコード4が表す管理番号を認識する(ス
テップS15)。これにより、このMBC読取装置40
と、後述する管理端末60とを有してなる管理システム
において、図20に模式的に示すような管理テーブルを
作成できる(ステップS16)。
【0074】なお、本実施の形態によるMBC読取装置
40は、照明光源として、それぞれ波長400nm、5
32nm、670nm、808nm、940nmの照明
光を発生する5つのLED407a〜407e、及びハ
ロゲンランプ407fを備えるが、予め最適な照明条件
が分かっている場合には、必ずしもマルチ光源とせず
に、白色光或いは特定の波長を有する光源のみを備える
こととしてもよい。
【0075】〔管理テーブル〕管理テーブルは、図20
に示すように、各々のマイクロDNAチップ1に特有の
マイクロビットコード(MBC)4が表す管理番号に、
当該マイクロ検査素子に担持されるDNA断片に関する
DNA情報と、当該マイクロDNAチップ1のチップ管
理情報とを対応付けたデータベースである。このような
管理テーブルを用いることにより、マイクロDNAチッ
プ1を大量にストックする場合であっても、個々のマイ
クロDNAチップ1を確実に管理できるから、ターゲッ
トに応じた検査キットを迅速かつ正確に用意できる。
【0076】DNA情報としては、DNAの構造・機
能、塩基配列、生物種名、組織名、配置位置、GeneBank
-Symbol、Accession-Number、GeneBank-Name等を含める
ことができる。チップ管理情報としては、当該マイクロ
DNAチップの保管日、保管場所、保管温度、当該マイ
クロDNAチップが収められる容器を表す情報、マイク
ロビットコードを示す拡大イメージ、マイクロDNAチ
ップを示す拡大イメージ、保管場所を模式的に示すイメ
ージ等を含めることができる。
【0077】次に、マイクロDNAチップ1のチップ管
理情報を作成するまでの全体的な流れについて図21を
参照して説明する。図21に示すように、管理端末60
は、マイクロDNAチップ1に付されたマイクロビット
コード4の画像データや、このマイクロDNAチップの
画像データ等を用いてチップ管理情報70を作成する。
なお、これらの画像データは、MBC読取装置40側か
ら取得できる。また、チップ管理情報70は、DNAチ
ップ保管場所80等との間で情報交換可能に共有でき
る。
【0078】次に、図22〜図25を参照して、チップ
管理情報を作成する際における管理端末60側での入力
操作について詳細に説明する。管理端末60を起動する
と、図22(a)に示すようなログイン画面が表示され
る。ログイン画面において、ユーザ名とパスワードを入
力すると、図22(b)に示すようなメインメニュー画
面が表示される。
【0079】メインメニュー画面において、サンプル登
録ボタン221をクリックすると、図23(a)に示す
サンプル登録画面が表示される。このサンプル登録画面
では、マイクロDNAチップ1の名称231、保管日2
32、マイクロDNAチップ1が収められている容器の
名称233a、容量233b、形状233c、保管場所
の名称234、保管温度235などを登録できる。ま
た、この画面には、マイクロビットコード4の画像23
6、マイクロDNAチップ1の画像237、保管場所を
模式的にあらわすアイコン238、並びに、保管者、最
終使用日、及び最終使用者を記載した表239なども表
示される。
【0080】メインメニュー画面において、サンプル修
正ボタン222をクリックすると、図23(b)に示す
ようなサンプル修正画面が表示される。この画面では、
以前にサンプル登録画面(図23(a))で登録した内
容を修正できる。
【0081】メインメニュー画面において、サンプル検
索ボタン224をクリックすると、図24(a)に示す
ようなサンプル検索画面が表示される。この画面では、
サンプル検索のためのキーワードとして、マイクロビッ
トコードの管理番号241a、サンプル名称241b、
保管者241c、最終使用者241d、保管日241
e、最終使用日241f、容器名称241g、保管場所
241hなどを入力できる。キーワードを入力した後、
検索ボタン242をクリックすると、図24(b)に示
すサンプル検索結果画面が表示される。サンプル検索結
果画面において、変更ボタン243をクリックすると、
図23(b)に示したサンプル修正画面に遷移する。
【0082】また、サンプル検索結果画面において、削
除ボタン244をクリックすると、図24(c)に示す
サンプル削除画面が表示される。この画面では以前にサ
ンプル登録画面(図)23(a))で登録されたデータ
を削除できる。なお、この画面は、メインメニュー画面
(図22(b))で、サンプル削除ボタン223をクリ
ックした場合にも表示される。
【0083】メインメニュー画面(図22(b))にお
いて、ユーザメンテナンスボタン225をクリックする
と、図25(a)に示すユーザメンテナンス画面が表示
される。この画面で追加ボタン251をクリックする
と、同図(b)に示すユーザ登録補助画面が表示され
る。ユーザ登録補助画面では、ユーザ名252a、パス
ワード252b、パスワード確認252cを入力でき
る。また、この画面では、当該ユーザについて、サンプ
ル登録252d、サンプル修正252e、サンプル削除
252f、ユーザメンテナンス252g、保管容器メン
テナンス252h、及び保管場所メンテナンス252i
の権限があるか否かを設定できる。
【0084】メインメニュー画面(図22(b))にお
いて、保管場所メンテナンスボタン227をクリックす
ると、図25(c)に示す保管場所メンテナンス画面が
表示される。この画面では、保管場所、保管温度、場所
イメージ図等を、追加し削除し又は変更できる。
【0085】メインメニュー画面(図22(b))にお
いて、保管容器メンテナンスボタン226をクリックす
ると、図25(d)に示す保管容器メンテナンス画面が
表示される。この画面では、容器の容量や形状等を、追
加し削除し又は変更できる。
【0086】以上のように、チップ管理情報は、管理端
末60において一元管理される。なお、このチップ管理
情報を含む管理テーブルを、管理者側のみならずユーザ
側においても参照できるようにしてもよい。
【0087】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明はこれに限られない。識別物質とし
て、DNA断片に代えてタンパク質を用いることによ
り、マイクロタンパク質チップを構成することもでき
る。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、検査対象を識別するた
めの識別物質を用途毎にフレキシブルに組み合わせて検
査キットを構成できるようになる。また本発明によれ
ば、識別物質を用いて検査対象を迅速かつ容易に特定で
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロDNAチップの拡大図であり、(a)
は平面図、(b)は裏面図である。
【図2】(a)はマイクロビットコードの説明図であ
り、(b)はマイクロビットコードの一態様を示す図で
ある。
【図3】別の実施の形態によるマイクロDNAチップの
説明図である。
【図4】さらに別の実施の形態によるマイクロDNAチ
ップを示す図である。
【図5】検査キットを示す図である。
【図6】マイクロDNAチップの製造方法を説明するた
めの図である。
【図7】マイクロDNAチップの製造方法を説明するた
めの図である。
【図8】マイクロDNAチップの製造方法を説明するた
めの図である。
【図9】マイクロDNAチップの製造方法を説明するた
めの図である。
【図10】マイクロDNAチップの製造方法を説明する
ための図である。
【図11】マイクロDNAチップの製造方法を説明する
ための図である。
【図12】MBCマーキング装置およびレーザ切断装置
の構成を示す図である。
【図13】MBCマーキング装置における表示画面の一
例を示す図である。
【図14】マイクロビットコードの問題点を説明するた
めの図である。
【図15】マイクロビットコードの別の問題点を説明す
るための図である。
【図16】レーザ切断装置における表示画面の一例を示
す図である。
【図17】MBC読取装置の構成を示す模式図である。
【図18】MBC読取装置のブロック図である。
【図19】MBC読取装置の動作を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図20】管理テーブルのデータ構造を模式的に示す図
である。
【図21】管理テーブルを作成するまでの全体的な流れ
を説明するための図である。
【図22】管理端末における表示態様を例示した図であ
る。
【図23】管理端末における別の表示態様を例示した図
である。
【図24】管理端末におけるさらに別の表示態様を例示
した図である。
【図25】管理端末におけるさらに別の表示態様を例示
した図である。
【図26】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1…マイクロDNAチップ(マイクロ検査素子)、2…
基板(担体)、3…DNA断片(識別物質)、4…マイ
クロビットコード(特定情報)。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検査対象を識別する複数の識別物質のうち
    の一つのみが、個別の担体に担持されてなるマイクロ検
    査素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載のマイクロ検査素子におい
    て、 前記担体の前記識別物質が担持されていない領域に、こ
    の担体に担持されている当該識別物質を特定する特定情
    報が付されてなるマイクロ検査素子。
  3. 【請求項3】検査対象を識別する複数の識別物質のうち
    の同じ属性を有する群のみが、個別の担体に担持されて
    なるマイクロ検査素子。
  4. 【請求項4】請求項3記載のマイクロ検査素子におい
    て、 前記担体の前記識別物質が担持されていない領域に、こ
    の担体に担持されている当該各識別物質を特定する特定
    情報が付されてなるマイクロ検査素子。
  5. 【請求項5】請求項2又は4記載のマイクロ検査素子に
    おいて、 前記担体は板状に形成されてなり、この板状体の一方面
    に前記識別物質が担持され、他方面に前記特定情報が付
    されてなるマイクロ検査素子。
  6. 【請求項6】請求項2又は4記載のマイクロ検査素子に
    おいて、 前記特定情報が、このマイクロ検査素子に特有の情報で
    あるマイクロ検査素子。
  7. 【請求項7】請求項6記載のマイクロ検査素子におい
    て、 前記特定情報が、100億以上の前記マイクロ検査素子
    の各々を特定できる形態で前記担体に付されてなるマイ
    クロ検査素子。
  8. 【請求項8】請求項7記載のマイクロ検査素子におい
    て、 前記特定情報が、2次元データコードとして前記担体に
    付されてなるマイクロ検査素子。
  9. 【請求項9】請求項8記載のマイクロ検査素子におい
    て、 前記2次元データコードが、平面視において100×1
    00マイクロメートル以下のサイズで前記担体に付され
    てなるマイクロ検査素子。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9の何れか記載のマイクロ
    検査素子において、 前記担体が、平面視において200×400マイクロメ
    ートル以下のサイズに形成されてなるマイクロ検査素
    子。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10の何れか記載のマイク
    ロ検査素子において、 前記識別物質が、核酸の断片又はタンパク質であるマイ
    クロ検査素子。
  12. 【請求項12】請求項1乃至11の何れか記載のマイク
    ロ検査素子を複数有してなる検査キット。
  13. 【請求項13】請求項2又は4記載のマイクロ検査素子
    の管理方法であって、 前記特定情報を、各々の前記マイクロ検査素子に特有の
    情報とし、 この特定情報に、当該マイクロ検査素子の管理情報と、
    このマイクロ検査素子に担持される前記識別物質に関す
    る情報とを対応付けた管理テーブルを用いる管理方法。
  14. 【請求項14】請求項13記載の管理方法において、 前記マイクロ検査素子の管理情報には、当該マイクロ検
    査素子の製造日、保管場所、保管温度、若しくは当該マ
    イクロ検査素子が収められる容器を表す情報、又は前記
    特定情報を示す画像の少なくとも何れかが含まれる管理
    方法。
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