JP2003321711A - 結晶粒度特性に優れた浸炭用鋼を素材としたギアの製造方法 - Google Patents
結晶粒度特性に優れた浸炭用鋼を素材としたギアの製造方法Info
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- JP2003321711A JP2003321711A JP2002127815A JP2002127815A JP2003321711A JP 2003321711 A JP2003321711 A JP 2003321711A JP 2002127815 A JP2002127815 A JP 2002127815A JP 2002127815 A JP2002127815 A JP 2002127815A JP 2003321711 A JP2003321711 A JP 2003321711A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 肌焼きボロン鋼の特性を最も発揮させるギア
の製造方法であって、ギア加工後の浸炭時において混粒
を発生することのない肌焼きボロン鋼素材のギアの製造
方法を提供することである。 【解決手段】 質量%で、C:0.10〜0.25%、
Si:0.03〜0.35%、Mn:2.0%以下、C
r:0.15〜2.00%、B:0.0005〜0.0
05%、Ti:0.08〜0.2%、N:0.015%
以下、Al:0.005〜0.05%を含有し、残部が
Fe及び不可避不純物からなるブルーム又は鋼塊を、1
200℃望ましくは1250℃以上に加熱し、鋼片圧延
して空冷後、800〜1050℃に加熱後に棒鋼線材圧
延し、さらに熱間鍛造を含めた一連のギアへの加工工程
の熱履歴において800〜1050℃の温度域に再熱す
ることを特徴とする浸炭時のオーステナイト結晶粒度特
性に優れたギアの製造方法。
の製造方法であって、ギア加工後の浸炭時において混粒
を発生することのない肌焼きボロン鋼素材のギアの製造
方法を提供することである。 【解決手段】 質量%で、C:0.10〜0.25%、
Si:0.03〜0.35%、Mn:2.0%以下、C
r:0.15〜2.00%、B:0.0005〜0.0
05%、Ti:0.08〜0.2%、N:0.015%
以下、Al:0.005〜0.05%を含有し、残部が
Fe及び不可避不純物からなるブルーム又は鋼塊を、1
200℃望ましくは1250℃以上に加熱し、鋼片圧延
して空冷後、800〜1050℃に加熱後に棒鋼線材圧
延し、さらに熱間鍛造を含めた一連のギアへの加工工程
の熱履歴において800〜1050℃の温度域に再熱す
ることを特徴とする浸炭時のオーステナイト結晶粒度特
性に優れたギアの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肌焼きボロン鋼を
素材とし、浸炭時のオーステナイト結晶粒度特性に優れ
たギアの製造方法に関するものである。
素材とし、浸炭時のオーステナイト結晶粒度特性に優れ
たギアの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平10−130777号公報に開示
されるようにSi、Mnを低減し、冷間加工性を上げ、
Si、Mn低減による焼入れ性の低下を補うため、Bを
添加し、さらに結晶粒度特性を上げるため、Tiを添加
した冷間加工用肌焼き鋼が発明されている。しかし、そ
の鋼種を冷間鍛造後に焼ならしの入らない熱間鍛造−冷
間鍛造(歯出し)という工程で製造するギアに適用する
と、熱間鍛造時にTi炭化物、Tiを含有する複合炭化
物、Ti窒化物が成長し、浸炭時のオーステナイト結晶
粒度の粗大化を抑制できなくなり、冷間鍛造が行われ歪
みが生じた部分に混粒が発生し、熱処理歪みが生じる。
この工程においても良好な結晶粒度特性を保つには、熱
間鍛造時にTi炭化物、Tiを含有する複合炭化物、T
i窒化物の成長を押さえる必要がある。
されるようにSi、Mnを低減し、冷間加工性を上げ、
Si、Mn低減による焼入れ性の低下を補うため、Bを
添加し、さらに結晶粒度特性を上げるため、Tiを添加
した冷間加工用肌焼き鋼が発明されている。しかし、そ
の鋼種を冷間鍛造後に焼ならしの入らない熱間鍛造−冷
間鍛造(歯出し)という工程で製造するギアに適用する
と、熱間鍛造時にTi炭化物、Tiを含有する複合炭化
物、Ti窒化物が成長し、浸炭時のオーステナイト結晶
粒度の粗大化を抑制できなくなり、冷間鍛造が行われ歪
みが生じた部分に混粒が発生し、熱処理歪みが生じる。
この工程においても良好な結晶粒度特性を保つには、熱
間鍛造時にTi炭化物、Tiを含有する複合炭化物、T
i窒化物の成長を押さえる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱間鍛造−
冷間鍛造という工程において、肌焼きボロン鋼の特性を
最も発揮させるためのギア製造方法を提供することであ
る。すなわちギア加工後の浸炭時において、結晶粒度特
性に優れた肌焼きボロン鋼素材のギア製造方法を提供す
ることである。
冷間鍛造という工程において、肌焼きボロン鋼の特性を
最も発揮させるためのギア製造方法を提供することであ
る。すなわちギア加工後の浸炭時において、結晶粒度特
性に優れた肌焼きボロン鋼素材のギア製造方法を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めのこの発明の手段は、請求項1の発明では、質量%
で、C:0.10〜0.25%、Si:0.03〜0.
35%、Mn:2.0%以下、Cr:0.15〜2.0
0%、B:0.0005〜0.005%、Ti:0.0
8〜0.2%、N:0.015%以下、Al:0.00
5〜0.05%を含有し、残部がFe及び不可避不純物
からなるブルーム又は鋼塊を、1200℃望ましくは1
250℃以上に加熱し、鋼片圧延して空冷後、800〜
1050℃に加熱後に棒鋼線材圧延し、さらに熱間鍛造
を含めた一連のギアへの加工工程の熱履歴において80
0〜1050℃の温度域に再熱することを特徴とする浸
炭時のオーステナイト結晶粒度特性に優れたギアの製造
方法である。
めのこの発明の手段は、請求項1の発明では、質量%
で、C:0.10〜0.25%、Si:0.03〜0.
35%、Mn:2.0%以下、Cr:0.15〜2.0
0%、B:0.0005〜0.005%、Ti:0.0
8〜0.2%、N:0.015%以下、Al:0.00
5〜0.05%を含有し、残部がFe及び不可避不純物
からなるブルーム又は鋼塊を、1200℃望ましくは1
250℃以上に加熱し、鋼片圧延して空冷後、800〜
1050℃に加熱後に棒鋼線材圧延し、さらに熱間鍛造
を含めた一連のギアへの加工工程の熱履歴において80
0〜1050℃の温度域に再熱することを特徴とする浸
炭時のオーステナイト結晶粒度特性に優れたギアの製造
方法である。
【0005】請求項2の発明では、質量%で、C:0.
10〜0.25%、Si:0.03〜0.35%、M
n:2.0%以下、Cr:0.15〜2.00%、B:
0.0005〜0.005%、Ti:0.08〜0.2
%、N:0.015%以下、Al:0.005〜0.0
5%、及びMo:0.03〜1.0%を含有し、残部が
Fe及び不可避不純物からなるブルーム又は鋼塊を、1
200℃望ましくは1250℃以上に加熱し、鋼片圧延
して空冷後、800〜1050℃に加熱後に棒鋼線材圧
延し、さらに熱間鍛造を含めた一連のギアへの加工工程
の熱履歴において、800〜1050℃の温度域に再熱
することを特徴とする浸炭時のオーステナイト結晶粒度
特性に優れたギアの製造方法である。
10〜0.25%、Si:0.03〜0.35%、M
n:2.0%以下、Cr:0.15〜2.00%、B:
0.0005〜0.005%、Ti:0.08〜0.2
%、N:0.015%以下、Al:0.005〜0.0
5%、及びMo:0.03〜1.0%を含有し、残部が
Fe及び不可避不純物からなるブルーム又は鋼塊を、1
200℃望ましくは1250℃以上に加熱し、鋼片圧延
して空冷後、800〜1050℃に加熱後に棒鋼線材圧
延し、さらに熱間鍛造を含めた一連のギアへの加工工程
の熱履歴において、800〜1050℃の温度域に再熱
することを特徴とする浸炭時のオーステナイト結晶粒度
特性に優れたギアの製造方法である。
【0006】本発明は、上記のように肌焼きボロン鋼を
素材とし、Ti炭化物、Tiを含有する複合炭化物、T
i窒化物を微細に析出させることによって浸炭時のオー
ステナイト結晶粒度の粗大化が抑制され、混粒の発生し
ないギアの製造方法に関するものであり、1200℃望
ましくは1250℃以上に加熱し、鋼片圧延〜空冷後、
800〜1050℃に加熱後棒鋼線材圧延し、さらに熱
間鍛造を含めた一連のギアへの加工工程の熱履歴におい
て、800〜1050℃の温度域に再熱するものであ
る。
素材とし、Ti炭化物、Tiを含有する複合炭化物、T
i窒化物を微細に析出させることによって浸炭時のオー
ステナイト結晶粒度の粗大化が抑制され、混粒の発生し
ないギアの製造方法に関するものであり、1200℃望
ましくは1250℃以上に加熱し、鋼片圧延〜空冷後、
800〜1050℃に加熱後棒鋼線材圧延し、さらに熱
間鍛造を含めた一連のギアへの加工工程の熱履歴におい
て、800〜1050℃の温度域に再熱するものであ
る。
【0007】本発明における鋼の組成割合の限定理由を
述べる。以下は質量%を示す。
述べる。以下は質量%を示す。
【0008】C:Cは機械構造用部品として浸炭処理後
の芯部強度を確保するために必要な元素であり、0.1
0%未満ではその効果が十分に得られず、反対に0.2
5%を超えると芯部の靭性を低下させる。そのため含有
量を0.10〜0.25%とした。
の芯部強度を確保するために必要な元素であり、0.1
0%未満ではその効果が十分に得られず、反対に0.2
5%を超えると芯部の靭性を低下させる。そのため含有
量を0.10〜0.25%とした。
【0009】Si:Siは0.03%未満では脱酸効果
が十分に得られず過剰に含有させると加工性を低下させ
るとともに浸炭時の粒界酸化層の形成を助長し疲労特性
についても低下させるため上限を0.35%とした。
が十分に得られず過剰に含有させると加工性を低下させ
るとともに浸炭時の粒界酸化層の形成を助長し疲労特性
についても低下させるため上限を0.35%とした。
【0010】Mn:Mnは焼入れ性を確保するのに必要
な元素であるが、2.0%を超えると加工性を低下させ
る。そのため含有量を2.0%以下とした。
な元素であるが、2.0%を超えると加工性を低下させ
る。そのため含有量を2.0%以下とした。
【0011】B:Bは極微量な添加によって鋼の焼入れ
性を著しく向上させる元素であるが、0.0005%未
満ではその効果は十分ではなく、0.005%を超える
と逆に焼入れ性を低下させる。そのため含有量を0.0
005〜0.005%とした。
性を著しく向上させる元素であるが、0.0005%未
満ではその効果は十分ではなく、0.005%を超える
と逆に焼入れ性を低下させる。そのため含有量を0.0
005〜0.005%とした。
【0012】Ti:Tiは鋼中のFree−Nを固定
し、Bの焼入れ性への効果を向上させるとともにTi炭
化物、Tiを含有する複合炭化物、Ti窒化物を微細に
析出させることによって浸炭時のオーステナイト結晶粒
度の粗大化が抑制するために必要な元素であり、0.0
8%未満ではその効果は十分ではなく、0.2%を超え
ると析出物の量が過剰となり加工性を低下させる。その
ため含有量を0.08〜0.2%とした。
し、Bの焼入れ性への効果を向上させるとともにTi炭
化物、Tiを含有する複合炭化物、Ti窒化物を微細に
析出させることによって浸炭時のオーステナイト結晶粒
度の粗大化が抑制するために必要な元素であり、0.0
8%未満ではその効果は十分ではなく、0.2%を超え
ると析出物の量が過剰となり加工性を低下させる。その
ため含有量を0.08〜0.2%とした。
【0013】N:Nは0.015%を超えて含有すると
TiNが増加し、疲労特性に悪影響を及ぼす。そのため
含有量を0.015%以下とした。
TiNが増加し、疲労特性に悪影響を及ぼす。そのため
含有量を0.015%以下とした。
【0014】Cr:Crは焼入れ性、靭性、疲労寿命の
向上に効果のある元素で、少なすぎると効果がなく、多
すぎると効果は飽和する。そのため含有量をCr:0.
15〜2.0%とする。。
向上に効果のある元素で、少なすぎると効果がなく、多
すぎると効果は飽和する。そのため含有量をCr:0.
15〜2.0%とする。。
【0015】Al:Alは脱酸材として使用される元素
であり、0.005%未満ではその効果が十分ではな
く、0.05%を超えるとアルミナ系酸化物が増加し疲
労特性、加工性を低下させる。そのため含有量を0.0
05〜0.05%とした
であり、0.005%未満ではその効果が十分ではな
く、0.05%を超えるとアルミナ系酸化物が増加し疲
労特性、加工性を低下させる。そのため含有量を0.0
05〜0.05%とした
【0016】本発明による製造方法は、上記の化学成分
を含有する請求項1または2に係る鋼あるいはさらにそ
れらの化学成分に任意添加元素を加えた鋼を対象とし、
混粒の発生しないギアを製造するために、ブルーム又は
鋼塊を1200℃望ましくは1250℃以上に加熱し、
鋼片圧延〜空冷後、800〜1050℃に加熱後棒鋼線
材圧延し、さらに熱間鍛造を含めた一連のギアへの加工
工程の熱履歴において、800〜1050℃の温度域に
再熱するものである。
を含有する請求項1または2に係る鋼あるいはさらにそ
れらの化学成分に任意添加元素を加えた鋼を対象とし、
混粒の発生しないギアを製造するために、ブルーム又は
鋼塊を1200℃望ましくは1250℃以上に加熱し、
鋼片圧延〜空冷後、800〜1050℃に加熱後棒鋼線
材圧延し、さらに熱間鍛造を含めた一連のギアへの加工
工程の熱履歴において、800〜1050℃の温度域に
再熱するものである。
【0017】1200℃望ましくは1250℃以上に加
熱して、鋼片圧延して空冷する理由は、棒鋼線材圧延時
の加熱前段階でTi炭化物、Tiを含有する複合炭化
物、Ti窒化物を固溶させておくためである。1200
℃未満の加熱ではTi炭化物、Tiを含有する複合炭化
物、Ti窒化物の固溶が不十分である。Ti炭化物、T
iを含有する複合炭化物、Ti窒化物が微細に析出して
いる状態から800〜1050℃に加熱後棒鋼線材圧延
し、さらに熱間鍛造を含めた一連のギアへの加工工程の
熱履歴において800〜1050℃に加熱して熱間鍛造
し、その後冷間鍛造することで、浸炭時に混粒の発生し
ないギアを製造するものである。
熱して、鋼片圧延して空冷する理由は、棒鋼線材圧延時
の加熱前段階でTi炭化物、Tiを含有する複合炭化
物、Ti窒化物を固溶させておくためである。1200
℃未満の加熱ではTi炭化物、Tiを含有する複合炭化
物、Ti窒化物の固溶が不十分である。Ti炭化物、T
iを含有する複合炭化物、Ti窒化物が微細に析出して
いる状態から800〜1050℃に加熱後棒鋼線材圧延
し、さらに熱間鍛造を含めた一連のギアへの加工工程の
熱履歴において800〜1050℃に加熱して熱間鍛造
し、その後冷間鍛造することで、浸炭時に混粒の発生し
ないギアを製造するものである。
【0018】棒鋼線材圧延時あるいは熱間鍛造時の加熱
温度は、1050℃を超えると、微細析出物の成長がお
こり、浸炭時のオーステナイト結晶粒度特性を低下させ
る。また、1200℃以上では粒度特性は回復するが、
棒鋼線材圧延、鍛造後にベイナイト組織になりやすくな
り加工性を低下させる。そのため、棒鋼線材圧延時、熱
間鍛造時の加熱温度を800〜1050℃とした。
温度は、1050℃を超えると、微細析出物の成長がお
こり、浸炭時のオーステナイト結晶粒度特性を低下させ
る。また、1200℃以上では粒度特性は回復するが、
棒鋼線材圧延、鍛造後にベイナイト組織になりやすくな
り加工性を低下させる。そのため、棒鋼線材圧延時、熱
間鍛造時の加熱温度を800〜1050℃とした。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下の実施
例を通じて説明する。先ず、実施の形態における鋼組成
および比較例における鋼組成を表1のNo.1〜No.
6に示す。
例を通じて説明する。先ず、実施の形態における鋼組成
および比較例における鋼組成を表1のNo.1〜No.
6に示す。
【0020】
【表1】
【0021】No.1、No.2、No.3は本発明に
おける鋼、No.4、No.5、No.6は比較例にお
けるSCM鋼(Ti:不可避不純物量、B:無し)であ
る。No.1、No.2、No.3におけるMoは不可
避不純物として含有されるものである。これらのブルー
ム又は鋼塊を用い、1250℃の温度で鋼片圧延して空
冷し、これを加熱炉で1050℃で抽出し、950℃で
圧延終止する条件で棒鋼線材に圧延した後、実際に再熱
して熱間鍛造でギアに加工を行い、混粒発生の有無を調
査した。ギア加工時の熱間鍛造加熱温度は実施例の表2
に示す。
おける鋼、No.4、No.5、No.6は比較例にお
けるSCM鋼(Ti:不可避不純物量、B:無し)であ
る。No.1、No.2、No.3におけるMoは不可
避不純物として含有されるものである。これらのブルー
ム又は鋼塊を用い、1250℃の温度で鋼片圧延して空
冷し、これを加熱炉で1050℃で抽出し、950℃で
圧延終止する条件で棒鋼線材に圧延した後、実際に再熱
して熱間鍛造でギアに加工を行い、混粒発生の有無を調
査した。ギア加工時の熱間鍛造加熱温度は実施例の表2
に示す。
【0022】
【実施例】表1に示す化学成分の肌焼き鋼を電気溶解炉
で溶製し、それぞれ1250℃に加熱し鋼片圧延〜空冷
を行い、加熱炉で1050℃で抽出し、圧延終止温度を
950℃にして圧延した。
で溶製し、それぞれ1250℃に加熱し鋼片圧延〜空冷
を行い、加熱炉で1050℃で抽出し、圧延終止温度を
950℃にして圧延した。
【0023】
【表2】
【0024】それを表2に示す温度に加熱後熱間鍛造を
行い、歯出し冷鍛後、950℃で浸炭し、オーステナイ
ト結晶粒度特性を調べた。JIS G0551により混
粒発生有無を判定した結果を表3に示す。
行い、歯出し冷鍛後、950℃で浸炭し、オーステナイ
ト結晶粒度特性を調べた。JIS G0551により混
粒発生有無を判定した結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】表3のNo.4、No.5、No.6に示
すように、比較例のSCM鋼(Ti:不可避不純物量、
B:無し)は、熱間加熱時の加熱温度に関わらず、混粒
が発生している。これに対し、本発明の成分範囲の鋼
は、表3のNo.3に示すように、熱間鍛造時の加熱温
度が1150℃の時は混粒が発生しているが、No.1
に示すように熱間鍛造時の加熱温度が900℃の時およ
びNo.2に示すように熱間鍛造時の加熱温度が105
0℃の時は、混粒が発生せず優れた結晶粒度特性が得ら
れている。以上のように、本発明の成分範囲を満たして
いる鋼は、熱間鍛造時の加熱温度を制限することで、結
晶粒度特性に優れたギアを製造することが可能である。
すように、比較例のSCM鋼(Ti:不可避不純物量、
B:無し)は、熱間加熱時の加熱温度に関わらず、混粒
が発生している。これに対し、本発明の成分範囲の鋼
は、表3のNo.3に示すように、熱間鍛造時の加熱温
度が1150℃の時は混粒が発生しているが、No.1
に示すように熱間鍛造時の加熱温度が900℃の時およ
びNo.2に示すように熱間鍛造時の加熱温度が105
0℃の時は、混粒が発生せず優れた結晶粒度特性が得ら
れている。以上のように、本発明の成分範囲を満たして
いる鋼は、熱間鍛造時の加熱温度を制限することで、結
晶粒度特性に優れたギアを製造することが可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、Tiを添加しBを
含有する肌焼きボロン鋼を素材として、本発明方法によ
り製造したギアは、鋼中に微細に析出した化合物が、浸
炭時のオーステナイト結晶粒度の成長を抑制し、混粒が
発生せず、熱処理歪みが少なく、破損しにくいなど、優
れた特性が得られる。
含有する肌焼きボロン鋼を素材として、本発明方法によ
り製造したギアは、鋼中に微細に析出した化合物が、浸
炭時のオーステナイト結晶粒度の成長を抑制し、混粒が
発生せず、熱処理歪みが少なく、破損しにくいなど、優
れた特性が得られる。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C22C 38/38 C22C 38/38
Fターム(参考) 3J030 BC02 BC03 BC06
4E087 AA01 BA02 BA17 CB01 DB15
HA01
4K032 AA01 AA02 AA05 AA11 AA12
AA16 AA19 AA21 AA31 AA35
BA02 CA03 CF03
Claims (2)
- 【請求項1】 質量%で、C:0.10〜0.25%、
Si:0.03〜0.35%、Mn:2.0%以下、C
r:0.15〜2.00%、B:0.0005〜0.0
05%、Ti:0.08〜0.2%、N:0.015%
以下、Al:0.005〜0.05%を含有し、残部が
Fe及び不可避不純物からなるブルーム又は鋼塊を、1
200℃以上に加熱し、鋼片圧延して空冷後、800〜
1050℃に加熱後に棒鋼線材圧延し、さらに熱間鍛造
を含めた一連のギアへの加工工程の熱履歴において80
0〜1050℃の温度域に再熱することを特徴とする浸
炭時のオーステナイト結晶粒度特性に優れたギアの製造
方法。 - 【請求項2】 質量%で、C:0.10〜0.25%、
Si:0.03〜0.35%、Mn:2.0%以下、C
r:0.15〜2.00%、B:0.0005〜0.0
05%、Ti:0.08〜0.2%、N:0.015%
以下、Al:0.005〜0.05%、及びMo:0.
03〜1.0%を含有し、残部がFe及び不可避不純物
からなるブルーム又は鋼塊を、1200℃以上に加熱
し、鋼片圧延して空冷後、800〜1050℃に加熱後
に棒鋼線材圧延し、さらに熱間鍛造を含めた一連のギア
への加工工程の熱履歴において、800〜1050℃の
温度域に再熱することを特徴とする浸炭時のオーステナ
イト結晶粒度特性に優れたギアの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002127815A JP2003321711A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | 結晶粒度特性に優れた浸炭用鋼を素材としたギアの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002127815A JP2003321711A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | 結晶粒度特性に優れた浸炭用鋼を素材としたギアの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2002-04-30 JP JP2002127815A patent/JP2003321711A/ja active Pending
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