JP2003321499A - ミトコンドリアクレアチンキナーゼ抗体 - Google Patents
ミトコンドリアクレアチンキナーゼ抗体Info
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Abstract
リックmCK(smCK)活性を区別して測定すること
により、より正確なmCKアイソザイム定量方法ならび
にCKアイソザイムの分別定量方法を提供することであ
る。 【解決手段】上記課題は、umCK蛋白質を特異的に認
識する抗体を用いて測定することにより達成される。さ
らに他の抗mCK抗体(例えば抗smCK抗体)や抗ヒ
トCK−M阻害抗体を用いることができる。上記抗体
は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であ
る。このような抗体の例として、ヒトumCKを特異的
に認識しうるIgGクラスのモノクローナル抗体であっ
て、寄託番号FERM P−18760で特定されるハ
イブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体(U
1−1881)が提供される。
Description
おいて測定されるクレアチンキナーゼ(以下「CK」と
いう。)アイソザイムの定量方法および測定に使用する
抗体、測定用試薬ならびに測定用試薬キットに関する。
白が存在する。細胞質に由来する2種類の蛋白(局在に
より筋肉型(M型)と脳型(B型))ともう一つはミト
コンドリアに由来する蛋白である。細胞質由来のCKア
イソザイムはM型とB型との組み合わせによりなる2量
体で構成され、CK−MM、CK−MB、CK−BBの
3種類に分類される。ミトコンドリアCK(mCK)は
8量体で極めて安定的に2種存在するが、クレアチン、
Mg、ADPおよび硝酸塩の遷移状態類似物質複合体の
存在下では、数分のうちに2量体に加速的に解離する。
また、血液中では時間と共に徐々に2量体になるといわ
れている(Karin Fritz-Wolf et.al.:Nature, 381, 341
-345(1996))。
陰極側からmCK(8量体)、mCK(2量体)=CK
−MM、CK−MB、CK−BBの順になる。mCK
(2量体)はCK−MMと同じ移動度を示すため保存血
液では電気泳動的にCK−MMとして測定されてしま
う。その他にアイソザイムではないが、免疫グロブリン
が結合したマクロCKも存在する。これらは移動度、免
疫向流法などによりザイモグラムから確認することがで
きる。
ムの定量が広く行われている。中でもCK−MBは心筋
梗塞のマーカーとして重要である。CK−MBの定量は
EIA法、免疫阻害法、電気泳動法などにより行われて
いる。EIA法はCK−MBだけを特異性高く測定でき
る反面、専用の機器が必要で迅速性に欠ける。電気泳動
法は操作が煩雑で熟練を要する上に、結果を出すまでに
デンシトメーターでCK−MBの存在比率を出す必要が
あり迅速性に欠ける。免疫阻害法は自動分析装置により
迅速簡便に測定ができる利点があるが、特異性に欠ける
欠点を有する。
が求められる為、迅速簡便に測定ができる免疫阻害法が
広く使用されている。この方法は、CK−Mサブユニッ
トに対する特異抗体(以下、「抗CK−M抗体」とい
う。)を用いてCK−Mサブユニット活性を失活させ、
残存するCK−Bサブユニット活性を測定するものであ
る。この方法だと、CK−MBの他にCK−BB、mC
K(2量体+8量体)を測定してしまう。この内CK−
BBは、血中にほとんど存在しないため無視できるし、
CK−BBが逸脱する疾患としては、脳挫傷や多臓器不
全が挙げられるがその例は多くない。しかし、mCKは
健常者の血清中でもCK−MBとほぼ同じ活性量含まれ
ており(豊田陽子 他:生物物理化学,41, 244 (199
7)、星野忠 他:生物物理化学,42補冊2, 21 (199
8))、さらに肝疾患などの細胞壊死、悪性腫瘍などでm
CKの逸脱が起こり結果の判定を混乱させる。最近で
は、ロタウイルスによる腸炎、新生児仮死などでmCK
の逸脱が起こることが報告されている(星野忠 他:臨
床病理,46,総会号,57 (1998)、金光房江 他:臨床病
理, 46, 総会号,56 (1998))。また、mCKの存在に
より、酵素阻害法でのCK−MB測定値に影響を及ぼす
ことも報告されている(第22回千葉県臨床衛生検査学会
抄録6_7(平成13年2月開催))。そこで、mCK活性に
対する特異抗体(以下、「抗mCK抗体」という。)を
作製し、CKアイソザイムに対し、抗CK−M抗体のほ
かに抗mCK抗体を作用させてCK−Mサブユニット活
性およびmCK活性を阻害し、より正確なCK−MBを
測定する方法が報告されている(特開2002-270公開公
報)。
itous)型mCK(umCK)とサルコメリック(sarcome
ric)型mCK(smCK)のアイソフォームがあり、m
CKの遺伝子解析によればヒトのmCKとCK−Mおよ
びCK−Bとのアミノ酸配列の相同性は62〜66%、um
CKとsmCKとの間には80%の相同性があることが報
告されている(J. Biol. Chem. 265:6921-6927 (199
8))。さらに、umCKとsmCKを分離して各性状を
調べた結果、umCKとsmCKは各々2量体と8量体
を形成し、pIがわずかに異なってること、8量体では
おのおの抗原性において大差がなく2量体とは識別され
たことが報告されている(金光房江 他:臨床病理,47,
総会号, 306 (1999))。
たように数多く報告されているが、mCKの測定はアガ
ロースゲル電気泳動法が一般的に行われているため、u
mCKとsmCKではほとんど同じ挙動を示すことか
ら、両者は区別することなく報告されてきた。抗smC
K活性を有する抗体は報告されているものの(特開2002
-270公開公報)、抗umCK抗体についての報告はな
く、両者を容易に区別して解析することが困難であっ
た。
CK活性とsmCK活性を区別して測定することで、よ
り正確なmCKアイソザイム定量方法ならびにCKアイ
ソザイムの分別定量方法を提供することである。さらに
該測定方法に使用可能な各種mCK抗体、特にumCK
活性を特異的に阻害する抗体を提供することである。
めに検討した結果、正常ヒトmCKアイソザイムのうち
大多数がumCKであることが推察されたので、umC
K活性を特異的に阻害する抗体が得られればumCKと
smCKを区別して測定することが容易となると考えら
れた。そこで、本研究者らは鋭意研究を重ねた結果、u
mCK活性を特異的に阻害する抗体の作製に成功し、本
発明を完成させるに至った。
アイソザイムのうちユビキタスmCK(umCK)活性
を阻害する抗mCK抗体、 2.umCK活性を少なくとも60%阻害する前項1に
記載に記載の抗体、 3.クレアチンキナーゼ(CK)アイソザイムの分別定
量において、単独または他の抗mCK抗体と併用して用
いた場合に、実質的にmCKアイソザイム以外のCKア
イソザイムの測定に影響が無い程度にまでmCK活性を
阻害する能力を有する前項1または2に記載の抗体、 4.モノクローナル抗体であることを特徴とする前項1
〜3のいずれか1に記載の抗体、 5.受託番号FERM P−18760号により寄託さ
れたハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体、 6.受託番号FERM P−18760号により寄託さ
れたハイブリドーマ、 7.前項1〜5のいずれか1に記載の抗mCK抗体を用
いてmCK量を測定する免疫測定方法、 8.mCKアイソザイムのうちサルコメリックmCK
(smCK)活性を阻害する抗mCK抗体を用いてmC
K量を測定する免疫測定方法、 9.mCK量がumCK量および/またはsmCK量で
ある前項7または8に記載の免疫測定方法、 10.前項1〜5のいずれか1に記載の抗体で試料を処
理し、mCK活性を選択的に排除させる工程を含むCK
アイソザイムの分別定量法、 11.smCK活性を阻害する抗体単独で処理し、また
は該抗mCK抗体と前項1〜5のいずれか1に記載の抗
体を併用して処理して、mCK活性を選択的に排除させ
る工程を含むCKアイソザイムの分別定量法、 12.抗体処理前に試料中のCK活性を測定し、その後
umCK活性を阻害する抗mCK抗体、smCK活性を
阻害する抗mCK抗体、抗CK−Mサブユニット抗体の
いずれか1または2以上を組み合わせて処理し、残存活
性を測定することを特徴とする、前項10または11に
記載のCKアイソザイムの分別定量法、 13.CK−Mサブユニットに対する抗体で試料を処理
し、CK−M活性を選択的に排除させる工程を含む前項
10〜12のいずれか1に記載のCKアイソザイムの分
別定量法、 14.CK−M活性およびmCK活性の選択的排除のた
めの処理を一つの工程で同時に行うことを特徴とする前
項13に記載のCKアイソザイムの分別定量法、 15.CK−M活性およびmCK活性の選択的排除のた
めの処理を二以上の工程で異時に行うことを特徴とする
前項13に記載のCKアイソザイムの分別定量法、 16.まずCK−Mサブユニットに対する抗体を作用さ
せて残存CK活性を測定する工程、ついで抗umCK抗
体および/または抗smCK抗体を作用させて残存CK
活性を測定する工程を含む前項15に記載のCK−MB
活性およびmCK活性の分別定量法、 17.前項10〜16のいずれか1に記載のCKアイソ
ザイムの分別定量方法により得られた測定値から全身疾
患との関連付けを行うことを特徴とするCKアイソザイ
ムの検査方法、 18.前項7〜17のいずれか1に記載のCKアイソザ
イム活性測定方法に必要な測定用試薬をキット化または
単品で構成されてなるCKアイソザイム測定用試薬、か
らなる。
は、umCK活性および/若しくはsmCK活性、また
はこれらの活性を含むmCK活性の総称をいう。本発明
の抗mCK抗体とはmCK活性を阻害する抗体をいう。
smCK活性を阻害する抗体とは、smCK型蛋白質を
特異的に認識し、且つその酵素活性を特異的に阻害する
抗体をいう。同様にumCK抗活性を阻害する抗体と
は、umCK型蛋白質を特異的に認識し、且つその酵素
活性を特異的に阻害する抗体をいう。本発明のCKアイ
ソザイムの分別定量法において使用する抗体は、実質的
にmCK以外のCKアイソザイムの測定に影響が無い程
度にまでmCK活性を阻害できる抗体であればよい。m
CKは多くの場合、試料中に5〜20U/L含まれ、こ
れらの80%以上のmCK阻害能を有すれば臨床検査上
問題なく使用可能である。umCK抗活性を阻害する抗
体(以下、「抗umCK抗体」という。)単独ではmC
K阻害能が低くとも、例えばsmCK活性を阻害する抗
体や他の抗体を複数組み合わせ、またはmCKを阻害し
うる化合物と共に使用することにより、実質的に80%
以上のmCK阻害効果を得ることができればよい。本発
明の抗umCK抗は、umCK活性を60%以上、好ま
しくは70%以上、より好ましくは90%以上阻害する
抗体であれば良い。
またはモノクローナル抗体のいずれでもよいが、モノク
ローナル抗体であることが好ましい。
来に限るものではなく、ラット、ハムスター、ウサギ、
ヤギ、ウマなどが例示されるが、好ましくはマウスであ
る。抗体はIgGに限定されるものではなく、IgMな
どでもよい。
により、例えば抗原としてumCK蛋白質を用い、好ま
しくはアジュバントと共に哺乳類に免疫し、免疫した動
物の血清などから得ることができる。また、モノクロー
ナル抗体および該モノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマは、免疫した動物由来のBリンパ球と各種骨髄
腫細胞とを融合することにより、具体的には以下に記載
する方法で作製することができる。
て、例えばumCKに対して特異的に親和性を有し且つ
その酵素活性を阻害する抗体の作製に使用する抗原は、
ヒトまたは哺乳類のumCKが一般的に使用される。特
異性を高めるために、目的とする測定対象物の由来と種
特異的な抗原を用いることが好ましい。具体的にはヒト
umCKに対して特異的に親和性を有し、且つその酵素
活性を特異的に阻害する抗体を得る場合は、ヒトumC
Kを抗原として用いるのが好ましい。umCK抗原は、
生体組織などから精製して得ることができ、また遺伝子
工学的手法によっても得ることができる。市販の抗原と
して、例えばインスティチュートオブセルバイオロジー
(Instituteof Cell Biology:Swiss Federal Institut
e of Techonology (ETH))製のものが使用される。
そのアミノ酸配列に基づき遺伝子工学的手法により発現
させたumCK蛋白質やその部分ペプチドを、リン酸緩
衝液(PBS)などの適当な緩衝液中に溶解あるいは懸
濁したものを抗原液として使用する。抗原液は通常抗原
物質を50〜500μg/mL程度含む濃度に調製すればよい。
また、ペプチド抗原など、それだけでは抗原性が低い場
合は、アルブミンやキーホールリンペットヘモシアニン
(KLH)などの適当なキャリアータンパク質に架橋し
て用いることができる。当該抗原で免疫感作する動物
は、マウス、ラット、ハムスター、ウマ、ヤギ、ウサギ
などが例示される。好ましくはマウス、より好ましくは
BALB/cマウスである。
高めるため、当該抗原溶液をアジュバントと混合して投
与することができる。ここで使用可能なアジュバント
は、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイン
ト不完全アジュバント(FIA)、Ribi(MPL)、Ri
bi(TDM)、Ribi(MPL+TDM)。百日咳ワクチ
ン(Boredetella pertussis vaccine)、ムラミルジペ
プチド(MDP)、アルミニウムアジュバント(ALU
M)、およびこれらの組合せが例示されるが、初回免疫
時にFCA、追加免疫時にFIAやRibiアジュバン
トを使用する組合せが特に好ましい。
バント混合の有無などにより、注射部位、スケジュール
などを適宜変化させることができるが、例えば、被免疫
動物としてマウスを用いる場合は、アジュバント混合抗
原液0.05〜1mL(抗原物質10〜200μg)を腹腔内、
皮下、筋肉内または(尾)静脈内に注射し、初回免疫か
ら約4〜21日毎に1〜4回追加免疫を行い、さらに約
1〜4週間後に最終免疫を行う。抗原量を多くして腹腔
内注射することで、当該抗原溶液をアジュバントを使用
せずに投与することもできる。抗体価は追加免疫の約5
〜10日後に採血して調べる。抗体価の測定は、後述の
抗体価アッセイに準じ、通常行われる方法で行うことが
できる。最終免疫より約3〜5日後、該免疫動物から脾
細胞を分離して抗体産生細胞を得る。
ナル抗体(以下「MoAb」という。)は、例えばケー
ラーとミルシュタインの方法(Kohler and Milstein, N
ature 256, 495-497, 1975)にしたがって作製すること
ができる。骨髄腫細胞として、マウス、ラット、ヒトな
ど由来のものが使用され、例えばマウスミエローマP3X6
3-Ag8、P3X63-Ag8-U1、P3NS1-Ag4、SP2/o-Ag14、P3X63-
Ag8・653などの株化骨髄腫細胞が例示される。骨髄腫細
胞には免疫グロブリン軽鎖を産生しているものがあり、
これを融合対象として用いると、抗体産生細胞が産生す
る免疫グロブリン重鎖とこの軽鎖とがランダムに結合す
ることがあるので、特に免疫グロブリン軽鎖を産生しな
い骨髄腫細胞、例えばP3X63-Ag8・653やSP2/o-Ag14など
を用いることが好ましい。抗体産生細胞と骨髄腫細胞と
は、同種動物、特に同系統の動物由来であることが好ま
しい。骨髄腫細胞の保存方法は自体公知の手法に従って
行えばよく、例えばウマ、ウサギもしくはウシ胎児血清
を添加した一般的な培地で継代培養したものについて凍
結により保存される。また細胞融合には対数増殖期の細
胞を用いるのが好ましい。
ハイブリドーマを作製する方法は、ポリエチレングリコ
ール(PEG)を用いる方法、センダイウイルスを用い
る方法、電気融合装置を用いる方法などが例示される。
例えばPEG法の場合、約30〜60%のPEG(平均分子
量1,000〜6,000)を含む適当な培地または緩衝液中に脾
細胞と骨髄腫細胞を1〜10:1、好ましくは5〜10:1の混
合比で懸濁し、温度約25〜37℃、pH6〜8の条件下で、約
30秒〜3分間程度反応させればよい。反応終了後、細胞
を洗浄しPEG溶液を除いて培地に再懸濁し、マイクロ
タイタープレート中に播種して培養を続ける。
ハイブリドーマの選択を行う。選択培地は、親細胞株を
死滅させ、融合細胞のみが増殖しえる培地であり、通常
ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン(HAT)
培地が使用される。ハイブリドーマの選択は、通常融合
操作の1〜7日後に、培地の一部、好ましくは約半量を
選択培地と交換し、さらに2、3日毎に同様の培地交換
を繰り返しながら培養することにより行う。顕微鏡観察
によりハイブリドーマのコロニーが生育しているウエル
を確認する。
を産生しているかどうかを知るには、培養上清を採取し
て抗体価アッセイを自体公知の方法により行えばよい。
例えば固相化した抗原タンパク質に段階希釈した該上清
を加えて反応させ、さらに蛍光物質、酵素、もしくは放
射性同位体(RI)などで標識した二次抗体(抗グロブ
リン抗体、抗IgG抗体、抗IgM抗体など)を反応さ
せれば、該上清中に産生されている抗体を検出すること
ができ、また抗体価を測定することができる。抗原が酵
素などの場合は、その酵素と該上清とを反応させた後、
適当な基質を反応させて酵素阻害活性の有無により、抗
体の検出および抗体価の測定を行うことができる。この
ように各ウエルの培養上清をスクリーニングし、適切な
抗体を産生しているハイブリドーマを得る。
ルソーターを用いた方法などにより単一クローンを分離
する。例えば限界希釈法の場合、ハイブリドーマのコロ
ニーを1細胞/ウエル前後となるように培地で段階希釈
して培養することにより目的とする抗体を産生するハイ
ブリドーマクローンを単離することができる。得られた
抗体産生ハイブリドーマクローンは、約10%(v/v)ジ
メチルスルホキシド(DMSO)あるいはグリセリンな
どの凍結保護剤の共存下に凍結させて、-70〜-196℃で
保存すると、約半年〜半永久的に保存可能である。細胞
は用時37℃前後の恒温槽中で急速に融解して使用する。
凍結保護剤の細胞毒性が残存しないようによく洗浄して
から使用するのが望ましい。
ブリンサブクラスを調べるためには、該ハイブリドーマ
を一般的な条件で培養し、その培養上清中に分泌された
抗体を市販の抗体クラス・サブクラス判定用キットなど
を用いて分析することにより知ることができる。
は、必要量やハイブリドーマの性状などによって適宜選
択することができる。例えば、該ハイブリドーマを移植
したマウス腹水から取得する方法、細胞培養により培養
上清から取得する方法などが例示される。マウス腹腔内
で増殖可能なハイブリドーマであれば、腹水から数mg/m
Lの高濃度のMoAbを得ることができる。インビボで
増殖できないハイブリドーマは細胞培養の培養上清から
取得する。細胞培養によるMoAbの取得は、抗体産生
量はインビボより低いが、マウス腹腔内に含まれる免疫
グロブリンや他の夾雑物質の混入が少なく、精製が容易
であるという利点がある。
腔内から取得する場合、例えば、予めプリスタン(2,
6, 10, 14-テトラメチルペンタデカン)などの免疫抑制
作用を有する物質を投与したBALB/cマウスの腹腔内へハ
イブリドーマ(約106個以上)を移植し、約1〜3週間
後に貯留した腹水を採取する。異種ハイブリドーマ(例
えばマウスとラット)の場合には、ヌードマウス、放射
線処理マウスを使用することが好ましい。
合、例えば、細胞維持に用いられる静置培養法の他に、
高密度培養方法あるいはスピンナーフラスコ培養方法な
どの培養法を用い、当該ハイブリドーマを培養し抗体を
含有する培養上清を得る。培養液に含まれる血清は、他
の抗体やアルブミンなどの夾雑物が含まれ、抗体精製が
煩雑になることが多いので、培養液への添加は少なくす
ることが望ましい。さらに好ましくは、ハイブリドーマ
を常法により無血清培地に馴化させ、無血清培地を用い
て培養することである。無血清培地で培養することによ
り、抗体精製が容易になる。
自体公知の方法により行うことができる。例えば、免疫
グロブリンの精製法として従来既知の硫酸アンモニウム
や硫酸ナトリウムを用いた塩析による分画法、ポリエチ
レングリコール分画法、エタノール分画法、DEAEイ
オン交換クロマトグラフィー法、ゲル濾過法などを応用
することで、容易に達成される。
場合には、プロテインA結合単体あるいは抗マウスイム
ノグロブリン結合単体を用いたアフィニティークロマト
グラフィー法により精製することが可能であり、簡便で
ある。
ュートオブセルバイオロジー(Institute of Cell Biol
ogy)製:Lot No.ETH010122)を抗原とし、上記手法に
よりumCKを特異的に認識して阻害しうるMoAbを
作製した。当該抗体は、マウス由来かつIgGクラスの
抗体であって、umCK酵素活性を特異的に60%以上、
好ましくは80%以上、より好ましくは90%阻害すること
ができるものをスクリーニングして得た。当該抗体は、
受託番号FERM P−18760号により平成14年
3月13日付けで通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所に寄託されているハイブリドーマにより産生さ
れ、U1−1881と命名される。本発明の抗体は、こ
の具体例に限定されるものではなく、ヒトumCKを特
異的に認識し、且つその酵素活性を特異的に阻害しうる
抗体であればよい。また、本発明の抗umCK抗体は、
mCK酵素活性を阻害する目的で使用する時、単独で用
いてもよいし、複数の抗mCK抗体、例えば認識部位が
異なる抗体を適宜組み合わせて用いることも可能であ
る。またumCK酵素活性を阻害する目的で使用すると
きも同様に、単独で用いてもよいし、例えば認識部位が
異なる複数の抗umCK抗体を適宜組み合わせて用いる
ことも可能である。
リックmCK(smCK)を特異的に認識して阻害しう
る抗体(以下「抗smCK抗体」という。)も使用する
ことができる。抗smCK抗体の例として、例えば受託
番号FERM BP−7133号により平成12年4月
13日付けで通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所に寄託されているハイブリドーマにより産生された
mCKI−578と命名されたMoAb(特開2002-270
号公開公報)を単独で、または組み合わせて使用するこ
とができる。
抗体を単独または組み合わせて使用することにより、試
料中のmCKまたはumCK若しくはsmCK酵素活性
を選択的に排除することができる。さらにCK−Mサブ
ユニットを選択的に排除せしめる抗体と共に使用するこ
とで、CKアイソザイムであるCK−MB、CK−M
M、CK−BBおよびmCK、より詳しくはumCK酵
素活性および/若しくはsmCK酵素活性を分別定量す
ることが可能となる。
抗体ならびに抗smCK抗体は、EIA、RIA法、免
疫凝集反応、その他抗体を用いて測定可能なあらゆる測
定方法に使用することができる。この場合、例えば担体
に固定する抗体、標識抗体、その他の試薬等、測定対象
物に応じて適宜選択し、最適な条件で使用することがで
きる。例えば、抗umCK抗体ならびに抗smCK抗体
を各々単独で用いて、免疫学的手法により測定を行うこ
とで、従来電気泳動などでは区別できなかったumCK
ならびにsmCKを区別して測定することが可能とな
る。
法)CKアイソザイム測定法の基本原理は、免疫阻害法
によるCKアイソザイムの酵素活性を選択的に測定する
方法を利用する。一般に、例えばこの方法によるCK−
MBの活性測定は次のようにして行われている。すなわ
ち、ヒトCK−Mサブユニットに特異的な活性抗体を使
用し、試料中のCK−MMおよびMB中のMサブユニッ
ト活性(MBは約半分の活性が阻害される)を阻害した
のち、残存するBサブユニット活性を2倍することによ
りCK−MB活性を測定する。CK−MB活性の測定
は、下述の反応式(化1)の左行反応によって生成する
ATPを、さらにヘキソキナーゼ(HK)とグルコース
6リン酸脱水素酵素(G-6-PDH)からなる共役反応によ
りNADPHを生成させ、NADPHの量的変化を定量することに
より行う(化2)。
−M抗体と抗umCK抗体および/若しくは抗smCK
抗体とを同一の工程で使用し、測定試料の処理を行うこ
とができる。例えば、上記の抗体を測定用酵素液中に含
ませることで、同一工程で試料を処理することができ
る。一方、異なる工程で処理する場合は、例えば抗um
CK抗体および/または抗smCK抗体を基質液に添加
し、抗CK−M抗体は測定用酵素液に含ませることで、
処理することができる。活性測定を目的とするアイソザ
イムがCK−MBの場合は、抗CK−M抗体および抗m
CK抗体(抗umCK抗体および/若しくは抗smCK
抗体)で試料を同一工程で処理して測定を行うのが簡便
でよい。
または抗smCK抗体で試料を処理することで、mCK
酵素活性を選択的に排除することを特徴とするmCKの
測定方法を提供する。また、抗umCK抗体若しくは抗
smCK抗体で試料を処理することにより、umCK若
しくはsmCKの酵素活性を選択的に排除することを特
徴とするumCK若しくはsmCKの測定方法を提供す
る。すなわち、本発明のmCKまたはumCK若しくは
smCK測定法においては、試料中のmCKを含むクレ
アチンキナーゼ活性の測定と、上記本発明の抗umCK
抗体および抗smCK抗体を用いてmCK以外のクレア
チンキナーゼ活性の測定とを行い、得られた2つの測定
値の差からmCKまたはumCK若しくはsmCK活性
のみを求めることができる。この時、試料中のmCKを
含むクレアチンキナーゼ活性の測定と、上記本発明の抗
mCK抗体を用いてmCK以外のクレアチンキナーゼ活
性の測定は、抗CK−M抗体などを含んでいる測定用試
薬を使用してもよいし、含んでいない測定用試薬を使用
してもよい。2つの測定において使用する測定用試薬が
抗CK−M抗体の含有に関して同条件であればよい。
定後さらに本発明の抗umCK抗体および/若しくは抗
smCK抗体を加えて再度測定を行い、得られた2つの
測定値の差によりmCK活性、より詳しくはumCKお
よび/若しくはsmCK活性を求めることができる。試
料をまず抗CK−M抗体を用いて処理し、CK−MM活
性とCK−MBの約半分の活性とを阻害したのちに一旦
測定を行い、1/2CK−MB+mCK酵素活性を測定
し(測定値A)、測定後さらに本発明の抗umCK抗体
および/若しくは抗smCK抗体を加えて再度測定を行
い、1/2CK−MB酵素活性(測定値B)を測定する
ことにより、mCKまたはumCK若しくはsmCKの
みならずCK−MB活性を同一試料を用いて同時に簡便
迅速に測定できる。すなわち、CK−MB活性は測定値
Bを2倍することにより求めることができ、mCKまた
はumCK若しくはsmCK活性は、測定値Aと測定値
Bとの差により求めることができる。
測定と、試料中のmCK以外のCK活性の測定とを別々
に行い、得られた2つの測定値の差からmCK活性を得
ることもできる。例えば、次のようなキットAならびに
Bを用いて各々の活性を測定し、得られた2つの測定値
の差からmCK活性を得ることができる。この時、キッ
トAに抗CK−M抗体を添加したCK−MB活性測定試
薬を使用すれば、mCK活性のみならず、CK−MB活
性をも求めることができる。
活性測定用試薬キット(キットB)抗umCK抗体およ
び/または抗smCK抗体をキットAに添加した試料中
のmCK(より詳しくはumCKおよび/またはsmC
K活性)以外のCK活性測定用試薬キット
定量法で、抗umCK抗体および/若しくは抗smCK
抗体を用いて試料中のmCK(より詳しくはumCKお
よび/若しくはsmCK活性)以外のクレアチンキナー
ゼ活性の測定を行い(測定値C)、抗CK−M抗体と抗
umCK抗体および/または抗smCK抗体とを用いて
mCK、CK−MM、および1/2CK−MB以外のC
K活性の測定を行い(測定値D)、測定値Cと測定値D
の2倍の値との差により、CK−MM活性を求めること
ができる。
制限はないが、通常臨床検査の分野で行われているCK
アイソザイムが測定されている方法や試料に適用しう
る。従来CKアイソザイムの分画活性のうちmCKの異
常出現は、心肺停止、外傷、幼児性下痢症、悪性腫瘍、
肝硬変症、うっ血性心不全等において観察されていた
(検査と技術,vol.28,no.13,p.1499-1504(2000))。従
来ではumCKとsmCKは電気泳動で同一の挙動する
ため区別されなかったが、本発明の測定方法を採用する
ことにより、上記疾患の他、umCKとsmCKの異常
出現や、その割合を調べることが可能となる。したがっ
て、本発明の測定方法は、各疾患の指標となるumCK
および/若しくはsmCKの検査方法を提供するもので
ある。
測定法、CK−MB測定法、mCK測定法に必要な試薬
をキット化または単品で構成してなるCKアイソザイム
活性測定用試薬を提供する。本発明のCKアイソザイム
活性測定用試薬は、本発明の抗mCK酵素活性阻害Mo
Abを試薬中に含むかまたは単品として構成してなる。
ここでいう試薬には、全CK活性測定試薬や、急性心筋
梗塞の生化学的診断に用いられているCK−MB測定用
試薬を、その一部として利用できるがこれに限定される
ものではない。
のであるが、これによって本発明の範囲を制限するもの
ではない。
イブリドーマの作製 (1)免疫原(抗原)の調製 本発明では、ヒトumCK(インスティチュートオブセ
ルバイオロジー(Institute of Cell Biology)製:Lot
No.ETH010122)を抗原とした。
/c系マウス雌を、動物飼育チェンバー内(23±1℃、湿
度70%)で、標準ペレットを使用して飼育し、任意に給
水して飼育した。
ヒトumCKを抗原として用い、100μg/0.5mLとなる様
にPBSで調製し、同量(0.5mL)のフロイント完全ア
ジュバント(freund's comlete adjubant:Difco社製)
を混合して乳化した。この乳化状の抗原を、5週令の4
匹の雌のBALB/cマウスの腹腔に1匹あたり200μL投与し
た。さらに2週間毎に、Ribiアジュバントにて100μg/m
Lとなるように調製した上記抗原をマウス当たり20μg
ずつ4回投与した。さらに1ヶ月の後Ribiアジュバント
で100μg/mLとなるように調製した上記抗原を同様に追
加免疫した後、マウスの抗体価を測定した。抗体価の高
いマウスはさらに2週間後、抗原である精製ヒトmCK
をPBSで100μg/mLに調製し、マウス尾静脈より注射
して最終免疫した。
を採取し、血清を分離した後umCKに対する抗体価を
umCK酵素活性抗体法により調べた。各マウスの抗血
清をPBSで10〜1,000倍希釈して調製した抗体液25μL
と25μLのumCK酵素液(200U/L)とを96穴マイクロ
タイタープレートに加え、室温で10分間反応した後、10
0μLの酵素試薬〔100mM イミダゾール、2mM EDTA、10m
M酢酸マグネシウム、2mM アデノシン-5'-ニリン酸(AD
P)、5mM アデノシン-5'-一リン酸(AMP)、40μM P1P
5、P5-ジ(アデノシン-5')5リン酸(AP5A)、30mM 1-
チオグリセロール、28mM D-グルコース、2mM NADP、3
U/mL HK、2U/mL グルコース-6-リン酸脱水素酵素、30m
M クレアチンリン酸二ナトリウム、0.3mg/mLニトロブル
ーテトラゾリウムクロライド、0.6 U/mL ダイアフォラ
ーゼ、pH6.6〕を96穴マイクロタイタープレートに加
え、37℃で10分間反応させた。ついで、波長570nmに
おける吸光度を試薬盲検を対照に測定した。なお、抗体
陰性コントロールとして抗血清の代わりに非免疫マウス
血清を添加し、陰性コントロールとした。
産生されていればumCKの酵素活性が阻害され、基質
反応が抑制されて吸光度の変化量が低くなる。得られた
吸光度からumCK酵素活性阻害特異抗体の存在が確認
される。その結果、表1に示すように、各マウスにおい
てumCKの酵素活性の阻害が確認された。
EM培養液中で脾細胞を浮遊させて、脾細胞の浮遊液を
作製した。ついで、脾細胞をEMEM培養液で4回洗浄
した後、細胞数を算定し、7.0×108個の脾細胞を得た。
細胞融合は、8-アザグアニン(2-amino-6-oxy-8azapur
ine) 耐性のBALB/cマウス由来骨髄腫培養細胞株(P3X6
3-Ag8・653、以下、「X63細胞」という。)を親細胞
株として用いた。X63細胞は、非働化した牛胎児血清
(fetal calf serum : FCS)10%を含むRPMI-1640培
養液(20μg/mL,8-アザグアニン含有)で継代培養し
た。細胞融合の3日前より8-アザグアニンを含有しな
い10%FCS含有RPMI-1640培養液でさらに培養し、対
数増殖期の細胞を用いた。X63細胞はRPMI-1640培養
液で3回洗浄した後、細胞数を算定し、7×107個の生細
胞を得た。
ール-4000が50(W/V)%濃度となるように溶解し、上記の
脾細胞とX63細胞との比が10:1となるように混合
し、ケーラーおよびミルシュタイン共著:ネイチャー
(Nature 第256巻,495-497 (1975))およびヨーロピア
ン ジャーナル オブ イムノロジー(Eur. J.Immunol.第
6巻,511-519, (1976))の方法に準じて細胞融合を行っ
た。
培養液に、1×10-4M のヒポキサンチン、4×10-7Mの
アミノプテリンおよび1.6×10-5M のチミジン(HA
T)を含有するHAT選択培地に、脾細胞が2.0×106個
/mLとなるように浮遊させた。ついで、この細胞浮遊液
を50μLずつ、96穴マイクロタイタープレートの各ウエ
ルに分注した後、CO2無菌培養器において温度37℃、
湿度95%、8%のCO2雰囲気で培養を行なった。培養
開始後、1日目と2日目にHAT選択培地を各ウエルに
1滴ずつ、また培養開始後7日目と9日目にHAT選択
培地を、各ウエルに2滴ずつ添加してさらに培養を行っ
た。その後、HATを含まない培養液で育成させ、約10
日〜2週間後に、選択培地で増殖ハイブリドーマを確認
した。
素の活性阻害能を有する抗体(抗ヒトumCKMoAb)を
産生する株を以下の方法により選択する。
ヒトumCK酵素液(200U/L)とを96穴マイクロタイタ
ープレートに加え室温で10分間反応した後、200μLの酵
素試薬〔100mM イミダゾール、2mM EDTA、10mM酢酸マ
グネシウム、2mM アデノシン-5'-ニリン酸(ADP)、5
mM アデノシン-5'-一リン酸(AMP)、40μM P1,P5-
ジ(アデノシン-5')5リン酸(AP5A)、30mM 1-チオグ
リセロール、28mM D-グルコース、2mM NADP、3U/mL
HK、2U/mLグルコース-6-リン酸脱水素酵素、30mM クレ
アチンリン酸二ナトリウム、0.3mg/mL ニトロブルーテ
トラゾリウムクロライド、0.6U/mL ダイアフォラーゼ、
pH6.6〕を 96穴マイクロタイタープレートに加え、37℃
で10分間反応させた。ついで、波長570nmにおける吸
光度を試薬盲検を対照に測定した。なお、抗体陰性コン
トロールとしてハイブリドーマ培養上清の代わりに培養
液のみを添加し、陰性コントロールとした。得られた吸
光度から抗ヒトumCKMoAbを産生するハイブリドーマ
を特定することができる。
イクロタイタープレートの2496穴についてスクリーニン
グを実施した結果、7穴について抗ヒトumCKMoAbを
産生するハイブリドーマが認められた。
特異性 上記のスクリーニングにより得られた7穴中のハイブリ
ドーマ産生細胞の培養上清について、ヒトumCK、ヒ
トsmCK、ヒトCK−MM、ヒトCK−BBまたはヒ
トCK−MBを用いて各酵素活性阻害を調べ、ヒトCK
アイソザイムに対する特異性を確認する。対照として、
受託番号FERM BP-7133号により寄託されているハイブリ
ドーマにより産生されたmCKI-578(特開2002-270号公開
公報)のMoAbについても調べた。
-178, UI-281, UI-956, UI-1111, UI-1125, UI-1881お
よびUI-1-1299の上清はumCK酵素活性を82%以上阻
害したがsmCK、CK−MM、CK−BB、およびC
K−MBの酵素活性は全く阻害しなかった。特に、UI-1
881の上清はumCK酵素活性を94%阻害した。一方、m
CKI-578はsmCK酵素活性を94%阻害したが、umC
K酵素活性や他のアイソザイムの酵素活性は阻害しなか
った。
株の樹立(クローニング) 上記のスクリーニングにより得られた7穴中のハイブリ
ドーマを限界希釈法によりクローニングし、安定にmC
K酵素活性阻害を示すMoAbを産生するハイブリドーマ細
胞を1クロ−ン選択した。この細胞を樹立株として受託
番号FERM P-18760号として通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託した。
クラスの同定 受託番号FERM P-18760号細胞が産生するMoAb(UI-188
1)のマウスイムノグロブリンサブクラスを、ザイメッ
ド(Zymed)社製 モノアブタイピングキット(MON
OAb typing kit)を使用して同定した。その結果、UI-1
881はイムノグロブリンG(IgG2b,κ)であっ
た。
イムに対する特異性 UI-1881について、ヒトCKアイソザイムに対する特異
性を確認するため、ヒトumCK、ヒトsmCK、ヒト
CK−MM、ヒトCK−BBまたはヒトCK−MBを用
いて各酵素活性阻害を確認した。対照としてmCKI-578
(抗smCK MoAb)についても調べた。その結果を図2お
よび図3に示した。UI-1881はumCKの酵素活性を約9
0%阻害したがsmCK、CK−MM、CK−BB、お
よびCK−MBの酵素活性は全く阻害しなかった。一
方、mCKI-578はsmCKの酵素活性を約90%阻害したが
umCK、CK−MM、CK−BB、およびCK−MB
の酵素活性は全く阻害しなかった。
mCK酵素活性を特異的に阻害し、他のアイソザイムの
活性を阻害しなかった。一方、抗smCK抗体はsmC
K酵素活性を特異的に阻害し、他のアイソザイムの活性
を阻害しなかった。これらの抗体を、組み合わせて使用
することにより、試料中の各アイソザイムの分別測定が
可能となる。さらには、umCKとsmCKを分別測定
することにより、これらの異常出現や割合を検査するこ
とが可能となり、これらに起因する疾病との関係を見極
めることにより、臨床検査測定値から各種疾患の診断お
よび早期治療が可能となる。
素活性の阻害能を示した図である。(実験例1)
酵素活性の阻害能を示した図である。(実験例4)
酵素活性の阻害能を示した図である。(実験例4)
Claims (18)
- 【請求項1】 ミトコンドリア局在クレアチンキナーゼ
(mCK)アイソザイムのうちユビキタスmCK(um
CK)活性を阻害する抗mCK抗体。 - 【請求項2】 umCK活性を少なくとも60%阻害す
る請求項1に記載に記載の抗体。 - 【請求項3】 クレアチンキナーゼ(CK)アイソザ
イムの分別定量において、単独または他の抗mCK抗体
と併用して用いた場合に、実質的にmCKアイソザイム
以外のCKアイソザイムの測定に影響が無い程度にまで
mCK活性を阻害する能力を有する請求項1または2に
記載の抗体。 - 【請求項4】 モノクローナル抗体であることを特徴と
する請求項1〜3のいずれか1に記載の抗体。 - 【請求項5】 受託番号FERM P−18760号に
より寄託されたハイブリドーマが産生するモノクローナ
ル抗体。 - 【請求項6】 受託番号FERM P−18760号に
より寄託されたハイブリドーマ。 - 【請求項7】請求項1〜5のいずれか1に記載の抗mC
K抗体を用いてmCK量を測定する免疫測定方法。 - 【請求項8】 mCKアイソザイムのうちサルコメリッ
クmCK(smCK)活性を阻害する抗mCK抗体を用
いてmCK量を測定する免疫測定方法。 - 【請求項9】mCK量がumCK量および/またはsm
CK量である請求項7または8に記載の免疫測定方法。 - 【請求項10】 請求項1〜5のいずれか1に記載の抗
体で試料を処理し、mCK活性を選択的に排除させる工
程を含むCKアイソザイムの分別定量法。 - 【請求項11】 smCK活性を阻害する抗体単独で処
理し、または該抗mCK抗体と請求項1〜5のいずれか
1に記載の抗体を併用して処理して、mCK活性を選択
的に排除させる工程を含むCKアイソザイムの分別定量
法。 - 【請求項12】 抗体処理前に試料中のCK活性を測定
し、その後umCK活性を阻害する抗mCK抗体、sm
CK活性を阻害する抗mCK抗体、抗CK−Mサブユニ
ット抗体のいずれか1または2以上を組み合わせて処理
し、残存活性を測定することを特徴とする、請求項10
または11に記載のCKアイソザイムの分別定量法。 - 【請求項13】 CK−Mサブユニットに対する抗体で
試料を処理し、CK−M活性を選択的に排除させる工程
を含む請求項10〜12のいずれか1に記載のCKアイ
ソザイムの分別定量法。 - 【請求項14】 CK−M活性およびmCK活性の選択
的排除のための処理を一つの工程で同時に行うことを特
徴とする請求項13に記載のCKアイソザイムの分別定
量法。 - 【請求項15】 CK−M活性およびmCK活性の選択
的排除のための処理を二以上の工程で異時に行うことを
特徴とする請求項13に記載のCKアイソザイムの分別
定量法。 - 【請求項16】 まずCK−Mサブユニットに対する抗
体を作用させて残存CK活性を測定する工程、ついで抗
umCK抗体および/または抗smCK抗体を作用させ
て残存CK活性を測定する工程を含む請求項15に記載
のCK−MB活性およびmCK活性の分別定量法。 - 【請求項17】 請求項10〜16のいずれか1に記載
のCKアイソザイムの分別定量方法により得られた測定
値から全身疾患との関連付けを行うことを特徴とするC
Kアイソザイムの検査方法。 - 【請求項18】 請求項7〜17のいずれか1に記載
のCKアイソザイム活性測定方法に必要な測定用試薬を
キット化または単品で構成されてなるCKアイソザイム
測定用試薬。
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