JP2896931B2 - モノクローナル抗体、それを用いた測定法、試薬キット、検索法及び薬剤ミサイル - Google Patents

モノクローナル抗体、それを用いた測定法、試薬キット、検索法及び薬剤ミサイル

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JP2896931B2 JP2504268A JP50426890A JP2896931B2 JP 2896931 B2 JP2896931 B2 JP 2896931B2 JP 2504268 A JP2504268 A JP 2504268A JP 50426890 A JP50426890 A JP 50426890A JP 2896931 B2 JP2896931 B2 JP 2896931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はモノクローナル抗体に関し、さらに詳細に
は、癌患者体液中に増加する5−メチルシチジン(5−
methylcytidine)等の修飾核酸塩基類に対するモノクロ
ーナル抗体に関する。
また本発明は、かかるモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマ、モノクローナル抗体を用いた免疫測定
方法、試薬キット、免疫組織化学的検索方法、及び薬剤
ミサイルに関する。
背景技術 癌の診断や術後のモニタリングにおいて、患者の血清
中や尿中に増加する癌関連物質いわゆる腫瘍マーカーの
測定は欠かせぬものとなっている。現在、測定されてい
る腫瘍マーカーとしては、癌胎児性抗原(CEA)、免疫
抑制酸性蛋白(IAP)や、肝癌に特異的なαフェトプロ
テイン(AFP)あるいは膵癌に特異的な糖鎖抗原の一種
であるCA19−9などがあげられる。ところで、癌患者の
尿中に各種の修飾核酸塩基類が増加することは、古くか
ら知られていた。
本発明者らは、修飾核酸塩基類の腫瘍マーカーとして
の有用性を検討するため、癌患者や、担癌動物の尿、血
清などを従来法である高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)で測定した。その結果、癌患者や担癌動物で5−メ
チルシチジンの異常な増加が認められた。
このように、この化合物の腫瘍マーカーとしての有用
性は確認できたが、HPLC分析では試料の前処理が煩雑で
あり多検体の測定に非常に長い時間を要するという欠点
があった。また、5−メチルシチジンの細胞内局在およ
び、細胞レベルでの増加の有無について免疫組織化学的
に検索することは不可能であった。
本発明者らは、5−メチルシチジン等の簡便な測定法
を開発すべく、種々検討をおこなった結果、5−メチル
シチジン等に対するモノクローナル抗体を新たに作製
し、これを用いることにより、サンプルの前処理操作を
行うことなく酵素免疫測定法を応用した多検体同時測定
法を実施することができ、測定の迅速化、簡素化がはか
れることを見出し、本発明に到達した。
発明の開示 本発明は低級アルキルシチジンを認識し得るモノクロ
ーナル抗体、当該モノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマに係るものである。
また本発明は、免疫学的方法による被検体中の低級ア
ルキルシチジンを測定する方法において、低級アルキル
シチジンを認識し得るモノクローナル抗体を用いること
を特徴とする測定法;免疫学的方法により被検体中の低
級アルキルシチジンを測定するための試薬キットであっ
て、低級アルキルシチジンを認識し得るモノクローナル
抗体と、低級アルキルシチジンとキャリア・プロテイン
−IIとの結合物を用いたことを特徴とする試薬キット;
及び腫瘍組織中において異常代謝亢進の結果蓄積された
修飾核酸塩基類の存在を免疫組織化学的に検索する方法
において、該修飾核酸塩基類を認識し得るモノクローナ
ル抗体を免疫反応により組織の一部に結合せしめること
を特徴とする検索法に係るものである。
さらに本発明は当該修飾核酸塩基類を認識し得るモノ
クローナル抗体を抗癌剤又は制癌剤のキャリアーとして
用いたことを特徴とする薬剤ミサイルに係るものであ
る。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明のモノクローナル抗体の1例である
MCT−3についての5−メチルシチジンの検出特性を示
したものである。第2図は、本発明におけるモノクロー
ナル抗体の抗体価を求める際に希釈倍率と吸光度の関係
を模式的に示したものである。第3図は食道癌組織を抗
1−メチルアデノシンモノクローナル抗体で免疫染色し
た結果を示し、第4図は食道癌組織を抗シュードウリジ
ンモノクローナル抗体で免疫染色した結果を示し、第5
図は正常食道組織を抗1−メチルアデノシンモノクロー
ナル抗体で免疫染色した結果を示す図面(写真)であ
る。
発明を実施するための最良の形態 本発明のモノクローナル抗体は低級アルキルシチジン
を特異的に認識する抗体である。ここで低級アルキルシ
チジンとしては、シチジンにおける水素原子が、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基等の直
鎖状又は分岐状の炭素原子数が1〜5の低級アルキル基
で置換されたものがあげられる。かかる低級アルキル基
のうちでも、メチル基が特に有利に用いられるものとし
てあげられる。また低級アルキル基の導入位置の好まし
いものとしては、シチジンを構成するピリミジン骨格の
3位、5位及び6位の少なくとも1ヶ所があげられ、特
に5位が有利である。
本発明におけるモノクローナル抗体の中で、腫瘍マー
カーとしての修飾核酸塩基の測定精度や安全性等の点で
特に好ましいものは、5−メチルシチジンを認識する抗
体である。
かかるモノクローナル抗体のクラスとしては、IgGが
好ましく、中でもIgG1やIgG2aが有利であり、特にIgG1
のクラスのモノクローナル抗体が5−メチルシチジンの
認識における反応特異性が高くかつ抗体価が高いことか
ら実用上有利である。
また本発明のモノクローナル抗体は、低級アルキルシ
チジンを認識することができるものであるが、かかる低
級アルキルシチジンが動物の尿や血液、リンパ液等の体
液中にある場合にも認識できるものであることが好まし
く、特にヒトの体液中の低級アルキルシチジンを認識で
きるものが実用上好適である。
本発明の低級アルキルシチジンを認識し得るモノクロ
ーナル抗体の製造法の好ましい例として、次の如く5−
メチルシチジンを認識し得るモノクローナル抗体を調製
する方法があげられる。
すなわち、まず、5−メチルシチジンを用いて動物を
免役し、その動物の脾細胞を採取する。この工程におい
て、5−メチルシチジンはそれ単独では免疫原となり得
ないので、適当なキャリア・プロテイン(Carrier Prot
ein)−Iと結合させたのち、免疫原として用いる。
5−メチルシチジンとしては、癌患者尿中から単離・
精製したもの、合成したもの、あるいは市販されている
標準品等を用いることができる。キャリア・プロテイン
−Iとしては、ハプテンとなる物質を免疫担当細胞が認
識することを可能にする目的に用いられるプロテイン、
例えばキーホール・リンペット・ヘモシアニン、牛血清
アルブミン、ヒト血清アルブミン、卵白アルブミン等を
用いることができる。また、この5−メチルシチジンと
キャリア・プロテイン−Iを結合する方法としては、例
えば核酸塩基の糖部分を過ヨウ素酸で酸化したのちにキ
ャリア・プロテイン−Iと結合させる等の方法が挙げら
れる。
この様にして得られた5−メチルシチジンとキャリア
・プロテイン−Iとの結合物を用いて免疫する動物とし
ては、マウス、ラット等が挙げられ、特にマウスが実用
上有利に用いられる。
次に得られた免疫動物の脾細胞を骨髄腫細胞と融合
し、ハイブリドーマを得る。細胞融合においては、公知
のポリエチレングリコールを用いる方法(Marc Shulma
n,C.D.Wide & G.Khler,Nature276,269−270(197
8))、Sendai Virusにより融合する方法(G.Khler
& C.Milstein,Nature256,495−497(1975)又はEur.J.
Immunol.6,511−519(1976))、あるいは電気パルスに
よる方法(J.Vienken & U.Zimmermann,FEBS Letters 1
37,11−13(1982))のいずれを用いても良い。尚、ハ
イブリドーマのスクリーニングに当たっては、キャリア
・プロテインに対する抗体産生ハイブリドーマを除去す
るための工夫が必要である。このためには、免疫に用い
たキャリア・プロテイン−Iと異なった種由来のプロテ
インを5−メチルシチジンに結合させたものを抗原とし
て用い、抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングを行
う等の方法を用いることが望ましい。
この様にハイブリドーマを経由して本発明のモノクロ
ーナル抗体を製造する際の、脾細胞とミエローマ細胞
は、同一種の動物からのものが好ましく、特にマウス脾
細胞とマウス由来ミエローマ細胞が実用上に好適であ
る。
次に、本発明においては、選択したハイブリドーマ又
は形質転換細胞を培養して、所望の特異的モノクローナ
ル抗体を生成させる。クローニングによって選択され
た、低級アルキルシチジンを認識する抗体を産生するハ
イブリドーマ又は形質転換細胞は凍結して保存すること
ができ、また、これを適当な方法で大量に培養すること
もできる。そして、培養上清から低級アルキルシチジン
に特異的に結合するモノクローナル抗体を得ることがで
きる。また、かかる細胞を動物に移植して腫瘍化し、そ
の腹水や血清から目的とする抗体を得ることもできる。
本発明のモノクローナル抗体の精製は、アフィニティク
ロマトグラフィー等の方法によって行なわれる。
また本発明には、低級アルキルシチジンとキャリア・
プロテイン−Iとの結合体を免疫原として用いて得られ
た低級アルキルシチジンを認識し得る抗体の産生能を有
する脾細胞と、ミエローマ細胞とを融合して得られるハ
イブリドーマも含まれる。かかるハイブリドーマを得る
方法としては、前記のモノクローナル抗体の製造法にお
けるハイブリドーマの製造法が好適である。
本発明者らは、かかる低級アルキルシチジンを認識し
得るモノクローナル抗体によって、進行癌のマーカーと
して患者の尿、血清等に体液中の低級アルキルシチジ
ン、特に好適には5−メチルシチジンを簡単に精度よく
測定し得ることを見い出し、本発明の測定法に到達し
た。
即ち本発明の測定法は、免疫学的方法により被検体中
の低級アルキルシチジンを測定する方法において、低級
アルキルシチジンを認識し得るモノクローナル抗体を用
いることを特徴とするものである。ここで被検体(以下
試料ともいう)の好ましいものとしては、前記の如く動
物、特にヒトの体液自体、又は処理を施したものがあげ
られるが、体液自体を用いる方法が簡便であり有利であ
る。
本発明の測定法においては、低級アルキルシチジンを
認識し得るモノクローナル抗体を担体に固定化しておく
のが好ましいが、固定化の方法は公知の方法を採用で
き、担体としては固相の、例えば、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリアクリレート、テフロン、ポリアセター
ル等を用いた、ポール、ビーズ、ギヤ、マイクロプレー
ト等が好ましく使用される。
また、モノクローナル抗体の標識化の方法や手段、そ
れの検出方法や手段は何ら限定されるものではなく、公
知の方法や手段、例えば、放射性物質又は酵素若しくは
蛍光物質で標識された抗免疫グロブリン抗体またはブド
ウ球菌蛋白Aとの2次反応により測定することができ
る。標識剤としては、酵素を用いる方法(EIA)ではホ
ースラディッシュパーオキシダーゼ、β−D−ガラクト
シダーゼ、アルカリフォスファターゼ等の酵素が;放射
性物質を用いる方法(RIA)では125I,3H等が;蛍光物
質を用いる方法(FIA)ではフルオレセインイソチオサ
イアネート等が通常使用されるが、その標識剤の活性が
測定可能であれば、その他のものであってもよい。
標識剤が酵素である場合には、その活性を測定するた
めに基質が用いられる。基質としては例えば、ホースラ
ディッシュパーオキシダーゼの基質として、2,2′−ア
ジノジ−[3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸]ア
ンモニウム酸(ABTS)−H2O2、5−アミノサリチル酸−
H2O2、O−フェニレンジアミン−H2O2、4−アミノアン
チピリン−H2O2などを、β−D−ガラクトシダーゼの基
質として、フルオレセイン−ジ−(β−D−ガラクトピ
ラノシド)、O−ニトロフェノール−β−D−ガラクト
ピラノシドなどを挙げることが出来る。測定のために
は、これらの試薬以外にも溶解剤、洗浄剤、反応停止剤
等の公知の試薬が使用される。また抗原−抗体複合体の
偏光を利用する方法も考えられる。
本発明の免疫測定法の実施態様として、5−メチルシ
チジンの定量を行う場合について以下の如く例示する。
すなわち、96ウェルマイクロプレートに、5−メチル
シチジンと牛血清アルブミン(BSA)の結合物を1μg/
ウェルで添加したのち4℃で、12〜24時間放置する。次
に各ウェルに1%BSAを含むリン酸緩衝生理食塩液(PB
S)を100μlずつ添加することにより、抗体その他のタ
ンパクの非特異的吸着を防止する。次に試料(尿および
血清など)を各ウェルに50μl添加する。よく攪拌した
のちに、4℃で1時間放置する。各ウェルをPBSでよく
洗浄したのちに、アルカリホスファターゼ標識ヤギ抗マ
ウスIgG抗体の3000倍希釈液を各ウェルに100μlずつ添
加する。4℃で45分間反応させたのちに、PBSでよく洗
い、水分をきったのちに基質溶液(パラニトロフェニル
フォスフェートを1mg/mlの濃度で1Mジエタノールアミン
バッファー(pH9.8)にとかしたもの)を100μlずつ加
え37℃で30分間反応させる。各ウェルの405nmにおける
吸光度をEIAリーダーで測定することにより試料中に存
在する5−メチルシチジンの定量を行う。
本発明には、また免疫学的方法により被検体中の低級
アルキルシチジンを測定するための試薬キットであっ
て、低級アルキルシチジンを認識し得るモノクローナル
抗体と、低級アルキルシチジンとキャリア・プロテイン
−IIとの結合物を用いたことを特徴とする試薬キット
も、その範囲に含むものである。
かかるモノクローナル抗体とは前記した如き特性を有
するものである。また、低級アルキルシチジンと結合物
をつくるキャリア・プロテイン−IIとしては、前記した
キャリア・プロテイン−Iに関するプロテイン群と同様
の群から選ばれるものであって、その結合物としての抗
原性がキャリア・プロテイン−Iと異なるものでなけれ
ばならない。
また本発明の試薬キットには、モノクローナル抗体と
結合物の他に、必要に応じて標識剤や、標識化抗体の検
出試薬を含んでもよい。
さらに、本発明には、腫瘍組織中において異常代謝亢
進の結果蓄積された修飾核酸塩基類の存在を免疫組織化
学的に検索する方法において、該修飾核酸塩基類を認識
し得るモノクローナル抗体を免疫反応により組織の一部
に結合せしめることを特徴とする検索方法も含まれる。
かかる免疫組織化学的検索方法における組織とは、動
物、特に実用上好適にはヒトの細胞又は組織切片を意味
する。
本発明の検索法に用いられるモノクローナル抗体とし
ては、前述の低級アルキルシチジンを認識し得るモノク
ローナル抗体のみならず、抗シュードウリジンモノクロ
ーナル抗体(特開昭62−299765号公報、特開昭63−2226
99号公報)、抗1−メチルアデノシンモノクローナル抗
体(特開昭62−299766号公報)などの癌関連修飾核酸塩
基類に対するモノクローナル抗体が挙げられる。
本発明の検索法は、さらに具体的には、組織に前記の
修飾核酸塩基類を認識し得るモノクローナル抗体を作用
させることにより免疫反応を生じさせて組織における当
該修飾核酸塩基類の存在部位にそのモノクローナル抗体
を結合せしめることを特徴としている。さらにその後、
例えばかかるモノクローナル抗体を認識するビオチン化
抗体で処理し、さらに酵素標識アビジンを作用させる等
の方法によって組織における当該修飾核酸塩基類の存在
部位を染色等で標識化せしめて進行癌等の存在部位の検
索を可能にするものである。
この様な本発明の検索法の実施態様例として以下の方
法があげられる。即ち本発明の免疫組織化学的検索法に
おいては、細胞または組織切片をアセトン、ホルマリ
ン、パラホルムアルデヒドなどで固定したのち、1%BS
Aを含むPBSでタンパク質の非特異的吸着を防ぐ。次に、
モノクローナル抗体を反応させ、室温30分放置する。PB
Sでよく洗ったのちビオチン化抗マウスIgG抗体を反応さ
せ室温30分放置する。PBSでよく洗ったのち、アビジン
−ビオチン化ペルオキシターゼ複合体(ABC)溶液を反
応させ室温で30分間放置後PBSでよく洗浄する。次に、
基質溶液(ジアミノベンチジンを0.5mg/ml、過酸化水素
水を0.01%の濃度で含むPBS(pH7.4))を添加し、発色
させる。目的とする修飾核酸塩基類の細胞内局在等を光
学顕微鏡を用いて検討する。
さらに本発明には、腫瘍組織中において異常代謝亢進
の結果蓄積された修飾核酸塩基類を認識し得るモノクロ
ーナル抗体を抗癌剤又は制癌剤のキャリアーとして用い
たことを特徴とする薬剤ミサイルも含まれる。
かかる抗癌剤や制癌剤には、例えば、アルキル化剤と
してクロラムブチル、ACNU、CCNU、シスプラチン等、代
謝拮抗剤としてMTX、5FU、FUDR、ARA−C等、ビンカア
ルカロイドとしてはビンブラスチン、ビンクリスチン
等、抗生剤としてMMC、アドリアマイシン、ダウノマイ
シン等が用いられるが、いずれもこれらのモノクローナ
ル抗体をキャリアーとして用いることが出来るものであ
ればよく、これらに限定されるものではない。
またこれらのモノクローナル抗体をキャリアーとして
用いる形態としてはいかなるものであってもよく、例え
ば放射性アイソトープのキャリアーとして用いた治療法
も含まれる。かかる放射性アイソトープには、αエミッ
ターである212Bi、211At等、βエミッターである131I、
90Y等が用いられる。
かかる本発明の薬剤ミサイルによれば、抗癌剤や制癌
剤を患部に有効に到達させることが可能であり、高い治
療効果が得られ且つ副作用を低下させることができる。
また本発明には、放射性物質、常磁性物質、蛍光物質
等の標識となり得る物で標識化された、低級アルキルシ
チジンを認識し得るイメージング診断用モノクローナル
抗体も含まれる。
ここで言う放射性物質としては例えば125I、111In、
99mTc等があげられ、常磁性物質としては例えばガドリ
ニウム(Gd)等があげられる。これらはいずれも、本発
明のモノクローナル抗体を標識化したものを動物、特に
好適にはヒトの体内に注入し、体内における低級アルキ
ルシチジンの存在部位に到達せしめて、その部位を標識
化して、放射線や超音波診断でのイメージング診断用に
用いることができるものであれば、いかなるものであっ
てもよい。
かかる本発明のイメージング診断用のモノクローナル
抗体によれば、体内で低級アルキルシチジンの発生をと
もなう進行癌等の有無やその場所及びその進行度を極め
て容易に診断することが可能である。
尚、本発明でモノクローナル抗体の特性を表示するた
めに用いる抗体価とは、例えば5−メチルシチジンの場
合に、5−メチルシチジンと牛血清アルブミン(BSA)
の結合物をあかじめ96ウェルマイクロプレートに吸着さ
せておき、そこへ本発明のモノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマの培養上清液を順次2倍希釈した液を
各々加えて、免疫反応させた後、各々の吸光度を測定
し、最大の吸光度が維持される最大の希釈倍率を意味す
る。かかる希釈倍率と得られる吸光度の関係のパターン
と抗体価を模式的に示したのが第2図である。
実施例 次に実施例を挙げ、本発明を説明するが本実施例に限
定されるものではない。
実施例1 (1)免疫原の調製: シグマ(Sigma)社より購入した5−メチルシチジン
と、キャリア・プロテイン−Iであるキーホール・リン
ペット・ヘモシアニンとの結合体をエルランガー(Erla
nger)とビーザー(Bieser)の方法(Pro.N.A.S.,52,68
(1964))で作製した。すなわち5−メチルシチジンを
過ヨウ素酸で酸化し、過剰の過ヨウ素酸をエチレングリ
コールで分解したのち、アルカリ性(pH9〜9.5)条件下
でヘモシアニンと反応させる。ついで水素化ホウ素ナト
リウムで還元し、安定化合物を生成させる。この反応混
合物をPBS(pH7.4)中で一晩透析し、未反応の5−メチ
ルシチジンを除き、凍結乾燥に付したのち、−20℃の冷
凍庫中に保存した。
(2)モノクローナル抗体の作製: (i)(1)で得た5−メチルシチジンとヘモシアニン
結合物を、フロイントの完全アジュバント(Freund′s
Complete Adjuvant)と等量混合し、エマルジョンとし
たのち、BALB/cマウスの腹腔内に一匹あたり50μg投与
した。2回目以降は不完全アジュバント(Incomplete A
djuvant)を用いたエマルジョンを、マウス一匹あたり5
0μg、14日間隔で2回腹腔内に投与した。最終免疫は
5−メチルシチジン−ヘモシアニン結合物100μg/ml溶
液を0.2ml静脈内投与した。
(ii)最終免疫の3日後に過免疫マウスから摘出した脾
細胞とBALB/cマウス由来ミエローマ細胞株Sp2/0−Ag14
をポリエチレングリコール4000を用いて融合した。細胞
は96ウェルマイクロプレートに100μl/ウェルずつ加
え、24時間後に培地の半量をハット(HAT)培地に交換
し2日おきに培地交換した。7〜10日後にハット耐性の
ハイブリドーマの成長がみられてくる。この時期に培地
をHT培地に変え、約10日間培養したのちにハイブリドー
マ生育培地に変えた。
(iii)抗体産生細胞のスクリーニングは5−メチルシ
チジンと牛血清アルブミン(BSA)を結合させたものを
抗原として用いた2抗体エライザ(ELISA)法により行
った。この方法により最も憂慮されるキャリア・プロテ
インに対する抗体を産生するハイブリドーマの除外に成
功した。次に5−メチルシチジンによる阻害がかかるか
否かを検討することにより5−メチルシチジンと特異的
に反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マを選択した。ここで選択されたハイブリドーマは限界
希釈法によりクローン化しモノクローナル抗体産生ハイ
ブリドーマクローンを樹立した。その一例でるハイブリ
ドーマMCT−3は工業技術院微生物工業技術研究所にFER
M BP−2788として寄託した。
(3)モノクローナル抗体の性質: 得られたモノクローナル抗体は、その反応特異性の相
違から3つのグループに分類した。すなわち、(i)5
−メチルシチジンとのみ非常に強く反応するモノクロー
ナル抗体(MST−3他4クローン)(ii)5−メチルシ
チジンとの反応は(i)に示すモノクローナル抗体より
も弱いながらも、他の核酸塩基とは反応しないモノクロ
ーナル抗体(MCT−6他1クローン)(iii)5−メチル
シチジン、5−メチルシトシン、さらには、チミジン、
シチジンと反応するモノクローナル抗体(MCT−8他1
クローン)である。各グループで、最も反応性の高かっ
たモノクローナル抗体、即ちMCT−3、MCT−6およびMC
T−8についての抗体価及び反応特異性を示すと第1表
の如くなる。
実施例2 5−メチルシチジン−BSA(0.1μg/ウェル)でコート
した96ウェルマイクロプレートに5−メチルシチジンの
10-2、10-3、10-4、10-5、10-6、10-7M溶液を各50μl
ずつ加えたのちに、MCT−3モノクローナル抗体の30倍
希釈液を50μlずつ加え、競合実験を行った。その結
果、第1図に示すごとく、添加した5−メチルシチジン
の量に比例して、MCT−3抗体と5−メチルシチジン−B
SAの結合が阻害されることが明らかとなった。この反応
曲線を検量線とした時、5−メチルシチジンの検出限界
は1pmolであり、この測定系を用いれば、高感度に、微
量の5−メチルシチジンの検出が可能であることが判明
した。
実施例3 実施例2の5−メチルシチジン溶液に代えて試料とし
て健常人および癌患者の尿を用い同様に競合阻害試験を
行なった。実施例2の結果から得た検量線を用い、試料
中の5−メチルシチジンを測定した。この結果を第2表
に示す。
実施例4 以下の手順にて、抗修飾核酸塩基類モノクローナル抗
体を用いて食道癌組織の免疫組織染色を行なった。
食道癌組織(手術摘出標本)は、ホルマリン固定した
のちにパラフィン包埋し、3〜5μmの切片を作製す
る。
切片をスライドグラス上にうつしとったのち、正常ウ
マ血清で処理して、非特異的吸着を防ぐ。
次に、モノクローナル抗体(抗1−メチルアデノシン
抗体、抗シュードウリジン抗体,5μg/mlの濃度)で処理
し室温で1時間反応させる。
スライドグラスを緩衝液で、よく洗浄したのち、ビオ
チン化抗マウスIgGで処理し、室温30分間反応させる。
スライドグラスを緩衝液でよく洗浄したのちに西洋ワ
サビペルオキシダーゼ−アビジン複合体で処理し、室温
30分間反応させる。
スライドグラスを緩衝液でよく洗浄したのちに、基質
液(0.5mg/mlジアミノベンチジン、0.01%過酸化水素水
を含むリン酸緩衝液)を加えて発色させる。
核は、ヘマトキシリン液により染色する。
その結果を第3〜5図に示す。その結果、抗1−メチ
ルアデノシンモノクローナル抗体及び抗シュードウリジ
ンモノクローナル抗体のいずれを用いた場合も正常組織
は染色されず、癌組織が特異的に染色された。なお、第
3図及び第4図において濃灰色〜黒色の部分が染色部位
(反応陽性部位)である。
産業上の利用可能性 本発明のモノクローナル抗体は、低級アルキルシチジ
ン、殊に5−メチルシチジンを高感度に認識する優れた
特性を有するものである。また本発明のハイブリドーマ
は、かかる優れた特性を有するモノクローナル抗体を産
生する有用な性質をもつものである。また本発明の測定
法、試薬キットによれば、体液等の被検体の前処理を行
うことなく低級アルキルシチジンの測定を容易に行うこ
とが可能であって、多数の被検体に対して簡便かつ迅速
に進行癌の有無を判定することができる。
さらに本発明の検索法によれば、腫瘍組織において異
常代謝亢進の結果蓄積された修飾核酸塩基類の検出を容
易に行うことができる。また本発明のイメージング診断
用のモノクローナル抗体は、体内で進行中の癌の診断を
極めて容易に行うことを可能にするものであり、薬剤ミ
サイルは、抗癌剤等を患部に有効に投与して高い治療効
果を実現するものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/577 C12N 15/00 C (56)参考文献 Eur.J.Biochem.,Vo l.152,p.115−121(1985) Z.Naturforsch,36c, 459−463(1981) Z.Naturforsch,37c, 399−404(1982) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 16/44 C12N 5/00 G01N 33/577 A61K 39/395 C12P 21/08 C12N 15/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5−メチルシチジンを認識し、5−メチル
    シトシン、シチジン及びチミジンを認識しない、IgG1
    属する抗5−メチルシチジンモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】FERM BP−2788として寄託されたハイブリ
    ドーマMCT−3が産生するものである請求項1記載のモ
    ノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】請求項1記載のモノクローナル抗体を産生
    するハイブリドーマ。
  4. 【請求項4】FERM BP−2788として寄託されたものであ
    る請求項3記載のハイブリドーマ。
  5. 【請求項5】免疫学的方法による被検体中の5−メチル
    シチジンを測定する方法において、請求項1又は2記載
    のモノクローナル抗体を用いることを特徴とする測定
    法。
  6. 【請求項6】免疫学的方法により被検体中の5−メチル
    シチジンを測定するための試薬キットであって、請求項
    1又は2記載のモノクローナル抗体と、5−メチルシチ
    ジンとキャリア・プロテイン−IIとの結合物を用いたこ
    とを特徴とする試薬キット。
  7. 【請求項7】腫瘍組織中において異常代謝亢進の結果蓄
    積された5−メチルシチジンの存在を免疫組織化学的に
    検索する方法において、請求項1又は2記載のモノクロ
    ーナル抗体を免疫反応により組織の一部に結合せしめる
    ことを特徴とする検索法。
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Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Eur.J.Biochem.,Vol.152,p.115−121(1985)
Z.Naturforsch,36c,459−463(1981)
Z.Naturforsch,37c,399−404(1982)

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