JP2003321454A - 6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法 - Google Patents
6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 抗アレルギー剤として有用な、塩
酸エピナスチンを工業的に製造する際の重要な中間体で
ある、6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−
ジベンゾ[b,e]アゼピンについて、簡便、安全であ
り、かつ工業的に有用な製造方法を提供すること。 【解決手段】 6−クロロメチル−5H−ジベン
ゾ[b,e]アゼピンに4−ニトロフタルイミドを反応
させ、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−
ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導した後、得られた該
化合物を水素化ホウ素ナトリウム、またはトリアセトキ
シ水素化ホウ素ナトリウムによる還元を酸性条件下で行
い、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンとし、
次いで該生成物をヒドラジン分解させることを特徴とす
る6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベ
ンゾ[b,e]アゼピンの製造方法である。
酸エピナスチンを工業的に製造する際の重要な中間体で
ある、6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−
ジベンゾ[b,e]アゼピンについて、簡便、安全であ
り、かつ工業的に有用な製造方法を提供すること。 【解決手段】 6−クロロメチル−5H−ジベン
ゾ[b,e]アゼピンに4−ニトロフタルイミドを反応
させ、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−
ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導した後、得られた該
化合物を水素化ホウ素ナトリウム、またはトリアセトキ
シ水素化ホウ素ナトリウムによる還元を酸性条件下で行
い、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンとし、
次いで該生成物をヒドラジン分解させることを特徴とす
る6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベ
ンゾ[b,e]アゼピンの製造方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品の合成中間
化合物として重要な、6−アミノメチル−6,11−ジ
ヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法
に係り、詳細には、工業的な規模で、かつ簡便な反応手
段により、目的とする6−アミノメチル−6,11−ジ
ヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを収率よく
製造し得る方法に関する。
化合物として重要な、6−アミノメチル−6,11−ジ
ヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法
に係り、詳細には、工業的な規模で、かつ簡便な反応手
段により、目的とする6−アミノメチル−6,11−ジ
ヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを収率よく
製造し得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下記式(I)で示される6−アミノメチ
ル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンは、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹・湿
疹等のアレルギー性疾患治療薬として、臨床的に広く使
用されている式(A)で示される塩酸エピナスチン(化
学名:3−アミノ−9,13b−ジヒドロ−1H−ジベ
ンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン・塩酸
塩)の重要な中間体である。
ル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンは、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹・湿
疹等のアレルギー性疾患治療薬として、臨床的に広く使
用されている式(A)で示される塩酸エピナスチン(化
学名:3−アミノ−9,13b−ジヒドロ−1H−ジベ
ンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン・塩酸
塩)の重要な中間体である。
【0003】塩酸エピナスチン(A)は、下記化学反応
式に示すように、式(I)で示される6−アミノメチル
−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンにブロムシアンを反応させて環化反応を行い、次い
で塩酸塩への造塩により製造されている(特公平3−6
6311号)。
式に示すように、式(I)で示される6−アミノメチル
−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンにブロムシアンを反応させて環化反応を行い、次い
で塩酸塩への造塩により製造されている(特公平3−6
6311号)。
【0004】
【化1】
【0005】したがって、6−アミノメチル−6,11
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I)
は、塩酸エピナスチンの製造において、極めて重要な中
間体であるが、これまでに提案されている当該化合物の
製造方法は、工業的な製造方法として、必ずしも満足し
得るものではなかった。例えば、特公平3−66311
号公報に記載される6−アミノメチル−6,11−ジヒ
ドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法に
あっては、6−クロロ−11H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンを、ジメチルスルホキシド中シアン化ナトリウム
と処理して6−シアノ−11H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンとした後、水素化リチウムアルミニウムにより還
元することにより製造している。
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I)
は、塩酸エピナスチンの製造において、極めて重要な中
間体であるが、これまでに提案されている当該化合物の
製造方法は、工業的な製造方法として、必ずしも満足し
得るものではなかった。例えば、特公平3−66311
号公報に記載される6−アミノメチル−6,11−ジヒ
ドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法に
あっては、6−クロロ−11H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンを、ジメチルスルホキシド中シアン化ナトリウム
と処理して6−シアノ−11H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンとした後、水素化リチウムアルミニウムにより還
元することにより製造している。
【0006】この製造方法における反応は、低収率であ
り、かつ、工業的には危険を伴うシアン化ナトリウムを
大量に使用しなければならないこと、さらに、シアノ基
の還元において工業的な還元手段としては不向きな、水
素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)を使用しな
ければならないの等の問題点があった。また、このよう
な特殊な化合物を使用することは、取りも直さず工場施
設に特殊な環境を必要とするものであり、工業的な製造
方法として非経済的なものである。
り、かつ、工業的には危険を伴うシアン化ナトリウムを
大量に使用しなければならないこと、さらに、シアノ基
の還元において工業的な還元手段としては不向きな、水
素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)を使用しな
ければならないの等の問題点があった。また、このよう
な特殊な化合物を使用することは、取りも直さず工場施
設に特殊な環境を必要とするものであり、工業的な製造
方法として非経済的なものである。
【0007】さらに最近、塩酸エピナスチンの製造方法
の一つとして、特許第3133448号に記載の方法が
提案されている。この方法は、6−フタルイミドメチル
−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを、パラジウム−
炭素による接触還元により水素化し、得られた生成物を
アルカリ溶液中でヒドラジン分解を行い、式(I)で示
される6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−
ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導した後、ブロモシア
ノーゲンと反応させ、生成した塩基を塩酸塩とする製造
方法である。
の一つとして、特許第3133448号に記載の方法が
提案されている。この方法は、6−フタルイミドメチル
−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを、パラジウム−
炭素による接触還元により水素化し、得られた生成物を
アルカリ溶液中でヒドラジン分解を行い、式(I)で示
される6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−
ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導した後、ブロモシア
ノーゲンと反応させ、生成した塩基を塩酸塩とする製造
方法である。
【0008】上記の製造方法により行われる式(I)で
示される6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H
−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造は、特公平3−6
6311号公報に記載される製造方法において使用され
ている猛毒化合物であるシアン化ナトリウム等の使用を
回避し、また還元手段として水素化リチウムアルミニウ
ム(LiAlH4)の使用を回避したものであり、塩酸
エピナスチンの工業的製造方法として優れたものであ
る。
示される6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H
−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造は、特公平3−6
6311号公報に記載される製造方法において使用され
ている猛毒化合物であるシアン化ナトリウム等の使用を
回避し、また還元手段として水素化リチウムアルミニウ
ム(LiAlH4)の使用を回避したものであり、塩酸
エピナスチンの工業的製造方法として優れたものであ
る。
【0009】しかしながら、当該製造方法にあっても、
現実の工業的製造方法としては、未だ満足し得るものと
はなっていないのが現状である。すなわち、出発化合物
である6−フタルイミドメチル−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンが各種溶媒に溶けにくいものであり、パラ
ジウム−炭素による接触還元においては、接触還元とし
ては特殊な反応溶媒であるジメチルホルムアミドを使用
しなければならない。さらにヒドラジン分解では45%
水酸化アルカリ(水酸化ナトリウム)溶液を反応液とし
て使用している。したがって、工業的製造方法として
は、接触還元による特殊反応設備、ヒドラジン分解では
耐アルカリ性の反応釜を使用しなければならない不利が
ある。さらに、ジヒドロ体での精製が難しい等の傾向が
あり、より簡便な、塩酸エピナスチンの重要な合成中間
体である式(I)で示される6−アミノメチル−6,1
1−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの工
業的製造方法の開発が要求されていた。
現実の工業的製造方法としては、未だ満足し得るものと
はなっていないのが現状である。すなわち、出発化合物
である6−フタルイミドメチル−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンが各種溶媒に溶けにくいものであり、パラ
ジウム−炭素による接触還元においては、接触還元とし
ては特殊な反応溶媒であるジメチルホルムアミドを使用
しなければならない。さらにヒドラジン分解では45%
水酸化アルカリ(水酸化ナトリウム)溶液を反応液とし
て使用している。したがって、工業的製造方法として
は、接触還元による特殊反応設備、ヒドラジン分解では
耐アルカリ性の反応釜を使用しなければならない不利が
ある。さらに、ジヒドロ体での精製が難しい等の傾向が
あり、より簡便な、塩酸エピナスチンの重要な合成中間
体である式(I)で示される6−アミノメチル−6,1
1−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの工
業的製造方法の開発が要求されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した現
状の下で、塩酸エピナスチンを工業的に製造する際の重
要な中間体である、6−アミノメチル−6,11−ジヒ
ドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンについて、簡
便であって、安全かつ工業的に極めて有利な製造方法を
提供することを課題とする。
状の下で、塩酸エピナスチンを工業的に製造する際の重
要な中間体である、6−アミノメチル−6,11−ジヒ
ドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンについて、簡
便であって、安全かつ工業的に極めて有利な製造方法を
提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明者らは鋭意検討した結果、フタルイミドに代
えて、4−ニトロフタルイミドを使用し製造を行ったと
ころ、極めて簡便な操作方法で、収率よく、工業的に目
的とする6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H
−ジベンゾ[b,e]アゼピンを製造することができる
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
めに本発明者らは鋭意検討した結果、フタルイミドに代
えて、4−ニトロフタルイミドを使用し製造を行ったと
ころ、極めて簡便な操作方法で、収率よく、工業的に目
的とする6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H
−ジベンゾ[b,e]アゼピンを製造することができる
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】したがって、本発明は、式(II)で示さ
れる6−クロロメチル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンに4−ニトロフタルイミド(III)を反応させ、
6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジベン
ゾ[b,e]アゼピン(IV)へ誘導した後、得られた
該化合物(IV)を水素化ホウ素ナトリウム、またはト
リアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムによる還元により
水素化し、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−
6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピ
ン(V)とし、次いで該生成物(V)をヒドラジン分解
させることを特徴とする6−アミノメチル−6,11−
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I)の
製造方法である。
れる6−クロロメチル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンに4−ニトロフタルイミド(III)を反応させ、
6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジベン
ゾ[b,e]アゼピン(IV)へ誘導した後、得られた
該化合物(IV)を水素化ホウ素ナトリウム、またはト
リアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムによる還元により
水素化し、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−
6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピ
ン(V)とし、次いで該生成物(V)をヒドラジン分解
させることを特徴とする6−アミノメチル−6,11−
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I)の
製造方法である。
【0013】そのなかでも、本発明は、6−クロロメチ
ル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(II)に4−
ニトロフタルイミド(III)を反応させ、6−(4−
ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピン(IV)へ誘導する反応を、不活性溶媒
中、アルカリ金属炭酸化物およびアルカリ金属ハロゲン
化物の存在下行う、上記した6−アミノメチル−6,1
1−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン
(I)の製造方法でもある。
ル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(II)に4−
ニトロフタルイミド(III)を反応させ、6−(4−
ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピン(IV)へ誘導する反応を、不活性溶媒
中、アルカリ金属炭酸化物およびアルカリ金属ハロゲン
化物の存在下行う、上記した6−アミノメチル−6,1
1−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン
(I)の製造方法でもある。
【0014】また本発明は、6−(4−ニトロフタルイ
ミドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I
V)を6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,1
1−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン
(V)へ誘導する水素化ホウ素ナトリウム、またはトリ
アセトキシ水素化ホウ素ナトリウムによる還元を、酸性
条件下で行う、上記した6−アミノメチル−6,11−
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I)の
製造方法でもある。
ミドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I
V)を6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,1
1−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン
(V)へ誘導する水素化ホウ素ナトリウム、またはトリ
アセトキシ水素化ホウ素ナトリウムによる還元を、酸性
条件下で行う、上記した6−アミノメチル−6,11−
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I)の
製造方法でもある。
【0015】より具体的には、かかる水素化ホウ素ナト
リウム、またはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
による還元は、ギ酸、酢酸またはプロピオン酸溶媒存在
下での酸性条件下で行われる。
リウム、またはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
による還元は、ギ酸、酢酸またはプロピオン酸溶媒存在
下での酸性条件下で行われる。
【0016】すなわち、本発明は、これまで文献未記載
の新規化合物である6−(4−ニトロフタルイミドメチ
ル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(II)を出
発化合物として使用する点に、1つの特徴を有するもの
である。例えば、従来の製造方法(特許第313344
8号)においては、無置換の6−フタルイミドメチル−
5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを出発化合物とする
ものであるが、フタルイミド基が無置換であるがゆえ
に、このものの各種溶媒に対する溶解性は低いものであ
り、接触還元においてはジメチルホルムアミドのような
特殊な溶媒を使用しなければならない不利益がある。
の新規化合物である6−(4−ニトロフタルイミドメチ
ル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(II)を出
発化合物として使用する点に、1つの特徴を有するもの
である。例えば、従来の製造方法(特許第313344
8号)においては、無置換の6−フタルイミドメチル−
5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを出発化合物とする
ものであるが、フタルイミド基が無置換であるがゆえ
に、このものの各種溶媒に対する溶解性は低いものであ
り、接触還元においてはジメチルホルムアミドのような
特殊な溶媒を使用しなければならない不利益がある。
【0017】しかしながら、本発明方法においては、フ
タルイミド基のベンゼン環に電子吸引性のニトロ基を導
入した4−ニトロフタルイミド基を使用することによ
り、該当する6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−
5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの各種溶媒に対する
溶解性が増し、反応操作が極めて簡便に行い得る利点を
有するものである。
タルイミド基のベンゼン環に電子吸引性のニトロ基を導
入した4−ニトロフタルイミド基を使用することによ
り、該当する6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−
5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの各種溶媒に対する
溶解性が増し、反応操作が極めて簡便に行い得る利点を
有するものである。
【0018】さらに、4−ニトロフタルイミド基を使用
した6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンを、例えば特許第31334
48号に記載されるパラジウム−炭素を触媒として用い
た接触還元を行うと、ベンゼン環上に置換したニトロ基
が還元されてしまうものであるが、本発明の酸性条件下
での水素化ホウ素ナトリウム、またはトリアセトキシ水
素化ホウ素ナトリウムによる還元で、ニトロ基の還元を
生じることなく二重結合のみを選択的に還元することが
できる。
した6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンを、例えば特許第31334
48号に記載されるパラジウム−炭素を触媒として用い
た接触還元を行うと、ベンゼン環上に置換したニトロ基
が還元されてしまうものであるが、本発明の酸性条件下
での水素化ホウ素ナトリウム、またはトリアセトキシ水
素化ホウ素ナトリウムによる還元で、ニトロ基の還元を
生じることなく二重結合のみを選択的に還元することが
できる。
【0019】かくして製造される6−(4−ニトロフタ
ルイミドメチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベン
ゾ[b,e]アゼピン(V)も、また文献未記載の新規
化合物でもある。
ルイミドメチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベン
ゾ[b,e]アゼピン(V)も、また文献未記載の新規
化合物でもある。
【0020】さらに、4−ニトロフタルイミド基を使用
したことにより、式(V)の6−(4−ニトロフタルイ
ミドメチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンをヒドラジン分解させる場合にあっ
ても、例えば、特許第3133448号では、45%と
いう高濃度の水酸化アルカリ(水酸化ナトリウム)溶液
を反応液として使用しているが、本発明ではこのような
高アルカリ水溶液の使用を回避し得る利点を有する。こ
れらの点は、本発明者らの鋭意検討のもとで、先行技術
には開示されていない特異的な4−ニトロフタルイミド
基を使用した結果得られる、工業的製造方法としての利
点である。
したことにより、式(V)の6−(4−ニトロフタルイ
ミドメチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンをヒドラジン分解させる場合にあっ
ても、例えば、特許第3133448号では、45%と
いう高濃度の水酸化アルカリ(水酸化ナトリウム)溶液
を反応液として使用しているが、本発明ではこのような
高アルカリ水溶液の使用を回避し得る利点を有する。こ
れらの点は、本発明者らの鋭意検討のもとで、先行技術
には開示されていない特異的な4−ニトロフタルイミド
基を使用した結果得られる、工業的製造方法としての利
点である。
【0021】したがって、本発明は、また別の態様とし
て、塩酸エピナスチンの新規な工業的合成方法における
重要な合成中間体をも提供するものであり、具体的に
は、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピン(IV)である化合物、なら
びに6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(V)
である化合物を提供するものでもある。
て、塩酸エピナスチンの新規な工業的合成方法における
重要な合成中間体をも提供するものであり、具体的に
は、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピン(IV)である化合物、なら
びに6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(V)
である化合物を提供するものでもある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明を、さらに詳細に説
明する。本発明の製造方法を、具体的化学反応式で示せ
ば以下のようにまとめられる。
明する。本発明の製造方法を、具体的化学反応式で示せ
ば以下のようにまとめられる。
【0023】
【化2】
【0024】すなわち本発明の第一工程は、式(II)
で示される6−クロロメチル−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンに4−ニトロフタルイミド(III)を反
応させ、式(IV)で示される6−(4−ニトロフタル
イミドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンへ
誘導する反応である。
で示される6−クロロメチル−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンに4−ニトロフタルイミド(III)を反
応させ、式(IV)で示される6−(4−ニトロフタル
イミドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンへ
誘導する反応である。
【0025】当該反応は、好ましくは、不活性溶媒中、
アルカリ金属炭酸化物およびアルカリ金属ハロゲン化物
の存在下、使用した不活性溶媒の還流温度付近に加熱す
ることにより、効率良く実施することができる。ここで
使用する不活性溶媒とは、当該反応に影響を与えない不
活性溶媒であればいずれも使用することができ、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、
アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶
媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、is
o−プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素系溶媒を使用することがで
き、なかでもアセトニトリルを使用するのが特に好まし
い。
アルカリ金属炭酸化物およびアルカリ金属ハロゲン化物
の存在下、使用した不活性溶媒の還流温度付近に加熱す
ることにより、効率良く実施することができる。ここで
使用する不活性溶媒とは、当該反応に影響を与えない不
活性溶媒であればいずれも使用することができ、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、
アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶
媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、is
o−プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素系溶媒を使用することがで
き、なかでもアセトニトリルを使用するのが特に好まし
い。
【0026】本反応において使用するアルカリ金属炭酸
化物としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等をあげ
ることができ、また、アルカリ金属ハロゲン化物として
は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等を好ましく使
用することができる。なかでもアルカリ金属炭酸化物と
して炭酸カリウムを使用し、アルカリ金属ハロゲン化物
としてヨウ化カリウムを使用するのが特に好ましい。反
応は、用いる溶媒の沸点近くの温度に加熱し、還流させ
ることにより実施でき、95%〜ほぼ定量的に、目的と
する式(IV)で示される6−(4−ニトロフタルイミ
ドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導
することができる。
化物としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等をあげ
ることができ、また、アルカリ金属ハロゲン化物として
は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等を好ましく使
用することができる。なかでもアルカリ金属炭酸化物と
して炭酸カリウムを使用し、アルカリ金属ハロゲン化物
としてヨウ化カリウムを使用するのが特に好ましい。反
応は、用いる溶媒の沸点近くの温度に加熱し、還流させ
ることにより実施でき、95%〜ほぼ定量的に、目的と
する式(IV)で示される6−(4−ニトロフタルイミ
ドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導
することができる。
【0027】次いで、本発明の第二工程は、上記で得ら
れた式(IV)で示される6−(4−ニトロフタルイミ
ドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの二重
結合を選択的に還元し、式(V)で示される6−(4−
ニトロフタルイミドメチル)−6,11−ジヒドロ−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導する水素化反応
工程である。本水素化反応は、具体的には、酸性条件下
での水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素
化ホウ素ナトリウムによる水素化で実施することができ
る。
れた式(IV)で示される6−(4−ニトロフタルイミ
ドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの二重
結合を選択的に還元し、式(V)で示される6−(4−
ニトロフタルイミドメチル)−6,11−ジヒドロ−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導する水素化反応
工程である。本水素化反応は、具体的には、酸性条件下
での水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素
化ホウ素ナトリウムによる水素化で実施することができ
る。
【0028】かかる酸性条件下としては、例えば、反応
溶媒としてギ酸、酢酸またはプロピオン酸溶媒を用い、
水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホ
ウ素ナトリウムと共に攪拌するという、極めて簡便な操
作で実施することができる。さらに、反応後の処理も、
反応終了後の溶液に水を加えるだけで、目的とする式
(V)で示される6−(4−ニトロフタルイミドメチ
ル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]
アゼピンを、結晶として単離することができる。この反
応条件ならびに反応後処理の条件は、工業的な製造方法
としては、特殊な反応容器、反応設備等を必要とするも
のでない点で、特に優れたものであるといえる。また、
溶媒の濃縮、抽出等の煩雑な操作を必要としない点で
も、本発明方法はまた優れたものであるといえる。
溶媒としてギ酸、酢酸またはプロピオン酸溶媒を用い、
水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホ
ウ素ナトリウムと共に攪拌するという、極めて簡便な操
作で実施することができる。さらに、反応後の処理も、
反応終了後の溶液に水を加えるだけで、目的とする式
(V)で示される6−(4−ニトロフタルイミドメチ
ル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]
アゼピンを、結晶として単離することができる。この反
応条件ならびに反応後処理の条件は、工業的な製造方法
としては、特殊な反応容器、反応設備等を必要とするも
のでない点で、特に優れたものであるといえる。また、
溶媒の濃縮、抽出等の煩雑な操作を必要としない点で
も、本発明方法はまた優れたものであるといえる。
【0029】以上のようにして得られた式(V)で示さ
れる6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンは、そ
の4−ニトロフタルイミド基をアミノ基に誘導する第三
工程により、本発明の目的化合物である式(I)で示さ
れる6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンへ変換される。
れる6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンは、そ
の4−ニトロフタルイミド基をアミノ基に誘導する第三
工程により、本発明の目的化合物である式(I)で示さ
れる6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンへ変換される。
【0030】本第三工程は、有機化学上一般的に使用さ
れているヒドラジン分解法により実施することができ
る。具体的には、式(V)で示される6−(4−ニトロ
フタルイミドメチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンを、適当な溶媒中、ヒドラジ
ンヒドラートと共に処理することにより、実施すること
ができる。
れているヒドラジン分解法により実施することができ
る。具体的には、式(V)で示される6−(4−ニトロ
フタルイミドメチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンを、適当な溶媒中、ヒドラジ
ンヒドラートと共に処理することにより、実施すること
ができる。
【0031】当該ヒドラジン分解反応の反応温度、反応
時間は特に限定されないが、例えば、反応溶媒としてエ
チレングリコールを使用した場合には、反応温度として
100〜150℃程度で加熱処理することにより実施す
ることができる。また、当該ヒドラジン分解反応は、エ
チレングリコールなどの高沸点溶媒を使用することなく
通常の溶媒を使用し、かつ室温下でも進行することが判
明した。特に先行技術における当該ヒドラジン分解反応
は、45%という高濃度の水酸化アルカリ(水酸化ナト
リウム)溶液を反応液として使用しているが、本発明で
はこのような高アルカリ水溶液の使用を回避し得るもの
であり、工業的な製造方法として極めて有用なものであ
るといえる。
時間は特に限定されないが、例えば、反応溶媒としてエ
チレングリコールを使用した場合には、反応温度として
100〜150℃程度で加熱処理することにより実施す
ることができる。また、当該ヒドラジン分解反応は、エ
チレングリコールなどの高沸点溶媒を使用することなく
通常の溶媒を使用し、かつ室温下でも進行することが判
明した。特に先行技術における当該ヒドラジン分解反応
は、45%という高濃度の水酸化アルカリ(水酸化ナト
リウム)溶液を反応液として使用しているが、本発明で
はこのような高アルカリ水溶液の使用を回避し得るもの
であり、工業的な製造方法として極めて有用なものであ
るといえる。
【0032】当該反応終了後の処理としては、抽出、転
溶、溶媒留去、造塩等、有機化学上一般的に汎用される
精製手段を用いて、目的とする式(I)で示される6−
アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンを、高収率で得ることができる。以
上のようにして製造される本発明の目的化合物である式
(I)で示される6−アミノメチル−6,11−ジヒド
ロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンは、遊離塩基と
して結晶化することが困難である。したがって、通常の
造塩操作を用いてフマル酸塩として収率よく単離生成す
ることができる。
溶、溶媒留去、造塩等、有機化学上一般的に汎用される
精製手段を用いて、目的とする式(I)で示される6−
アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンを、高収率で得ることができる。以
上のようにして製造される本発明の目的化合物である式
(I)で示される6−アミノメチル−6,11−ジヒド
ロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンは、遊離塩基と
して結晶化することが困難である。したがって、通常の
造塩操作を用いてフマル酸塩として収率よく単離生成す
ることができる。
【0033】なお、本発明の製造方法において使用され
る出発化合物である式(II)で示される6−クロロメ
チル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンは、例えば、
J.Med.Chem.,13:35−39(197
0)に記載されている方法で、簡便に製造することがで
きる。
る出発化合物である式(II)で示される6−クロロメ
チル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンは、例えば、
J.Med.Chem.,13:35−39(197
0)に記載されている方法で、簡便に製造することがで
きる。
【0034】本発明は、抗アレルギー剤として有用な塩
酸エピナスチンを製造する場合の重要な合成中間体であ
る式(I)で示される6−アミノメチル−6,11−ジ
ヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの、工業的
に応用し得る、安全で、簡便な操作による製造方法を提
供するものであり、かくして製造された式(I)で示さ
れる6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンは、次いでブロムシアンと反
応させて環化反応を行うことにより、塩酸エピナスチン
に誘導することができる(後記する参考例を参照)。
酸エピナスチンを製造する場合の重要な合成中間体であ
る式(I)で示される6−アミノメチル−6,11−ジ
ヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの、工業的
に応用し得る、安全で、簡便な操作による製造方法を提
供するものであり、かくして製造された式(I)で示さ
れる6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンは、次いでブロムシアンと反
応させて環化反応を行うことにより、塩酸エピナスチン
に誘導することができる(後記する参考例を参照)。
【0035】
【実施例】以下に、本発明を実施例ならびに参考例によ
り、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
にのみに限定されるものではなく、その目的に照らし、
種々の変更も、また本発明の技術的範囲内に包含される
べきものである。
り、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
にのみに限定されるものではなく、その目的に照らし、
種々の変更も、また本発明の技術的範囲内に包含される
べきものである。
【0036】実施例1:6−(4−ニトロフタルイミド
メチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造 500mLの反応容器に、アセトニトリル210mL、
4−ニトロフタルイミド24.0g、無水炭酸カリウム
20.6g、ヨウ化カリウム2.1gおよび6−クロロ
メチル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン30.0g
(0.124mol)を加え、約1.5時間加熱還流を
行った。反応終了後、反応液を冷却し、不溶物を濾過
し、濾液を減圧濃縮した。濃縮物にトルエン100mL
を加え、不溶物を濾過除去した。濾液を冷却し、析出し
た結晶を濾取し、エタノール50mLで洗浄を行い、得
られた結晶を乾燥し、黄褐色結晶として6−(4−ニト
ロフタルイミドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンを46.8g(収率:95%)得た。
メチル)−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造 500mLの反応容器に、アセトニトリル210mL、
4−ニトロフタルイミド24.0g、無水炭酸カリウム
20.6g、ヨウ化カリウム2.1gおよび6−クロロ
メチル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン30.0g
(0.124mol)を加え、約1.5時間加熱還流を
行った。反応終了後、反応液を冷却し、不溶物を濾過
し、濾液を減圧濃縮した。濃縮物にトルエン100mL
を加え、不溶物を濾過除去した。濾液を冷却し、析出し
た結晶を濾取し、エタノール50mLで洗浄を行い、得
られた結晶を乾燥し、黄褐色結晶として6−(4−ニト
ロフタルイミドメチル)−5H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンを46.8g(収率:95%)得た。
【0037】IR(KBr)cm−1:3438,17
23,1624,1537,1417,1394,13
43,757,718.1 H−NMR(CDCl3)ppm:3.60(2H,
s),5.12(2H、s),6.96〜7.60(8
H,m),8.05〜8.70(3H,m). 元素分析値: 計算値:C:69.52;H:3.80;N:10.57 実測値:C:69.59;H:3.77;N:10.55.
23,1624,1537,1417,1394,13
43,757,718.1 H−NMR(CDCl3)ppm:3.60(2H,
s),5.12(2H、s),6.96〜7.60(8
H,m),8.05〜8.70(3H,m). 元素分析値: 計算値:C:69.52;H:3.80;N:10.57 実測値:C:69.59;H:3.77;N:10.55.
【0038】実施例2:6−(4−ニトロフタルイミド
メチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンの製造 300mLの反応容器に酢酸100mLを加え、窒素ガ
ス雰囲気下に水素化ホウ素ナトリウム2.9gを徐々に
加えた。30℃以下で、その混合液中に、上記の実施例
1で得た6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H
−ジベンゾ[b,e]アゼピン20.0gを加え、約2
時間攪拌した。反応液に水50mLを加え、析出した結
晶を濾取し、水40mLおよびイソプロパノール20m
Lで結晶を洗浄後、乾燥を行い、赤褐色結晶として6−
(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11−ジヒド
ロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを19.3g
(収率:96%)得た。
メチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンの製造 300mLの反応容器に酢酸100mLを加え、窒素ガ
ス雰囲気下に水素化ホウ素ナトリウム2.9gを徐々に
加えた。30℃以下で、その混合液中に、上記の実施例
1で得た6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H
−ジベンゾ[b,e]アゼピン20.0gを加え、約2
時間攪拌した。反応液に水50mLを加え、析出した結
晶を濾取し、水40mLおよびイソプロパノール20m
Lで結晶を洗浄後、乾燥を行い、赤褐色結晶として6−
(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11−ジヒド
ロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを19.3g
(収率:96%)得た。
【0039】IR(KBr)cm−1:3352,17
12,1535,1495,1394,1345,10
74,752,718.1 H−NMR(DMSO−d6)ppm:3.78〜
4.41(2H,d),3.95〜4.15(2H,
m),4.78(1H、s),5.97〜7.27(8
H,m),8.11〜8.63(3H,m). 元素分析値: 計算値:C:69.17;H:4.29;N:10.52 実測値:C:69.21;H:4.31;N:10.55.
12,1535,1495,1394,1345,10
74,752,718.1 H−NMR(DMSO−d6)ppm:3.78〜
4.41(2H,d),3.95〜4.15(2H,
m),4.78(1H、s),5.97〜7.27(8
H,m),8.11〜8.63(3H,m). 元素分析値: 計算値:C:69.17;H:4.29;N:10.52 実測値:C:69.21;H:4.31;N:10.55.
【0040】実施例3:6−(4−ニトロフタルイミド
メチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンの製造 50mLの反応容器に、酢酸20mLおよび上記の実施
例1で得た6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピン4.0gを加え、さら
に窒素ガス雰囲気下にアセトキシ水素化ホウ素ナトリウ
ム2.2gを加え、約2時間攪拌した。反応液に水10
mLを加え、析出した結晶を濾取し、水8mLおよびイ
ソプロパノール4mLで結晶を洗浄後、乾燥を行い、赤
褐色結晶として6−(4−ニトロフタルイミドメチル)
−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンを3.7g(収率:92%)得た。本品の機器分析
データは、実施例2で得たものと完全に一致した。
メチル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンの製造 50mLの反応容器に、酢酸20mLおよび上記の実施
例1で得た6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピン4.0gを加え、さら
に窒素ガス雰囲気下にアセトキシ水素化ホウ素ナトリウ
ム2.2gを加え、約2時間攪拌した。反応液に水10
mLを加え、析出した結晶を濾取し、水8mLおよびイ
ソプロパノール4mLで結晶を洗浄後、乾燥を行い、赤
褐色結晶として6−(4−ニトロフタルイミドメチル)
−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンを3.7g(収率:92%)得た。本品の機器分析
データは、実施例2で得たものと完全に一致した。
【0041】実施例4:6−アミノメチル−6,11−
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造 300mLに反応容器にエチレングリコール80mL、
上記の実施例2で得た6−(4−ニトロフタルイミドメ
チル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピン10.0g、およびヒドラジンヒドラート
2.5gを加え、約110℃にて2時間加熱した。反応
終了後、反応液を冷却し、0.5N水酸化ナトリウム水
溶液80mLを加え、塩化メチレン40mLにて2回抽
出した。抽出液を合せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥を
行い、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をメタノー
ル50mLに溶解し、フマル酸3.2gを加えると直ち
に結晶が析出する。冷却後、結晶を濾取し、メタノール
10mLにて洗浄し、乾燥を行い、乳白色結晶として6
−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンのフマル酸塩を7.7g(収率:9
0%)得た。
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造 300mLに反応容器にエチレングリコール80mL、
上記の実施例2で得た6−(4−ニトロフタルイミドメ
チル)−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピン10.0g、およびヒドラジンヒドラート
2.5gを加え、約110℃にて2時間加熱した。反応
終了後、反応液を冷却し、0.5N水酸化ナトリウム水
溶液80mLを加え、塩化メチレン40mLにて2回抽
出した。抽出液を合せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥を
行い、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をメタノー
ル50mLに溶解し、フマル酸3.2gを加えると直ち
に結晶が析出する。冷却後、結晶を濾取し、メタノール
10mLにて洗浄し、乾燥を行い、乳白色結晶として6
−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンのフマル酸塩を7.7g(収率:9
0%)得た。
【0042】融点:190〜192℃
IR(KBr)cm−1:3378,3022,170
2,1603,1498,1357,1287,117
1,976,749,640.1 H−NMR(DMSO−d6)ppm:3.26〜
3.42(2H,d),3.78〜4.33(2H,
d),5.04〜5.09(1H,m),6.40〜
7.28(8H,m),6.49(2H,s). 元素分析値: 計算値:C:67.05;H:5.92;N:8.23 実測値:C:67.11;H:5.90;N:8.18.
2,1603,1498,1357,1287,117
1,976,749,640.1 H−NMR(DMSO−d6)ppm:3.26〜
3.42(2H,d),3.78〜4.33(2H,
d),5.04〜5.09(1H,m),6.40〜
7.28(8H,m),6.49(2H,s). 元素分析値: 計算値:C:67.05;H:5.92;N:8.23 実測値:C:67.11;H:5.90;N:8.18.
【0043】実施例5:6−アミノメチル−6,11−
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造 300mLに反応容器にメタノール16mL、上記の実
施例2で得た6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−
6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピ
ン1.6g、およびヒドラジンヒドラート0.4gを加
え、室温下に一夜攪拌した。反応終了後、減圧下にメタ
ノールを留去し、残留物に水20mLおよび0.5N水
酸化ナトリウム水溶液20mLを加え、塩化メチレン4
0mLにて2回抽出した。抽出液を合せ、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥を行い、溶媒を減圧留去した。得られた
油状物をメタノール10mLに溶解し、フマル酸0.5
gを加えると直ちに結晶が析出する。冷却後、結晶を濾
取し、メタノール5mLにて洗浄し、乾燥を行い、乳白
色結晶として6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−
5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンのフマル酸塩を1.
2g(収率:90%)得た。このものの機器分析データ
は、実施例4で得られたものと完全に一致した。
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造 300mLに反応容器にメタノール16mL、上記の実
施例2で得た6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−
6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピ
ン1.6g、およびヒドラジンヒドラート0.4gを加
え、室温下に一夜攪拌した。反応終了後、減圧下にメタ
ノールを留去し、残留物に水20mLおよび0.5N水
酸化ナトリウム水溶液20mLを加え、塩化メチレン4
0mLにて2回抽出した。抽出液を合せ、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥を行い、溶媒を減圧留去した。得られた
油状物をメタノール10mLに溶解し、フマル酸0.5
gを加えると直ちに結晶が析出する。冷却後、結晶を濾
取し、メタノール5mLにて洗浄し、乾燥を行い、乳白
色結晶として6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−
5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンのフマル酸塩を1.
2g(収率:90%)得た。このものの機器分析データ
は、実施例4で得られたものと完全に一致した。
【0044】参考例:3−アミノ−9,13B−ジヒド
ロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]
アゼピン・塩酸塩(塩酸エピナスチン)の製造 15.9gの臭化シアンを含む125mLのテトラヒド
ロフラン溶液を5℃以下まで冷却し、この溶液に、実施
例4で得た6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピン33.6gの遊離塩基
を含むエタノール溶液を攪拌しながら滴下した。滴下終
了後、反応液を室温まで加温して、室温下に一夜攪拌を
行った。反応終了後、反応液に500mLのエーテルを
添加し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を水に
溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を加え、析出した結
晶を濾取した。得られた結晶を再び薄めた塩酸に加温し
て溶解させた後、水冷し、析出した結晶を濾取し、減圧
乾燥を行い、30.0g(収率:70.0%)の3−ア
ミノ−9,13B−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,
f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン・塩酸塩(塩酸エ
ピナスチン)を得た。本品の機器分析データは、標品の
塩酸エピナスチンと完全に一致した。
ロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]
アゼピン・塩酸塩(塩酸エピナスチン)の製造 15.9gの臭化シアンを含む125mLのテトラヒド
ロフラン溶液を5℃以下まで冷却し、この溶液に、実施
例4で得た6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピン33.6gの遊離塩基
を含むエタノール溶液を攪拌しながら滴下した。滴下終
了後、反応液を室温まで加温して、室温下に一夜攪拌を
行った。反応終了後、反応液に500mLのエーテルを
添加し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を水に
溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を加え、析出した結
晶を濾取した。得られた結晶を再び薄めた塩酸に加温し
て溶解させた後、水冷し、析出した結晶を濾取し、減圧
乾燥を行い、30.0g(収率:70.0%)の3−ア
ミノ−9,13B−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,
f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン・塩酸塩(塩酸エ
ピナスチン)を得た。本品の機器分析データは、標品の
塩酸エピナスチンと完全に一致した。
【0045】
【発明の効果】以上記載のように、本発明は、極めて簡
便で、かつ安全な、式(I)で示される6−アミノメチ
ル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンの製造方法を提供するものであり、かくして提供
される式(I)の化合物は、臭化シアンによる環化反応
で、医療上極めて有用な抗アレルギー剤である塩酸エピ
ナスチンに変換される。
便で、かつ安全な、式(I)で示される6−アミノメチ
ル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンの製造方法を提供するものであり、かくして提供
される式(I)の化合物は、臭化シアンによる環化反応
で、医療上極めて有用な抗アレルギー剤である塩酸エピ
ナスチンに変換される。
【0046】これまでかかる式(I)で示される化合物
は、工業的に問題となるシアン化ナトリウム、水素化リ
チウムアルミニウムを使用して製造されていたが、本発
明はかかる危険な試薬を一切使用することなく、工業的
に安全な製造方法を提供するものである。これらの利点
は、本発明において使用する4−ニトロフタルイミド基
を使用することにより得られる利点であり、かかる4−
ニトロフタルイミド基を使用することにより、また、操
作も簡便であり、高収率で目的をする式(I)で示され
る6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベ
ンゾ[b,e]アゼピンの製造方法であることより、そ
の医療上の有用性は多大なものである。
は、工業的に問題となるシアン化ナトリウム、水素化リ
チウムアルミニウムを使用して製造されていたが、本発
明はかかる危険な試薬を一切使用することなく、工業的
に安全な製造方法を提供するものである。これらの利点
は、本発明において使用する4−ニトロフタルイミド基
を使用することにより得られる利点であり、かかる4−
ニトロフタルイミド基を使用することにより、また、操
作も簡便であり、高収率で目的をする式(I)で示され
る6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベ
ンゾ[b,e]アゼピンの製造方法であることより、そ
の医療上の有用性は多大なものである。
【0047】さらに、本発明方法により、式(I)で示
される6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−
ジベンゾ[b,e]アゼピンの合成中間体として新規
な、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンである化合物、ならびに6−
(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11−ジヒド
ロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンである化合物が
提供される。これら化合物は、各種溶媒に対する溶解性
が大きいことより、工業的な製造方法において、極めて
操作をし易いものであり、その利点は多大なものであ
る。
される6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−
ジベンゾ[b,e]アゼピンの合成中間体として新規
な、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンである化合物、ならびに6−
(4−ニトロフタルイミドメチル)−6,11−ジヒド
ロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンである化合物が
提供される。これら化合物は、各種溶媒に対する溶解性
が大きいことより、工業的な製造方法において、極めて
操作をし易いものであり、その利点は多大なものであ
る。
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フロントページの続き
(72)発明者 前川 茂治
富山県富山市布瀬本町10−1 シャルマン
布瀬303号
Fターム(参考) 4C034 DS01
4C063 AA01 BB03 CC19 DD07 EE05
4H039 CA19 CA42 CB30 CD10
Claims (6)
- 【請求項1】 6−クロロメチル−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンに4−ニトロフタルイミドを反応さ
せ、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導した後、得られた化合
物を水素化ホウ素ナトリウム、またはトリアセトキシ水
素化ホウ素ナトリウムにより還元を行い、6−(4−ニ
トロフタルイミドメチル)−6,11−ジヒドロ−5H
−ジベンゾ[b,e]アゼピンとし、次いで該生成物を
ヒドラジン分解させることを特徴とする6−アミノメチ
ル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンの製造方法。 - 【請求項2】 6−クロロメチル−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンに4−ニトロフタルイミドを反応さ
せ、6−(4−ニトロフタルイミドメチル)−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導する反応を、不活性溶
媒中、アルカリ金属炭酸化物およびアルカリ金属ハロゲ
ン化物の存在下で行う請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 6−(4−ニトロフタルイミドメチル)
−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの水素化ホウ素ナ
トリウム、またはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウ
ムによる還元を、酸性条件下で行う請求項1に記載の製
造方法。 - 【請求項4】 酸性条件が、ギ酸、酢酸またはプロピオ
ン酸溶媒の存在下で行うものである請求項3に記載の製
造方法。 - 【請求項5】 6−(4−ニトロフタルイミドメチル)
−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンである化合物。 - 【請求項6】 6−(4−ニトロフタルイミドメチル)
−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンである化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002133606A JP2003321454A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | 6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002133606A JP2003321454A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | 6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003321454A true JP2003321454A (ja) | 2003-11-11 |
Family
ID=29544794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002133606A Pending JP2003321454A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | 6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003321454A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103509025A (zh) * | 2012-06-29 | 2014-01-15 | 重庆药友制药有限责任公司 | 一种盐酸依匹斯汀及其中间体的制备方法 |
WO2021025442A1 (ko) * | 2019-08-06 | 2021-02-11 | 한양대학교 에리카산학협력단 | 에피나스틴의 신규 제조방법 |
-
2002
- 2002-05-09 JP JP2002133606A patent/JP2003321454A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103509025A (zh) * | 2012-06-29 | 2014-01-15 | 重庆药友制药有限责任公司 | 一种盐酸依匹斯汀及其中间体的制备方法 |
WO2021025442A1 (ko) * | 2019-08-06 | 2021-02-11 | 한양대학교 에리카산학협력단 | 에피나스틴의 신규 제조방법 |
CN114206873A (zh) * | 2019-08-06 | 2022-03-18 | 汉阳大学校Erica产学协力团 | 一种依匹斯汀的新型制备方法 |
CN114206873B (zh) * | 2019-08-06 | 2024-03-08 | 汉阳大学校Erica产学协力团 | 一种依匹斯汀的制备方法 |
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