JP2002308851A - 6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法 - Google Patents

6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法

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JP2002308851A
JP2002308851A JP2001114825A JP2001114825A JP2002308851A JP 2002308851 A JP2002308851 A JP 2002308851A JP 2001114825 A JP2001114825 A JP 2001114825A JP 2001114825 A JP2001114825 A JP 2001114825A JP 2002308851 A JP2002308851 A JP 2002308851A
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azepine
dibenzo
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aminomethyl
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JP2001114825A
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Hiroshi Kawahara
博 川原
Masahiko Mori
雅彦 毛利
Yasuo Hirai
康夫 平井
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Daito KK
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Daito KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗アレルギー剤として有用な、塩酸エピナス
チンを工業的に製造する際の重要な中間体である、6−
アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,e]ア
ゼピンについて、簡便で、安全な工業的な製造方法を提
供すること。 【解決手段】 6−クロロメチル−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンにコハク酸イミドを反応させ、6−
スクシンイミドメチル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンへ誘導した後、得られた該化合物を水素化し、6−
スクシンイミドメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンとし、次いで該生成物よりス
クシンイミド基をヒドラジン分解させることを特徴とす
る6−アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品の合成中間
化合物として重要な、6−アミノメチル−6,11−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法に係り、詳
細には、工業的な規模で簡便な反応手段により、目的と
する6−アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンを収率よく製造し得る方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】下記式(I)で示される6−アミノメチ
ル−6,11−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンは、
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹・湿疹等のアレ
ルギー性疾患治療薬として臨床的に広く使用されている
式(A)で示される塩酸エピナスチン(化学名:3−ア
ミノ−9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c、
f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン・塩酸塩)の重要
な中間体であり、塩酸エピナスチンは、式(I)の化合
物にブロムシアンを反応させる、環化反応、次いで塩酸
塩への造塩により製造されている(特公平3−6631
1号)。
【0003】
【化1】
【0004】したがって、6−アミノメチル−6,11
−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I)は、塩酸エ
ピナスチンの製造において極めて重要な中間体である
が、これまでに提案されている当該化合物の製造方法
は、工業的な製造方法として、必ずしも満足し得るもの
ではなかった。例えば、特公平3−66311号公報に
記載される6−アミノメチル−6,11−5H−ジベン
ゾ[b,e]アゼピンの製造方法にあっては、6−クロ
ロ−11H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを、ジメチル
スルホキシド中シアン化ナトリウムと処理して6−シア
ノ−11H−ジベンゾ[b,e]アゼピンとした後、水
素化リチウムアルミニウムにより還元することにより製
造している。
【0005】この製造方法における反応は、低収率であ
り、かつ、工業的には危険を伴うシアン化ナトリウムを
大量に使用しなければならないこと、さらに、シアノ基
の還元において工業的な還元手段としては不向きな、水
素化アルミニウムリチウム(LiAlH)を使用しな
ければならの等の問題点があった。また、このような特
殊な化合物を使用することは、取りも直さず工場施設に
特殊な環境を必要とするものであり、工業的な製造方法
として非経済的なものである。
【0006】したがって、本発明目的化合物(I)であ
る6−アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンは、医療上極めて有用な抗アレルギー剤:
塩酸エピナスチンの重要な合成中間体であり、その簡易
な工業的製造方法の開発が望まれていた。
【0007】かかる製造方法の一つとして特開平4−3
46988号には、6−フタルイミドメチル−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピンを水素化し、該生成物をヒド
ラジン次いでブロモシアノーゲンと反応させ、生成した
塩基を塩酸塩とすることを特徴とする塩酸エピナスチン
の製造方法が開示されている。該製造方法により行われ
る式(I)で示される6−アミノメチル−6,11−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造は、上記したシ
アン化ナトリウム等の使用を回避したものであり、塩酸
エピナスチンの工業的製造方法として優れたものであ
る。しかしながら、フタルイミド誘導体が各種溶媒に溶
けにくいので、次工程の反応仕込み作業がしずらい、更
にジヒドロ体での精製が難しい等の傾向があり、より簡
便な6−アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンの工業的製造方法の開発が要求され
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、エピナスチンを工業的に製造する際の重要な中間体
である、6−アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンについて、簡便で、安全な工業的な
製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明者らは鋭意検討した結果、フタルイミドに代
えて、コハク酸イミドを使用し製造を行ったところ、極
めて簡便な操作方法で、収率よく、工業的に目的とする
6−アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンを製造することができることを見出し、本
発明を完成させるに至った。
【0010】したがって、本発明は、式(II)で示さ
れる6−クロロメチル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンにコハク酸イミドを反応させ、6−スクシンイミド
メチル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(III)
へ誘導した後、得られた該化合物(III)を水素化
し、6−スクシンイミドメチル−6,11−ジヒドロ−
5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(IV)とし、次い
で該生成物(IV)よりスクシンイミド基をヒドラジン
分解させることを特徴とする6−アミノメチル−6,1
1−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I)の製造方
法である。
【0011】そのなかでも、本発明は、6−クロロメチ
ル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(II)にコハ
ク酸イミドを反応させ、6−スクシンイミドメチル−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(III)へ誘導する
反応を、不活性溶媒中、アルカリ金属炭酸化物およびア
ルカリ金属ハロゲン化物の存在下行う、上記した6−ア
ミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンの製造方法でもある。
【0012】また本発明は、6−スクシンイミドメチル
−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(III)を6−
スクシンイミドメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジ
ベンゾ[b,e]アゼピン(IV)へ誘導する水素化反
応を、ジメチルホルムアミド中、ギ酸の存在下、パラジ
ウム−炭素触媒により常圧下に水素添加して行う、上記
した6−アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンの製造方法でもある。
【0013】さらにまた本発明は、6−スクシンイミド
メチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピン(IV)よりスクシンイミド基をヒドラジ
ン分解させ、目的とする式(I)で示される6−アミノ
メチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン
へ誘導する反応を、アルカリ水溶液中、抱水ヒドラジン
により行う、上記した6−アミノメチル−6,11−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造方法である。
【0014】本発明が提供する6−アミノメチル−6,
11−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(I)の製造
方法においては、上記した方法の少なくとも一つ、また
はその全てを使用することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を、さらに詳細に説
明する。本発明の製造方法を、具体的化学反応式で示せ
ば以下のようにまとめられる。
【0016】
【化2】
【0017】すなわち本発明の第一工程は、式(II)
で示される6−クロロメチル−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンにコハク酸イミドを反応させ、式(II
I)で示される6−スクシンイミドメチル−5H−ジベ
ンゾ[b,e]アゼピンへ誘導する反応である。
【0018】当該反応は、好ましくは、不活性溶媒中、
アルカリ金属炭酸化物およびアルカリ金属ハロゲン化物
の存在下、使用した不活性溶媒の還流温度付近に加熱す
ることにより、効率良く実施することができる。ここで
使用する不活性溶媒とは、当該反応に影響を与えない不
活性溶媒であればいずれも使用することができ、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、
アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶
媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、is
o−プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素系溶媒を使用することがで
き、なかでもアセトニトリルを使用するのが特に好まし
い。
【0019】本反応において使用するアルカリ金属炭酸
化物としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等をあげ
ることができ、また、アルカリ金属ハロゲン化物として
は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等を好ましく使
用することができる。なかでもアルカリ金属炭酸化物と
して炭酸カリウムを使用し、アルカリ金属ハロゲン化物
としてヨウ化カリウムを使用するのが特に好ましい。反
応は、用いる溶媒の沸点近くの温度に加熱し、還流させ
ることにより実施でき、ほぼ定量的に、目的とする式
(III)で示される6−スクシンイミドメチル−5H
−ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導することができ
る。
【0020】次いで、本発明の第二工程は、上記で得ら
れた式(III)で示される6−スクシンイミドメチル
−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの二重結合を還元
し、式(IV)で示される6−スクシンイミドメチル−
6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピ
ンへ誘導する水素化反応工程である。本水素化反応は、
好ましくは、工業的に汎用性のあるパラジウム−炭素に
よる接触還元が用いられる。この場合、使用するパラジ
ウム−炭素触媒の活性を高めるために、ギ酸、酢酸等の
有機酸を添加するのが好ましく、なかでも特にギ酸を添
加するのが好ましい。当該接触還元は溶媒の存在下に行
われ、そのような溶媒としては、反応に直接の影響を与
えないものであれば、どのような溶媒でも使用すること
ができる。かかる溶媒としては、水、酢酸、アルコール
系溶媒、エーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド系のアミド系溶媒、あるいはこれらの
混合溶媒を使用することができる。
【0021】当該水素化反応の反応時間、反応温度は、
用いる溶媒等により異なり、特に限定されるものではな
いが、本発明者らの検討によれば、特に溶媒としてジメ
チルホルムアミドを使用し、反応温度を70〜90℃程
度に加熱することにより、常圧下での接触還元が可能で
あることを見いだした。この反応条件は、特に工業的な
製造方法としては、特殊な反応容器、反応設備等を必要
とするものでない点で、特に優れたものであるといえ
る。
【0022】当該水素化反応の後処理としては、反応溶
液より使用した触媒を濾別した後、反応液に水を注入す
ることにより、目的とする式(IV)で示される6−ス
クシンイミドメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベ
ンゾ[b,e]アゼピンを結晶として、高収率で単離し
得ることが判明した。したがって、溶媒の濃縮、抽出等
の煩雑な操作を必要としない点でも、本発明方法はまた
優れたものであるといえる。
【0023】以上のようにして得られた式(IV)で示
される6−スクシンイミドメチル−6,11−ジヒドロ
−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンは、そのスクシン
イミド基をアミノ基に誘導する第三工程により、本発明
の目的化合物である式(I)で示される6−アミノメチ
ル−6,11−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンへ変
換される。
【0024】本第三工程は、有機化学上一般的に使用さ
れているヒドラジン分解法により実施することができ
る。具体的には、式(IV)で示される6−スクシンイ
ミドメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンを、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール等のグリコール系高沸点溶媒中、抱水ヒド
ラジンと20〜35%程度の水酸化ナトリウム水溶液あ
るいは水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液との混合
液と処理することにより実施することができる。
【0025】当該ヒドラジン分解反応の反応温度、反応
時間は特に限定されないが、例えば、反応溶媒としてエ
チレングリコールを使用し、アルカリ溶媒として水酸化
ナトリウム水溶液を使用した場合には、反応温度として
100〜150℃程度で加熱処理することにより実施す
ることができる。
【0026】反応終了後の処理としては、抽出、転溶、
溶媒留去、造塩等、有機化学上一般的に汎用させる精製
手段を用いて、目的とする式(I)で示される6−アミ
ノメチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピ
ンを、高収率で得ることができる。以上のようにして製
造される本発明の目的化合物である式(I)で示される
6−アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピンは、遊離塩基として結晶化することが困難
であることより、通常の造塩操作を用いてフマル酸塩と
して収率よく単離生成することができる。
【0027】なお、本発明の製造方法において使用され
る出発化合物である式(II)で示される6−クロロメ
チル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンは、例えば、
J.Med.Chem.,13:35−39(197
0)に記載されている方法で、簡便に製造することがで
きる。
【0028】本発明は、抗アレルギー剤として有用な塩
酸エピナスチンを製造する場合の重要な合成中間体であ
る式(I)で示される6−アミノメチル−6,11−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの、工業的に応用し得
る、安全で、簡便な操作による製造方法を提供するもの
であり、かくして製造された式(I)で示される6−ア
ミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
ピンは、次いでブロムシアンと反応させて環化反応を行
うことにより、エピナスチンに誘導することができる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例ならびに参考例によ
り、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
にのみに限定されるものではなく、その目的に照らし、
種々の変更も、また本発明の技術的範囲内に包含される
べきものである。
【0030】実施例1:6−スクシンイミドメチル−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造 アセトニトリル300mLに6−クロロメチル−5H−
ジベンゾ[b,e]アゼピン30.0g(0.124m
ol)、コハク酸イミド12.3g(0.124mo
l)、無水炭酸カリウム20.7g(0.150mo
l)およびヨウ化カリウム1.0g(0.006mo
l)を加え、約4時間加熱還流を行った。反応終了後、
反応液を冷却し、不溶物を濾過し、濾液を減圧濃縮し
た。濃縮物をトルエン150mLに溶解させ、水60m
Lで2回洗浄をした後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、6−スクシンイミドメチル−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピンを37.8g(収率:
定量的)得た。
【0031】IR(KBr)cm−1:3463,17
05,1624,1422,1399,1332,12
54,1174,763. H−NMR(CDCl)ppm:2.78(4H,
s),3.59(2H、s),4.89(2H,s),
7.06〜7.52(8H,m).
【0032】実施例2:6−スクシンイミドメチル−
6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピ
ンの製造 ジメチルホルミアミド150mLに、上記の実施例1で
得た6−スクシンイミドメチル−5H−ジベンゾ[b,
e]アゼピン30.0g(0.099mol)、ギ酸
3.0gおよび5%パラジウム−炭素3.0gを加え、
75〜80℃に加熱して、常圧下にて接触還元を行っ
た。水素の吸収が停止した後、反応液を冷却し、触媒を
濾別した。触媒をジメチルホルムアミド30mLで洗浄
し、合せた濾液と洗浄液に水300mLを加えると結晶
が析出した。析出した結晶を濾取し、水180mLで洗
浄後80℃にて乾燥を行い、目的とする6−スクシンイ
ミドメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピン27.2g(収率:90%)を、融
点155〜158℃の結晶として得た。
【0033】IR(KBr)cm−1:3384,17
01,1604,1494,1427,1401,13
19,1164,759. H−NMR(CDCl)ppm:2.74(4H,
s),3.80,4.49(2H,d),4.14(2
H、t),4.23(1H,s),5.14(1H,
t),6.41〜7.25(8H,m).
【0034】実施例3:6−アミノメチル−6,11−
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製造 エチレングリコール160mLに、上記の実施例2で得
た6−スクシンイミドメチル−6,11−ジヒドロ−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピン20.0g(0.06
5mol)、抱水ヒドラジン6.5g(0.130mo
l)および28%水酸化ナトリウム水溶液18.6g
(0.130mol)を加え、130℃にて24時間加
熱した。反応終了後、反応液を冷却し、水80mLを加
え、クロロホルム80mLにて3回抽出した。抽出液を
合せ、飽和食塩水80mLで洗浄した後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥を行った。溶媒を減圧留去し、得られた
油状物をメタノール80mLに溶解し、フマル酸7.6
g(0.065mol)を加えると直ちに結晶が析出す
る。冷却後、結晶を濾取し、メタノール20mLにて洗
浄し、60℃にて乾燥を行い、6−アミノメチル−6,
11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの
フマル酸塩を20.0g(収率:90%)結晶として得
た。本品の機器分析データは、Arzneim−For
sch/Drug Res.,40(1):440−4
46(1990)に記載の標品の機器分析データと完全
に一致した。
【0035】参考例:3−アミノ−9,13B−ジヒド
ロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]
アゼピン・塩酸塩(塩酸エピナスチン)の製造 15.9gの臭化シアンを含む125mLのテトラヒド
ロフラン溶液を5℃以下まで冷却し、この溶液に、実施
例3で得た6−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5
H−ジベンゾ[b,e]アゼピン33.6gの遊離塩基
を含むエタノール溶液を攪拌しながら滴下した。滴下終
了後、反応液を室温まで加温して、室温下に一夜攪拌を
行った。反応終了後、反応液に500mLのエーテルを
添加し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を水に
溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を加え、析出した結
晶を濾取した。得られた結晶を再び薄めた塩酸に加温し
て溶解させた後、水冷し、析出した結晶を濾取し、減圧
乾燥を行い、30.0g(収率:70.0%)の3−ア
ミノ−9,13B−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,
f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン・塩酸塩(塩酸エ
ピナスチン)を得た。本品の機器分析データは、標品の
塩酸エピナスチンと完全に一致した。
【0036】
【発明の効果】以上記載のように、本発明は、極めて簡
便で、かつ安全な、式(I)で示される6−アミノメチ
ル−6,11−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンの製
造方法を提供するものであり、かくして提供される式
(I)の化合物は、臭化シアンによる環化反応で、医療
上極めて有用な抗アレルギー剤である塩酸エピナスチン
に変換される。
【0037】これまでかかる式(I)で示される化合物
は、工業的に問題となるシアン化ナトリウム、水素化リ
チウムアルミニウムを使用して製造されていたが、本発
明はかかる危険な試薬を一切使用することなく、工業的
に安全な製造方法を提供するものであり、また、操作も
簡便であり、高収率で目的をする式(I)で示される6
−アミノメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[b,e]アゼピンの製造方法であることより、その医
療上の有用性は多大なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 康夫 富山県富山市八日町326番地 ダイト株式 会社研究所内 Fターム(参考) 4C034 DS01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6−クロロメチル−5H−ジベンゾ
    [b,e]アゼピンにコハク酸イミドを反応させ、6−
    スクシンイミドメチル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
    ピンへ誘導した後、得られた該化合物を水素化し、6−
    スクシンイミドメチル−6,11−ジヒドロ−5H−ジ
    ベンゾ[b,e]アゼピンとし、次いで該生成物よりス
    クシンイミド基をヒドラジン分解させることを特徴とす
    る6−アミノメチル−6,11−5H−ジベンゾ[b,
    e]アゼピンの製造方法。
  2. 【請求項2】 6−クロロメチル−5H−ジベンゾ
    [b,e]アゼピンにコハク酸イミドを反応させ、6−
    スクシンイミドメチル−5H−ジベンゾ[b,e]アゼ
    ピンへ誘導する反応を、不活性溶媒中、アルカリ金属炭
    酸化物およびアルカリ金属ハロゲン化物の存在下行う請
    求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 6−スクシンイミドメチル−5H−ジベ
    ンゾ[b,e]アゼピンを6−スクシンイミドメチル−
    6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピ
    ンへ誘導する水素化反応を、ジメチルホルムアミド中、
    ギ酸の存在下、パラジウム−炭素触媒により常圧下に水
    素添加して行う、請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 6−スクシンイミドメチル−6,11−
    ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンよりスク
    シンイミド基をヒドラジン分解させ、6−アミノメチル
    −6,11−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピンへ誘導
    する反応を、グリコール系高沸点溶媒−アルカリ水溶液
    の混合溶媒中、抱水ヒドラジンにより行う、請求項1に
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかに記載の方
    法の少なくとも一つまたはその全てを使用する、請求項
    1に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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