JP2003321439A - ジヒドロキシジフェニルスルホンモノエーテル類の製造方法 - Google Patents
ジヒドロキシジフェニルスルホンモノエーテル類の製造方法Info
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Abstract
を収率良く得るための新規な製造方法を提供する。 【解決手段】一般式(1)で表わされる化合物と一般式
(2)で表されるアルコールとをアルカリの存在下、有
機溶媒中で反応させる一般式(3)で表される化合物の
製造方法。 【化1】 (式中、Xは塩素原子または臭素原子を示す。) 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐していて
もよいアルキル基を示す。) 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐していて
もよいアルキル基を示す。)
Description
ェニルスルホンモノエーテル類の新規な製造方法に関す
る。より詳しくは、感熱紙用顕色剤として有用な化合物
である4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ−ジフェ
ニルスルホンなどのジヒドロキシジフェニルスルホンモ
ノエーテル類の新規な製造方法に関する。
ーテル類の製造法としては、例えば、4,4´−ジヒド
ロキシジフェニルスルホンとハロゲン化アルキル等のハ
ロゲン化物をジメチルホルムアミドまたはアルコール等
の極性溶媒を使用してアルカリ存在下で反応させる方法
が知られている(特開昭58−20493号公報、特開
昭58−82788号公報、特開昭60−13852号
公報、特開昭60−56949号公報等)。
ロキシジフェニルスルホンジエーテル誘導体が副生し易
く、4−ヒドロキシ−4’−アルコキシ−ジフェニルス
ルホンの収率が低いという問題がある。4,4´−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホンと臭化イソプロピルを1.
5〜3倍モル量のアルカリ及び0.3〜1.5倍重量の
水溶媒中で反応させる方法(特開平4−210955号
公報)、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホンと
臭化イソプロピルを反応させる際、水、トルエンの混合
溶媒中でpH=7.5〜9.5に保持しながら行なう方
法(特開平5−255234号公報)が提案されている
が、これらの方法においても4,4´−ジヒドロキシジ
フェニルスルホンジエーテルが副生し、4,4´−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホンモノエーテルの収率も満足
のいくものとは言えない。
技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわ
ち、本発明の課題は、ジヒドロキシフェニルスルホンモ
ノエーテル類を収率良く得るための新規な製造方法を提
供することである。
を解決するために鋭意検討した結果、一般式(1)で表
わされる化合物のアルカリ金属塩と一般式(2)で表さ
れるアルコールとをアルカリの存在下で反応させること
により、一般式(3)で表わされる化合物が収率良く得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
で表わされる化合物と一般式(2)で表されるアルコー
ルとをアルカリの存在下、有機溶媒中で反応させること
を特徴とする一般式(3)で表される化合物の製造方法
であり、
もよいアルキル基を示す。)
もよいアルキル基を示す。) [2]前記[1]記載の一般式(3)で表される化合物
の製造方法において、一般式(1)で表わされる化合物
を有機溶媒中でアルカリと反応させ、次いで、アルカリ
の存在下、一般式(2)で表されるアルコールを反応さ
せる方法であり、[3]一般式(1)で表わされる化合
物を有機溶媒中でアルカリと反応させ、得られる反応混
合物中の水分濃度を3000ppm以下とし、次いで、
アルカリの存在下で一般式(2)で表されるアルコール
を反応させる一般式(3)で表される化合物の製造方法
であり、[4]有機溶媒として、非プロトン性極性溶媒
及び水と共沸混合物を形成する有機溶媒を併用する前記
[1]1〜前記[3]のいずれかに記載の一般式(3)
で表される化合物の製造方法であり、[5]アルカリが
アルカリ金属の水酸化物である前記[1]〜前記[4]
のいずれかに記載の一般式(3)で表される化合物の製
造方法であり、[6]一般式(2)で表わされるアルコ
ールが2−プロパノールである前記[1]〜前記[5]
のいずれかに記載の一般式(3)で表される化合物の製
造方法である。
で表わされる化合物とは、ジフェニルスルホンの一方の
芳香環の炭素原子の任意の位置に水酸基(−OH)が結
合し、もう一方の芳香環の炭素原子の任意の位置に塩素
原子または臭素原子が結合している化合物を意味する。
なる方法で合成されたものでも用いることができる。例
えば、ジフェニルカーボネートとモノクロルベンゼンス
ルホニルクロライドをルイス酸の存在下で縮合させた
後、加水分解することにより合成することができる(特
開昭47−2921号公報)。
体的な化合物を例示するとすれば、例えば、4−ヒドロ
キシ−4´−クロロ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロ
キシ−2´−クロロ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロ
キシ−4´−クロロ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロ
キシ−2´−クロロ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロ
キシ−4´−ブロモ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロ
キシ−2´−ブロモ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロ
キシ−4´−ブロモ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロ
キシ−2´−ブロモ−ジフェニルスルホン等が挙げられ
る。
表わされるアルコールにおいて、Rは炭素数1から炭素
数4の直鎖状または分岐状のアルキル基から選択するこ
とができる。
れるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、
エチルアルコール、1−プロパノ−ル、イソプロパノー
ル(2−プロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノ
ール、2−メチル−2−プロパノール等が挙げられる。
般式(2)で表わされるアルコールの使用量は、一般式
(1)で表される化合物1当量に対して、1〜10当
量、好ましくは2〜5当量である。1当量以上用いるこ
とは目的物への転化率の点において好ましい。また、1
0当量以下用いることは使用量当たりの反応効率の点に
おいて好ましい。
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアル
カリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム等のアルカリ金属炭酸水素塩が挙げられる。なかでも
アルカリ金属の水酸化物は好ましく、水酸化カリウムは
特に好ましい。また、これらのアルカリは含水率の低い
ものが好ましく、含水率が5重量%以下のものが好まし
い。
れるアルコール1当量に対して、1〜10当量、好まし
くは2〜5当量である。1当量以上用いることは目的物
への転化率の点において好ましい。また、10当量以下
用いることは使用量当たりの反応効率の点において好ま
しい。
プロトン性極性溶媒、アルコール系溶媒、芳香族炭化水
素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
非プロトン性極性溶媒としては、例えば、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチルホスホロアミド、テトラメチル尿素、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等が挙
げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール等が挙げられる。芳香
族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ブ
チルベンゼン、キュメン、メシチレン等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、例えば、1,2−
ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,
2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロ
ベンゼン、p−ジクロロベンゼン等が挙げられる。なか
でも、非プロトン性極性溶媒は好ましい。
合して使用することができる。これらの有機溶媒を2種
以上混合して用いる場合、非プロトン性極性溶媒とその
他の有機溶媒を併用するのが好ましい。非プロトン性極
性溶媒と併用する有機溶媒としては、水と共沸混合物を
形成する有機溶媒が好ましく、なかでも芳香族炭化水素
系溶媒は好ましい。特に、ジメチルスルホキシドまたは
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとトルエンを
組合せるのが好ましい。
を形成する有機溶媒とを併用する場合、非プロトン性極
性溶媒はこれらの混合溶媒中で30〜90重量%となる
量を使用する。この範囲内で使用することで良好な攪拌
状態が得られる場合が多い。
れる化合物のアルカリ金属塩に対して、1〜200倍量
である。好ましくは3〜50倍量である。1倍量以上用
いると反応速度の点において好ましい。また、200倍
量以下用いると容積効率の点において好ましい。
(2)で表されるアルコールとをアルカリの存在下、有
機溶媒中で反応させることにより一般式(3)で表され
る化合物が得られる。
は80〜150℃の温度で行なうことができる。50℃
以上であると反応の進行の点で好ましい。また、200
℃以下であると目的物の収率の点で好ましい。
下、減圧下または加圧下で反応させても何ら問題はな
い。
ば、例えば、一般式(1)で表される化合物、一般式
(2)で表される化合物及びアルカリを有機溶媒と混合
して反応させる方法、一般式(1)で表わされる化合
物を有機溶媒中でアルカリと反応させ、次いで、アルカ
リの存在下で、一般式(2)で表されるアルコールを反
応させる方法などが挙げられる。
の方法を検討している過程で、一般式(1)で表わさ
れる化合物を有機溶媒中でアルカリと反応させて得られ
る反応混合物中の水分濃度が低いほど、一般式(2)で
表されるアルコールを反応させ得られる一般式(3)で
表される化合物の収率が向上する傾向があることを見出
した。
物とアルカリを有機溶媒中で反応させて得られる反応混
合物中に存在する水を除去し、次いで、アルカリの存在
下で一般式(2)で表されるアルコールと反応させるこ
とにより、水を除去しない前述のの方法に比べ、一般
式(3)で表される化合物の収率が向上することが判明
した。
媒中でアルカリと反応させて得られる反応混合物中の水
分濃度は3000ppm以下にすることが好ましい。1
000ppm以下にすることはより好ましく、500p
pmにすることはさらに好ましい。
リを反応させて得られる反応混合物中の水を除去する方
法としては、一般式(1)で表わされる化合物とアルカ
リとの反応に用いる溶媒として水と共沸混合物を形成す
る有機溶媒を用い、これらの混合物を加熱して、水及び
水と共沸混合物を形成する有機溶媒の共沸混合物を還流
させ、分離する水を反応系外に排出して有機溶媒を反応
系に戻す方法が好ましい。また、有機溶媒を反応系に戻
す際に、乾燥剤を用いて脱水した有機溶媒を戻すことも
できる。
媒中でアルカリと反応させる際のアルカリの使用量は、
一般式(1)で表わされる化合物1当量に対して0.8
〜1.5当量が好ましく、1〜1.2当量がより好まし
い。0.8当量以上用いることは反応速度の点において
好ましい。1.5当量以下で用いることは一般式(1)
で表わされる化合物の加水分解などの副反応を抑制する
点において好ましい。
使用量としては、既述した有機溶媒及びその使用量を用
いることができる。
して、水と共沸混合物を形成する有機溶媒を用いる方法
を採用する場合は、特に非プロトン性極性溶媒と水と共
沸混合物を形成する有機溶媒を併用することが好まし
い。非極性プロトン性溶媒と芳香族炭化水素系溶媒を併
用することはさらに好ましい。特に、ジメチルスルホキ
シドまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと
トルエンを併用するのが好ましい。
リと反応させた後の反応に用いる一般式(2)で表され
るアルコールの使用量は、既述の使用量を用いることが
できる。
させる際に用いるアルカリの使用量は、一般式(1)で
表わされる化合物をアルカリと反応させる際に使用した
アルカリの量を併せてその全使用量が10当量以下とな
る量を用いる。
される化合物及び一般式(2)で表されるアルコールを
用いて種々の一般式(3)で表わされる化合物が得られ
る。例えば、一般式(1)で表される化合物である4−
ヒドロキシ−4´−クロロ−ジフェニルスルホンと一般
式(2)で表されるアルコールであるイソプロパノール
からは、一般式(3)で表される化合物である4−ヒド
ロキシ−4’−イソプロポキシ−ジフェニルスルホンが
得られる。
るとすれば、例えば、4−ヒドロキシ−4´−メトキシ
−ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2´−メトキ
シ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−エト
キシ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2´−エ
トキシ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−
n−プロポキシ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ
−2´−n−プロポキシ−ジフェニルスルホン、4−ヒ
ドロキシ−4´−イソプロポキシ−ジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−2´−イソプロポキシ−ジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−n−ブトキシ−ジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2´−n−ブトキ
シ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソ
ブトキシ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−2´
−イソブトキシ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ
−4´−メトキシ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロキ
シ−2´−メトキシ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロ
キシ−4´−エトキシ−ジフェニルスルホン、2−ヒド
ロキシ−2´−エトキシ−ジフェニルスルホン、2−ヒ
ドロキシ−4´−n−プロポキシ−ジフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−2´−n−プロポキシ−ジフェニ
ルスルホン、2−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシ−
ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−2´−イソプロ
ポキシ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−4´−
n−ブトキシ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−
2´−n−ブトキシ−ジフェニルスルホン、2−ヒドロ
キシ−4´−イソブトキシ−ジフェニルスルホン、2−
ヒドロキシ−2´−イソブトキシ−ジフェニルスルホン
等が挙げられる。
反応で得られる最終反応混合物から公知の手段を用いて
分離回収することができる。例えば、最終反応混合物に
希塩酸を添加し、一般式(3)で表される化合物を有機
溶媒相に抽出し、有機溶媒相を乾燥後、乾燥剤を除去し
た有機溶媒相から有機溶媒を留去して、目的物を得るこ
とができる。最終反応混合物中に一般式(3)で表され
る化合物のアルカリ金属塩が析出している場合、固形分
を濾過して回収する。次いで、固形分を水に溶解し、希
塩酸等で中和すると通常、一般式(3)で表される化合
物の結晶が析出してくる。この結晶を濾過し、水洗後、
乾燥することにより一般式(3)で表される化合物の結
晶を得ることができる。
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例中の液体クロマトグラ
フィー(以下、HPLCと略記する。)分析及び水分分
析は次の条件及び装置を用いて行った。
H=5.5) 流速:0.9ml/min 波長:265nm 水分分析:カールフィッシャー水分計 製造例1 (4−ヒドロキシ−4´−クロロ−ジフェニ
ルスルホンの製造) ジフェニルカーボネート42.8(0.2モル)gと4
−クロロベンゼンスルホニルクロライド84.4g
(0.4モル)と無水塩化第鉄1.2gをニトロベンゼ
ン300.0gと共に仕込み、窒素雰囲気下、125℃
まで昇温し同温度で10時間攪拌し、その間に塩酸ガス
を放出させた。反応マスを50℃まで放冷したのちにイ
ソプロピルアルコール300.0gを装入して析出した
結晶を濾過、乾燥し白色粉末61.4gを得た。この白
色粉末を200.0gの水と93%NaOH29.6g
(0.68モル)の存在下に、90℃で4時間攪拌した
のちに冷却し、塩酸水による中和を行ないpH=5に調
整した。析出した結晶を濾過、乾燥して45.6gの白
色結晶を得た。この結晶を、HPLC分析したところ、
ほぼ純粋な4−ヒドロキシ−4´−クロロ−ジフェニル
スルホンであった。 (実施例1)攪拌機、温度計、ディーンスタックトラッ
プおよび冷却器を備えた300mlの4つ口フラスコ内
に製造例1で得られた4−ヒドロキシ−4´−クロロ−
ジフェニルスルホン26.9g(0.1モル)を、85
%水酸化カリウム23.1g(0.35モル)、イソプ
ロピルアルコール12.2g(0.2モル)、ジメチル
スルホキシド100.0gとトルエン20.0gの混合
溶媒と共に一括して仕込み、30℃で30分攪拌した。
次にこの混合物を120℃まで昇温し、同温度で12時
間加熱した。
をHPLC分析したところ、4−ヒドロキシ−4´−イ
ソプロポキシ−ジフェニルスルホンが85.1モル%の
収率で生成していた。また副生物である4,4´−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホンの生成量は12.9モル%
であった。 (実施例2)攪拌機、温度計、ディーンスタックトラッ
プおよび冷却器を備えた300mlの4つ口フラスコ内
に製造例1で得られた4−ヒドロキシ−4´−クロロ−
ジフェニルスルホン26.9g(0.1モル)を、85
%水酸化カリウム23.1g(0.35モル)、イソプ
ロピルアルコール12.2g(0.2モル)、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン120.0gと共に一
括して仕込み、30℃で30分攪拌した。次にこの混合
物を120℃まで昇温し、同温度で12時間加熱した。
をHPLC分析したところ、4−ヒドロキシ−4´−イ
ソプロポキシ−ジフェニルスルホンが85.7モル%の
収率で生成していた。また副生物である4,4´−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホンの生成量は14.0モル%
であった。 (実施例3)攪拌機、温度計、ディーンスタックトラッ
プおよび冷却器を備えた300mlの4つ口フラスコ内
に、製造例1で得られた4−ヒドロキシ−4´−クロロ
−ジフェニルスルホン26.9g(0.1モル)を、8
5%水酸化カリウム7.3g(0.11モル)、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン80.0gとトルエ
ン30.0gの混合溶媒と共に仕込み、130℃まで昇
温した。この間トルエンとともに留出してくる水はディ
ーンスタックトラップで分液して抜き出し、トルエンは
反応系内に循環させた。さらに130〜135℃で2時
間加熱した。この時点でほぼ水の留出が見られなくなっ
た。反応マスは白濁したスラリー状となっていた。反応
マスの一部を取り出し、固体を除去した溶液部分の水分
濃度を測定したところ2600ppmであった。
5.8g(0.24モル)、イソプロピルアルコール1
2.2g(0.2モル)を装入し125〜130℃の温
度で10時間加熱した。
をHPLC分析したところ、4−ヒドロキシ−4´−イ
ソプロポキシ−ジフェニルスルホンが85.6モル%の
収率で生成していた。また副生物である4,4´−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホンの生成量は12.5モル%
であった。 (実施例4)攪拌機、温度計、ディーンスタックトラッ
プおよび冷却器を備えた300mlの4つ口フラス4−
ヒドロキシ−4´−クロロ−ジフェニルスルホン26.
9g(0.1モル)を、85%水酸化カリウム7.3g
(0.11モル)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン80.0gとトルエン30.0gの混合溶媒と共
に仕込み、130℃まで昇温した。この間トルエンとと
もに留出してくる水はディーンスタックトラップで分液
して抜き出し、トルエンは反応系内に循環させた。さら
に130〜135℃で2時間加熱した。この時点でほぼ
水の留出が見られなくなった。反応マスは白濁したスラ
リー状となっていた。さらに2時間130〜135℃で
加熱し、反応マスの一部を取り出してその水分濃度を測
定したところ950ppmであった。
5.8g(0.24モル)、イソプロピルアルコール1
2.2g(0.2モル)を装入し125〜130℃で1
0時間加熱した。
をHPLC分析したところ、目的の4−ヒドロキシ−4
´−イソプロポキシ−ジフェニルスルホンが91.4モ
ル%の収率で生成していた。また副生物である4,4´
−ジヒドロキシジフェニルスルホンの生成量は8.0モ
ル%であった。 (実施例5)攪拌機、温度計、ディーンスタックトラッ
プおよび冷却器を備えた300mlの4つ口フラスコ内
に製造例1で得られた4−ヒドロキシ−4´−クロロ−
ジフェニルスルホン26.9g(0.1モル)を95%
水酸化カリウム6.5g(0.11モル)、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン80.0gとトルエン3
0.0gの混合溶媒と共に仕込み、130℃まで昇温し
た。この間トルエンとともに共沸して留出してくる水は
ディーンスタックトラップで分液した後抜き出し、トル
エンは反応系内に循環させた。130〜135℃で2時
間加熱還流した。この時点でほぼ水の留出が見られなく
なった。反応マスは白濁したスラリー状となっていた。
さらに4時間同温度で加熱還流させた後、系内の水分濃
度を測定したところ470ppmであった。
4.1g(0.24モル)、イソプロピルアルコール1
2.2g(0.2モル)を装入し125〜130℃で1
0時間加熱した。
をHPLC分析したところ、4−ヒドロキシ−4´−イ
ソプロポキシ−ジフェニルスルホンが92.5モル%の
収率で生成していた。また副生物である4,4´−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホンの生成量は7.0モル%で
あった。
入して室温まで冷却したのちに、析出している結晶を濾
過し、乾燥して100.0gの水に溶解させた。この水
溶液のpHを攪拌しながらpH=5になるまで調整して
いくと、白色の結晶が析出してきたので結晶を濾過、水
洗、乾燥して4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシ−
ジフェニルスルホンの白色結晶24.3g(収率82.
3%、純度99.0%)を得た。 (実施例6)攪拌機、温度計、ディーンスタックトラッ
プおよび冷却器を備えた300mlの4つ口フラス4−
ヒドロキシ−4´−クロロ−ジフェニルスルホン26.
9g(0.1モル)を85%水酸化カリウム7.3g
(0.11モル)、ジメチルスルホキシド80.0gと
トルエン30.0gの混合溶媒と共に仕込み、130℃
まで昇温した。この間トルエンとともに留出してくる水
はディーンスタックトラップで分液して抜き出し、トル
エンは反応系内に循環させた。さらに130〜135℃
で2時間加熱した。この時点でほぼ水の留出が見られな
くなった。反応マスは白濁したスラリー状となってい
た。さらに2時間130〜135℃で加熱し、反応マス
の一部を取り出してその水分濃度を測定したところ98
0ppmであった。
5.8g(0.24モル)、イソプロピルアルコール1
2.2g(0.2モル)を装入し125〜130℃で1
0時間加熱した。
をHPLC分析したところ、目的の4−ヒドロキシ−4
´−イソプロポキシ−ジフェニルスルホンが89.9モ
ル%の収率で生成していた。また副生物である4,4´
−ジヒドロキシジフェニルスルホンの生成量は9.0モ
ル%であった。
ルスルホンジエーテルが副生し易く、目的物の収率が低
いという問題、また、目的物の収率は改善されるが反応
時にpH調製する必要があるため操作が煩雑であるとい
う問題があるのに対し、本発明によれば、目的物である
ジヒドロキシジフェニルスルホンモノエーテル類を収率
良く、かつ反応時にpH調製を行うことなく製造するこ
とができる。すなわち、本発明はジヒドロキシジフェニ
ルスルホンモノエーテル類を工業的に製造する方法とし
て、非常に有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】一般式(1)で表わされる化合物と一般式
(2)で表されるアルコールとをアルカリの存在下、有
機溶媒中で反応させる一般式(3)で表される化合物の
製造方法。 【化1】 (式中、Xは塩素原子または臭素原子を示す。) 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐していて
もよいアルキル基を示す。) 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐していて
もよいアルキル基を示す。) - 【請求項2】請求項1記載の一般式(3)で表される化
合物の製造方法において、一般式(1)で表わされる化
合物を有機溶媒中でアルカリと反応させ、次いで、アル
カリの存在下、一般式(2)で表されるアルコールを反
応させる方法。 - 【請求項3】一般式(1)で表わされる化合物を有機溶
媒中でアルカリと反応させ、得られる反応混合物中の水
分濃度を3000ppm以下とし、次いで、アルカリの
存在下で一般式(2)で表されるアルコールを反応させ
る一般式(3)で表される化合物の製造方法。 - 【請求項4】有機溶媒として、非プロトン性極性溶媒及
び水と共沸混合物を形成する有機溶媒の混合溶媒を用い
る請求項1〜請求項3のいずれかに記載の一般式(3)
で表される化合物の製造方法。 - 【請求項5】アルカリがアルカリ金属の水酸化物である
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の一般式(3)で
表される化合物の製造方法。 - 【請求項6】一般式(2)で表わされるアルコールが2
−プロパノールである請求項1〜請求項5のいずれかに
記載の一般式(3)で表される化合物の製造方法。
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