JP2003321169A - エレベータの脱レール検出装置 - Google Patents

エレベータの脱レール検出装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、1個の接触腕により前後左右への
昇降体の変位を検出し、部品点数を削減して据付を容易
にすることを目的とするものである。 【解決手段】 第1及び第2のピアノ線21,22を第
1のガイドレール4の近傍に配置し、第1及び第2のピ
アノ線21,22の間に配置された第1の接触部と、第
1の接触部の一端部に設けられ第1のピアノ線21のみ
に対向する第2の接触部と、第1の接触部の他端部に設
けられ第2のピアノ線22のみに対向する第3の接触部
とを有する接触腕23を釣合重り3に搭載した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地震による昇降
体のガイドレールからの外れを、昇降体の前後左右への
変位から検出するエレベータの脱レール検出装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図5は例えば特開平6−255927号
公報に示された従来のエレベータの脱レール検出装置を
示す平面図である。図において、昇降路1内には、かご
2、及び昇降体としての釣合重り3が吊り下げられてい
る。釣合重り3は、互いに平行に配置された第1及び第
2のガイドレール4,5に案内されて昇降される。第1
及び第2のガイドレール4,5は、複数のレールブラケ
ット6により昇降路壁1aに対して固定されている。
【0003】昇降路1内の第1のガイドレール4の近傍
には、第1のガイドレール4と平行に延びる第1のピア
ノ線7が張設されている。昇降路1内の第2のガイドレ
ール5の近傍には、第2のガイドレール5と平行に延び
る第2のピアノ線8が張設されている。
【0004】釣合重り3には、第1及び第2の接触腕
9,10が搭載されている。第1の接触腕9は、第1の
ピアノ線7に対向しており、釣合重り3が第1及び第2
のガイドレール4,5から外れて左方向及び前後方向に
変位した際に第1のピアノ線7に接触する。第2の接触
腕10は、第2のピアノ線8に対向しており、釣合重り
3が第1及び第2のガイドレール4,5から外れて右方
向及び前後方向に変位した際に第2のピアノ線8に接触
する。
【0005】図6は図5の要部拡大図である。第1の接
触腕9は、基端部が釣合重り3に固定された接触腕本体
11と、この接触腕本体11の先端部に固定された第1
及び第2のピン12,13とを有している。第1の接触
腕9は、第1のピアノ線7が第1及び第2のピン12,
13の中間に位置するように配置されている。第1のピ
アノ線7には、第1及び第2のガイドレール4,5に対
して固定された中間支持部材14が接続されている。
【0006】第1のピアノ線7と第1及び第2のピン1
2,13との間の距離L1,L2は、例えばそれぞれ2
0mmである。また、第1のピアノ線7と接触腕本体1
1との間の距離L3は、例えば35mmである。第2の
ピアノ線8及び第2の接触腕10は、第1のピアノ線7
及び第1の接触腕9に対して対称に配置されている。
【0007】第1及び第2のピアノ線7,8には、第1
及び第2のピアノ線7,8への第1及び第2の接触腕
9,10の接触を検出する検出部(図示せず)が接続さ
れている。検出部は、例えば第1及び第2のピアノ線
7,8の電位を検出する電位検出器である。この場合、
通常は第1及び第2のピアノ線7,8がプラス電位にさ
れており、第1及び第2の接触腕9,10がアース電位
にされている。
【0008】このようなエレベータでは、地震により第
1及び第2のガイドレール4,5から釣合重り3のガイ
ドシュー(図示せず)が外れる場合がある。この場合、
釣合重り3は、通常の昇降位置から前後左右へ変位され
る。このとき、第1及び第2の接触腕9,10は、釣合
重り3と一体的に変位され、第1及び第2のピアノ線
7,8の少なくともいずれか一方に接触する。第1及び
第2の接触腕9,10が第1及び第2のピアノ線7,8
に接触すると、第1及び第2のピアノ線7,8がアース
電位になり、これが検出部で検出され、釣合重り3の第
1及び第2のガイドレール4,5からの外れが検出され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来のエレベータの脱レール検出装置においては、釣
合重り3の左右方向への変位を検出するために、2個の
接触腕9,10を用いていたので、部品点数が多くな
り、据付の手間もかかってしまう。また、昇降行程の短
いエレベータでは、接触腕の先端部にリング状の接触部
を設け、この接触部に1本のピアノ線を通す構造をとる
ことも可能である。しかし、昇降行程の長いエレベータ
では、ピアノ線7,8の振れを防止するために複数の中
間支持部材14を途中に設ける必要があり、接触腕9,
10は、中間支持部材14との干渉を避ける構造とする
必要がある。
【0010】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、部品点数を削
減して据付を容易にすることができるエレベータの脱レ
ール検出装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
タの脱レール検出装置は、互いに平行な第1及び第2の
ガイドレールに案内されて昇降される昇降体の第1及び
第2のガイドレールからの外れを、昇降体の前後左右へ
の変位から検出するものであって、第1及び第2のガイ
ドレールのいずれか一方の近傍に配置され、第1及び第
2のガイドレールと平行に延びる第1及び第2の条体、
第1及び第2の条体の間に配置され、第1及び第2の条
体に対向する第1の接触部と、第1の接触部の一端部に
設けられ、第1の条体に対向する第2の接触部と、第1
の接触部の他端部に設けられ、第2の条体に対向する第
3の接触部とを有し、かつ昇降体に搭載され、昇降体の
前後左右への変位により第1及び第2の条体に接触する
接触腕、及び接触腕の第1及び第2の条体への接触を検
出する検出部を備えたものである。
【0012】また、接触腕は、昇降体に固定されている
接触腕本体と、接触腕本体の先端部に取り付けられ、折
り曲げ加工により第1、第2及び第3の接触部が形成さ
れている接触板とを有している。さらに、第1及び第2
の条体は、昇降体の左右方向に並べて配置され、第1の
接触部は、昇降体の左右方向への変位により第1及び第
2の条体に接触し、第2の接触部は、昇降体の前後いず
れか一方への変位により第1の条体に接触し、第3の接
触部は、昇降体の前後いずれか他方への変位により第2
の条体に接触する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるエ
レベータの脱レール検出装置を示す平面図である。図に
おいて、昇降路1内には、かご2、及び昇降体としての
釣合重り3が吊り下げられている。釣合重り3は、互い
に平行に配置された第1及び第2のガイドレール4,5
に案内されて昇降される。第1及び第2のガイドレール
4,5は、複数のレールブラケット6により昇降路壁1
aに対して固定されている。
【0014】昇降路1内の第1のガイドレール4の近傍
には、第1及び第2のガイドレール4,5と平行に延び
る第1及び第2の条体としての第1及び第2のピアノ線
21,22が張設されている。第1及び第2のピアノ線
21,22は、第1のガイドレール4の後方に、釣合重
り3の左右方向(幅方向)に並べて配置されている。
【0015】釣合重り3には、接触腕23が搭載されて
いる。接触腕23は、第1及び第2のピアノ線21,2
2に対向しており、釣合重り3が第1及び第2のガイド
レール4,5から外れて前後左右に変位した際に第1及
び第2のピアノ線21,22に接触する。第1及び第2
のピアノ線21,22には、接触腕23の第1及び第2
のピアノ線21,22への接触を検出する検出部40が
電気的に接続されている。
【0016】検出部40は、例えば第1及び第2のピア
ノ線21,22の電位を検出する電位検出器である。こ
の場合、通常は第1及び第2のピアノ線21,22がプ
ラス電位にされており、接触腕23がアース電位にされ
ている。
【0017】図2は図1の要部拡大図である。接触腕2
3は、昇降体に固定されている接触腕本体24と、接触
腕本体24の先端部に取り付けられている金属製の接触
板25とを有している。接触板25には、折り曲げ加工
により第1、第2及び第3の接触部26,27,28が
形成されている。
【0018】第1の接触部26は、第1及び第2のピア
ノ線21,22の中間に配置され、第1及び第2のピア
ノ線21,22の両方に対向する。また、第1の接触部
26は、垂直投影面において、第1及び第2のピアノ線
21,22を結ぶ直線に直交する方向に沿って延びてい
る。従って、第1の接触部26は、釣合重り3の左右方
向への変位により第1及び第2のピアノ線21,22に
接触する。
【0019】第2の接触部27は、第1の接触部26の
一端部から第1の接触部26に直角に延び、第1のピア
ノ線21のみに対向している。第3の接触部28は、第
1の接触部26の他端部から第1の接触部26に直角に
延び、第2のピアノ線22のみに対向している。第2及
び第3の接触部27,28は、垂直投影面において、第
1及び第2のピアノ線21,22を結ぶ直線を挟んで互
いに反対側に配置されている。
【0020】従って、第2の接触部27は、釣合重り3
の前方への変位により第1のピアノ線21に接触する。
また、第3の接触部28は、釣合重り3の後方への変位
により第2のピアノ線22に接触する。
【0021】第1のピアノ線21と第2の接触部27と
の間の距離L1は、例えば20mmである。第2のピア
ノ線21と第3の接触部28との間の距離L2は、例え
ば20mmである。第1の接触部26と第1及び第2の
ピアノ線21,22との間の距離は、例えばそれぞれ例
えば38mmである。
【0022】第1のピアノ線21には、第1のガイドレ
ール4に対して固定された複数の第1の中間支持部材2
9が接続されている。第2のピアノ線22には、第1の
ガイドレール4に対して固定された複数の第2の中間支
持部材30が接続されている。これら中間支持部材2
9,30の配置スパンは、例えば5m程度である。
【0023】次に、動作について説明する。地震により
第1及び第2のガイドレール4,5から釣合重り3のガ
イドシュー(図示せず)が外れる場合がある。この場
合、釣合重り3は、通常の昇降位置から前後左右へ変位
される。このとき、接触腕23は、釣合重り3と一体的
に変位され、第1及び第2のピアノ線21,22の少な
くともいずれか一方に接触する。接触腕23が第1及び
第2のピアノ線21,22に接触すると、第1及び第2
のピアノ線21,22がアース電位になり、これが検出
部40で検出され、釣合重り3の第1及び第2のガイド
レール4,5からの外れが検出される。
【0024】このような脱レール検出装置によれば、中
間支持部材29,30と接触板25との干渉を避けつ
つ、1個の接触腕23により前後左右への釣合重り3の
変位を検出することができる。従って、部品点数を削減
して据付を容易にすることができる。また、接触腕23
が1個で済むため、検出装置の設置スペースを小さくす
ることができ、昇降路1内のスペースを有効に利用する
ことができる。
【0025】また、接触板25を折り曲げ加工すること
により、第1、第2及び第3の接触部26,27,28
を形成したので、製造を容易にすることができる。さら
に、第1及び第2のピアノ線21,22を釣合重り3の
左右方向に並べて配置し、第1の接触部26は、釣合重
り3の左右方向への変位により第1及び第2のピアノ線
21,22に接触し、第2の接触部27は、釣合重り3
の前方への変位により第1のピアノ線21に接触し、第
3の接触部28は、釣合重り3の後方への変位により第
2のピアノ線22に接触するようにしたので、簡単な構
造で、より確実に釣合重り3の変位を検出できる。
【0026】実施の形態2.次に、図3はこの発明の実
施の形態2によるエレベータの脱レール検出装置の要部
を示す平面図である。この例では、第1及び第2のピア
ノ線21,22が釣合重り3の前後方向(厚さ方向)に
並べて配置されている。第1の接触部26は、釣合重り
3の前後方向への変位により第1及び第2のピアノ線2
1,22に接触する。また、第2の接触部27は、釣合
重り3の左方への変位により第1のピアノ線21に接触
する。さらに、第3の接触部28は、釣合重り3の右方
への変位により第2のピアノ線22に接触する。他の構
成は、実施の形態1と同様である。
【0027】このような脱レール検出装置によっても、
1個の接触腕23により前後左右への釣合重り3の変位
を検出することができ、部品点数を削減して据付を容易
にすることができる。従って、第1及び第2のピアノ線
21,22の並べ方は、設置スペースの大きさや形状等
に応じて適宜選択することができる。
【0028】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形
態3によるエレベータの脱レール検出装置の要部を示す
平面図である。第1の接触部26は、垂直投影面におい
て、第1及び第2のピアノ線21,22を結ぶ直線に対
して斜めに交差する方向に沿って延びている。他の構成
は、実施の形態1と同様である。
【0029】このような脱レール検出装置によっても、
1個の接触腕23により前後左右への釣合重り3の変位
を検出することができ、部品点数を削減して据付を容易
にすることができる。
【0030】なお、上記の例では、平面状の接触部26
〜28を示したが、中間支持部材29,30との干渉を
避けることができれば、第1ないし第3の接触部を湾曲
面状としてもよい。また、上記の例では、昇降体として
釣合重り3を示したが、かご2を昇降体としてもよい。
即ち、かご2に接触腕を取り付けて、かご2のガイドレ
ールからの外れを検出するようにしてもよい。
【0031】さらに、上記の例では、検出部40として
電位検出器を用いたが、接触腕のピアノ線21,22へ
の接触を検出できれば他の検出方法であってもよい。さ
らにまた、上記の例では、第1及び第2の条体として第
1及び第2のピアノ線21,22を示したが、これに限
定されるものではない。また、上記の例では、第1のガ
イドレール4の近傍に第1及び第2のピアノ線21,2
2を配置したが、第2のガイドレール5の近傍に配置し
てもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のエレベ
ータの脱レール検出装置は、第1及び第2の条体を第1
及び第2のガイドレールのいずれか一方の近傍に配置
し、第1及び第2の条体の間に配置された第1の接触部
と、第1の接触部の一端部に設けられ第1の条体に対向
する第2の接触部と、第1の接触部の他端部に設けられ
第2の条体に対向する第3の接触部とを有する接触腕を
昇降体に搭載したので、1個の接触腕により前後左右へ
の昇降体の変位を検出することができ、部品点数を削減
して据付を容易にすることができる。
【0033】また、接触板を折り曲げ加工することによ
り、第1、第2及び第3の接触部を形成したので、製造
を容易にすることができる。さらに、第1及び第2の条
体を昇降体の左右方向に並べて配置し、第1の接触部
は、昇降体の左右方向への変位により第1及び第2の条
体に接触し、第2の接触部は、昇降体の前後いずれか一
方への変位により第1の条体に接触し、第3の接触部
は、昇降体の前後いずれか他方への変位により第2の条
体に接触するようにしたので、簡単な構造で、より確実
に昇降体の変位を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるエレベータの
脱レール検出装置を示す平面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるエレベータの
脱レール検出装置の要部を示す平面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3によるエレベータの
脱レール検出装置の要部を示す平面図である。
【図5】 従来のエレベータの脱レール検出装置の一例
を示す平面図である。
【図6】 図5の要部拡大図である。
【符号の説明】
3 釣合重り(昇降体)、4 第1のガイドレール、5
第2のガイドレール、21 第1のピアノ線(第1の
条体)、22 第2のピアノ線(第2の条体)、23
接触腕、24 接触腕本体、25 接触板、26 第1
の接触部、27第2の接触部、28 第3の接触部、4
0 検出部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行な第1及び第2のガイドレー
    ルに案内されて昇降される昇降体の上記第1及び第2の
    ガイドレールからの外れを、上記昇降体の前後左右への
    変位から検出するエレベータの脱レール検出装置であっ
    て、 上記第1及び第2のガイドレールのいずれか一方の近傍
    に配置され、上記第1及び第2のガイドレールと平行に
    延びる第1及び第2の条体、 上記第1及び第2の条体の間に配置され、上記第1及び
    第2の条体に対向する第1の接触部と、上記第1の接触
    部の一端部に設けられ、上記第1の条体に対向する第2
    の接触部と、上記第1の接触部の他端部に設けられ、上
    記第2の条体に対向する第3の接触部とを有し、かつ上
    記昇降体に搭載され、上記昇降体の前後左右への変位に
    より上記第1及び第2の条体に接触する接触腕、及び上
    記接触腕の上記第1及び第2の条体への接触を検出する
    検出部を備えていることを特徴とするエレベータの脱レ
    ール検出装置。
  2. 【請求項2】 上記接触腕は、上記昇降体に固定されて
    いる接触腕本体と、上記接触腕本体の先端部に取り付け
    られ、折り曲げ加工により上記第1、第2及び第3の接
    触部が形成されている接触板とを有していることを特徴
    とする請求項1記載のエレベータの脱レール検出装置。
  3. 【請求項3】 上記第1及び第2の条体は、上記昇降体
    の左右方向に並べて配置され、上記第1の接触部は、上
    記昇降体の左右方向への変位により上記第1及び第2の
    条体に接触し、上記第2の接触部は、上記昇降体の前後
    いずれか一方への変位により上記第1の条体に接触し、
    上記第3の接触部は、上記昇降体の前後いずれか他方へ
    の変位により上記第2の条体に接触することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載のエレベータの脱レール
    検出装置。
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