JP2003320485A - モータ駆動式リンクプレス - Google Patents

モータ駆動式リンクプレス

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JP2003320485A
JP2003320485A JP2002129563A JP2002129563A JP2003320485A JP 2003320485 A JP2003320485 A JP 2003320485A JP 2002129563 A JP2002129563 A JP 2002129563A JP 2002129563 A JP2002129563 A JP 2002129563A JP 2003320485 A JP2003320485 A JP 2003320485A
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Masayuki Nagae
正行 長江
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Murata Machinery Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B1/00Presses, using a press ram, characterised by the features of the drive therefor, pressure being transmitted directly, or through simple thrust or tension members only, to the press ram or platen
    • B30B1/26Presses, using a press ram, characterised by the features of the drive therefor, pressure being transmitted directly, or through simple thrust or tension members only, to the press ram or platen by cams, eccentrics, or cranks
    • B30B1/268Presses, using a press ram, characterised by the features of the drive therefor, pressure being transmitted directly, or through simple thrust or tension members only, to the press ram or platen by cams, eccentrics, or cranks using a toggle connection between driveshaft and press ram

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 小出力のモータを用いても、高いプレス荷重
による加工、および高速の加工が可能で、かつ制御性に
も優れ、またツールの上死点位置を下げて、サイクルタ
イムをさらに向上できるモータ駆動式リンクプレスを提
供する。 【解決手段】 回転動作を直線動作に変換するリンク機
構1と、その直線動作でプレス加工のために昇降するラ
ム6とを備える。リンク機構1は、クランク軸3および
偏心軸部4を有するクランク部材2と、揺動リンク5
と、コネクティングロッド7と、拘束リンク8とを有す
る。モータからリンク機構1のクランク軸3に駆動を伝
達する駆動伝達系を設け、この駆動伝達系は、モータの
回転制御によりラム6の昇降動作を制御可能に駆動伝達
可能なものとする。クランク部材2の動作とは別に、ラ
ム6の下端位置を上方シフト位置と下方シフト位置とに
切り換えるラムシフト機構20を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パンチプレスや
その他のプレス機械に適用されるモータ駆動式リンクプ
レスに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】機械式の
パンチプレスでは、モータの回転動作をラムの昇降動作
に変換するスライド駆動機構としてクランク機構が一般
に用いられている。また、フライホイールを用い、クラ
ッチの入切でフライホイールの回転の接・断によるラム
の駆動と停止の切換を行っている。クランク機構では、
ラムの昇降速度の曲線は、下降時と上昇時とで下死点に
対して対称であり、下降速度と上昇速度とが同じとな
る。しかし、パンチ加工など、プレス加工一般におい
て、ラムの下降時は静音化やプレス荷重の要求から、低
速とすることが好ましいが、上昇時は特に制限事項がな
いため、高速であることが望ましい。下降速度と上昇速
度とが同じとなるクランク機構では、上昇に必要以上の
時間を要し、パンチ加工のサイクルタイムが長くなる。
最近では、駆動源としてサーボモータを用い、フライホ
イールを設けずにクランク機構を介してラムを昇降させ
るようにしたものも提案されている。サーボモータを用
いると、ラムのストローク途中の速度変更が自在であ
り、下降時の速度を速く、上昇時の速度を遅くすること
も自在である。しかし、モータの能力は、回転速度によ
って変わり、モータの能力を最大に活かすには、モータ
特性に応じた最適なモータ回転速度の範囲で運転する必
要がある。モータ回転速度を制御することでラムの下降
時と上昇時の速度を変えるのでは、モータの能力を十分
に活かすことができず、必要なプレス荷重を得て上昇時
の速度も速めるには、大型のモータが必要となる。
【0003】そこで、本発明者は、適切なスライド機構
の選択によって、下降時に遅く、上昇時に速くなるもの
を種々研究した。従来、金属の冷間押出し,据え込み等
の塑性加工用のプレス装置に用いられるスライド機構と
して、リンクプレスが古くから用いられている(例え
ば、特公平3−42159号)。リンクプレスは、クラ
ンク機構のクランクピンに揺動リンクを連結し、揺動リ
ンクにコネクティングロッドを連結すると共に、揺動リ
ンクに拘束リンクを連結したものである。クランク軸の
駆動は、モータによりフライホイールを介して行う。リ
ンクプレスによると、拘束リンクの作用により、ラム速
度が下降時は遅くて上昇時は速いという動作特性が得ら
れる。
【0004】しかし、従来のリンクプレスは、その下死
点付近の非常に遅い下降動作を利用することで、冷間押
出し等の塑性加工の加工品質を上げるために使用される
ものであり、塑性加工とは異なる動作特性の要求される
パンチプレスへの適用例はない。また、モータ出力を慣
性エネルギとして蓄えるフライホイールを備えるため、
制御性に欠ける。また、従来、タレット式のパンチプレ
スにおいて、パンチツールが上死点位置から板材ワーク
表面に達するまでの下降時間やパンチ工具が上昇復帰す
る時間を短くしてサイクルタイムを短縮するために、ラ
ムで昇降駆動されるときのパンチツールの上死点位置
を、プレス加工位置以外でタレットに支持されている間
のパンチツール高さよりも低くすることが考えられてい
る。プレス加工位置以外でタレットに支持されている待
機状態のパンチツールの高さを低くすると、板材ワーク
送り時に板材ワークの上面や、先に加工された上向きの
成形加工部分と待機ツールとが干渉する恐れがあり、低
くすることができないからである。しかし、このように
プレス加工位置のパンチツールの上死点を下げようとし
た場合、ラムを上死点で待機させてタレットを回転させ
ても、ラムの下端はタレット上のパンチツールの上端よ
りも下方に延び、パンチツールがラムの側面に干渉する
ことになってラムに対するツール交換が行えない。
【0005】この発明の目的は、比較的小出力のモータ
を用いても、高いプレス荷重による加工、およびサイク
ルタイムの向上が可能で、かつ制御性にも優れ、またツ
ールの上死点位置を下げてサイクルタイムをさらに向上
させることのできるモータ駆動式リンクプレスを提供す
ることである。この発明の他の目的は、ラム下端位置の
シフトのために大掛かりな機構や大出力の駆動源が不要
で、ラムシフトが簡単な構成で行えるようにすることで
ある。この発明のさらに他の目的は、ラムで駆動すると
きのツールの上死点を、ツール支持手段に支持された待
機位置のツールよりも低くしながら、ツール交換が行え
るようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のモータ駆動式
リンクプレスは、モータと、このモータから駆動伝達系
を介して伝達された回転動作を直線動作に変換するリン
ク機構と、上記リンク機構の下方に設置されて上記直線
動作によりプレス加工のために昇降するラムとを備え
る。上記リンク機構は、クランク軸および偏心軸部を有
するクランク部材と、回転自在な連結を行う第1ないし
第3の連結部をそれぞれ3角形の各頂点に位置するよう
に有し、第1の連結部が上記クランク部材の偏心軸部に
連結された揺動リンクと、第2の連結部と上記ラムの上
端とに両端が連結されたコネクティングロッドと、基端
がフレームに回動自在に連結され先端が上記揺動リンク
の第3の連結部に連結されて上記揺動リンクの揺動を規
制する拘束リンクとを備える。上記駆動伝達系は、モー
タの回転制御によりラムの昇降動作を制御可能に上記モ
ータの回転駆動を上記クランク軸に伝達するものであ
る。この駆動伝達系は、フライホイール等の慣性付与を
目的とした部品の介在しないものであり、減速機を有し
ていても、またモータの出力軸とクランク軸とを直結す
るようにしても良い。上記クランク部材の動作とは別
に、ラムの下端位置を上方シフト位置と下方シフト位置
とに切り換えるラムシフト機構を設け、このラムシフト
機構がラムを下方シフト位置とした状態で上記モータに
よる上記クランク軸の駆動を許すラム軸制御手段を設け
る。
【0007】この構成の作用を説明する。クランク軸の
回転により、揺動リンクは偏心軸部の軸心の旋回軌道に
沿った公転動作と、拘束リンクが連結されていることに
よって正逆に振られる自転運動との複合動作を行う。揺
動リンクの上記公転動作のため、これに連結されたコネ
クティングロッドが昇降するが、上記の自転運動を伴う
ため、コネクティングロッドの下端位置、つまりラム位
置の昇降速度曲線は、準サイン曲線とはならず、下降時
と上昇時とで非対称となる。下降時と上昇時とのいずれ
が速くなるかは、拘束リンクの支点位置や長さなど、各
種の要素の組み合わせによって定まる。そこで、各要素
を適宜設計することで、クランク軸を一方向に一定速度
で回転させたときのラムの下降動作が上昇速度よりも遅
くなるように、拘束リンクで揺動リンクの揺動を規制す
ることができる。このように、下降時の速度を遅くする
ことで、比較的小出力のモータを用いても、高いプレス
荷重による加工が行え、また上昇速度が速くなるため、
加工のサイクルタイムが向上する。モータ速度は一定と
したままで上記の速度変化を与えるため、例えば適宜の
減速比率の減速機を介在させることで、モータ特性に応
じ、モータ出力が最大となるモータ回転速度で運転でき
る。これによっても、小出力のモータの使用が可能にな
る。また、モータとクランク軸とは、フライホイール等
の慣性付与系の介在しない駆動伝達系を介して連結する
ため、例えば、モータの回転速度制御によるラム速度変
更等の制御性に優れる。ラムにより加工に使用するラム
下方のツールを交換するときは、クランク軸の駆動によ
るラムのストローク位置を上死点とし、ラムシフト機構
によりラムを上方シフト位置とする。ラムシフト機構で
ラムを通常の上死点よりも上方にシフトさせることによ
り、待機位置のツールが、通常の上死点にあるラムの下
端よりも上方にあっても、ラムの側面と干渉することな
く、ツール交換が行える。このようにラムシフト機構を
設けてツール交換を可能としたため、待機位置のツール
を高い位置に保持してワーク送り時のワークと待機ツー
ルとの干渉を回避しながら、プレス加工位置のツールの
上死点位置を下げ、ツールとワーク表面との距離をでき
るだけ小さくできる。このため、ラムストロークを短く
して、ツールが上死点からワーク表面に触れるまでの下
降時間や、ツールが上昇退避する時間を短縮でき、ワー
ク加工のサイクルタイムを向上させることができる。ラ
ム軸制御手段は、ラムシフト機構がラムを下方シフト位
置とした状態で上記モータによる上記クランク軸の駆動
を許すものとしたため、誤って上方シフト位置としたま
まで加工しようとして不具合を招くことが回避される。
このように、ツールの上死点位置を下げてサイクルタイ
ムを向上させる構成としながら、ラムに対するツール交
換作業も容易に行うことができる。
【0008】上記ラムシフト機構は、コネクティングロ
ッドの両端の連結点間の長さを変更するものであっても
良い。コネクティングロッドの長さで上下のシフト位置
を変えるようにすると、クランク軸や各リンク等を含む
リンク機構の全体を上下にスフトさせる場合と異なり、
大がかりな機構が不要で、シフトのための駆動源に大き
なものが必要なく、ラムシフト機構が簡単な構成のもの
で済む。コネクティングロッドの長さを可変とするラム
シフト機構は、例えば、次の構成とできる。コネクティ
ングロッドは、全体長さが可変となるように上ロッドと
下ロッドとに分割されたものとする。コネクティングロ
ッドには、前記上下のロッドの端部間に抜き差し可能に
介在して、その介在部分の厚さが抜き差し位置によって
異なるスライダを設置し、かつこのスライダを介して隙
間なく上下のロッドが接するように、前記スライダの抜
き差し動作に機械的に連動して下ロッドを昇降させる連
動機構を設ける。ラムシフト機構をこの構成にした場
合、上ロッドと下ロッドの間にスライダの厚肉部分を差
し込むと、コネクティングロッドが伸長し、スライダの
厚肉部分を抜き出すと、コネクティングロッドが短縮す
る。このコネクティングロッドの伸縮は、連動機構の機
能により、スライダの抜き差し動作に機械的に連動して
下ロッドを昇降させることで行われる。そのため、下ロ
ッドを昇降させる駆動源をスライダの抜き差し駆動源と
別に設ける必要がなくて、ラムシフト機構が簡略化され
る。また、スライダの抜き差し動作に連動して下ロッド
を昇降させるようにしたため、スライダの抜き出しの完
了やスライダの差し込みの完了を待って下ロッドを昇降
動作させるものに比べて、コネクティングロッドの長さ
変更に必要な総時間が短縮される。
【0009】この発明において、複数のツールを支持す
るツール支持手段を設け、このツール支持手段は、支持
した任意のツールを、上記ラムで加工に使用する位置に
移動させるものとしても良い。この場合に、上記ラムシ
フト機構は、ラムで加工に使用する位置のツールを上記
ツール支持手段に支持された他のツールと交換する際
に、ツール支持手段のツールと交換可能な高さ位置であ
る上方シフト位置にラムを位置させるものとする。な
お、上記ラムは、例えばツールの首部に係合してツール
を強制引き上げ可能な形式のものとされる。このよう
に、ツール支持手段の他のツールと交換する際に、ラム
シフト機構によりラムを上方シフト位置に位置させるよ
うにし、この上方シフト位置を、ツール支持手段のツー
ルと交換可能な高さ位置とした場合、ツール交換を円滑
に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図面と共
に説明する。図1はこのモータ駆動式リンクプレスにお
けるリンク機構の破断正面図である。このモータ駆動式
リンクプレスは、モータ13と、このモータ13から駆
動伝達系14を介して伝達された回転動作を直線動作に
変換するリンク機構1と、このリンク機構1の下方に設
置されて上記直線動作によりプレス加工のために昇降す
るラム6とを備える。リンク機構1は、クランク軸3の
軸心に対して偏心した偏心軸部4を有するクランク部材
2と、偏心軸部4に連結された揺動リンク5と、コネク
ティングロッド7と、拘束リンク8とを有する。クラン
ク軸3は、フレーム9に回転自在に設置されており、回
転駆動力を受ける軸となる。偏心軸部4は、クランク軸
4よりも大径の軸部とされている。偏心軸4は、上記の
ような大径のものとする代わりに、クランク軸3よりも
小径として、クランクアーム(図示せず)を介してクラ
ンク軸4に一体化されたものとしても良い。ラム6は、
パンチツール等のプレス加工の作用部の昇降を行わせる
部材であり、フレーム9に、ガイド部材10を介して昇
降自在に設置されている。ラム6は、クランク軸2の真
下である。
【0011】揺動リンク5は、第1ないし第3の連結部
P1〜P3を有し、第1の連結部P1でクランク部材2
の偏心軸部4に連結されている。各連結部P1〜3は、
いずれも回転自在な連結を行う連結部分であり、図7に
模式的に示すように、3角形Tの各頂点にそれぞれ位置
する。この三角形Tは、クランク軸3の軸心に垂直な平
面内における任意の三角形である。図1において、コネ
クティングロッド7は、揺動リンク5の第2の連結部P
2に上端が連結され、下端がラム6の上端にピン11を
介して回転自在に連結される。拘束リンク8は、基端が
フレーム9に支点軸12を介して回動自在に支持され、
先端が揺動リンク5の第3の連結部P3に連結されてい
る。拘束リンク8は、その支点軸12の軸心である揺動
中心と第3の連結部P3とを、クランク軸3の両横に振
り分けて配置してある。上記両横は、クランク軸3の軸
心に対する垂直な平面内における両横であり、モータ駆
動式リンクプレスの全体に対して、左右方向の両側であ
っても、前後方向の両側であっても良い。
【0012】クランク軸3は、図4,図5に示すよう
に、モータ13の出力軸(図示せず)に駆動伝達系14
を介して連結されている。駆動伝達系14は、モータ1
3の回転制御によりラム6の昇降動作を制御可能にモー
タ13の回転駆動をクランク軸3に伝達可能なものとす
る。したがって、駆動伝達系14は、フライホイール等
の慣性付与を目的とした部品が介在せず、モータ13の
トルクを伝達する手段である。駆動伝達系14は、この
実施形態では、減速機15と、この減速機15の出力軸
をクランク軸3に連結するカップリング16とでなる。
モータ13にはサーボモータが用いられている。減速機
15とモータ13とは、互いに一体化されて減速機付き
モータを構成するもの等が用いられる。
【0013】図2は、リンク機構1の破断側面を示す。
クランク軸3は偏心軸部4の両側に延びており、両側で
ジャーナル軸受等の軸受17を介してフレーム9に回転
自在に支持されている。揺動リンク5は、第1の連結部
P1を構成する連結孔の内径面が、偏心軸部4の外周に
ライナ18を介して嵌合している。揺動リンク5の第2
の連結部P2とコネクティングロッド7とは、連結ピン
19により連結されている。
【0014】コネクティングロッド7は、長さ方向の中
間部に、コネクティングロッド7の長さを長,短の2段
階に変更することで、ラム6の下端位置を上方シフト位
置と下方シフト位置とに切り換えるラムシフト機構20
を有している。ラムシフト機構20は、シリンダ装置等
からなるシフト用駆動源21を有し、シフト用駆動源2
1の駆動によって上記シフト位置の切換を行う。このシ
フト位置の切換は、後に詳述するが、ラム6で駆動する
ときのパンチツールの上死点を、タレット上の待機パン
チツールよりも低くしながら、ツール交換が行えるよう
にするために用いられる。パンチツールの上死点を低く
するのは、サイクルタイムの向上と、偏心量の小さいク
ランク部材2を採用可能とし、モータトルクを低減する
ためである。リンク機構1とラムシフト機構20の両方
で、トルクの低減を図る。クランク部材2の偏心軸部4
の偏心量の2倍が、下方シフト位置と下死点との間の距
離、すなわちパンチツールおよびラム6の昇降ストロー
クとなる。
【0015】図5に示すように、フレーム9は、リンク
機構1を支持する独立のリンク部フレームとされ、本体
フレーム22の上フレーム部22aの先端に取付けられ
ている。リンク部フレーム9はボックス状とされてい
る。フレーム9は、取付基板9aの内面に設けた支持板
9bとこれに対向する対向板9cとで、クランク軸3の
両端を支持する。フレーム9には、モータ支持部材23
が設けられ、上記モータ13はモータ支持部材23に設
置されている。したがって、モータ9は、リンク機構1
を設置したリンク部フレーム9と共に、本体フレーム2
2に対して着脱可能に組み付けられる。本体フレーム2
2は、側面形状がC字状とされ、その開口部分24は、
板材ワークやツール支持体が進入する空間となる。本体
フレーム22は、一対の対向側板を有しており、図5に
は片方の対向側板のみを図示してある。上フレーム部2
2aにおいて、両側の対向側板は、上フレーム下面板2
5および中間補強板26により互いに接合されている。
【0016】図10,図11は、図1のリンク機構1を
備えたモータ駆動式リンクプレスをパンチプレスに適用
した例の全体の平面図,側面図をそれぞれを示す。本体
フレーム22は機体カバー30で覆われている。本体フ
レーム22に、リンク機構1の他に、ツール支持手段2
8とワーク送り手段29とが設置されいる。ツール支持
手段28は、複数のパンチツール31およびダイツール
32を搭載し、ラム6によるプレス加工位置Qに任意の
ツール31,32(図11)を割出可能としたのもので
ある。ツール支持手段28は、それぞれパンチツール3
1およびダイツール32を搭載した上下のタレット28
a,28bからなる。ワーク送り手段29は、テーブル
33上の板材ワークWを、任意部分がプレス加工位置Q
に来るように直交2軸方向(X軸,Y軸)に移動させる
手段である。ワーク送り手段29は、前後(Y軸方向)
移動するキャリッジ34と、キャリッジ34に搭載され
て左右(X軸方向)移動するクロススライド35とを有
し、クロススライド35に設けられた複数のワークホル
ダ36により板材ワークWを把持する。キャリッジ34
の前後移動とクロススライド35の左右移動とで、上記
2軸方向の板材ワークWの送りが行われる。
【0017】上記構成の動作を説明する。なお、ラムシ
フト機構20の具体的構成および動作は、後に説明す
る。図1のリンク機構1は、図7の模式図を参照してわ
かるように、次の動作を行う。クランク軸3がモータ駆
動により回転すると、クランク部材2の偏心軸部4の中
心は、図7に示すように、クランク軸3の軸心を中心と
する円周軌道C1を描く。揺動リンク5は、偏心軸部4
に第1の連結部P1で回転自在に連結されているため、
上記円周軌道C1に沿った公転運動を行う。揺動リンク
5は、第3の連結部P3で拘束リンク8に連結されてい
ることにより動作が規制され、上記公転運動に伴って、
第1の連結部P1の回りに正逆に振られる自転運動を行
う。この公転運動と自転運動の複合動作のため、揺動リ
ンク5のコネクティングロッド7との連結部である第2
の連結部P2は、同図に示すように斜めの楕円状の軌道
C2を移動する。ラム6は昇降のみ自在に支持されてい
て、コネクティングロッド7を介して揺動リンク5の第
2の連結部P2に連結されているため、第2の連結部P
2が楕円状の軌道を描くことによって昇降動作する。こ
のラム6の昇降動作の速度は、図8に1周期のクランク
角度と変位の関係を曲線Hで示す示すように、下降時と
上昇時とで非対称となる。また、ラム6が下死点BDC
に達する時のクランク角度θBDC は180°からずれた
位置となる。同図中に併記した曲線Jは、一般的なクラ
ンク機構におけるラムの上下変位を示し、対称となって
いる。
【0018】リンク機構1の動作に影響を与える要素
は、図7に示す次の8つの要素である。クランク長さ
(偏心量)r、拘束リンク8の長さw、コネクティング
ロッド7の長さL、揺動リンク5の連結部P2,P3間
の開き角度α、揺動リンク5の連結部P1と連結部P
2,P3間の各長さa,b、および拘束リンク8の支点
位置のX座標Ex,Y座標Eyである。なお、座標の中
心はクランク軸3の軸心とする。リンク機構1の成り立
つ条件として、クランク軸3の回転中心−連結部P1−
連結部P3−拘束リンク8の支点軸12を、各節間の連
結点として成り立つ4節回転連鎖が成立する必要があ
り、最短節をクランク長さrとして、次の各式を満たす
必要がある。 A=√(Ex^2+Ey^2)として、 r+a≦w+A r+w≦a+A r+A≦a+w これは、グラスホフの定理として知られており、この条
件を満たす範囲で上記各要素の値を適宜設計すること
で、ラム8の変位曲線を自由に設計することができる。
【0019】下降時と上昇時とのいずれが速くなるか
は、モータ回転方向と上記各要素の組み合わせによって
定まる。そこで、モータ回転方向が一定方向であるとし
て、各要素を適宜設計することで、モータ13が一定速
度で回転したときのラム6の下降速度が上昇速度よりも
遅くなる動作を行うものとできる。このように、下降時
の速度を遅くすることで、比較的小出力のモータ13を
用いても、高いプレス荷重による加工が行え、また上昇
速度が速くなるため、加工のサイクルタイムが向上す
る。図9にクランク式プレスとリンク式プレスとを比較
して示すように、サイクルタイムを「10」とした場
合、クランク式では同図(A)のように下降時間と上昇
時間が共に「5」となるが、リンク式では、例えば同図
(B)のように下降時間が「7」,上昇時間が「3」と
なるように設計することが可能である。このようにリン
ク機構1を設計した場合、クランク式に比べて、下降動
作のラム速度は5/7と遅くなり、その分、プレス荷重
は7/5と大きくなり、同じモータを用いても、40%
のプレス荷重の向上が図れる。ラム6の上昇時は特に仕
事を行わないため、力が弱くても加工に影響しない。
【0020】また、モータ速度は一定としたままで上記
の速度変化を与えるため、適宜の減速比率の減速機15
(図4)を介在させることで、モータ特性に応じ、モー
タ出力が最大となるモータ回転速度で運転できる。これ
によっても、小出力のモータ13の使用が可能になる。
また、モータ13とクランク軸3とは、フライホイール
等の慣性付与系の介在しない駆動伝達系14を介して連
結するため、モータ13の回転速度制御によるラム速度
変更等の制御性に優れる。
【0021】モータ13がサーボモータである場合は、
モータ速度の自由な変更が行えるため、ラム6の昇降ス
トローク中における速度を変化させることもでき、各種
の要望に応じた加工が行える。すなわち、モータ13を
等速回転させた場合の速度曲線として、クランク部材2
や各揺動リンク5,拘束リンク8等で構成されるリンク
機構1の動作に従った速度曲線を基本とし、モータ速度
を変化させることで、例えばパンチツール31が板材ワ
ークWに接するときの速度をより遅くしてより一層の静
音化を図ったり、また上昇時の速度をさらに速めること
も可能である。また、ラム6を任意高さで止めることも
できる。
【0022】このモータ駆動式リンクプレスにおいて、
パンチ加工を行う場合は、図8に示すように、板材ワー
クWの打ち抜きに使用する区間である打抜区間Mは、ラ
ム昇降ストロークの下降過程の中間区間とする必要があ
る。この打抜区間Mとする中間区間は、ラム6のクラン
ク角度に対する変位の曲線Hが略直線状となる区間であ
る。打抜区間Mの下限位置H1 は、ダイハイトDHより
も若干上方の位置にある。リンクプレスでは、モータ速
度が一定であると、同図のラム変位曲線Hからわかるよ
うに、上死点TDC付近では緩やかな曲線となり、中間
区間で直線状となり、下死点BDCの付近で再度緩やか
な曲線となる。下死点BDC付近の速度が最も遅く、し
たがって下死点BDC付近で最も大きなプレス荷重が得
られる。従来の成形加工のリンクプレスでは、この下死
点BDC付近の大きなプレス荷重を成形に用いる。しか
しパンチ加工の場合、打ち抜きカスを確実に落とすため
に、板材ワークWの下面よりも下方にストロークが必要
となる。これに対して、ストロークの中間区間を打抜区
間Mとすると、板材ワークWの下面の下方に十分なスト
ロークを得て、打ち抜きカスを確実に落とすことがで
き、中間区間での本来小さなパンチ荷重をリンク機構1
で補える。言い換えれば、このため、大きなプレス荷重
が得られる下死点BDC付近を使用することはできない
が、従来の対称動作のクランク機構と比較して効率的に
使うことができる。パンチ加工では大きなプレス荷重と
共に、加工の高速化が要求される。また、パンチ加工で
は打ち抜き速度が速い方が加工品質が良く、打抜区間M
を中間区間とすると、加工品質上で要求される打ち抜き
速度を無駄なく得ることができる。このように、パンチ
プレスに適用する場合に、従来の成形加工用のリンクプ
レスとは異なる使用形態で、そのリンク機構1の作用を
効果的に用いることができる。
【0023】つぎに、図13,図14と共に、ラムシフ
ト機構20の各シフト位置と、ツール支持手段28上の
パンチツール31との高さ関係を説明する。ツール支持
手段28の上側のタレット28aに支持された各位置の
パンチツール31(311 〜318 )は、プレス加工位
置Qのパンチツール311 を除き、一定の高さに保持さ
れる。この高さ保持は、例えばタレット28aの上方に
タレット円周方向に沿って設けられた位置固定のガイド
リング(図示せず)でパンチツール31の首部を係合さ
せることにより行われ、または各パンチツール31毎に
タレット28aに支持用のばね部材(図示せず)を設け
ることで行われている。上記ガイドリングの場合、プレ
ス加工位置Qで欠如部を有する形状とされる。タレット
28aに上記のように支持された各パンチツール31の
高さは、例えば下面がタレット28aの下面に略位置す
る位置とされる。この実施形態では、ラム6は、プレス
加工位置Qに来たパンチツール31の首部に係合してパ
ンチツール31を強制引き上げ可能な形式のものとして
あり、他の位置でのパンチツール31の支持は、上記ガ
イドリングで行われる。上記首部での係合は、ラム6の
下端に形成された断面T字状の溝に、パンチツール31
のT字形の頭部が嵌まり、このT字形頭部のくびれ部分
である首部を吊ることで行われる。
【0024】プレス加工位置Qでパンチツール31をラ
ム6により昇降駆動するときは、図14(B)のよう
に、昇降ストロークの上死点位置にあるパンチツール3
1が、タレット28a上の他の各パンチツール31より
も下方位置となるようにする。このようにプレス加工位
置Qのパンチツール31の上死点位置を下げた場合、そ
のままのラム6の高さでは、タレット28aの他の各パ
ンチツール31の上端よりもラム6の下端の方が下方に
延びているため、タレット28aを回転させたときに、
他のパンチツール31がラム6の側面に干渉することに
なり、ラム6に対するツール交換が行えない。そこで、
ラムシフト機構20により、ラム6の下端位置を上方シ
フト位置と下方シフト位置とに切り換えるようにしてい
る。この場合に、リンク機構1でラム6を上死点位置と
し、ラムシフト機構20で上方シフト位置とした状態
で、図14(A)のように、ラム6に支持されたパンチ
ツール31とタレット28a上の各パンチツール31と
が同じ高さとなるようにしている。これにより、タレッ
ト28aが回転するだけで、ラム6に対する円滑なツー
ル交換が行われる。パンチ加工は、上記のようにラムシ
フト機構20によりラム6を下方シフト位置して行われ
る。そのため、パンチツール31の昇降ストロークにお
ける上死点を低くでき、パンチツール31と板材ワーク
Wの表面との距離をできるだけ小さくできる。このた
め、ラムストロークを短く設計して、パンチツール31
が上死点から板材ワーク表面に触れるまでの下降時間
や、パンチツール31が上昇退避する時間を短縮でき、
ワーク加工のサイクルタイムを向上させることができ
る。このように、パンチツール31の上死点を下げてサ
イクルタイムを向上させる構成としながら、ラム6に対
するツール交換作業も容易に行うことができる。
【0025】ラムシフト機構20の詳細を図1および図
12と共に説明する。ラムシフト機構20は、コネクテ
ィングロッド7を、互いに伸縮自在に結合された上ロッ
ド7aと下ロッド7bとに分割し、上下のロッド7a,
7bの端部間に抜き差し可能にスライダ52(図12)
を介在させたものである。スライダ52は、上下のロッ
ド7a,7b間の介在部分の厚さが抜き差し位置によっ
て異なるものである。また、ラムシフト機構20には、
スライダ52が抜き差し動作を行っても、スライダ52
を介して上下のロッド7a,7bが隙間なく接するよう
に、スライダ52の抜き差し動作に機械的に連動して下
ロッド7bを昇降させる連動機構53が設けられる。
【0026】コネクティングロッド7の分割部分では、
下ロッド7bの上部が上ロッド7aの下部に挿脱自在に
結合されている。具体的には、上ロッド7aの下部は中
空軸状に形成され、その中空孔内に下ロッド7bの上部
が長手方向に摺動自在に嵌合している。
【0027】連動機構53は、ガイド孔55を有するガ
イド板54と、このガイド板54のガイド孔55に摺動
自在に係合する作用ロッド56とからなるカム機構とさ
れている。ガイド板54は、2枚がスライダ52の両側
面に各々設けられて、前後端でスライダ52に固定され
ている。ガイド板54は、スライダ52よりも下方に突
出した部分に前記ガイド孔55が設けられている。作用
ロッド56は、一対のものが、下ロッド7aの上端部
に、その長手方向と直交する方向に突出するように設け
られ、各々両側のガイド板54のガイド孔55に係合し
ている。上ロッド7aの中空軸状となった下部には、下
ロッド7bの作用ロッド56が突出する長孔57が、長
手方向に沿って形成されている。両ガイド板54のガイ
ド孔55は、前半部がほぼ水平で後半部が上方に傾斜し
た形状とされていて、スライダ52と一体にガイド板5
4が図12(B)のように進出すると、ガイド孔55の
案内で下ロッド47bが引き上げられる。これによりコ
ネクティングロッド7が短縮させられる。
【0028】スライダ52は、上ロッド7aに形成され
た横孔64内に抜き差し自在に挿入されており、上ロッ
ド7aに取付けられたエアシリンダ等からなるシフト用
駆動源21により進退駆動される。横孔64は、具体的
には上ロッド47aの中空軸状部分の上底面沿って形成
されている。また、下ロッド7bの上端7bbと対向す
るスライダ52の下面部分には、下ロッド7bの上端7
bbを嵌まり込ませる嵌込用凹部52aが形成されてい
る。この嵌込用凹部52aには、スライダ52が上ロッ
ド7aに対して所定の抜き差し位置に移動した状態で、
下ロッド7bの上端7bbが嵌り込み可能となる。この
嵌込用凹部52aの形成により、スライダ52の厚さが
抜き差し位置によって異なっている。すなわち、スライ
ダ52の嵌込用凹部52aの形成された箇所が薄肉部分
であり、形成されていない箇所が厚肉部分である。下ロ
ッド7bの上端7bbは、下ロッド7bの上端面に突出
したボスとして形成されている。
【0029】ラムシフト機構20は、プレス加工を行う
ときは下方シフト位置として使用するものである。図1
において、クランク軸3の駆動用のモータ13を制御す
るラム軸制御手段61は、ラムシフト機構20がラム6
を下方シフト位置とした状態で上記モータ13によるク
ランク軸13の駆動を許すものとしてある。ラムシフト
機構20は、下方シフト位置となったことを検出するシ
フト位置検出手段62を有している。シフト位置検出手
段62は、シフト用駆動源21に設けられたものであっ
ても良い。ラム軸制御手段61は、加工プログラム(図
示せず)等から与えられるラム駆動指令に従って、モー
タ13の制御を行う手段であり、例えばこのモータ駆動
式リンクプレスの全体を制御する数値制御装置(図示せ
ず)の一部として設けられる。
【0030】ラムシフト機構20の動作を説明する。上
方シフト位置とする場合は、コネクティングロッド7を
次のように短縮させる。すなわち、シフト用駆動源21
の駆動により、スライダ52を、図12(A)に示す正
規位置から同図(B)に示すように所定位置まで進入動
作させる。これによりスライダ52の嵌込用凹部52a
が上ロッド7aの内部に跨がる位置に達すると共に、ス
ライダ52と一体に進出するガイド板54のガイド孔5
5に下ロッド47bの作用ロッド56がガイドされて、
下ロッド7bはその上端7bbがスライダ52の嵌込用
凹部52aの上底面に隙間なく接するように嵌込用凹部
52aに進入し、コネクティングロッド7が短縮状態と
なる。シフト用駆動源21の駆動でスライダ52を同図
(A)の位置に戻すと、コネクティングロッド7は元の
長さとなる。
【0031】この構成のラムシフト機構20は、このよ
うにコネクティングロッド7を伸縮させるものであるた
め、クランク軸3や各リンク5,8等を含むリンク機構
1の全体を上下にシフトさせるものと異なり、大がかり
な機構が不要で、シフトのための駆動源に大きなものが
必要なく、ラムシフト機構20が簡単な構成のもので済
む。また、コネクティングロッド7の伸縮動作は、ガイ
ド孔55および作用ロッド56で構成される連動機構5
3の作用により、スライダ52の進退駆動に伴って行わ
れるため、伸縮用の駆動源を別に設ける必要がなくてよ
り一層簡単な構成で済み、コスト低下が図れる。また、
コネクティングロッド7の伸縮を、スライダ52の移動
完了を待って行う必要がなく、伸縮に必要な動作時間が
短縮される。ラムシフト機構20を上方シフト位置とし
たままで、モータ13によるラム6の駆動を行おうとし
た場合は、ラム軸制御手段61の機能により、駆動が阻
止され、不具合が生じることが防止される。
【0032】なお、上記実施形態では、ラムシフト機構
20は、コネクティングロッド7を伸縮させるものとし
たが、ラムシフト機構20は、ラム6の下端位置を上方
シフト位置と下方シフト位置とに切り換えることができ
る機構であれば良く、例えばリンク機構1の全体を上下
にシフトさせるものであっても良い。また、上記実施形
態では、モータ13としてサーボモータを用いたが、必
ずしもサーボモータでなくても良い。また、上記実施形
態は、パンチプレスに適用した場合につき説明したが、
この発明のモータ駆動式リンクプレスは、パンチ加工の
他に成形加工や曲げ加工など、各種のプレス加工に適用
することができる。
【0033】
【発明の効果】この発明のモータ駆動式リンクプレス
は、クランク部材,揺動リンク,コネクティングロッ
ド,および拘束リンクを有するリンク機構を採用したた
め、比較的小出力のモータを用いても、高いプレス荷重
による加工、および加工のサイクルタイムの向上が可能
である。また、リンク機構を採用しながら、モータの回
転駆動をリンク機構のクランク軸に伝達する駆動伝達系
として、モータの回転制御によりラムの昇降動作を制御
可能に伝達するものを用いたため、つまりフライホイー
ル等の慣性付与を目的とした部品の介在しない駆動伝達
系を用いたため、制御性にも優れたものとなる。また、
クランク部材の動作とは別に、ラムの下端位置を上方シ
フト位置と下方シフト位置とに切り換えるラムシフト機
構を設けたため、ツールの上死点位置を下げてサイクル
タイムをさらに向上させることができる。さらに、上記
ラムシフト機構がラムを下方シフト位置とした状態で上
記モータによる上記クランク軸の駆動を許すラム軸制御
手段を設けたため、上方シフト位置のままでラムが動作
する不具合が回避される。上記ラムシフト機構が、コネ
クティングロッド両端の連結点間の長さを変更するもの
である場合は、大がかりな機構が不要で、シフトのため
の駆動源に大きなものが必要でなく、ラムシフト機構が
簡単な構成のもので済む。また、複数のツールを支持す
るツール支持手段を設けた場合に、上記ラムシフト機構
を、ツール交換時にラムをツール支持手段のツールと交
換可能な高さ位置である上方シフト位置に位置させるも
のとした場合は、ラムで駆動するときのツールの上死点
を、ツール支持手段に支持された待機位置のツールより
も低くしてもツール交換が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかるモータ駆動式リ
ンクプレスのリンク機構の破断正面図である。
【図2】同リンク機構の破断側面図である。
【図3】(A),(B)はそれぞれ同リンク機構の正面
図および側面図である。
【図4】同リンク機構とモータとの連結状態を示す側面
図である。
【図5】同リンク機構とモータを本体フレームに設置し
た部分を示す斜視図である。
【図6】同リンク機構の一部省略斜視図である。
【図7】同リンク機構の動作モデルの説明図である。
【図8】同リンク機構におけるクランク角度とラム変位
の関係を示すグラフである。
【図9】同リンク機構とクランク式プレスとのラム変位
過程を比較したグラフである。
【図10】同実施形態のモータ駆動式リンクプレスの全
体を示す平面図である。
【図11】同モータ駆動式リンクプレスの全体を示す側
面図である。
【図12】同モータ駆動式リンクプレスにおけるラムシ
フト機構の下方シフト状態および下方シフト位置を示す
破断側面図である。
【図13】同モータ駆動式リンクプレスにおけるタレッ
トの平面図である。
【図14】(A),(B)はそれぞれ同モータ駆動式リ
ンクプレスにおける上方シフト位置および下方シフト位
置におけるラム,タレット,およびパンチツールの位置
関係を示す破断側面図である。
【符号の説明】
1…リンク機構 2…クランク部材 3…クランク軸 4…偏心軸部 5…揺動リンク 6…ラム 7…コネクティングロッド 8…拘束リンク 9…フレーム 10…ガイド部材 11…ピン 12…支点軸 13…モータ 14…駆動伝達系 15…減速機 61…ラム軸制御手段 62…シフト位置検出手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータと、このモータから駆動伝達系を
    介して伝達された回転動作を直線動作に変換するリンク
    機構と、上記リンク機構の下方に設置されて上記直線動
    作によりプレス加工のために昇降するラムとを備え、上
    記リンク機構は、クランク軸および偏心軸部を有するク
    ランク部材と、回転自在な連結を行う第1ないし第3の
    連結部をそれぞれ3角形の各頂点に位置するように有
    し、第1の連結部が上記クランク部材の偏心軸部に連結
    された揺動リンクと、第2の連結部と上記ラムの上端と
    に両端が連結されたコネクティングロッドと、基端がフ
    レームに回動自在に連結され先端が上記揺動リンクの第
    3の連結部に連結されて上記揺動リンクの揺動を規制す
    る拘束リンクとを備え、上記駆動伝達系は、モータの回
    転制御によりラムの昇降動作を制御可能に上記モータの
    回転駆動を上記クランク軸に伝達するものであり、上記
    クランク部材の動作とは別に、ラムの下端位置を上方シ
    フト位置と下方シフト位置とに切り換えるラムシフト機
    構を設け、このラムシフト機構がラムを下方シフト位置
    とした状態で上記モータによる上記クランク軸の駆動を
    許すラム軸制御手段を設けたモータ駆動式リンクプレ
    ス。
  2. 【請求項2】 上記ラムシフト機構は、コネクティング
    ロッドの両端の連結点間の長さを変更するものである請
    求項1記載のモータ駆動式リンクプレス。
  3. 【請求項3】 複数のツールを支持するツール支持手段
    を設け、このツール支持手段は、支持した任意のツール
    を、上記ラムで加工に使用する位置に移動させるもので
    あり、上記ラムシフト機構は、ラムで加工に使用する位
    置のツールを上記ツール支持手段に支持された他のツー
    ルと交換する際に、ツール支持手段のツールと交換可能
    な高さ位置である上方シフト位置にラムを位置させるも
    のとした請求項1または請求項2に記載のモータ駆動式
    リンクプレス。
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