JP2003318499A - 内層回路用プリプレグ、内層回路用金属張積層板及び多層プリント配線板 - Google Patents

内層回路用プリプレグ、内層回路用金属張積層板及び多層プリント配線板

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JP2003318499A
JP2003318499A JP2002121389A JP2002121389A JP2003318499A JP 2003318499 A JP2003318499 A JP 2003318499A JP 2002121389 A JP2002121389 A JP 2002121389A JP 2002121389 A JP2002121389 A JP 2002121389A JP 2003318499 A JP2003318499 A JP 2003318499A
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JP2002121389A
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English (en)
Inventor
Kengo Yamanouchi
建吾 山野内
Hiroki Tamiya
裕記 田宮
Kiyoaki Ihara
清暁 井原
Yutaka Noguchi
野口  裕
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高耐熱性を維持しつつ、内層回路と絶縁層と
の密着力を向上させることができる内層回路用プリプレ
グを提供する。 【解決手段】 主剤としてエポキシ樹脂、硬化剤として
フェノールノボラック樹脂、カップリング剤としてイミ
ダゾールシランを用いる。これらを用いて樹脂組成物を
調製する。次に、この樹脂組成物を基材に含浸させる。
その後、これを乾燥させる。フェノールノボラック樹脂
によって、樹脂組成物の硬化物の耐熱性を高く得ること
ができる。またイミダゾールシランによって、金属箔に
対する樹脂組成物の硬化物の密着性を高く得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器などに用
いられる多層プリント配線板を製造するための内層回路
用プリプレグ及び内層回路用金属張積層板、並びにこれ
らを用いて製造される多層プリント配線板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年においては、高機能化、高密度化の
要請に伴い、電子機器などに用いられるプリント配線板
としては、特に、層数の多い多層プリント配線板が利用
されている。この多層プリント配線板は、例えば以下の
ようにして製造されている。
【0003】すなわち、熱硬化性樹脂ワニスなどの樹脂
組成物をガラスクロスなどの基材に含浸してプリプレグ
を作製し、このプリプレグを所要枚数重ねると共にその
両側に銅箔等の金属箔を配置し、これを加熱加圧して積
層成形することによって金属張積層板を作製する。そし
て、この金属張積層板の表面の金属箔をプリント配線加
工して内層用の回路を形成したものを内層材とし、この
内層材に所要枚数のプリプレグを重ねると共にその外側
に金属箔を配置し、これを加熱加圧して積層成形した後
に、外層の金属箔をプリント配線加工して外層用の回路
を形成したり、スルーホール加工したりすることによっ
て、多層プリント配線板を製造することができるもので
ある。
【0004】ここで、上記のプリプレグとしては、例え
ば、エポキシ樹脂を樹脂成分の主剤とし、その硬化剤と
してジシアンジアミド等のアミンを用いて樹脂組成物を
調製し、この樹脂組成物をガラスクロスなどの基材に含
浸して加熱乾燥することによって半硬化状態(B−ステ
ージ)にしたものが使用されている。
【0005】そして近年において環境問題対策として、
多層プリント配線板を加工するにあたっては、鉛を含ま
ない鉛フリー半田の使用が求められている。この鉛フリ
ー半田は、一般に用いられているSn−Pb半田よりも
融点が高いため、鉛フリー半田を用いて電子部品を実装
するなどの加工を行う際には、多層プリント配線板の耐
熱性を高めておく必要がある。そこで、多層プリント配
線板の材料であるプリプレグを作製するにあたっては、
既述のジシアンジアミド等のアミンの代わりにフェノー
ルノボラック樹脂を含む樹脂組成物が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
樹脂組成物を用いて製造した多層プリント配線板にあっ
ては、耐熱性は向上するものの、銅箔等の金属箔を加工
して形成された回路と、プリプレグが硬化して形成され
た絶縁層との密着力が低下するという問題が発生する。
特に、多層プリント配線板の製造工程においては、上記
密着力を向上させるため、内層材の内層回路の表面にブ
ラックオキサイド処理(黒色酸化処理)等の表面処理を
施す方法が多用されているが、上記のような樹脂組成物
によって作製されたプリプレグを用いた場合には、内層
回路と絶縁層との間の密着性を十分に得ることができな
いものであった。
【0007】また、近年における電子機器等の小型化、
高密度化の要請に伴って、多層プリント配線板に形成さ
れる回路の回路幅は狭くなっており、この観点からも密
着性の向上が要望されている。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、高耐熱性を維持しつつ、内層回路と絶縁層との密
着力を向上させることができる内層回路用プリプレグ、
内層回路用金属張積層板及び多層プリント配線板を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
内層回路用プリプレグは、主剤としてエポキシ樹脂、硬
化剤としてフェノールノボラック樹脂、カップリング剤
としてイミダゾールシランを用いて調製した樹脂組成物
を基材に含浸させると共にこれを乾燥させて成ることを
特徴とするものである。
【0010】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、主剤と硬化剤の総量100質量部に対してイミダゾ
ールシランを0.01〜1.0質量部用いて成ることを
特徴とするものである。
【0011】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、樹脂組成物にエラストマーを添加して成ること
を特徴とするものである。
【0012】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、イミダゾールシランを予め5〜10
0℃にした有機溶剤に溶かして用いて成ることを特徴と
するものである。
【0013】また請求項5に係る内層回路用金属張積層
板は、請求項1乃至4のいずれかに記載の内層回路用プ
リプレグを所要枚数積層すると共にこの片側又は両側に
金属箔を重ね合わせて加熱加圧成形して成ることを特徴
とするものである。
【0014】また請求項6に係る多層プリント配線板
は、請求項5に記載の内層回路用金属張積層板の表面の
金属箔を黒色酸化処理すると共にこの面に請求項1乃至
4のいずれかに記載の内層回路用プリプレグを重ね合わ
せて加熱加圧成形して成ることを特徴とするものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0016】本発明に係る内層回路用プリプレグを作製
する際に使用する樹脂組成物は、樹脂成分の主剤、その
硬化剤及びカップリング剤を配合して調製されるもので
ある。
【0017】本発明において主剤としては、エポキシ樹
脂を用いるものである。エポキシ樹脂であれば特に限定
されるものではないが、例えばビスフェノールA型ノボ
ラックエポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂などを用いることができる。
【0018】また硬化剤としては、フェノールノボラッ
ク樹脂を用いるものであり、このフェノールノボラック
樹脂にはアルキルフェノールノボラック樹脂も含まれ
る。このようにフェノールノボラック樹脂を用いること
によって、樹脂組成物の硬化物の耐熱性を高く得ること
ができるものである。上記主剤と硬化剤の配合比率は官
能基当量比で1:0.4〜1:1の範囲が好ましい。
【0019】またカップリング剤としては、イミダゾー
ルシランを用いるものである。このようにイミダゾール
シランを用いることによって、銅箔などの金属箔に対す
る樹脂組成物の硬化物の密着性を高く得ることができる
ものである。イミダゾールシランの配合量は、上記主剤
と硬化剤の総量100質量部に対して0.01〜1.0
質量部であることが好ましい。主剤と硬化剤の総量10
0質量部に対するイミダゾールシランの配合量が0.0
1質量部未満であると、金属箔と樹脂組成物の硬化物と
の間の密着力を十分に高めることができないおそれがあ
り、逆に1.0質量部を超えると、内層回路用プリプレ
グのポットライフが短くなるおそれがある。
【0020】また、樹脂組成物にはエラストマーを添加
するのが好ましい。エラストマーとしては、特に限定さ
れるものではないが、例えば架橋エラストマーであるJ
SR株式会社製「XER−91」やCTBN(末端カル
ボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体)などを用いることができる。このようにエラストマ
ーを樹脂組成物に添加することによって、銅箔などの金
属箔に対する樹脂組成物の硬化物の密着性をさらに高く
得ることができるものである。このような効果を確実に
得るためには、エラストマーの添加量は2〜15phr
とすることが好ましい。
【0021】上記の各成分を配合することによって、樹
脂組成物を調製することができるものであり、この樹脂
組成物を有機溶剤で希釈することによって樹脂ワニスと
することもできる。特に、イミダゾールシランを配合す
るにあたっては、予め5〜100℃にした有機溶剤にイ
ミダゾールシランを溶かしておき、この溶液と他の成分
を混合させるのが好ましい。有機溶剤としては、例えば
メチルエチルケトン(MEK)やメトキシプロパノール
(MP)を用いることができ、また2種以上の有機溶剤
を混合して用いることもできる。このように予め所定温
度にしておいた有機溶剤にイミダゾールシランを溶かし
ておくと、イミダゾールシランをそのまま他の成分と混
合させるよりも、イミダゾールシランを樹脂組成物中に
均一に分散させるのが容易となり、イミダゾールシラン
による密着性向上の効果を一層高く得ることができるも
のである。なお、有機溶剤の温度が5℃未満であると、
イミダゾールシランを溶かす時間が長くなるおそれがあ
り、実用上、好ましくなく、逆に有機溶剤の温度が10
0℃を超えると、安全性の面で好ましくない。
【0022】上記のようにして調製した樹脂組成物を基
材に含浸し、これを乾燥機中で120〜180℃程度の
温度範囲で、3〜10分程度乾燥させることによって、
半硬化状態(B−ステージ)の内層回路用プリプレグを
作製することができるものである。ここで、基材として
は、ガラスクロス、ガラスペーパー、ガラスマットなど
のガラス繊維布のほか、クラフト紙、コットンリンター
紙、天然繊維布、有機繊維布などを用いることができ
る。
【0023】上記のようにして作製した内層回路用プリ
プレグを所要枚数重ね、これを140〜220℃、0.
98〜5MPa、40〜300分の条件で加熱加圧して
積層成形することによって、積層板を作製することがで
きる。この際に、所要枚数重ねた内層回路用プリプレグ
の片側又は両側に金属箔を重ねて積層成形することによ
って、内層材に加工するための内層回路用金属張積層板
を作製することができる。上記金属箔としては、銅箔、
アルミニウム箔、ステンレス箔などを用いることができ
る。なお、1枚の内層回路用プリプレグの片側又は両側
に金属箔を重ねて積層成形することによって、内層回路
用金属張積層板を作製してもよいのはいうまでもない。
内層材は、内層回路用金属張積層板の表面の金属箔をプ
リント配線加工して内層回路を形成することによって、
作製することができる。
【0024】そして、上記のようにして作製した内層材
の内層回路を構成する金属箔の表面を黒色酸化処理によ
って酸化させた後に、この内層材の片側又は両側に所要
枚数の内層回路用プリプレグを重ね合わせると共に、そ
の外側に金属箔を配置し、これを加熱加圧して積層成形
することによって、多層プリント配線板に加工するため
の多層積層板を作製することができる。なお、黒色酸化
処理の後に化学還元処理を施すこともできる。その後、
この多層積層板の外層の金属箔をプリント配線加工して
外層回路を形成したり、スルーホール加工したりするこ
とによって、多層プリント配線板を製造することができ
るものである。
【0025】このようにして製造した多層プリント配線
板にあって、絶縁層は、フェノールノボラック樹脂を硬
化剤として用いた樹脂組成物が硬化して形成されている
ので、高い耐熱性を確保することができるものである。
しかも、絶縁層中にフェノールノボラック樹脂が含まれ
ていても、絶縁層中にはさらにイミダゾールシランも含
まれているので、内層材の内層回路を構成する金属箔と
絶縁層との密着力の低下を防止することができるもので
あり、さらに上記金属箔に黒色酸化処理を施すことによ
って、内層回路と絶縁層との密着力を向上させることが
できるものである。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0027】[実施例1] ・樹脂組成物の調製 主剤として、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹
脂(大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−
865」)を50質量部、臭素化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(東都化成株式会社製「YDB−400」)
を15質量部用いた。
【0028】また硬化剤として、アルキルフェノールノ
ボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「VH
−4170」)を32質量部用いた。
【0029】さらにカップリング剤として、イミダゾー
ルシラン(株式会社日鉱マテリアルズ製「IA−100
A」)を上記主剤と硬化剤の総量100質量部に対して
0.3質量部用いた。
【0030】そして、上記主剤、硬化剤及びカップリン
グ剤を配合し、これをメチルエチルケトン(MEK)と
メトキシプロパノール(MP)の混合溶媒(質量比2:
1)に投入し、約6時間撹拌混合することによって、2
5℃で約200〜1000cpsの樹脂組成物を調製し
た。
【0031】・内層回路用プリプレグの作製 基材として、ガラスクロス(日東紡績株式会社製「WE
A7628」)を用いた。そして、上記のようにして調
製した樹脂組成物を上記基材に含浸させ、乾燥機で乾燥
させることによって、内層回路用プリプレグを作製し
た。この内層回路用プリプレグの樹脂含有率は内層回路
用プリプレグ全量に対して50質量%である。またこの
内層回路用プリプレグの硬化時間は170℃で150秒
である。
【0032】・多層プリント配線板の製造 内層材として、厚さ0.5mmの両面銅張積層板(松下
電工株式会社製「R1766」、銅箔厚さ:35μm)
に評価用の内層回路を形成し、この内層回路にブラック
オキサイド処理を施したものを用いた。そしてこの内層
材の両側に、上記のようにして作製した内層回路用プリ
プレグを1枚ずつ重ね、さらにその外側に厚さ18μm
の銅箔を重ね、170℃、3MPaの条件で2時間加熱
加圧成形することによって、多層プリント配線板を製造
した。
【0033】[実施例2] ・樹脂組成物の調製 主剤として、ブロム化エポキシ樹脂(東都化成株式会社
「YDB−500」、エポキシ当量:500g/eq、
臭素含有量:21質量%)を90質量部、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会
社製「N−690」、エポキシ当量:225g/eq)
を10質量部用いた。
【0034】また硬化剤として、フェノールノボラック
樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「TD−209
0」)を23.5質量部用いた。
【0035】さらにカップリング剤として、イミダゾー
ルシラン(株式会社日鉱マテリアルズ製「IA−100
A」)を上記主剤と硬化剤の総量100質量部に対して
0.5質量部用いた。
【0036】そして、上記主剤、硬化剤及びカップリン
グ剤を配合し、これをメチルエチルケトン(MEK)と
メトキシプロパノール(MP)の混合溶媒(質量比2:
1)に投入し、約6時間撹拌混合することによって、2
5℃で約200〜1000cpsの樹脂組成物を調製し
た。
【0037】・内層回路用プリプレグの作製 上記のようにして調製した樹脂組成物を用いた以外は、
実施例1と同様にして内層回路用プリプレグを作製し
た。
【0038】・多層プリント配線板の製造 上記のようにして作製した内層回路用プリプレグを用い
た以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を
製造した。
【0039】[実施例3] ・樹脂組成物の調製 実施例1と同様にして樹脂組成物を調製した。
【0040】・内層回路用プリプレグの作製 実施例1と同様にして内層回路用プリプレグを作製し
た。
【0041】・多層プリント配線板の製造 内層材の内層回路にブラックオキサイド処理を施した後
に化学還元処理を施した以外は、実施例1と同様にして
多層プリント配線板を製造した。
【0042】[実施例4] ・樹脂組成物の調製 エラストマーとして、架橋エラストマー(JSR株式会
社製「XER−91」、粒子径:0.5μm以下)を用
い、これを4質量部添加した以外は、実施例1と同様に
して樹脂組成物を調製した。
【0043】・内層回路用プリプレグの作製 上記のようにして調製した樹脂組成物を用いた以外は、
実施例1と同様にして内層回路用プリプレグを作製し
た。
【0044】・多層プリント配線板の製造 上記のようにして作製した内層回路用プリプレグを用い
た以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を
製造した。
【0045】[実施例5] ・樹脂組成物の調製 イミダゾールシランを配合するにあたって、予め50℃
にしたメチルエチルケトン(MEK)にイミダゾールシ
ランを溶かしたものを用いた以外は、実施例1と同様に
して樹脂組成物を調製した。
【0046】・内層回路用プリプレグの作製 上記のようにして調製した樹脂組成物を用いた以外は、
実施例1と同様にして内層回路用プリプレグを作製し
た。
【0047】・多層プリント配線板の製造 上記のようにして作製した内層回路用プリプレグを用い
た以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を
製造した。
【0048】[比較例1] ・樹脂組成物の調製 イミダゾールシランを配合することなく、2−エチル−
4−メチルイミダゾールを主剤と硬化剤の総量100質
量部に対して0.1質量部配合した以外は、実施例1と
同様にして樹脂組成物を調製した。
【0049】・内層回路用プリプレグの作製 上記のようにして調製した樹脂組成物を用いた以外は、
実施例1と同様にして内層回路用プリプレグを作製し
た。
【0050】・多層プリント配線板の製造 上記のようにして作製した内層回路用プリプレグを用い
た以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を
製造した。
【0051】[比較例2] ・樹脂組成物の調製 比較例1と同様にして樹脂組成物を調製した。
【0052】・内層回路用プリプレグの作製 上記のようにして調製した樹脂組成物を用いた以外は、
実施例1と同様にして内層回路用プリプレグを作製し
た。
【0053】・多層プリント配線板の製造 内層材の内層回路にブラックオキサイド処理を施した後
に化学還元処理を施した以外は、実施例1と同様にして
多層プリント配線板を製造した。
【0054】[比較例3] ・樹脂組成物の調製 硬化剤として、フェノールノボラック樹脂を用いること
なく、ジシアンジアミドを2.5質量部用いた。
【0055】またイミダゾールシランを配合することな
く、2−エチル−4−メチルイミダゾールを主剤と硬化
剤の総量100質量部に対して0.1質量部用いた。
【0056】そして上記以外は、実施例2と同様にして
樹脂組成物を調製した。
【0057】・内層回路用プリプレグの作製 上記のようにして調製した樹脂組成物を用いた以外は、
実施例1と同様にして内層回路用プリプレグを作製し
た。
【0058】・多層プリント配線板の製造 上記のようにして作製した内層回路用プリプレグを用い
た以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を
製造した。
【0059】[比較例4] ・樹脂組成物の調製 カップリング剤として、イミダゾールシランを用いるこ
となく、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
である日本ユニカー株式会社製「A−187」を1質量
部用いた以外は、比較例1と同様にして樹脂組成物を調
製した。
【0060】・内層回路用プリプレグの作製 上記のようにして調製した樹脂組成物を用いた以外は、
実施例1と同様にして内層回路用プリプレグを作製し
た。
【0061】・多層プリント配線板の製造 上記のようにして作製した内層回路用プリプレグを用い
た以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を
製造した。
【0062】<評価>実施例1〜5及び比較例1〜4の
多層プリント配線板について、密着性と耐熱性の評価を
行った。
【0063】密着性の評価は、多層プリント配線板の内
層回路用プリプレグが硬化した絶縁層と内層材の内層回
路との間を一部ナイフで剥がし、これを引っ張り試験機
(島津製作所株式会社製)に設置して、内層引き剥がし
強さを測定することによって行った。その結果を表1に
示す。
【0064】また耐熱性の評価は、次のようにして行っ
た。まず、上記のようにして作製した内層回路用プリプ
レグを5枚重ねると共に、その外側に厚さ18μmの銅
箔を配置し、これを170℃、3MPaの条件で2時間
加熱加圧して積層成形することによって、両面銅張積層
板を作製した。次に、この両面銅張積層板から50mm
×50mmのテストピースを切り出した。そしてこのテ
ストピースを250℃のオーブンに60分間投入した後
に取り出して、膨れの有無を確認した。膨れがなかった
ものを「○」、膨れがみられたものを「×」と判定し
た。その結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1にみられるように、実施例1〜5はい
ずれも密着性及び耐熱性が良好であることが確認され
る。特に、エラストマーを添加した実施例4や予めイミ
ダゾールシランを所定温度の有機溶媒に溶かした実施例
5はいずれも、実施例1に比べて密着性が向上している
ことが確認される。
【0067】これに対して、比較例1及び4は、アルキ
ルフェノールノボラック樹脂を用いているので耐熱性に
は優れているが、イミダゾールシランを用いていないの
で密着性が劣っていることが確認される。また比較例3
は、密着性には優れているが、ジシアンジアミドを用い
ているので耐熱性が劣っていることが確認される。
【0068】また、実施例1,4,5及び比較例1,4
はいずれも黒色酸化処理を施したものであるが、実施例
1,4,5の方が比較例1,4よりも密着性が優れてい
ることが確認される。一方、実施例3及び比較例2はい
ずれも化学還元処理を施したものであるが、実施例3の
方が比較例2よりも密着性が優れていることが確認され
る。このように、黒色酸化処理を施したものであっても
化学還元処理を施したものであっても密着性向上の効果
を得ることはできるが、表1の内層引き剥がし強さの結
果をみれば、黒色酸化処理を施したものの方が化学還元
処理を施したものよりも、密着性を高める度合いが著し
く大きいことが確認される。
【0069】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る内
層回路用プリプレグは、主剤としてエポキシ樹脂、硬化
剤としてフェノールノボラック樹脂、カップリング剤と
してイミダゾールシランを用いて調製した樹脂組成物を
基材に含浸させると共にこれを乾燥させているので、フ
ェノールノボラック樹脂によって、樹脂組成物の硬化物
の耐熱性を高く得ることができると共に、イミダゾール
シランによって、金属箔に対する樹脂組成物の硬化物の
密着性を高く得ることができるものである。
【0070】また請求項2の発明は、主剤と硬化剤の総
量100質量部に対してイミダゾールシランを0.01
〜1.0質量部用いているので、金属箔に対する樹脂組
成物の硬化物の密着性を確実に高く得ることができるも
のである。
【0071】また請求項3の発明は、樹脂組成物にエラ
ストマーを添加しているので、金属箔に対する樹脂組成
物の硬化物の密着性をさらに高く得ることができるもの
である。
【0072】また請求項4の発明は、イミダゾールシラ
ンを予め5〜100℃にした有機溶剤に溶かして用いて
いるので、イミダゾールシランをそのまま他の成分と混
合させるよりも、密着性向上の効果を一層高く得ること
ができるものである。
【0073】また請求項5に係る内層回路用金属張積層
板は、請求項1乃至4のいずれかに記載の内層回路用プ
リプレグを所要枚数積層すると共にこの片側又は両側に
金属箔を重ね合わせて加熱加圧成形しているので、フェ
ノールノボラック樹脂の使用によって、耐熱性を高く得
ることができると共に、イミダゾールシランの使用によ
って、耐熱性を高く維持しつつ密着性の低下を防止する
ことができるものである。
【0074】また請求項6に係る多層プリント配線板
は、請求項5に記載の内層回路用金属張積層板の表面の
金属箔を黒色酸化処理すると共にこの面に請求項1乃至
4のいずれかに記載の内層回路用プリプレグを重ね合わ
せて加熱加圧成形しているので、フェノールノボラック
樹脂の使用によって、耐熱性を高く得ることができると
共に、イミダゾールシランの使用と黒色酸化処理によっ
て、耐熱性を高く維持しつつ密着性を向上させることが
できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 63:00 C08L 63:00 Z (72)発明者 井原 清暁 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 野口 裕 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA07 AB02 AB03 AB09 AB28 AB29 AB31 AD27 AD28 AD29 AF21 AG03 AG17 AG19 AH02 AH21 AJ04 AJ11 AK14 AL13 4F100 AB01B AB01C AB17 AB33B AB33C AH06A AH06D AH06E AK01A AK01D AK01E AK33A AK33D AK33E AK51A AK51D AK51E AL05A AL05D AL05E AL09A AL09D AL09E AT00A AT00D AT00E BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA11 DH01A DH01D DH01E EJ12 EJ121 EJ17 EJ172 EJ42 EJ422 GB43 JJ03 JL11 YY00A YY00D YY00E 5E346 AA02 AA12 AA15 AA22 AA32 AA51 CC02 CC09 CC32 DD02 DD12 EE06 EE09 EE13 EE18 GG28 HH11 HH31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主剤としてエポキシ樹脂、硬化剤として
    フェノールノボラック樹脂、カップリング剤としてイミ
    ダゾールシランを用いて調製した樹脂組成物を基材に含
    浸させると共にこれを乾燥させて成ることを特徴とする
    内層回路用プリプレグ。
  2. 【請求項2】 主剤と硬化剤の総量100質量部に対し
    てイミダゾールシランを0.01〜1.0質量部用いて
    成ることを特徴とする請求項1に記載の内層回路用プリ
    プレグ。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物にエラストマーを添加して成
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の内層回路用
    プリプレグ。
  4. 【請求項4】 イミダゾールシランを予め5〜100℃
    にした有機溶剤に溶かして用いて成ることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の内層回路用プリプレ
    グ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の内層
    回路用プリプレグを所要枚数積層すると共にこの片側又
    は両側に金属箔を重ね合わせて加熱加圧成形して成るこ
    とを特徴とする内層回路用金属張積層板。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の内層回路用金属張積層
    板の表面の金属箔を黒色酸化処理すると共にこの面に請
    求項1乃至4のいずれかに記載の内層回路用プリプレグ
    を重ね合わせて加熱加圧成形して成ることを特徴とする
    多層プリント配線板。
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