JP2003315494A - キャスク及び金属ガスケット - Google Patents

キャスク及び金属ガスケット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャスクにおける長期間の使用においても十
分な密封性能を確保すること。 【解決手段】 金属ガスケット20は、環状のコイルス
プリング30に内被40を被覆し、さらに、外被50に
より内外輪をまとめて被覆した構成である。金属ガスケ
ット20の外被50には、二次蓋508等と接して密封
するためのシール領域50sが形成されており、このシ
ール領域50sは平面に形成されている。外被50の材
料には、アルミニウム、銀、銅、ニッケルなどの軟質金
属が用いられており、密封性能を確保する。また、内被
40及びコイルスプリング30にはインコネルを用い
て、高温環境下においても弾性を維持できるようにして
ある。この金属ガスケット20はキャスクの胴本体と蓋
との間に配置されて、キャスクの胴本体内部を密封して
外気から遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼を終えた使
用済み燃料集合体を収容する圧力容器であって、長期間
の貯蔵においても十分な密封性能を維持できる信頼性の
高いキャスク及び金属ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終
え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み燃料集
合体という。使用済み燃料集合体は、FPなど高放射能
物質を含むので熱的に冷却する必要があるから、原子力
発電所の冷却ピットで約10年間冷却される。その後、
遮蔽容器であるキャスクに収納され、トラック等で再処
理施設に搬送、貯蔵される。キャスク内には、高放射能
物質が収容されているので、40〜60年が見込まれる
貯蔵期間中における当該キャスクの密封には厳重なる注
意が必要である。
【0003】図19は、従来のキャスクの構造を示す断
面図である。図20は、図19に示したキャスクの一部
拡大図である。このキャスク500は、ステンレス製ま
たは炭素鋼製の胴本体501と、キャスク外面を構成す
る外筒502と、胴本体501と外筒502との間に充
填される水素を含有した高分子材料のレジン503と、
胴本体501の下部に溶接され、レジン504を封入し
た構造の底板505と、胴本体501に溶接一体化した
フランジ部506に設けた一次蓋507及び二次蓋50
8とから構成される。使用済み燃料集合体を収納するバ
スケット513は、胴本体501のキャビティ509内
に配置される。前記一次蓋507と二次蓋508は、図
20に示すように、ボルト510、511によってフラ
ンジ部506に固定され、二次蓋508にはレジン51
2が封入されている。
【0004】前記バスケット513は、ボロン(B)と
アルミニウムとの複合材料によって形成した複数のセル
から構成されている。また、このキャスク500のキャ
ビティ509内にはヘリウムガスが負圧状態で充填され
ている。その一方、一次蓋507と二次蓋508の間の
空隙内は正圧となり、これによってキャスク500内部
と外部との間に圧力障壁を形成している。また、二次蓋
508には、蓋間空間の圧力を測定するための孔514
が設けられており、この孔514の出口には圧力センサ
ー515が設けられている。
【0005】前記一次蓋507には、キャスク500内
のガスを置換するためのバルブ516が設けられてお
り、当該バルブ516はバルブカバー517によって覆
われている。一次蓋507と胴本体501との間、二次
蓋508と胴本体501との間の密封には、長期間に渡
って密封機能を維持する観点から耐熱性、耐食性を有し
耐久性の高い金属ガスケット518、519を用いる。
【0006】図21は、キャスクのシールに使用する金
属ガスケット及びキャスクのシール部を示す拡大図であ
る。なお、一次蓋507と胴本体501との間及び二次
蓋508と胴本体501との間のシール部は同様のシー
ル構造となる。ガスケット溝525は機械加工により形
成され、使用する金属ガスケット518、519は二連
リング構造のものを用いる。この金属ガスケット51
8、519は、腐食や高温酸化に強いインコネル(商標
名:クロム16%、鉄7%を含むニッケル系合金)によ
って製作したコイルスプリング521に、同じくインコ
ネル製の内被522で被覆し、さらに、アルミニウム製
の外被523により内外輪をまとめて被覆した構成であ
る。図21(a)は、金属ガスケット518(519)
の使用前における状態を示す。金属ガスケット518
(519)は、二次蓋508等と胴本体501等とが固
定されると、その締付け力によって図21(b)のよう
に変形し、密封機能を発揮する。
【0007】ガスケット溝525に対しては、外被52
3部分に設けたボルト穴を用いて固定する。前記金属ガ
スケット518、519には、例えば原子力用キャスク
に対する使用実績が多い、日本バルカー工業株式会社製
「トライバック」やフランス国のCEFILAC社製の「ヘリ
コフレックスシール」などを用いることができる。
【0008】金属ガスケットの塑性変形率と密封性能の
温度・時間依存性はLarson-Miller Parameter(LMP)
により表すことが可能であり、その詳細は、「使用済燃
料貯蔵キャスクの長期密封性能評価手法の開発」(加
藤、伊東、三枝、日本原子力学会誌、Vol.38,No.6,95〜
101,1996)により開示されている。一般的に、金属ガス
ケットの長期密封性能は、密封保持限界のLMPを求
め、所定温度における限界時間を予測することにより行
う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、使用済み燃
料集合体を内部に格納したキャスク500は、貯蔵施設
で数十年という長い期間貯蔵される。このとき、使用済
み燃料の崩壊熱によって、金属ガスケット518、51
9は120℃程度の環境下で使用が開始される。そし
て、数十年の貯蔵期間中に徐々に温度を下げて、貯蔵期
間の末期には60℃程度の環境下で使用されることにな
る。金属ガスケット518、519の外被523はアル
ミニウムであり、上記温度範囲はアルミニウムにとって
高温クリープと低温クリープとの間で使用されることに
なる。このため、初期には十分な密封性能を持っていた
金属ガスケット518、519であっても、高温環境下
における長期間の使用によって、クリープ変形による応
力緩和現象が発生し、密封性能の低下を招くおそれがあ
った。また、従来の金属ガスケット518、519は、
数MPaの作用圧力の下で密封を保つ性能を持っている
が、作用圧力が高い分、強い力で外被523を押し付け
ることになる。このため、外被523がクリープしやす
く、数十年の長期にわたり所期の密封性能を維持できる
金属ガスケットは、クリープ現象の少ない高級材料(例
えば金、銀等)を使用するか、クリープ現象が生じても
密封機能を維持できる大きなガスケット線径のものを使
用するのが現状であった。
【0010】また、使用済み燃料集合体をキャスク50
0内に収納するときにはプール内で作業する必要があ
る。そして、プール内に沈めた状態で金属ガスケット5
18を組み付けた後は、真空乾燥によって金属ガスケッ
ト518の水分を取り除く必要がある。しかし、シール
部の隙間は小さいため、短時間では金属ガスケット51
8の内部に入り込んだ水分を完全に除去できない場合が
ある。このため、金属ガスケット518の内部に入り込
んだ水分を完全に除去するには非常に長い時間を要して
いた。
【0011】そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、長期間の使用においても金属ガスケッ
トの劣化を最小限にして十分な密封性能を確保するこ
と、真空乾燥時には確実に金属ガスケット中の水分を除
去して長期貯蔵の全期間にわたって十分な密封性能を発
揮させること、真空乾燥に要する時間を短縮すること、
のうち少なくとも一つを達成できるキャスク及び金属ガ
スケットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係るキャスクは、使用済み燃料集合体
を収納するバスケットを格納するキャビティが形成され
た放射線を遮蔽する胴本体と、当該胴本体のキャビティ
開口側に取り付けられる蓋と、環状のコイルスプリング
と、当該コイルスプリングを被覆する金属の外被とを有
し、前記胴本体と前記蓋との間に介在して前記キャビテ
ィ内の密封を保持する金属ガスケットとを備え、前記金
属ガスケットは、前記胴本体及び前記蓋と接する前記外
被のシール領域に締付け力が作用した場合における当該
シール領域の応力分布が、前記外被のシール領域以外の
領域に締付け力が作用した場合における前記シール領域
以外の領域の応力分布よりも均一であることを特徴とす
る。
【0013】また、請求項2に係るキャスクは、使用済
み燃料集合体を収納するバスケットを格納するキャビテ
ィが形成された放射線を遮蔽する胴本体と、当該胴本体
のキャビティ開口側に取り付けられる蓋と、環状のコイ
ルスプリングと、当該コイルスプリングを被覆する金属
の外被とを有し、前記胴本体と前記蓋との間に介在して
前記キャビティ内の密封を保持する金属ガスケットとを
備え、前記金属ガスケットは、前記胴本体及び前記蓋と
接する前記外被のシール領域が、密封のために前記金属
ガスケットに作用させる締付け力を分散させる形状に形
成されていることを特徴とする。
【0014】このキャスクは、蓋と胴本体との密封を保
持するために、金属ガスケットを使用する。そして、締
付け力を作用させた場合におけるこの金属ガスケットの
外被におけるシール領域の応力分布は、前記シール領域
以外の領域に締付け力を作用させたと仮定した場合にお
ける当該領域の応力分布よりも均一になるようにしてあ
る(請求項1)。また、金属ガスケットのシール領域
は、金属ガスケットの締付け力を分散させるようにして
ある(請求項2)。このため、シール領域における局所
的な応力集中を緩和できるので、外被のクリープ変形の
進行を抑制できる。これによって、長期貯蔵においても
金属ガスケットの応力緩和現象を抑えることができる。
また、金属ガスケットのスプリングバック(有効弾性復
元)も多くとることができるので、蓋と胴本体とのずれ
に対する裕度を大きくできる。その結果、長期貯蔵にお
いてもより高い安全性を担保できる。ここで、金属ガス
ケットのシール領域とは、金属ガスケットの外被の一部
であって、キャスクの胴本体と蓋とに接して密封する領
域をいう(以下同様)。
【0015】また、請求項3に係るキャスクは、使用済
み燃料集合体を収納するバスケットを格納するキャビテ
ィが形成された放射線を遮蔽する胴本体と、当該胴本体
のキャビティ開口側に取り付けられる蓋と、環状のコイ
ルスプリングと、前記コイルスプリングを被覆し、且つ
前記胴本体及び前記蓋と接するシール領域が予め平面に
形成された環状の外被とを有し、前記胴本体と前記蓋と
の間に介在して前記キャビティ内の密封を保持する金属
ガスケットとを備えたことを特徴とする。また、請求項
24に記載の金属ガスケットは、環状のコイルスプリン
グと、前記コイルスプリングを被覆し、且つ密封対象物
と接するシール領域が予め平面に形成された環状の外被
とを備えたことを特徴とする。
【0016】このキャスクは、外被のシール領域を予め
平面に形成した金属ガスケットを用いて、蓋と胴本体と
の密封を保持する。このように、密封対象物である蓋及
び胴本体と金属ガスケット外被のシール領域とが平面で
接するので、前記外被のシール領域における応力集中を
分散させて、応力分布をより均一にできる。これによっ
て、外被のクリープ変形の進行を抑制できるので、長期
貯蔵においても金属ガスケットの応力緩和現象を抑える
ことができる。また、応力緩和現象を抑えることによっ
て、金属ガスケットのスプリングバックも多くとること
ができるので、蓋と胴本体とのずれに対する裕度を大き
くできる。その結果、長期貯蔵においてもより高い安全
性を担保できる。また、シール面を平坦にすることで外
被の厚みを選択できるので、外被を従来よりも厚くし
て、シール部からの外被の逃げをより拘束することもで
きる。
【0017】また、請求項4に係るキャスクは、請求項
3に記載のキャスクにおいて、さらに、上記環状の外被
における上記シール領域を形成する平面と、上記シール
領域以外の部分とが交わる部分には、上記環状の外被の
周方向に向かう段部が形成されていることを特徴とす
る。
【0018】単に金属ガスケットのシール領域を平面に
形成したのでは、シール領域とシール領域以外の部分と
が交わる部分に応力集中が生じてしまう。このため、当
該部分に環状の外被の周方向に向かう段部を形成して、
この部分における応力集中を低減させる。これによっ
て、外被のシール領域における応力分布をさらに均一に
できるので、外被のクリープ変形の進行をさらに抑制で
きる。したがって、長期貯蔵においても金属ガスケット
の応力緩和現象をさらに抑えることができるので、さら
に高い安全性を担保できる。
【0019】また、請求項5に記載のキャスクは、請求
項3又は4に記載のキャスクにおいて、さらに、上記金
属ガスケットの上記シール領域は、上記環状の外被の周
方向に向かう少なくとも1の溝部を有することを特徴と
する。
【0020】金属ガスケットのシール領域を平面に形成
した場合であっても、仕上げ具合によって応力が高くな
る部分が存在する。このキャスクでは、このような応力
が高くなる部分に金属ガスケットの周方向に向かう溝を
設けた金属ガスケットによって胴本体と蓋とを密封す
る。これによって、金属ガスケットのシール領域の応力
集中を低減させて、応力分布を均一にできるので、クリ
ープ変形の進行を抑制して、長期間貯蔵においても密封
性能を維持できる。なお、溝部の寸法および個数は、シ
ール領域の応力分布に応じて適宜選択できる。
【0021】また、請求項6に係るキャスクは、請求項
1〜5のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、さら
に、ある作用圧力に耐え得る上記金属ガスケットの断面
直径と上記環状のコイルスプリングの素線径との組合せ
において、この環状のコイルスプリングの素線径を細く
したことを特徴とする。
【0022】金属ガスケットの作用圧力は、金属ガスケ
ットの断面直径と内部に被覆されているコイルスプリン
グの素線径とによって決定される。キャスクの胴本体と
蓋との密封に使用するためには、ずれに対する裕度を持
たせる必要がある。このため、ある程度のつぶれ代を確
保するためにある程度の断面直径を持った金属ガスケッ
トを使用する必要がある。しかし、従来の金属ガスケッ
トでこの用途に使用する断面直径の金属ガスケットを選
択すると、作用圧力が高すぎるためコイルスプリングの
曲げ剛性が高すぎて、数十年の貯蔵期間中に外被がクリ
ープダウンした場合には、十分なスプリングバック量を
確保できなかった。
【0023】このキャスクは、作用圧力の高い金属ガス
ケット、すなわちキャスクの胴本体と蓋との密封に使用
できる程度の断面直径を持った金属ガスケットにおい
て、コイルスプリングの素線径を細くして曲げ剛性を低
くすることで、十分なスプリングバック量を確保してい
る。これによって、長期間の貯蔵によって外被がクリー
プダウンした場合でも、十分なスプリングバック量を確
保できるので、安定した密封性能を発揮して、輸送時の
安全性も確保できる。ここで、キャスクの胴本体と蓋と
の密封に使用できる程度の断面直径は5.0mm以上で
あり、従来の金属ガスケットでは50MPa以上の作用
圧力を持つものである。
【0024】また、コイルスプリングの曲げ剛性があま
り低いと、金属ガスケットがつぶれたまま復元しなくな
るので、無闇に曲げ剛性を低くすることはできない。請
求項7に係るキャスクのように、素線径を細くした上記
環状のコイルスプリングのスプリング曲げ剛性は、素線
径を細くする前の約30%以上約80%以下とすること
が好ましい。この範囲であれば、ある程度の曲げ剛性を
確保しつつスプリングバック量を大きくする効果を得る
ことができる。
【0025】このような範囲を、コイルスプリングの素
線径dと金属ガスケットの断面直径Dとで表せば、環状
のコイルスプリングの素線径dと金属ガスケットの断面
直径Dとの比d/Dが約0.02以上約0.08以下の
範囲である(請求項8、請求項25)。さらに具体的に
は、環状のコイルスプリングの素線径dは約0.35m
m以上約0.80mm以下であり、金属ガスケットの断
面直径Dは約5.0mm以上約12.0以下である(請
求項9、26)。このような範囲であれば、ある程度の
曲げ剛性を確保しつつスプリングバック量を大きくする
効果を得ることができるので、長期間貯蔵においても高
い密封性能を維持でき、また、胴本体と蓋とのずれに対
する裕度も維持できる。
【0026】また、請求項10に係るキャスクは、請求
項1〜9のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、さ
らに、上記環状のコイルスプリングは、素線の断面形状
が矩形であることを特徴とする。また、請求項27に係
る金属ガスケットは、請求項24〜26のいずれか1項
に記載の金属ガスケットにおいて、素線の断面が矩形の
環状のコイルスプリングと、当該コイルスプリングを被
覆する外被と、を備えたことを特徴とする。
【0027】このキャスクは、断面形状が矩形の素線を
使用した金属ガスケットを使用している。このため、断
面円形のコイルスプリングと比較して内被や外被との接
触面積を大きくできるので、より均等にコイルスプリン
グの反発力を外被に伝えることができる。これによっ
て、外被の応力分布をより均等にできるので、クリープ
変形に起因する金属ガスケットの応力緩和現象を低減で
きる。その結果、長期貯蔵においても密封性能を維持で
きる。なお、本発明にいう矩形には、正方形と長方形と
を含むものとする(以下同様)。
【0028】また、請求項11に係るキャスクは、請求
項1〜10のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、
さらに、上記金属ガスケットは、上記外被で被覆された
上記環状のコイルスプリングの部分における断面が楕円
形状であって、シール領域の曲率半径はシール領域以外
の部分における曲率半径よりも大きいコイルスプリング
を備えたことを特徴とする。また、請求項28に係る金
属ガスケットは、請求項24〜27のいずれか1項に記
載の金属ガスケットにおいて、さらに、上記金属ガスケ
ットは、上記外被で被覆された上記環状のコイルスプリ
ングの部分における断面が楕円形状であって、シール領
域の曲率半径はシール領域以外の部分における曲率半径
よりも大きいコイルスプリングを備えたことを特徴とす
る。
【0029】このキャスクは、予め断面が楕円状に形成
された金属ガスケットを使用して、胴本体と蓋との気密
を保持するものである。そして、この金属ガスケット
は、シール領域の曲率半径はシール領域以外の部分にお
ける曲率半径よりも大きい楕円状の断面である。すなわ
ち、断面円形の金属ガスケットを締め付け方向に対して
押しつぶしたような形状である。このため、断面形状が
円形である場合と比較して、スプリングの曲げ剛性を低
くできる。これによって、スプリングバック量を十分に
確保できるので、従来の金属ガスケットよりも大きなず
れが生じても、キャスクの気密を維持できるので、より
安全に輸送できる。また、従来の金属ガスケットと比較
して、このコイルスプリングは外被のシール領域とより
大きな面積で接触するので、外被に作用する応力を従来
よりも小さくできる。これによって、外被のクリープ変
形を抑えて、応力緩和現象を低減できる。さらに、コイ
ルスプリングの曲げ剛性は従来の金属ガスケットよりも
小さいので、コイルスプリングの側部における外被のへ
たりも従来より低減でき、長期貯蔵における信頼性を高
くできる。
【0030】また、請求項12に記載のキャスクは、請
求項1〜11のいずれか1項に記載のキャスクにおい
て、さらに、上記金属ガスケットは、フープ径の異なる
二個の上記環状のコイルスプリングを同心状に配置して
二重リングを構成し、それぞれの上記環状のコイルスプ
リングを上記外被によって被覆して一体化したことを特
徴とする。また、請求項29に係る金属ガスケットは、
請求項24〜28のいずれか1項に記載の金属ガスケッ
トにおいて、さらに、上記金属ガスケットは、フープ径
の異なる二個の上記環状のコイルスプリングを同心状に
配置して二重リングを構成し、それぞれの上記環状のコ
イルスプリングを上記外被によって被覆して一体化した
ことを特徴とする。
【0031】このキャスクは、フープ径の異なる環状の
コイルスプリングを同心状に配置し、これらを外被で一
体とした金属ガスケットによって、胴本体と蓋とを密封
する。そして、個々のコイルスプリングについては、上
記キャスク又は金属ガスケットの構成を適用するので、
上記キャスク又は金属ガスケットの奏する作用効果が得
られる。さらに、外被同士で個々のコイルスプリングを
一体化しているので、長期間貯蔵において外被がクリー
プ変形しても、二個のコイルスプリングが互いにこのク
リープ変形を規制する。これによって、外被のクリープ
変形に起因する金属ガスケットの応力緩和現象をさらに
抑えて、より高い安全性を担保できる。
【0032】また、請求項13に係るキャスクは、請求
項1〜12のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、
さらに、フープ径の異なる二個の上記環状のコイルスプ
リングを同心状に配置して二重リングを構成し、それぞ
れの上記環状のコイルスプリングを上記外被によって被
覆し、且つ上記外被の端部同士を接合して断面楕円状に
形成したことを特徴とする。また、請求項30に係る金
属ガスケットは、請求項24〜29のいずれか1項に記
載の金属ガスケットにおいて、さらに、フープ径の異な
る二個の上記環状のコイルスプリングを同心状に配置し
て二重リングを構成し、それぞれの上記環状のコイルス
プリングを上記外被によって被覆し、且つ上記外被の端
部同士を接合して断面楕円状に形成したことを特徴とす
る。
【0033】このキャスクは、フープ径の異なる環状の
コイルスプリングを同心状に配置し、これらを外被で被
覆した後、外被の端部同士を接合した断面楕円状の金属
ガスケットによって、胴本体と蓋とを密封する。このた
め、蓋側と胴本体側との両方のシール領域において、二
個のコイルスプリングが互いに外被のクリープ変形を規
制できる。これによって、外被のクリープ変形に起因す
る金属ガスケットの応力緩和現象をさらに抑えて、長期
貯蔵においてさらに高い安全性を担保できる。また、外
被の端部同士を接合することによって、金属ガスケット
の濡れ面積を最小にした完全な密封構造とすることがで
きる。キャスクは、安全上の配慮から、水を満たしたプ
ール内で使用済み燃料集合体を格納し、金属ガスケット
を介して本体胴と蓋とで密封する。このため、真空乾燥
その他の手段で水分を除去する必要があるが、この金属
ガスケットは内部に水分が浸入しないので耐腐食性に優
れ、長期貯蔵における信頼性を高くできる。また、金属
ガスケットの濡れ面積が小さいので、従来よりも容易に
乾燥できる。なお、金属ガスケットの断面を楕円状とし
たものには、図12(a)に示すように金属ガスケット
の断面を通常の楕円形としたものの他、図13(a)に
示すように二つの円弧と二つの直線とで構成されるレー
ストラック状の形状も含まれるものとする(以下同
様)。
【0034】また、請求項14に係るキャスクは、請求
項13に記載のキャスクにおいて、さらに、上記外被と
上記二個の環状のコイルスプリングとで囲まれた空間
に、上記金属ガスケットの締付け方向に対する上記外被
の動きを制限するスペーサを備えたことを特徴とする。
また、請求項31に係る金属ガスケットは、請求項30
に記載の金属ガスケットにおいて、さらに、上記外被と
上記二個の環状のコイルスプリングとで囲まれた空間
に、上記金属ガスケットの締付け方向に対する上記外被
の動きを制限するスペーサを備えたことを特徴とする。
【0035】このキャスクは、同心状に配置したフープ
径の異なる二個のコイルスプリングの間に、予めスペー
サを備えてから外被の端部同士を接合した金属ガスケッ
トを使用する。このため、このスペーサによって外被の
変形を抑えることができるので、外被のクリープ変形を
より抑制して、長期保管における信頼性をさらに高くで
きる。また、外被の端部同士を接合する際には、外被が
このスペーサによって支えられるので、外被の変形を抑
えて端部同士を容易に接合できる。これによって、施工
効率を高くでき、より確実に外被を接合できる。これに
よって、金属ガスケットの気密性をより高くして、接合
部からの水の浸入をより確実に防止できるので、さらに
耐腐食性能を高くできる。
【0036】また、請求項15に係るキャスクは、請求
項12〜14のいずれか1項に記載のキャスクにおい
て、上記二個の環状のコイルスプリングのうち、一方の
直径を他方の直径よりも小さくしたことを特徴とする。
また、請求項32に係る金属ガスケットは、請求項29
〜31のいずれか1項に記載の金属ガスケットにおい
て、上記二個の環状のコイルスプリングのうち、一方の
直径を他方の直径よりも小さくしたことを特徴とする。
【0037】このキャスクは、異なるフープ径を持つ二
個の環状のコイルスプリングを同心状に配置し、両者の
スプリング直径を異ならせて径の異なるガスケットリン
グを備えた金属ガスケットを用いる。このため、径の大
きい方のガスケットリングがキャスクの胴本体及び蓋と
接するが、この状態で真空乾燥すれば、径の小さいほう
のガスケットリング側に隙間が残るので、金属ガスケッ
トに付着した水分が容易に蒸発する。このように、金属
ガスケット内の水分を十分に取り除くことができるの
で、金属ガスケットが腐食するおそれを極小にできる。
これによって、長期間の貯蔵においても密封性能の信頼
性を高くできる。
【0038】また、請求項16に係るキャスクは、請求
項13〜15のいずれか1項に記載のキャスクにおい
て、さらに、上記二個の環状のコイルスプリング間にお
ける上記外被は、上記金属ガスケットの締付け方向に向
かって湾曲させたことを特徴とする。
【0039】このキャスクは、異なるフープ径を持つ二
個の環状のコイルスプリングを同心状に配置してこれら
を外被で被覆して一体とし、さらに前記コイルスプリン
グ間における外被を、金属ガスケットの締付け方向に向
かって予め湾曲させた金属ガスケットを使用する。この
ため、外被とキャスクの胴本体あるいは外被と蓋との間
に空間ができるので、プール内でこの空間に入り込んだ
水を除去しやすくなる。これによって、残留水分をより
効果的に取り除くことができるので、金属ガスケットや
蓋等が腐食するおそれを極小にして、長期間の貯蔵にお
いても密封性能の信頼性を高くできる。
【0040】また、請求項17に係るキャスクは、請求
項1〜16のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、
さらに、上記外被には水抜き孔が設けられていることを
特徴とする。
【0041】このキャスクは、金属ガスケットの外被に
水抜き孔を設けた金属ガスケットを使用する。このた
め、乾燥の際にはこの水抜き孔から金属ガスケット内に
残留した水分が排出されるので、より効率よく金属ガス
ケットを乾燥させることができる。これによって、長期
貯蔵においても金属ガスケットの腐食を抑制できる。な
お、水抜き孔は、コイルスプリングを被覆している外被
に設けてもよい。このとき、コイルスプリングと外被と
の間に内被を備えた形式のものでは、内被まで水抜き孔
を貫通させることが望ましい。また、二個の異なるフー
プ径のコイルスプリングを同心状に配置して、両者を外
被で被覆するタイプのものでは、前記コイルスプリング
同士の間における外被に水抜き孔を設けてもよい。この
ときには、水抜き孔を設けたコイルスプリング同士の間
における外被を湾曲させてもよい。このようにすると、
外被と蓋等との間に隙間ができるので、水の表面張力の
影響を小さくして排水性を向上させることができる。
【0042】また、請求項18に係るキャスクは、請求
項1〜17のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、
さらに、上記外被は、上記胴本体及び上記蓋よりも軟ら
かい金属であることを特徴とする。このため、キャスク
の胴本体や蓋を傷つけることはないので、これらを容易
に再利用することができる。
【0043】また、請求項19に係るキャスクは、請求
項1〜18のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、
さらに、上記環状コイルスプリングと上記外被との間
に、上記環状のコイルスプリングを被覆する内被を備え
たことを特徴とする。また、請求項33に記載の金属ガ
スケットは、請求項24〜32のいずれか1項に記載の
金属ガスケットにおいて、さらに、上記環状コイルスプ
リングと上記外被との間に、上記環状のコイルスプリン
グを被覆する内被を備えたことを特徴とする。
【0044】このキャスクは、コイルスプリングと外被
との間に、コイルスプリングを被覆する内被をさらに備
えた金属ガスケットを使用する。このため、上記キャス
ク又は金属ガスケットの奏する作用・効果の他に、特に
アルミニウムやスズ等の軟質金属を外被に使用した場合
には、この内被によって、コイルスプリングの押圧力が
外被に均等に伝わるという作用が得られる。これによっ
て、外被の局所的な応力集中を分散させることができる
ので、外被のクリープ変形に起因する応力緩和現象を抑
えて、長期貯蔵における信頼性を高めることができる。
【0045】また、請求項20に係るキャスクは、請求
項1〜19のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、
さらに、上記外被は上記胴本体及び上記蓋よりも腐食電
位が高い金属であることを特徴とする。このため、まず
外被から腐食するため、高価なキャスクの胴本体および
蓋を腐食から守ることができる。
【0046】また、請求項21に係るキャスクは、請求
項1〜20のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、
さらに、少なくとも上記金属ガスケットの環状のコイル
スプリングが大気に触れる箇所には、シリコン樹脂その
他のシール手段で覆うことを特徴とする。また、請求項
34に記載の金属ガスケットは、請求項24〜33のい
ずれか1項に記載の金属ガスケットにおいて、さらに、
少なくとも上記金属ガスケットの環状のコイルスプリン
グが大気に触れる箇所には、シリコン樹脂その他のシー
ル手段で覆うことを特徴とする。
【0047】このキャスクは、金属ガスケットのコイル
スプリングが大気に触れる部分をシール手段によって覆
うようにしている。このため、プール内で金属ガスケッ
トを取り扱っても、金属ガスケット内に水が浸入するこ
とはないので、金属ガスケットの腐食を抑えて長期貯蔵
においても高い密封性能を維持できる。
【0048】また、請求項22に係るキャスクは、請求
項1〜21のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、
さらに、上記金属ガスケットには、撥水剤が塗布されて
いることを特徴とする。また、請求項35に係る金属ガ
スケットは、請求項24〜34のいずれか1項に記載の
金属ガスケットにおいて、さらに、上記金属ガスケット
には、撥水剤が塗布されていることを特徴とする。この
ため、撥水剤によって金属ガスケットに付着した水がは
じかれるので、真空乾燥においては、容易に水分を除去
できる。これによって、金属ガスケットに残留する水分
を極小にできるので、金属ガスケットの腐食を抑えて長
期貯蔵においても高い密封性能を維持できる。
【0049】また、請求項23に係るキャスクは、請求
項1〜22のいずれか1項に記載のキャスクにおいて、
さらに、上記金属ガスケットには、有機剤が塗布されて
いることを特徴とする。このキャスクは、アルコールそ
の他の有機剤を予め塗布した金属ガスケットを介して、
蓋をキャスクの本体胴に取り付ける。このため、水中に
おける使用済み燃料集合体の格納時においては、これら
の有機剤によって金属ガスケットに対する水の侵入を防
止する。そして、これらの有機剤は沸点が低いため、真
空乾燥の際にはこれらの有機剤が完全に蒸発して水分は
金属ガスケットに残留しない。このようにしても、残留
水分を除去できるので、長期貯蔵においても金属ガスケ
ットの腐食を抑制して、貯蔵の信頼性を高くすることが
できる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。また、下記実施の形
態における構成要素には、当業者が容易に想定できるも
の或いは実質的に同一のものが含まれる。なお、本発明
に係る金属ガスケットの適用範囲は特に限定されるもの
ではなく、例えばキャスクのシールや原子炉格納容器の
シール部分等にも適用できる。また、この金属ガスケッ
トは、特に比較的高温環境下で数十年の単位で密閉性能
を維持するような用途に適しており、その中でも使用済
み燃料集合体を収納して運搬し、長期間貯蔵するキャス
クに好適である。
【0051】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1に係るキャスクにおけるシール構造を示す説明
図である。また、図2は、この発明の実施の形態1に係
る金属ガスケットを示す断面図である。このキャスクの
シール構造10は、外被のシール領域50sを予め平面
に形成した金属ガスケットを使用してシールする点に特
徴がある。なお、次に説明する金属ガスケット20は、
フープ径Dfの異なる二個のコイルスプリング30aと
30bとを同心状に配置して、両者を外被50によって
被覆しながら結合する、いわゆるダブルリングタイプの
ものである。しかし、本発明に適用できる金属ガスケッ
トはこのタイプには限られず、図2(b)に示すよう
な、1個のコイルスプリング30を内被40と外被50
とで被覆する、いわゆるシングルリングタイプの金属ガ
スケット20'にも適用できる。以下の実施の形態にお
いても同様である。なお、内被40は必ずしも必要では
ない。
【0052】図1に示すように、このシール構造10
は、例えばキャスク500の二次蓋508と胴本体50
1のフランジ部との間に設けられる。なお、キャスクの
一次蓋と胴本体501との間にももちろんこの発明に係
るシール構造及び金属ガスケットは適用できる(以下同
様)。図2に示すように、金属ガスケット20は、環状
のコイルスプリング30に内被40を被覆し、さらに、
外被50により内外輪をまとめて被覆した構成である。
この金属ガスケット20のフープ径Df(胴本体501
の中心Cから金属ガスケット20までの距離)は2m程
度、内輪70及び外輪80それぞれの断面直径Dは5.
5mm程度、外被50の厚さは0.4mm、内被40の
厚さは0.2mmとなる。外被50の材料には、アルミ
ニウム、銀、銅、ニッケルなどの軟質金属が用いられて
おり、密封性能を確保する。また、内被40及びコイル
スプリング30には腐食や高温酸化に強いインコネル
(登録商標)等のニッケル系合金を用いて、高温環境下
においても弾性を維持できるようにしてある。より高温
の耐久性を向上させたいときには、Co含有量の多いナ
イモニック(登録商標)等を使用することもできる。
【0053】なお、この金属ガスケット20には内被4
0を使用しているが、内被40は必ずしも必要な訳では
なく、必要に応じて使用すればよい。ただし、金属ガス
ケット20の外被50にアルミニウム等の軟質金属を使
用する場合には、内被40を設けることが好ましい。こ
れは、コイルスプリング30の反発力をより均一に外被
50に伝達して、外被50に発生する局所的な応力集中
をできるだけ小さくすることができるからである。これ
によって、後述するクリープ変形をより小さく抑えるこ
とができる。
【0054】また、金属ガスケット20の外被50に
は、二次蓋508等と接して密封するためのシール領域
50sが形成されており、図2に示すように、このシー
ル領域50sは平面に形成されている。これは、外被5
0のクリープ変形による締付け応力の緩和現象を低減す
るためであるが、詳細については後述する。
【0055】二次蓋508や一次蓋、及び胴本体501
には、放射線を遮蔽すると共に機械的強度を保つためス
テンレス鋼や炭素鋼が用いられる。その一方、金属ガス
ケット20の外被50には密封性能を発揮させるため、
アルミニウムや銀等の軟質金属が用いられている。この
ため、異種金属の接触により両者間に電位差が発生し
て、金属ガスケット20が電解腐食を起こし密封漏れの
原因となる。このため、キャスクの二次蓋508や胴本
体501の材料には、モリブデンを含むSUS317ま
たはSUS625を使用して、電解腐食を防止するよう
にしている。
【0056】また、SUS317またはSUS625は
溶接性に優れているので、キャスクのように一般的に溶
接部分が多いものに適している。さらに、SUS317
及びSUS625のほかに、SUS314、SUS31
6、SUS326、SUS345などを用いることもで
きる。また、二次蓋508及び胴本体501にSUS3
17などを用いなくても、同材による肉盛りを施すこと
でシール面90を形成するようにしてもよい(図示省
略)。
【0057】また、キャスクの二次蓋508や胴本体5
01の材料として使用するモリブデンを含むSUS31
7またはSUS625よりも腐食電位の高いアルミニウ
ムを外被50として使用してもよい。このようにすれ
ば、二次蓋508や胴本体501よりも交換が容易な金
属ガスケット20の外被50の方が腐食されやすくなる
ので、二次蓋508や胴本体501が電解腐食から守ら
れる。
【0058】次に、金属ガスケット20に使用される環
状のコイルスプリング30について説明する。図3は、
この発明の実施の形態1に係る金属ガスケットのコイル
スプリングを示す説明図である。同図に示すように、こ
のコイルスプリング30はニッケル基の合金であるイン
コネル(登録商標)や、より高温に耐え得るナイモニッ
ク(登録商標)等の線材を、隙間を設けないで巻くこと
によって作られている。これは、隣の線との間に隙間が
開いていると、密封のため金属ガスケット20が押しつ
ぶされたときに、均等な力で内被40と外被50(図2
参照)とを押し返すことができなくなり、長期間の使用
において所期の密封性能を発揮できなくなるからであ
る。
【0059】一般に、金属ガスケット20(図2参照)
において密封圧力を得ようとすると、コイルスプリング
30の素線径dが太いものを使用して、コイルスプリン
グ30の曲げ剛性を高くする必要がある。コイルスプリ
ング30の素線径dが太くなればそれだけ素線を巻き難
くなるので、コイルスプリング30の巻き線径D1も大
きくなる。その結果、高いシール圧力が求められる金属
ガスケット20の断面直径Dは、シール圧力が低いもの
と比較して大きくなる。なお、コイルスプリング30の
曲げ剛性とは、コイルスプリング30の径方向に力Pを
加えた場合における、コイルスプリング30の径方向に
対する変形のし難さをいう(以下同様)。
【0060】ここで、キャスクに使用する上記金属ガス
ケット20には、数十年間にわたるシール性能が要求さ
れる。また、キャスク内に収納される使用済み燃料集合
体は崩壊熱を発生しており、初期における金属ガスケッ
ト20の使用環境温度は120℃程度となる。そして、
使用済み燃料集合体が数十年保管される間に、金属ガス
ケット20の使用環境温度は120℃程度から60℃程
度まで徐々に低下する。
【0061】このような使用環境においては、外被50
に使用する材料の種類によって、外被50にクリープ変
形が生ずる。特に、融点の比較的低いアルミニウムを外
被50に使用した場合には、このクリープ変形が問題と
なる。図4は、金属ガスケットに作用する応力と、金属
ガスケットの歪との関係を示した説明図である。キャス
クの二次蓋508等を締付ると、金属ガスケット20に
は所定の締付応力σ0が作用し、これによって初期歪ε0
が生ずる。この初期歪ε0は、塑性歪εpと、弾性歪ε
e(t=0)との和で表すことができる。時間の経過に
よって外被50にクリープ歪εcが生ずると、締付応力
σ0が緩和されるので、弾性歪εeが減少する。そし
て、締付け時からある時間tが経過したときには、クリ
ープ歪εcが増加した分、締付け応力がσtまで低下す
る。これを金属ガスケットの応力緩和現象という。
【0062】図4中に示すσcは気密限界応力であり、
金属ガスケット20に作用する応力がこの気密限界応力
σcを下回ると、キャスク内部と外部との差圧によって
気密が破られる。金属ガスケット20に締付応力σ0
作用させた直後にこの締付応力σ0を除去すると、弾性
歪εeが除去されるので、金属ガスケット20の歪は塑
性歪εpのみとなる。そして、R0点で気密が破られ
る。しかし、金属ガスケット20に締付応力σ0を作用
させてから長時間経過すると、上述したように締付け応
力がσtまで低下する。そして、この状態で締付け応力
を開放すると、金属ガスケット20の歪は塑性歪εpと
クリープ歪εcとの和となり、R1点で気密が破られ
る。これは、クリープ歪εcが増加した分だけ、初期の
弾性歪εe(t=0)が減少したからである。
【0063】金属ガスケット20の気密限界応力はσc
であるため、金属ガスケット20の締付直後において
は、金属ガスケットの歪がε1まで減少したときに気密
が破られる。一方、長時間経過後においては、金属ガス
ケット20の歪がε2まで減少したときに気密が破られ
ることになる。これは、金属ガスケット20の締付直後
と比較して、より少ない歪、すなわちより少ない変位
で、気密が破られることを意味する。
【0064】長期貯蔵におけるキャスクの密閉性を維持
し、信頼性を向上させるためには、金属ガスケット20
の応力緩和現象を十分に解析することが必要である。本
発明者らは、金属ガスケットの応力緩和現象について鋭
意研究した結果、次の事項を見出した。まず、金属ガス
ケット20の応力緩和現象は、外被50を構成する材料
がクリープ変形することによる、コイルスプリング30
の弾性変位が開放される現象である。そして、金属ガス
ケット20が劣化した後のスプリングバック(有効弾性
復元)は、コイルスプリング30が塑性変形した後にお
ける曲げ剛性に支配される。この塑性変形した後におけ
る曲げ剛性は、長期貯蔵後であっても金属ガスケット2
0が新品であるときと比較して特性変化は無視できるほ
どで、外被50と比較すれば変化なしとし得る。すなわ
ち、インコネルやナイモニック製であるコイルスプリン
グ30の材質劣化は、金属ガスケット20の応力緩和現
象を考えるにあたって考慮する必要はない。
【0065】長期貯蔵におけるキャスクの密閉性を維持
し、信頼性を向上させるためには、次の方策がある。ま
ず、金属ガスケット20のクリープ変形を小さくするこ
とである。クリープ変形を小さくできれば、長時間経過
後における締め付け応力σの低下も少なくなるからであ
る。次に、長時間経過後における金属ガスケット20の
スプリングバック量をできるだけ大きくすることであ
る。このスプリングバック量を大きくできれば、締付け
応力σが気密限界応力σcに達するまでにおける二次蓋
508等の変位を大きくとることができるので、それだ
け落下等による二次蓋508等のずれに対して裕度を高
くできるからである。
【0066】まず、スプリングバック量を大きくする手
法について説明する。図5は、金属ガスケットに作用さ
せる荷重と金属ガスケットの変位との関係を示した説明
図である。図中の点線は、従来の金属ガスケット520
(図7(a)参照)を、図中の実線は本発明に係る金属
ガスケット20を示す。なお、図5に示してあるのは、
LMPを用いた外挿法による解析結果であり、初期温度
120℃で60年後に60℃まで直線近似のもとに温度
降下した場合を温度条件としたものである。なお、この
温度条件は、実施のキャスクにおける長期貯蔵の温度条
件を十分に再現できるものである。また、LMPを用い
た外挿法は、応力緩和を安全側、すなわち応力緩和を大
きく見積もる手法であり、このような解析には好ましい
手法である。
【0067】本発明に係る金属ガスケット20の曲げ剛
性は、従来の金属ガスケット520における曲げ剛性の
およそ50%としてある。このようにするため、コイル
スプリング30の素線径dは従来の金属ガスケット52
0よりも細くしてある。また、この発明に係る金属ガス
ケットの断面直径Dは、従来の金属ガスケット520と
同じである。なお、本発明に係る金属ガスケット20の
曲げ剛性は、従来の金属ガスケット520における曲げ
剛性の30%以上80%以下の範囲が好ましい。この範
囲であれば、ある程度の曲げ剛性を確保しつつスプリン
グバック量を大きくする効果を得ることができるからで
あり、さらには従来の金属ガスケット520における曲
げ剛性の30%以上60%以下の範囲がより好ましい。
【0068】ここで、この発明に係る金属ガスケット2
0の初期締付け量は従来の金属ガスケット520よりも
大きくしてある。これによって、従来の金属ガスケット
520とこの発明に係る金属ガスケット20とに作用す
る初期応力(締付応力)σ0が等しくなるので、同じ時
間経過した後の応力緩和量は同一となる。このときの締
付け応力はσtである。ここで、締め付け応力σを徐々
に開放すると、金属ガスケットは徐々に元の形に戻り、
変位δが0に近づく。そして、締付け応力σが気密限界
応力σcに到達したときの変位δが、金属ガスケットの
気密限界変位δcとなる。
【0069】この発明に係る金属ガスケット20におい
ては、従来の金属ガスケット520よりも曲げ剛性を小
さくしてあるので、金属ガスケットの変位δに対する締
め付け応力σの変化、すなわちσ/δが従来の金属ガス
ケットよりも緩やかになる。その結果、締め付け応力σ
の緩和に対して、従来よりも大きく金属ガスケット20
が変位する。すなわち、同じ締付け応力σであれば、そ
のときのスプリングバック量を多くとることができるの
で、気密限界変位δcもその分だけ大きくすることがで
きる。これによって、従来の金属ガスケット520より
も大きなずれが生じても、キャスクの気密を維持できる
ので、長期貯蔵後であっても安定した密封性能を発揮し
て安全に輸送できる。
【0070】具体的には、従来の金属ガスケット520
におけるスプリングバック量δc52 0は0.01〜0.
02mm程度であるのに対し、本発明の金属ガスケット
20におけるスプリングバック量δc20は0.20mm
程度である。このように、本発明に係る金属ガスケット
20におけるスプリングバック量は、従来の金属ガスケ
ット520におけるスプリングバック量の10〜20倍
である。ここで、キャスクの密封に使用する金属ガスケ
ットに要求されるスプリングバック量はおよそ0.05
mmであるが、本発明に係る金属ガスケット20は、こ
の値を十分に達成できる。これによって、従来の金属ガ
スケットでは不十分だった、使用済み燃料集合体のキャ
スクにおける数十年の長期貯蔵に対しても十分な信頼性
を持つ金属ガスケットを得ることができた。
【0071】上記説明から、コイルスプリング30の曲
げ剛性を小さくするとスプリングバック量を増やすこと
ができるが、あまり曲げ剛性を小さくすると、金属ガス
ケット20の変形量が大きくなるため好ましくない。こ
こで、表1〜3に長期貯蔵後における金属ガスケットの
スプリングバック量の評価結果を示す。なお、この評価
はLMPを用いた外挿法によるものであり、温度条件
は、初期温度120℃で60年後に60℃まで直線近似
のもとに温度降下した場合である。また、キャスクの密
封に使用される金属ガスケットに要求されるスプリング
バック量が満足できたものを○とする。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】表1から分かるとおり、金属ガスケット2
0の断面直径Dが5.6mmである場合には、コイルス
プリング30の素線径dが0.35mm〜0.50mm
の間で良好なスプリングバック量を示すことが分かる。
また、表2から、金属ガスケット20の断面直径Dが1
2.0mmである場合には、コイルスプリング30の素
線径dが0.80mm以下で良好なスプリングバック量
を示すことが分かる。表3は、コイルスプリング30の
素線径dと金属ガスケット20の断面直径Dとの比d/
Dで評価結果を整理したものであるが、これからd/D
が0.02〜0.08の範囲で良好なスプリングバック
量を示すことが分かる。
【0076】上記結果から、コイルスプリング30の素
線径d(図3参照)は、0.35mm以上0.80mm
以下の範囲が好ましく、0.35mm以上0.50mm
以下の範囲がより好ましい。また、あまり金属ガスケッ
ト20の断面直径Dが小さい場合には、断面直径Dに対
して締付け量を大きくしないとスプリングバック量を確
保できず、金属ガスケット20による気密が破壊される
場合があるので、無闇に金属ガスケット20の断面直径
D(図2参照)を小さくすることはできない。一方、金
属ガスケット20の断面直径Dが大きくなりすぎると、
上記素線径dでは必要な曲げ剛性が確保できなくなるの
で、金属ガスケット20の断面直径Dは、5.0mm以
上12.0mm以下が好ましい。また、コイルスプリン
グ30の素線径dと金属ガスケットの断面直径Dとの比
d/Dとしては、0.02以上0.08以下が好まし
い。
【0077】なお、従来の金属ガスケット520におい
て、金属ガスケット520の断面直径Dが5.0mmか
ら6.0mmの範囲のものは、素線径が0.55mm以
上のコイルスプリングが使用されている。そして、密封
圧力は50MPa以上である。断面直径Dが5.0mm
から12.0mmの範囲の金属ガスケットに、素線径が
0.35mm以上0.80mm以下の範囲のものを使用
すると、密封圧力は50MPaよりも低い値となる。こ
こで、キャスクにおける密封圧力は、最大1.0MPa
程度である。したがって、断面直径Dが5.0mm以上
12.0mm以下の金属ガスケットにおいて、素線径d
が0.35mm以上0.80mm以下のコイルスプリン
グを使用しても圧力漏れを生ずることはなく、外被に生
ずる応力を低くできるので、長期使用に伴う外被のクリ
ープを軽減できる。
【0078】次に、金属ガスケット20のクリープ変形
を小さくする方策について説明する。図6は、この発明
に係る金属ガスケットを示す断面図である。図7は、従
来の金属ガスケットを示す断面図である。従来の金属ガ
スケット520においては、断面の外被覆形状は円形で
あり、円弧の部分がキャスクの胴本体と二次蓋508と
接した後、締付け力を受けて図7(b)のように変形す
る。このため、図7(c)に示すように、二次蓋508
及びキャスクの胴本体501と接するシール領域550
sには、応力が不均一に作用する。また、コイルスプリ
ングの曲げ剛性も必要以上に大きいため、シール部の中
心にはより大きな応力が生ずる。その結果、この応力分
布を緩和する作用が働くため、クリープ変形を促進す
る。
【0079】この発明に係る金属ガスケット20におい
ては、図6(a)に示すように、外被50が二次蓋50
8等と接するシール領域50sを予め平面に形成してあ
る。これによって、図6(b)に示すように、この金属
ガスケット20が締付け力を受けて圧縮された場合に
は、密封対象物である二次蓋508等と接するシール領
域50sにおける応力分布が分散されて、従来よりも均
一になる。別の言い方をすれば、密封対象物である二次
蓋508等と接するシール領域50sにおける応力分布
は、このシール領域以外の領域50yに締付け力が作用
した場合におけるシール領域以外の領域50yの応力分
布よりも均一となる。
【0080】これによって、従来の金属ガスケット52
0と比較して、シール領域50sにおいては応力分布を
均等にする作用が大きくなるので、外被50のクリープ
変形を従来よりも緩やかにすることができる。これによ
って、外被50のクリープ変形を従来よりも小さくでき
るので、クリープ変形に起因する応力緩和現象を抑える
ことができる。また、外被50のシール領域50sを予
め平面に形成しておくことによって、この金属ガスケッ
ト20の断面形状は円形ではなくなる。このような形状
とすることによって、断面が円形の場合よりも断面係数
が大きくなる。また、外被50のシール領域50sを予
め平面に形成しておくことで、クリープ変形しやすい外
被50のシール領域50sの厚みは従来の金属ガスケッ
ト520(図7参照)よりも薄くなるので、クリープに
よる変形の絶対量が小さくなり、この分だけ金属ガスケ
ット20の復元量の減少を抑制できる。これらの作用に
よって、この金属ガスケット20は、シール領域50s
に垂直な方向に向かう締付け力に対して、断面が円形で
ある従来の金属ガスケット520と比較して、より大き
な締付け力に耐えることができる。したがって、この金
属ガスケット20においては、より細い素線径dのコイ
ルスプリング30を使用しても、外被50が従来よりも
大きな荷重を支えることができる。これによって、スプ
リングバック量をさらに大きくできるので、長期貯蔵に
おいてもより高い安全性を担保できる。
【0081】図8は、シール領域における応力を分散さ
せる他の形状の例を示した説明図である。上述した通
り、この発明に係る金属ガスケット20は、外被50の
シール領域50sを予め平面に形成して、密封のための
締付け力を分散させる形状としている。この他にも、密
封のための締付け力を分散させる形状としては、図8
(a)に示すように、外被50におけるシール領域50
sを形成する平面と、シール領域以外の領域50yとが
交わる部分には、金属ガスケット20の周方向に向かう
段部50dを形成してもよい。
【0082】図6(b)に示すように、単にシール領域
を平面に形成したのでは、シール領域50sとシール領
域以外の領域50yとが交わる部分に応力集中が生じて
しまう。したがって、この部分に段部50dを形成して
予め切り欠いておくことで、この部分の応力集中を低減
する。なお、段部50dのコーナー部50dcは角状と
なっているが、この部分に曲率を設けてなだらかにして
もよい。このようにすることで、前記コーナー部50d
cの応力集中も低減できる。
【0083】また、シール領域50sを平面に形成した
場合であっても、仕上げ具合によって応力が高くなる部
分が存在する。したがって、図8(b)に示すように、
このような部分に金属ガスケット20の周方向に向かう
溝部50xを設けて、前記応力集中を低減させてもよ
い。この溝部50xの本数及び大きさは、応力集中の発
生状況に応じて、適宜変更することができる。なお、応
力集中の発生状況は、有限要素法等の手法によって解析
することができる。このようにすることによって、金属
ガスケット20の外被50に発生する応力集中をより均
一にすることができるので、クリープ変形の進行を抑制
して、長期間貯蔵における密封性能を維持できる。
【0084】図9は、シール領域における応力を分散さ
せる他の例を示した説明図である。同図(a)に示すよ
うに、シール領域50s側においては、コイルスプリン
グ30xを平面状に形成し、さらに外被50のシール領
域50s側を平面に形成する。このようにすると、平面
状に形成したコイルスプリング30xが均等に外被50
のシール領域50sを押圧するので、シール領域50s
はより均等な応力分布となる。
【0085】なお、このようなコイルスプリング30x
は、例えば図9(b)に示すように製造する。まず、円
柱に二つの平面を設けた断面楕円状の冶具30zに線材
30yを巻きつける。そして、焼鈍して冶具30zの形
状を線材30yに転写した後、熱処理してコイルスプリ
ング30xを製造する。また、断面円形のコイルスプリ
ングと比較して、このコイルスプリング30xは曲げ剛
性が小さくなる。このため、実施の形態1で説明した断
面円形のコイルスプリング30(図3参照)と比較し
て、素線径はより太いものを使用する必要がある。
【0086】ここで、図1には示していないが、この発
明においては、キャスク側のシール面90であるガスケ
ット溝面90a及びその対向面90bに、微小凹凸82
(図10参照)を多数形成してもよい。ここで、図10
は、ガスケット溝面等に微小凹凸を形成した状態を示す
拡大図である。この微小凹凸10の最大粗さRmax
(maximum roughness)は、2μm以上20μm以下と
するのが好ましい。Rmaxが2μmより小さいと金属
ガスケット20の横ずれが発生し、Rmaxが20μm
より大きいと金属ガスケット20の外被50が完全に食
い込まず、密封性が不十分になるからである。また、微
小凹凸82の平均粗さ(Ra:average roughness)
は、0.6μm以上3.2μm以下とするのが好まし
い。
【0087】微小凹凸82を形成した状態で金属ガスケ
ット20をつぶすと、図10に示すように、微小凹凸8
2が軟質金属の外被50に食い込んで(アンカー作用)
その表面と馴染む結果、良好な密封を得ることができる
(シール領域50s)。また、凸部での面圧が高くなっ
て当該部分においてより密封性が高くなる。
【0088】上記キャスク500において、輸送中にキ
ャスクが落下して二次蓋508が径方向に移動した場合
(図1中矢印A)、金属ガスケット20の外被50が微
小凹凸82に食い込んでいることから、当該金属ガスケ
ット20が横ずれせず、外被50が回転変形(図1中矢
印B)すると共に全体的に蓋移動方向に移動するような
挙動を示す(図1中矢印E)。このとき、金属ガスケッ
ト20の外被50は、新たな微小凹凸82に食い込んで
新たなシール領域Snを形成する。
【0089】このように、二次蓋508が径方向に移動
した場合でも、金属ガスケット20の密封破壊が起こら
ず密封機能を維持できるから、ゴム製のOリングに換装
しなくてもキャスク500の輸送を行うことが可能にな
る。また、キャスク500を長期間保管していると、金
属ガスケット20に加えた締付力によって塑性流動が起
こり、接触面圧の低下によって密封性能が低下するが、
この密封構造では、微小凹凸82を形成することによっ
て外被50の表面の塑性流動がある程度抑制されるか
ら、接触面圧の低下を防止できるといった副次的効果も
得られる。これは、微小凹凸82のRmaxが大きいほ
ど効果的である。
【0090】また、キャスク側のシール面90(図1参
照)には、微小凹凸82の溝山82mが周期的に出現す
るようにこれらを形成してもよい。溝山82m等の形成
には、例えば、セレーション加工等の加工方法を用いる
ことができる。セレーション加工によれば、溝山82m
が独立となって漏れ流路が生じないため、長期にわたっ
て密封性能を維持できるからである。また、溝山82m
と溝谷82tとを形成した場合の最大粗さ及び平均粗さ
は上述した値が適用できる。
【0091】ここで、外被50に対する食い込み、及び
密封性を保ちつつ金属ガスケットの横ずれを効果的に抑
制する観点から、外径が6〜12mm程度の金属ガスケ
ット20を使用する場合には、山部82mの出現ピッチ
pmは、0.1mm以上2.0mm以下が好ましく、さ
らには0.1mm以上0.8mm以下が好ましい。ま
た、同様の観点から、外径が5〜6mm程度の金属ガス
ケット20を使用する場合には、0.1mm以上0.5
mm以下が好ましく、さらには0.1mm以上0.2m
m以下がより好ましい。このような範囲であれば、金属
ガスケット20の横ずれを抑えつつ、十分な密封性能も
確保できる。また、外被50のシール領域50sに対し
て十分な個数の溝山82mが食い込むことになるので、
シール面積が大きくなる。これによって、ガスケット2
0の締め付け荷重を分散させて受けることができるの
で、長期貯蔵におけるクリープ変形を抑えることができ
る。なお、上記密封構造は、一次蓋507(図20参
照)と胴本体501との間に適用され得ることは言うま
でもない(以下に同じ)。
【0092】実施の形態1に係る金属ガスケット20の
構成は、外被50の材料がアルミニウムやスズ等のよう
に融点が比較的低く、キャスクにおける使用温度ではク
リープ変形が問題となるような金属に対して特に適す
る。しかし、融点が比較的高く、キャスクにおける使用
温度ではクリープ変形が問題とならない銀や金、あるい
はニッケル等の金属を外被50に使用した場合に適用し
てもよい。この場合は、スプリングコイルを細くする工
夫と併用すると、従来よりもスプリングバックの量を従
来の10〜20倍程度まで大きくできるので、キャスク
輸送における裕度を従来よりも大きく持たせることがで
きる(以下同様)。
【0093】(変形例1)図11は、実施の形態1の第
1変形例に係る金属ガスケットを示す説明図である。こ
の金属ガスケット21は、上記実施の形態1に係るキャ
スクと略同一の構成であるが、二個の異なるフープ径を
持つ環状のコイルスプリング31a、31bを同心状に
配置し、両者のスプリング直径を異ならせた点が異な
る。その他の構成は実施の形態1と同様なのでその説明
を省略すると共に、同一の構成要素には同一の符号を付
する。
【0094】この金属ガスケット21は、いわゆるダブ
ルリングタイプであるが、内被41a、41bで被覆さ
れたスプリング直径の異なる二つのコイルスプリング3
1a及び31bを使用する。図11(b)に示すよう
に、キャスクの胴本体501と二次蓋508との間にこ
の金属ガスケット21を配置すると、直径が大きい方の
コイルスプリング31b側における外被50がまず接す
る。この状態で二次蓋508を胴本体501に仮止めす
る。
【0095】ここで、一般にキャスクは安全上の配慮か
ら、水を満たした貯蔵プール内で使用済み燃料集合体が
格納される。したがって、輸送や長期貯蔵前には、真空
乾燥等の乾燥手段によって水抜きをする。この金属ガス
ケット21では、真空乾燥時に、シールされていない直
径が小さいほうのコイルスプリング31a側からガスケ
ット溝部9に残留した水分が蒸発する。真空乾燥が終了
したら、キャスクの胴本体501と二次蓋508とを本
締めする。このように、この金属ガスケット21におい
ては、ガスケット溝部9や金属ガスケット21内の水分
を十分に取り除き、腐食のおそれを極小にできる。これ
によって、長期間の貯蔵においても密封性能の信頼性を
高くできる。
【0096】図11(b)においては、スプリング直径
の小さい方のコイルスプリング31aをキャスクのキャ
ビティ側に配置しているが、この場合にはキャビティ内
側からの真空乾燥に有利である。また、図11(c)に
示すように、スプリング直径の小さい方のコイルスプリ
ング31aを外側に配置してもよい。この場合には、二
次蓋508等を固定するボルト孔側から真空乾燥すると
効果的に水分を除去できる。
【0097】さらに、図11(d)に示す金属ガスケッ
ト21aは、外被50をスプリング直径の異なる二個の
コイルスプリング31a及び31bで全体に被覆し、ス
ペーサ60を前記コイルスプリング31aと31bとの
間に配置して、端部50t同士を溶接等の接合手段で封
止したものである。このような金属ガスケット21aで
も、金属ガスケット21の内外周でコイルスプリン31
a等の径を異ならせたことによる、上記乾燥促進の効果
を得ることができる。さらに、この金属ガスケット21
aでは、内部への水の浸入を防止できるので、図11
(a)に示した金属ガスケット21と比較して、より迅
速に乾燥できる効果も得ることができる。なお、スペー
サ60は外被50の変形を拘束するものであり、純アル
ミニウム等のピースを使用したり、コイルスプリングを
使用したりすることができる。この変形例は、一次蓋及
び以下の実施の形態においても適用できる。
【0098】(変形例2)図12は、実施の形態1の第
2変形例に係る金属ガスケットを示す説明図である。な
お、説明の便宜上、従来のキャスクに使用されていた金
属ガスケットも図示する。このキャスクに使用される金
属ガスケット22は、上記実施の形態1に係る金属ガス
ケット20と略同一の構成であるが、シール領域50s
の曲率半径r1は、シール領域以外の領域50yにおけ
る曲率半径r2よりも大きいコイルスプリング32を備
える。そして、外被50で被覆されている内被42とコ
イルスプリング32とで構成される内部エレメントの断
面を、予め楕円状に形成してある点が異なる。その他の
構成は実施の形態1と同様なのでその説明を省略すると
共に、同一の構成要素には同一の符号を付する。
【0099】図12(b)に示すように、従来の金属ガ
スケット520においては、内被540とこの内被54
0で被覆されたコイルスプリング530とで構成される
内部エレメント520eの断面は円形であった。このた
め、スプリングの曲げ剛性が高く、数10MPaという
高い密封性能を持っている。しかし、上述したように、
コイルスプリング530の曲げ剛性が高い場合には、曲
げ剛性が小さい場合と比較してスプリングバック量を大
きくできない(図5参照)。また、数十年という長い期
間においては、外被550が過剰な押付力によってへた
り、復元力が弱くなる。これによって、密封性が弱くな
ったり、スプリングバック量が減少したりするおそれが
あった。
【0100】この変形例に係る金属ガスケット22は、
内被42と、この内被42で被覆されたコイルスプリン
グ32とで構成される内部エレメント22eの断面形状
を、予め楕円状としている。このため、断面形状が円形
である場合と比較して、スプリングの曲げ剛性を低くで
きる。これによって、スプリングバック量を十分に確保
できるので、従来の金属ガスケット520よりも大きな
ずれが生じても、キャスクの気密を維持できるので、よ
り安全に輸送できる。また、従来の金属ガスケット52
0と比較して、このコイルスプリング32は外被50の
シール領域50sとより大きな面積で接触するので、外
被50に作用する応力を従来よりも小さくできる。これ
によって、外被50のクリープ変形を抑えて、応力緩和
現象を低減し、長期貯蔵における信頼性を高くできる。
【0101】なお、この金属ガスケット22において
は、コイルスプリング32の曲げ剛性は従来よりも小さ
いので密封圧力は従来よりも低くなる。しかし、この金
属ガスケット22はキャスクの密封に使用するものであ
る。キャスクにおいて正圧は最大で1.0MPa程度の
密封性能があればよいので、この金属ガスケット22の
密封圧力でも十分な密封性能を確保できる。
【0102】以上、この発明の実施の形態1及びその変
形例について説明したが、実施の形態1及びその変形例
で説明した金属ガスケットの構成及びキャスクの構成
は、実施の形態2以降においても適用できる。
【0103】(実施の形態2)図13は、この発明の実
施の形態2に係るキャスクにおけるシール構造を示す説
明図である。このキャスクは、上記実施の形態1に係る
キャスクと略同一の構成であるが、同心状に配置したフ
ープ径の異なる二つのコイルスプリングを外被によって
被覆しつつ、外被の端部同士を接合して両者を一体とし
たダブルリング式の金属ガスケットを使用する点が異な
る。その他の構成は実施の形態1と同様なのでその説明
を省略すると共に、同一の構成要素には同一の符号を付
する。
【0104】実施の形態2に係る金属ガスケット23
は、いわゆるダブルリング式のものであり、フープ径D
fの異なる二個のコイルスプリング33a及び33bを
同心状に配置する。そして、これらを内被43で被覆し
て、外被50によって両者を被覆してから、外被50の
端部50t同士を接合部50bで接合して構成する。端
部50t同士の接合には、溶接や摩擦接合が用いられ
る。溶接にはレーザーや電子ビーム溶接を用いると、接
合部に当て板が不要になるので好ましい。
【0105】端部50t同士は、図13(a)及び
(c)に示すように、フープ径Dfの異なる二個のコイ
ルスプリング33a及び33bとの間における接合部5
0bで接合してもよい。ここで、図13(c)は突合せ
接合の例である。また、図13(b)に示すように、い
ずれか一方のコイルスプリングの側部33yにおける接
合部50bで接合してもよい。さらに、図13(d)に
示すように、スペーサ60を外被50内部に配置して、
スペーサ60とともに接合部50bで外被50を接合し
てもよい。また、スペーサ60を単に接合のバックアッ
プとしてのみ使用して、外被50のみを接合してもよ
い。このようにスペーサ60を接合の際にバックアップ
として使用すると、外被50を容易に接合できる。な
お、スペーサ60には、例えば純アルミニウム等を使用
することができる。
【0106】また、図13(a)及び(b)に示す二個
のスプリング33aと33bとの間に、スペーサ60と
同様に外被50の変形を拘束するものとして、コイルス
プリング33a等よりやや外径の小さいスプリングを用
いてもよい。このようなコイルスプリングを使用すれ
ば、純アルミニウム等を使用する場合と比べて金属ガス
ケット21aを容易に製造できる。また、コイルスプリ
ングの反発力を適当な値に調整することによって外被5
0に過度の応力を与えることもないので好ましい。
【0107】図14は、外被の端部同士を接合していな
い一部開放型のダブルリング式の金属ガスケット及びこ
の発明の実施の形態2に係る金属ガスケットを示す説明
図である。同図(a)に示すように、一部開放型のダブ
ルリング式の金属ガスケット20では、二次蓋508側
のシール領域50asと50bsとが、外被50によっ
て結合されている。このため、外被50が金属ガスケッ
ト20の径方向Xに対してクリープ変形しようとしても
この変形が拘束される。これによって、シール領域50
as及び50bs側においては外被のクリープ変形が抑
制されるので、金属ガスケット20の応力緩和もその分
抑制される。
【0108】一方、キャスクの胴本体501側において
は、この部分におけるシール領域50as2と50bs2
側とは、外被50によって結合されていない。したがっ
て、外被50が金属ガスケット20の径方向Xに対して
クリープ変形した場合には、この変形を拘束するものは
ない。このため、二次蓋508側と比較して、キャスク
の胴本体501側では外被50のクリープ変形が大きく
なるので、金属ガスケット20の応力緩和もその分大き
くなる。
【0109】しかし、図14(b)に示すように、この
発明に係る金属ガスケット23は、内被43で被覆した
フープ径Dfの異なる二個のコイルスプリング33a及
び33bを同心状に配置し、これらを外被50によって
被覆してから、外被50の端部50t同士を接合してあ
る。このため、二次蓋508側及びキャスクの胴本体5
01側いずれのシール部分においても、コイルスプリン
グ33a及び33bの位置におけるシール領域は、外被
50によって結合される。したがって、二次蓋508側
及びキャスクの胴本体501側いずれのシール領域50
asや50bs 2等においても、外被50のクリープ変
形が拘束される。その結果、クリープ変形に伴なう応力
緩和現象が抑制されるので、長期貯蔵においても密封性
能を維持して、安全に輸送できる。
【0110】また、外被50の端部50t同士を溶接、
摩擦接合その他の接合手段によって接合しているため、
金属ガスケット23内部の気密性も維持できる。一般に
キャスクは安全上の配慮から、水を満たした貯蔵プール
内で使用済み燃料集合体が格納される。したがって、キ
ャスクをプールから引き上げた後で輸送したり長期貯蔵
したりする前には、水抜き後に真空乾燥等の乾燥手段に
よって乾燥させる。このとき、一部開放型のダブルリン
グ式の金属ガスケット520(図7(a)参照)では、
乾燥が十分でないと腐食を発生させるおそれがあったた
め、内部に侵入した水分を完全に除去するには真空乾燥
に長時間要していた。しかし、この金属ガスケット23
では内部に水が浸入することはないので、真空乾燥時間
を大幅に短縮できる上に、水分の残留によるような腐食
のおそれはなく、長期間貯蔵においてはより高い信頼性
を発揮できる。
【0111】また、図14(c)に示すように、同心状
に配置した、内被43で被覆したフープ径の異なる二個
のコイルスプリング33a及び33bの間に、予めスペ
ーサ60を備えてから、外被50の端部50t同士を接
合してもよい。このようにすれば、スペーサ60によっ
て外被50が支えられるので、外被50の変形を抑える
こともでき、端部50t同士を容易に接合できる。
【0112】ここで、図14(c)に示すように、締め
付け荷重を受けた場合における外被50の変形を抑える
ために、スペーサ60の高さhを内被43の径と同程度
の高さにしてもよい。このようにすれば、締付け後にお
ける外被50の変形を抑えることができるので、外被5
0のクリープ変形をより抑制して、長期保管における信
頼性をさらに高くできる。ここで、スペーサ60は、金
属ガスケット23の締め付け力に対しては容易に変形
し、不必要に高い締付け力を要さない形状を選択するこ
とができる。また、スペーサ60の代わりに、コイルス
プリング33a等の外径よりもやや外径の小さいコイル
スプリングを使用し得ることについては上述した通りで
ある。
【0113】なお、実施の形態1で説明したように、実
施の形態2に係る金属ガスケット23のシール領域50
as、50bs、50as2及び50bs2を平面に形成
したり、シール領域とそれ以外の領域との境界に、金属
ガスケット23の周方向に向かう段部を設けたりしても
よい。このようにすれば、シール領域50as、50b
s等における応力集中をより均等にできるので、シール
領域50as、50bs等のクリープ変形をさらに抑制
できる。これによって、長期貯蔵においてはより高い信
頼性を得ることができる。
【0114】以上、この発明の実施の形態2について説
明したが、実施の形態2で説明した金属ガスケットの構
成及びキャスクの構成は、実施の形態3以降においても
適用できる。
【0115】(実施の形態3)図15は、この発明の実
施の形態3に係る金属ガスケットのスプリングを示す説
明図である。このキャスクは、上記実施の形態1に係る
ガスケットと略同一の構成であるが、金属ガスケットに
素線の断面形状が矩形のコイルスプリングを使用する点
が異なる。その他の構成は実施の形態1と同様なのでそ
の説明を省略すると共に、同一の構成要素には同一の符
号を付する。
【0116】図15(b)に示すように、この金属ガス
ケット24に使用するコイルスプリング34は、断面形
状が矩形の素線を使用している。このため、断面円形の
コイルスプリングと比較して、コイルスプリング34と
内被44とはより多くの面積で接するので、より均等に
コイルスプリング34の反発力を内被44及び外被50
に伝えることができる。これによって、外被50の応力
分布をより均等にできるので、コイルスプリング34の
反力を押さえ込む内被44を省略するか、又は内被44
を薄くすることもできて、クリープ変形に起因する金属
ガスケット24の応力緩和現象を低減できる。これによ
って、長期貯蔵においても密封性能を維持できる。
【0117】また、断面円形のコイルスプリングと断面
矩形のコイルスプリング34とで、両者の断面係数が同
じであれば、断面矩形のコイルスプリング34の方が素
線の幅bを小さくできるので、ピッチpも小さくでき
る。したがって、同じ曲げ剛性であれば、コイルスプリ
ング34の巻き数を増やすことができるので、より均一
にコイルスプリング34の反発力を外被50へ伝えるこ
とができる。このように、断面矩形のコイルスプリング
34を使用した場合には、断面円形のコイルスプリング
を使用するよりもより金属ガスケット24の応力緩和現
象を抑制する効果がある。また、ピッチpを小さくでき
るので、締付け力Pが作用していない場合の初期傾きθ
P=0は断面円形のコイルスプリングよりも小さくでき
る。これによって、コイルスプリング34の反力をより
有効に利用できる。
【0118】また、断面円形をしたコイルスプリングと
断面矩形のコイルスプリング34との断面係数が同じで
あれば、断面矩形のコイルスプリング34の方が、金属
ガスケット24の締付け力によってコイルスプリング3
4内に発生する応力を小さくできる。さらに、断面矩形
のコイルスプリング34は断面円形のコイルスプリング
とは異なり、隣り合う素線と面34aで接触する。これ
によって、締付け力Pによってこの面34aに発生する
応力は、断面円形のコイルスプリングよりも小さくでき
る。その結果、締付け力Pによる傾き角θPを断面円形
のコイルスプリングよりも小さくできるので、断面矩形
のコイルスプリング34の素線に作用するねじれ応力も
低減できる。これらの作用によって、断面を矩形にすれ
ばコイルスプリング34の長期信頼性をより高くでき
る。
【0119】以上、この発明の実施の形態3について説
明したが、実施の形態3で説明した金属ガスケットの構
成及びキャスクの構成は、実施の形態4以降においても
適用できる。
【0120】(実施の形態4)図16は、この発明の実
施の形態4に係るキャスクの密閉構造を示す部分断面図
である。このキャスクの密閉構造は、金属ガスケットに
防水対策を施した点に特徴がある。一般にキャスクは安
全上の配慮から、水を満たした貯蔵プール内で使用済み
燃料集合体が格納される。したがって、輸送や長期貯蔵
前には、真空乾燥等の乾燥手段によって乾燥させる。こ
のとき、一部開放型のダブルリング式の金属ガスケット
やシングルリングタイプの金属ガスケットでは、内部に
侵入した水分が完全に除去できないか乾燥に長時間を要
していた。また、完全に乾燥していないと、これが原因
で金属ガスケットに腐食を発生させるおそれがあった。
【0121】図16(a)は、防水対策として、金属ガ
スケット20における外被50の隙間部分をシール剤6
4によって埋めたものである。これによって、使用済み
燃料集合体収納時における金属ガスケット20に対する
水の侵入を防止している。また、コイルスプリング30
内に乾燥剤を入れると、コイルスプリング30内部を乾
燥した状態に保つ効果がある。同図(b)に示すよう
に、ダブルリング式の金属ガスケット20のリング同士
の間に形成される空間へシール剤64を充填するように
してもよい。このようにすると、締め付けの際に金属ガ
スケット20が変形してもこの変形に樹脂が追従しやす
いので、より防水性を高くでき好ましい。このような防
水対策を施せば、金属ガスケット20の内部に水が浸入
することはないので、水による金属ガスケット20の腐
食は発生しない。これによって、長期貯蔵においても高
いシール性能を維持できる。なお、上記シール剤64に
はシリコンゴム系のものが防水性、耐久性及び変形追従
性に優れるため好ましく、具体的には、例えば、信越化
学工業株式会社製の「KE103」等があげられる。
【0122】また、図16(c)に示すように、金属ガ
スケット20における外被50の隙間部分に撥水剤65
を塗布してもよい。このようにすれば、撥水剤65を塗
布した部分は水をはじくので、真空乾燥の際には容易に
水分を除去できる。また、上記シール剤64とともにこ
の撥水剤65を使用すれば、より防水効果を高くでき
る。なお、撥水処理は金属ガスケット20全体に施して
もよい。このようにすると、さらに水分を容易に除去で
きるため好ましい。また、撥水剤65としては、例え
ば、シリコン系、フッ素系、シランカップリング系のも
のが使用できる。
【0123】さらに、界面活性剤として、エタノールや
メタノール、あるいはイソプロピルアルコール等のアル
コールその他の有機剤を密封前に金属ガスケット20に
充填させるか、又は十分に塗布しておいてもよい。水中
における使用済み燃料集合体の格納時においては、これ
らの有機剤によって金属ガスケット20に対する水の侵
入を防止する。そして、これらの有機剤は沸点が低いた
め、真空乾燥の際にはこれらの有機剤が完全に蒸発して
水分は金属ガスケット20に残留しない。このようにし
ても、残留水分を除去できるので、長期貯蔵においても
金属ガスケット20の腐食を抑制して、貯蔵の信頼性を
高くすることができる。
【0124】さらに、図16(d)に示すように、乾燥
剤66を金属ガスケット20の閉空間20i内に配置し
て、内部空間の乾燥を促進してもよい。このようにして
も、万一金属ガスケット20内に浸入した水分があって
もこれを乾燥させることができるので、長期貯蔵におい
ても金属ガスケット20の腐食を抑制して、貯蔵の信頼
性を高くすることができる。なお、乾燥剤66として
は、二酸化珪素、クレイ(粘土)等の物理的吸着型のも
の、あるいは生石灰等の化学的吸着型のもの等を使用す
ることができる。
【0125】また、金属ガスケット20の外被50の表
面に、金属皮膜や酸化皮膜その他の防錆皮膜を形成して
もよい。このようにすれば、仮に水分が残留したとして
も、防錆皮膜によって外被の腐食を抑制できるので、長
期貯蔵における密封の信頼性を高めることができる。ま
た、外被50のみならず、金属ガスケット20全体に防
錆皮膜を形成してもよい。このようにすれば、内被40
やコイルスプリング30も腐食から守ることができる。
【0126】防錆皮膜の形成方法としては、アルマイト
処理のような湿式処理方法の他、イオンプレーティング
法等によって、Ti、Cr、AgあるいはAu等の耐腐
食性の高い金属を外被50や金属ガスケットに蒸着する
方法がある。特に、イオンプレーティング法では、外被
50を金属ガスケット20に被覆した後でも防錆皮膜を
形成できるので、施工の自由度を高くでき好ましい。
【0127】(変形例1)図17は、実施の形態4の第
1変形例に係る金属ガスケットを示した説明図である。
この金属ガスケット25は、水抜き孔を備えた点に特徴
がある。同図(a)に示す例において、水抜き孔67は
コイルスプリング35の部分に設けられている。そし
て、コイルスプリング35内に進入した水を、真空乾燥
時にこの水抜き孔67から排出する。また、図17
(b)に示す例においては、二個のコイルスプリング3
5同士の間における外被50に水抜き孔68が設けられ
ている。この水抜き孔68によって、二次蓋508と金
属ガスケット25の外被50との間に残留した水分を除
去できる。この場合は、同図(c)に示すように、外被
50と二次蓋508との間に隙間を設けるように外被5
0を湾曲させてもよい。このようにすると、外被50と
二次蓋508との間における隙間が大きくなるので、水
の表面張力の影響を小さくして、より排水性を高めるこ
とができる。なお、水抜き孔67、68を開ける場所、
大きさ及び個数は、金属ガスケット25の仕様に応じて
適宜変更できる。この金属ガスケット25は、真空乾燥
時に水抜き孔67等から金属ガスケット25内部の残留
水分が除去されやすいので乾燥が容易となり、長期貯蔵
においても金属ガスケット25の腐食を抑制できる。
【0128】(変形例2)図18は、実施の形態4の第
2変形例に係る金属ガスケットを示した説明図である。
この金属ガスケット26は、内被と、この内被46で被
覆されたコイルスプリング36とで構成される内部エレ
メントを外被50で被覆し、被覆した外被50の端部5
0tと外被50とを接合した点に特徴がある。このよう
にすれば、接合部で前記内部エレメントは密封されるの
で、金属ガスケット26の内部に水が浸入することはな
い。このため、水による金属ガスケット26の腐食は発
生しないので、長期貯蔵においても高いシール性能を維
持できる。なお、外被50の端部50tと外被50との
接合には、レーザー溶接や電子ビーム溶接等の溶接手段
が適用できる。また、図18(b)のように、外被50
の端部50t同士を外被50の一箇所にまとめて接合す
れば、接合に要する作業が一回で済むので作業効率を向
上させることができる。以上、実施の形態4及びその変
形例は、従来の金属ガスケット520(図7(a)参
照)にも適用できる。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るキ
ャスクでは、蓋と胴本体との密封を保持するために、金
属ガスケットを使用した。そして、締付け力を作用させ
た場合におけるこの金属ガスケットの外被におけるシー
ル領域の応力分布は、前記シール領域以外の領域に締付
け力を作用させたと仮定した場合における当該領域の応
力分布よりも均一になるようにした(請求項1)。ま
た、金属ガスケットのシール領域は、金属ガスケットの
締付け力を分散させるようにした(請求項2)。このた
め、シール領域における局所的な応力集中を緩和できる
ので、外被のクリープ変形の進行を抑制できる。これに
よって、長期貯蔵においても金属ガスケットの応力緩和
現象を抑えることができる。
【0130】また、この発明に係るキャスク(請求項
3)では、外被のシール領域を予め平面に形成した金属
ガスケットを用いて、蓋と胴本体との密封を保持するよ
うにした。また、この発明に係る金属ガスケット(請求
項24)では、外被のシール領域を予め平面に形成し
た。このため、密封対象物である蓋及び胴本体と金属ガ
スケット外被のシール領域とが平面で接するので、前記
外被のシール領域における応力集中を分散させて、応力
分布をより均一にできる。これによって、外被のクリー
プ変形の進行を抑制できるので、長期貯蔵においても金
属ガスケットの応力緩和現象を抑えることができる。
【0131】また、この発明に係るキャスク(請求項
4)では、シール領域とシール領域以外の部分とが交わ
る部分に環状の外被の周方向に向かう段部を形成した。
これによって、外被のシール領域における応力分布をさ
らに均一にできる。したがって、外被のクリープ変形の
進行をさらに抑制して長期貯蔵において、さらに高い安
全性を担保できる。
【0132】また、この発明に係るキャスク(請求項
5)では、シール領域において応力が高くなる部分に金
属ガスケットの周方向に向かう溝を設けた金属ガスケッ
トによって胴本体と蓋とを密封するようにした。このた
め、シール領域における材料の成分分布等の違いによっ
て硬さが高くなる結果応力が高くなる部分が存在して
も、この溝によってシール領域の応力集中を低減させ
て、応力分布を均一にできる。これによって、クリープ
変形の進行を抑制して、長期間貯蔵においても密封性能
を維持できる。
【0133】また、この発明に係るキャスク(請求項
6)では、作用圧力の高い金属ガスケット、すなわちキ
ャスクの胴本体と蓋との密封に使用できる程度の断面直
径を持った金属ガスケットにおいて、コイルスプリング
の素線径を細くした。これによって、コイルスプリング
の曲げ剛性を低くできるので、十分なスプリングバック
量を確保できる。その結果、長期間の貯蔵によって外被
がクリープダウンした場合でも、十分なスプリングバッ
ク量を確保できるので、安定した密封性能を発揮して、
輸送時の安全性も確保できる。
【0134】また、この発明に係るキャスク(請求項
7)では、素線径を細くした上記環状のコイルスプリン
グのスプリング曲げ剛性を、素線径を細くする前の約3
0%以上約80%以下とした。また、この発明に係る金
属ガスケット環状のコイルスプリングの素線径dと金属
ガスケットの断面直径Dとの比d/Dを、約0.02以
上約0.08以下の範囲とした(請求項8、請求項2
5)。さらに具体的には、環状のコイルスプリングの素
線径dを約0.35mm以上約0.80mm以下とし、
金属ガスケットの断面直径Dを約5.0mm以上約1
2.0以下とした(請求項9、26)。このため、ある
程度の曲げ剛性を確保しつつスプリングバック量を大き
くする効果を得ることができるので、長期間貯蔵におい
ても高い密封性能を維持でき、また、胴本体と蓋とのず
れに対する裕度も維持できる。
【0135】また、この発明に係るキャスク(請求項1
0)では、断面形状が矩形の素線を使用した金属ガスケ
ットを使用するようにした。また、この発明に係る金属
ガスケット(請求項27)では、断面形状が矩形の素線
を使用するようにした。このため、断面円形のコイルス
プリングと比較して内被や外被との接触面積を大きくで
きるので、より均等にコイルスプリングの反発力を外被
に伝えることができる。これによって、外被の応力分布
をより均等にできるので、クリープ変形に起因する金属
ガスケットの応力緩和現象を低減できる。その結果、長
期貯蔵においても密封性能を維持できる。
【0136】また、この発明に係るキャスク(請求項1
1)では、予め断面が楕円状に形成された金属ガスケッ
トを使用して、胴本体と蓋との気密を保持するようにし
た。また、この発明に係る金属ガスケット(請求項2
8)では、断面形状を予めシール領域の曲率半径がシー
ル領域以外の部分における曲率半径よりも大きくなるよ
うな楕円形状とした。このため、断面形状が円形である
場合と比較して、スプリングの曲げ剛性を低くできるの
で、スプリングバック量を十分に確保できる。これによ
って、従来の金属ガスケットよりも大きなずれが生じて
も、キャスクの気密を維持できるので、より安全に輸送
できる。
【0137】また、この発明に係るキャスク(請求項1
2)では、フープ径の異なる環状のコイルスプリングを
同心状に配置し、これらを外被で一体とした金属ガスケ
ットによって、胴本体と蓋とを密封するようにした。ま
た、この発明に係る金属ガスケット(請求項29)で
は、フープ径の異なる環状のコイルスプリングを同心状
に配置し、これらを外被で一体とした。このように、外
被同士で個々のコイルスプリングを一体化しているの
で、長期間貯蔵において外被がクリープ変形しても、二
個のコイルスプリングが互いにこのクリープ変形を規制
する。これによって、外被のクリープ変形に起因する金
属ガスケットの応力緩和現象をさらに抑えて、より高い
安全性を担保できる。
【0138】また、この発明に係るキャスク(請求項1
3)では、フープ径の異なる環状のコイルスプリングを
同心状に配置し、これらを外被で被覆した後、外被の端
部同士を接合した断面楕円状の金属ガスケットによっ
て、胴本体と蓋とを密封するようにした。また、この発
明に係る金属ガスケット(請求項30)では、フープ径
の異なる環状のコイルスプリングを同心状に配置し、こ
れらを外被で被覆した後、外被の端部同士を接合して断
面楕円状になるようにした。これによって、外被のクリ
ープ変形に起因する金属ガスケットの応力緩和現象をさ
らに抑えて、長期貯蔵においてさらに高い安全性を担保
できる。また、金属ガスケットを完全な密封構造とする
ことができ、金属ガスケット内部に水分が残留しないの
で耐腐食性に優れ、長期貯蔵における信頼性を高くでき
る。
【0139】また、この発明に係るキャスク(請求項1
4)では、同心状に配置したフープ径の異なる二個のコ
イルスプリングの間に、予めスペーサを備えてから外被
の端部同士を接合した金属ガスケットを使用するように
した。また、この発明に係る金属ガスケット(請求項3
1)では、同心状に配置したフープ径の異なる二個のコ
イルスプリングの間に、予めスペーサを備えてから外被
の端部同士を接合した。このスペーサによって外被の変
形を抑えることができるので、外被のクリープ変形をよ
り抑制して、長期保管における信頼性をさらに高くでき
る。また、外被の端部同士を接合する際には、外被がこ
のスペーサによって支えられるので、施工効率を高くで
き、より確実に外被を接合できる。
【0140】また、この発明に係るキャスク(請求項1
5)では、異なるフープ径を持つ二個の環状のコイルス
プリングを同心状に配置し、両者のスプリング直径を異
ならせて径の異なるガスケットリングを備えた金属ガス
ケットを使用するようにした。また、この発明に係る金
属ガスケット(請求項32)では、異なるフープ径を持
つ二個の環状のコイルスプリングを同心状に配置し、両
者のスプリング直径を異ならせて径の異なるガスケット
リングを備えた。このため、径の大きい方のガスケット
リングがキャスクの胴本体及び蓋と接した状態で真空乾
燥すれば、径の小さいほうのガスケットリングから水分
が蒸発する。このように、金属ガスケット内の水分を十
分に取り除くことができるので、金属ガスケットが腐食
するおそれを極小にできる。
【0141】また、この発明に係るキャスク(請求項1
6)では、異なるフープ径を持つ二個の環状のコイルス
プリングを同心状に配置してこれらを外被で被覆して一
体とし、さらに前記コイルスプリング間における外被
を、金属ガスケットの締付け方向に向かって予め湾曲さ
せた金属ガスケットを使用するようにした。このため、
外被とキャスクの胴本体等との間に空間ができるので、
この空間に入り込んだ水を除去しやすくなる。これによ
って、残留水分をより効果的に取り除くことができるの
で、金属ガスケットや蓋等が腐食するおそれを極小にで
きる。
【0142】また、この発明に係るキャスク(請求項1
7)では、金属ガスケットの外被に水抜き孔を設けた金
属ガスケットを使用するようにした。このため、より効
率よく金属ガスケットを乾燥させることができるので、
長期貯蔵においても金属ガスケットの腐食を抑制でき
る。
【0143】また、この発明に係るキャスク(請求項1
8)では、金属ガスケットの外被をキャスクの胴本体及
び蓋よりも軟らかい金属とした。このため、キャスクの
胴本体や蓋を傷つけることはないので、これらを容易に
再利用することができる。
【0144】また、この発明に係るキャスク(請求項1
9)では、コイルスプリングと外被との間に、コイルス
プリングを被覆する内被をさらに備えた金属ガスケット
を使用するようにした。また、この発明に係る金属ガス
ケット(請求項33)では、コイルスプリングと外被と
の間に、コイルスプリングを被覆する内被をさらに備え
た。このため、この内被によって、コイルスプリングの
押圧力が外被に均等に伝わるという作用が得られる。こ
れによって、外被の局所的な応力集中を分散させること
ができるので、外被のクリープ変形に起因する応力緩和
現象を抑えて、長期貯蔵における信頼性を高めることが
できる。
【0145】また、この発明に係るキャスク(請求項2
0)では、金属ガスケットの外被には、キャスクの胴本
体及び上記蓋よりも腐食電位が高い金属を使用するよう
にした。このため、まず金属ガスケットの外被から腐食
するため、高価なキャスクの胴本体および蓋を腐食から
守ることができる。
【0146】また、この発明に係るキャスク(請求項2
1)では、金属ガスケットのコイルスプリングが大気に
触れる部分をシール手段によって覆うようにした。ま
た、この発明に係る金属ガスケット(請求項34)で
は、コイルスプリングが大気に触れる部分をシール手段
によって覆うようにした。このため、プール内で金属ガ
スケットを取り扱っても、金属ガスケット内に水が浸入
することはないので、金属ガスケットの腐食を抑えて長
期貯蔵においても高い密封性能を維持できる。
【0147】また、この発明に係るキャスク(請求項2
2)では、撥水剤が塗布されている金属ガスケットを使
用するようにした。また、この発明に係る金属ガスケッ
ト(請求項35)では、金属ガスケットに撥水剤を塗布
するようにした。このため、撥水剤によって金属ガスケ
ットに付着した水がはじかれるので、金属ガスケットに
残留する水分を極小にできる。その結果、金属ガスケッ
トの腐食を抑えて長期貯蔵においても高い密封性能を維
持できる。
【0148】また、この発明に係るキャスク(請求項2
3)では、アルコールその他の有機剤を予め塗布した金
属ガスケットを介して、蓋をキャスクの本体胴に取り付
けることとした。このため、水中においては、これらの
有機剤によって金属ガスケットに対する水の侵入を防止
する。また、これらの有機剤は沸点が低いため、真空乾
燥の際にはこれらの有機剤が完全に蒸発するので水分は
金属ガスケットに残留しない。この結果、長期貯蔵にお
いても金属ガスケットの腐食を抑制して、貯蔵の信頼性
を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るキャスクにおけ
るシール構造を示す説明図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る金属ガスケット
を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る金属ガスケット
のコイルスプリングを示す説明図である。
【図4】金属ガスケットに作用する応力と、金属ガスケ
ットの歪との関係を示した説明図である。
【図5】金属ガスケットに作用させる荷重と金属ガスケ
ットの変位との関係を示した説明図である。
【図6】この発明に係る金属ガスケットを示す断面図で
ある。
【図7】従来の金属ガスケットを示す断面図である。
【図8】シール領域における応力を分散させる他の形状
の例を示した説明図である。
【図9】シール領域における応力を分散させる他の例を
示した説明図である。
【図10】ガスケット溝面等に微小凹凸を形成した状態
を示す拡大図である。
【図11】実施の形態1の第1変形例に係る金属ガスケ
ットを示す説明図である。
【図12】実施の形態1の第2変形例に係る金属ガスケ
ットを示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態2に係るキャスクにお
けるシール構造を示す説明図である。
【図14】外被の端部同士を接合していない一部開放型
のダブルリング式の金属ガスケット及びこの発明の実施
の形態2に係る金属ガスケットを示す説明図である。
【図15】この発明の実施の形態3に係る金属ガスケッ
トのスプリングを示す説明図である。
【図16】この発明の実施の形態4に係るキャスクの密
閉構造を示す部分断面図である。
【図17】実施の形態4の第1変形例に係る金属ガスケ
ットを示した説明図である。
【図18】実施の形態4の第2変形例に係る金属ガスケ
ットを示した説明図である。
【図19】従来のキャスクの構造を示す断面図である。
【図20】図19に示したキャスクの一部拡大図であ
る。
【図21】キャスクのシールに使用する金属ガスケット
及びキャスクのシール部を示す拡大図である。
【符号の説明】
9 ガスケット溝部 10 シール構造 20、20'、21、21a、22、23,24、2
5、26 金属ガスケット 22e 内部エレメント 30、30a、30x、31a、31b、32、33
a、34、35a、36コイルスプリング 40、41a、42、43、44、46 内被 50 外被 50as、50as2、50s、Sn シール領域 50d 段部 50x 溝部 50t 端部 60 スペーサ 64 シール剤 65 撥水剤 66 乾燥剤 67、68 水抜き孔 82 微小凹凸 500 キャスク 501 胴本体 506 フランジ部 507 一次蓋 508 二次蓋 509 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅田 和雄 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 坂口 康弘 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 木村 延 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済み燃料集合体を収納するバスケッ
    トを格納するキャビティが形成された放射線を遮蔽する
    胴本体と、 当該胴本体のキャビティ開口側に取り付けられる蓋と、 環状のコイルスプリングと、当該コイルスプリングを被
    覆する金属の外被とを有し、前記胴本体と前記蓋との間
    に介在して前記キャビティ内の密封を保持する金属ガス
    ケットとを備え、 前記金属ガスケットは、前記胴本体及び前記蓋と接する
    前記外被のシール領域に締付け力が作用した場合におけ
    る当該シール領域の応力分布が、前記外被のシール領域
    以外の領域に締付け力が作用した場合における前記シー
    ル領域以外の領域の応力分布よりも均一であることを特
    徴とするキャスク。
  2. 【請求項2】 使用済み燃料集合体を収納するバスケッ
    トを格納するキャビティが形成された放射線を遮蔽する
    胴本体と、 当該胴本体のキャビティ開口側に取り付けられる蓋と、 環状のコイルスプリングと、当該コイルスプリングを被
    覆する金属の外被とを有し、前記胴本体と前記蓋との間
    に介在して前記キャビティ内の密封を保持する金属ガス
    ケットとを備え、 前記金属ガスケットは、前記胴本体及び前記蓋と接する
    前記外被のシール領域が、密封のために前記金属ガスケ
    ットに作用させる締付け力を分散させる形状に形成され
    ていることを特徴とするキャスク。
  3. 【請求項3】 使用済み燃料集合体を収納するバスケッ
    トを格納するキャビティが形成された放射線を遮蔽する
    胴本体と、 当該胴本体のキャビティ開口側に取り付けられる蓋と、 環状のコイルスプリングと、前記コイルスプリングを被
    覆し、且つ前記胴本体及び前記蓋と接するシール領域が
    予め平面に形成された環状の外被とを有し、前記胴本体
    と前記蓋との間に介在して前記キャビティ内の密封を保
    持する金属ガスケットとを備えたことを特徴とするキャ
    スク。
  4. 【請求項4】 さらに、上記環状の外被における上記シ
    ール領域を形成する平面と、上記シール領域以外の部分
    とが交わる部分には、上記環状の外被の周方向に向かう
    段部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載
    のキャスク。
  5. 【請求項5】 さらに、上記金属ガスケットの上記シー
    ル領域は、上記環状の外被の周方向に向かう少なくとも
    1の溝部を有することを特徴とする請求項3又は4に記
    載のキャスク。
  6. 【請求項6】 さらに、ある作用圧力に耐え得る上記金
    属ガスケットの断面直径と上記環状のコイルスプリング
    の素線径との組合せにおいて、この環状のコイルスプリ
    ングの素線径を細くしたことを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項に記載のキャスク。
  7. 【請求項7】 さらに、素線径を細くした上記環状のコ
    イルスプリングのスプリング曲げ剛性を、素線径を細く
    する前の約30%以上約80%以下としたことを特徴と
    する請求項6に記載のキャスク。
  8. 【請求項8】 さらに、上記環状のコイルスプリングの
    素線径dと上記金属ガスケットの断面直径Dとの比d/
    Dが約0.02以上約0.08以下であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャスク。
  9. 【請求項9】 さらに、上記環状のコイルスプリングの
    素線径dは約0.35mm以上約0.80mm以下であ
    り、上記金属ガスケットの断面直径Dは約5.0mm以
    上約12.0以下であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項に記載のキャスク。
  10. 【請求項10】 さらに、上記環状のコイルスプリング
    は、素線の断面形状が矩形であることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれか1項に記載のキャスク。
  11. 【請求項11】 さらに、上記金属ガスケットは、上記
    外被で被覆された上記環状のコイルスプリングの部分に
    おける断面が楕円形状であって、シール領域の曲率半径
    はシール領域以外の部分における曲率半径よりも大きい
    コイルスプリングを備えたことを特徴とする請求項1〜
    10のいずれか1項に記載のキャスク。
  12. 【請求項12】 さらに、上記金属ガスケットは、フー
    プ径の異なる二個の上記環状のコイルスプリングを同心
    状に配置して二重リングを構成し、それぞれの上記環状
    のコイルスプリングを上記外被によって被覆して一体化
    したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に
    記載のキャスク。
  13. 【請求項13】 さらに、フープ径の異なる二個の上記
    環状のコイルスプリングを同心状に配置して二重リング
    を構成し、それぞれの上記環状のコイルスプリングを上
    記外被によって被覆し、且つ上記外被の端部同士を接合
    して断面楕円状に形成したことを特徴とする請求項1〜
    12のいずれか1項に記載のキャスク。
  14. 【請求項14】 さらに、上記外被と上記二個の環状の
    コイルスプリングとで囲まれた空間に、上記金属ガスケ
    ットの締付け方向に対する上記外被の動きを制限するス
    ペーサを備えたことを特徴とする請求項13に記載のキ
    ャスク。
  15. 【請求項15】 上記二個の環状のコイルスプリングの
    うち、一方の直径を他方の直径よりも小さくしたことを
    特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載のキ
    ャスク。
  16. 【請求項16】 さらに、上記二個の環状のコイルスプ
    リング間における上記外被は、上記金属ガスケットの締
    付け方向に向かって湾曲させたことを特徴とする請求項
    13〜15のいずれか1項に記載のキャスク。
  17. 【請求項17】 さらに、上記外被には水抜き孔が設け
    られていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか
    1項に記載のキャスク。
  18. 【請求項18】 さらに、上記外被は、上記胴本体及び
    上記蓋よりも軟らかい金属であることを特徴とする請求
    項1〜17のいずれか1項に記載のキャスク。
  19. 【請求項19】 さらに、上記環状コイルスプリングと
    上記外被との間に、上記環状のコイルスプリングを被覆
    する内被を備えたことを特徴とする請求項1〜18のい
    ずれか1項に記載のキャスク。
  20. 【請求項20】 さらに、上記外被は上記胴本体及び上
    記蓋よりも腐食電位が高い金属であることを特徴とする
    請求項1〜19のいずれか1項に記載のキャスク。
  21. 【請求項21】 さらに、少なくとも上記金属ガスケッ
    トの環状のコイルスプリングが大気に触れる箇所には、
    シリコン樹脂その他のシール手段で覆うことを特徴とす
    る請求項1〜20のいずれか1項に記載のキャスク。
  22. 【請求項22】 さらに、上記金属ガスケットには、撥
    水剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜21
    のいずれか1項に記載のキャスク。
  23. 【請求項23】 さらに、上記金属ガスケットには、有
    機剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜22
    のいずれか1項に記載のキャスク。
  24. 【請求項24】 環状のコイルスプリングと、 前記コイルスプリングを被覆し、且つ密封対象物と接す
    るシール領域が予め平面に形成された環状の外被と、 を備えたことを特徴とする金属ガスケット。
  25. 【請求項25】 さらに、上記環状のコイルスプリング
    の素線径dと上記金属ガスケットの断面直径Dとの比d
    /Dが約0.02以上約0.08以下であることを特徴
    とする請求項24に記載の金属ガスケット。
  26. 【請求項26】 さらに、上記環状のコイルスプリング
    の素線径dは約0.35mm以上約0.80mm以下で
    あり、上記金属ガスケットの断面直径Dは約5.0mm
    以上約12.0以下であることを特徴とする請求項24
    又は25に記載の金属ガスケット。
  27. 【請求項27】 素線の断面が矩形の環状のコイルスプ
    リングと、 当該コイルスプリングを被覆する外被と、 を備えたことを特徴とする請求項24〜26のいずれか
    1項に記載の金属ガスケット。
  28. 【請求項28】 さらに、上記金属ガスケットは、上記
    外被で被覆された上記環状のコイルスプリングの部分に
    おける断面が楕円形状であって、シール領域の曲率半径
    はシール領域以外の部分における曲率半径よりも大きい
    コイルスプリングを備えたことを特徴とする請求項24
    〜27のいずれか1項に記載の金属ガスケット。
  29. 【請求項29】 さらに、上記金属ガスケットは、フー
    プ径の異なる二個の上記環状のコイルスプリングを同心
    状に配置して二重リングを構成し、それぞれの上記環状
    のコイルスプリングを上記外被によって被覆して一体化
    したことを特徴とする請求項24〜28のいずれか1項
    に記載の金属ガスケット。
  30. 【請求項30】 さらに、フープ径の異なる二個の上記
    環状のコイルスプリングを同心状に配置して二重リング
    を構成し、それぞれの上記環状のコイルスプリングを上
    記外被によって被覆し、且つ上記外被の端部同士を接合
    して断面楕円状に形成したことを特徴とする請求項24
    〜29のいずれか1項に記載の金属ガスケット。
  31. 【請求項31】 さらに、上記外被と上記二個の環状の
    コイルスプリングとで囲まれた空間に、上記金属ガスケ
    ットの締付け方向に対する上記外被の動きを制限するス
    ペーサを備えたことを特徴とする請求項30に記載の金
    属ガスケット。
  32. 【請求項32】 上記二個の環状のコイルスプリングの
    うち、一方の直径を他方の直径よりも小さくしたことを
    特徴とする請求項29〜31のいずれか1項に記載の金
    属ガスケット。
  33. 【請求項33】 さらに、上記環状コイルスプリングと
    上記外被との間に、上記環状のコイルスプリングを被覆
    する内被を備えたことを特徴とする請求項24〜32の
    いずれか1項に記載の金属ガスケット。
  34. 【請求項34】 さらに、少なくとも上記金属ガスケッ
    トの環状のコイルスプリングが大気に触れる箇所には、
    シリコン樹脂その他のシール手段で覆うことを特徴とす
    る請求項24〜33のいずれか1項に記載の金属ガスケ
    ット。
  35. 【請求項35】 さらに、上記金属ガスケットには、撥
    水剤が塗布されていることを特徴とする請求項24〜3
    4のいずれか1項に記載の金属ガスケット。
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