JP2003315440A - コンパクトレンジのフィールド測定方法及びその装置 - Google Patents

コンパクトレンジのフィールド測定方法及びその装置

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JP2003315440A
JP2003315440A JP2002122419A JP2002122419A JP2003315440A JP 2003315440 A JP2003315440 A JP 2003315440A JP 2002122419 A JP2002122419 A JP 2002122419A JP 2002122419 A JP2002122419 A JP 2002122419A JP 2003315440 A JP2003315440 A JP 2003315440A
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JP
Japan
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antenna
reflector
electromagnetic wave
parabolic reflector
field
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JP2002122419A
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English (en)
Inventor
Masato Tadokoro
眞人 田所
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送信アンテナと受信アンテナが一体化された
アンテナモジュールを用いて所定平面における放射界分
布測定を行えるコンパクトレンジのフィールド測定方法
及びその装置を提供する。 【解決手段】 送信アンテナ41と受信アンテナ42が
一体となったアンテナモジュール4をコンパクトレンジ
を構成するパラボラリフレクタ1の焦点に配置すると共
にベクトルネットワークアナライザ3に接続し、所定の
RCSを返すことができる反射板21をパラボラリフレ
クタに正対する平面内を移動するようにフィールドスキ
ャナ2に設置し、ベクトルネットワークアナライザ3に
よってS21法による演算処理で得られた電磁波の振幅
と位相変動の情報をコンピュータ装置5出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パラボラリフレク
タにより電磁波的な遠方界を形成するコンパクトレンジ
のフィールド測定方法及びその装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に電波暗室での試験は屋外テストレ
ンジでの測定に比較して、秘匿性に優れる、気象の影響
を受けない、電波法の規制を受けない、外乱の影響を受
けない、等の利点があるが、アンテナなどの放射系の試
験においては被試験体の寸法と試験電波の波長の関係に
おいて遠方界基準が適用され、送信アンテナと受信アン
テナの間の距離は本条件((1)式)により制限される。
(通常は、試験体の寸法が距離により制限される。) この条件は、被試験アンテナ開口部最大寸法をD、送信
源からの距離をR、波長をλとして、被試験アンテナ開
口上でλ/16以下の位相誤差に抑えることから導かれ
る。
【0003】R>2D2/λ …(1) この条件によれば、10mの距離がとれる電波暗室でも
ミリ波帯(例えば100GHz帯)では、最大で120
mm程度のアンテナでしか遠方界条件下で試験を行うこ
とができない。
【0004】一方で、RCS(レーダ断面積)について
も同じ条件が成立し、上記の条件では最大寸法120m
mの物体の測定しか行うことができないことになる。
【0005】この問題を解決する手法としてコンパクト
レンジが考案された。コンパクトレンジは、パラボラリ
フレクタの原理により点波源を平面波に変換し、擬似的
に電磁波的な遠方界を実現することができるものであ
る。
【0006】即ち、コンパクトレンジは、ソースの点波
源から放射された球面波をパラボラリフレクタにより平
面波に変換するシステムである。パラボラリフレクタに
よって球面波を平面波に変換することにより擬似的に遠
方界が実現でき、波長及び対象物の寸法に関係なく測定
を行うことが可能となる。尚、実際には平面性を得られ
る領域はリフレクタのサイズと形状に依存し、リフレク
タ寸法の50〜75%程度である。
【0007】コンパクトレンジを利用することにより、
通常では測定不可能なサイズの対象物のRCSも測定で
きるようになる。
【0008】コンパクトレンジの性能は、端的には、ク
ワイエットゾーンと称させる疑似遠方界が得られる領域
の大きさとその領域内における電磁波の振幅と位相の平
滑性で表現される。例えば、領域の大きさがφ1.5
m、振幅が±1dB、位相が±15°のように表され
る。
【0009】このクワイエットゾーンの測定には、通
常、X−Y2軸のフィールドスキャナと称される装置を
使用する。このフィールドスキャナは、プローブ(受信
アンテナ)を装備し、このプローブをパラボラリフレク
タと正対する平面内で移動する装置で、各指定位置での
放射界分布(フィールド)すなわち電磁波の振幅及び位
相の測定を可能にする。
【0010】測定器には、振幅と位相を測定できるベク
トルネットワークアナライザ(以下、VNAと称する)
が通常使用されている。VNAは送信アンテナに接続さ
れるポートと、受信アンテナに接続されるポートを有
し、これら2つのポートの入出力信号に対してS21法
による演算処理を行い、受信アンテナの位置における電
磁波の振幅と位相の値を算出して出力する。この演算結
果から、受信アンテナを移動した前記平面内の放射界特
性を得ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ミリ波
帯においては送受信が一体となったモジュールが使用さ
れる場合もあり、この様な場合には同モジュールをコン
パクトレンジの焦点に置かざるを得ず、従って、フィー
ルドスキャナにプローブ(受信アンテナ)を設置するこ
とができないので、フィールド測定を行うことが困難で
あった。
【0012】即ち、ミリ波帯等の極めて高周波領域向け
のベクトルネットワークアナライザは、試験電磁波を得
るためにマイクロ波を数逓倍している。さらに、ミリ波
用の高周波電流は同軸線や導波管等の伝送線路における
損失が非常に大きいため、この逓倍器部分は外部モジュ
ールとしてアンテナに極めて近い位置に設置される。例
えば、送受信アンテナと一体化されたアンテナモジュー
ルとされる。具体例としては、特にRCS測定用途を想
定した一体型モジュールが知られている。
【0013】従って、従来のフィールド測定装置では、
送信アンテナと受信アンテナをそれぞれ、パラボラリフ
レクタの焦点とフィールドスキャナの移動体に設ける必
要があるので、前述した様な一体型のアンテナモジュー
ルを用いた測定は不可能であった。
【0014】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、送信
アンテナと受信アンテナが一体化されたアンテナモジュ
ールを用いて所定平面における放射界分布測定を行える
コンパクトレンジのフィールド測定方法及びその装置を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、送信アンテナと受信アンテナが一体化さ
れたアンテナモジュールと、該アンテナモジュールが接
続されて送受信源となる2つのポートに対するS21法
による測定が可能なベクトルネットワークアナライザと
を用い、パラボラリフレクタにより電磁波的な遠方界を
形成するコンパクトレンジのフィールドを測定する方法
であって、少なくとも前記パラボラリフレクタからの入
射電磁波を該電磁波の入射方向に反射する無方向性反射
体を前記パラボラリフレクタに正対する平面内で移動可
能に設け、送受信アンテナを前記パラボラリフレクタに
向けて前記アンテナモジュールを前記パラボラリフレク
タの焦点に配置し、前記ベクトルネットワークアナライ
ザから前記送信アンテナに高周波電流を供給し、前記送
信アンテナから電磁波を輻射して前記パラボラリフレク
タに反射させて前記無方向性反射体に照射し、前記無方
向性反射体によって反射され、さらに前記パラボラリフ
レクタによって反射された電磁波を前記受信アンテナで
受信し、前記ベクトルネットワークアナライザによっ
て、前記送信アンテナに供給した高周波電流と前記受信
アンテナで受信した高周波電流に対して前記S21法に
よる演算処理を施し、演算処理の結果から前記無方向性
反射体の位置における電磁波の振幅と位相の情報を得
て、前記無方向性反射体を前記平面内で移動することに
より前記平面における放射界分布を測定するコンパクト
レンジのフィールド測定方法を提案する。
【0016】上記の様な送受信アンテナが一体化された
アンテナモジュールを用いたベクトルネットワークアナ
ライザにおいてはS21法のみが適用可能であるが、従
来、受信アンテナをプローブとして設けたフィールドス
キャナのプローブ取り付け位置に、平板或いはルーネベ
ルクレンズ、コーナーリフレクタのような無方向性反射
体を設置することにより、パラボラリフレクタから放射
された送信電磁波がフィールドスキャナに達したとき
に、前記無方向性反射体が電磁波を反射し、この反射波
がパラボラリフレクタに入射して、焦点位置にある受信
アンテナに入射される。これにより前記無方向性反射体
が移動する前記平面内の放射界分布を測定することがで
きる。
【0017】また、本発明は、上記のフィールド測定方
法を実現する装置として、パラボラリフレクタにより電
磁波的な遠方界を形成するコンパクトレンジにおける前
記パラボラリフレクタに正対する所定平面内の放射界分
布を測定するコンパクトレンジのフィールド測定装置で
あって、少なくとも前記パラボラリフレクタからの入射
電磁波を該電磁波の入射方向に反射する無方向性反射体
と、前記無方向性反射体を前記パラボラリフレクタに正
対する平面内で移動する手段と、送信アンテナと受信ア
ンテナが一体化され、該送信アンテナと受信アンテナを
前記パラボラリフレクタに向けて前記パラボラリフレク
タの焦点に配置されたアンテナモジュールと、前記アン
テナモジュールを接続するための送受信源となる2つの
ポートを有すると共に、前記送信アンテナに供給した高
周波電流と前記受信アンテナで受信した高周波電流に対
してS21法による演算処理測定を行って該演算処理結
果を出力するベクトルネットワークアナライザと、前記
無方向性反射体の位置情報を取得して、前記演算処理結
果から前記無方向性反射体の位置における電磁波の振幅
と位相の情報を取得して出力する手段とを備えているコ
ンパクトレンジのフィールド測定装置を提案する。
【0018】さらに、本発明は、上記フィールド測定装
置における前記無方向性反射体を、電磁波を反射する平
板、ルーネベルクレンズ、コーナーリフレクタのうちの
何れかによって構成した。平板は一般にミリ波等の高い
周波数帯域では強い指向性を生じるため、アライメント
のずれに対しての許容度が小さい他、必ずしもリフレク
タより受信した信号をその方向には返さない。従って、
ルーネベルクレンズ、コーナーリフレクタのような無方
向性が望ましい。
【0019】本発明のコンパクトレンジのフィールド測
定装置は、送受信アンテナが一体となったアンテナモジ
ュールを使用するベクトルネットワークアナライザにお
いても前記無方向性反射体を移動する手段に所定のRC
S(レーダ断面積)を返すことができる平板やルーネベ
ルクレンズ或いはコーナーリフレクタ等の無方向性反射
体を設置することにより、コンパクトレンジのフィール
ド測定を可能とする。さらに、ベクトルネットワークア
ナライザを使用してフィールド測定を行うことが容易に
可能となり、振幅分布のみならず位相分布も高精度な測
定を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。
【0021】図1は、本発明の第1実施形態におけるコ
ンパクトレンジのフィールド測定装置を示す構成図であ
る。図において、1はパラボラリフレクタ、2はフィー
ルドスキャナ、3はベクトルネットワークアナライザ
(以下、VNAと称する)、4はアンテナモジュール、
5はコンピュータ装置である。
【0022】パラボラリフレクタ1は、コンパクトレン
ジを構成するリフレクタで、図2に示すように、焦点位
置Fに配置されたアンテナモジュール4の送信アンテナ
41から輻射された球面波状の電磁波を平面波としてフ
ィールドスキャナ2方向へ反射すると共に、フィールド
スキャナ2によって反射された電磁波を入射して、これ
をアンテナモジュール4に向けて反射する。
【0023】フィールドスキャナ2は、パラボラリフレ
クタ1に正対する平面内に配置され、図3に示すよう
に、鉛直方向に延びる2本の枠部材22a,22bと、
これらの枠部材22a,22bの上端同士及び下端同士
を連結するように水平に配置された2本の枠部材22
c,22dとからなる枠体22を備え、水平方向に延び
る2つの枠部材22c,22dのそれぞれには枠部材2
2c,22dに沿って移動する移動体23a,23bが
設けられている。
【0024】さらに、上下に配置された2つの移動体2
3a,23bを連結するように鉛直方向に延びる棒状の
部材24が設けられていると共に、この部材に沿って移
動する移動体25が設けられている。
【0025】移動体25には、電磁波を反射する金属板
からなる正方形の反射板21が支持部材26によって固
定されている。尚、反射板21は、フィールドスキャナ
2よりも大きい所定のRCS(レーダ断面積)を有して
いる。ここで、反射板21は、支持部材26によって移
動体25から所定距離Lだけ離されて固定されている。
これは、本実施形態においては、スキャナ2自体が電磁
波の反射体となるため、反射板21の設置位置は、反射
板21がスキャナ2本体のRCSより十分に大きいRC
Sを有するようにするためである。
【0026】上記各移動体23a,23b,25のそれ
ぞれにはパルスモータ27a,27b,28を含む移動
機構が内蔵され、これらはコンピュータ装置5の制御に
よって駆動される。
【0027】上記構成によるフィールドスキャナ2によ
って、上記反射板21は、パラボラリフレクタに正対す
る平面内をX方向(水平方向)及びY方向(鉛直方向)
の双方に自由に移動可能になっている。
【0028】VNA3は、一般に市販されている製品
で、送信アンテナに接続されるポートと、受信アンテナ
に接続されるポートを有し、これら2つのポートの入出
力信号に対してS21法による演算処理を行い、受信ア
ンテナの位置における電磁波の振幅と位相の値を算出し
てコンピュータ装置5に出力する。
【0029】即ち、VNA3は、コンピュータ装置5か
らの指令に基づいて、送信アンテナ41に高周波電流を
供給し、送信アンテナ41から電磁波を輻射してパラボ
ラリフレクタに1反射させて反射板21に照射し、反射
板21によって反射され、さらにパラボラリフレクタ1
によって反射された電磁波を受信アンテナ42で受信
し、送信アンテナ41に供給した高周波電流と受信アン
テナ42で受信した高周波電流に対して周知のS21法
による演算処理を施し、この演算処理の結果から受信し
た電磁波の振幅と位相変動の値を得て、コンピュータ装
置5に出力する。
【0030】アンテナモジュール4は、RCS測定用途
を想定したミリ波帯用の一体型モジュールであり、ミリ
波帯の送信アンテナ41と受信アンテナ42及び周波数
逓倍器(図示せず)が一体化されたものである。この周
波数逓倍器は、従来例で説明したように、試験電磁波を
得るためにマイクロ波を数逓倍するもので、ミリ波用の
高周波電流は同軸線や導波管等の伝送線路における損失
が非常に大きいので、この逓倍器部分をアンテナに極め
て近い位置に設置するために、送受信アンテナと一体化
してアンテナモジュールとされている。
【0031】コンピュータ装置5は、図4に示すよう
に、VNA3との間のインタフェース部51と、パルス
モータ駆動回路52,53、中央処理部54、記憶部5
5、表示部56、キーボード57等から構成されてい
る。
【0032】インタフェース部51は、中央処理部54
とVNA3との間のデータ転送や命令転送を行うための
インタフェースで、例えば周知のGPIB(General Pur
poseInterface Bus)が使用される。
【0033】パルスモータ駆動回路52,53は、中央
処理部54の制御に基づいてパルスモータ27a,27
b,28を駆動する。これにより、反射板21の位置す
るX−Y座標を変化させる。
【0034】中央処理部54は、周知のCPUを主体と
して構成され、予め設定され記憶部55に格納されてい
るプログラムによって動作し、VNA3の動作を制御し
て送信アンテナ41から電磁波を輻射させると共に、受
信アンテナ42によって受信した電磁波の振幅と位相の
情報を取得する。さらに、中央処理部54は、パルスモ
ータ駆動回路52,53を介してパルスモータ27a,
27b,28を駆動し、反射板21の位置するX−Y座
標を変化させ、VNA3から取得した振幅と位相の情報
に基づいて反射板21の位置における電磁波の振幅と位
相変動を算出してこれを表示する。
【0035】記憶部55は、半導体メモリや磁気ディス
ク装置等から構成され、中央処理部54を動作させるプ
ログラムが格納されていると共に、演算処理における一
時的なデータ格納に使用される。
【0036】表示部56は、中央処理部54による演算
処理の結果やキーボード57からの命令入力時における
入力情報などを表示する。
【0037】キーボード57は、中央処理部54への命
令入力やデータ入力のために使用される。
【0038】尚、上記構成においては金属平板からなる
反射板21を用いたが、これに代えて、例えば図5に示
すような周知のルーネベルクレンズ61や、図6に示す
ようなコーナーリフレクタ62を用いることが好まし
い。前述したように、平板は一般にミリ波等の高い周波
数帯域では強い指向性を生じるため、アライメントのず
れに対しての許容度が小さい他、必ずしもリフレクタよ
り受信した信号をその方向には返さないので、平板を使
用すると測定は容易ではないが、ルーネベルクレンズや
コーナーリフレクタのような広い角度で入射方向に電波
を反射できるリフレクタをターゲットとすることによ
り、多少のアライメント誤差等の条件の不備を無視でき
ることになる。尚、ルーネベルクレンズ61は誘電体で
構成した球体で、同心状に層化されており、平面波の入
射に対して相対する表面の1点に焦点を合わせるような
構造をなしている。また、ルーネベルクレンズ61は、
焦点に金属のキャップが装着されており、入射した電磁
波がこの金属キャップによって全反射し、電磁波入射方
向に対して再放射されるものである。
【0039】次に、前述の構成よりなるコンパクトレン
ジのフィールド測定装置を用いたフィールド測定につい
て図7のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0040】コンピュータ装置5は、フィールド測定を
開始するとき、操作員によってキーボード57から入力
された測定領域や測定座標間隔、輻射電磁波の周波数、
高周波出力などのパラメータを取り込み(SA1)、こ
れに基づいてVNA3を初期化する(SA2)。さら
に、コンピュータ装置5は、フィールドスキャナ2にお
ける反射板21のX−Y座標を所定の基準位置に設定し
てフィールドスキャナ2の初期化を行う(SA3)。
【0041】この後、コンピュータ装置5は、移動体2
3a,23bを水平方向(X軸方向)に移動する(SA
4)或いは移動体25を鉛直方向(Y軸方向)に移動す
る(SA5)ことにより、反射板21のXーY座標を変
えながら順次VNA3を介して送信アンテナ41から電
磁波を輻射すると共に受信アンテナ42で受信した電磁
波の振幅と位相の情報を取得し(SA6)、取得した情
報に演算処理を施して記憶部55に保存する(SA
7)。ここで、VNA3からコンピュータ装置5に取り
込む情報は受信アンテナ42によって受信した電磁波の
振幅と位相の情報であり、電磁波はアンテナモジュール
4と反射板21との間の距離を往復しているので、反射
板21における電磁波の位相変動は受信アンテナ42で
受信した電磁波の位相変動の1/2になる。このため、
コンピュータ装置5は、VNA3から取得した位相情報
に基づく位相変動を1/2にする演算処理を行ってい
る。
【0042】次いで、コンピュータ装置5は、指定され
た全てのX−Y座標における計測が終了したか否かを判
定し(SA8)、終了していないときは前記SA4或い
はSA5の処理に移行して計測を続行する。また、終了
したときは、フィールドスキャナ2を初期化した(SA
9)後、記憶部55に保存した計測結果を表示部56に
表示する。
【0043】上記測定結果の一例を図8及び図9に示
す。図8は反射板21が移動する平面における電磁波の
振幅に関する測定結果であり、A1〜A12のそれぞれ
の領域は振幅の範囲を表し、A1は−8〜−7dB、A
2は−9〜−8dB、A3は−10〜−9dB、A4は
−11〜−10dB、A5は−12〜−11dB、A6
は−13〜−12dB、A7は−14〜−13dB、A
8は−15〜−14dB、A9は−16〜−15dB、
A10は−17〜−16dB、A11は−18〜−17
dB、A12は−19〜−18dBの範囲内にあること
を表している。
【0044】また、図9は反射板21が移動する平面に
おける電磁波の位相変動に関する測定結果であり、P1
〜P5のそれぞれの領域は位相変動の範囲を表し、P1
は150〜180°、P2は120〜150°、P3は
90〜120°、P4は60〜90°、P5は30〜6
0°の範囲内にあることを表している。
【0045】前述したように本実施形態は、上記のよう
な一体型のアンテナモジュール4を用いても、アンテナ
モジュール4をコンパクトレンジの焦点に設置し、フィ
ールドスキャナ2の移動部25に所定のRCSを有する
反射板21或いはルーネベルクレンズ61又はコーナー
リフレクタ62のような無方向性反射体を設置すること
によって、コンパクトレンジのフィールド測定をVNA
3を用いて容易に行うことができる。
【0046】尚、VNA3にタイムドメイン機能が備え
られている場合は、タイムドメイン機能によるキャンセ
リングが利用できるので、反射板21とフィールドスキ
ャナ2の構造物との間に十分に分離できる空間をとれ
ば、フィールドスキャナ2の構造物の影響を低減するこ
とができる。
【0047】また、上記実施形態は本願発明の一具体例
であって、本願発明が上記構成のみに限定されることは
ない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、送
信アンテナと受信アンテナが一体となったアンテナモジ
ュールを使用するベクトルネットワークアナライザを用
いても、所定のRCS(レーダ断面積)を返すことがで
きる平板やルーネベルクレンズ或いはコーナーリフレク
タ等の無方向性反射体をパラボラリフレクタに正対する
平面内を移動するように設置したので、コンパクトレン
ジのフィールド測定を容易に行うことができる。さら
に、一般に普及しているベクトルネットワークアナライ
ザを使用してフィールド測定を行うことが容易に可能と
なり、振幅分布のみならず位相分布も高精度な測定を行
うことができるという非常に優れた効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるコンパクトレンジ
のフィールド測定装置を示す構成図
【図2】本発明の一実施形態におけるパラボラリフレク
タに対するフィールドスキャナとアンテナモジュールの
位置関係を説明する図
【図3】本発明の一実施形態におけるフィールドスキャ
ナを示す構成図
【図4】本発明の一実施形態における電気系回路を示す
ブロック構成図
【図5】本発明の一実施形態におけるルーネベルクレン
ズを用いたフィールドスキャナを示す構成図
【図6】本発明の一実施形態におけるコーナーリフレク
タを用いたフィールドスキャナを示す構成図
【図7】本発明の一実施形態におけるコンピュータ装置
の動作を説明するフローチャート
【図8】本発明の一実施形態における振幅の計測結果を
示す図
【図9】本発明の一実施形態における位相変動の計測結
果を示す図
【符号の説明】
1…パラボラリフレクタ、2…フィールドスキャナ、2
1…反射板、23a,23b,25…移動体、27a,
27b,28…パルスモータ、3…ベクトルネットワー
クアナライザ(VNA)、4…アンテナモジュール、4
1…送信アンテナ、42…受信アンテナ、5…コンピュ
ータ装置、51…インタフェース部、52,53…パル
スモータ駆動回路、54…中央処理部、55…記憶部、
56…表示部、57…キーボード。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信アンテナと受信アンテナが一体化さ
    れたアンテナモジュールと、該アンテナモジュールが接
    続されて送受信源となる2つのポートに対するS21法
    による測定が可能なベクトルネットワークアナライザと
    を用い、パラボラリフレクタにより電磁波的な遠方界を
    形成するコンパクトレンジのフィールドを測定する方法
    であって、 少なくとも前記パラボラリフレクタからの入射電磁波を
    該電磁波の入射方向に反射する無方向性反射体を前記パ
    ラボラリフレクタに正対する平面内で移動可能に設け、 送受信アンテナを前記パラボラリフレクタに向けて前記
    アンテナモジュールを前記パラボラリフレクタの焦点に
    配置し、 前記ベクトルネットワークアナライザから前記送信アン
    テナに高周波電流を供給し、前記送信アンテナから電磁
    波を輻射して前記パラボラリフレクタに反射させて前記
    無方向性反射体に照射し、 前記無方向性反射体によって反射され、さらに前記パラ
    ボラリフレクタによって反射された電磁波を前記受信ア
    ンテナで受信し、 前記ベクトルネットワークアナライザによって、前記送
    信アンテナに供給した高周波電流と前記受信アンテナで
    受信した高周波電流に対して前記S21法による演算処
    理を施し、 演算処理の結果から前記無方向性反射体の位置における
    電磁波の振幅と位相の情報を得て、前記無方向性反射体
    を前記平面内で移動することにより前記平面における放
    射界分布を測定することを特徴とするコンパクトレンジ
    のフィールド測定方法。
  2. 【請求項2】 パラボラリフレクタにより電磁波的な遠
    方界を形成するコンパクトレンジにおける前記パラボラ
    リフレクタに正対する所定平面内の放射界分布を測定す
    るコンパクトレンジのフィールド測定装置であって、 少なくとも前記パラボラリフレクタからの入射電磁波を
    該電磁波の入射方向に反射する無方向性反射体と、 前記無方向性反射体を前記パラボラリフレクタに正対す
    る平面内で移動する手段と、 送信アンテナと受信アンテナが一体化され、該送信アン
    テナと受信アンテナを前記パラボラリフレクタに向けて
    前記パラボラリフレクタの焦点に配置されたアンテナモ
    ジュールと、 前記アンテナモジュールを接続するための送受信源とな
    る2つのポートを有すると共に、前記送信アンテナに供
    給した高周波電流と前記受信アンテナで受信した高周波
    電流に対してS21法による演算処理測定を行って該演
    算処理結果を出力するベクトルネットワークアナライザ
    と、 前記無方向性反射体の位置情報を取得して、前記演算処
    理結果から前記無方向性反射体の位置における電磁波の
    振幅と位相の情報を取得して出力する手段とを備えてい
    ることを特徴とするコンパクトレンジのフィールド測定
    装置。
  3. 【請求項3】 前記無方向性反射体が、電磁波を反射す
    る平板、ルーネベルクレンズ、コーナーリフレクタのう
    ちの何れかによって構成されていることを特徴とする請
    求項2に記載のコンパクトレンジのフィールド測定装
    置。
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