JP2003313478A - シアンインク組成物、それを用いたインクジェット記録方法および記録物 - Google Patents
シアンインク組成物、それを用いたインクジェット記録方法および記録物Info
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Abstract
じない印刷物を作成できるシアンインク組成物、それを
用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって
記録された記録物を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、水と、下記の式1で表され
る銅フタロシアニン系染料とフェニル基を有する尿素誘
導体とを含んでなることを特徴とするシアンインク組成
物、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方
法によって記録された記録物。 【化4】 [式中、R1は、H,アルカリ金属または−NH4を表
し、R2は、アルカリ金属または−NH4を表し、R
3は、H,置換されても良いアルキル基または置換され
ても良いアリール基を表す。また、k、l、nは、それ
ぞれ0〜3、mは、1〜4の自然数であり、且つk+l
+m+n=4である。]
Description
録に好適なシアンインク組成物、特に、耐ブロンズ性に
優れたシアンインク組成物、それを用いたインクジェッ
ト記録方法及び該記録方法によって記録された記録物に
関する。
らインク組成物を小滴として吐出し、文字や画像(以
下、単に「画像」ということもある。)を記録媒体表面
に記録する方法である。インクジェット記録方式として
は、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、
ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を断続的に吐出
して記録媒体表面に文字や画像を記録する方法、ノズル
ヘッド部分に貯えたインク組成物を吐出部分に極近い一
部を急速に加熱して泡を発生させて、その泡による体積
膨張で断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や画像を
記録する方法等が実用化されている。
物としては、安全性や印字特性の面から各種染料を水ま
たは有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させたも
のが一般的であるが、様々な特性において、万年筆やボ
ールペンの様な筆記具用インク組成物に比較し、より厳
密な条件が要求される。
成にインクジェットプリンタが採用されるようになって
来ていることもあって、複数のインク組成物を使用して
カラー画像を形成する際には一段と厳しい要求がなされ
るようになってきている。なぜなら、複数のインク組成
物によって形成されたカラー画像にあっては、一色でも
色相の劣るものが存在すると、その色相のために画像全
体としての色バランスが劣り、品質の高い画像が得られ
がたいことになるからである。シアンインク組成物(特
に、色材として金属フタロシアニン系染料を使用した場
合)においては、ベタ印刷(100 %Dutyの塗りつぶし印
刷)など高Dutyで印刷を行った部分に赤浮き現象(以
下、「ブロンズ現象」という)が見られる等がある。こ
のような場合、画像全体としての色バランスが不均一と
なって画像品質を低下させるため、その改善が望まれて
いる。
作成された印刷物が、室内は勿論のこと室外にも設置さ
れることがあるため、太陽光を初めとして種々の光や外
気(オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物等)に晒されるこ
ととなり、耐光性、耐ガス性のインク組成物の開発がな
されているが、特に、耐ガス性の改善を図ったシアンイ
ンク組成物においてブロンズ現象が目立ちその改善が望
まれている。
記のような事情を考慮してなされたものであって、その
目的とするところは、印刷物堅牢性(耐光性、耐ガス
性)に優れ、ブロンズ現象の点で改善されたシアンイン
ク組成物を提供すること、それを用いたインクジェット
記録方法及び該記録方法によって記録された記録物を提
供することである。
ンク組成物において、尿素やチオ尿素、及びこれらの誘
導体を添加することは、特開平3−234775号公報
や特開平4−332777号公報等では、保湿剤とし
て、また、特開平2−173168号公報では、水など
の溶媒に対する染料の溶解性を向上させる目的に用いら
れ、その他にも、ノズル部からのインク滴の吐出性の向
上や、インク組成物保存安定性の確保などの目的など、
広く一般的に使用されている。また、インクジェット記
録用インク組成物の信頼性を保ちつつ印刷品質を向上す
る目的で、特許公報第1526778号では水溶性含窒
素化合物を、また特許公報第1319155号では尿素
やチオ尿素などの含窒素複素環式ケトンを添加すること
も提案されている。一方、水に対する溶解性の乏しい染
料を用いた場合などにおいて、酸性度の強い記録媒体に
印刷を行うとブロンズ現象が出るなどの課題も起こるこ
ともわかってきている。 特開平6−25575号公報
では、この課題を解決するために、特定の尿素誘導体で
あるところの2−オキソ−オキサゾリドンや1,3−ビ
ス(βヒドロキシエチル)尿素を添加したインク組成物
が提案されている。しかし、残念ながら、本発明者らの
種々の調査・研究の結果から、上記に記載されているよ
うな尿素誘導体を用いても、本発明の課題とするところ
の印刷物堅牢性(耐光性、耐ガス性)に優れたシアン系
染料を用いたインク組成物においては、ブロンズ現象の
解消・緩和にはなんら効果がないことが判明した。そこ
で、本発明者らは、種々の公知のシアン染料の耐光性、
耐ガス性、ブロンズ現象の防止策等について更なる調査
・研究を続けた結果、シアン染料を含有するインク組成
物にフェニル基を有する尿素誘導体を添加したところ、
ブロンズ現象に改善が見られること、特定のシアン染料
に対しては一段とその改善が見られることを見いだし、
本発明を完成したものである。
少なくとも、水と、シアン系染料とフェニル基を有する
尿素誘導体を含んでなることを特徴とする。
上記1に記載のシアン系染料が、金属フタロシアニン系
染料であることを特徴とする。
上記2に記載の金属フタロシアニン系染料が、下記の式
1で表される銅フタロシアニン系染料であることを特徴
とする。
し、R2は、アルカリ金属または−NH4を表し、R
3は、H,置換されても良いアルキル基または置換され
ても良いアリール基を表す。また、k、l、nは、それ
ぞれ0〜3、mは、1〜4の自然数であり、且つk+l
+m+n=4である。]
上記3に記載の銅フタロシアニン系染料が、C.I.ダ
イレクトブルー86,87,199であることを特徴と
する。
上記2〜4のいずれかに記載の金属フタロシアニン系染
料は、可視域(約400〜800nm)における吸収ス
ペクトルが波長590〜650nmに最大吸収ピークを
有する染料であることを特徴とする。
上記2〜5のいずれかに記載の金属フタロシアニン系染
料は、可視域(約400〜800nm)における吸収ス
ペクトルが波長590〜615nmに最大吸収ピークを
有する染料であることを特徴とする。
上記2〜6のいずれかに記載の金属フタロシアニン系染
料は、可視域(約400〜800nm)における吸収ス
ペクトルが波長590〜605nmに最大吸収ピークを
有する染料であることを特徴とする。
上記1〜7のいずれかに記載のシアンインク組成物にお
いて、フェニル基を有する尿素誘導体が、ベンジル尿素
であることを特徴とする。
上記1〜8のいずれかに記載のシアンインク組成物にお
いて、フェニル基を有する尿素誘導体をシアンインク組
成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなることを
特徴とする。
は、上記1〜9のいずれかに記載のシアンインク組成物
において、前記シアン系染料と、前記フェニル基を有す
る尿素誘導体の含有比率が、1:0.5〜1:10の範
囲であることを特徴とする。
は、上記1〜10のいずれかに記載のシアンインク組成
物において、更に、2−ピロリドン及び/又はトリエチ
レングリコールを含んでなることを特徴とする。
は、上記1〜11のいずれかに記載のシアンインク組成
物において、前記フェニル基を有する尿素誘導体と前記
2−ピロリドン及び/又はトリエチレングリコールとの
含有比率が、1:3〜1:20の範囲であることを特徴
とする。
は、上記1〜12のいずれかに記載のシアンインク組成
物において、更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなる
ことを特徴とする。
は、上記13に記載のノニオン系界面活性剤が、アセチ
レングリコール系界面活性剤であることを特徴とする。
は、上記13又は14に記載のノニオン系界面活性剤を
インク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなる
ことを特徴とする。
は、上記1〜15のいずれかに記載のシアンインク組成
物において、更に、浸透促進剤を含んでなることを特徴
とする。
は、上記16に記載の浸透促進剤が、グリコールエーテ
ルであることを特徴とする。
は、上記1〜17のいずれかに記載のシアンインク組成
物において、20℃におけるインク組成物のpHが、
7.5〜10.5であることを特徴とする。
は、インクジェット記録方法において用いられる上記1
〜18のいずれかに記載のシアンインク組成物であるこ
とを特徴とする。
は、上記19に記載のインクジェット記録方法が、電歪
素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェ
ットヘッドを用いた記録方法であることを特徴とする。
法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体
に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であっ
て、インク組成物として上記1〜20のいずれかに記載
のシアンインク組成物を使用することを特徴とする。
0のいずれかに記載のシアンインク組成物を用いて記録
されたことを特徴とする。
は、水と水溶性有機溶剤からなる水性媒体中に、少なく
ともシアン系染料とフェニル基を有する尿素誘導体を含
有し、必要に応じ、保湿剤、粘度調整剤、pH調整剤や
その他の添加剤を含んでなることができる。
系染料は、特に限定されるものではないが、特に金属フ
タロシアニン系染料においてより改善効果があり、更に
は金属フタロシアニン系染料の中でも銅フタロシアニン
系染料において、格段の改善効果が得られるものであ
る。銅フタロシアニン系染料としては、例えば、下記の
式1で表わされる染料が挙げられる。
し、R2は、アルカリ金属または−NH4を表し、R
3は、H,置換されても良いアルキル基または置換され
ても良いアリール基を表す。また、k、l、nは、それ
ぞれ0〜3、mは、1〜4の自然数であり、且つk+l
+m+n=4である。]
6,87,199等が挙げられる。これらの染料は、単
独であるいは併用して用いることも可能である。
成物を用いてインクジェット専用記録媒体(特に光沢系
記録媒体)等にベタ印刷した場合に、ブロンズ現象が見
られることがある。 耐光性及び耐ガス性の両方に優れ
たシアン系染料ほど、それを含有したインク組成物を用
いてインクジェット専用記録媒体(特に光沢系記録媒
体)等にベタ印刷した場合、ブロンズ現象が強くなる傾
向がある。このような色材に対して、ブロンズ現象がな
く、高画質なインクジェット記録物を得るためには、下
記のフェニル基を有する尿素誘導体を含有せしめること
により達成することができる。そのようなシアン系染料
の具体例としては、C.I.ダイレクトブルー86,8
7,199等が挙げられる。
媒成分の種類等により決められるが、シアンインク組成
物全重量に対し、0.1〜10重量%、好ましくは、
0.5〜5重量%の範囲である。0.1重量%より少な
い場合には、記録媒体上での発色性又は画像濃度が確保
できないという問題があり、10重量%より多い場合に
は、インク組成物の粘度調整が困難となったり吐出信頼
性や目詰まり性等の特性が確保できないという問題があ
る。
うな、シアン系染料を含有したインク組成物を用いてベ
タ印刷した場合に見られるブロンズ現象を弱める、もし
くは無くするために、フェニル基を有する尿素誘導体を
含有する。
素誘導体としては、分子構造中にフェニル基と尿素基を
有するものであればいかなるものでも良い。具体的に
は、ベンジル尿素、(R)−(+)−1−フェニルエチ
ル尿素、フェニル尿素、3−ヒドロキシフェニル尿素、
1−フェニルセミカルバジド、4−フェニルセミカルバ
ジド、N−ベンゾイル尿素、N,N’−O−フェニレン
尿素等が挙げられる。
含有量は、フェニル基を有する尿素誘導体の種類、染料
の種類、溶媒成分の種類等により決められるが、シアン
インク組成物全重量に対し、0.1〜10重量%、好ま
しくは、0.5〜5重量%の範囲である。
シアン系染料とフェニル基を有する尿素誘導体の含有比
率は、1:0.5〜1:10、より好ましくは1:1〜
1:6の範囲であることが好ましい。1:0.5よりも
シアン系染料の比率が高い場合には、フェニル基を有す
る尿素誘導体によるブロンズ現象の改善効果が十分に得
られず、また、1:10よりもフェニル基を有する尿素
誘導体の比率が高くなると、目詰まり信頼性などに影響
を及ぼすため、好ましくない。
ては、フェニル基を有する尿素誘導体をより安定したイ
ンク組成物に添加することを目的として、2−ピロリド
ン及び/又はトリエチレングリコールを用いることが、
より好ましい。本発明のシアンインク組成物において
は、フェニル基を有する尿素誘導体と2−ピロリドン及
び/又はトリエチレングリコールとの含有比率は、イン
ク組成物の保存安定性の観点から、1:3〜1:20、
より好ましくは、1:5〜1:10の範囲で用いられる
ことが好ましい。
が低下するため、所定の染料量を安定して溶解させるた
めには、インク組成物のpH(20℃)を7.5以上と
することが好ましい。また、インク組成物のpHが高す
ぎる場合には、フェニル基を有する尿素誘導体の溶解性
が低下し析出・沈殿を起こすなど、保存安定性に影響を
及ぼすことから、インク組成物のpHを10.0以下と
することが好ましい。これらの事項をよりよく両立させ
るためには、インク組成物のpHを8. 0〜9.5に調
整することがより好ましい。
純水よりも小さい水溶性有機溶剤及び/又は糖類から選
ばれる保湿剤を含むことができる。保湿剤を含むことに
より、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を
抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性
有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク
特性を変化させることなく粘度を容易に変更することが
できる。水溶性有機溶剤は、溶質を溶解する能力を持つ
媒体を指しており、有機性で蒸気圧が水より小さい水溶
性の溶媒から選ばれる。具体的には、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタン
ジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル
−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6
−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価ア
ルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブ
チロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フル
フリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、チオジグリコール等が望ましい。また、糖類は、マ
ルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルト
ース等が好ましい。保湿剤は、インク組成物全量に対し
て5〜50重量%、より好ましくは、5〜30重量%、
さらに好ましくは、5〜20重量%の範囲で添加される
ことが好ましい。5重量%以上であれば、保湿性が得ら
れ、また、50重量%以下であれば、インクジェット記
録に用いられる粘度に調整しやすい。
して含窒素系有機溶剤を含んでなることが好ましい。含
窒素系有機溶剤としては、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン,2−ピロリドン,N−メチル−2−ピロ
リドン,ε−カプロラクタム等が挙げられる。それら
は、単独または2種以上併用して用いられることもでき
る。その含有量は、0.5〜10重量%が好ましく、さ
らに好ましくは、1〜5重量%である。その含有量が、
0.5重量%より少ない場合には、添加することによる
本発明の色材の溶解性向上が少ないという問題があり、
10重量%より多い場合には、インク組成物が接する各
種部材との耐材料性を悪化させるという問題がある。
の速やかな定着( 浸透性) を得ると同時に、1ドットの
真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン系界
面活性剤を含むことが好ましい。
としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤
が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤とし
て、具体的には、サーフィノール465、サーフィノー
ル104、オルフィンSTG( 以上、日信化学社製、商
品名) 等が挙げられる。その添加量は0. 1〜5重量
%、好ましくは0. 5〜2重量%である。添加量が0.
1重量%未満であると、十分な浸透性が得られず、ま
た、5重量%を越えると画像ににじみが発生し、画像品
質の低下を招くため好ましくない。
浸透促進剤として、グリコールエーテル類を添加するこ
とにより、より浸透性が増すとともに、カラー印刷を行
った場合の隣合うカラーインクとの境界のブリードが減
少し、非常に鮮明な画像を得ることができる。
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレング
リコールモノブチルエーテル等が挙げられる。その添加
量は3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%であ
る。添加量が3重量%未満であると、ブリード防止の効
果が得られない。また、30重量%を越えると画像にに
じみが発生するばかりか、油状分離が起きるためにこれ
らのグリコールエーテル類の溶解助剤が必要となり、そ
れに伴ってインクの粘度が上昇し、インクジェットヘッ
ドでは吐出が難しくなる。
に応じて、トリエタノールアミンやアルカリ金属の水酸
化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性
ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防カビ
剤、防錆剤等が添加されてもよい。
は、たとえば、各成分を十分混合溶解し、孔径0. 8μ
m のメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポ
ンプを用いて脱気処理して調製する方法などがある。
の記録方法について説明する。本発明の記録方法はイン
ク組成物を微細孔から液滴として吐出させ、該液滴を記
録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方式
がとりわけ好適に使用できるが、一般の筆記具用、記録
計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言う
までまない。
知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利
用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形に
よりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた
記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優
れた画像記録を行うことが可能である。
明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例
によって限定されるものではない。
1〜4及び比較例1,2のインク組成物を表1に示す配
合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメン
ブランフィルターにて加圧濾過を行なって、各シアンイ
ンク組成物を調製した。
全量に対する各成分の重量%を示し、残量は水である。
載のインク組成物を、インクジェットプリンタEM93
0C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、これの
専用カートリッジ(Cyan室)に充填して、インクジ
ェット専用記録媒体(PM写真用紙、専用光沢フィル
ム:いずれもセイコーエプソン株式会社製)に印字し、
各評価を行なった。得られた結果を表2に示す。
い、1インチ平米当たり1.5〜2.2mgの打ち込み
量になるようにベタ印字し得られた印刷物を、光沢度計
(PG−1M:日本電色工業株式会社)を用いて測定し
(測定角度60°)、光沢度を求めた。得られた光沢度
と以下の式から得た値をブロンズの判定基準とした。
用い、OD(Optikal Density)が、0.9〜1.1の
範囲に入るように印加 Duty を調整して印刷を行なって
得られた印刷物を、オゾンウエザーメーターOMS−H
型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相
対湿度60%RH、オゾン濃度2ppmの条件下にて、
印刷物を所定時間(6,12時間)暴露した。暴露後、
それぞれの印刷物のODを、濃度計(SPectrolino:Gre
tag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率
(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
角:2度) [判定基準] 評価A:RODが90%以上 評価B:RODが80%以上90%未満 評価C:RODが70%以上80%未満 評価D:RODが70%未満
インク組成物の着色剤として上記式1で表わさせる金属
フタロシアニン系染料を使用し、フェニル基を有する尿
素誘導体を含有させることにより、該インク組成物を用
いて記録したものは、印刷物堅牢性(耐光性、耐ガス
性)に優れ、ブロンズ現象の生じない画像が得られると
いう優れた効果を奏する。
(C.I.ダイレクトブルー199)の分光特性(吸収
波長)を示す図である。
Claims (22)
- 【請求項1】 少なくとも、水と、シアン系染料とフェ
ニル基を有する尿素誘導体を含んでなることを特徴とす
るシアンインク組成物。 - 【請求項2】 前記シアン系染料が、金属フタロシアニ
ン系染料である、請求項1に記載のシアンインク組成
物。 - 【請求項3】 前記金属フタロシアニン系染料が、下記
の式1で表される銅フタロシアニン系染料である、請求
項2に記載のシアンインク組成物。 【化1】 [式中、R1は、H,アルカリ金属または−NH4を表
し、R2は、アルカリ金属または−NH4を表し、R
3は、H,置換されても良いアルキル基または置換され
ても良いアリール基を表す。また、k、l、nは、それ
ぞれ0〜3、mは、1〜4の自然数であり、且つk+l
+m+n=4である。] - 【請求項4】 前記銅フタロシアニン系染料が、C.
I.ダイレクトブルー86,87,199である、請求
項3に記載のシアンインク組成物。 - 【請求項5】 前記金属フタロシアニン系染料は、可視
域(約400〜800nm)における吸収スペクトルが
波長590〜650nmに最大吸収ピークを有する染料
である、請求項2〜4のいずれか一項に記載のシアンイ
ンク組成物。 - 【請求項6】 前記金属フタロシアニン系染料は、可視
域(約400〜800nm)における吸収スペクトルが
波長590〜615nmに最大吸収ピークを有する染料
である、請求項2〜5のいずれか一項に記載のシアンイ
ンク組成物。 - 【請求項7】 前記金属フタロシアニン系染料は、可視
域(約400〜800nm)における吸収スペクトルが
波長590〜605nmに最大吸収ピークを有する染料
である、請求項2〜6のいずれか一項に記載のシアンイ
ンク組成物。 - 【請求項8】 前記フェニル基を有する尿素誘導体が、
ベンジル尿素である、請求項1〜7のいずれか一項に記
載のシアンインク組成物。 - 【請求項9】 前記フェニル基を有する尿素誘導体をシ
アンインク組成物全量に対して0.1〜10重量%含ん
でなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシアンイ
ンク組成物。 - 【請求項10】 前記シアン系染料と、前記フェニル基
を有する尿素誘導体の含有比率が、1:0.5〜1:1
0の範囲である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の
シアンインク組成物。 - 【請求項11】 更に、2−ピロリドン及び/又はトリ
エチレングリコールを含んでなる、請求項1〜10のい
ずれか一項に記載のシアンインク組成物。 - 【請求項12】 前記フェニル基を有する尿素誘導体と
前記2−ピロリドン及び/又はトリエチレングリコール
との含有比率が、1:3〜1:20の範囲である、請求
項11に記載のシアンインク組成物。 - 【請求項13】 更に、ノニオン系界面活性剤を含んで
なる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシアンイ
ンク組成物。 - 【請求項14】 前記ノニオン系界面活性剤が、アセチ
レングリコール系界面活性剤である、請求項13に記載
のシアンインク組成物。 - 【請求項15】 前記ノニオン系界面活性剤をインク組
成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなる、請求項
13または14に記載のシアンインク組成物。 - 【請求項16】 更に、浸透促進剤を含んでなる、請求
項1〜15のいずれか一項に記載のシアンインク組成
物。 - 【請求項17】 前記浸透促進剤が、グリコールエーテ
ルである、請求項16に記載のシアンインク組成物。 - 【請求項18】 20℃におけるインク組成物のpH
が、7.5〜10.0である、請求項1〜17のいずれ
か一項に記載のシアンインク組成物。 - 【請求項19】 インクジェット記録方法において用い
られる、請求項1〜18のいずれか一項に記載のシアン
インク組成物。 - 【請求項20】 前記インクジェット記録方法が、電歪
素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェ
ットヘッドを用いた記録方法である、請求項19に記載
のシアンインク組成物。 - 【請求項21】 インク組成物の液滴を吐出し、該液滴
を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録
方法であって、インク組成物として請求項1〜20のい
ずれか一項に記載のシアンインク組成物を使用すること
を特徴とするインクジェット記録方法。 - 【請求項22】 請求項1〜20のいずれか一項に記載
のシアンインク組成物を用いて記録されたことを特徴と
する記録物。
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JP2002120063A JP4168653B2 (ja) | 2002-04-23 | 2002-04-23 | シアンインク組成物、それを用いたインクジェット記録方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
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JP2006172588A (ja) * | 2004-12-15 | 2006-06-29 | Seiko Epson Corp | 光記録媒体 |
JP4581668B2 (ja) * | 2004-12-15 | 2010-11-17 | セイコーエプソン株式会社 | 光記録媒体 |
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