JP2004010635A - イエローインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法および記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐光性に優れ、ブロンズ現象の生じない印刷物を作成できるインク組成物、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物を提供すること。
【解決手段】少なくとも、C.I.ダイレクトイエロー98とイミダゾール系化合物とを含んでなることを特徴とするインク組成物、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも、C.I.ダイレクトイエロー98とイミダゾール系化合物とを含んでなることを特徴とするインク組成物、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録に好適なインク組成物、特に、耐ブロンズ性に優れたインク組成物、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、微細なノズルからインク組成物を小滴として吐出し、文字や画像(以下、単に「画像」ということもある。)を記録媒体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や画像を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や画像を記録する方法等が実用化されている。
【0003】
また、インクジェット記録用のインク組成物としては、安全性や印字特性の面から各種染料を水または有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、様々な特性において、万年筆やボールペンの様な筆記具用インク組成物に比較し、より厳密な条件が要求される。
【0004】
インクジェット記録方法を用いてカラー画像を形成する場合、少なくともイエローインク、マゼンタインク、シアンインクを用いるのが一般的である。これらのインクには、鮮やかで発色性の良好な画像を与えること、耐光性、耐水性等の堅牢性に優れていること、保存安定性に優れていること、目詰まりを生じにくいこと等の性能が要求される。
近年では特に、インクジェットプリンタを写真印刷用途に用いることが多くなり、室内に飾る機会が多くなっている。このような背景から光堅牢性に優れたインクが望まれるところである。
一般に含金染料は光堅牢性に優れており、上記用途への使用は有望視されるところであるが、他方でベタ印刷(100%Dutyの塗りつぶし印刷)など高Dutyで印刷を行った部分に金属光沢を発生する現象(以下、「ブロンズ現象」という)が起こりやすい。このような場合、画像全体としての色バランスが不均一となって画像品質を低下させるため、その改善が望まれている。また、近年では写真調に近い風合いを持つ記録媒体として光沢紙が多く採用されるようになっているが、特定の色がブロンズ現象を起こすことにより印刷物表面での光沢感にバラツキが生じ、画像の風合いを著しく損ねてしまうことから、画像全体の光沢感を保つ観点からも、その改善が強く望まれるところである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記のような事情を考慮してなされたものであって、その目的とするところは、印刷物堅牢性(主に耐光性)に優れ、ブロンズ現象の点で改善されたインク組成物を提供すること、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
インクジェット記録用インク組成物において、含金染料等の水に対する溶解性の乏しい染料を用いた場合などにおいて、酸性度の強い記録媒体に印刷を行うと、いわゆるブロンズ現象が起こることが知られている。
基本的にブロンズ現象は紙表面でインク組成物が乾燥することによる、染料の結晶化が原因とされ、染料溶解性向上を目的に尿素等の溶解助剤を添加することにより、ブロンズ緩和が行われている。
しかし、残念ながら、本発明者らの種々の調査・研究の結果から、上記に記載されているような対策を用いても、本発明の課題とするところの印刷物堅牢性(耐光性)に優れた含金染料を用いたインク組成物においては、ブロンズ現象の解消・緩和にはなんら効果がないことが判明した。
本発明者らは、種々の公知の含金染料の中でもC.I.ダイレクトイエロー98についてブロンズ現象の防止策等について更なる調査・研究を続けた結果、インク組成物にイミダゾール系化合物を添加したところ、ブロンズ現象に改善が見られることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0007】
1.本発明に係るインク組成物は、少なくとも水と、C.I.ダイレクトイエロー98とイミダゾール系化合物とを含んでなることを特徴とする。
【0008】
2.本発明に係るインク組成物は、前記1に記載のインク組成物において、イミダゾール系化合物が、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールの少なくとも一種であることを特徴とする。
【0009】
3.本発明に係るインク組成物は、前記1または2に記載のインク組成物において、イミダゾール系化合物をインク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなることを特徴とする。
【0010】
4.本発明に係るインク組成物は、上記1〜3のいずれかに記載のインク組成物において、前記C.I.ダイレクトイエロー98と、前記イミダゾール系化合物の含有比率が、1:0.5〜1:10の範囲であることを特徴とする。
【0011】
5.本発明に係るインク組成物は、上記1〜4のいずれかに記載のインク組成物において、更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなることを特徴とする。
【0012】
6.本発明に係るインク組成物は、前記5に記載のノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤であることを特徴とする。
【0013】
7.本発明に係るインク組成物は、ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなることを特徴とする。
【0014】
8.本発明に係るインク組成物は、上記1〜7のいずれかに記載のインク組成物において、更に、浸透促進剤を含んでなることを特徴とする。
【0015】
9.本発明に係るインク組成物は、前記8に記載の浸透促進剤が、グリコールエーテルであることを特徴とする。
【0016】
10.本発明に係るインク組成物は、上記1〜9のいずれかに記載のインク組成物において、20℃におけるインク組成物のpHが、8.0〜10.5であることを特徴とする。
【0017】
11.本発明に係るインク組成物は、インクジェット記録方法において用いられる1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物であることを特徴とする。
【0018】
12.本発明に係るインク組成物は、前記12に記載のインクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法であることを特徴とする。
【0019】
13.本発明に係るインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として前記1〜12のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とする。
【0020】
14.本発明に係る記録物は、前記1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて記録されたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のインク組成物は、水、又は水と水溶性有機溶剤とからなる水性媒体中に、少なくともC.I.ダイレクトイエロー98とイミダゾール系化合物とを含有し、必要に応じ、保湿剤、粘度調整剤、pH調整剤やその他の添加剤を含んでなることができる。
【0022】
本発明におけるインク組成物に含まれる染料種としては少なくともC.I.ダイレクトイエロー98が含まれていれば、必要に応じこれに加え、イエロー色を示すことが出来る着色剤であれば特に限定なく、単独あるいは2種以上包含せしめることが可能である。
【0023】
一般に、含金染料を含有したインク組成物を用いてインクジェット専用記録媒体(特に光沢系記録媒体)等にベタ印刷した場合に、ブロンズ現象が見られることがある。含金染料は一般に紙上での凝集力が強く、結果高い印刷物堅牢性(特に耐光性)を示すと同時に、同様の理由で、紙上でのブロンズ現象が強くなる傾向がある。本発明において用いたC.I.ダイレクトイエロー98も上記のような傾向を示し、専用光沢紙上においてブロンズ現象を示す。
このような色材に対して、ブロンズ現象がなく、高画質なインクジェット記録物を得るためには、更には、高い印刷物堅牢性を示すインクジェット記録物を得るためには、下記のイミダゾール系化合物を含有せしめることにより達成することができる。
【0024】
インク組成物中における染料の含有量は、溶媒成分の種類等により決められるが、インク組成物全重量に対し、0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%の範囲である。0.1重量%より少ない場合には、記録媒体上での発色性又は画像濃度が確保できないという問題があり、10重量%より多い場合には、インク組成物の粘度調整が困難となったり吐出信頼性や目詰まり性等の特性が確保できないという問題がある。
【0025】
本発明のインク組成物は、C.I.ダイレクトイエロー98を含有したインク組成物を用いてベタ印刷した場合に見られるブロンズ現象を弱める、もしくは無くするために、イミダゾール系化合物を少なくとも1種含有する。
【0026】
本発明で使用されるイミダゾール系化合物としては、分子骨格がイミダゾール系骨格を有する化合物であればいかなるものでも良い。
具体的には、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
【0027】
これらのイミダゾール系化合物の含有量は、イミダゾール系化合物の種類、溶媒成分の種類等により決められるが、インク組成物全重量に対し、0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%の範囲である。
【0028】
本発明のインク組成物においては、C.I.ダイレクトイエロー98とイミダゾール系化合物の含有比率は、1:0.5〜1:10、より好ましくは1:1〜1:6の範囲であることが好ましい。1:0.5よりもC.I.ダイレクトイエロー98の比率が高い場合には、イミダゾール系化合物によるブロンズ現象の改善効果が十分に得られず、また、1:10よりもイミダゾール系化合物の比率が高くなると、目詰まり信頼性及びインク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させるという問題がある。
【0029】
水性媒体が酸性であると、染料の溶解性が低下するため、所定の染料量を安定して溶解させるためには、インク組成物のpH(20℃)を8.0以上とすることが好ましい。また、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を考慮すると、インク組成物のpHを10.5以下とすることが好ましい。これらの事項をよりよく両立させるためには、インク組成物のpHを8.5〜10.0に調整することがより好ましい。
【0030】
本発明のインク組成物は、さらに蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤及び/又は糖類から選ばれる保湿剤を含むことができる。
保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させることなく粘度を容易に変更することができる。
水溶性有機溶剤は、溶質を溶解する能力を持つ媒体を指しており、有機性で蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒から選ばれる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、チオジグリコール等が望ましい。また、糖類は、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好ましい。
保湿剤は、インク組成物全量に対して5〜50重量%、より好ましくは、5〜30重量%、さらに好ましくは、5〜20重量%の範囲で添加されることが好ましい。5重量%以上であれば、保湿性が得られ、また、50重量%以下であれば、インクジェット記録に用いられる粘度に調整しやすい。
【0031】
また、本発明のインク組成物には、インクの速やかな定着(浸透性)を得ると同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。
【0032】
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤として、具体的には、サーフィノール465、サーフィノール104、オルフィンSTG(以上、日信化学工業(株)製、商品名)等が挙げられる。その添加量は0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。添加量が0.1重量%未満であると、十分な浸透性が得られず、また、5重量%を越えると画像ににじみが発生し、画像品質の低下を招くため好ましくない。
【0033】
さらに、ノニオン系界面活性剤に加えて、浸透促進剤として、グリコールエーテル類を添加することにより、より浸透性が増すとともに、カラー印刷を行った場合の隣合うカラーインクとの境界のブリードが減少し、非常に鮮明な画像を得ることができる。
【0034】
本発明のグリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。その添加量は3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。添加量が3重量%未満であると、ブリード防止の効果が得られない。また、30重量%を越えると画像ににじみが発生するばかりか、油状分離が起きるためにこれらのグリコールエーテル類の溶解助剤が必要となり、それに伴ってインクの粘度が上昇し、インクジェットヘッドでは吐出が難しくなる。
【0035】
さらに、本発明のインク組成物には、必要に応じて、トリエタノールアミンやアルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防カビ剤、防錆剤等が添加されてもよい。
【0036】
本発明のインク組成物の調製方法としては、たとえば、各成分を十分混合溶解し、孔径0.8μmのメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプを用いて脱気処理して調製する方法などがある。
【0037】
次に、上述のインク組成物を用いた本発明の記録方法について説明する。本発明の記録方法はインク組成物を微細孔から液滴として吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方式がとりわけ好適に使用できるが、一般の筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言うまでまない。
【0038】
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
【0039】
【実施例】
次に、本発明の実施例と比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0040】
[実施例1〜3及び比較例1〜2]
実施例1〜3及び比較例1〜2のインク組成物を表1に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行なって、各イエローインク組成物を調製した。
【0041】
【表1】
なお、表中に示すインク組成物の各成分はインク組成物全量に対する各成分の重量%を示し、残量は水である。
【0042】
上記の実施例1〜3及び比較例1〜2に記載のインク組成物を、インクジェットプリンタPM800C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、これの専用カートリッジ(イエロー室)に充填して、インクジェット専用記録媒体(フォトプリント紙2:セイコーエプソン株式会社製)に印字し、各評価を行なった。得られた結果を表2に示す。
【0043】
《ブロンズ評価》
上記のカートリッジを用い、1インチ平米当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になるようにベタ印字し得られた印刷物を、以下の判定基準に基づき目視により判定した。
【0044】
A:ブロンズ現象が全く見られない。
B:ややブロンズ現象が見られる。
C:ブロンズ現象が目立つ。
【0045】
《耐光性評価》
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加 Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、Ci−5000(アトラスエレクトリックデバイス社製)を用いて、6日間暴露した。
暴露後、それぞれの印刷物のODを、濃度計(Spectrolino:Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
【0046】
ROD(%)=(D/D0)×100
D:暴露試験後のOD
D0:暴露試験前のOD)
(但し、測定条件は、Filter:blue光源:D50,視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが80%以上
評価B:RODが70%以上80%未満
評価C:RODが70%未満
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】
本発明は、以上詳記したとおり、インク組成物の着色剤としてC.I.ダイレクトイエロー98を使用し、イミダゾール系化合物を含有させることにより、該インク組成物を用いて記録したものは、印刷物堅牢性(耐光性)に優れ、ブロンズ現象の生じない画像が得られるという優れた効果を奏する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録に好適なインク組成物、特に、耐ブロンズ性に優れたインク組成物、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、微細なノズルからインク組成物を小滴として吐出し、文字や画像(以下、単に「画像」ということもある。)を記録媒体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や画像を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や画像を記録する方法等が実用化されている。
【0003】
また、インクジェット記録用のインク組成物としては、安全性や印字特性の面から各種染料を水または有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、様々な特性において、万年筆やボールペンの様な筆記具用インク組成物に比較し、より厳密な条件が要求される。
【0004】
インクジェット記録方法を用いてカラー画像を形成する場合、少なくともイエローインク、マゼンタインク、シアンインクを用いるのが一般的である。これらのインクには、鮮やかで発色性の良好な画像を与えること、耐光性、耐水性等の堅牢性に優れていること、保存安定性に優れていること、目詰まりを生じにくいこと等の性能が要求される。
近年では特に、インクジェットプリンタを写真印刷用途に用いることが多くなり、室内に飾る機会が多くなっている。このような背景から光堅牢性に優れたインクが望まれるところである。
一般に含金染料は光堅牢性に優れており、上記用途への使用は有望視されるところであるが、他方でベタ印刷(100%Dutyの塗りつぶし印刷)など高Dutyで印刷を行った部分に金属光沢を発生する現象(以下、「ブロンズ現象」という)が起こりやすい。このような場合、画像全体としての色バランスが不均一となって画像品質を低下させるため、その改善が望まれている。また、近年では写真調に近い風合いを持つ記録媒体として光沢紙が多く採用されるようになっているが、特定の色がブロンズ現象を起こすことにより印刷物表面での光沢感にバラツキが生じ、画像の風合いを著しく損ねてしまうことから、画像全体の光沢感を保つ観点からも、その改善が強く望まれるところである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記のような事情を考慮してなされたものであって、その目的とするところは、印刷物堅牢性(主に耐光性)に優れ、ブロンズ現象の点で改善されたインク組成物を提供すること、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
インクジェット記録用インク組成物において、含金染料等の水に対する溶解性の乏しい染料を用いた場合などにおいて、酸性度の強い記録媒体に印刷を行うと、いわゆるブロンズ現象が起こることが知られている。
基本的にブロンズ現象は紙表面でインク組成物が乾燥することによる、染料の結晶化が原因とされ、染料溶解性向上を目的に尿素等の溶解助剤を添加することにより、ブロンズ緩和が行われている。
しかし、残念ながら、本発明者らの種々の調査・研究の結果から、上記に記載されているような対策を用いても、本発明の課題とするところの印刷物堅牢性(耐光性)に優れた含金染料を用いたインク組成物においては、ブロンズ現象の解消・緩和にはなんら効果がないことが判明した。
本発明者らは、種々の公知の含金染料の中でもC.I.ダイレクトイエロー98についてブロンズ現象の防止策等について更なる調査・研究を続けた結果、インク組成物にイミダゾール系化合物を添加したところ、ブロンズ現象に改善が見られることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0007】
1.本発明に係るインク組成物は、少なくとも水と、C.I.ダイレクトイエロー98とイミダゾール系化合物とを含んでなることを特徴とする。
【0008】
2.本発明に係るインク組成物は、前記1に記載のインク組成物において、イミダゾール系化合物が、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールの少なくとも一種であることを特徴とする。
【0009】
3.本発明に係るインク組成物は、前記1または2に記載のインク組成物において、イミダゾール系化合物をインク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなることを特徴とする。
【0010】
4.本発明に係るインク組成物は、上記1〜3のいずれかに記載のインク組成物において、前記C.I.ダイレクトイエロー98と、前記イミダゾール系化合物の含有比率が、1:0.5〜1:10の範囲であることを特徴とする。
【0011】
5.本発明に係るインク組成物は、上記1〜4のいずれかに記載のインク組成物において、更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなることを特徴とする。
【0012】
6.本発明に係るインク組成物は、前記5に記載のノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤であることを特徴とする。
【0013】
7.本発明に係るインク組成物は、ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなることを特徴とする。
【0014】
8.本発明に係るインク組成物は、上記1〜7のいずれかに記載のインク組成物において、更に、浸透促進剤を含んでなることを特徴とする。
【0015】
9.本発明に係るインク組成物は、前記8に記載の浸透促進剤が、グリコールエーテルであることを特徴とする。
【0016】
10.本発明に係るインク組成物は、上記1〜9のいずれかに記載のインク組成物において、20℃におけるインク組成物のpHが、8.0〜10.5であることを特徴とする。
【0017】
11.本発明に係るインク組成物は、インクジェット記録方法において用いられる1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物であることを特徴とする。
【0018】
12.本発明に係るインク組成物は、前記12に記載のインクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法であることを特徴とする。
【0019】
13.本発明に係るインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として前記1〜12のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とする。
【0020】
14.本発明に係る記録物は、前記1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて記録されたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のインク組成物は、水、又は水と水溶性有機溶剤とからなる水性媒体中に、少なくともC.I.ダイレクトイエロー98とイミダゾール系化合物とを含有し、必要に応じ、保湿剤、粘度調整剤、pH調整剤やその他の添加剤を含んでなることができる。
【0022】
本発明におけるインク組成物に含まれる染料種としては少なくともC.I.ダイレクトイエロー98が含まれていれば、必要に応じこれに加え、イエロー色を示すことが出来る着色剤であれば特に限定なく、単独あるいは2種以上包含せしめることが可能である。
【0023】
一般に、含金染料を含有したインク組成物を用いてインクジェット専用記録媒体(特に光沢系記録媒体)等にベタ印刷した場合に、ブロンズ現象が見られることがある。含金染料は一般に紙上での凝集力が強く、結果高い印刷物堅牢性(特に耐光性)を示すと同時に、同様の理由で、紙上でのブロンズ現象が強くなる傾向がある。本発明において用いたC.I.ダイレクトイエロー98も上記のような傾向を示し、専用光沢紙上においてブロンズ現象を示す。
このような色材に対して、ブロンズ現象がなく、高画質なインクジェット記録物を得るためには、更には、高い印刷物堅牢性を示すインクジェット記録物を得るためには、下記のイミダゾール系化合物を含有せしめることにより達成することができる。
【0024】
インク組成物中における染料の含有量は、溶媒成分の種類等により決められるが、インク組成物全重量に対し、0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%の範囲である。0.1重量%より少ない場合には、記録媒体上での発色性又は画像濃度が確保できないという問題があり、10重量%より多い場合には、インク組成物の粘度調整が困難となったり吐出信頼性や目詰まり性等の特性が確保できないという問題がある。
【0025】
本発明のインク組成物は、C.I.ダイレクトイエロー98を含有したインク組成物を用いてベタ印刷した場合に見られるブロンズ現象を弱める、もしくは無くするために、イミダゾール系化合物を少なくとも1種含有する。
【0026】
本発明で使用されるイミダゾール系化合物としては、分子骨格がイミダゾール系骨格を有する化合物であればいかなるものでも良い。
具体的には、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
【0027】
これらのイミダゾール系化合物の含有量は、イミダゾール系化合物の種類、溶媒成分の種類等により決められるが、インク組成物全重量に対し、0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%の範囲である。
【0028】
本発明のインク組成物においては、C.I.ダイレクトイエロー98とイミダゾール系化合物の含有比率は、1:0.5〜1:10、より好ましくは1:1〜1:6の範囲であることが好ましい。1:0.5よりもC.I.ダイレクトイエロー98の比率が高い場合には、イミダゾール系化合物によるブロンズ現象の改善効果が十分に得られず、また、1:10よりもイミダゾール系化合物の比率が高くなると、目詰まり信頼性及びインク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させるという問題がある。
【0029】
水性媒体が酸性であると、染料の溶解性が低下するため、所定の染料量を安定して溶解させるためには、インク組成物のpH(20℃)を8.0以上とすることが好ましい。また、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を考慮すると、インク組成物のpHを10.5以下とすることが好ましい。これらの事項をよりよく両立させるためには、インク組成物のpHを8.5〜10.0に調整することがより好ましい。
【0030】
本発明のインク組成物は、さらに蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤及び/又は糖類から選ばれる保湿剤を含むことができる。
保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させることなく粘度を容易に変更することができる。
水溶性有機溶剤は、溶質を溶解する能力を持つ媒体を指しており、有機性で蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒から選ばれる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、チオジグリコール等が望ましい。また、糖類は、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好ましい。
保湿剤は、インク組成物全量に対して5〜50重量%、より好ましくは、5〜30重量%、さらに好ましくは、5〜20重量%の範囲で添加されることが好ましい。5重量%以上であれば、保湿性が得られ、また、50重量%以下であれば、インクジェット記録に用いられる粘度に調整しやすい。
【0031】
また、本発明のインク組成物には、インクの速やかな定着(浸透性)を得ると同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。
【0032】
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤として、具体的には、サーフィノール465、サーフィノール104、オルフィンSTG(以上、日信化学工業(株)製、商品名)等が挙げられる。その添加量は0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。添加量が0.1重量%未満であると、十分な浸透性が得られず、また、5重量%を越えると画像ににじみが発生し、画像品質の低下を招くため好ましくない。
【0033】
さらに、ノニオン系界面活性剤に加えて、浸透促進剤として、グリコールエーテル類を添加することにより、より浸透性が増すとともに、カラー印刷を行った場合の隣合うカラーインクとの境界のブリードが減少し、非常に鮮明な画像を得ることができる。
【0034】
本発明のグリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。その添加量は3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。添加量が3重量%未満であると、ブリード防止の効果が得られない。また、30重量%を越えると画像ににじみが発生するばかりか、油状分離が起きるためにこれらのグリコールエーテル類の溶解助剤が必要となり、それに伴ってインクの粘度が上昇し、インクジェットヘッドでは吐出が難しくなる。
【0035】
さらに、本発明のインク組成物には、必要に応じて、トリエタノールアミンやアルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防カビ剤、防錆剤等が添加されてもよい。
【0036】
本発明のインク組成物の調製方法としては、たとえば、各成分を十分混合溶解し、孔径0.8μmのメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプを用いて脱気処理して調製する方法などがある。
【0037】
次に、上述のインク組成物を用いた本発明の記録方法について説明する。本発明の記録方法はインク組成物を微細孔から液滴として吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方式がとりわけ好適に使用できるが、一般の筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言うまでまない。
【0038】
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
【0039】
【実施例】
次に、本発明の実施例と比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0040】
[実施例1〜3及び比較例1〜2]
実施例1〜3及び比較例1〜2のインク組成物を表1に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行なって、各イエローインク組成物を調製した。
【0041】
【表1】
なお、表中に示すインク組成物の各成分はインク組成物全量に対する各成分の重量%を示し、残量は水である。
【0042】
上記の実施例1〜3及び比較例1〜2に記載のインク組成物を、インクジェットプリンタPM800C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、これの専用カートリッジ(イエロー室)に充填して、インクジェット専用記録媒体(フォトプリント紙2:セイコーエプソン株式会社製)に印字し、各評価を行なった。得られた結果を表2に示す。
【0043】
《ブロンズ評価》
上記のカートリッジを用い、1インチ平米当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になるようにベタ印字し得られた印刷物を、以下の判定基準に基づき目視により判定した。
【0044】
A:ブロンズ現象が全く見られない。
B:ややブロンズ現象が見られる。
C:ブロンズ現象が目立つ。
【0045】
《耐光性評価》
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加 Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、Ci−5000(アトラスエレクトリックデバイス社製)を用いて、6日間暴露した。
暴露後、それぞれの印刷物のODを、濃度計(Spectrolino:Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
【0046】
ROD(%)=(D/D0)×100
D:暴露試験後のOD
D0:暴露試験前のOD)
(但し、測定条件は、Filter:blue光源:D50,視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが80%以上
評価B:RODが70%以上80%未満
評価C:RODが70%未満
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】
本発明は、以上詳記したとおり、インク組成物の着色剤としてC.I.ダイレクトイエロー98を使用し、イミダゾール系化合物を含有させることにより、該インク組成物を用いて記録したものは、印刷物堅牢性(耐光性)に優れ、ブロンズ現象の生じない画像が得られるという優れた効果を奏する。
Claims (14)
- 少なくとも水と、C.I.ダイレクトイエロー98と、イミダゾール系化合物とを含んでなることを特徴とするイエローインク組成物。
- 前記イミダゾール系化合物がイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールの少なくとも一種である、請求項1に記載のイエローインク組成物。
- 前記イミダゾール系化合物をインク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、請求項1または2に記載のイエローインク組成物。
- 前記C.I.ダイレクトイエロー98と、前記イミダゾール系化合物の含有比率が、1:0.5〜1:10の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイエローインク組成物。
- 更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイエローインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である、請求項5に記載のイエローインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなる、請求項5または6に記載のイエローインク組成物。
- 更に、浸透促進剤を含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のイエローインク組成物。
- 前記浸透促進剤が、グリコールエーテルである、請求項8に記載のイエローインク組成物。
- 20℃におけるインク組成物のpHが、8.0〜10.5である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のイエローインク組成物。
- インクジェット記録方法において用いられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のイエローインク組成物。
- 前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、請求項11に記載のイエローインク組成物。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜12のいずれか一項に記載のイエローインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載のイエローインク組成物を用いて記録されたことを特徴とする記録物。
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JP2002161995A JP2004010635A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | イエローインク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法および記録物 |
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JP2010516889A (ja) * | 2007-01-31 | 2010-05-20 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | イミダゾールを含有するインクジェットインク配合物 |
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2002
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