JP2003313328A - 硬化性組成物およびハードコート処理物品 - Google Patents

硬化性組成物およびハードコート処理物品

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JP2003313328A
JP2003313328A JP2002117663A JP2002117663A JP2003313328A JP 2003313328 A JP2003313328 A JP 2003313328A JP 2002117663 A JP2002117663 A JP 2002117663A JP 2002117663 A JP2002117663 A JP 2002117663A JP 2003313328 A JP2003313328 A JP 2003313328A
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Seiya Sakurai
靖也 桜井
Kenichiro Hatayama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬度が高く硬化収縮が少ない硬化物が得られ
る硬化性組成物およびそれを用いたハードコート処理物
品を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される繰り返し単
位を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチ
レン性不飽和基を含む化合物の両方を含有し、開環重合
性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させることによ
り硬化し、下記A)、B)いずれかの条件を満たす硬化
性組成物およびそれを用いたハードコート処理物品。 A)該架橋性ポリマーが開環重合性基およびエチレン性
不飽和基以外の反応性基を有する。 B)同一分子内に開環重合性基およびエチレン性不飽和
基以外の反応性基と開環重合性基もしくはエチレン性不
飽和基のいずれかを含有する化合物を含む。 一般式(1) 【化1】 式中R1は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下の
アルキル基を表す。P1は開環重合性基を含む一価の基
であり、L1は単結合もしくは二価の連結基である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬度が高く硬化収
縮が少ない硬化物が得られる硬化性組成物に関する。ま
た該硬化性組成物を基材上に塗布、硬化させることで得
られる硬化樹脂層を有するハードコート処理物品に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、膜剥がれやひび割れの
発生が少なく、優れた耐擦傷性、表面硬度を有するハー
ドコート処理物品に関する。また、本発明は、膜剥がれ
やヒビワレの発生が少なく、硬化後のカールの少ない、
優れた耐擦傷性、表面硬度を有するハードコートフィル
ムに関する。また、ハードコート上に機能性薄膜を設け
た時にも上層との接着性に優れたハードコート処理物品
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック製品が、加工性、軽
量化の観点でガラス製品と置き換わりつつあるが、これ
らプラスチック製品の表面は傷つきやすいため、耐擦傷
性を付与する目的で硬化樹脂層からなるハードコート層
を直接塗設したり、ハードコート層付きプラスチックフ
ィルム(ハードコートフィルムと称する)を貼合して用
いる場合が多い。また、従来のガラス製品についても、
飛散防止のためにプラスチックフィルムを貼合する場合
が増えており、これらのフィルム表面の硬度を強化する
ために、その表面にハードコート層を形成することは有
用であり、広く行われている。
【0003】従来のハードコート塗料としては、熱硬化
性塗料、あるいは紫外線硬化型塗料が用いられている
が、これをプラスチックフィルム上に塗布、硬化させて
得られるハードコートフィルム用途にはプラスチックフ
ィルム自身の耐熱性が低いため、低温で硬化可能な紫外
線硬化型塗料が広く用いられている。一般に、紫外線硬
化型塗料に用いられている硬化性成分は、分子内に2〜
6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレー
トモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、
ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称
される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する分
子量が数百から数千のオリゴマーが用いられる。しかし
ながら、該オリゴマー化合物はアクリル基の導入量が少
ないものが多く、単独では十分な硬度が得られないた
め、より高い硬度が要求されるハードコート塗料として
は、多官能アクリレートモノマーが広く用いられてい
る。
【0004】一般にハードコートフィルムは、上記のよ
うなハードコート塗料をプラスチックフィルム上に直
接、或いは1μm程度のプライマー層を介して3〜10
μm程度の薄い塗膜を形成して製造している。しかしな
がら、従来のハードコートフィルムは、そのハードコー
ト層の硬度が不十分であったこと、また、その塗膜厚み
が薄いことに起因して、下地のプラスチック基材フィル
ムが変形した場合に、それに応じてハードコート層も変
形し、ハードコートフィルム全体としての硬度は低く、
十分に満足できるものではなかった。例えば、プラスチ
ック基材フィルムとして広く利用されているトリアセチ
ルセルロース、ポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、紫外線硬化型塗料を上記の厚みで塗工したハードコ
ートフィルムにおいては、鉛筆硬度で2H〜3Hレベル
が一般的であり、ガラスの鉛筆硬度である9Hには全く
及ばないものである。
【0005】一方、硬度が不充分であってもハードコー
ト層の厚みを通常の3〜10μmよりも単に厚くすれ
ば、得られたハードコートフィルムの硬度は向上する
が、ハードコート層のひび割れが生じやすくなると同時
に硬化時の体積収縮により基材との接着性が悪化し剥離
を生じたりハードコートフィルムのカールが大きくなる
という問題がある。このため従来の技術では、実用上使
用できる良好な特性を有するハードコートフィルムを得
ることは困難であった。
【0006】ハードコート層の樹脂形成成分を多官能ア
クリレートモノマーとし、これにアルミナ、シリカ、酸
化チタン等の粉末状無機充填剤および重合開始剤を含有
する被覆用組成物が特公平02−60696号に開示さ
れている。また、アルコキシシラン等で表面処理したシ
リカもしくはアルミナからなる無機質の装填材料を含む
光重合性組成物が特公昭62−21815号に開示され
ている。また、ハードコート層を2層化し、第一層に微
粒子のシリカを添加することで、カールと耐傷性を満足
させる方法が特開2000−52472に提案されてい
る。これらに記載されるように、無機微粒子を添加する
ことで、ハードコート層の硬度は向上し、さらに硬化収
縮量も低減されるが、近年要求されているハードコート
の表面硬度に対して満足いくものではなかった。
【0007】特開平8−73771号には1分子内に3
個以上のラジカル重合性基を含む化合物と1分子内にエ
ポキシ基を1〜5個含有するカチオン重合性化合物の混
合物からなる光硬化性ハードコート組成物についての記
載がある。該公報の形態は硬化収縮量はある程度低減さ
れるが、十分な硬度が得られず、表面硬度を高めるため
に膜厚を厚くするとハードコートフィルムのカールが大
きくなり、硬度、硬化収縮の点で満足いくものではなか
った。
【0008】特開2000−71392号にハードコー
ト層を2層構成とし、下層をラジカル硬化性樹脂とカチ
オン硬化性樹脂のブレンドからなる硬化樹脂層を使用
し、上層にラジカル硬化性樹脂のみからなる硬化樹脂層
を使用したハードコートフィルムの記載がある。該公報
によると下層の弾性率を上層よりも低くすることで加え
られた応力をハードコート層の変形により吸収できると
記載があり、実施例中においても下層に単官能もしくは
2官能のカチオン硬化性化合物を用いることにより、確
かに膜剥がれやひび割れ、カールが少なく、4Hの鉛筆
硬度を実現している。しかしながら、このような構成
は、JIS K5400で傷として定義されている塗膜
の剥がれや塗膜の擦り傷は発生しにくいが、塗膜のへこ
みが顕著であり、これを改良しようとして上層の硬度を
高めたり膜厚を厚くするとフィルム裁断時のエッジ部で
のひび割れが発生し、近年要求されているハードコート
の表面硬度に対して満足いくものではなかった。
【0009】また、ハードコートフィルムを陰極管表示
装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッション
ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ等のデ
ィスプレイ、家電製品等のタッチパネル、自動車部品
用、ショーウインドウ、窓ガラス等の表面保護フィルム
として用いる場合、反射防止層、防弦層、紫外線・赤外
線吸収層、選択波長吸収性層、電磁波シールド層や防汚
性層等の各種機能を有する機能性層をハードコート層上
に塗設して用いることが多いが、この場合、ハードコー
ト層自身、機能性層自身の硬度が十分に高くてもハード
コート層/機能性層間の接着力が不十分であると界面で
剥離し、十分な硬度、耐傷性が得られなかった。
【0010】われわれは鋭意検討の結果、特定の化合物
を用いることで硬度が高く、硬化収縮の少ない硬化物が
得られる硬化性組成物を見出した。また基材上に該硬化
性組成物を塗設することで硬化後の膜剥がれやひび割れ
が生じにくく、十分な硬度を有するハードコート処理物
品を得られることを見出した。さらに基材にプラスチッ
クフィルムを用いても硬化収縮に起因するカールが少な
く、十分な硬度を有するハードコートフィルムを得られ
ることを見出した。また、ハードコート上層に機能性薄
膜を設けた時にも上層との接着性に優れたハードコート
処理物品を得られることを見出した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、硬度
が高く硬化収縮が少ない硬化物が得られる硬化性組成物
を提供することにある。また、膜剥がれやひび割れが生
じにくく、十分な硬度を有するハードコート処理物品を
提供することにある。また、プラスチックフィルム基材
を使用した場合も膜剥がれやひび割れが生じにくく、更
には硬化収縮に起因するカールの問題を回避し、十分な
硬度を有するハードコートフィルムを提供することにあ
る。また、ハードコート上層に機能性薄膜を設けた時に
も上層との接着性に優れたハードコート処理物品を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
によって達成された。 1) 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む
架橋性ポリマー、および同一分子内に2個以上のエチレ
ン性不飽和基を含む化合物、の両方を含有し、開環重合
性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させることによ
り硬化する硬化性組成物であって、下記A)またはB)
いずれかの条件を満たす硬化性組成物およびそれを用い
たハードコート処理物品。 A)該架橋性ポリマーが開環重合性基でもなく、エチレ
ン性不飽和基でもない反応性基を有する。 B)同一分子内に開環重合性基でもなく、エチレン性不
飽和基でもない反応性基、および開環重合性基またはエ
チレン性不飽和基のいずれか、を含有する化合物を含
む。 一般式(1)
【化3】 式中R は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下
のアルキル基を表す。P は開環重合性基を含む一価
の基であり、L は単結合もしくは二価の連結基であ
る。
【0013】2) 下記一般式(2)で表される繰り返
し単位を含む架橋性ポリマー、および同一分子内に2個
以上の開環重合性基を含む化合物、の両方を含有し、開
環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させるこ
とにより硬化する硬化性組成物であって、下記A)又は
B)いずれかの条件を満たす硬化性組成物およびそれを
用いたハードコート処理物品。 A)該架橋性ポリマーが開環重合性基でもなく、エチレ
ン性不飽和基でもない反応性基を有する。 B)同一分子内に開環重合性基でもなくエチレン性不飽
和基でもない反応性基、および開環重合性基またはエチ
レン性不飽和基のいずれか、を含有する化合物を含む。 一般式(2)
【化4】 式中R は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下
のアルキル基を表す。P はエチレン性不飽和基を含
む一価の基であり、L は単結合もしくは二価の連結
基である。
【0014】3) 一般式(1)および(2)で表され
る両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有し、
開環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させる
ことにより硬化する硬化性組成物であって、下記A)、
B)いずれかの条件を満たす硬化性組成物およびそれを
用いたハードコート処理物品。一般式(1)
【化5】 式中R は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下
のアルキル基を表す。P は開環重合性基を含む一価
の基であり、L は単結合もしくは二価の連結基であ
る。 一般式(2)
【化6】 式中R は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下
のアルキル基を表す。P はエチレン性不飽和基を含
む一価の基であり、L は単結合もしくは二価の連結
基である。 A)該架橋性ポリマーが開環重合性基でもなく、エチレ
ン性不飽和基でもない反応性基を有する。 B)同一分子内に開環重合性基でもなくエチレン性不飽
和基でもない反応性基、および、開環重合性基またはエ
チレン性不飽和基のいずれかを含有する化合物を含む。 4) 開環重合性基がカチオン重合性基である1)ない
し3)いずれか1つに記載の硬化性組成物およびそれを
用いたハードコート処理物品。 5) エチレン性不飽和基がアクリロイル基またはメタ
クリロイル基である1)ないし4)いずれか1つに記載
の硬化性組成物およびそれを用いたハードコート処理物
品。
【0015】6) 一般式(1)で表される繰り返し単
位がグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
トのいずれかから誘導される繰り返し単位である1)、
3)、4)又は5)に記載の硬化性組成物およびそれを
用いたハードコート処理物品。 7) 硬化性組成物を活性エネルギー線を利用して硬化
する1)ないし6)いずれか1つに記載の硬化性組成物
およびそれを用いたハードコート処理物品。 8) 硬化性組成物中に感光性カチオン重合開始剤と感
光性ラジカル重合開始剤の両方を含む1)ないし7)い
ずれか1つに記載の硬化性組成物およびそれを用いたハ
ードコート処理物品。 9) 硬化性組成物に架橋微粒子を含有する1)ないし
8)いずれか1つに記載の硬化性組成物およびそれを用
いたハードコート処理物品。 10) 基材上に単層もしくは複数層のハードコート層
を形成して得られるハードコート処理物品であって、少
なくとも一層が、1)ないし9)いずれか1つに記載の
硬化性組成物を塗布、硬化して形成されるハードコート
層であるハードコート処理物品。 11) ハードコート層が単層からなる10)記載のハ
ードコート処理物品。 12) 少なくとも最外層が、1)ないし9)いずれか
1つに記載の硬化性組成物を塗布、硬化して形成される
ハードコート層である10)記載のハードコート処理物
品。 13) ハードコート層表面の鉛筆硬度が4H〜9Hで
ある1)ないし12)いずれか1つに記載のハードコー
ト処理物品。 14) 基材がプラスチックフィルムである1)ないし
13)いずれか1つに記載のハードコート処理物品。 15) 硬化後のハードコート層の膜厚が、20〜20
0μmである1)ないし14)いずれか1つに記載のハ
ードコート処理物品。 16)1)〜15)に記載のハードコート処理物品上に
反射防止構造を積層した反射防止ハードコート処理物
品。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の硬化性組成物は、一般式
(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと
同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合
物の両方を含有するか、一般式(2)で表される繰り返
し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上の
開環重合性基を含む化合物の両方を含有するか、一般式
(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含
む架橋性ポリマーを含有するいずれかであり、更に、
A)それぞれの架橋性ポリマーが開環重合性基でもなく
エチレン性不飽和基でもない反応性基を有するか、また
は、B)同一分子内に開環重合性基でもなくエチレン性
不飽和基でもない反応性基、および、開環重合性基また
はエチレン性不飽和基のいずれかを含有する化合物を含
む組成物である。
【0017】また、本発明のハードコート処理物品は、
基材上に本発明の硬化性組成物を塗布、硬化して形成さ
れるハードコート層を有するものであって、ハードコー
ト層は単層であっても複数層から構成されていてもよい
が、製造工程上簡便な単層であることが好ましい。この
場合の単層とは同一組成物で形成されるハードコート層
であって、塗布、乾燥後の組成が、同一組成のものであ
れば、複数回の塗布で形成されていてもよい。一方、複
数層とは組成の異なる複数の組成物で形成されることを
表し、本発明では少なくとも一層が、本発明の硬化性組
成物を塗布、硬化して形成されるハードコート層である
ことが必要であり、特に最外層が本発明の硬化性組成物
を塗布、硬化して形成されるハードコート層であること
が好ましい。
【0018】以下に本発明の一般式(1)で表される繰
り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明す
る。一般式(1)中Rは、水素原子もしくは炭素原子
数1以上4以下(本発明において「C1〜4」のように
も記載する。)のアルキル基を表し、好ましくは水素原
子もしくはメチル基である。L は単結合もしくは二
価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、C1〜
20の、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖
に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO
−、*−NHCO−である。P は開環重合性基を含
む一価の基である。開環重合性基を含む一価の基とはカ
チオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合
が進行する環構造を有する一価の基であり、この中でも
ヘテロ環状化合物のカチオン開環重合が好ましい。好ま
しいP としては、エポキシ環、オキセタン環、テト
ラヒドロフラン環、ラクトン環、カーボネート環、オキ
サゾリン環などのイミノエーテル環などを含む一価の基
が挙げられ、この中でも特に好ましくはエポキシ環、オ
キセタン環、オキサゾリン環を含む一価の基であり、最
も好ましくはエポキシ環を含む一価の基である。
【0019】本発明の一般式(1)で表される繰り返し
単位を含む架橋性ポリマーは、対応するモノマーを重合
させて合成することが簡便で好ましい。この場合の重合
反応としてはラジカル重合が最も簡便で好ましい。以下
に一般式(1)で表される繰り返し単位の好ましい具体
例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】本発明の一般式(1)で表される繰り返し
単位の好ましい例としては、エポキシ環を有するメタク
リレートまたはアクリレートから誘導される繰り返し単
位であり、その中でも特に好ましい例としてグリシジル
メタクリレート、グリシジルアクリレートから誘導され
るE−1及びE−3を挙げることができる。また、本発
明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性
ポリマーは複数種の一般式(1)で表される繰り返し単
位で構成されたコポリマーであってもよく、その中でも
特にE−1又はE−3いずれかのコポリマーとすること
でより効果的に硬化収縮を低減できる。
【0024】本発明の一般式(1)で表される繰り返し
単位を含む架橋性ポリマーは一般式(1)以外の繰り返
し単位を含んだコポリマーでもよい。特に、ハードコー
ト層自身の硬度を高めたり、架橋性ポリマーのTgや親
疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーの
開環重合性基の含有量をコントロールする目的で一般式
(1)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとしても
よい。このような一般式(1)以外の繰り返し単位の導
入方法は、対応するモノマーを共重合させて導入する手
法が好ましい。
【0025】一般式(1)以外の繰り返し単位を、対応
するビニルモノマーを重合することによって導入する場
合、好ましく用いられるモノマーとしては、アクリル酸
またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸な
ど)類から誘導されるエステル類、もしくはアミド類
(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−
ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタ
クリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリ
ン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ヒドロキシエチルアクリレート、n−プロピルア
クリレート、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプロ
ピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチ
ルアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ペンチ
ルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2
−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシメトキシ
エチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル
アクリレート、2,2−ジメチルブチルアクリレート、
3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビトール
アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、n−ペ
ンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、オク
タフルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチル
アクリレート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチルアク
リレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n
−オクタデシルアクリレート、メチルメタクリレート、
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、テト
ラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプ
ロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec
−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシ
エチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデ
シルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレー
ト、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニ
ルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イル
メチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニル
メチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリ
レートなど)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル
酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビ
ニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸また
はフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、
マレイミド類(N−フェニルマレイミドなど)、マレイ
ン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナトリウム
塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジエン類
(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレ
ン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−クロ
ルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルピロ
リドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシ
ンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−
メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビ
ニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニルイミダゾー
ル、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルス
ルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メ
タリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンクロライド、
ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテ
ル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン
等が挙げれる。これらのビニルモノマーは2種類以上組
み合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマ
ーはリサーチディスクロージャーNo.1955(19
80年、7月)に記載されているものを使用することが
できる。本発明ではアクリル酸またはメタクリル酸から
誘導されるエステル類、およびアミド類、および芳香族
ビニル化合物が特に好ましく用いられるビニルモノマー
である。
【0026】<架橋性ポリマーに反応性基を含む場合>
本発明では特に一般式(1)で表される繰り返し単位を
含む架橋性ポリマーに一般式(1)以外の繰り返し単位
として開環重合性基でもなく、エチレン性不飽和基でも
ない反応性基を有する繰り返し単位を導入することで、
ハードコート上に機能性層を塗設した場合の層間接着力
を高めることができ有効である。この場合の反応性基は
機能性層内に含まれた官能基と共有結合を形成する基が
好ましいが、イオン結合、水素結合、また単なる分子間
相互作用を生じさせるのみの官能基であっても機能性層
に対する接着性が高められれば特に制限なく使用でき
る。さらにハードコート内部でも架橋反応を形成できる
反応性基であればハードコート層自身の硬度も高められ
ることができ有効である。
【0027】このような反応性基の好ましい例として
は、ヒドロキシル基、イソシアネート基、N−メチロー
ル基(またはN−アルコキシメチル基)、カルボキシル
基、ハロゲン化アルキル基、無水カルボキシル基、ホル
ミル基、スルフィン酸基、活性メチレン基、酸ハライド
基、アミノ基、アルコキシシリル基、リン酸基、アミド
基、アルキレンオキサイド基、ウレイド基などが挙げら
れる。
【0028】このような反応性基の導入方法は一般式
(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーに
対して高分子反応で導入してもよいが、対応するビニル
モノマー(以下、反応性モノマーと称する)を共重合さ
せて導入する手法が簡便で好ましい。
【0029】以下に反応性モノマーの好ましい具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0030】ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例え
ば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートな
ど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、
イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチル
メタクリレートなど)、N-メチロール基含有ビニルモ
ノマーまたはその前駆体モノマー(例えば、 N-メチロ
ールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミ
ド、N―メトキシメチルアクリルアミドなど)、カルボ
キシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレー
ト、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモ
ノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ
−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有
ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル
基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロ
レイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えば
スチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビ
ニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリ
レート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル
酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含
有モノマー(例えばアリルアミン、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、ビニルピリジン)、アルコキシシリ
ル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシランなど)、リン酸基含有モノマー(リン
酸モノメタクリロイルオキシエチルエステルなど)、ア
ミド基含有モノマー(ジメチルアクリルアミド、アクリ
ロイルモルホリン、アクリルアミド、N−ビニルホルム
アミドなど)、ポリエチレンオキサイド含有モノマー
(ポリエチレンオキサイドメタクリル酸モノエステル:
エチレンオキサイドユニット数=9など)などが挙げら
れる。
【0031】これらの中で特に好ましい反応性基として
ヒドロキシル基、イソシアネート基、N−メチロール基
(又はN−アルコキシメチル基)、アルコキシシリル
基、アミド基が挙げられる。更にヒドロキシル基とイソ
シアネート基の組み合わせる場合、 N−メチロール基
(又はN−アルコキシメチル基)を使用する場合、アル
コキシシリル基を使用する場合などはハードコート内部
でも架橋反応を形成できるため、ハードコート層自身の
硬度も高められることができ有効である。
【0032】<反応性モノマーを添加する場合>本発明
の一般式(1)で表される繰り返し単位を有する架橋性
ポリマーは、A)開環重合性基でもなくエチレン性不飽
和基でもない反応性基を有することが好ましいが、B)
同一分子内に開環重合性基でもなく、エチレン性不飽和
基でもない反応性基、および開環重合性基またはエチレ
ン性不飽和基のいずれかを含有する化合物を硬化組成物
中に添加する、ことによっても機能性層との接着性を高
めることができる。このような化合物のうち、エチレン
性不飽和基、および、開環重合性基でもなく、エチレン
性不飽和基でもない反応性基を有する反応性モノマーが
好ましく使用できる。この場合の反応性基は機能性層内
に含まれた官能基と共有結合を形成する基が好ましい
が、イオン結合、水素結合、また単なる分子間相互作用
を生じさせるのみの官能基であっても機能性層に対する
接着性が高められれば特に制限なく使用できる。さらに
ハードコート内部でも架橋反応を形成できる反応性基で
あればハードコート層自身の硬度も高められることがで
き有効である。
【0033】このような反応性基の好ましい例として
は、ヒドロキシル基、イソシアネート基、N−メチロー
ル基(またはN−アルコキシメチル基)、カルボキシル
基、ハロゲン化アルキル基、無水カルボキシル基、ホル
ミル基、スルフィン酸基、活性メチレン基、酸ハライド
基、アミノ基、アルコキシシリル基、リン酸基、アミド
基、アルキレンオキサイド基、ウレイド基などが挙げら
れる。
【0034】以下に反応性モノマーの好ましい具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0035】ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例え
ば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートな
ど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、
イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチル
メタクリレートなど)、N-メチロール基含有ビニルモ
ノマーまたはその前駆体モノマー(例えば、 N-メチロ
ールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミ
ド、N―メトキシメチルアクリルアミドなど)、カルボ
キシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレー
ト、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモ
ノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ
−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有
ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル
基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロ
レイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えば
スチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビ
ニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリ
レート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル
酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含
有モノマー(例えばアリルアミン、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、ビニルピリジン)、アルコキシシリ
ル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシランなど)、リン酸基含有モノマー(リン
酸モノメタクリロイルオキシエチルエステルなど)、ア
ミド基含有モノマー(ジメチルアクリルアミド、アクリ
ロイルモルホリン、アクリルアミド、N−ビニルホルム
アミドなど)、ポリエチレンオキサイド含有モノマー
(ポリエチレンオキサイドメタクリル酸モノエステル:
エチレンオキサイドユニット数=9など)などが挙げら
れる。
【0036】これらの中で特に好ましい反応性基として
ヒドロキシル基、イソシアネート基、N−メチロール基
(又はN−アルコキシメチル基)、アルコキシシリル
基、アミド基が挙げられる。更にヒドロキシル基とイソ
シアネート基の組み合わせる場合、 N−メチロール基
(又はN−アルコキシメチル基)を使用する場合、アル
コキシシリル基を使用する場合などはハードコート内部
でも架橋反応を形成できるため、ハードコート層自身の
硬度も高められることができ有効である。一方でN−メ
チロール基(又はN−アルコキシメチル基)や、アルコ
キシシリル基などのように架橋反応時に脱水、脱アルコ
ールなどの分子量低下を伴う場合、硬化収縮が大きくな
りやすく注意を要する。
【0037】本発明の一般式(1)で表される繰り返し
単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される
繰り返し単位が含まれる割合は、30質量%以上100
質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以
下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下で
ある。また反応性基を含む繰り返し単位を含む割合は、
1質量%以上50質量%以下、好ましくは5質量%以上
40質量%以下、特に好ましくは10質量%以上30質
量%以下である。更に架橋反応時に分子量低下を伴って
反応する反応性基を含む繰り返し単位の場合は、好まし
くは1質量%以上30質量%以下、更に好ましくは5質
量%以上20質量%以下である。
【0038】一般式(1)で表される繰り返し単位を含
む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子
量で1,000以上100万以下、さらに好ましくは
3,000以上20万以下である。最も好ましくは5,
000以上10万以下である。
【0039】以下に一般式(1)で表される繰り返し単
位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表1及び表2に
示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、前記で具体例を挙げた一般式(1)で表される繰り
返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可
能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー
名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】以下、本発明に用いることのできる同一分
子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物につ
いて説明する。好ましいエチレン性不飽和基の種類は、
アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニ
ルエーテル基であり、特に好ましくはアクリロイル基で
ある。エチレン性不飽和基を含む化合物はエチレン性不
飽和基を分子内に2個以上有していればよいが、より好
ましくは3個以上である。そのなかでもアクリロイル基
を有する化合物が好ましく、分子内に2〜6個のアクリ
ル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと
称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステル
アクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内
に数個のアクリル酸エステル基を有する分子量が数百か
ら数千のオリゴマーを好ましく使用できる。
【0043】これら分子内に2個以上のエチレン性不飽
和基を有する化合物の好ましい具体例としては、ジビニ
ルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオ
ールポリアクリレート類、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルのジアクリレート、ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレ
ート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリ
レート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得ら
れるウレタンアクリレート等を挙げることができる。ま
た、このような化合物は市販もされていて、EB−60
0、EB−40、EB−140、EB−1150、EB
−1290K、IRR214、EB−2220,TMP
TA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー
(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以
上、日本合成化学工業(株)製)などが、挙げられる。
上記で挙げた分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を
有する化合物のなかでも特に好ましい化合物として分子
内に3個以上のアクリロイル基を有しアクリロイル当量
が120以下の化合物が挙げられ、具体例としてはトリ
メチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げ
られる。
【0044】また、本発明では分子内に複数のエチレン
性不飽和基を有する化合物として一般式(2)で表され
る繰り返し単位を含む架橋性ポリマーも好ましく使用で
き、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性
ポリマーとブレンドして使用してもよいが、一般式
(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー
と、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性
ポリマー以外の同一分子内に2個以上の開環重合性基を
含む化合物を組み合わせてもよい。ここで言う開環重合
性基を含む化合物とはカチオン、アニオン、ラジカルな
どの作用により開環重合が進行する環構造を有する化合
物であり、この中でもヘテロ環状化合物のカチオン開環
重合が好ましい。このような化合物としてエポキシ誘導
体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環
状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾ
リン誘導体などの環状イミノエーテル類などが挙げら
れ、特にエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、オキサゾ
リン誘導体が好ましい。このような同一分子内に2個以
上の開環重合性基を有する化合物の具体例としては、例
えばグリシジルエーテル類としてエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジル
トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ソルビトー
ルテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテ
トラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポ
リグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポ
リグリシジルエーテルなど、脂環式エポキシ類としてセ
ロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリ
ードGT−301、エポリードGT−401、EHPE
3150CE(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フ
ェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシ
メチルエーテルなど、オキセタン類としてOXT−12
1、OXT−221、OX−SQ、PNOX−1009
(以上、東亞合成(株)製)などが挙げられる。
【0045】以下、一般式(2)で表される繰り返し単
位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。
【0046】一般式(2)
【化10】 一般式(2)の式中R は水素原子もしくは炭素原子
数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原
子もしくはメチル基である。P はエチレン性不飽和
基を含む一価の基であり、L は単結合もしくは二価
の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレ
ン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−C
OO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO
−である。P はエチレン性不飽和基を含む一価の基
である。好ましいP としては、アクリロイル基、メ
タクリロイル基、スチリル基を含む一価の基であり、最
も好ましくはアクリロイル基を含む一価の基である。
【0047】以下に一般式(2)で表される繰り返し単
位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】
【化15】
【0053】一般式(2)で表される繰り返し単位を含
む架橋性ポリマーは、(1)対応するモノマーを重合させ
て直接エチレン性不飽和基を導入する手法で合成しても
よく、(2)任意の官能基を有するモノマーを重合して得
られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽和基
を導入する手法で合成してもよい。また、(1)および(2)
の手法を組み合わせて合成することもできる。重合反応
としてはラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合な
どが挙げられる。前記、(1)の方法を用いる場合、重合
反応により消費されるエチレン性不飽和基と架橋性ポリ
マー中に残されるエチレン性不飽和基の重合性の差を利
用することが必要である。例えば、一般式(2)の好ま
しいP のなかで、アクリロイル基、メタクリロイル
基を含む一価の基を用いる場合、架橋性ポリマーを生成
させる重合反応をカチオン重合とすることで前記(1)の
手法によって本発明の架橋性ポリマーを得ることができ
る。一方、 P をスチリル基を含む一価の基とする場
合、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいず
れの方法をとってもゲル化が進行しやすいため通常前記
(2)の手法によって本発明の架橋性ポリマーを合成す
る。
【0054】このように前記(2)に記述した高分子反応
を利用する手法は一般式(2)中に導入されるエチレン
性不飽和基の種類によらず、架橋性ポリマーを得ること
が可能であり、有用である。高分子反応は、例えば2−
クロロエチル基から塩酸を脱離させるような I)エチレ
ン性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマ
ーを生成させたあとに官能基変換(脱離反応、酸化反
応、還元反応、脱保護反応など)によりエチレン性不飽
和基に誘導する方法と、II)任意の官能基を含むポリマ
ーを生成させたあとに、該ポリマー中の官能基と結合生
成反応が進行し、共有結合を生成しうる官能基とエチレ
ン性不飽和基の両方を有する化合物(以降、反応性モノ
マーと称する)を反応させる方法が挙げられる。またこ
れら I)、II)の方法は組み合わせて行ってもよい。こ
こで言う結合形成反応とは、一般に有機合成分野で用い
られる結合生成反応のなかで共有結合を形成する反応で
あれば特に制限なく使用できる。一方で、架橋性ポリマ
ーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中に熱重合し、
ゲル化してしまう場合があるので、できるだけ低温(好
ましくは60℃以下、特に好ましくは室温以下)で反応
が進行するものが好ましい。また反応の進行を促進させ
る目的で触媒を用いても良く、ゲル化を抑制する目的で
重合禁止剤を用いてもよい。
【0055】以下に好ましい高分子結合形成反応が進行
する官能基の組み合わせの例を挙げるが本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0056】加熱もしくは室温で反応が進行する官能基
の組み合わせとしては、(イ)ヒドロキシル基に対し
て、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール
基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸
クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、
ホルミル基、アセタール基、(ロ)イソシアネート基に
対してヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カル
ボキシル基、N−メチロール基、(ハ)カルボキシル基
に対して、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、
N−メチロール基、(ニ)N−メチロール基に対して、
イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル
基、アミノ基、ヒドロキシル基、(ホ)エポキシ基に対
して、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、カル
ボキシル基、N−メチロール基、(ヘ)ビニルスルホン
基に対してスルフィン酸基、アミノ基、(ト)ホルミル
基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、活性メチレ
ン基、(チ)メルカプト基に対して、ホルミル基、ビニ
ル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソ
シアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、ア
ルキルハライド、酸無水物酸クロライド、活性エステル
基(例えば硫酸エステル)、(リ)アミノ基に対して、
ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、
エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カ
ルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロラ
イド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、などの
組み合わせが挙げられる。
【0057】以下に反応性モノマーの好ましい具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0058】ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例え
ば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートな
ど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、
イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチル
メタクリレートなど)、N−メチロール基含有ビニルモ
ノマー(例えば、 N−メチロールアクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミドなど)、エポキシ基含有
ビニルモノマー(例えば、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、
CYCLOMER−M100、A200(ダイセル化学
工業(株)製)など)、カルボキシル基含有ビニルモノ
マー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、ア
ルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチ
ルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタ
クリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマ
レイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例
えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基
含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリ
ウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセ
トアセトキシエチルメタクリレート)、ビニル基含有ビ
ニルモノマー(例えばアリルメタクリレート、アリルア
クリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアク
リル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ
基含有モノマー(例えばアリルアミン)、が挙げられ
る。
【0059】前記II)に記載した任意の官能基を含むポ
リマーは、反応性官能基とエチレン性不飽和基の両方を
有する反応性モノマーの重合を行うことで得ることがで
きる。また、ポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビ
ニルアルコールのように反応性の低い前駆体モノマーの
重合後、官能基変換を行うことで得ることもできる。こ
れらの場合の重合方法としては、ラジカル重合が最も簡
便で好ましい。
【0060】本発明の一般式(2)で表される繰り返し
単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(2)で表
される繰り返し単位で構成されたコポリマーであっても
よく、また、一般式(2)以外の繰り返し単位(例えば
エチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位)を含んだ
コポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎
水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーのエ
チレン性不飽和基の含有量をコントロールする目的で一
般式(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとす
る手法は好適である。一般式(2)以外の繰り返し単位
の導入方法は、a)対応するモノマーを共重合させて直
接導入する手法を用いてもよく、b)官能基変換可能な
前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入する
手法を用いてもよい。また、a)およびb)の手法を組
み合わせて導入することもできる。
【0061】a)の手法によって一般式(2)以外の繰
り返し単位を、対応するビニルモノマーを重合すること
によって導入する場合、好ましく用いられるモノマーの
例としては、一般式(1)で表される繰り返し単位を含
む架橋性ポリマーの説明で述べた一般式(1)以外の繰
り返し単位として挙げたものと同じである。
【0062】また、一般式(2)で表される繰り返し単
位を前記(2)のように高分子反応で導入し、反応を完結
させない場合、エチレン性不飽和基をプレカーサー化し
た官能基や反応性官能基を含む繰り返し単位を有する共
重合体となるが、本発明では特に制限なく用いることが
できる。
【0063】上記で挙げたビニルモノマーから誘導され
るエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位の大部分
は前述したb)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合
させ、高分子反応により導入することも可能である。一
方で、本発明の一般式(2)で表される繰り返し単位を
含む架橋性ポリマーは、高分子反応によってのみでし
か、導入できない一般式(2)以外の繰り返し単位を含
んでいてもよい。典型的な例としてポリ酢酸ビニルを変
性して得られるポリビニルアルコールやポリビニルアル
コールのアセタール化反応によって得られるポリビニル
ブチラール等を挙げることができる。これらの繰り返し
単位の具体的な例を以下に示すが本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0064】
【化16】
【0065】本発明では特に一般式(2)で表される繰
り返し単位を含む架橋性ポリマーが一般式(2)以外の
繰り返し単位として開環重合性基でもなく、エチレン性
不飽和基でもない反応性基を有する繰り返し単位を導入
することで、ハードコート上に機能性層を塗設した場合
の層間接着力を高めることができ有効である。この場合
の反応性基は機能性層内に含まれた官能基と共有結合を
形成する基が好ましいが、イオン結合、水素結合、また
単なる相互作用を生じさせるのみの官能基であっても機
能性層に対する接着性が高められれば特に制限なく使用
できる。さらにハードコート内部でも架橋反応を形成で
きる反応性基であればハードコート層自身の硬度も高め
られることができ有効である。
【0066】このような反応性基の導入方法は一般式
(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーに
対して高分子反応で導入してもよいが、対応するビニル
モノマー(以下、反応性モノマーと称する)を共重合さ
せて導入する手法が簡便で好ましい。反応性モノマーの
具体例は一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架
橋性ポリマーで挙げたものと同じであり、好ましい例も
同じである。
【0067】本発明の一般式(2)で表される繰り返し
単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(2)で表される
繰り返し単位が含まれる割合は、30質量%以上100
質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以
下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下で
ある。また反応性基を含む繰り返し単位を含む割合は、
1質量%以上50質量%以下、好ましくは5質量%以上
40質量%以下、特に好ましくは10質量%以上30質
量%以下である。
【0068】一般式(2)で表される繰り返し単位を含
む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子
量で1000以上100万以下、さらに好ましくは30
00以上20万以下である。最も好ましくは5000以
上10万以下である。
【0069】以下に一般式(2)で表される繰り返し単
位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表3に示すが、
本発明はこれに限定されるものではない。なお、前記で
具体例を挙げた一般式(2)で表される繰り返し単位と
ポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げ
た具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導
される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組
成比を質量%で付記した。
【0070】
【表3】
【0071】以下に本発明の一般式(1)および(2)
で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーに
ついて詳細に説明する。ここで言う一般式(1)および
(2)で表される繰り返し単位は前記したものと同じも
のであり、好ましい形態も同じである。また、一般式
(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含
む架橋性ポリマーは複数種の一般式(1)および(2)
で表される繰り返し単位で構成されるコポリマーであっ
てもよく、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単
位を含んだコポリマーであってもよい。また、エチレン
性不飽和基でもなく、開環重合性基でもない反応性基を
有する繰り返し単位を含んだコポリマーであってもよ
く、いずれの場合も好ましい態様は前記で挙げたものと
同じである。
【0072】一般式(1)および(2)で表される両方
の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)
で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以
上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量
%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下
であり、一般式(2)で表される繰り返し単位が含まれ
る割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは2
0質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量
%以上70質量%以下である。
【0073】一般式(1)および(2)で表される両方
の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量
範囲は重量平均分子量で1000以上100万以下、さ
らに好ましくは3000以上20万以下である。最も好
ましくは5000以上10万以下である。
【0074】一般式(1)および(2)で表される両方
の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表
4に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)および
(2)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコール
などの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表
し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位
は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記
した。
【0075】
【表4】
【0076】本発明の硬化性組成物は、一般式(1)で
表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子
内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方
を含有するか、一般式(2)で表される繰り返し単位を
含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上の開環重合
性基を含む化合物の両方を含有するか、一般式(1)お
よび(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性
ポリマーを含有するいずれかの組成物である。
【0077】本発明の硬化性組成物が、一般式(1)で
表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子
内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方
を含有する場合、一般式(1)で表される繰り返し単位
を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチレ
ン性不飽和基を含む化合物の好ましい混合比は用いる化
合物の種類によっても異なるが、エチレン性不飽和基を
含む化合物の割合が30質量%以上90質量%以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくは50質量%以上8
0質量%以下である。
【0078】また、本発明の硬化性組成物が、一般式
(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと
同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合
物の両方を含有する場合、一般式(1)で表される繰り
返し単位を含む架橋性ポリマー以外の開環重合性基を含
む化合物も添加することができる。ここで言う開環重合
性基を含む化合物とはカチオン、アニオン、ラジカルな
どの作用により開環重合が進行する環構造を有する化合
物であり、この中でもヘテロ環状化合物のカチオン開環
重合が好ましい。このような化合物としてエポキシ誘導
体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環
状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾ
リン誘導体などの環状イミノエーテル類などが挙げら
れ、特にエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、オキサゾ
リン誘導体が好ましい。同一分子内に有する開環重合性
基の数は特に制限はなく、1個以上有していればよい
が、2個以上の開環重合性基を有する化合物がより好ま
しい。このような化合物の具体例としては、例えばグリ
シジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロー
ルトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒド
ロキシエチルイソシアヌレート、ソルビトールテトラグ
リシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシ
ルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジ
ルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジ
ルエーテルなど、脂環式エポキシ類としてセロキサイド
2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−
301、エポリードGT−401、EHPE3150C
E(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノ
ボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエー
テルなど、オキセタン類としてOXT−121、OXT
−221、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東
亞合成(株)製)などが挙げられる。
【0079】また、本発明の硬化性組成物が、一般式
(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと
同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合
物の両方を含有する場合、同一分子内に1個のエチレン
性不飽和基を含む化合物も添加することができる。この
ような化合物の好ましい例としては一般式(1)で表さ
れる繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの説明で述べた
共重合可能なビニルモノマーや反応性モノマーの例を挙
げることができる。
【0080】本発明の硬化性組成物が、一般式(2)で
表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子
内に2個以上の開環重合性基を含む化合物の両方を含有
する場合、一般式(2)で表される繰り返し単位を含む
架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上の開環重合性基
を含む化合物の好ましい混合比は用いる化合物の種類に
よっても異なるが、開環重合性基を含む化合物の割合が
10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、
さらに好ましくは20質量%以上50質量%以下であ
る。
【0081】また、本発明の硬化性組成物が、一般式
(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと
同一分子内に2個以上の開環重合性基を含む化合物の両
方を含有する場合、一般式(2)で表される繰り返し単
位を含む架橋性ポリマー以外のエチレン性不飽和基を含
む化合物も添加することができる。ここで言うエチレン
性不飽和基を含む化合物は一般式(1)で表される繰り
返し単位を含む架橋性ポリマーと混合される同一分子内
に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物や単官能
のビニルモノマーが挙げることができる。
【0082】また、本発明の硬化性組成物が、一般式
(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと
同一分子内に2個以上の開環重合性基を含む化合物の両
方を含有する場合、同一分子内に1個の開環重合性基を
含む化合物も添加することができる。このような化合物
としてエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒド
ロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネー
ト誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテ
ル類などの種々公知の化合物を使用できる。
【0083】本発明の硬化性組成物が、一般式(2)で
表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子
内に2個以上の開環重合性基を含む化合物の両方を含有
する場合の上記で挙げた一般式(2)で表される繰り返
し単位を含む架橋性ポリマー以外のエチレン性不飽和基
を含む化合物および同一分子内に1個の開環重合性基を
含む化合物の添加量は、架橋性ポリマーも含めた全ての
開環重合性基を含む化合物およびエチレン性不飽和基を
含む化合物の総質量に対し、50質量%以下であり、好
ましくは30質量%以下である。
【0084】本発明の硬化性組成物が、一般式(1)お
よび(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性
ポリマーを含有する場合も、一般式(1)および(2)
で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以
外の開環重合性基を含む化合物を添加することができ、
好ましい化合物例は上記で挙げたものと同じである。ま
た、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返
し単位を含む架橋性ポリマー以外のエチレン性不飽和基
を含む化合物も添加することができる。この場合、同一
分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和基が含まれ
ていればよいが、2個以上がより好ましく、3個以上が
特に好ましい。同一分子内に1個のエチレン性不飽和基
を含む化合物の好ましい例としては一般式(1)で表さ
れる繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの説明で述べた
共重合可能なビニルモノマーや反応性モノマーの例を挙
げることができ、同一分子内に2個以上のエチレン性不
飽和基を含む化合物の例としては一般式(1)で表され
る繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと併用する場合と
同じであり、好ましい例も同じである。
【0085】本発明の硬化性組成物が、一般式(1)お
よび(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性
ポリマーを含む場合、上記で挙げた一般式(1)および
(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリ
マー以外の開環重合性基を含む化合物およびエチレン性
不飽和基を含む化合物の添加量は、一般式(1)および
(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリ
マーの一般式(1)および(2)で表される繰り返し単
位を含む割合により異なるが、架橋性ポリマーも含めた
全ての開環重合性基を含む化合物およびエチレン性不飽
和基を含む化合物の総質量に対し、50質量%以下であ
り、好ましくは30質量%以下である。
【0086】本発明では、エチレン性不飽和基を含む化
合物と開環重合性基を含む化合物の両方の化合物の架橋
反応が進行することが好ましい。エチレン性不飽和基の
好ましい架橋反応はラジカル重合反応であり、開環重合
性基の好ましい架橋反応はカチオン重合反応である。い
ずれの場合も熱および/または光の作用により、重合反
応を進行させることができる。通常、重合開始剤と称さ
れる少量のラジカル発生剤もしくはカチオン発生剤(も
しくは酸発生剤)を添加し、熱および/または光により
これらを分解し、ラジカルもしくはカチオンを発生させ
重合を進行させる方法が一般的である。ラジカル重合と
カチオン重合は別々に行ってもよいが、同時に進行させ
ることが好ましい。ラジカル発生剤を添加せずに架橋反
応を進行させる方法として単に加熱する方法もあるが、
電子線を照射する方法が好ましく用いられる。
【0087】本発明では基材にプラスチックフィルムを
用いる場合、プラスチックフィルム自身の耐熱性が低い
ため加熱により硬化させる場合は、できるだけ低温で硬
化させることが好ましい。その場合の加熱温度は、14
0度以下、より好ましくは100℃以下である。一方で
光の作用による硬化は、低温で架橋反応が進行する場合
が多く、好ましく用いられる。さらに放射線、ガンマー
線、アルファー線、電子線、紫外線などの活性エネルギ
ー線を利用する方法が好ましく、その中でも紫外線によ
りラジカルもしくはカチオンを発生させる重合開始剤を
添加し、紫外線により硬化させる方法が特に好ましい。
また、活性エネルギー線を照射するときの温度は特に制
限はないが、低温で行うことにより硬化後の体積収縮が
抑えられたり、基材としてプラスチックフィルムを用い
た場合、基材の変形が少なくなり、有利な場合が多い。
この場合の好ましい温度は80℃以下であり更に好まし
くは50℃以下である。また活性エネルギー線を照射し
た後、加熱することにより、さらに硬化を進行させるこ
とができる場合があり、必要に応じて用いることができ
る。この場合の好ましい加熱温度は140℃以下であ
る。
【0088】光の作用によってカチオンを発生させる光
酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩やジア
リールヨードニウム塩などのイオン性の化合物やスルホ
ン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性の化合
物が挙げられ、有機エレクトロニクス材料研究会編、
「イメージング用有機材料」ぶんしん出版社刊(199
7)などに記載されている化合物等種々の公知の光酸発
生剤が使用できる。この中で特に好ましくはスルホニウ
ム塩もしくはヨードニウム塩であり、対イオンとしては
PF 、SbF ,AsF ,B(C
などが好ましい。
【0089】光の作用によりラジカルを発生させる重合
開始剤の例としてはアセトフェノン系化合物、ベンゾイ
ンエーテル系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノ
ン系化合物、チオキサントン系化合物等が好ましい。ア
セトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−
ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチル
アミノアセトン、p−tert−ブチルジクロロアセト
フェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェ
ノン、p−アジドベンザルアセトフェノン等が挙げられ
る。ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、ベ
ンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチ
ルアセタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン等が挙げられる。ベンゾインエーテル系化合物と
しては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロ
ピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベン
ゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエ
ーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物として
は、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸
メチル、ミヒラーズケトン、4,4’−ビスジエチルア
ミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノ
ン等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、
例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、
2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサ
ントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロ
チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が
挙げられる。このような芳香族ケトン類からなる感光性
ラジカル重合開始剤の中でも、アセトフェノン系化合物
及びベンジル系化合物が、硬化特性、保存安定性、臭気
等の面で特に好ましい。これらの芳香族ケトン類からな
る感光性ラジカル重合開始剤は、1種あるいは2種以上
のものを所望の性能に応じて配合して使用することがで
きる。
【0090】また上記で挙げたように通常、光酸発生剤
として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩など
も光の作用によりラジカル発生剤として機能するため、
本発明ではこれらを単独でもちいてもよい。また、感度
を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いても
よい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチル
アミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサ
ントン等が含まれる。
【0091】重合開始剤は、それぞれ複数種を組み合わ
せて用いてもよいし、単独でラジカルとカチオンの両方
を発生させるような化合物の場合など単独で用いること
ができる。重合開始剤の添加量としては、硬化性組成物
中に含まれる架橋性ポリマーも含めたエチレン性不飽和
基含有化合物と開環重合性基含有化合物の総質量に対
し、0.1乃至15質量%の範囲で使用することが好ま
しく、1乃至10質量%の範囲で使用することがさらに
好ましい。
【0092】本発明において一般式(1)で表される繰
り返し単位を有する架橋性ポリマーや、一般式(2)で
表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマーおよび一
般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位
を含む架橋性ポリマー(以下、これらを合わせて本発明
のポリマーと称する)は通常、固体もしくは高粘度液体
となり単独での塗布は困難であり、ポリマーが水溶性の
場合や水分散物とした場合は水系で塗布することもでき
るが、通常有機溶媒に溶解して塗布される。有機溶媒と
しては、本発明のポリマーを可溶ならしめるものであれ
ば特に制限なく使用できる。好ましい有機溶媒として
は、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロパノー
ル等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類など
が挙げられる。また、前記した単官能もしくは多官能の
ビニルモノマーや単官能もしくは2官能もしくは3官能
以上の開環重合性基を有する化合物が低分子量化合物で
ある場合、これらを併用すると、硬化性組成物の粘度を
調節することが可能であり、溶媒を用いなくても塗布可
能とすることもできる。
【0093】また本発明では硬化性組成物中に必要に応
じて架橋微粒子を添加することができる。架橋微粒子を
添加することでハードコート層の硬化収縮量を低減でき
るため基材との密着性が向上したり、基材がプラスチッ
クフィルムである場合などカールを低減でき好ましい。
架橋微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子、有機−
無機複合微粒子のいずれも特に制限なく使用できる。無
機微粒子としては例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸化チ
タン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒
子などが挙げられる。このような無機架橋微粒子は一般
に硬質であり、ハードコート層に充填させることで、硬
化時の収縮を改良できるだけではなく、表面の硬度も高
めることができる。
【0094】一般に無機微粒子は本発明のポリマーや多
官能ビニルモノマーなどの有機成分との親和性が低いた
め単に混合するだけでは凝集体を形成したり、硬化後の
ハードコート層がひび割れやすくなる場合がある。本発
明では無機微粒子と有機成分との親和性を増すため、無
機微粒子表面を有機セグメントを含む表面修飾剤で処理
することができる。表面修飾剤は、無機微粒子と結合を
形成するか無機微粒子に吸着しうる官能基と、有機成分
と高い親和性を有する官能基を同一分子内に有するもの
が好ましい。無機微粒子に結合もしくは吸着し得る官能
基を有する化合物としては、シラン、アルミニウム、チ
タニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシド化合物
や、リン酸、スルホン酸、カルボン酸基等のアニオン性
基を有する化合物が好ましい。さらに有機成分との親和
性の高い官能基としては単に有機成分と親疎水性を合わ
せただけのものでもよいが、有機成分と化学的に結合し
うる官能基が好ましく、特にエチレン性不飽和基、もし
くは開環重合性基が好ましい。本発明において好ましい
無機微粒子表面修飾剤は金属アルコキシドもしくはアニ
オン性基とエチレン性不飽和基もしくは開環重合性基を
同一分子内に有する化合物である。
【0095】これら表面修飾剤の好ましい例として以下
の不飽和二重結合や開環重合性基を有するカップリング
剤やリン酸、スルホン酸、カルボン酸化合物等が挙げら
れるが、本発明はこれらに限定されるものではない。 S−1 HC=C(X)COOCSi(OCH S−2 HC=C(X)COOCOTi(OC S−3 HC=C(X)COOCOCOC10OPO(OH) S−4 (HC=C(X)COOCOCOC10O)POOH S−5 HC=C(X)COOCOSOK S−6 HC=C(X)COO(C10COO)H S−7 HC=C(X)COOC10COOH S−8 γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン (X=H、あるいはCHをあらわす)
【0096】これらの無機微粒子の表面修飾処理方法
は、従来公知のいずれの手法を用いてもよい。例えば溶
液中で表面修飾処理を行う場合、無機微粒子を機械的に
微細分散する時に、一緒に表面修飾剤を存在させるか、
または無機微粒子を微細分散したあとに表面修飾剤を添
加して攪拌するか、さらには無機微粒子を微細分散する
前に表面修飾を行って(必要により、加温、乾燥した後
に加熱、またはpH変更を行う)、そのあとで微細分散
を行う方法でも良い。この場合の溶媒としては、極性の
高い有機溶剤が好ましい。具体的には、アルコール類、
ケトン類、エステル類等の公知の有機溶剤が挙げられ
る。また分散機としては超音波分散機、ディスパー、ホ
モジナイザー、ディゾルバー、ポリトロン、ペイントシ
ェーカー、サンドグラインダー、ニーダー、アイガーミ
ル、ダイノミル、コボールミル等を用いることが好まし
い。
【0097】有機架橋微粒子としてはポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル類およびアミド類、ポリ塩
化ビニル、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポ
リジメチルシロキサン等の汎用樹脂を架橋させたものや
SBR、NBRなどの架橋ゴム微粒子も好ましく使用で
きる。有機微粒子は軟質なゴム粒子から硬質粒子まで任
意に選択できる。例えば、前記した硬度の高い無機架橋
微粒子は、ハードコート層に対する添加量を上げていく
と硬化収縮量や硬度は向上するが、もろく割れやすくな
る場合がある。このような場合、硬度を任意に調節した
有機架橋微粒子を同時に添加することで割れにくくする
ことができ好ましい。また、硬度の高いコアと硬度の低
いシェルまたは硬度の低いコアと硬度の高いシェルのよ
うなコア−シェル粒子とすることもできる。またハード
コート層中もしくは塗布溶媒中での分散安定性を確保す
る目的で親疎水性を変えたコア−シェル粒子とすること
も好ましい。また、コアに無機架橋微粒子を用いた有機
−無機複合微粒子とすることもできる。これら架橋微粒
子をコア−シェル粒子とする場合、コア部とシェル部の
両方が架橋されていてもよいし、いずれか一方が架橋さ
れていてもよい。
【0098】本発明に用いることのできる架橋微粒子の
平均粒子径は1〜20000nmであり、2〜1000
nmであることがより好ましく、5〜500nmである
ことがさらに好ましく、10〜200nmであることが
最も好ましい。また、架橋微粒子の形状は、球状、棒
状、針状、板状など特に制限なく使用できる。なお、本
発明で述べる平均粒子径は、個々の粒子の投影面積と同
じ面積を持つ円の直径の平均値である。
【0099】これら架橋微粒子を添加する場合の添加量
は、硬化後のハードコート層の1乃至60体積%である
ことが好ましく、3乃至40体積%であることがさらに
好ましい。
【0100】本発明において基材自身の硬度が低い場合
にもハードコート処理物品の硬化後のハードコート層の
膜厚を厚くすることで、ハードコート処理物品の硬度を
高めることができる。本発明におけるハードコート層の
膜厚は基材の硬度によっても異なり、特に制限はない
が、ハードコート層の膜厚を厚くすることで本発明の特
徴である硬度が高く、ひび割れ、膜剥がれが生じにくい
という効果が顕著に現れる。好ましい膜厚としては、2
0〜200μmであり、より好ましくは30〜200μ
mであり、さらに好ましくは40〜200μmであり、
その中でも特に好ましくは50〜200μmである。
【0101】本発明に用いられる基材は、金属、プラス
チック、ガラス、木材、紙など特に制限なく使用でき
る。その中でも特にプラスチック基材が好ましく、さら
にはプラスチックフィルムを基材に用いた場合、本発明
の効果が顕著に現れるため、好ましい。プラスチックフ
ィルムとしては、特に制限はないが、具体例としては、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロフ
ァン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロー
ス、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン
ビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリメチルペンテン、ポリスルフォン、ポリエーテルケ
トン、アクリル、ナイロン、フッ素樹脂、ポリイミド、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン等のフィ
ルムもしくはシートを挙げることができる。その中でも
特にポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタ
レート等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセ
チルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース
樹脂等のフィルムが好ましい。なお、光学的には、透明
性に優れている方が好ましい場合が多いが、用途によっ
ては半透明であっても不透明であってもよい。また屈折
率の異方性が無い方が好ましい場合が多いが、液晶表示
装置等で異方性が付いているものの方が好まれる場合も
ある。フィルムの厚みは、薄すぎると膜強度が弱く、厚
いとスティフネスが大きくなり過ぎるため20〜500
μmが好ましく、80〜300μmがより好ましい。
【0102】本発明のハードコート処理物品は表面の硬
度が高いことが好ましい。本発明で言うハードコート処
理物品の表面の硬度はJIS K5400で定義される
鉛筆硬度で表すことができ、ハードコート処理物品のハ
ードコート処理表面を直接鉛筆で引っかくことによって
鉛筆硬度を評価することができる。この場合の鉛筆硬度
は基材の種類によっても異なるため特に制限はないが、
好ましくは3H〜9H、より好ましくは4H〜9H、特
に好ましくは5H〜9Hである。
【0103】本発明のハードコート処理物品は、本発明
の架橋性ポリマーのほかにエチレン性不飽和基含有化合
物、開環重合性基含有化合物、重合開始剤、架橋微粒
子、溶媒などで構成される硬化性組成物を基材上に塗
布、硬化することで得ることができる。硬化性組成物に
はその他、紫外線吸収剤、塗布性改良のための界面活性
剤、帯電防止剤など、従来公知の添加剤を添加してもよ
い。塗布方法としてはカーテンコーティング、ディップ
コーティング、スピンコーティング、印刷コーティン
グ、スプレーコーティング、スロットコーティング、ロ
ールコーティング、スライドコーテティング、ブレード
コーティング、グラビアコーティング、ワイヤーバー法
等の公知の塗布方法が挙げられる。
【0104】さらに、基材とハードコート層の接着性を
向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法
や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記
表面処理法としては、例えば薬品処理、機械的処理、コ
ロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿
式)、火焔処理、高周波処理、熱風処理、オゾン処理、
紫外線照射処理、活性プラズマ処理、混酸処理等が挙げ
らる。更に、一層以上の下塗り層を設けることができ
る。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン、ビニルエステル等の共重合体またこれらのラテック
ス、ポリエステル、ポリウレタン、およびゼラチン等の
水溶性ポリマー等が挙げられる。
【0105】本発明のハードコート処理物品はハードコ
ート層上に、反射防止層、紫外線・赤外線吸収層、選択
波長吸収性層、電磁波シールド層や防汚性層等の各種機
能を有する機能性層を設けることができる。これらの機
能性層は、従来公知の技術で作製することができる。ま
た、これら機能性層と本発明のハードコート処理物品の
ハードコート層の接着性を向上させる目的で、ハードコ
ート層上に表面処理を施したり、接着層を設けたりする
ことができる。表面処理法としては、前記、基材の表面
処理方法として挙げた方法が好ましく使用できる。ま
た、接着層としては前記、基材上に施される下塗り層で
挙げた素材が好ましく使用できる。
【0106】本発明のハードコート処理物品において基
材にプラスチックフィルムを用いた場合に得られるハー
ドコートフィルムは様々な物品の表面保護フィルムとし
て粘着剤などを用いて貼り合わせて使用することがで
き、該ハードコートフィルムを貼り付けた物品も本発明
のハードコート処理物品に含まれるものとする。特にハ
ードコート層上に上述のような機能性層を施した場合、
高硬度の機能性フィルムとして供され、陰極管表示装置
(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマディス
プレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディ
スプレイ(FED)、有機ELディスプレイ等のディス
プレイ、家電製品等のタッチパネル、自動車部品用、シ
ョーウインドウ、窓ガラス等の保護フィルムに好適であ
る。
【0107】以下に本発明のポリマーの合成例を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 (合成例1)例示化合物K−1の合成 メチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流
下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業
(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶
解したものを全量添加した。その後、グリシジルメタク
リレート(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了
後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液
を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80
℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却さ
せた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけ
て滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、K−1
を45g得た。 (合成例2)例示化合物P−1の合成
【0108】
【化17】
【0109】1b(3.0mol)をテトラヒドロフラ
ン(THF)1400ml中に溶かし、反応器を5℃に
冷却した。そこに1a(3.15mol)を1時間かけ
て滴下し、その後6時間反応させた。得られた反応溶液
を30℃で減圧濃縮後、重合禁止剤として1,1−ジフ
ェニル−2−ピクリルヒドラジル,フリーラジカルを
0.3g添加し、減圧蒸留を行った。133Pa減圧下
で118〜121℃の留分を採取し、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液:アセトン/ヘキサン=5
/95(体積比))にて精製し、1cを362g得た。
次にメチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気
流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬製重
合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したもの
を全量添加した。その後、1c(50g)を2時間かけ
て滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK
(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その
後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了
後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン
10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間
減圧乾燥し、1dを43g得た。次に1d(43g)を
アセトン(390ml)に溶解し、5℃に冷却した。そ
こにトリエチルアミン(390mmol)を1時間かけ
て滴下させ、滴下終了後、室温で24時間反応させた。
その後、反応容器を5℃に冷却し、6規定の塩酸水溶液
29.3mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時
間攪拌させた。得られた反応溶液に酢酸エチル(1L)
と10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)を加えて
攪拌後、水層を分離した。更に有機層を10質量%の塩
化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリ
ウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリ
ウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮
後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を2
0℃、8時間減圧乾燥し、例示化合物P−1を33g得
た。
【0110】(合成例3) 例示化合物P−19の合成 ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−10
5:鹸化度98.5%)30gをジメチルスルホキシド
1000mlに溶解後、ピリジン(200ml)とニト
ロベンゼン10mlを添加し、10℃まで冷却した。そ
の後、無水アクリル酸100mlを1時間かけて滴下
し、滴下終了後、室温で24時間反応させた。得られた
反応溶液を水20Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を1
Lの酢酸エチルに溶解し、2規定の塩酸水溶液(1L)
で2回洗浄した。さらに10質量%の塩化ナトリウム水
溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g
添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別し
た。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン1
0Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減
圧乾燥し、例示化合物P−19を28g得た。 (合成例4)例示化合物C−1の合成
【0111】
【化18】
【0112】1b(3.0mol)をテトラヒドロフラ
ン(THF)1400ml中に溶かし、反応器を5℃に
冷却した。そこに1a(3.15mol)を1時間かけ
て滴下し、その後6時間反応させた。得られた反応溶液
を30℃で減圧濃縮後、重合禁止剤として1,1−ジフ
ェニル−2−ピクリルヒドラジル,フリーラジカルを
0.3g添加し、減圧蒸留を行った。133Pa減圧下
で118〜121℃の留分を採取し、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液:アセトン/ヘキサン=5
/95(体積比))にて精製し、1cを362g得た。
次にメチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気
流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬製重
合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したもの
を全量添加した。その後、1c(41.9g)とグリシ
ジルメタクリレート(15.0g)の混合物を2時間か
けて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のME
K(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。そ
の後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終
了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサ
ン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時
間減圧乾燥し、1dを49g得た。次に1d(49g)
をアセトン(390ml)に溶解し、5℃に冷却した。
そこにトリエチルアミン(390mmol)を1時間か
けて滴下させ、滴下終了後、室温で24時間反応させ
た。その後、反応容器を5℃に冷却し、6規定の塩酸水
溶液29.3mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、
1時間攪拌させた。得られた反応溶液に酢酸エチル(1
L)と10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)を加
えて攪拌後、水層を分離した。更に有機層を10質量%
の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナ
トリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナ
トリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃
縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を
20℃、8時間減圧乾燥し、例示化合物C−1(x/y
=70/30質量%)を36g得た。
【0113】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0114】
【実施例】<無機架橋微粒子分散液の調製>セラミック
コートのベッセルに各試薬を以下の量計量した。 メチルイソブチルケトン 234g アニオン性官能基含有表面処理剤 S−6(X=H) 36g アルミナ微粒子(平均粒径:15nm) 180g 上記混合液をサンドミル(1/4Gのサンドミル)にて
1600rpm、10時間微細分散した。メディアは1
mmΦのジルコニアビーズを1400g用いた。分散
後、ビーズを分離し、表面修飾した無機架橋微粒子分散
液を得た。
【0115】<硬化性組成物の調製> (1)本発明の架橋性ポリマーと(2)エチレン性不飽和基含
有化合物と(3)開環重合性基含有化合物と(4)反応性基含
有化合物と(5)ラジカル重合開始剤(イルガキュア18
4(チバガイギー社製))と(6)カチオン重合開始剤
(UVI−6990(ユニオンカーバイド日本(株)
製)をメチルエチルケトンに溶解後、(7)有機架橋微粒
子を添加し、30分攪拌し、(6)無機架橋微粒子分散液
の混合液を添加し、30分間攪拌し、硬化性組成物を得
た。なお、(1)本発明の架橋性ポリマーと(2)エチレン性
不飽和基含有化合物と(3)開環重合性基含有化合物と(4)
反応性基含有化合物の種類は表5記載の組み合わせで選
択し、(1)、(2)、(3)、(4)および架橋微粒子の混合比は
表5記載の比率になるように調製した。なお、本発明の
架橋性ポリマーのうちエチレン性不飽和基と開環重合性
基の両方を有するポリマーは本発明のコポリマーの欄に
開環重合性基のみを有するポリマーは開環重合性基含有
化合物の欄にエチレン性不飽和基のみを有するポリマー
はエチレン性不飽和基含有化合物の欄に記載した。ま
た、反応性基含有化合物も開環重合性基を有するものは
開環重合性基含有化合物の欄にエチレン性不飽和基を有
するものはエチレン性不飽和基含有化合物の欄に記載し
た。
【0116】重合開始剤は、本発明の架橋性ポリマーも
含めたエチレン性不飽和基含有化合物と開環重合性基含
有化合物の総質量に対し、ラジカル重合開始剤とカチオ
ン重合開始剤を2.9%ずつ添加した。なお、開環重合
性基含有化合物を含まない場合はラジカル重合開始剤の
みを5.8%添加した。有機架橋微粒子は、コア/シェ
ル比が70/30質量%のラテックス(平均粒子径:1
10nm)をスプレードライ法により乾燥し、そのまま
用いた(コア:ブチルアクリレート/エチレングリコー
ルジメタクリレート(90/10質量比)の共重合体、
シェル:メチルメタクリレート/アクリル酸/エチレン
グリコールジメタクリレート(90/3/7質量比)の
共重合体) DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物
(日本化薬(株)製) DPPA:ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペン
タアクリレート UV−6300:ウレタンアクリレート(日本合成化学
工業(株)製) DTPTA:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレ
ート(Aldrich製) PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート(A
ldrich製) PETTA:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
(Aldrich製) ECMECC:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:
(Aldrich製) CHDMDV:1,4−シクロヘキサンジメタノールジ
ビニルエーテル(Aldrich製) GT−401:4官能エポキシ化合物(ダイセル化学工
業(株)製) TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
(Aldrich製) BADGE:ビスフェノールAジグリシジルエーテル TMPTGE:トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル M−5300:ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモ
ノアクリレート(東亞合成(株)製) KBM−5103:γ−アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン(信越化学工業(株)製) DMAAm:N,N−ジメチルアクリルアミド MOMAAm:N−メトキシメチルアクリルアミド NVP:N−ビニルピロリドン
【0117】
【表5】
【0118】
【表6】
【0119】<ハードコートフィルム試料(試料101
〜133)の作製>透明基材として188μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルムにグロー放電処理した
後、上記で作成した硬化性組成物を表5記載の膜厚にな
るようにスロットコーターで塗布、120℃で2分乾燥
し、700mJ/cmの紫外線照射後、120℃、1
0分加熱することによって、ハードコートフィルムを作
製した。なお、試料104、105、125、133は
下層を塗布、硬化したあとに上層を塗布、硬化し、以下
の評価は上層塗設後に行った。
【0120】<ハードコートガラス試料(試料134〜
136)の作製>透明基材として厚さ2mmのガラスに
シランカップリング剤(メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン)で表面処理を施した後、上記で作
成した硬化性組成物を表5記載の膜厚になるようにワイ
ヤーバーで塗布、120℃で2分乾燥し、700mJ/
cmの紫外線照射後、120℃、10分加熱すること
によって、ハードコートガラスを作製した。
【0121】試料の評価法は以下に示す方法で行った。 (鉛筆硬度の評価法)作製したハードコートフィルム試
料およびハードコートガラス試料を温度25℃、相対湿
度60%の条件で2時間放置した後、JIS S600
6が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400
が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、1kgのおもりを
用いて各硬度の鉛筆で引っ掻きを5回繰り返し、傷が全
く認められなかった回数を表した。なお、JIS K5
400で定義される傷は(1)塗膜の破れ、(2)塗膜のすり
傷であり、(3)塗膜のへこみは対象としないと記載され
ているが、ここでは、(3)塗膜のへこみも含めて傷と判
断している。
【0122】(膜剥がれの評価法)ハードコートフィル
ム試料およびハードコートガラス試料のハードコート層
表面にカッターによって1mm×1mmのクロスハッチ
(升目)を100個入れ、温度25℃、相対湿度60%
の条件で2時間放置した後、その上に粘着テープ(ニチ
バン社製)を貼り付け、該粘着テープを剥がしたときに
硬化被膜がフィルム基材から剥がれた升目の数を計測す
ることで評価した。
【0123】(カールの評価法)ハードコートフィルム
試料を35mm×140mmに切断し、温度25℃、相
対湿度60%の条件でハードコート層側を上にして水平
面に2時間放置した後、水平面からの4角の浮いた高さ
の平均値を測定することで評価した。
【0124】(ひび割れの評価法)ハードコートフィル
ム試料を35mm×140mmに切断し、温度25℃、
相対湿度60%の条件で2時間放置した後、筒状に丸め
たときのひび割れが発生し始める曲率直径を測定し、表
面のひび割れを評価した。また、エッジ部のひび割れを
目視で評価し、全くひび割れのないものを○、わずかで
もひび割れのあるものを×とした。
【0125】(高屈折率層塗布液の調製)二酸化チタン
微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)30.0
質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニクスM−5
300東亞合成(株)製)4.5質量部およびシクロヘ
キサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルに
より分散し、質量平均径55nmの二酸化チタン分散液
を調製した。前記二酸化チタン分散物にジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬
(株)製)と、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア1
84、チバガイギー社製、モノマーの合計量(ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマ
ーおよびカチオン性モノマーの合計量に対し5%)とを
混合し、高屈折率層の屈折率が1.87になるように調
整した。
【0126】(低屈折率層塗布液の調製)二酸化ケイ素
微粒子(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)
30.0質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニク
スM−5300東亞合成(株)製)4.5質量部および
シクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダ
ーミルにより分散調整した、質量平均径12nmの二酸
化ケイ素微粒子分散液を調整した。前記二酸化ケイ素分
散物にペンタエリスリトールテトラアクリレート(PE
TA、日本化薬(株)製)60質量部、光ラジカル重合
開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)2質
量部、メガファック531A(C17SON(C
)CHCHOCOCH=CH、大日本インキ
化学工業(株)製)9質量部、およびメチルエチルケト
ンを混合、攪拌して、低屈折率層の塗布液を調製した。
なお、二酸化ケイ素微粒子分散物は低屈折率層の屈折率
が1.51となるように添加量を調整した。
【0127】(反射防止層付ハードコートフィルム、ハ
ードコートガラス試料の作製)上記で作製したハードコ
ートフィルム試料101〜133およびハードコートガ
ラス試料134〜136上に上記で調製した高屈折率層
塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で1分
乾燥後、350mJ/cmの紫外線を照射して塗布層
を硬化させ、厚さ75nmの高屈折率層を形成した。こ
の各高屈折率層の上に上記で作製した低屈折率層塗布液
をバーコーターを用いて塗布し、120℃で1分乾燥
後、350mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬
化させ、厚さ90nmの低屈折率層を形成した。なお、
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて450〜65
0nmの波長領域における入射光5°における正反射の
平均反射率を測定したところ全ての反射防止層付試料で
1.0〜1.3%であり、良好な反射防止性能を示して
いた。(機能性層の接着性評価法)ハードコート層上の
機能性層として高屈折率層、低屈折率層の2層からなる
反射防止層をハードコートフィルム試料101〜133
およびハードコートガラス試料134〜136上に上記
の方法で塗設し、温度25℃、相対湿度60%の条件で
2時間放置した後、スチールウール(#0000)に2
00gのおもりをのせて、繰り返し擦り、目視で確認で
きる傷がつき始める回数を表6中−スチールウールの欄
に記載した。また、50回まで繰り返し擦り、傷の発生
しないものは傷なしと記載した。
【0128】表5及び表6より、基材としてガラスを用
いた比較試料134は鉛筆硬度に優れたサンプルとなる
が、基材からの膜剥がれが不十分である。それに対し、
本発明の試料135、136は鉛筆硬度に優れ、膜剥が
れも見られない。さらに基材としてプラスチックフィル
ムを用いた比較試料101〜103は、膜厚を厚くする
ことで鉛筆硬度に優れたサンプルとなるが、膜剥がれ、
カール、ひび割れが不十分であり、比較試料104、1
05は、膜剥がれ、カールの改良は見られるが、ひび割
れが十分に改良できていない。また、比較試料106〜
109は、膜厚を厚くすることである程度の鉛筆硬度を
発現できるが、カール、表面のひび割れが悪化してしま
うことが分かる。これに対して本発明の試料110〜1
33は、大幅な鉛筆硬度の向上に加えて、膜剥がれ、カ
ールがほとんどなく、ひび割れも大幅に改良されること
がわかる。また、比較試料101〜109および134
はハードコート層上に反射防止層を塗設した場合、スチ
ールウールで擦った際の傷がつき易く、光学顕微鏡で傷
跡を観察すると全てのサンプルでハードコート層界面で
高屈折率層が剥離しており接着性が不十分であるといえ
る。一方、本発明の試料110〜133および135〜
136はハードコート層上に反射防止層を塗設し、スチ
ールウールで擦った際の傷がつきにくく、ハードコート
層と上層との接着性も良好であるといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 59/34 C08G 59/34 // C08L 33:14 C08L 33:14 Fターム(参考) 4F006 AA02 AA12 AA15 AA17 AA19 AA35 AA36 AA39 AA40 AB34 BA02 DA04 EA03 4F100 AA20 AA21 AK01B AK25A AK42 AK53 AL01A AR00C AT00B BA02 BA03 BA04 BA07 BA10B BA10C CC00A DE01 EH46 EH46A EJ05A EJ08A EJ54 GB41 JA03 JK12 JK12A JK14 JL11 JN06C 4J027 AA02 BA04 BA05 BA07 BA08 BA14 CA03 CD08 4J036 AK08 AK09 AK11 HA01 JA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される繰り返し単
    位を含む架橋性ポリマー、および同一分子内に2個以上
    のエチレン性不飽和基を含む化合物、の両方を含有し、
    開環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させる
    ことにより硬化する硬化性組成物であって、下記A)ま
    たはB)いずれかの条件を満たす硬化性組成物を基材上
    に塗布した後硬化させて得られるハードコート処理物
    品。 A)該架橋性ポリマーが開環重合性基でもなく、エチレ
    ン性不飽和基でもない反応性基を有する。 B)同一分子内に開環重合性基でもなく、エチレン性不
    飽和基でもない反応性基、および開環重合性基またはエ
    チレン性不飽和基のいずれか、を含有する化合物を含
    む。 一般式(1) 【化1】 式中R は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下
    のアルキル基を表す。P は開環重合性基を含む一価
    の基であり、L は単結合もしくは二価の連結基であ
    る。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表される繰り返し単
    位を含む架橋性ポリマー、および同一分子内に2個以上
    の開環重合性基を含む化合物、の両方を含有し、開環重
    合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させることに
    より硬化する硬化性組成物であって、下記A)又はB)
    いずれかの条件を満たす硬化性組成物を基材上に塗布し
    た後硬化させて得られるハードコート処理物品。 A)該架橋性ポリマーが開環重合性基でもなく、エチレ
    ン性不飽和基でもない反応性基を有する。 B)同一分子内に開環重合性基でもなくエチレン性不飽
    和基でもない反応性基、および、開環重合性基またはエ
    チレン性不飽和基のいずれか、を含有する化合物を含
    む。 一般式(2) 【化2】 式中R は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下
    のアルキル基を表す。P はエチレン性不飽和基を含
    む一価の基であり、L は単結合もしくは二価の連結
    基である。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のハードコート処
    理物品上に反射防止構造を積層した反射防止ハードコー
    ト処理物品。
  4. 【請求項4】 基材がプラスチックフィルムである請求
    項1〜3いずれか1つに記載のハードコート処理物品。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
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