JP2003313285A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリカーボネートの製造方法Info
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Abstract
範囲が広く融着しやすい結晶性芳香族ポリカーボネート
を、溶媒を用いることなく、融着を起こしにくい状態で
かつ従来より速い固相重合速度で重合度を増加させる方
法を提供すること。 【解決手段】 特定の繰り返し単位を有する固有粘度
0.05〜0.38の結晶性芳香族ポリカーボネートの
圧縮造粒物を110℃〜圧縮造粒物の融点未満の温度範
囲に加熱した不活性気体で流動させて結晶化と固相重合
を同時に実施する。
Description
ートの固相重合方法に関する。より詳細には固相重合中
に結晶性芳香族ポリカーボネートの粒子同士が融着しに
くく、溶媒を使用せずに、かつ固相重合速度が速い芳香
族ポリカーボネートの製造方法に関する。
特色とするポリマーであるが、1)加熱結晶化法、2)
溶媒結晶化法、3)溶融状態の芳香族ポリカーボネート
に剪断を付与する結晶化方法等によって結晶性芳香族ポ
リカーボネートを製造することが可能である。特公平7
−094546号公報では加熱結晶化法として芳香族ポ
リカーボネートをそのガラス転移温度(Tg)以上でか
つ流動し始める温度未満の温度で加熱保持する方法が開
示されている。加熱結晶化法は、このように単にある温
度以上で芳香族ポリカーボネートを保持するだけである
が、この方法を造粒した若しくは分級した芳香族ポリカ
ーボネートの粒状体に適用した場合、処理中に芳香族ポ
リカーボネートの粒状体の融着が起こり好ましくない。
溶媒結晶化法としては同じく特公平7−094546号
公報にて、芳香族ポリカーボネートを溶媒に溶解させた
後析出させ結晶化させる方法、または芳香族ポリカーボ
ネートのオリゴマーに対する溶解力の小さな溶媒、例え
ばアセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等に浸漬
する方法が示されている。この方法では短時間での結晶
化が可能であるものの、芳香族ポリカーボネートの固有
粘度が高くなると結晶化の進行が困難となり、その後の
熱処理や固相重合で非晶部分が溶解し融着してしまう危
険性が大きい。また粒径が0.1mm未満の微粉末が発
生しやすい。
剪断を付与する結晶化方法としては米国特許第5,86
4,006号に、芳香族ポリカーボネートをガラス転移
温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度範囲で加熱保
持し剪断力をかけて配向させ、結晶化する方法が示され
ている。この方法では比較的結晶化度が高い結晶性芳香
族ポリカーボネートを製造することが可能であるが、D
SCにおける結晶融点が幅広く低温度域にわたっている
ため、その後の固相重合工程中に融着してしまう危険性
が残る。
ーボネートの粉粒体をその融点〜融点+20℃に加熱し
た不活性気体、あるいは膨潤性気体で流動させて固相重
合する方法が登録3165949号に教示されている。
この方法によって重合性良く高重合度の芳香族ポリカー
ボネートが得られるが、粉粒体の表面は一部とはいえ融
解しているので、まだ融着の問題が存在している。また
実施例においては溶媒を使用しているため、その溶媒を
回収・精製する必要があり付帯設備の大型化を招き、製
造される芳香族ポリカーボネートのコストアップにつな
がる。また溶媒が系外に漏れた場合の環境汚染の懸念も
ある。そのため融着を起こさずに、また溶媒を使用する
ことなく重合速度の速い固相重合方法に対する強い要望
があった。
ような従来法の問題を解消し、加熱窒素で芳香族ポリカ
ーボネートを流動させて粉体圧を無くしポリマー同士の
接触を極力軽減させ、処理中に融着させることなく結晶
化度を高めることと、圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカ
ーボネートを使用することで融点以下の温度でも短時間
で高重合度化が可能な固相重合方法を提供することであ
る。
返し単位が下記式(1)
R4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基
または炭素数7〜20のアラルキル基であり、Wは炭素
数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリ
デン基、炭素数3〜15のシクロアルキレン基、炭素数
3〜15のシクロアルキリデン基、酸素原子、硫黄原
子、スルホキシド基又はスルホン基である。]で表わさ
れる固有粘度[η]が0.05〜0.38の結晶性芳香族
ポリカーボネートを圧縮造粒した後、110℃〜圧縮造
粒した結晶性芳香族ポリカーボネートの融点未満の温度
範囲に加熱した不活性気体で流動させて結晶化と固相重
合を同時に実施する芳香族ポリカーボネートの製造方法
についてである。
族ポリカーボネートは主たる繰り返し単位が下記式
(1)
R4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基
または炭素数7〜20のアラルキル基であり、Wは炭素
数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリ
デン基、炭素数3〜15のシクロアルキリデン基、炭素
数3〜15のシクロアルキレン基、酸素原子、硫黄原
子、スルホキシド基又はスルホン基である。]で表わさ
れる。上記式(1)中、R1,R2,R3,R4は具体的に
は水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロ
ゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;フェ
ニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;
ベンジル基等の炭素数7〜20のアラルキル基等が挙げ
られる。Wは具体的にはメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜20のアルキレン
基;エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基等の
炭素数2〜20のアルキリデン基;1,3−シクロペン
チレン基、1,4−シクロヘキシレン基等の炭素数3〜
15のシクロアルキレン基;シクロペンチリデン基、シ
クロヘキシリデン基等の炭素数3〜15のシクロアルキ
リデン基;エーテル基、スルホキシド基、スルフィド
基、スルホン基などが挙げられる。
香族ポリカーボネートであることである。また本発明に
おいては主たる繰り返し単位が上記式(1)または
(2)で表されることが好ましいが、本発明の効果に影
響がない範囲内(例えば30モル%以下)で他の繰り返
し単位からなる芳香族ポリカーボネートを共重合しても
よい。
は、好ましくは芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルを、より好ましくはさらにエステル交換触媒の存在
下、加熱溶融反応させる溶融重合法により製造される。
シ化合物としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略
す。)、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン等およびその芳香環に例えばアルキル基、
アリール基等が置換されたものが好ましくあげられる。
これらは単独で用いても2種以上併用しても良い。なか
でもビスフェノールAを用いることがより好ましい。
がない範囲内(例えば30モル%以下)で他の繰り返し
単位からなる芳香族ポリカーボネートを共重合すること
ができる。その具体的化合物としてはヒドロキノン、レ
ゾルシン、4、4’−ジヒドロキシビフェニル、4、
4’−ジヒドロキシビフェニルケトン、α、α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベン
ゼン等が挙げられる。
フェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス
(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、
ジブチルカーボネート等が挙げられる。なかでもジフェ
ニルカーボネートを用いることがより好ましい。
ものであれば特に限定はないが、例えばアルカリ金属化
合物、アルカリ土類金属化合物、チタン系化合物、錫系
化合物、およびゲルマニウム系化合物等の金属含有化合
物、ならびに含窒素塩基性化合物、含燐塩基性化合物か
らなる群から少なくとも1種選ばれる化合物を用いるこ
とが好ましい。このような原料を用いて溶融重合法とし
て公知な製造方法にて非晶性芳香族ポリカーボネートを
製造することができる。
トの結晶化を行うが、既に公知の加熱結晶化法、溶媒結
晶化法、溶融状態下で剪断を付与する方法などが挙げら
れ、特に限定はない。しかし溶媒結晶化法の際は粒子径
が0.1mm未満の微粉末の発生を極力少なくなるよう
に、溶媒の種類等の条件について慎重な選択を行うこと
が好ましい。この様にして非晶性芳香族ポリカーボネー
トの結晶化し、結晶性芳香族ポリカーボネートを製造す
ることができる。粒子径0.1mm未満の微粉末が多量
に発生すると、工程上のトラブルが発生しやすくなる。
すなわち具体的には、閉塞、磨耗、偏析、付着・凝集、
粉塵飛散、フラッシングなどである。また特に微粉末が
重合槽内で舞うと、微粉末の滞留時間が長くなり得られ
る芳香族ポリカーボネートの色相や組成に影響を与え、
その機械物性の品質にも悪影響を及ぼすことがある。さ
らに微粉末量が多いと、固相重合中に圧縮粒状物同士の
融着、固相重合用反応槽への圧縮粒状物の融着があり好
ましくないことがある。
5〜0.38の結晶性芳香族ポリカーボネートを使用す
る。固有粘度の好ましい範囲は0.1〜0.25であ
る。なお、本発明で言う固有粘度[η]は、ジクロロメ
タン溶液にて温度20℃でウベローデ型粘度計を用いて
測定した粘度から算出される値である。固有粘度[η]
が0.38を越えると結晶化速度が限りなく0に近付
き、結晶性芳香族ポリカーボネートを製造するのが困難
になる。逆に[η]が0.05を下回る場合はガラス転移
温度(Tg)が極端に低くなり加熱するとすぐに流動を
開始し、融着を起こしてしまうので好ましくない。
結晶化度が比較的低いものから結晶化度の高いものまで
を指し、特に厳密な結晶化度の限定はないが、結晶化度
が5%以上20%未満のものが好ましく使用される。結
晶化度が5%未満の場合は結晶性芳香族ポリカーボネー
トがガラス転移温度以上の温度下ではたちまち融着して
しまうことが多い。逆に結晶化度が20%以上の場合は
融着の危険性は小さいが、固相重合時の初期の重合速度
が低下するといった問題が生じ好ましくないことがあ
る。
香族ポリカーボネートを圧縮造粒する。ここで言う圧縮
造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートとは結晶性芳香
族ポリカーボネートに圧力を印加して強制的に球状、板
状、あるいは破砕形状等に成形したものを指す。圧縮造
粒する原料となる結晶性芳香族ポリカーボネートは圧縮
造粒の工程の前に粉砕しておくことが圧縮造粒する際の
圧縮ムラを軽減させるという点で好ましい。圧縮造粒を
行う方法としては所望の物性を維持し、かつその後にお
こなう固相重合工程において破壊されないような方法で
あれば特に制限はない。具体的には、一般的な造粒工程
で用いられている方法が好ましく挙げられ、押出し造粒
法、圧縮造粒法などがより好ましく挙げられる。押出し
造粒法としてスクリュー方式、ロール型円筒ダイス方
式、ロール型円盤ダイス方式などが例示される。また圧
縮造粒法として圧縮ロール方式、ブリケッティング方
式、打錠方式等が挙げられる。より具体的には錠剤成形
機、圧縮ロール機、油圧プレス機、ローラーコンパクタ
ー、ブリケッティングマシン、ペレタイザーおよび打錠
機からなる群から選ばれる少なくとも一種類が使用され
る機器を用いて圧縮造粒するのが好ましい。
Pa〜700MPaが好ましい。1MPaより小さいと
圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートを輸送、供
給・排出時に多量に微粉末を伴い好ましくないことがあ
る。逆に700MPaより大きいと圧縮造粒に用いる機
器と結晶性芳香族ポリカーボネートの摩擦熱によって結
晶性芳香族ポリカーボネートが溶融しやすく、成形不良
を引き起こしやすいことがある。好ましくは10MPa
〜500MPaである。さらに好ましくは50MPa〜
300MPaである。
香族ポリカーボネートは、その粒子径が0.5mm以上
5mm未満であることが好ましく、1mm以上〜3mm
以下であることがより好ましい。粒子径が0.5mmを
下回る場合、加熱窒素による同伴の問題が生じるため好
ましくないことがある。ここで同伴とは圧縮造粒した芳
香族ポリカーボネートが加熱窒素とともに反応器外に流
れ出てしまう現象を指し、重合工程におけるロスとな
る。また粒子径が5mm以上では流動に必要な不活性気
体の最小限の線速度が大きくなること、結晶化度のむら
が生じること、固相重合速度が極端に低下する等の現象
が現れることがあり好ましくない。
芳香族ポリカーボネートにおいては芳香族ヒドロキシ末
端基量(a)とアリールカーボネート末端基量(b)の
合計に対するヒドロキシ末端基量(a)の比率a/(a
+b)が0.2〜0.7であることが好ましい。より好
ましくは0.3〜0.6である。該比率がこの範囲を下
回ると固相重合の際に炭酸ジエステルまたは低分子量の
芳香族ポリカーボネートの脱離反応が圧倒的に多くな
り、その結果固相重合速度が遅くなる問題が起こること
があり好ましくない。該比率がこの範囲を超えると、最
終的に得られる芳香族ポリカーボネートの全末端基中の
芳香族ヒドロキシ末端基が多くなり、溶融時に着色しや
すい若しくは加水分解により分子量が低下しやすいなど
の問題が生じることがあり好ましくない。
せるための気体としては不活性気体が選択されることが
好ましい。かかる不活性気体としては窒素、二酸化炭
素、ならびにヘリウムおよびアルゴン等の希ガスからな
る群から選ばれる少なくとも一種類の気体が使用される
が、これらの中で特に窒素が好ましい。ここで例えば流
動させるための気体として空気や酸素を使用した場合、
芳香族ポリカーボネートが酸化され着色が著しくなるこ
とがあり好ましくない。不活性気体の加熱する温度とし
ては110℃〜圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネ
ートの融点未満である必要があり、この温度範囲に加熱
した不活性気体で流動させることにより圧縮造粒した結
晶性芳香族ポリカーボネートはさらに結晶化度を上昇さ
せかつ固相重合も同時に進行し重合度を高めていく。さ
らに好ましくは上記温度範囲の中で低温度域は結晶化が
進行しやすいので、結晶化度が5%〜20%未満の結晶
性芳香族ポリカーボネートを用いて、圧縮造粒した結晶
性芳香族ポリカーボネートの結晶化度を20%以上にす
る。こうして結晶化度が20%以上になると融着が非常
に起こりにくくなる。そのため、その後170℃〜25
0℃未満の温度範囲に加熱した不活性気体で流動させて
固相重合をスムーズに行うことができる。非晶性芳香族
ポリカーボネートから結晶性芳香族ポリカーボネートを
製造する際に行う結晶化の方法について述べたが、かか
る結晶化方法では融着が発生しにくい結晶化度20%以
上、かつ微粉末が発生しにくい等のプロセス上の問題が
起こりにくい結晶性芳香族ポリカーボネートを得ること
が困難である。
℃以上170℃未満、固相重合を主に行うに際しては1
70℃以上250℃未満で行うのが好ましく、その範囲
以下の温度では結晶化あるいは高重合度化が進行しない
問題が発生しやすく、それ以上の温度では融着が生じや
すいために好ましくない。固相重合温度は登録3165
949号公報に記述があるように、結晶性芳香族ポリカ
ーボネートの融点以下の条件で通常の手法にて固相重合
を実施すると重合度の上昇が緩やかになってしまうが、
本発明のように圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネ
ートを用いて重合することによって重合速度が飛躍的に
増大する。
香族ポリカーボネートを不活性気体で流動させるが、こ
こでいう流動とはある瞬間不活性気体から受ける浮力が
圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートに働く重力
を上回り、沈降と浮上を連続的に繰り返し、絶えず動い
ている状態のことを指す。
族ポリカーボネートの圧縮造粒物の形状によっても異な
るが、該圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートが
最低限流動し、かつ不活性気体に同伴・排出されない範
囲が選択される。そのような範囲として0.1m/s〜
10m/s未満が好ましく、2m/s〜5m/s未満が
さらに好ましく選択される。線速度が0.1m/s未満
の場合、不活性気体が流通しない、または不活性気体は
流通するものの圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネ
ートの流動性が失われたチャネリングと呼ばれる状態に
陥ってしまい好ましくない。逆に線速度が10m/s以
上になると不活性気体への同伴が生じることや、該圧縮
造粒した結晶性芳香族ポリカーボネート同士の衝突、あ
るいは該圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートと
装置内壁との衝突により微粉末化が起こり好ましくな
い。
別に実施することが可能であると共に結晶化と固相重合
を連続プロセスとして実施することが可能である。
以下の方法を好ましく例示できる。 (I)1軸または2軸の押し出し機中、溶融状態下で剪
断を付与して結晶化した結晶性芳香族ポリカーボネート
をローラーコンパクターを用いて圧縮造粒する。さらに
この圧縮造粒したものを流動槽型乾燥機中に充填し、加
熱窒素でかかる流動槽型乾燥機中で流動化して結晶化度
と重合度を増加させる。 (II)加熱結晶化法で結晶化した結晶性芳香族ポリカー
ボネートをブリケッティングマシーンを用いて圧縮造粒
する。さらに圧縮造粒したものを流動槽型乾燥機中に充
填し、加熱窒素でかかる流動槽型乾燥機中で流動化して
結晶化度と重合度を増加させる。
やすかった結晶化度が5%程度の結晶性芳香族ポリカー
ボネート、若しくはDSCにおける結晶融点(Tm)が
幅広く低温度域にわたっている結晶性芳香族ポリカーボ
ネートを、溶媒を用いることなく、融着を起こしにくい
状態でかつ従来より速い固相重合速度で重合度を増加さ
せることができる。
発明は、これらの実施例に限定されるものではない。 1)芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η] ジクロロメタン溶液中、20℃でウベローデ粘度管にて
測定した。 2)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)、結晶化度 デュポンインスツルメント 910DSCにより、昇温
速度20℃/分で測定してガラス転移温度(Tg)、融
点(Tm)を求めた。また結晶化度は結晶融解のエンタ
ルピー(ΔHm)を用いて計算により求めた。即ち結晶
融解に対応するDSC曲線のピーク部分の面積よりΔHm
を算出した。得られたΔHmと、結晶化度100%の芳
香族ポリカーボネートの結晶融解エンタルピーの値、す
なわちジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス;パー
トB:ポリマー・フィジクス(J.Polym.Sc
i.、:B:Polym.Phys.)1979年第2
5巻1511〜1517ページ記載の109.8J/g
(ビスフェノールAに由来する繰り返し単位のみからな
る芳香族ポリカーボネートについての値)から(ΔHm
/109.8J/g)×100%として計算した。 3)線速度 流量計にて不活性気体の流量を測定し、固相重合槽の断
面積で除して線速度を算出した。
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部、
ジフェニルカーボネート223重量部及びテトラメチル
アンモニウムヒドロキシド0.009重量部及びビスフ
ェノールAジナトリウム塩0.00014重量部を攪拌
装置、減圧装置及び蒸留塔等を備えた反応装置に仕込
み、180℃窒素雰囲気下で30分攪拌し溶解した。次
いで、昇温と同時に徐々に減圧下とし、発生するフェノ
ールを留去しながら反応させ、最終的に220℃、30
mmHgとした。この時点で、得られた芳香族ポリカー
ボネートの固有粘度[η]は0.17、ガラス転移温度
(Tg)は114℃であった。 (非晶性芳香族ポリカーボネートの結晶化例)上で得ら
れた非晶性芳香族ポリカーボネートを粉砕しサーモプラ
スチックインダストリー社製1軸ルーダーNo.632
5のホッパーに供給し、ルーダーのフィード部を80
℃、スロート部を180℃、ダイブロックを200℃に
維持した状態でスクリュー回転数を30rpm、フィー
ド量を毎分60gの条件で押し出した。得られた結晶性
芳香族ポリカーボネートの[η]=0.15、Tg=11
4℃、Tm=222.5℃、ΔHm=11.3J/g、
結晶化度=10.3%であった。
粒と固相重合)上で得られた結晶性芳香族ポリカーボネ
ートを粒径0.5mm未満に粉砕したものをフロイント
産業株式会社製ローラーコンパクターTF−MINI
(圧縮ロール径100mm×幅35mm)のホッパーに
供給し、圧縮線圧2t/cm、10Kg/時で押し出して
板状の圧縮造粒物とした。これを2〜3mmに粉砕・分
級し、その粒子径を2〜3mmに揃え、40gを内径6
0mm、高さ200mmの円柱型ガラス製流動加熱機に
充填させた。これに150℃の加熱窒素を線速度1.4
m/sで流通させて流動状態を形成し1時間結晶化を実
施したところ固有粘度[η]0.17、融点224.7
℃、ΔHm=28.3J/g、結晶化度25.8%の結
晶性芳香族ポリカーボネートを得た。結晶化処理後、圧
縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートに融着は全く
見られず極めて良好な流動性を有していた。次いで圧縮
造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートをガラス製流動
加熱機に入れたまま220℃の加熱窒素を線速度1.4
m/sで流通させて流動状態を形成し固相重合を6時間
実施したところ固有粘度[η]0.50、粘度平均分子
量Mv=22000の芳香族ポリカーボネートを得た。
固相重合後、融着は全く見られず極めて良好な流動性を
有していた。
m/sに変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。
圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートははじめは
浮遊、流動化したものの開始後10分でチャネリングを
起こし、以後重合槽中で固定層のままであり、流動して
いなかった。更に結晶化処理後に芳香族ポリカーボネー
トチップ同士が軽度の融着を起こしていることが確認さ
れた。なおチャネリングとは不活性気体は流通している
ものの、圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートが
流動していない現象を表している。
香族ポリカーボネートを2〜3.35mmに粉砕、分級
したものを、圧縮造粒しないでガラス製流動乾燥機に入
れたまま220℃の加熱窒素を線速度1.4m/sで流
通させて流動状態を形成し固相重合を6時間実施したと
ころ固有粘度[η]=0.28、粘度平均分子量Mv=
11000にしか到達しなかった。
Claims (6)
- 【請求項1】 主たる繰り返し単位が下記式(1) 【化1】 [上記式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞ
れ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7
〜20のアラルキル基であり、Wは炭素数1〜20のア
ルキレン基、炭素数2〜20のアルキリデン基、炭素数
3〜15のシクロアルキレン基、炭素数3〜15のシク
ロアルキリデン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド
基又はスルホン基である。]で表わされる固有粘度[η]
が0.05〜0.38の結晶性芳香族ポリカーボネート
を圧縮造粒した後、110℃〜圧縮造粒した結晶性芳香
族ポリカーボネートの融点未満の温度範囲に加熱した不
活性気体で流動させて結晶化と固相重合を同時に実施す
る芳香族ポリカーボネートの製造方法。 - 【請求項2】 該結晶性芳香族ポリカーボネートが主に
下記式(2) 【化2】 で表される繰り返し単位からなる請求項1に記載の製造
方法。 - 【請求項3】 該結晶性芳香族ポリカーボネートとして
結晶化度が5%〜20%未満のものを用いて、110℃
〜170℃未満の温度範囲に加熱した不活性気体で流動
させ該圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボネートの結
晶化度20%以上にした後、170℃〜250℃未満の
温度範囲に加熱した不活性気体で流動させて固相重合を
実施する請求項1または2に記載の製造方法。 - 【請求項4】 該圧縮造粒した結晶性芳香族ポリカーボ
ネートの粒子径が0.5〜5mm未満である請求項1〜
3のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項5】 該加熱した不活性気体の線速度が0.1
m/s〜10m/s未満である請求項1〜4のいずれか
1項に記載の製造方法。 - 【請求項6】 該不活性気体が窒素であることを特徴と
する請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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