JP2003312978A - 板材用吊り具 - Google Patents

板材用吊り具

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JP2003312978A
JP2003312978A JP2002123362A JP2002123362A JP2003312978A JP 2003312978 A JP2003312978 A JP 2003312978A JP 2002123362 A JP2002123362 A JP 2002123362A JP 2002123362 A JP2002123362 A JP 2002123362A JP 2003312978 A JP2003312978 A JP 2003312978A
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locking member
hooking hole
plate
hole
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JP2002123362A
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English (en)
Inventor
Yasuo Wada
保雄 和田
Takaaki Shibamoto
高明 芝本
Shuji Ota
修二 太田
Hajime Doi
元 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Elephant Chain Block Co Ltd
Original Assignee
Elephant Chain Block Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成によって、部品点数が少なく、軽
量で、板材の引掛孔の周辺部に対して一方向から確実に
係止しまたは係止解除することのできる板材用吊り具を
提供すること。 【解決手段】 保持部材6によって揺動可能に保持さ
れ、常には、実質的に水平方向に延びるバランス状態を
保持し、覆工板2の引掛孔4の周辺部33に係止される
係止部材5と、係止部材5の保持部材6に対するバラン
ス状態を崩して、係止部材5を上下方向に揺動させるた
めの強制揺動部材17とから覆工板用吊り具1を構成
し、係止部材5を、強制揺動部材17の操作紐18を上
方に引き上げることによってバランス状態が崩された状
態において、引掛孔4に挿通可能とし、かつ、バランス
状態において、引掛孔4の周辺部33に係止可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板材用吊り具に関
し、詳しくは、土木工事などにおける路面に敷設される
覆工板などの板材を吊り上げるための板材用吊り具に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、地下工事などの土木工事にお
いては、覆工板を路面に敷設することがよく知られてい
る。このような覆工板は、滑り止めなどの加工がなされ
ている略矩形状の鋼製板からなる頂板を備える箱形板状
の構造物であって、吊り上げて運搬できるように、通
常、頂板の四隅に円形の引掛孔が形成されている。
【0003】そして、土木工事などにおいては、このよ
うな覆工板の四隅の引掛孔にそれぞれ吊り具を引っ掛け
て、この吊り具にフックを係止させてワイヤーロープな
どを介してクレーンに連結することにより、このクレー
ンによって覆工板を吊り上げて、適宜、所定の配置に敷
設するようにしている。
【0004】このような覆工板の吊り具としては、従来
から、略J字状のフックが用いられているが、吊り上げ
時にバランスを崩すと、覆工板の引掛孔からフックの先
端部が容易に外れてしまうおそれがある。そのため、引
掛孔からの抜け外れを防止するためのロック機構などを
設ける必要があるが、覆工板の引掛孔は、頂板に形成さ
れていることから、引掛孔に引っ掛けたフックを、頂板
の裏面から操作して、ロックしまたはロック解除するこ
とが困難である。
【0005】そこで、たとえば、特開平7−69575
号公報では、覆工板の頂板と略平行な鉤状の先端部を備
えるフック部と、フック部のフック本体部の背面に設け
られ、常時スプリングによって下方に付勢される回動可
能なロック機構とを備える覆工板の吊り上げ専用フック
が提案されている。
【0006】この専用フックでは、鉤状の先端部を引掛
孔からその周辺部の頂板に引っ掛ければ、ロック機構が
スプリングの付勢力によって下方に回動され、引掛孔に
挿入されるので、引掛孔において先端部が抜ける空間が
塞がれることにより、引掛孔に対して専用フックを一方
向からロックすることができる。また、ばねの付勢力に
抗してロック機構を上方に回動させれば、ロック機構が
引掛孔から引き抜かれるので、引掛孔において先端部が
抜ける空間が形成されることにより、引掛孔に対する専
用フックのロックが解除され、専用フックを一方向から
取り外すことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、特開平7−
69575号公報に記載される専用フックでは、一方向
から専用フックをロックしまたはロック解除することが
できるが、フック本体部に、ロック機構を回転自在に支
持させるとともに、スプリングによって付勢させるた
め、部品点数が増加し、また、構成が複雑となる。
【0008】また、作業中において、スプリングが損傷
などによって外れてしまうと、ロック機構が作動せず、
専用フックが引掛孔からの抜け外れてしまうおそれがあ
る。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、簡易な構成によ
って、部品点数が少なく、軽量で、板材の引掛孔の周辺
部に対して一方向から確実に係止しまたは係止解除する
ことのできる板材用吊り具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、板材の引掛孔の周辺部に
係止される係止部材と、前記引掛孔に挿通可能とされ、
前記係止部材を揺動可能に保持するための保持部材とを
備え、前記係止部材は、常には、実質的に水平方向に延
び前記引掛孔の前記周辺部と当接可能なバランス状態を
保持するように、前記保持部材と連結されており、前記
引掛孔に挿通可能とされ、前記係止部材の前記保持部材
に対する前記バランス状態を崩して、前記係止部材を上
下方向に揺動させるための強制揺動部材を備え、前記係
止部材は、前記バランス状態が崩された状態において、
前記引掛孔に挿通可能とされ、かつ、前記バランス状態
において、前記引掛孔の周辺部に係止可能とされている
ことを特徴としている。
【0011】このような構成によると、係止部材を板材
の引掛孔の周辺部に係止させる場合には、たとえば、係
止部材の保持部材に対するバランス状態を崩して、係止
部材、保持部材および強制揺動部材を、一方向から板材
の引掛孔に挿通する。そうすると、挿入後において、係
止部材は、バランス状態に戻ろうとして揺動し、実質的
に水平方向に延び引掛孔の周辺部と当接可能なバランス
状態を保持する。そして、そのバランス状態で係止部材
を引掛孔の周辺部に当接させれば、係止部材を引掛孔の
周辺部に係止させることができる。
【0012】また、係止部材を引掛孔から引き抜く場合
には、たとえば、係止部材を引掛孔の周辺部から離間さ
せ、強制揺動部材の操作によって、係止部材を上下方向
に揺動させる。そうすると、係止部材の保持部材に対す
るバランス状態が崩れるので、その状態で、係止部材、
保持部材および強制揺動部材を、板材の引掛孔から一方
向に引き抜けば、係止部材を引掛孔から引き抜くことが
できる。
【0013】つまり、この構成によると、係止部材を、
バランスを崩した状態で引掛孔に挿通すれば、挿入後に
おいて、係止部材が自動的に引掛孔よりも長くなるバラ
ンス状態を保持するので、係止部材を、板材の引掛孔の
周辺部に対して簡易かつ確実に、一方向から係止させる
ことができる。また、強制揺動部材によってバランスを
崩すのみで、係止部材を、引掛孔から、簡易かつ確実に
一方向に引き抜くことができる。そのため、部品点数が
少なく、軽量で、また、ロック機構などの複雑な構成お
よび操作を必要とすることなく、簡易な構成および操作
によって、板材の引掛孔の周辺部に対して係止部材を一
方向から確実に係止しまたは係止解除することができ
る。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記強制揺動部材が、その一端
側が前記係止部材に固定され、その他端側が引っ張り操
作可能な紐状部材であることを特徴としている。
【0015】このような構成によると、紐状部材を引っ
張るのみの簡易な操作により、係止部材を揺動させるこ
とができる。そのため、より一層簡易な構成および操作
により、係止部材を、板材の引掛孔の周辺部に対して、
一方向から確実に係止しまたは係止解除することができ
る。
【0016】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の発明において、前記係止部材が、前記
保持部材が連結される連結部と、前記連結部の両側から
延び、前記周辺部に当接される当接部とを備えているこ
とを特徴としている。
【0017】このような構成によると、保持部材が連結
される連結部が、その両側から延びる当接部に対して中
央に配置されるので、係止部材のバランス状態を、より
一層、安定させることができる。また、連結部の両側に
延びる当接部を、引掛孔の直径方向における周辺部に当
接させて、係止部材を、より確実に板材の引掛孔の周辺
部に係止させることができる。
【0018】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の発明において、前記連結部における上部が湾曲
形状に形成されていることを特徴としている。
【0019】このような構成によると、連結部における
上部が湾曲形状に形成されているので、当接部を板材の
引掛孔の周辺部に係止させる時に、その湾曲形状に沿っ
て連結部が引掛孔に嵌るように案内することができる。
そのため、係止部材の引掛孔の周辺部に対する係止時に
おいて、係止部材の確実な位置決めを達成することがで
き、より確実に当接部を引掛孔の周辺部に当接させて、
係止部材の引掛孔の周辺部に対する確実な係止を達成す
ることができる。
【0020】また、請求項5に記載の発明は、請求項3
または4に記載の発明において、前記強制揺動部材は、
前記連結部から延びるように固定されていることを特徴
としている。
【0021】このような構成によると、強制揺動部材が
連結部から延びるように固定されているので、たとえ
ば、当接部の引掛孔の周辺部に対する当接時において
も、紐状部材が引掛孔の周辺部に当接することを回避す
ることができる。そのため、紐状部材の確実な操作を確
保して、確実な吊り上げ作業を達成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1および図3は、本発明の板材
用吊り具の一実施形態としての覆工板用吊り具の斜視
図、図2は、その側断面図、図4ないし図9は、覆工板
用吊り具の使用状態を示す側面図、図10は、覆工板の
吊り上げ状態を示す斜視図である。なお、以下の説明に
おいて、特に言及のない限り、上下方向、左右方向は、
覆工板用吊り具1の後述する係止部材5の長手方向が水
平方向と平行となる、図2に示すバランス状態を基準と
している。
【0023】図10に示すように、この覆工板用吊り具
1は、板材としての覆工板2を吊り上げるための吊り具
として形成されている。覆工板2は、滑り止めなどの加
工がなされている略矩形状の鋼製板からなる頂板3を備
える箱形板状の構造物であって、吊り上げて運搬できる
ように、頂板3の四隅に円形の引掛孔4が形成されてお
り、地下工事などの土木工事において路面に敷設できる
ように形成されている。
【0024】図1および図2が参照されるように、この
覆工板用吊り具1は、覆工板2の引掛孔4の周辺部33
(図4参照)に係止される係止部材5と、係止部材5を
揺動可能に保持するための保持部材6とを備えている。
【0025】係止部材5は、左右方向(長手方向)に長
細く厚みのある略左右対称な平面視略矩形状をなし、そ
の上面中央に、側面視略半円弧状に左右方向にわたって
上方に突出形成される連結部7が形成されている。係止
部材5の左右方向の中央には、係止孔8が、略半円弧状
の連結部7の上面と略同心円となるように、側面視略円
形状に厚さ方向を貫通するように開口形成されている。
【0026】また、係止部材5の連結部7の両側上面に
は、覆工板2の引掛孔4の周辺部33に当接される当接
部としての当接面9が左右対称に延びるように形成され
ている。当接面9は、係止部材5の底面10と平行する
ように平坦状に形成されており、その両端部(遊端部)
に、端縁が下方に向かう傾斜状の上側傾斜面11が連続
して形成されている。
【0027】また、係止部材5の底面10の両端部に
は、端縁が上方に向かう傾斜状の下側傾斜面12が連続
して形成されている。
【0028】そして、図5が参照されるように、係止部
材5の上下方向の長さ(底面10から連結部7の上面中
央までの長さ)Xは、引掛孔4の直径Rよりも短く形成
されており、より具体的には、図4が参照されるよう
に、係止部材5を水平方向に対しておよそ70〜80°
に傾けた状態で、引掛孔4に挿通可能となるように形成
されている。
【0029】また、図5が参照されるように、各当接面
9の間に挟まれる連結部7の左右方向の長さYは、引掛
孔4の直径Rよりもやや短く形成されており、より具体
的には、引掛孔4の直径Rのおよそ80〜85%程度の
長さとなるように形成されている。また、連結部7は、
全体として引掛孔4に嵌合可能な大きさに形成されてい
る。
【0030】また、各当接面9の長さZと、連結部7の
左右方向の長さYとを加えた長さは、引掛孔4の直径R
よりも長くなるように形成されており、各当接面9の長
さZは、たとえば、図6が参照されるように、係止部材
5を吊り上げた時に、引掛孔4の周辺部33の縁部に連
結部7の一方側の側部が当接するように、引掛孔4に対
して係止部材5が一方側に偏在したとしても、係止部材
5の他方側における当接面9が引掛孔4の周辺部33の
裏面に十分に当接されるような長さに形成されている。
【0031】なお、この係止部材5には、図2が参照さ
れるように、後述する紐状部材としての操作紐18を係
止するための紐通孔19が設けられている。
【0032】この紐通孔19は、係止部材5の左右方向
における係止孔8の側方近傍において、連結部7の上面
から底面10までを上下方向に貫通するように形成され
ており、底面10には、操作紐18を係止させるための
係止凹部19aが、左右方向中央からやや偏在するよう
に設けられている。
【0033】保持部材6は、図1が参照されるように、
2つのアイ部材13aおよび13bが支持軸13cを介
して揺動可能に連結されるリング状のカップリング13
からなり、下側のアイ部材13bが連結部7の係止孔8
に挿通状態で係止されている。また、このカップリング
13は、支持軸13cの長さが引掛孔4の直径Rよりも
短く、全体として引掛孔4に挿通可能な大きさとして形
成されている。なお、このカップリング13には、支持
軸13cの周りに筒状のカラー部材13dが回転可能に
設けられている。そして、このカップリング13の上側
のアイ部材13aには、チェーン14の一端部が連結さ
れている。
【0034】チェーン14は、図10が参照されるよう
に、用途に応じて所定の長さで用いられ、その他端部に
は中間リンク15を介してマスタリンク16が連結され
ている。
【0035】また、この覆工板用吊り具1は、図1が参
照されるように、係止部材5を上下方向に揺動させるた
めの強制揺動部材17を備えている。
【0036】強制揺動部材17は、連結部7から上方に
延びるように設けられ、チェーン14に固定される操作
紐18からなり、操作紐18は、図1および図2が参照
されるように、その一端が、丸い頭状に形成され、係止
部材5の上下方向を貫通する紐通孔19に挿通された状
態で係止凹部19aに係止され、その他端が、連結部7
の上面から延び、下側のアイ部材13bの右側からカラ
ー部材13dを介して上側のアイ部材13aの左側に抜
け、されに上方に向かって延び、チェーン14に取り付
けられているリング部材17aに係止されている。これ
によって、操作紐18は、その一端側が係止部材5に固
定され、その他端側が引っ張り操作可能とされている。
【0037】そして、この係止部材5は、上記したよう
に、水平方向(左右方向)において略対称として形成さ
れているため、常には、カップリング13によって吊り
下げた状態において、図1および図2に示すように、自
重によって略水平方向に延びるバランス状態が保持され
ている。
【0038】そして、操作紐18を上方に引き上げる
と、係止凹部19aに係止された操作紐18の一端が上
方に引き上げられるため、係止部材5は、図3に示すよ
うに、バランス状態を崩して、係止部材5における紐通
孔19が形成される左右方向一方側の端部が上向きとな
るように斜めに揺動される。
【0039】なお、このような揺動動作において、操作
紐18は、カラー部材13dと摺擦されるが、カラー部
材13dは、支持軸13cに対して回転可能に設けられ
ていることから、操作紐18との摺擦によって円滑に回
転し、円滑な操作が確保されている。
【0040】次に、この覆工板用吊り具1を用いて、覆
工板2を吊り上げる方法について説明する。
【0041】覆工板用吊り具1を用いて覆工板2を吊り
上げるには、まず、図4に示すように、係止部材5の左
右方向一方側を把持し、係止部材5を水平方向に対して
およそ70〜80°に傾けた状態(バランスを崩した状
態)で、引掛孔4の内径よりも水平方向における投影幅
が短くなるようにして、係止部材5の左右方向他方側か
ら引掛孔4に挿入する。
【0042】この時、吊り具本体5の両端部には、傾斜
状の上側傾斜面11および下側傾斜面12が平坦状の当
接面9および底面10からそれぞれ連続して形成されて
いるため、上記したように、吊り具本体5を左右方向他
方側から引掛孔4に挿入するにあたって、その端部が引
掛孔4の縁部に接触しても、上側傾斜面11から当接面
9または下側傾斜面12から底面10へと円滑に挿入す
ることができる。また、連結部7が略半円弧状に突出形
成されているため、当接面9に続いて引掛孔4の縁部に
連結部7が接触したとしても、湾曲形成された上面に沿
って円滑に挿入することができる。
【0043】そして、引掛孔4に、係止部材5を挿入し
た後に離せば、係止部材5は、覆工板2の内部空間(頂
板3と底板20との間)において、図5が参照されるよ
うに、バランス状態に戻ろうとして揺動し、実質的に水
平方向に延びるバランス状態を保持する。
【0044】そして、覆工板用吊り具1の挿入作業を、
頂板3の次の引掛孔4(たとえば、図10が参照される
ように、先に挿入作業を行なった引掛孔4に対して対角
線上の位置にある引掛孔4)に対して同様に行ない、覆
工板用吊り具1を引掛孔4に挿入する。
【0045】その後、図10が参照されるように、各覆
工板用吊り具1にカップリング13を介して連結された
チェーン14の他端部に中間リンク15を介して連結さ
れているマスタリンク16を、クレーンやチェーンブロ
ックなどの吊り上げ装置(図10には、吊り上げ装置の
フック32のみが現れている。)によって吊り上げ方向
に引き上げると、引掛孔4に連結部7を嵌合させ、図6
が参照されるように、覆工板2の頂板3に設けられた引
掛孔4の周辺部33の裏面に当接面9を当接させて、覆
工板2を吊り上げることができる。
【0046】すなわち、吊り上げ装置によって引き上げ
る時には、引掛孔4からチェーン14に続きカップリン
グ13が上方に引き抜かれ、係止部材5が、バランス状
態のまま引き上げられるので、引掛孔4の直径方向にお
ける周辺部33の裏面に当接面9が当接される。そのた
め、係止部材5によって、覆工板用吊り具1を覆工板2
の引掛孔4の周辺部33に確実に引っ掛けて、係止孔8
に挿通されるカップリング13を介して、吊り上げ装置
により覆工板2を吊り上げることができる。
【0047】また、係止部材5が上方に引き上げられる
にあたって、連結部7が引掛孔4の周辺部33の縁部に
接触したとしても、その連結部7における上部が円弧状
に湾曲形成されているため、周辺部33の縁部に対して
連結部7は湾曲形状に沿って円滑に摺動して、引掛孔4
に嵌まるように案内される。そのため、係止部材5の引
掛孔4の周辺部33に対する係止時において、係止部材
5の確実な位置決めを達成することができ、より確実に
当接面9を引掛孔4の周辺部33に当接させて、係止部
材5の引掛孔4の周辺部33に対する確実な係止を達成
することができる。
【0048】また、この時、各当接面9に挟まれる連結
部7の左右方向の長さYが、引掛孔4の直径Rよりもや
や短く形成されており、連結部7全体として引掛孔4に
嵌まるように形成されているので、連結部7全体が引掛
孔4に収まり、また、各当接面9の長さZと連結部7の
左右方向の長さYとを加えた長さが、引掛孔4の直径R
よりも長くなるように形成されているので、両方の当接
面9が頂板3の裏面における引掛孔4の周辺部33に確
実に当接される。これによって、吊り上げ装置による上
方に向けての吊り上げ力を当接面9を介して確実に頂板
3の引掛孔4の周辺部33の裏面に作用させることがで
きる。
【0049】つまり、この覆工板用吊り具1では、係止
部材5を、バランスを崩した状態で引掛孔4に挿通すれ
ば、挿入後において、係止部材5が自動的に引掛孔4よ
りも長くなるバランス状態を保持するので、係止部材5
を、覆工板2の引掛孔4の周辺部33に対して簡易かつ
確実に、一方向から係止させることができる。そのた
め、部品点数が少なく、軽量で、また、ロック機構など
の複雑な構成および操作を必要とすることなく、簡易な
構成および操作によって、覆工板2の引掛孔4の周辺部
33に対して係止部材5を一方向から確実に係止するこ
とができる。
【0050】なお、操作紐18は、その一端が係止部材
5の係止凹部19aに係止された状態で、その他端が、
連結部7の上面から延びるように係止部材5に固定され
ているので、上記したような、係止部材5の当接面9の
引掛孔4の周辺部33に対する当接時においても、操作
紐18が引掛孔4の周辺部33に当接することを回避す
ることができる。そのため、操作紐18の引掛孔4の周
辺部33との当接による損傷を回避することができ、操
作紐18の確実な操作を確保して、確実な吊り上げ作業
を達成することができる。
【0051】そして、このような、吊り下げ状態が図1
0に示されている。このようにして、適宜、覆工板2を
所定の配置に敷設する。
【0052】覆工板2を所定の配置に敷設した後は、図
7が参照されるように、まず、係止部材5を引掛孔4の
周辺部33の裏面から下方に向けて離間させ、揺動可能
な状態にした後に、操作紐18を上方に引っ張る。そう
すると、図8が参照されるように、係止部材5における
紐通孔19が形成される左右方向一方側の端部が上方に
揺動され、水平方向に対しておよそ70〜80°に傾斜
した状態となる。これにより、係止部材5が引掛孔4の
直径Rよりも水平方向において長いバランス状態から、
引掛孔4の直径Rよりも水平方向において短いバランス
状態が崩れた状態となる。
【0053】そして、このように、バランス状態が崩さ
れた状態のまま、図9が参照されるように、チェーン1
4を上方に引き上げて、引掛孔4からカップリング13
および係止部材5を上方に引き抜く。
【0054】この引き抜き時において、係止部材5の両
端部には、傾斜状の下側傾斜面12が形成されているた
め、係止部材5の下側端部が頂板3における引掛孔4の
縁部に接触して引き抜き作業が阻害されることがなく、
円滑に引き抜くことができる。
【0055】また、連結部7が略半円弧状に湾曲形成さ
れているため、引掛孔4の縁部に連結部7が接触したと
しても、湾曲形成された上面に沿って円滑に引き抜くこ
とができる。
【0056】つまり、この覆工板用吊り具1では、操作
紐18を上方に引っ張るのみの簡単な操作により、係止
部材5を揺動させてバランスを崩して、係止部材5を、
引掛孔4から、簡易かつ確実に一方向に引き抜くことが
できる。そのため、部品点数が少なく、軽量で、また、
ロック機構などの複雑な構成および操作を必要とするこ
となく、簡易な構成および操作によって、係止部材5を
覆工板2の引掛孔4から引き抜き、係止状態を解除する
ことができる。
【0057】そして、このような覆工板用吊り具1の引
き抜き作業を、引掛孔4に引っ掛けられた他方側の覆工
板用吊り具1に対して同様に行ない、覆工板用吊り具1
を引掛孔4から引き抜く。
【0058】なお、図9においては、2つの覆工板用吊
り具1を、1枚の覆工板2の4角のうちの対角線上に形
成される2つの引掛孔4にそれぞれ引っ掛けて、2つの
覆工板用吊り具1を用いて1枚の覆工板2を吊り上げる
態様として示されているが、覆工板2の吊り上げ方法
は、特に制限されず、たとえば、2枚の覆工板2を並列
に配置して、前方において、互いに内側に配置される一
方の覆工板2の引掛孔4および他方の覆工板2の引掛孔
4に、2つの覆工板用吊り具1をそれぞれ引っ掛けると
ともに、後方において、互いに外側に配置される一方の
覆工板2の引掛孔4および他方の覆工板2の引掛孔4
に、2つの覆工板用吊り具1をそれぞれ引っ掛けて、4
つの覆工板用吊り具1を用いて、2枚の覆工板2を同時
に吊り上げるようにしてもよく、さらに、そのような場
合には、適宜、バランスプレートなどの連結吊り具を介
して、吊り上げてもよい。
【0059】また、以上の説明では、強制揺動部材17
を操作紐18から構成して、係止部材5のバランス状態
を崩す時には、操作紐18を上方に引っ張るような態様
としたが、本発明において、強制揺動部材17は、これ
に限定されることなく、たとえば、板状部材や管状部材
などを用いて、係止部材5を引き上げまたは押し下げる
ことにより、バランス状態を崩すようにしてもよい。
【0060】なお、上記の実施形態では、覆工板用吊り
具1の保持部材6としてカップリング13を係止させた
が、本発明の保持部材としてとしては、これに限定され
ず、たとえば、チェーン14を直接係止させてもよく、
さらには、チェーン14に代えてワイヤーロープや繊維
ロープを用いて、これらワイヤーロープや繊維ロープを
直接係止させてもよい。
【0061】また、以上においては、本発明の板材用吊
り具の一実施形態として覆工板用吊り具1を説明した
が、本発明の板材用吊り具は、これに限定されることな
く、他の板材、たとえば、引掛孔の下方に空間を有する
板材において好適に使用することができる。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明によれば、簡易な構成によって、部品点数が少なく、
軽量で、板材の引掛孔に対して一方向から確実に係止し
または係止解除することができる。
【0063】請求項2に記載の発明によれば、より一層
簡易な構成および操作により、係止部材を、板材の引掛
孔の周辺部に対して、一方向から確実に係止しまたは係
止解除することができる。
【0064】請求項3に記載の発明によれば、係止部材
のバランス状態を、より一層、安定させることができる
とともに、係止部材を、より確実に板材の引掛孔の周辺
部に係止させることができる。
【0065】請求項4に記載の発明によれば、係止部材
の引掛孔の周辺部に対する係止時において、係止部材の
確実な位置決めを達成することができ、より確実に当接
部を引掛孔の周辺部に当接させて、係止部材の引掛孔の
周辺部に対する確実な係止を達成することができる。
【0066】請求項5に記載の発明によれば、紐状部材
の確実な操作を確保して、確実な吊り上げ作業を達成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板材用吊り具の一実施形態としての覆
工板用吊り具の斜視図である。
【図2】図1に示す覆工板用吊り具の側断面図である。
【図3】図1に示す覆工板用吊り具の操作紐を引き上げ
た状態での斜視図である。
【図4】図1に示す覆工板用吊り具の使用状態(係止部
材を頂板の引掛孔に挿入する状態)を示す側面図であ
る。
【図5】図1に示す覆工板用吊り具の使用状態(係止部
材が頂板の下方においてバランス状態を保持している状
態)を示す側面図である。
【図6】図1に示す覆工板用吊り具の使用状態(当接面
が引掛孔の周辺部の裏面を押圧している状態)を示す側
面図である。
【図7】図1に示す覆工板用吊り具の使用状態(頂板の
下方において係止部材がバランス状態を保持しており、
操作紐が把持されている状態)を示す側面図である。
【図8】図1に示す覆工板用吊り具の使用状態(操作紐
が引き上げられて、頂板の下方において係止部材がバラ
ンス状態を崩している状態)を示す側面図である。
【図9】図1に示す覆工板用吊り具の使用状態(係止部
材を頂板の引掛孔から引き抜く状態)を示す側面図であ
る。
【図10】覆工板の吊り上げ状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 覆工板用吊り具 2 覆工板 4 引掛孔 5 係止部材 7 連結部 9 当接面 13 カップリング 17 強制揺動部材 18 操作紐
フロントページの続き (72)発明者 太田 修二 大阪府大阪狭山市岩室2丁目180番地 象 印チェンブロック株式会社内 (72)発明者 土井 元 大阪府大阪狭山市岩室2丁目180番地 象 印チェンブロック株式会社内 Fターム(参考) 3F004 CC01 CD09 EA03 LA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材の引掛孔の周辺部に係止される係止
    部材と、前記引掛孔に挿通可能とされ、前記係止部材を
    揺動可能に保持するための保持部材とを備え、 前記係止部材は、常には、実質的に水平方向に延び前記
    引掛孔の前記周辺部と当接可能なバランス状態を保持す
    るように、前記保持部材と連結されており、 前記引掛孔に挿通可能とされ、前記係止部材の前記保持
    部材に対する前記バランス状態を崩して、前記係止部材
    を上下方向に揺動させるための強制揺動部材を備え、 前記係止部材は、前記バランス状態が崩された状態にお
    いて、前記引掛孔に挿通可能とされ、かつ、前記バラン
    ス状態において、前記引掛孔の周辺部に係止可能とされ
    ていることを特徴とする、板材用吊り具。
  2. 【請求項2】 前記強制揺動部材が、その一端側が前記
    係止部材に固定され、その他端側が引っ張り操作可能な
    紐状部材であることを特徴とする、請求項1に記載の板
    材用吊り具。
  3. 【請求項3】 前記係止部材が、前記保持部材が連結さ
    れる連結部と、前記連結部の両側から延び、前記周辺部
    に当接される当接部とを備えていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の板材用吊り具。
  4. 【請求項4】 前記連結部における上部が湾曲形状に形
    成されていることを特徴とする、請求項3に記載の板材
    用吊り具。
  5. 【請求項5】 前記強制揺動部材は、前記連結部から延
    びるように固定されていることを特徴とする、請求項3
    または4に記載の板材用吊り具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4621858B1 (ja) * 2009-11-09 2011-01-26 株式会社さつま工業 建造物穿孔装置、吊下アタッチメント、及び建造物穿孔工法
CN103979400A (zh) * 2014-05-20 2014-08-13 安徽星马专用汽车有限公司 搅拌筒用吊具
JP2021195745A (ja) * 2020-06-10 2021-12-27 藤友株式会社 杭吊下治具

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