JP2003312622A - 印刷済みフィルム貼着缶体およびその製造方法 - Google Patents

印刷済みフィルム貼着缶体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003312622A
JP2003312622A JP2002122021A JP2002122021A JP2003312622A JP 2003312622 A JP2003312622 A JP 2003312622A JP 2002122021 A JP2002122021 A JP 2002122021A JP 2002122021 A JP2002122021 A JP 2002122021A JP 2003312622 A JP2003312622 A JP 2003312622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
printed
code mark
resin film
attached
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002122021A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4089811B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Hirotsuji
潔 廣辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Can Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Can Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Can Co Ltd filed Critical Daiwa Can Co Ltd
Priority to JP2002122021A priority Critical patent/JP4089811B2/ja
Publication of JP2003312622A publication Critical patent/JP2003312622A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4089811B2 publication Critical patent/JP4089811B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Labeling Devices (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷済みフィルム貼着缶体に対してコードマ
ークを施す場合に、コードマークが違和感を与えること
で装飾印刷の効果を減殺するようなことなく、しかも、
コードマークの有無を容易に確認できるようにすると共
に、特にコードマークを施すための搬送装置や位置合わ
せ装置を設けるようなことなく、所定の位置にコードマ
ークを施すことができるようにする。 【解決手段】 印刷済みの樹脂フィルムが缶体の胴部外
面に貼着されている印刷済みフィルム貼着缶体におい
て、缶体の胴部外面を略一周するようにして貼着された
印刷済み樹脂フィルム1の端部付近(フィルム1の端部
同士の重ね合わせ部分1aの最外表面)に、缶体の製造
情報を示すためのコードマーク2を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷済みの樹脂フ
ィルムが缶体の胴部外面に貼着されている印刷済みフィ
ルム貼着缶体に関し、特に、缶体の製造情報を示すため
のコードマークが施された印刷済みフィルム貼着缶体、
および、そのような印刷済みフィルム貼着缶体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶において、グラビア印刷等による
美麗な多色印刷が予め施された帯状の樹脂フィルムから
一缶分毎の大きさに切断されたフィルムシートを、該フ
ィルムシートに形成されている接着剤層を介して、加熱
された缶体の円筒状の胴部外面に略一周するように熱接
着により貼着することで、円筒状に成形された後の胴部
外面に対して美麗で豪華な印刷デザインを付与した、所
謂印刷済みフィルム貼着缶体というものは従来から提案
されており(例えば、特開平4−57747号,特開平
9−295639号,特開平10−683号,特開平1
1−147515号等参照)、既に本出願人によりアル
ミニウム合金製のDI缶(絞りしごき缶)で商品化され
ている。
【0003】一方、金属缶を使用した缶詰の場合に、缶
詰製品の出所や製造履歴を識別するために、缶詰製造工
場や缶詰製造ラインや製造年月日や作業者等についての
コードマーク(識別記号)をインキジェット印刷等によ
り缶蓋表面や缶底表面に印刷するということが従来から
一般的に行われているが、缶体自体についても、その製
造工場や製造ラインや製造年月日や用途等を示すコード
マークをイージーオープン缶蓋の表面に刻設するという
ことが、大部分の製缶メーカーでは既に実施されてい
る。
【0004】さらに、缶体の製造情報を示すためのコー
ドマークについては、イージーオープン缶蓋に刻設する
ものに限らず、従来から様々な方法が提案されており、
例えば、2ピース缶では、その缶底にインキジェット印
刷法により透明インキで製造年月日を示すコードマーク
を印刷することが提案されて既に実施されており(特開
昭57−187288号公報参照)、また、溶接缶胴に
よる3ピース缶では、胴部で装飾印刷が施されない部分
である溶接継目とその両側の細長い領域の一部に、溶接
したライン名,溶接した年月日及び10分単位以下の時
刻を示すコードマークを印刷して、そのコードマーク印
刷面上を透明塗膜により保護被覆するということが、本
出願人により提案されて既に実施されている(特開平6
−156503号公報参照)。
【0005】また、印刷された金属缶のネックイン加工
部や2ピース缶の円筒状胴部と底部の接地部とを連結す
る傾斜面に、蛍光塗料を含有する不可視インキ(透明イ
ンキ)を用いて、製造年月日,時間,製造工場名,製造
ライン名等の製造ロット管理用のコードマークを印字す
るということが提案されており(特開平9−22677
6号公報参照)、また、外面に透明塗膜が形成された缶
体に対して、レーザーを照射することにより、その透明
塗膜の一部を透明塗膜の底部に到らない範囲でレーザー
光で刻印して、製造工場名,製造ライン又はヘッド名,
製造年月日,製造時間,ロット等を示すコードマークを
形成することが、本出願人により提案されている(特開
2001−63730号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な缶体の製造情報を示すためのコードマークについて、
例えば、特開昭57−187288号公報に記載された
ような、缶底に透明インキで印刷されるコードマークで
は、透明インキによることから、缶詰製造会社が缶詰製
造時にインキジェット印刷法で印字するコードマーク
(缶詰の製造情報)と明確に区別できるという利点はあ
るが、印刷する場所が缶詰製造会社によるコードマーク
と同じ缶底であるため、コードマーク同士が重ならない
ようにする必要があり、また、缶底は丸いから位置合わ
せが容易ではなく、さらに、透明インキによるコードマ
ークなので、コードマークが実際に印刷されているか否
かを容易に確認し難いという問題がある。
【0007】また、特開平9−226776号公報に記
載されたような、蛍光塗料を含有する透明インキによ
り、ネックイン加工部や底部側の傾斜面に印字されるコ
ードマークでは、缶同士の接触によりインキが剥離しに
くいという利点はあるが、ネックイン加工部について
は、装飾印刷が施された部分であって、印刷インキ層の
上の保護塗膜には滑剤が混入されており、しかも、ネッ
クイン加工する際に潤滑剤を塗布するから、その潤滑剤
が残留してコードマークを印刷するインキを弾いてしま
うことで、正常なコードマークを印刷し難いという問題
があり、一方、底部側の傾斜面については、ネックイン
加工部の場合のような問題はないものの、印刷時に特別
の搬送装置が必要となって設備コストが高くなり、コー
ドマークを容易に確認し難いという問題がある。
【0008】また、特開2001−63730号公報に
記載されたような、レーザー光により刻印されるコード
マークでは、刻印を微細なものとすることができるが、
円筒状の缶体に対して、印刷を施した(或いは印刷済み
樹脂フィルムを貼着した)後で、コードマークを刻印す
ることから、所定の位置にコードマークを施すのが難し
く、しかも、コードマークをどこに施したかを後で確認
し難い。そして、コードマークを所定の位置(缶体の印
刷図柄に対して特定の位置)に施すためには、特別の位
置合わせ装置が必要となって、設備コストが高くなると
共にコードマークを施すのに時間を要するという問題が
ある。
【0009】さらに、特開平6−156503号公報に
記載されたような、溶接缶胴の溶接継目付近に印刷され
るコードマークについては、未だ塗装が施されていない
(或いは樹脂フィルムが貼着されていない)溶接継目部
分に対し、溶接直後の保護塗装を施す直前に、インキジ
ェット印刷法でコードマークを継目部分に印刷すること
により、コードマーク印刷のための特別の搬送装置や乾
燥装置を必要としないことから、合理的で低コスト化を
実現できるものと考えられる。
【0010】しかしながら、装飾印刷が施されていない
ブランクを丸めてその重ね合わせ部を溶接することで円
筒状に形成された溶接缶胴に対して、溶接継目部分を含
む缶胴全面に装飾印刷を施すために、装飾印刷が予め施
された印刷済みの樹脂フィルムを溶接缶胴の胴部外面に
貼着するようにした、3ピース缶用の印刷済みフィルム
貼着缶体を製缶する場合には、溶接継目部分にコードマ
ークを印字しても、コードマークが印刷済み樹脂フィル
ムによって隠されてしまうことから、缶詰を製造した後
に不良品が発見されて、略同じ時間に同一ラインで製缶
された缶を見つけ出す際に、大量の缶詰を一缶毎に貼着
されたフィルムを剥離してコードマークを調べなければ
ならず、非常に手間が掛かって作業性が悪くなるという
問題がある。
【0011】本発明は、上記のような問題の解消を課題
とするものであり、具体的には、印刷済みフィルム貼着
缶体に対してコードマークを施す場合に、コードマーク
が違和感を与えることで装飾印刷の効果を減殺するよう
なことなく、しかも、コードマークの有無を容易に確認
できるようにすると共に、特にコードマークを施すため
の搬送装置や位置合わせ装置を設けるようなことなく、
所定の位置にコードマークを施すことができるようにす
ることを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、印刷済みの樹脂フィルムが缶体
の胴部外面に貼着されている印刷済みフィルム貼着缶体
において、缶体の胴部外面を略一周するようにして貼着
された印刷済み樹脂フィルムの端部付近に、缶体の製造
情報を示すためのコードマークが施されていることを特
徴とするものである。
【0013】また、そのような印刷済みフィルム貼着缶
体を製造するための方法として、連続的に搬送しながら
缶体を加熱する一方、印刷済み樹脂フィルムの帯状フィ
ルムをリールから巻解きながら一缶分毎の大きさのフィ
ルムシートに切断して、このフィルムシートを次々と所
定間隔で缶体に向けて送り込み、各缶体で胴部外面を略
一周するようにフィルムシートを貼着するようなフィル
ム貼着工程において、帯状フィルムを一缶分毎の大きさ
のフィルムシートに切断する前に、各フィルムシートの
一方の端部付近に相当する帯状フィルムの所定位置の外
表面に、缶体の製造情報を示すためのコードマークを施
すようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の印刷済みフィルム
貼着缶体およびその製造方法について、その実施形態を
図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の一実施
形態について、図1は、印刷済み樹脂フィルムの帯状フ
ィルムを一缶分毎の大きさのフィルムシートに切断して
から缶体に貼着するための装置全体を概略的に示し、図
2は、(A)帯状フィルムを一缶分毎の大きさのフィル
ムシートに切断するときの状態と、(B)缶体に貼着さ
れた状態の印刷済み樹脂フィルム(フィルムシート)と
をそれぞれ示すものである。
【0015】本発明の印刷済みフィルム貼着缶体は、溶
接缶胴,接着缶胴,半田付け缶胴等による3ピース缶
や、絞りしごき加工,深絞り加工,ストレッチ加工,イ
ンパクト加工等により胴部がシームレス(縦方向の継ぎ
目が無い)に形成された2ピース缶やボトル型缶など、
印刷済み樹脂フィルムの貼着が可能な限りにおいて、あ
らゆるタイプの缶体を対象とするものであって、印刷済
み樹脂フィルムが貼着される前の缶体については、缶体
の内外面が樹脂被膜(保護被膜となる樹脂層)で覆われ
ている場合、或いは、缶体の一方の面だけが樹脂被膜で
覆われている(缶体の内面だけで外面は樹脂被膜で覆わ
れていない)場合の何れかは問わない。
【0016】缶体の素材となる金属板については、アル
ミニウム合金板,アルミニウム板等のアルミ系金属板、
或いは、ブリキ,極薄錫メッキ鋼板,ニッケルメッキ鋼
板,亜鉛メッキ鋼板,合金メッキ鋼板,電解クロム酸鋼
板,有機無機複合化成処理鋼板等の表面処理鋼板による
スチール系金属板の何れであっても良く、更に、そのよ
うな金属板に対して予め熱可塑性樹脂の保護被膜をラミ
ネートした樹脂被覆金属板であっても良い。
【0017】缶体に貼着される印刷済み樹脂フィルムに
ついては、熱可塑性樹脂フィルムを基材とするもので、
トップコート層/熱可塑性樹脂フィルム/印刷インキ層
/接着剤層の順に積層された構造が一般的であるが、そ
のような積層構造に限らず、缶体の胴部外面への貼着が
可能である限りにおいて、適宜の積層構造として実施す
ることが可能であって、例えば、缶体の胴部の最表面と
なるオーバーコート層(滑剤含有の硬化型樹脂塗料によ
る塗膜)については、予め印刷済み樹脂フィルムの最外
層として形成しても良いし、或いは、印刷済み樹脂フィ
ルムには予め形成することなく、缶体に印刷済み樹脂フ
ィルムを貼着した後で、その上から塗装して乾燥硬化す
るようにしても良い。
【0018】そのような印刷済み樹脂フィルムと缶体と
による本発明の印刷済みフィルム貼着缶体の一実施形態
について説明すると、本実施形態では、スチール系の金
属板から製造された缶体に対して、トップコート層/熱
可塑性樹脂フィルム/印刷インキ層/接着剤層の順に積
層された構造を有する印刷済み樹脂フィルムを、缶体の
胴部外面を一周してフィルムの前端部の上に後端部を重
ね合わせるように貼着している。なお、オーバーコート
層が形成された印刷済み樹脂フィルムを、その端部同士
を重ね合わせた状態で缶体に貼着する場合、オーバーコ
ートとなる滑剤含有の硬化型樹脂系塗料は、フィルム同
士の重ね合わせ部分で下側となる部分には塗布しないよ
うにするのがフィルム同士の重ね合わせ部分の接着強度
の点からは好ましい。
【0019】ところで、缶体に印刷済み樹脂フィルムを
貼着する場合、連続的に搬送しながら缶体を加熱(例え
ば、140〜170℃に加熱)する一方、印刷済み樹脂
フィルムの帯状フィルムをリールから巻解きながら、カ
ッターにより一缶分毎の大きさのフィルムシート(缶体
に貼着される状態の印刷済み樹脂フィルム)に切断して
から、このフィルムシートを貼付ドラム(押圧ロール)
の外面に吸着させて所定間隔で次々と缶体に向けて送り
込み、貼付ドラム(押圧ロール)によって押圧力を加え
ながら各缶体の胴部外面にフィルムシートを貼着する、
ということが従来から一般的に行われている。
【0020】そのような従来から一般的なフィルム貼着
工程において、本実施形態では、図1に示すように、カ
ッターにより帯状フィルムを一缶分毎の大きさのフィル
ムシートに切断する前に、帯状フィルムの外表面部分に
対し、レーザーマーカーによるレーザー照射によりフィ
ルム表面を切削または変色させることで、缶体の製造情
報を示すためのコードマーク(例えば、製造ライン名,
製造年月日,少なくとも10分以下の単位の製造時刻等
を示すためのコードマーク)を施すようにしている。
【0021】すなわち、図2(A)に示すように、リー
ルから巻解かれて進行している印刷済み樹脂フィルムの
帯状フィルム1Aに対して、先ず、印字エリアで、フィ
ルムシートの一方の端部(切断端の近傍部分)或いはそ
の近傍に相当する部分(端部付近)のフィルム外表面
に、レーザーマーカーによるレーザー照射でコードマー
ク2を印字(刻印)してから、次いで、切断エリアで、
カッターにより帯状フィルム1Aを一缶分毎の長さ(缶
体の胴部の円周長さよりも僅かに長い)のフィルムシー
ト1に切断した後、図示していないが、貼着エリアで、
フィルムシートを端部から徐々に缶体の胴部外面に貼り
付けて行き、最後にフィルムシートの後端部を前端部の
上に重ね合わせるように貼り付けることで、図2(B)
に示すように、フィルムシート1の端部同士の重ね合わ
せ部分1aの最外表面にコードマーク2が施されるよう
にしている。
【0022】なお、リールから巻解かれる印刷済み樹脂
フィルムの帯状フィルムについては、当初は幅方向で複
数缶分の印刷が施された(一缶分の印刷図柄の繰り返し
印刷が複数条設けられた)帯状フィルムを、一缶分の高
さに相当する幅(一条毎)に切断してから、幅方向で複
数に切断された帯状フィルム(一缶分の印刷図柄が繰り
返し印刷された帯状フィルム)のそれぞれをリールに巻
き取ったものであって、それにより、図2(A)に示す
ように、一缶分の高さの幅を有する帯状フィルム1Aと
なっている。
【0023】上記のように印刷済み樹脂フィルムの帯状
フィルムにコードマークを施している本実施形態の印刷
済みフィルム貼着缶体の製造方法によれば、特にコード
マークを施すための専用の搬送装置や位置合わせ装置を
設けるようなことなく、従来からフィルム貼着のために
使用されている装置に対して、単にコードマークを施す
ための装置(レーザーマーカー)を付加するだけで、印
刷済み樹脂フィルムの所定位置(缶体の胴部外面に貼着
されるフィルムシートの端部付近)にコードマークを施
すことができる。
【0024】なお、本実施形態の方法では、印刷済み樹
脂フィルムの帯状フィルムの一缶分毎の大きさのフィル
ムシートに切断する手前で、コードマークを施している
ことにより、所定速度で送られている印刷済み樹脂フィ
ルムの目印を読み取って、帯状フィルムを切断するため
に装置(カッター)に発信する切断信号と同じタイミン
グで、コードマークを施すための装置(レーザーマーカ
ー)に対してコードマークを印字(刻印)するための信
号を発信するだけで、特別の位置合わせ装置を必要とす
ることなく、常に帯状フィルムの所定位置(各フィルム
シートの一方の端部付近に相当する部分)に対してコー
ドマークを施すことができる。
【0025】そして、そのような方法により製造される
本実施形態の印刷済みフィルム貼着缶体によれば、胴部
外面に貼着された印刷済み樹脂フィルムの端部付近(切
断端の近傍部分或いはそれに近い部分)にコードマーク
が施されることで、この部分が本来は装飾印刷のメイン
となる部分から外れた目立たない部分であることから、
この部分にコードマークを施しても、それによる違和感
によって装飾印刷の効果を減殺するようなことなく、し
かも、ネックイン加工部や底部側の傾斜面などにコード
マークが施されたものと比べて、コードマークの有無を
容易に確認することができる。
【0026】また、本実施形態の印刷済みフィルム貼着
缶体では、レーザー照射によるフィルム表面の切削又は
変色によってコードマークを施していることから、イン
キのような消耗品も必要とせず、また、インキを乾燥さ
せるような特別の乾燥手段を必要としない。しかも、レ
ーザー照射によりコードマークを施すことでフィルムが
切削されても、印刷済み樹脂フィルムが、その端部同士
を重ね合わせた状態で缶体の胴部に貼着されており、こ
のフィルム同士の重ね合わせ部分の最外表面にコードマ
ークが施されていることから、缶体の金属面の耐食性に
悪影響を与えることはない。
【0027】すなわち、帯状フィルムに対してレーザー
照射によりコードマークを施す際には、帯状フィルムの
進行が加速時及び減速時のような変速時において、テン
ション変動が発生して帯状フィルムがばたつくことで、
レーザー照射によるコードマークのフィルム表面での削
れ方が異なって、場合によってはフィルムを誤って貫通
させることが有り、その結果、缶体がスチール缶の場合
には、内容物を充填した後の加熱殺菌工程等での蒸気や
水によりフィルムの貫通穴から水分が入り込んで錆を発
生させる虞れがある。これに対して、上記のようにレー
ザー照射によるコードマークを、フィルムの端部同士の
重ね合わせ部分の最外表面に施していることで、コード
マークを施すことでフィルムに貫通穴が発生しても、そ
の下側に重なるフィルムが金属面を完全に被覆している
ため、この部分で錆が発生することはない。
【0028】以上、本発明の印刷済みフィルム貼着缶体
およびその製造方法の一実施形態について説明したが、
本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、例
えば、対象となる缶体の種類や材質、印刷済み樹脂フィ
ルムの積層構造等については、既に述べたように適宜に
変更して実施することが可能なものであり、また、コー
ドマークについては、レーザー照射によるコードマーク
に限らず、着色インキでの印字によるコードマークとし
て実施することも可能であり、さらに、印刷済み樹脂フ
ィルムの缶体への貼着については、フィルムの端部(切
断端の近傍部分)同士を重ね合わせるように貼着するよ
うな場合に限らず、フィルムの端部同士(各端部の切断
端同士)を突き合わせるように貼着しても良い等、適宜
に変更可能なものであることは言うまでもない。
【0029】すなわち、例えば、着色インキでの印字に
よりコードマークを施す場合、インキジェット印刷法に
よる印字が可能(フィルムがインキを弾かない)なよう
に、印刷済み樹脂フィルムにはトップコート層を形成せ
ず、印刷済み樹脂フィルムにコードマークを施して缶体
に貼着した後で、缶体に貼着された印刷済み樹脂フィル
ムの上から、全面的に透明な硬化型塗料(滑剤含有)を
塗装して乾燥硬化させることでトップコート層を形成す
ることにより、缶体や缶詰の搬送・輸送時に、缶同士の
接触や搬送路との接触による摩擦等によりコードマーク
が剥離して読み取れなくなるようなことを防止すること
ができる。
【0030】なお、インキジェット印刷法により着色イ
ンキで印字を施す場合、印字を施した後で着色インキを
乾燥させるために、印刷済み樹脂フィルムに向けて温風
を吹き付ける等の適宜の乾燥装置を設ける必要があるこ
とから、着色インキについては速乾性の高いもの又は紫
外線硬化型や電子線硬化型のものにするのが、乾燥装置
をコンパクトにするという観点からは好ましい。
【0031】そのように着色インキでの印字によりコー
ドマークを施す場合には、コードマークの部分でフィル
ムに貫通穴が発生するようなことがないため、フィルム
の端部同士を突き合わせるように印刷済み樹脂フィルム
を貼着しても(勿論、フィルムの端部同士を重ね合わせ
るように貼着しても良いが)、コードマークの部分で錆
を発生させるような虞れはなく、また、フィルムの端部
同士の突き合わせ部に僅かに隙間ができたとしても、印
刷済み樹脂フィルムに予めトップコート層を形成するこ
となく、該フィルムを缶体に貼着した後で、印刷済み樹
脂フィルムの上から全面的に透明な硬化型塗料(滑剤含
有)を塗装して乾燥硬化させることにより、フィルム端
部同士の突き合わせ部は硬化型塗料の塗膜(トップコー
ト層)により完全に覆われるため、この部分で錆が発生
することはない。
【0032】そのように印刷済み樹脂フィルムに対して
予めトップコート層を形成しないことで、印刷済み樹脂
フィルムの帯状フィルムを製造する際に、印刷済み樹脂
フィルムの外表面側に透明な硬化型塗料(滑剤含有)を
塗装する工程が必要ではなくなり、その結果、印刷イン
キによる図柄の位置と透明な硬化型塗料の塗装位置との
位置合わせの必要がなくなって、生産スピードを上げる
ことができる。
【0033】なお、印刷済み樹脂フィルムに予めトップ
コート層を形成する場合であっても、該フィルムを一缶
分毎の長さに切断する際の切断線(切断予定線)の両側
に非塗装部分を設けるようにすれば、該フィルムが缶体
に貼着された際に該フィルムの端部同士の重ね合わせ部
分の最外表面となる部分に対して、着色インキでの印字
によるコードマークを問題なく施すことができる。
【0034】そのように印刷済み樹脂フィルムを一缶分
毎の長さに切断する際の切断線(切断予定線)の両側に
非塗装部分を広く取って、該フィルムの端部同士の重ね
合わせ部分の最外表面となる部分に着色インキによるコ
ードマークを施す場合には、コードマークの上に保護塗
装を施すことが好ましいが、缶体に内容物を充填した後
であまり過酷な熱処理等を行わなければ、該フィルムの
表面との密着強度の高い樹脂成分を含有する着色インキ
を選択して保護塗装を省略することも可能である。
【0035】一方、レーザー照射によりコードマークを
施す場合であっても、対象となる缶体を、錆びないアル
ミ缶とするか、又は、保護被膜となる樹脂被膜で両面が
被覆された樹脂被覆金属板を使用して製造された缶体と
するか、若しくは、印刷済み樹脂フィルム(トップコー
ト層を形成しない)を貼着した後で、透明な硬化型塗料
を全面的に塗装して乾燥硬化させることにより、貫通穴
が発生してもそれが硬化型塗料の塗膜(トップコート
層)でカバーされるような場合には、印刷済み樹脂フィ
ルムの端部同士を突き合わせるように貼着して、この突
き合わせ部の近傍(フィルムの端部付近)にコードマー
クを施すようにすることも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したような本発明の印刷済みフ
ィルム貼着缶体によれば、コードマークによる違和感で
装飾印刷の効果が減殺されるのを防止することができ、
しかも、コードマークの有無を容易に確認することがで
きる。また、本発明の印刷済みフィルム貼着缶体の製造
方法によれば、コードマークを施すための専用の搬送装
置や位置合わせ装置を設けるようなことなく、所定の位
置にコードマークを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態について、印刷済み樹脂フ
ィルムの帯状フィルムを一缶分毎の大きさのフィルムシ
ートに切断してから缶体に貼着するための装置全体を概
略的に示す側面説明図。
【図2】(A)帯状フィルムを一缶分毎の大きさのフィ
ルムシートに切断するときの状態を示す平面説明図,お
よび(B)缶体に貼着された状態の印刷済み樹脂フィル
ム(フィルムシート)を示す斜視説明図。
【符号の説明】
1 印刷済み樹脂フィルム(フィルムシート) 1A (印刷済み樹脂フィルムの)帯状フィルム 1a (印刷済み樹脂フィルムの端部同士の)重ね
合わせ部分 2 コードマーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷済みの樹脂フィルムが缶体の胴部外
    面に貼着されている印刷済みフィルム貼着缶体におい
    て、缶体の胴部外面を略一周するようにして貼着された
    印刷済み樹脂フィルムの端部付近に、缶体の製造情報を
    示すためのコードマークが施されていることを特徴とす
    る印刷済みフィルム貼着缶体。
  2. 【請求項2】 印刷済み樹脂フィルムが、その端部同士
    を重ね合わせた状態で缶体の胴部に貼着されており、こ
    のフィルム同士の重ね合わせ部分の最外表面に、レーザ
    ー照射又は着色インキによるコードマークが施されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の印刷済みフィルム
    貼着缶体。
  3. 【請求項3】 印刷済み樹脂フィルムが、その端部同士
    を突き合わせた状態で缶体の胴部に貼着されており、こ
    のフィルム同士の突き合わせ部の近傍に、レーザー照射
    又は着色インキによるコードマークが施されていること
    を特徴とする請求項1に記載の印刷済みフィルム貼着缶
    体。
  4. 【請求項4】 連続的に搬送しながら缶体を加熱する一
    方、印刷済み樹脂フィルムの帯状フィルムをリールから
    巻解きながら一缶分毎の大きさのフィルムシートに切断
    して、このフィルムシートを次々と所定間隔で缶体に向
    けて送り込み、各缶体で胴部外面を略一周するようにフ
    ィルムシートを貼着するようなフィルム貼着工程におい
    て、帯状フィルムを一缶分毎の大きさのフィルムシート
    に切断する前に、各フィルムシートの一方の端部付近に
    相当する帯状フィルムの所定位置の外表面に、缶体の製
    造情報を示すためのコードマークを施すようにしたこと
    を特徴とする印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法。
  5. 【請求項5】 帯状フィルムを切断するための装置に対
    して切断信号を発信するのと同じタイミングで、コード
    マークを施すための装置に対してコードマークを施すた
    めの信号を発信することにより、帯状フィルムの所定位
    置の外表面にコードマークが施されるようにしたことを
    特徴とする請求項4に記載の印刷済みフィルム貼着缶体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 滑剤含有の透明塗料によるトップコート
    層が形成されていない印刷済み樹脂フィルムの帯状フィ
    ルムに対して、一缶分毎の大きさのフィルムシートに切
    断する前に、インキジェット印刷法によるコードマーク
    を帯状フィルムの所定位置の外表面に施しておくと共
    に、印刷済み樹脂フィルムのフィルムシートを缶体の胴
    部外面に貼着した後で、コードマークの部分を含む印刷
    済み樹脂フィルムの外表面に、滑剤含有の透明塗料を塗
    装し乾燥硬化させることでトップコートを形成するよう
    にしたことを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷済
    みフィルム貼着缶体の製造方法。
JP2002122021A 2002-04-24 2002-04-24 印刷済みフィルム貼着缶体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4089811B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002122021A JP4089811B2 (ja) 2002-04-24 2002-04-24 印刷済みフィルム貼着缶体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002122021A JP4089811B2 (ja) 2002-04-24 2002-04-24 印刷済みフィルム貼着缶体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003312622A true JP2003312622A (ja) 2003-11-06
JP4089811B2 JP4089811B2 (ja) 2008-05-28

Family

ID=29537749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002122021A Expired - Fee Related JP4089811B2 (ja) 2002-04-24 2002-04-24 印刷済みフィルム貼着缶体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4089811B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008229926A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Fuji Seal International Inc 包装体の製造方法、及び巻付けラベル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008229926A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Fuji Seal International Inc 包装体の製造方法、及び巻付けラベル

Also Published As

Publication number Publication date
JP4089811B2 (ja) 2008-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6503726B2 (ja) 容器用印刷フィルム及びその製造方法
US20130048653A1 (en) Method and device for producing can bodies and can bodies
US5484099A (en) High temperature-resistant, thermally-printable label for attachment to hot metal stock and method thereof
JP4860063B2 (ja) コードマーク付き溶接缶胴
JP2003312622A (ja) 印刷済みフィルム貼着缶体およびその製造方法
JP4471171B2 (ja) ホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法
JP3747427B2 (ja) ホログラム付き缶体
AU2019335548B2 (en) Packaging film having unique direct food contact identifiers
JP3349038B2 (ja) フィルム貼着缶体の製造方法
JP3821328B2 (ja) ホログラム付き缶体の製造方法
US3863374A (en) Labeled side-seamed can body
JPS6328794B2 (ja)
JP2002224770A (ja) 3ピース缶用溶接缶胴の製造方法
JP4775988B2 (ja) 樹脂被覆シームレス缶およびその製造方法
JPH11268746A (ja) ホログラム付き缶体
JP4587423B2 (ja) 3ピース缶用溶接缶胴の製造方法
CN111065524B (zh) 用于产品标记的加强型方法
KR100261507B1 (ko) 수지필름 피복 금속판의 제조방법
JP2990598B2 (ja) 溶接缶胴用帯状鋼板の製造方法
GB2052437A (en) Improvements in labelling containers
JP3054942B2 (ja) 溶接缶胴用ブランク
JP2003054569A (ja) 印刷済みフィルム貼着缶体およびその製造方法
JP2002193267A (ja) マット調容器およびその製造方法
JP4683586B2 (ja) 印刷済み製缶用金属板材の製造方法
JPH0872883A (ja) コードマークを印刷した缶体及びその印刷方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080220

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees