JP2003312281A - 車輌用駆動装置 - Google Patents

車輌用駆動装置

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JP2003312281A
JP2003312281A JP2003058465A JP2003058465A JP2003312281A JP 2003312281 A JP2003312281 A JP 2003312281A JP 2003058465 A JP2003058465 A JP 2003058465A JP 2003058465 A JP2003058465 A JP 2003058465A JP 2003312281 A JP2003312281 A JP 2003312281A
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vehicle
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JP2003058465A
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Takao Taniguchi
孝男 谷口
Shoichi Miyagawa
昭一 宮川
Kazumasa Tsukamoto
一雅 塚本
Shigeo Tsuzuki
繁男 都築
Satoru Tanaka
悟 田中
Takeshi Inuzuka
武 犬塚
Masashi Hattori
雅士 服部
Takeshi Hara
毅 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン出力を所定状態に保持して又は最良
燃費曲線に沿ってゆっくりと変更し得るようにして、燃
費及び排ガス性能を向上する。 【解決手段】 エンジン出力軸2aをプラネタリギヤ6
のリングギヤRに連結し、モータ・ジェネレータ5をサ
ンギヤSに連結し、出力部材となるキャリヤCRを無段
変速機7の入力軸7aに連結する。エンジン2を所定出
力状態に保持した状態で、モータ・ジェネレータ5の回
転数を制御(充電及び放電方向)すると共に、無段変速
機7のトルク比を制御することにより、車輌要求出力を
満たす。リングギヤRをリバースブレーキBrにて係止
し、モータ・ジェネレータ5の回転を減速・逆回転し
て、無段変速機7に入力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車輌用
の駆動装置に係り、詳しくは、ガソリン又はディーゼル
エンジン等の燃焼エンジンからの出力を入力すると共
に、バッテリによる電気エネルギに基づく電気モータ・
ジェネレータを有し、モータ・ジェネレータを、車輌の
走行による必要動力変動を吸収するバッファとして機能
する車輌用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、燃料消費量(燃費)の向上及び排
気ガス(排ガス)のクリーン化の要望が高まり、無段変
速機(搭載車輌)及びハイブリット車輌等の各種装置が
提案されている。
【0003】上記トランスミッションとしてベルト式又
はトロイダル式の無段変速機(以下CVTという)を用
いた車輌は、車輌発進時に流体伝動装置又は電磁粉クラ
ッチを介在するため、直結状態になるまでスリップを発
生し、エンジン動力の一部を損失すると共に、走行時、
特に低負荷領域においてエンジンを最適燃費曲線にトレ
ースすることは困難であり、更にわずかな加速要求に対
してもスロットル開度の変化に対応して燃料を増量噴射
し、かつ制動時の車輌慣性エネルギを回収できにない等
が相俟って、燃費及び排ガス浄化の更なる要求に対して
充分ではない。
【0004】また、ハイブリット車輌の1種として、例
えば特開平7−12185号公報及び米国特許第3,7
32,751号公報に示すように、エンジンと、モータ
・ジェネレータと、プラネタリギヤとを備え、エンジン
出力に対して車輌負荷が大きい、例えば発進時等は、モ
ータ・ジェネレータをエネルギ発生手段(モータ)とし
て機能して、バッテリからの電気エネルギを機械的エネ
ルギに変換して、プラネタリギヤを介してエンジン出力
をアシストし、また車輌負荷に対してエンジン出力が余
剰する場合、モータ・ジェネレータをジェネレータとし
て機能して、エンジンの余剰出力を電気エネルギとして
バッテリに貯える、いわゆるパワースプリットトレーン
を有する車輌が提案されている。
【0005】該車輌は、発進時は、プラネタリギヤを介
してのモータ制御により、流体伝動装置等の発進装置を
不要として、エンジン駆動状態のままでの零速からの発
進が可能であり、また制動・減速時、モータを回生ブレ
ーキとして、車輌慣性エネルギを電気エネルギとして貯
えることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記パワー
スプリットトレーンは、多段自動変速機(以下ATとい
う)又は手動変速機を連結して、車輪に動力伝達してい
る。
【0007】このため、エンジンを最適燃費曲線に沿っ
てその出力(エンジン回転数及びトルク)を制御しよう
としても、例えばATによりステップ的に変速すると、
前記パワースプリットトレーンの出力部に急激な負荷ト
ルク変動を生じ、エンジン出力を定常状態に保ち又は最
適燃費曲線に沿って滑らかに変化することを困難にして
いる。
【0008】このため、発進時の加速及び減速時、AT
等のギヤ変速を行う度に、急激なエンジンの出力変動を
生じて、燃費及び排ガス浄化に対して悪影響を与える虞
れがある。
【0009】そこで、本発明は、トランスミッションと
して無段変速機を用い、該無段変速機を無段変速すると
共にモータ出力を制御して、エンジン出力を所定状態に
保持し又は例えば最良燃費曲線に沿ってゆっくりと変更
し得るように構成すると共に、モータ・ジェネレータに
よる適正な減速比の後進回転を得、もって上述課題を解
消した車輌用駆動装置を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、バッテリ(3)からの電気エネルギを機械エネルギ
に変換して出力し又は機械エネルギを電気エネルギに変
換して前記バッテリに貯えるモータ・ジェネレータ
(5)と、少なくとも3個の回転要素を有するプラネタ
リギヤ(6)と、を備えてなる車輌用駆動装置(1)に
おいて、入力部材(7a)の回転を無段階に変速して駆
動車輪に出力する無段変速機(7)を備え、かつ、前記
プラネタリギヤ(6)は、その第1の回転要素(R)を
燃焼エンジンの出力軸(2a)に連結し、また該第1の
回転要素の反力関係となる第2の回転要素(S)を前記
モータ・ジェネレータ(5)に連結し、そして第3の回
転要素(CR)を前記無段変速機の入力部材(7a)に
連結し、前記第1の回転要素(R)を固定部に係止する
ブレーキ(Br)を備えることを特徴とする。
【0011】請求項2に係る本発明は、前後進操作手段
に基づいて前記ブレーキ(Br)を係合し、前記モータ
・ジェネレータ(5)による第2の回転要素(S)の回
転を減速して第3の回転要素(CR)に前進時とは逆回
転として出力する後進用制御手段を備えてなる。
【0012】請求項3に係る本発明では、前記無段変速
機(7)は、トロイダル式無段変速機である(図1、図
4参照)。
【0013】請求項4に係る本発明では、前記無段変速
機(7)は、ベルト式無段変速機である(図5参照)。
【0014】請求項5に係る本発明では、前記プラネタ
リギヤ(6)は、シンプルプラネタリギヤであって、前
記第1の回転要素がリングギヤ(R)であり、前記第2
の回転要素がサンギヤ(S)であり、前記第3の回転要
素がキャリヤ(CR)である(図1、図2、図4、図
5、図6参照)。
【0015】請求項6に係る本発明では、前記プラネタ
リギヤ(6)は、シンプルプラネタリギヤであって、前
記第1の回転要素がサンギヤ(S)であり、前記第2の
回転要素がリングギヤ(R)であり、前記第3の回転要
素がキャリヤ(CR)である(図9、図10参照)。
【0016】請求項7に係る本発明では、前記プラネタ
リギヤ(6)は、ダブルピニオンプラネタリギヤであっ
て、前記第1の回転要素がキャリヤ(CR)であり、前
記第2の回転要素がサンギヤ(S)であり、前記第3の
回転要素がリングギヤ(R)である(図11参照)。
【0017】請求項8に係る本発明では、前記プラネタ
リギヤ(6)は、ダブルピニオンプラネタリギヤであっ
て、前記第1の回転要素がサンギヤ(S)であり、前記
第2の回転要素がキャリヤ(CR)であり、前記第3の
回転要素がリングギヤ(R)である(図12参照)。
【0018】以下、好ましい実施態様を示す。
【0019】前記燃焼エンジン(2)の出力を所定状態
に保持した状態で、前記第3の回転要素(CR)が定ト
ルクで回転数を変化することにより車輌の要求出力を満
たすように、前記燃焼エンジン(2)の出力に加えて又
は減じて前記モータ・ジェネレータ(5)の出力を制御
すると共に、前記第3の回転要素(CR)の回転数が車
輌の要求回転数を満たすように前記無段変速機(7)の
トルク比を制御するパワースプリットモード用制御手段
を備える(図19参照)。
【0020】前記パワースプリットモード用制御手段
は、前記燃焼エンジン(2)の出力が最良燃費曲線に沿
って変化するように、前記無段変速機(7)及び前記モ
ータ・ジェネレータ(5)を制御してなる。
【0021】車速を検出する車速センサと、前記燃焼エ
ンジンのスロットル開度を検出するスロットルセンサ
と、前記車速センサ及びスロットルセンサからの出力信
号に基づき、前記プラネタリギヤ(6)の第1、第2及
び第3の回転要素の連結・固定関係を変更する係合手段
(Ci)(Cd)(Cb)を備えてなる。
【0022】前記モータ・ジェネレータ(5)を制御す
るモータモード用制御手段を備え(図18参照)、車速
が低くかつスロットル開度が小さい場合、前記係合手段
(Ci)(Cd)を、前記燃焼エンジンの出力軸(2
a)と前記第1の回転要素(R)との連結が切断されか
つ前記プラネタリギヤ(6)が一体回転するように制御
すると共に、前記モータモード用制御手段により前記モ
ータ・ジェネレータ(5)を制御してなる。
【0023】前記燃焼エンジン(2)の出力を所定状態
に保持した状態で、前記第3の回転要素(CR)が定速
度でトルクを変化することにより車輌の要求出力を満た
すように、前記燃焼エンジン(2)の出力に加えて又は
減じて前記モータ・ジェネレータ(5)のトルクを制御
すると共に、前記第3の回転要素(CR)の回転数が所
定回転数になるように前記無段変速機(7)の回転比を
制御するパラレルハイブリット用制御手段を備え(図2
0〜図22参照)、例えば車速の中速及び高速領域にお
いて、前記係合手段(Cd)を前記プラネタリギヤが一
体に回転するように制御すると共に、前記パラレルハイ
ブリット用制御手段により前記燃焼エンジン(2)、前
記モータ・ジェネレータ(5)及び前記無段変速機
(7)を制御してなる。
【0024】前記燃焼エンジン(2)の出力を所定状態
に保持した状態で、前記第3の回転要素(CR)が定速
度でトルクを変化することにより車輌の要求出力を満た
すように、前記燃焼エンジンの出力に加えて又は減じて
前記モータ・ジェネレータ(5)のトルクを制御すると
共に、前記第3の回転要素(CR)の回転数が所定回転
数になるように前記無段変速機(7)の回転比を制御す
るパラレルハイブリット用制御手段を備え、例えば車速
の中速及び高速領域において、前記ブレーキ(Br)に
より前記プラネタリギヤの第1の回転要素(R)を停止
すると共に、前記係合手段(Ci,Cb)により該第1
の回転要素と前記燃焼エンジンの出力軸(2a)との連
結が切断しかつ該燃焼エンジンの出力軸が前記第3の回
転要素(CR)に連結するように制御すると共に、前記
パラレルハイブリット用制御手段により前記燃焼エンジ
ン、前記モータ・ジェネレータ(5)及び前記無段変速
機(7)を制御してなる。
【0025】車輌の平均出力を演算する演算手段(S
1,S15,S30,S37)を備え、前記パワースプ
リットモード用制御手段は、該演算手段により得られた
平均出力になるように前記燃焼エンジン(2)を制御し
てなる。
【0026】前記バッテリの残存量(SOC)を検出す
る残存量検出手段を備え、該残存量検出手段からの出力
信号に基づき、前記バッテリ残存量が適正範囲内にある
場合、前記パラレルハイブリット用制御手段は、前記モ
ータ・ジェネレータを、前記燃焼エンジン出力が車輌出
力より小さい場合、該不足する出力を補うように出力
し、また前記燃焼エンジン出力が車輌出力より大きい場
合、該余剰出力にて発電するように、制御してなる(図
20参照)。
【0027】前記バッテリの残存量を検出する残存量検
出手段を備え、該残存量検出手段からの出力信号に基づ
き、前記バッテリ残存量が低い時には、前記パラレルハ
イブリット用制御手段は、前記モータ・ジェネレータが
発電するように、前記燃焼エンジンの出力を制御してな
る(図21参照)。
【0028】前記バッテリの残存量を検出する残存量検
出手段を備え、該残存量検出手段からの出力信号に基づ
き、前記バッテリ残存量が高い時には、前記パラレルハ
イブリット用制御手段は、前記モータ・ジェネレータが
トルクを出力するように、前記燃焼エンジンの出力を制
御してなる(図22参照)。
【0029】前記係合手段を前記燃焼エンジンの出力軸
(2a)と前記第1の回転要素(R)との連結が切断に
すると共に前記プラネタリギヤが一体回転するように制
御して、前記モータ・ジェネレータにて車輌を駆動する
モータモードと、前記係合手段を前記プラネタリギヤの
第1、第2及び第3の回転要素がそれぞれ回転し得るよ
うに制御して、前記燃焼エンジン(2)及び前記モータ
・ジェネレータ(5)にて車輌を駆動するパワースプリ
ットモードと、前記係合手段を前記エンジンの出力軸
(2a)及び第3の回転要素(CR)が一体に回転する
ように制御して、前記燃焼エンジン及び前記モータ・ジ
ェネレータにて車輌を駆動するパラレルハイブリットモ
ードと、前記係合手段を前記プラネタリギヤの第1の回
転要素(S)と第3の回転要素(CR)とが連結するよ
うに制御して、前記燃焼エンジンにて車輌を駆動するエ
ンジンモードと、を選択し得るモード選択手段を備えて
なる(図18参照)。
【0030】バッテリの残存量を検出する残存量検出手
段を備え、前記残存量検出手段からの出力信号に基づ
き、前記バッテリの残存量に応じて前記選択手段による
各モードの選択領域を変更してなる(図14〜図17参
照)。
【0031】車輌の減速状態を検出する減速状態検出手
段と、該減速状態検出手段からの出力信号に基づき、前
記モータ・ジェネレータ(5)が車輌の慣性エネルギを
電気エネルギに変換して前記バッテリ(3)に貯えるよ
うに制御する回生ブレーキ制御手段(S62,S64,
S65)と、を備えてなる(図14参照)。
【0032】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、本発明の構成を何等限定する
ものではない。
【0033】
【発明の作用及び効果】請求項1に係る本発明による
と、燃焼エンジンを所定状態に保持した状態で、モータ
・ジェネレータを制御すると共に無段変速機を無段階に
制御することにより、車輌要求出力を満たすことができ
る。これにより、車輌要求出力の変更時、無段変速機の
変速制御と相俟ってモータ・ジェネレータにより車輌出
力変動を完全に吸収することができ、燃費を向上すると
共に排ガスをクリーン化することが可能となる。
【0034】例えば、発進時及び低中車速走行時、モー
タ・ジェネレータを定トルクで回転数を変化することに
よりその出力を制御すると共に、無段変速機のトルク比
を制御することにより、車輌要求出力を満たすトルク及
び回転数を出力することができる。これにより、発進時
や低中車速走行時のように駆動力変化が大きい場合で
も、エンジン出力を所定状態に保持した状態で(定常状
態)又は滑らかにゆっくりと変化して(準定常状態)、
車輌要求出力を満たすことができ、従前の車輌加減速時
に生じる燃焼エンジンへの燃料噴射をなくして、燃費性
能及び排ガス性能を向上することができる。
【0035】そして、ブレーキにより第1の回転要素を
係止して、該第1の回転要素によりモータ・ジェネレー
タの駆動反力を支持することにより、該モータ・ジェネ
レータの回転を減速して無段変速機に入力することがで
きる。
【0036】請求項2に係る本発明によると、前後進操
作手段によりブレーキを作動してモータ・ジェネレータ
の回転をプラネタリギヤにて減速・逆回転として出力す
ることができる。
【0037】請求項3に係る本発明によると、比較的小
型なトロイダル式無段変速機を採用することにより、コ
ンパクトに構成できる。
【0038】請求項4に係る本発明によると、実績のあ
るベルト式無段変速機を採用することにより、信頼性を
向上することができる。
【0039】請求項5に係る本発明によると、パワース
プリットモードにおけるプラネタリギヤのギヤ比を適度
な減速状態(例えば1.5)とすることができ、該パワ
ースプリットモードの使用範囲を大きくとることができ
る。
【0040】請求項6に係る本発明によると、パワース
プリットモードにおけるプラネタリギヤのギヤ比を大き
な減速状態(例えば3)とすることができ、発進時に大
きな駆動力を得ることができる。
【0041】請求項7及び8に係る本発明によると、パ
ワースプリットモードにおけるプラネタリギヤのギヤ比
を従来のトルクコンバータのストールトルク比(例えば
2)と同等とすることができる。
【0042】以下、好ましい実施態様の効果を列記す
る。
【0043】車速及びスロットル開度により係合手段を
制御して、プラネタリギヤの各回転要素の連結・固定関
係を変更することが可能となり、各種モードを選択し得
る。
【0044】モータ・ジェネレータのみで車輌を駆動す
るモータモードを現出することができ、低車速、低スロ
ットル時の車輌要求出力が低い場合、わざわざ燃焼エン
ジンを作動効率の低い状態で用いる必要がなく、燃費及
び排ガス性能の一層の向上を図ることができる。
【0045】燃焼エンジンの出力を無段変速機入力部材
に伝達すると共に、モータ・ジェネレータのトルクを該
入力部材に加え又は減じて、パラレルハイブリット車輌
として機能することができる。これにより、モータ・ジ
ェネレータが定速度でトルクを制御すると共に、無段変
速機を車輌要求回転数になるように制御して、燃焼エン
ジンを所定状態に保持できるので、特に中高車速では、
該パラレルハイブリット制御を機能して、燃焼エンジン
を定常状態又は準定常状態に保持することができ、燃費
及び排ガス性能を向上することができる。
【0046】上記パラレルハイブリット制御において、
燃焼エンジンの出力軸と第3の回転要素とを直結するこ
とにより、モータ・ジェネレータからのトルクを増大し
て無段変速機入力部材に伝達することができる。
【0047】モータ・ジェネレータを、充電方向及び放
電方向の両方にて用いる(ロードレベリング)ので、モ
ータ・ジェネレータは、車輌要求出力と燃焼エンジン出
力との差を補うべく作用して、燃焼エンジンを定常状態
又は準定常状態に保って、燃費を向上することができ
る。
【0048】バッテリ残存量が低い場合、燃焼エンジン
は、モータ・ジェネレータで発電しつつ車輌要求出力を
満たすので(発電走行)、バッテリの充電不足による不
具合の発生を防止することができる。
【0049】バッテリ残存量が高い場合、モータ・ジェ
ネレータは、モータとしてエンジン出力をアシストする
ように機能するので、バッテリが過充電されることはな
く、バッテリの寿命を延ばすと共に、燃費を向上するこ
とができる。
【0050】車速及びスロットル開度により係合手段を
適宜切換えて、モータモード、パワースプリットモー
ド、パラレルハイブリットモード及びエンジンモードの
各モードに選択することができる。これにより、車輌の
走行状態に応じて最適のモードを選択して、一層の燃費
及び排ガス性能を向上することができる。例えば、低車
速及び低スロットルでは、燃焼エンジンの作動効率が低
いので、モータモードにて燃費及び排ガス性能を向上
し、また低車速でスロットル開度が高い場合、パワース
プリットモードとして、発進時や低中車速時の車輌出力
要求に対応し、また中高車速にあっては、パラレルハイ
ブリットモードとして、アクセル操作による加減速をモ
ータ・ジェネレータにて変更・吸収して加減速に伴う燃
料消費を抑え、更に車速が高い場合は、燃焼エンジンの
作動効率が高いので、エンジンモードとして、モータ・
ジェネレータの関与による効率低下をなくすことができ
る。
【0051】バッテリ残存量に応じて各モードの選択領
域を変更するので、常に適正なバッテリ残存量を保持す
ることができる。例えば、バッテリ残存量が高い場合
は、モータモードを大きくとって燃費を向上することが
でき、またバッテリ残存量が低い場合は、モータモード
を小さくして、バッテリの充電不足を防止する。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って本発明による
実施の形態について説明する。
【0053】まず、図1に沿って、本車輌用駆動装置の
原理について説明する。車輌用駆動装置1は、図1(a)
に示すように、燃焼エンジン2(具体的にはガソリンエ
ンジン等の内燃エンジン)と、バッテリ3からの電気エ
ネルギを機械エネルギに変換して出力すると共に機械エ
ネルギを電気エネルギに変換してバッテリ3に貯えるモ
ータ・ジェネレータ5と、プラネタリギヤ6と、無段変
速機7(以下CVTという)と、を備え、エンジン2の
出力軸2aがプラネタリギヤ6のリングギヤRに連結
し、モータ・ジェネレータ5のロータ5aがリングギヤ
Rの反力関係となるサンギヤSに連結し、無段変速機7
の入力軸7aがピニオンPを支持するキャリヤCRに連
結し、そして該無段変速機の出力軸7bが車輪に連結し
ている。なお、前記エンジン2、モータ・ジェネレータ
5及びプラネタリギヤ6にてスプリット発進装置(ドラ
イブ部)9を構成している。
【0054】該スプリット発進装置9の一例を図2に示
すと、前記プラネタリギヤ6のリングギヤRとサンギヤ
Sとを連結する直結クラッチCdを有しており、かつリ
ングギヤRとサンギヤSとのギヤ比i(=N/N
が1.5に設定されている。そして、図2(b) に示すよ
うに、エンジン出力軸2aが回転数Ne(arpm)、
トルクTe(a′kg・m)で出力している状態で車輌が
停止している場合(発進直前状態)、図2(c) の速度線
図に示すように、エンジン出力軸に連結しているリング
ギヤRは、A位置にあってa(rpm)であり、CVT
入力軸であるスプリット部出力部に連結しているキャリ
ヤCRの回転は0であり、従ってモータ・ジェネレータ
5に連結しているサンギヤSは、−2a(rpm)にあ
って、モータ・ジェネレータ5を例えば30KWで充電
している。
【0055】この状態でから、モータ・ジェネレータ5
を制御してバッテリに取出すエネルギを減じると、サン
ギヤSの回転が零に近づき、出力部に連結しているキャ
リヤCRの回転が徐々に増加し、更にサンギヤSの回転
が零を越えて、即ちモータ・ジェネレータ5を電気モー
タとして機能してトルクを出力して(放電)、キャリヤ
CRの回転を増加する。これにより、車輌は、流体伝動
装置等の発進装置がなくとも、零速度から滑らかに発進
する。なお、出力部であるキャリヤCRの回転が、エン
ジン出力軸に連結しているリングギヤRと(回転速度A
(arpm))同じになると、直結クラッチCdが係合
し、モータ・ジェネレータ5の出力トルクを制御しつ
つ、エンジン出力回転数と一体に出力部を回転するパラ
レルハイブリットモード(後述)となる(A→B)。
【0056】そして、上述した発進時(及び低速走行
時)には、エンジン出力即ち回転数Ne及びトルクTe
は一定に保持され、モータ・ジェネレータ5の発電量が
減じられまたモータ出力によりアシストされて、スプリ
ット部の出力部であるCVT7の入力軸7aが徐々に増
速する。この際、モータ・ジェネレータ5は、エンジン
出力に加えて(放電)又は減じて(充電)出力し、これ
によりスプリット部の出力は、図1(c) に示すようにト
ルク(入力軸7aのトルク)Tinが一定でありかつ回
転数Ninが変化する。更に、CVT7は、前記モータ
・ジェネレータ5により所定回転数に設定されたスプリ
ット出力部(入力軸7a)の回転をその出力軸7bが要
求回転数になるように増速側に変速され、この際変速に
伴い伝達トルクが変化する。
【0057】従って、図1(d) に示すように、エンジン
出力を一定状態に保持したままで、CVT7の出力軸7
bを目標回転数Nvにするには、出力回転数が該目標値
になるようにCVT7を変速制御すると共に、該CVT
の変速制御に伴うトルク変動を吸収しかつエンジン出力
の車輌要求出力に対する余剰又は不足を補うようにモー
タ・ジェネレータ5の出力を制御する。即ち、図1(d)
において、CVTの変速制御は、ギヤ比変化に伴いトル
クも変化するため、曲線Eに示すようになり、またモー
タ・ジェネレータ制御により入力軸7aは、水平線Gに
示すようにトルクが一定のままで回転数のみが変化し、
これら両方を制御することにより、垂直線Fに示すよう
に、所定目標回転数Nvを維持しつつ、そのトルクをC
VT及びモータ・ジェネレータの制御範囲内にて任意に
設定し得る。即ち、エンジン出力及びCVT出力(トル
クTe及び回転数Ne)を一定に保持した状態で、モー
タ・ジェネレータ5の出力(トルク一定)及びCVT7
のトルク比を制御することにより、CVT7の出力を所
定範囲にて任意に変更し得る。
【0058】従って、エンジン出力が、図1(b) に示す
C位置(回転数1500rpm、トルク10kg・m)に
ある場合、スプリット部の出力7aは、図1(c) に示す
C位置(15kg・m)トルク線上の一定値にあり、そし
てモータ・ジェネレータ及びCVTを制御することによ
りCVT出力を、図1(d) のC点時作動領域の任意の位
置に設定し得、同様にエンジン出力が、図1(b) に示す
D位置(回転数1000rpm、トルク5kg・m)にあ
る場合、CVT出力を、D点時作動領域の任意の位置に
設定し得る。これにより、エンジン出力を定常状態に保
持したまま、所定範囲でCVTの出力(回転数及びトル
ク)を任意に設定することができ、またモータ・ジェネ
レータ5の出力を徐々に変更すると同時に、該モータ出
力を補うべくエンジン出力を制御して、エンジン出力
を、図1(b) に示す最良燃費曲線に沿って滑らかにかつ
ゆっくりと制御する(準定常状態)ことができる。
【0059】ついで、本発明の実施の形態について説明
する。図3は、制御ブロック図であり、2は燃焼エンジ
ン、6はプラネタリギヤ、5はモータ・ジェネレータ、
7はCVT、10はディファレンシャル装置、11は駆
動車輪である。そして、12はエンジンコントロール装
置、13はインバータ、14はシステムリレー、3はバ
ッテリであり、15はCVTコントロール装置である。
更に、16は車輌制御装置(ECU)であって、エンジ
ン制御部17、モータ・ジェネレータ制御部19、CV
T制御部20、ブレーキ制御部21を有しており、エン
ジン出力回転数(速度)、CVT入力回転数(速度)、
CVT出力回転数(速度)、モータ・ジェネレータのロ
ータ回転数(速度)、バッテリ残量、バッテリ温度及び
タイヤ回転数(速度)等が入力されていると共に、各コ
ントロール装置に制御信号を出力する。また、22は、
ブレーキ油圧コントロール装置(回生ブレーキ制御部)
であり、前記車輌制御装置から制御信号(ブレーキ圧コ
ントロール)を受けて、各ブレーキ(全輪各輪)を作動
する。なお、CVT出力回転数を検出するセンサ23は
車速センサを構成し、またエンジンをコントロールする
アクセルの開度を検出するセンサ24はスロットルセン
サを構成し、またアクセルペダルのオフ即ちパワーオフ
を検出するセンサは減速状態検出手段を構成し、更にバ
ッテリ充電量を検出するセンサ27はバッテリ残存量検
出手段を構成している。なお実際にはバッテリは直接残
存量を検出するものではなく、電圧、電流及び温度等に
基づき制御部にて演算して求める。
【0060】ついで、本実施の形態の構成部分、即ちス
プリットドライブ部9及びCVT7の構造について説明
する。
【0061】図4に示すものは、CVT7が2個並列に
連結したトロイダル式CVT25,26からなり また
プラネタリギヤ6を操作する係合手段が、エンジン2と
リングギヤRとの間に介在する入力クラッチCi、リン
グギヤRとサンギヤSとを連結し得る直結クラッチCd
及びリングギヤRを固定し得るリバースブレーキBrを
有する。更に、スプリット部出力軸9aとCVT入力軸
7aとの間には、円板と入出力回転部材との圧接力を確
保する押圧カム27が設けられており、また2個のトロ
イダル式CVT25,26は、それぞれ入力回転部材2
5a,26aが入力軸7aに固定され、また出力回転部
材25b,26bが一体に連結されると共にギヤ列29
を介して出力軸7bに連結しており、かつ円板25c,
26cが同じ角度にて回動し得るように連結されてい
る。
【0062】図5は、CVT7がベルト式CVTからな
るものを示すものであって、該ベルト式CVTは、プラ
イマリプーリ30、セカンダリプーリ31及び両プーリ
に巻掛けられた金属等からなるベルト32からなり、両
プーリの可動シーブ30a,31aを軸方向に動かすこ
とによりベルト有効径が変化して変速し、かつプライマ
リプーリ30が入力軸7aに、セカンダリプーリ31が
出力軸7bに連結している。なお、スプリットドライブ
部9は、先の実施例と同様である。
【0063】そして、上記図4及び図5に示す各係合手
段は、図6に示す作動表の通り作動する。パワースプリ
ットモードは、スプリットドライブ部9を機能して、前
述した発進時及び低中速時に機能するモードであって、
入力クラッチCiが係合して、エンジン2の出力は、該
クラッチCiを介してリングギヤRに伝達され、またモ
ータ・ジェネレータ5のロータ5aはサンギヤSに連結
して、エンジン出力の一部を充電し又はモータとして出
力し、そしてその合成力がキャリヤCRからCVT入力
軸7aに出力する。
【0064】また、パラレルハイブリットモードは、中
高速域にて機能し、入力クラッチCi及び直結クラッチ
Cdが係合する。この状態では、プラネタリギヤ6は一
体に回転し、エンジン2の出力は、そのままCVT入力
軸7aに出力すると共に、モータ・ジェネレータ5も入
力軸7aに連結して、該エンジン出力をアシストして又
はその出力の一部により充電する。
【0065】モータモードは、アクセル開度が低くかつ
回転数が低い馬力状態、例えば渋滞時等のエンジンを使
う必要がない場合、モータ・ジェネレータ5をモータと
して使用して車輌を駆動する。この状態では、入力クラ
ッチCiが切断されてエンジンとCVT入力軸7aの関
係が断たれると共に、直結クラッチCdが接続して、モ
ータロータ5aの回転が直接入力軸7aに出力する。
【0066】また、エンジンモードは、高速巡航時に機
能するものであって、モータ・ジェネレータを関与する
ことなく、エンジン出力のみで車輌を駆動する。この状
態では、入力クラッチCi及び直結クラッチCdが接続
して、エンジン出力が直接CVT入力軸7aに出力す
る。この際、モータ・ジェネレータ5は、磁界回路をオ
フしてロータ5aは空転する。
【0067】回生ブレーキモードは、後述するように色
々なパターンがあるが、一例として上述ハイブリットモ
ードと同様に入力クラッチCi及び直結クラッチCdを
接続して、プラネタリギヤは直結状態にあり、CVT入
力軸7aに作用する車輌慣性エネルギをモータ・ジェネ
レータ5により電気エネルギに変換してバッテリに貯え
る。なお、該回生ブレーキモードは、直結クラッチCd
を切断した状態でも可能である。
【0068】また、リバースモード、即ち車輌を後進す
るには、入力クラッチCi及び直結クラッチCdを切断
すると共に、リバースブレーキBrを係合する。この状
態では、モータ・ジェネレータ5をモータとして機能
し、該モータ出力は、サンギヤSから、停止状態にある
リングギヤRによりキャリヤCRに逆転として取出さ
れ、CVT入力軸7aに出力する。この際、エンジン2
はアイドリング状態に保持される。
【0069】ついで、図7に沿って、一部変更したスプ
リットドライブ部を説明する。該スプリットドライブ部
9は、基本的には、図4、図5で示す先の実施例と同じ
であるが、エンジン出力軸2aとCVT入力軸7aとの
間にバイパス入力クラッチCbを介在している。本実施
例では、図8の作動表に示すように各係合手段が作動す
る。即ち、パワースプリットモード、モータモード、回
生ブレーキモード及びリバースモードにあっては、バイ
パス入力クラッチCbが切断状態にあって先の実施例と
同じである。パラレルハイブリットモードにあっては、
入力クラッチCi及び直結クラッチCdが切断されると
共に、バイパス入力クラッチCb及びリバースブレーキ
Brが係合する。この状態では、エンジン出力軸2aの
出力は、バイパス入力クラッチCbを介して直接CVT
入力軸7aに伝達され、またモータ・ジェネレータ5の
出力は、サンギヤSから停止状態にあるリングギヤRに
より減速されてキャリヤCRに伝達されて入力軸7aに
出力する。従って、車輌側要求の加減速に対して、モー
タ・ジェネレータ5の小さい小トルクで(即ち低電流
で)ロードレベリング(後述)が可能である。また、エ
ンジンモードにあっては、エンジン出力をバイパス入力
クラッチCbにより直接入力軸7aに出力し、この際プ
ラネタリギヤを自由回転状態としてモータ・ジェネレー
タの機能を停止し得る。なお、クラッチCb,Ci,C
dをすべて接続して、先の実施例と同様にしてもよい。
【0070】ついで、図9ないし図10に沿って、更に
変更したスプリットドライブ部について説明する。
【0071】図9は、エンジン出力軸2aをサンギヤS
に連結し、モータロータ5aをリングギヤRに連結した
ものである。該実施例では、パワースプリットモードに
おいて、前進状態のギヤ比iF=[(1+λ)/λ;λ
=サンギヤ歯数/リングギヤ歯数]を大きくとれ、エン
ジン出力回転数を大きく減速して(約1/3)CVT入
力軸7aに伝達され、大きな発進駆動力を得ることがで
きる。図10は、上記図9においてバイパス入力クラッ
チCbを設けたものである。従って、パラレルハイブリ
ットモードにおいて、エンジントルクに対しモータトル
クを(1+λ)倍で加減できる。
【0072】図11に示すものは、ダブルピニオンプラ
ネタリギヤ6を用いるものであって、ピニオンP,P
を支持するキャリヤCRをエンジン出力軸2aに連結
し、サンギヤSをモータロータ5aに連結し、リングギ
ヤRをCVT入力軸7aに連結する。該実施例では、パ
ワースプリットモードにおける前進状態のギヤ比iF
[=1/(1−λ)]及びリバースモードのギヤ比ir
(=1/λ)が、前記ギヤ比λ(サンギヤ歯数/リング
ギヤ歯数)を0.5とすると2となり、これは、トルク
コンバータを用いる一般の自動変速機搭載車輌と略々同
じストールトルク比にすることができる。また、エンジ
ン出力がキャリヤCRに入力されるため、後述するサン
ギヤ入力に比して、ギヤ歯部にかかる応力が小さくな
り、耐久性上有利となっている。
【0073】図12に示すものは、同様にダブルピニオ
ンプラネタリギヤ6を用いるものであるが、そのサンギ
ヤSをエンジン出力軸2aに、キャリヤCRをモータロ
ータ5aに、リングギヤRをCVT入力軸7aにそれぞ
れ連結したものである。本実施例においても、同様にパ
ワースプリットモードのトルク比が約2となってトルク
コンバータのストールトルク比と略々同じとなり、また
同様にリバースモードにおいても略々同じトルク比とな
る。
【0074】なお、図9ないし図12において、入力ク
ラッチCi、直結クラッチCd、バイパス入力クラッチ
Cb及びリバースブレーキBrは前述したものと同様に
作動し、また図11及び図12のものは、点線で示すバ
イパスクラッチCbを介在してもよい。
【0075】ついで、上述したスプリットドライブ部
(発進装置)及びCVTからなる駆動装置の制御につい
て説明する。図13は、その走行モードの一覧表であっ
て、走行モードは、パワーON、即ち動力源から車輪に
動力が伝達されて前方向に車輌を走行する走行駆動状態
と、パワーOFF、即ち上記動力伝達が断たれて慣性に
て車輌が走行する状態と、動力源からの動力を逆転して
後進方向に車輌を走行するリバースモードと、がある。
更に、パワーONモードは、モータ・ジェネレータのみ
で駆動するモータモードと、前記スプリットドライブ部
を機能してエンジンとモータとで駆動するパワースプリ
ットモードと、前記スプリットドライブ部の機能を停止
してエンジンとモータとで駆動するパラレルハイブリッ
トモード(PHモード)と、エンジンからの動力のみで
駆動するエンジンモードと、がある。
【0076】更に、パワースプリットモードは、モータ
・ジェネレータをモータとして機能する放電まである場
合と(M/G駆動あり)、ジェネレータとしてのみ機能
する場合(M/G駆動なし)があり、またパラレルハイ
ブリットモードは、モータ・ジェネレータの充電(ジェ
ネレータとして機能)及び放電(モータとして機能)の
両方を行うロードレベリングと、充電のみを行う発電走
行と、モータとしてのみ機能するトルクアシストとがあ
る。
【0077】また、パワーOFFモードは、コースト
時、通常ではエンジンブレーキとなる車輌慣性力を回生
ブレーキとして回収するエンジンブレーキ相当回生ブレ
ーキと、フートブレーキによる摩擦熱をも回生ブレーキ
として回収する回生ブレーキと、があり、更にエンジン
ブレーキ相当回生ブレーキは、直結クラッチCdをOF
Fしたパワースプリット状態で行う場合と、該クラッチ
をONしたパラレルハイブリット状態で行う場合があ
る。また、走行パターンは、バッテリの充電状態が適正
である場合の通常パターンと、バッテリの充電状態が低
い状態の低SOCパターンと、充電状態が高い状態の高
SOCパターンとがある。
【0078】図14は、上述した各走行モード及び走行
モードパターンのメインルーチンを示すフローチャート
であり、図中、SOC(state of charg
e)はバッテリの充電状態を示し、SOC1,SOC2
はそれぞれ予め定められているバッテリの充電規定値で
ある。また、VSは車速であり、VSSは停車から微速
までの停止同然の車速であり、BSはフートブレーキペ
ダルの踏圧状態を検知するブレーキスイッチであり、ま
たCdは前述した直結クラッチである。
【0079】ここで、通常パターンは、バッテリ充電が
適正状態(SOC余裕時;60〜85%)にある場合で
あって、図15に示すパターンからなる。なお、実線及
び破線は矢印移行方向の切換え線を示す(以下同様)。
また、低SOCパターンは、バッテリ充電が低い状態
(60%以下)にある場合であって、図16に示すパタ
ーンからなり、バッテリを充電することが最優先され
る。更に、高SOCパターンは、バッテリ充電が充分な
状態(85%以上)にある場合であって、図17に示す
パターンからなり、モータ・ジェネレータは専らモータ
として機能する。なお、車速VSは、VS4<VS1<
VS8、及びVS7<VS2の関係にあり、アクセル開
度ACCは、ACC2<ACC1<ACC3の関係にあ
る。また、上記バッテリの充電状態は、バッテリ残存量
センサ(図示せず)からの信号により判断され、また各
パターンのアクセル開度はスロットルセンサ(図3の2
4)により、また車速は車速センサ(図3の23)によ
り、それぞれ検出される。
【0080】図18は、前述した走行モードに係る処理
ルーチンを示し、モータモード、パワースプリットモー
ド、パラレルハイブリットモード及びエンジンモードの
各モードは、アクセル開度(ACC)及び車速(VS)
に基づき、前述した各パターンに従って選定され、前述
した図6の作動表に示す入力クラッチCi、直結クラッ
チCd及びリバースブレーキBrの各作動により設定さ
れる。モータモードは、入力クラッチCiがOFFされ
てエンジンとの関係が断たれ、かつ直結クラッチCdが
ONされて、モータ(ジェネレータ)のロータの回転が
直接CVT入力軸に伝達される。そして、車輌の要求出
力(PRv)が演算され、該要求出力に合致するように
モータ出力が設定されると共にCVTのギヤ(回転)比
が演算され、これによりモータの最良効率曲線に沿うよ
うに、モータ出力制御及びCVTのギヤ比制御が行なわ
れる。
【0081】また、パワースプリットモード及びパラレ
ルハイブリットモードは、後述する各モード処理がそれ
ぞれ行なわれる。また、エンジンモードは、入力クラッ
チCi及び直結クラッチCdが共にONにあって、エン
ジン出力軸がCVT入力軸に直結する。そして、該エン
ジンモードにあっても、前記モータモードと同様に、車
輌要求出力(PRv)が演算され、これと合うようにエ
ンジン出力が設定されると共にCVTのギヤ比が演算さ
れ、これによりエンジンの最良燃費曲線に沿うように、
エンジン出力制御及びCVTのギヤ比制御が行なわれ
る。
【0082】図19は、図18のパワースプリットモー
ド処理を示すサブルーチンであり、該パワースプリット
モードは、車輌の発進時及び低〜中車速走行時(例えば
0〜60km/h)に機能し、前述したように、入力ク
ラッチCiがONすると共に、直結クラッチCd及びリ
バースブレーキBrがOFFして、プラネタリギヤ6が
機能する。まず、ステップS1に示すように、車輌平均
出力(PMv)を演算するが、これは、例えば車輌の瞬
間要求出力を所定サンプリング周期(例えば30秒毎)
毎の区間平均をとる区間平均法、又はサンプル毎に、現
在から過去N個の瞬間要求出力のデータを平均する移動
平均法等により行う。ついで、該車輌の平均出力(PM
v)に合致するようにエンジン出力(Pe)を設定し
(S2)、これにより、エンジン出力は、上記平均化に
基づくゆっくりとした変動により最良燃費曲線に沿って
制御され、そして上記エンジン出力からエンジン運転ポ
イント即ちエンジントルク(Te)及びエンジン回転数
(Ne)を決定する(S3)。更に、アクセル開度及び
車速から駆動力マップに基づき、現在の車輌の要求出力
(PRv)及び車輌要求回転数(NRv)を決定する
(S4)。なお、上記車輌の平均出力をエンジン出力
(Pe=PMv)とすることにより、モータ・ジェネレ
ータにより補う出力(放電)及び発電量(充電)が走行
全体において±0に近くなる。
【0083】これに基づき、前記エンジン出力(Pe)
と車輌要求出力(PRv)との差からモータ・ジェネレ
ータの出力が演算されると共にCVTのギヤ(回転)比
が演算される(S5)。即ち、Tをトルク、Nを回転
数、添字mをモータ(ジェネレータ)、eをエンジン、
cをCVT入力、Rvを車輌要求値、RcvtをCVT
ギヤ比、λをプラネタリギヤのサンギヤSとリングギヤ
Rの歯数比(Z/Z)とすると、Tm=λTe,T
m+Te=Tc,TRv=Rcvt×Tc,Nc=Rc
vt×NRv,Nm=(1+λ/λ)Nc−(1/λ)
Neとなる。つまり、エンジンをステップS1に示す車
輌平均出力値に一致すべく所定出力状態(Ne及びTe
一定)に保持した状態で、該エンジンの出力トルクTe
からプラネタリギヤの歯数比λに基づきモータトルクT
mが算定され、かつ該モータトルクTmと前記エンジン
トルクTeとから、CVTの入力トルクTc(=スプリ
ットドライブ部の出力トルク)が算定され、そして車輌
の要求トルク及び回転数(車速)になるように、CVT
のトルク比Rcvt及びモータの出力回転数Nmが算定
される。
【0084】これをまとめれば、Te=const,T
m=constであって、CVT出力トルク(Tou
t)は、Tout=(Te±Tm)×Rcvtとなり、
またNe=const,Nm=variableであっ
て、CVT出力回転数(Nout)は、Nout=(N
e+λNm)/Rcvt(1+λ)となる。
【0085】更に、上記モータトルクTm及びモータ回
転数Nmがモータ・ジェネレータ5の出力範囲内かが判
断され(S6)、範囲内の場合は、上記ステップS3、
S5に基づく演算値になるように、エンジン2及びモー
タ・ジェネレータ5の出力並びにCVTのギヤ(トル
ク)比が制御される(S7)。この際、図15及び図1
7に示すようにバッテリ充電状態に余裕のある場合は、
モータ・ジェネレータ5は、モータとして機能する放電
範囲及びジェネレータとして機能する充電範囲の両方を
カバーし(+PmMAX〜PmMAX;M/G駆動あ
り)、図16に示すようにバッテリ充電状態に余裕のな
い場合、モータ・ジェネレータ5は、ジェネレータとし
て機能する充電範囲のみ(0〜〜PmMAX;M/G駆
動なし)をカバーする。
【0086】そして、ステップS6でモータ出力範囲外
と判断した場合、過不足分(=Tm・Nm−PmMA
X)が演算され(S8)、該過不足分を補うようにエン
ジン出力Peが新たに設定され(S9)、更にこれに基
づきエンジン運転ポイント(Te,Ne)が決定され
(S10)、そしてモータ出力、CVTのギヤ比が演算
される(S11)。即ち、Tm=TmMAX,Nm=N
e,Rcvt=Ne/NRvとなる。
【0087】該パワースプリットモードを具体的に述べ
ると、発進時又は低中車速走行時の加速時、エンジン出
力Peは、平均車輌要求出力等により所定値(Te=一
定,Ne=一定)に保持される。この状態で、モータ・
ジェネレータの発電量を減じて更にはモータとしてエン
ジン出力をアシストすることにより、CVTの入力回転
数(=スプリットドライブ部出力回転;キャリヤ回転)
を調整する。この際、CVTの入力トルクは常に一定で
ある[Tc=Tm+Te=λTe+Te=Te(λ+
1)。λ=0.5とすると、Tc=1.5Te]。そし
て、CVTのギヤ比が所定範囲(例えば0.4〜2.
3)にて無段階に調整することが可能であるので、CV
Tの入力回転Ncが車輌要求回転数NRvになるよう
に、CVTのギヤ比Rcvtを調整すると同時に、該ギ
ヤ比の調整によりCVTの出力トルクも変動するので、
モータの回転数Nmを調整する。これにより、モータを
一定トルク状態で回転数を調整すると同時に、CVTの
ギヤ(トルク)比を調整することにより、エンジン出力
を所定状態に保持したままで、車輌要求出力値(TR
v,NRv)を満たすことができる。
【0088】そして、発進及び所定加速が達成して定常
走行状態になると、エンジン出力トルク(回転数一定)
を、該定常走行状態における車輌要求出力に合致するよ
うに徐々に上げると共に、これに見合った分のモータに
よるアシストトルクを徐々に減じて行く。これにより、
エンジン出力は、最良燃費曲線の所定点に所定時間保持
しつつ、ゆっくりと変化することができ(準定常状
態)、燃費及び排ガス性能を向上し得る。また、所定走
行状態から減速する場合は、モータ・ジェネレータがジ
ェネレータとして機能し、バッテリを充電しながら、上
述と同様なエンジンの出力制御を行うことができる。
【0089】ついで、図20〜図22に沿って、図18
におけるパラレルハイブリットモード処理のサブルーチ
ンについて説明する。該パラレルハイブリットモード
は、中〜高車速走行状態(例えば60〜180km/
h)で機能し、エンジン出力軸とCVT入力軸が直結
し、これにモータ・ジェネレータのトルクが加減され
る。まず、該サブルーチンにおけるロードレベリングモ
ードについて、即ち図15に示すバッテリ充電が適正に
ある場合の制御について図20に沿って説明する。ま
ず、前記パワースプリットモードと同様に車輌平均出力
PMvが演算され(S15)。更にエンジン出力Peが
該車輌平均出力に一致するように設定され(S16)、
そしてエンジン運転ポイント(Te,Ne)が決定され
る(S17)。この際、エンジン運転ポイント(Te,
Ne)は、車輌平均出力に基づきゆっくりとかつ最良燃
費曲線に沿って制御される(準定常状態)。一方、アク
セル開度及び車速から駆動力アップにより、車輌要求出
力PRv(TRv,NRv)が演算され、これにより、
CVTギヤ比(Rcvt)が、Rcvt=Ne/NRv
に基づき演算される(S19)。
【0090】更に、モータ(ジェネレータ)出力トルク
Tmが演算される(S20)。即ち、モータトルク(T
m)は、Tm=TRv−Teにて算定され、回転数Nm
は、エンジン回転数Neと同じであるため、モータ出力
(Pm)は、Pm=Tm×Neとなる。つまり、エンジ
ン出力を前記車輌平均出力に依存して所定状態に保持し
た状態で、CVTがエンジン回転数を車輌要求回転数に
変速するように回転(ギヤ)比を制御すると共にモータ
・ジェネレータは、該エンジン回転数に規定された定速
度でトルクを加減することにより、CVTの回転比によ
るトルク変化を吸収して車輌要求トルクになるように制
御される。
【0091】これをまとめれば、Te=const,T
m=variableであって、CVT出力トルク(T
out)は、Tout=(Te±Tm)×Rcvtとな
り、またNe(=Nm)=constであって、CVT
出力回転数(Nout)はNout=Ne/Rcvtと
なる。
【0092】ついで、モータトルクTmがモータ出力範
囲内にあるか否かが判断され(S21)、出力範囲内に
ある場合、前記ステップS19及びS20に基づく演算
値により、エンジン及びモータ・ジェネレータ出力並び
にCVTギヤ比が制御される(S22)。この際、該ロ
ードレベリングにあっては、モータトルクは、出力方向
即ちモータとして機能してエンジンをアシストする放電
域と、入力方向即ちジェネレータとして機能してバッテ
リを充電する充電域の両方をカバーする。
【0093】また、モータ出力範囲外である場合、過不
足分(=Tm×Ne−PmMAX)が算出され(S2
3)、該過不足分を補うようにエンジン出力Peが新た
に設定され(S24)、更にエンジン運転ポイント(T
e,Ne)が決定され(S25)、そしてモータ出力及
びCVTギヤ比が演算される(S26)。即ち、Tm=
TmMAX,Nm=Ne,Rcvt=Ne/NRvとな
る。
【0094】具体的には、例えば車速をvからv
加速する場合、エンジンを一定トルク及び一定回転にし
たままでCVTをvからvにアップシフトする。す
ると、トルクは小さくなってしまうため、それを補うよ
うに同時にモータ(ジェネレータ)がトルクを出力す
る。そして、車速がvになって定常状態になると、前
記モータ出力のアシストを徐々に減らすと共に、エンジ
ン出力を徐々に上げる。そして、該エンジンの出力制御
は、上述したようにモータにてアシストされるため、C
VT最高効率曲線上をゆるやかに動かすことができると
共に、エンジン出力を車速及びスロットル開度に応じて
最適設定ポイントを選び、該設定されたエンジントルク
及び回転数を所定時間一定に保ちつつ、滑らかにかつ徐
々に変化する(準定常状態)。これにより、燃費を向上
すると共に排ガス性能を向上する。なお、車輌を減速す
る場合は、モータ・ジェネレータで、余剰なエンジン出
力をバッテリに充電しつつ、エンジンを上記準定常状態
に保持する。
【0095】ついで、図21に沿って、前記パラレルハ
イブリットモードにおける発電走行モード、即ち図16
に示すようにバッテリ充電量に余裕がない場合、発電し
ながら走行するモードについて説明する。まず、前述と
同様に、平均法等により車輌要求出力PRvが演算され
(S30)、そしてバッテリ充電状態SOCと発電量P
gとのグラフから発電量Pgが演算される(S31)。
そして、上記車輌要求出力PRvとモータ・ジェネレー
タによる発電量Pgとの和からエンジン出力Pe(=P
Rv+Pg)が演算され(S32)、更にこれに基づ
き、エンジン運転ポイント(Te,Ne)が決定される
(S3)。そして、前述と同様にCVTギヤ比が演算さ
れ(S34)、これによりエンジン出力及び(モータ)
ジェネレータ出力並びにCVTのギヤ比が制御される
(S35)。
【0096】図22は、前記パラレルハイブリットモー
ドにおけるトルクアシストモード、即ち図17に示すよ
うにバッテリ充電量が充分な場合、モータ・ジェネレー
タをモータとしてのみ機能してエンジンをアシストしつ
つ走行するモードを示すサブルーチンである。本サブル
ーチンにおいても、ステップS37〜S42は、図20
に示すロードレベリングのステップS15〜S20と同
様であるので、説明を省略する。そして、ステップS4
3において、ステップS42で演算されたモータトルク
Tmが0以上、即ちモータとしてエンジン出力をアシス
トするように機能する場合、これら演算値Pe,Tm,
Tcvtに基づきエンジン及びモータ出力並びにCVT
ギヤ比が制御される(S46)。またTm<0の場合、
モータトルクTmがモータ出力範囲内か判断される(S
45)。この際、ステップS43と合せて、モータ出力
範囲は、機械エネルギとして出力する側(放電側)のみ
であって、所定トルク及び回転数の範囲内にある。該モ
ータ出力範囲内にある場合、同様に所定値に基づきエン
ジン及びモータ出力並びにCVTギヤ比が制御される
(S46)。また、演算されたモータ出力Tmがマイナ
ス即ち充電として作用するか、又は過大であって、モー
タ出力範囲が不足する場合、過不足分(=Tm×NE−
PmMAX)を演算し(S47)、該過不足分を前記平
均車輌要求に基づくエンジン出力Peにプラスして新た
なエンジン出力Peを演算し(S48)、そしてこれに
よりエンジン運転ポイント決定する共に(S49)、モ
ータ出力(Tm=0又はTm=TmMAX,Nm=N
e)及びCVTギヤ比(Rcvt=Ne/NRv)を演
算する(S50)。
【0097】図23は、リバースモード(図14)を示
すサブルーチンであって、入力クラッチCi及び直結ク
ラッチCdがOFF状態のままで、リバースブレーキB
rが係合される(S51)、これにより、CVT入力軸
7aはエンジン出力軸2aとの関係が断たれ、モータ・
ジェネレータ5のロータ5aの回転は、リバースブレー
キBrの係合によるリングギヤRの固定により、サンギ
ヤSからキャリヤCRに減速・逆回転として伝達されて
CVT入力軸7aに出力される。そして車輌駆動状態で
あると(S52)、アクセル開度ACC及び車速VSが
読込まれ(S53)、更にこれにより車輌要求出力(P
Rv)が演算される。そして、該車輌要求出力に合せる
ようにモータ出力(Pm=PRv)が設定され、またC
VTは所定低速状態(ギヤ比Lo)に設定される。この
状態で、前記モータ出力値になるようにモータ制御が行
なわれる(S57)。
【0098】ついで、図14のメインフローにおける回
生ブレーキ制御について説明する。まず、前進コースト
状態にあってかつ車速が所定微速以上で走行している場
合において(VS≧VSS;S60)、ブレーキペダル
を踏圧してブレーキスイッチBSをONすると(S6
1)、回生ブレーキ制御が行なわれる(S62)。該回
生ブレーキ制御は、ブレーキペダルの変位量を検出する
ことにより、ブレーキ作動必要量を判断し、かつバッテ
リ充電状態SOCに応じて回生量を制御する。即ち、車
輌総制動力は、モータ・ジェネレータ5による回生ブレ
ーキ力と油圧ブレーキ力の和となるが、この際、CVT
のギヤ比は、最大回生効率、ビジーシフトの防止及び再
加速時のレスポンスを考慮して設定される。また、入力
クラッチCiをOFFすると共に直結クラッチCdをO
Nして、エンジンをアイドリング状態にしてモータ・ジ
ェネレータにより回生制動してもよく、また入力クラッ
チCiをONすると共に直結クラッチCdをONして、
エンジンブレーキを併用しつつジェネレータにより回生
制動してもよい。
【0099】また、ステップS61にて、ブレーキスイ
ッチBSがOFFの場合、エンジンブレーキ制御(S6
4,S65)が行なわれる。この際、直結クラッチCd
のON・OFF状態により(S63)、スプリットドラ
イブ状態及び直結状態でエンジンブレーキ制御が行なわ
れる。直結エンジンブレーキ制御(S64)は、入力ク
ラッチCiをOFFすると共に直結クラッチCdをON
して、エンジンをアイドリング状態にして、従前のエン
ジンブレーキをすべてジェネレータ5による回生発電と
するようにしても、また入力クラッチCiをONすると
共に直結クラッチCdをONして、エンジンブレーキを
作動しつつジェネレータによる回生発電を行うようにし
てもよい。また、スプリットエンジンブレーキ制御(S
65)は、入力クラッチCi及び直結クラッチCdが共
にOFF状態にあって、CVT入力軸からの車輌慣性力
は、キャリヤCRから反力関係にあるサンギヤS及びリ
ングギヤRにそのギヤ比により分岐され、エンジンブレ
ーキを作動しつつジェネレータによる回生発電を行う。
なお、リングギヤRをリバースブレーキBrで固定し
て、サンギヤSからジェネレータにて回生発電を行うこ
とも可能である。
【0100】上述実施の形態は、パワースプリットモー
ドの外に、モータモード、パラレルハイブリットモード
(ロードレベリング、発電走行及びトルクアシスト)及
びエンジンモードを有するが、これに限らず、パラレル
ハイブリットモード等のいずれかを省略してもよく、ま
たパワースプリットモードだけもよく、更には該パワー
スプリットモードと他の任意のモード(単数及び複数)
を組合せたものでもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の基本を示す図で、(a) は
スケルトン、(b) はエンジン出力図、(c) はスプリット
(ドライブ)部出力図、(d) は無段変速機出力図であ
る。
【図2】本発明に適用し得るスプリット発進装置(ドラ
イブ部)を示す図で、(a) はスケルトン、(b) はエンジ
ン出力図、(c) は速度線図(充放電線図を含む)を示
す。
【図3】本実施の形態の制御に係るブロック図。
【図4】一部変更した実施例を示すスケルトン。
【図5】更に一部を変更した実施例を示すスケルトン。
【図6】各係合手段の作動を示す作動図。
【図7】一部変更したスプリットドライブ部を示すスケ
ルトン。
【図8】その作動を示す作動図。
【図9】一部変更したスプリットドライブ部を示すスケ
ルトン。
【図10】更に一部変更したスプリットドライブ部を示
すスケルトン。
【図11】ダブルピニオンプラネタリギヤを用いたスプ
リットドライブ部を示すスケルトン。
【図12】その一部変更したスケルトン。
【図13】本実施の形態に係る走行モードの一覧を示す
図。
【図14】そのメインルーチンを示すフローチャート。
【図15】通常のパターンを示す図。
【図16】低SOC状態のパターンを示す図。
【図17】高SOC状態のパターンを示す図。
【図18】パターン処理サブルーチンを示すフローチャ
ート。
【図19】パワースプリットモード処理を示すフローチ
ャート。
【図20】パラレルハイブリットモードのロードレベリ
ング処理を示すフローチャート。
【図21】その発電走行処理を示すフローチャート。
【図22】そのトルクアシスト処理を示すフローチャー
ト。
【図23】リバースモード処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 車輌用駆動装置 2 燃焼エンジン 2a 出力軸 3 バッテリ 5 モータ・ジェネレータ 6 プラネタリギヤ 7 無段変速機(CVT) 7a 入力部材 9 スプリット発進装置(ドライブ部) 23 車速センサ(CVT出力回転数) 24 スロットルセンサ Br (リバース)ブレーキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/00 F02D 29/00 C 29/02 29/02 D F16H 37/02 F16H 37/02 A P 48/10 ZHV 48/10 ZHVZ (72)発明者 塚本 一雅 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 都築 繁男 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 田中 悟 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 犬塚 武 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 服部 雅士 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 原 毅 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3D039 AA03 AA04 AB26 AC24 AC33 AC34 AC39 AC45 3G093 AA05 AA06 AA07 AA16 BA03 BA14 CA05 CB08 DA06 DB05 EA01 EB03 EB09 3J027 FB01 HA10 HB01 HC03 HC04 HC07 3J062 AA01 AB06 AB12 AB16 AB34 AB35 AC03 AC04 BA31 CG03 CG06 CG13 CG32 CG37 CG38 CG82 CG83 5H115 PA11 PC06 PG04 PI13 PI22 PU28 RE11 SE03 SE08 TE02 TE03 TI02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリからの電気エネルギを機械エネ
    ルギに変換して出力し又は機械エネルギを電気エネルギ
    に変換して前記バッテリに貯えるモータ・ジェネレータ
    と、 少なくとも3個の回転要素を有するプラネタリギヤと、 を備えてなる車輌用駆動装置において、 入力部材の回転を無段階に変速して駆動車輪に出力する
    無段変速機を備え、かつ、 前記プラネタリギヤは、その第1の回転要素を燃焼エン
    ジンの出力軸に連結し、また該第1の回転要素の反力関
    係となる第2の回転要素を前記モータ・ジェネレータに
    連結し、そして第3の回転要素を前記無段変速機の入力
    部材に連結し、 前記第1の回転要素を固定部に係止するブレーキを備え
    てなる、車輌用駆動装置。
  2. 【請求項2】 前後進操作手段に基づいて前記ブレーキ
    を係合し、前記モータ・ジェネレータによる第2の回転
    要素の回転を減速して第3の回転要素に前進時とは逆回
    転として出力する後進用制御手段を備えてなる、 請求項1記載の車輌用駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記無段変速機は、トロイダル式無段変
    速機である、 請求項1又は2記載の車輌用駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記無段変速機は、ベルト式無段変速機
    である、 請求項1又は2記載の車輌用駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記プラネタリギヤは、シンプルプラネ
    タリギヤであって、前記第1の回転要素がリングギヤで
    あり、前記第2の回転要素がサンギヤであり、前記第3
    の回転要素がキャリヤである、 請求項1ないし4のいずれか記載の車輌用駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記プラネタリギヤは、シンプルプラネ
    タリギヤであって、前記第1の回転要素がサンギヤであ
    り、前記第2の回転要素がリングギヤであり、前記第3
    の回転要素がキャリヤである、 請求項1ないし4のいずれか記載の車輌用駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記プラネタリギヤは、ダブルピニオン
    プラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がキャリ
    ヤであり、前記第2の回転要素がサンギヤであり、前記
    第3の回転要素がリングギヤである、 請求項1ないし4のいずれか記載の車輌用駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記プラネタリギヤは、ダブルピニオン
    プラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がサンギ
    ヤであり、前記第2の回転要素がキャリヤであり、前記
    第3の回転要素がリングギヤである、 請求項1ないし4のいずれか記載の車輌用駆動装置。
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CN109435673A (zh) * 2018-12-05 2019-03-08 昆山德拉特兰传动科技有限公司 机电式混合动力系统

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