JP3671967B2 - 車輌用駆動装置 - Google Patents

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    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌用の駆動装置に係り、詳しくは、ガソリン又はディーゼルエンジン等の燃焼エンジンからの出力を入力すると共に、バッテリによる電気エネルギに基づく電気モータ・ジェネレータを有し、モータ・ジェネレータを、車輌の走行による必要動力変動を吸収するバッファとして機能する車輌用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、燃料消費量(燃費)の向上及び排気ガス(排ガス)のクリーン化の要望が高まり、無段変速機(搭載車輌)及びハイブリット車輌等の各種装置が提案されている。
【0003】
上記トランスミッションとしてベルト式又はトロイダル式の無段変速機(以下CVTという)を用いた車輌は、車輌発進時に流体伝動装置又は電磁粉クラッチを介在するため、直結状態になるまでスリップを発生し、エンジン動力の一部を損失すると共に、走行時、特に低負荷領域においてエンジンを最適燃費曲線にトレースすることは困難であり、更にわずかな加速要求に対してもスロットル開度の変化に対応して燃料を増量噴射し、かつ制動時の車輌慣性エネルギを回収できにない等が相俟って、燃費及び排ガス浄化の更なる要求に対して充分ではない。
【0004】
また、ハイブリット車輌の1種として、例えば特開平7−12185号公報及び米国特許第3,732,751号公報に示すように、エンジンと、モータ・ジェネレータと、プラネタリギヤとを備え、エンジン出力に対して車輌負荷が大きい、例えば発進時等は、モータ・ジェネレータをエネルギ発生手段(モータ)として機能して、バッテリからの電気エネルギを機械的エネルギに変換して、プラネタリギヤを介してエンジン出力をアシストし、また車輌負荷に対してエンジン出力が余剰する場合、モータ・ジェネレータをジェネレータとして機能して、エンジンの余剰出力を電気エネルギとしてバッテリに貯える、いわゆるパワースプリットトレーンを有する車輌が提案されている。
【0005】
該車輌は、発進時は、プラネタリギヤを介してのモータ制御により、流体伝動装置等の発進装置を不要として、エンジン駆動状態のままでの零速からの発進が可能であり、また制動・減速時、モータを回生ブレーキとして、車輌慣性エネルギを電気エネルギとして貯えることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記パワースプリットトレーンは、多段自動変速機(以下ATという)又は手動変速機を連結して、車輪に動力伝達している。
【0007】
このため、エンジンを最適燃費曲線に沿ってその出力(エンジン回転数及びトルク)を制御しようとしても、例えばATによりステップ的に変速すると、前記パワースプリットトレーンの出力部に急激な負荷トルク変動を生じ、エンジン出力を定常状態に保ち又は最適燃費曲線に沿って滑らかに変化することを困難にしている。
【0008】
このため、発進時の加速及び減速時、AT等のギヤ変速を行う度に、急激なエンジンの出力変動を生じて、燃費及び排ガス浄化に対して悪影響を与える虞れがある。
【0009】
そこで、本発明は、トランスミッションとして無段変速機を用い、該無段変速機を無段変速すると共にモータ出力を制御して、エンジン出力を所定状態に保持し又は例えば最良燃費曲線に沿ってゆっくりと変更し得るように構成し、もって上述課題を解消した車輌用駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、
バッテリ(3)からの電気エネルギを機械エネルギに変換して出力し又は機械エネルギを電気エネルギに変換して前記バッテリに貯えるモータ・ジェネレータ(5)と、
少なくとも3個の回転要素を有するプラネタリギヤ(6)と、
を備えてなる車輌用駆動装置(1)において、
入力部材(7a)の回転を無段階に変速して駆動車輪に出力する無段変速機(7)を備え、かつ、
前記プラネタリギヤ(6)は、その第1の回転要素(R)を燃焼エンジンの出力軸(2a)に連結し、また該第1の回転要素の反力関係となる第2の回転要素(S)を前記モータ・ジェネレータ(5)に連結し、そして第3の回転要素(CR)を前記無段変速機の入力部材(7a)に連結してなる。
【0011】
そして、前記燃焼エンジン(2)の出力を所定状態に保持した状態で、前記第3の回転要素(CR)が定トルクで回転数を変化することにより車輌の要求出力を満たすように、前記燃焼エンジン(2)の出力に加えて又は減じて前記モータ・ジェネレータ(5)の出力を制御すると共に、前記第3の回転要素(CR)の回転数が車輌の要求回転数を満たすように前記無段変速機(7)のトルク比を制御するパワースプリットモード用制御手段を備えることを特徴とする(図19参照)。
【0012】
請求項2に係る本発明は、前記パワースプリットモード用制御手段は、前記燃焼エンジン(2)の出力が最良燃費曲線に沿って変化するように、前記無段変速機(7)及び前記モータ・ジェネレータ(5)を制御してなる。
【0013】
請求項3に係る本発明は、車輌の平均出力を演算する演算手段(S1,S15,S30,S37)を備え、
前記パワースプリットモード用制御手段は、該演算手段により得られた平均出力になるように前記燃焼エンジン(2)を制御してなる。
【0014】
請求項4に係る本発明は、車輌の減速状態を検出する減速状態検出手段と、
該減速状態検出手段からの出力信号に基づき、前記モータ・ジェネレータ(5)が車輌の慣性エネルギを電気エネルギに変換して前記バッテリ(3)に貯えるように制御する回生ブレーキ制御手段(S62,S64,S65)と、を備えてなる(図14参照)。
【0015】
請求項5に係る本発明では、前記無段変速機(7)は、トロイダル式無段変速機である(図1、図4参照)。
【0016】
請求項6に係る本発明では、前記無段変速機(7)は、ベルト式無段変速機である(図5参照)。
【0017】
請求項7に係る本発明では、前記プラネタリギヤ(6)は、シンプルプラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がリングギヤ(R)であり、前記第2の回転要素がサンギヤ(S)であり、前記第3の回転要素がキャリヤ(CR)である(図1、図2、図4、図5、図6参照)。
【0018】
請求項8に係る本発明では、前記プラネタリギヤ(6)は、シンプルプラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がサンギヤ(S)であり、前記第2の回転要素がリングギヤ(R)であり、前記第3の回転要素がキャリヤ(CR)である(図9、図10参照)。
【0019】
請求項9に係る本発明では、前記プラネタリギヤ(6)は、ダブルピニオンプラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がキャリヤ(CR)であり、前記第2の回転要素がサンギヤ(S)であり、前記第3の回転要素がリングギヤ(R)である(図11参照)。
【0020】
請求項10に係る本発明では、前記プラネタリギヤ(6)は、ダブルピニオンプラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がサンギヤ(S)であり、前記第2の回転要素がキャリヤ(CR)であり、前記第3の回転要素がリングギヤ(R)である(図12参照)。
【0021】
以下、好ましい実施態様を示す。
【0022】
車速を検出する車速センサと、
前記燃焼エンジンのスロットル開度を検出するスロットルセンサと、
前記車速センサ及びスロットルセンサからの出力信号に基づき、前記プラネタリギヤ(6)の第1、第2及び第3の回転要素の連結・固定関係を変更する係合手段(Ci)(Cd)(Cb)(Br)と、を備えてなる。
【0023】
前記モータ・ジェネレータ(5)を制御するモータモード用制御手段を備え(図18参照)、
車速が低くかつスロットル開度が小さい場合、前記係合手段(Ci)(Cd)を、前記燃焼エンジンの出力軸(2a)と前記第1の回転要素(R)との連結が切断されかつ前記プラネタリギヤ(6)が一体回転するように制御すると共に、前記モータモード用制御手段により前記モータ・ジェネレータ(5)を制御してなる。
【0024】
前記燃焼エンジン(2)の出力を所定状態に保持した状態で、前記第3の回転要素(CR)が定速度でトルクを変化することにより車輌の要求出力を満たすように、前記燃焼エンジン(2)の出力に加えて又は減じて前記モータ・ジェネレータ(5)のトルクを制御すると共に、前記第3の回転要素(CR)の回転数が所定回転数になるように前記無段変速機(7)の回転比を制御するパラレルハイブリット用制御手段を備え(図20〜図22参照)、 車速の中速及び高速領域において、前記係合手段(Cd)を前記プラネタリギヤが一体に回転するように制御すると共に、前記パラレルハイブリット用制御手段により前記燃焼エンジン(2)、前記モータ・ジェネレータ(5)及び前記無段変速機(7)を制御してなる。
【0025】
前記燃焼エンジン(2)の出力を所定状態に保持した状態で、前記第3の回転要素(CR)が定速度でトルクを変化することにより車輌の要求出力を満たすように、前記燃焼エンジンの出力に加えて又は減じて前記モータ・ジェネレータ(5)のトルクを制御すると共に、前記第3の回転要素(CR)の回転数が所定回転数になるように前記無段変速機(7)の回転比を制御するパラレルハイブリット用制御手段を備え、
車速の中速及び高速領域において、前記係合手段(Ci)(Cb)(Br)を、前記プラネタリギヤの第1の回転要素(R)を停止すると共に、該第1の回転要素と前記燃焼エンジンの出力軸(2a)との連結が切断しかつ該燃焼エンジンの出力軸が前記第3の回転要素(CR)に連結するように制御すると共に、前記パラレルハイブリット用制御手段により前記燃焼エンジン、前記モータ・ジェネレータ(5)及び前記無段変速機(7)を制御してなる。
【0026】
前記バッテリの残存量(SOC)を検出する残存量検出手段を備え、
該残存量検出手段からの出力信号に基づき、前記バッテリ残存量が適正範囲内にある場合、前記パラレルハイブリット用制御手段は、前記モータ・ジェネレータを、前記燃焼エンジン出力が車輌出力より小さい場合、該不足する出力を補うように出力し、また前記燃焼エンジン出力が車輌出力より大きい場合、該余剰出力にて発電するように、制御してなる(図20参照)。
【0027】
前記バッテリの残存量を検出する残存量検出手段を備え、
該残存量検出手段からの出力信号に基づき、前記バッテリ残存量が低い時には、前記パラレルハイブリット用制御手段は、前記モータ・ジェネレータが発電するように、前記燃焼エンジンの出力を制御してなる(図21参照)。
【0028】
前記バッテリの残存量を検出する残存量検出手段を備え、
該残存量検出手段からの出力信号に基づき、前記バッテリ残存量が高い時には、前記パラレルハイブリット用制御手段は、前記モータ・ジェネレータがトルクを出力するように、前記燃焼エンジンの出力を制御してなる(図22参照)。
【0029】
前記係合手段を前記燃焼エンジンの出力軸(2a)と前記第1の回転要素(R)との連結が切断にすると共に前記プラネタリギヤが一体回転するように制御して、前記モータ・ジェネレータにて車輌を駆動するモータモードと、
前記係合手段を前記プラネタリギヤの第1、第2及び第3の回転要素がそれぞれ回転し得るように制御して、前記燃焼エンジン(2)及び前記モータ・ジェネレータ(5)にて車輌を駆動するパワースプリットモードと、
前記係合手段を前記エンジンの出力軸(2a)及び第3の回転要素(CR)が一体に回転するように制御して、前記燃焼エンジン及び前記モータ・ジェネレータにて車輌を駆動するパラレルハイブリットモードと、
前記係合手段を前記プラネタリギヤの第1の回転要素(S)と第3の回転要素(CR)とが連結するように制御して、前記燃焼エンジンにて車輌を駆動するエンジンモードと、
を選択し得るモード選択手段を備えてなる(図18参照)。
【0030】
バッテリの残存量を検出する残存量検出手段を備え、
前記残存量検出手段からの出力信号に基づき、前記バッテリの残存量に応じて前記選択手段による各モードの選択領域を変更してなる(図14〜図17参照)。
【0031】
前後進操作手段により制御される後進用係合手段(Br)と、
該後進用係合手段により前記プラネタリギヤの第1の回転要素(R)を係止すると共に前記係合手段(Ci)により前記燃焼エンジンの出力軸(2a)と前記第1の回転要素(R)との連結を切断して、前記モータ・ジェネレータ(5)による第2の回転要素(S)の回転を前記第3の回転要素(CR)に逆回転として出力する後進用制御手段と(図13参照)、を備えてなる。
【0032】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、本発明の構成を何等限定するものではない。
【0033】
【発明の作用及び効果】
請求項1に係る本発明によると、燃焼エンジンを所定状態に保持した状態で、モータ・ジェネレータを制御すると共に無段変速機を無段階に制御することにより、車輌要求出力を満たすことができる。これにより、車輌要求出力の変更時、無段変速機の変速制御と相俟ってモータ・ジェネレータにより車輌出力変動を完全に吸収することができ、燃費を向上すると共に排ガスをクリーン化することが可能となる。
【0034】
そして、特に発進時及び低中車速走行時、モータ・ジェネレータを定トルクで回転数を変化することによりその出力を制御すると共に、無段変速機のトルク比を制御することにより、車輌要求出力を満たすトルク及び回転数を出力することができる。これにより、発進時や低中車速走行時のように駆動力変化が大きい場合でも、エンジン出力を所定状態に保持した状態で(定常状態)又は滑らかにゆっくりと変化して(準定常状態)、車輌要求出力を満たすことができ、従前の車輌加減速時に生じる燃焼エンジンへの燃料噴射をなくして、燃費性能及び排ガス性能を向上することができる。
【0035】
請求項2に係る本発明によると、燃焼エンジンを最良燃費曲線の所定位置に短時間保持しつつ滑らかにかつゆっくりと変化する等により、前述したパワースプリット用制御(及びパラレルハイブリット用制御)を行うことができる。これにより、燃費の向上及び排ガス性能の向上を確実化することができる。
【0036】
請求項3に係る本発明によると、車輌の平均出力をトレースするように燃焼エンジンを制御するので、燃焼エンジンをゆっくりと滑らかに制御できるものでありながら、燃焼エンジンの出力量が車輌の要求出力量と大きく離れることはなく、モータ・ジェネレータの充電及び放電量が平均化されて、バッテリを適正な充電残存量に保つことができる。
【0037】
請求項4に係る本発明によると、車輌減速時には、車輌の慣性エネルギをモータ・ジェネレータにより回生してバッテリに貯えるので、エンジンブレーキ又は摩擦ブレーキにより熱により放散するエネルギを回収して、燃費の向上を図ると共に、小さい容量のバッテリ容量で足りることが可能となる。
【0038】
請求項5に係る本発明によると、比較的小型なトロイダル式無段変速機を採用することにより、コンパクトに構成できる。
【0039】
請求項6に係る本発明によると、実績のあるベルト式無段変速機を採用することにより、信頼性を向上することができる。
【0040】
請求項7に係る本発明によると、パワースプリットモードにおけるプラネタリギヤのギヤ比を適度な減速状態(例えば1.5)とすることができ、該パワースプリットモードの使用範囲を大きくとることができる。
【0041】
請求項8に係る本発明によると、パワースプリットモードにおけるプラネタリギヤのギヤ比を大きな減速状態(例えば3)とすることができ、発進時に大きな駆動力を得ることができる。
【0042】
請求項9及び10に係る本発明によると、パワースプリットモードにおけるプラネタリギヤのギヤ比を従来のトルクコンバータのストールトルク比(例えば2)と同等とすることができる。
【0043】
以下、好ましい実施態様の効果を列記する。
【0044】
車速及びスロットル開度により係合手段を制御して、プラネタリギヤの各回転要素の連結・固定関係を変更することが可能となり、各種モードを選択し得る。
【0045】
モータ・ジェネレータのみで車輌を駆動するモータモードを現出することができ、低車速、低スロットル時の車輌要求出力が低い場合、わざわざ燃焼エンジンを作動効率の低い状態で用いる必要がなく、燃費及び排ガス性能の一層の向上を図ることができる。
【0046】
燃焼エンジンの出力を無段変速機入力部材に伝達すると共に、モータ・ジェネレータのトルクを該入力部材に加え又は減じて、パラレルハイブリット車輌として機能することができる。これにより、モータ・ジェネレータが定速度でトルクを制御すると共に、無段変速機を車輌要求回転数になるように制御して、燃焼エンジンを所定状態に保持できるので、特に中高車速では、該パラレルハイブリット制御を機能して、燃焼エンジンを定常状態又は準定常状態に保持することができ、燃費及び排ガス性能を向上することができる。
【0047】
上記パラレルハイブリット制御において、燃焼エンジンの出力軸と第3の回転要素とを直結することにより、モータ・ジェネレータからのトルクを増大して無段変速機入力部材に伝達することができる。
【0048】
モータ・ジェネレータを、充電方向及び放電方向の両方にて用いる(ロードレベリング)ので、モータ・ジェネレータは、車輌要求出力と燃焼エンジン出力との差を補うべく作用して、燃焼エンジンを定常状態又は準定常状態に保って、燃費を向上することができる。
【0049】
バッテリ残存量が低い場合、燃焼エンジンは、モータ・ジェネレータで発電しつつ車輌要求出力を満たすので(発電走行)、バッテリの充電不足による不具合の発生を防止することができる。
【0050】
バッテリ残存量が高い場合、モータ・ジェネレータは、モータとしてエンジン出力をアシストするように機能するので、バッテリが過充電されることはなく、バッテリの寿命を延ばすと共に、燃費を向上することができる。
【0051】
車速及びスロットル開度により係合手段を適宜切換えて、モータモード、パワースプリットモード、パラレルハイブリットモード及びエンジンモードの各モードに選択することができる。これにより、車輌の走行状態に応じて最適のモードを選択して、一層の燃費及び排ガス性能を向上することができる。例えば、低車速及び低スロットルでは、燃焼エンジンの作動効率が低いので、モータモードにて燃費及び排ガス性能を向上し、また低車速でスロットル開度が高い場合、パワースプリットモードとして、発進時や低中車速時の車輌出力要求に対応し、また中高車速にあっては、パラレルハイブリットモードとして、アクセル操作による加減速をモータ・ジェネレータにて変更・吸収して加減速に伴う燃料消費を抑え、更に車速が高い場合は、燃焼エンジンの作動効率が高いので、エンジンモードとして、モータ・ジェネレータの関与による効率低下をなくすことができる。
【0052】
バッテリ残存量に応じて各モードの選択領域を変更するので、常に適正なバッテリ残存量を保持することができる。例えば、バッテリ残存量が高い場合は、モータモードを大きくとって燃費を向上することができ、またバッテリ残存量が低い場合は、モータモードを小さくして、バッテリの充電不足を防止する。
【0053】
後進用係合手段により、モータ・ジェネレータの回転をプラネタリギヤにて逆回転として出力することができ、専用の前後進切換え機構が不要となってコンパクトに構成することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って本発明による実施の形態について説明する。
【0055】
まず、図1に沿って、本車輌用駆動装置の原理について説明する。車輌用駆動装置1は、図1(a) に示すように、燃焼エンジン2(具体的にはガソリンエンジン等の内燃エンジン)と、バッテリ3からの電気エネルギを機械エネルギに変換して出力すると共に機械エネルギを電気エネルギに変換してバッテリ3に貯えるモータ・ジェネレータ5と、プラネタリギヤ6と、無段変速機7(以下CVTという)と、を備え、エンジン2の出力軸2aがプラネタリギヤ6のリングギヤRに連結し、モータ・ジェネレータ5のロータ5aがリングギヤRの反力関係となるサンギヤSに連結し、無段変速機7の入力軸7aがピニオンPを支持するキャリヤCRに連結し、そして該無段変速機の出力軸7bが車輪に連結している。なお、前記エンジン2、モータ・ジェネレータ5及びプラネタリギヤ6にてスプリット発進装置(ドライブ部)9を構成している。
【0056】
該スプリット発進装置9の一例を図2に示すと、前記プラネタリギヤ6のリングギヤRとサンギヤSとを連結する直結クラッチCdを有しており、かつリングギヤRとサンギヤSとのギヤ比i(=N/N)が1.5に設定されている。そして、図2(b) に示すように、エンジン出力軸2aが回転数Ne(arpm)、トルクTe(a′kg・m)で出力している状態で車輌が停止している場合(発進直前状態)、図2(c) の速度線図に示すように、エンジン出力軸に連結しているリングギヤRは、A位置にあってa(rpm)であり、CVT入力軸であるスプリット部出力部に連結しているキャリヤCRの回転は0であり、従ってモータ・ジェネレータ5に連結しているサンギヤSは、−2a(rpm)にあって、モータ・ジェネレータ5を例えば30KWで充電している。
【0057】
この状態でから、モータ・ジェネレータ5を制御してバッテリに取出すエネルギを減じると、サンギヤSの回転が零に近づき、出力部に連結しているキャリヤCRの回転が徐々に増加し、更にサンギヤSの回転が零を越えて、即ちモータ・ジェネレータ5を電気モータとして機能してトルクを出力して(放電)、キャリヤCRの回転を増加する。これにより、車輌は、流体伝動装置等の発進装置がなくとも、零速度から滑らかに発進する。なお、出力部であるキャリヤCRの回転が、エンジン出力軸に連結しているリングギヤRと(回転速度A(arpm))同じになると、直結クラッチCdが係合し、モータ・ジェネレータ5の出力トルクを制御しつつ、エンジン出力回転数と一体に出力部を回転するパラレルハイブリットモード(後述)となる(A→B)。
【0058】
そして、上述した発進時(及び低速走行時)には、エンジン出力即ち回転数Ne及びトルクTeは一定に保持され、モータ・ジェネレータ5の発電量が減じられまたモータ出力によりアシストされて、スプリット部の出力部であるCVT7の入力軸7aが徐々に増速する。この際、モータ・ジェネレータ5は、エンジン出力に加えて(放電)又は減じて(充電)出力し、これによりスプリット部の出力は、図1(c) に示すようにトルク(入力軸7aのトルク)Tinが一定でありかつ回転数Ninが変化する。更に、CVT7は、前記モータ・ジェネレータ5により所定回転数に設定されたスプリット出力部(入力軸7a)の回転をその出力軸7bが要求回転数になるように増速側に変速され、この際変速に伴い伝達トルクが変化する。
【0059】
従って、図1(d) に示すように、エンジン出力を一定状態に保持したままで、CVT7の出力軸7bを目標回転数Nvにするには、出力回転数が該目標値になるようにCVT7を変速制御すると共に、該CVTの変速制御に伴うトルク変動を吸収しかつエンジン出力の車輌要求出力に対する余剰又は不足を補うようにモータ・ジェネレータ5の出力を制御する。即ち、図1(d) において、CVTの変速制御は、ギヤ比変化に伴いトルクも変化するため、曲線Eに示すようになり、またモータ・ジェネレータ制御により入力軸7aは、水平線Gに示すようにトルクが一定のままで回転数のみが変化し、これら両方を制御することにより、垂直線Fに示すように、所定目標回転数Nvを維持しつつ、そのトルクをCVT及びモータ・ジェネレータの制御範囲内にて任意に設定し得る。即ち、エンジン出力及びCVT出力(トルクTe及び回転数Ne)を一定に保持した状態で、モータ・ジェネレータ5の出力(トルク一定)及びCVT7のトルク比を制御することにより、CVT7の出力を所定範囲にて任意に変更し得る。
【0060】
従って、エンジン出力が、図1(b) に示すC位置(回転数1500rpm、トルク10kg・m)にある場合、スプリット部の出力7aは、図1(c) に示すC位置(15kg・m)トルク線上の一定値にあり、そしてモータ・ジェネレータ及びCVTを制御することによりCVT出力を、図1(d) のC点時作動領域の任意の位置に設定し得、同様にエンジン出力が、図1(b) に示すD位置(回転数1000rpm、トルク5kg・m)にある場合、CVT出力を、D点時作動領域の任意の位置に設定し得る。これにより、エンジン出力を定常状態に保持したまま、所定範囲でCVTの出力(回転数及びトルク)を任意に設定することができ、またモータ・ジェネレータ5の出力を徐々に変更すると同時に、該モータ出力を補うべくエンジン出力を制御して、エンジン出力を、図1(b) に示す最良燃費曲線に沿って滑らかにかつゆっくりと制御する(準定常状態)ことができる。
【0061】
ついで、本発明の実施の形態について説明する。図3は、制御ブロック図であり、2は燃焼エンジン、6はプラネタリギヤ、5はモータ・ジェネレータ、7はCVT、10はディファレンシャル装置、11は駆動車輪である。そして、12はエンジンコントロール装置、13はインバータ、14はシステムリレー、3はバッテリであり、15はCVTコントロール装置である。更に、16は車輌制御装置(ECU)であって、エンジン制御部17、モータ・ジェネレータ制御部19、CVT制御部20、ブレーキ制御部21を有しており、エンジン出力回転数(速度)、CVT入力回転数(速度)、CVT出力回転数(速度)、モータ・ジェネレータのロータ回転数(速度)、バッテリ残量、バッテリ温度及びタイヤ回転数(速度)等が入力されていると共に、各コントロール装置に制御信号を出力する。また、22は、ブレーキ油圧コントロール装置(回生ブレーキ制御部)であり、前記車輌制御装置から制御信号(ブレーキ圧コントロール)を受けて、各ブレーキ(全輪各輪)を作動する。なお、CVT出力回転数を検出するセンサ23は車速センサを構成し、またエンジンをコントロールするアクセルの開度を検出するセンサ24はスロットルセンサを構成し、またアクセルペダルのオフ即ちパワーオフを検出するセンサは減速状態検出手段を構成し、更にバッテリ充電量を検出するセンサ27はバッテリ残存量検出手段を構成している。なお実際にはバッテリは直接残存量を検出するものではなく、電圧、電流及び温度等に基づき制御部にて演算して求める。
【0062】
ついで、本実施の形態の構成部分、即ちスプリットドライブ部9及びCVT7の構造について説明する。
【0063】
図4に示すものは、CVT7が2個並列に連結したトロイダル式CVT25,26からなり またプラネタリギヤ6を操作する係合手段が、エンジン2とリングギヤRとの間に介在する入力クラッチCi、リングギヤRとサンギヤSとを連結し得る直結クラッチCd及びリングギヤRを固定し得るリバースブレーキBrを有する。更に、スプリット部出力軸9aとCVT入力軸7aとの間には、円板と入出力回転部材との圧接力を確保する押圧カム27が設けられており、また2個のトロイダル式CVT25,26は、それぞれ入力回転部材25a,26aが入力軸7aに固定され、また出力回転部材25b,26bが一体に連結されると共にギヤ列29を介して出力軸7bに連結しており、かつ円板25c,26cが同じ角度にて回動し得るように連結されている。
【0064】
図5は、CVT7がベルト式CVTからなるものを示すものであって、該ベルト式CVTは、プライマリプーリ30、セカンダリプーリ31及び両プーリに巻掛けられた金属等からなるベルト32からなり、両プーリの可動シーブ30a,31aを軸方向に動かすことによりベルト有効径が変化して変速し、かつプライマリプーリ30が入力軸7aに、セカンダリプーリ31が出力軸7bに連結している。なお、スプリットドライブ部9は、先の実施例と同様である。
【0065】
そして、上記図4及び図5に示す各係合手段は、図6に示す作動表の通り作動する。パワースプリットモードは、スプリットドライブ部9を機能して、前述した発進時及び低中速時に機能するモードであって、入力クラッチCiが係合して、エンジン2の出力は、該クラッチCiを介してリングギヤRに伝達され、またモータ・ジェネレータ5のロータ5aはサンギヤSに連結して、エンジン出力の一部を充電し又はモータとして出力し、そしてその合成力がキャリヤCRからCVT入力軸7aに出力する。
【0066】
また、パラレルハイブリットモードは、中高速域にて機能し、入力クラッチCi及び直結クラッチCdが係合する。この状態では、プラネタリギヤ6は一体に回転し、エンジン2の出力は、そのままCVT入力軸7aに出力すると共に、モータ・ジェネレータ5も入力軸7aに連結して、該エンジン出力をアシストして又はその出力の一部により充電する。
【0067】
モータモードは、アクセル開度が低くかつ回転数が低い馬力状態、例えば渋滞時等のエンジンを使う必要がない場合、モータ・ジェネレータ5をモータとして使用して車輌を駆動する。この状態では、入力クラッチCiが切断されてエンジンとCVT入力軸7aの関係が断たれると共に、直結クラッチCdが接続して、モータロータ5aの回転が直接入力軸7aに出力する。
【0068】
また、エンジンモードは、高速巡航時に機能するものであって、モータ・ジェネレータを関与することなく、エンジン出力のみで車輌を駆動する。この状態では、入力クラッチCi及び直結クラッチCdが接続して、エンジン出力が直接CVT入力軸7aに出力する。この際、モータ・ジェネレータ5は、磁界回路をオフしてロータ5aは空転する。
【0069】
回生ブレーキモードは、後述するように色々なパターンがあるが、一例として上述ハイブリットモードと同様に入力クラッチCi及び直結クラッチCdを接続して、プラネタリギヤは直結状態にあり、CVT入力軸7aに作用する車輌慣性エネルギをモータ・ジェネレータ5により電気エネルギに変換してバッテリに貯える。なお、該回生ブレーキモードは、直結クラッチCdを切断した状態でも可能である。
【0070】
また、リバースモード、即ち車輌を後進するには、入力クラッチCi及び直結クラッチCdを切断すると共に、リバースブレーキBrを係合する。この状態では、モータ・ジェネレータ5をモータとして機能し、該モータ出力は、サンギヤSから、停止状態にあるリングギヤRによりキャリヤCRに逆転として取出され、CVT入力軸7aに出力する。この際、エンジン2はアイドリング状態に保持される。
【0071】
ついで、図7に沿って、一部変更したスプリットドライブ部を説明する。該スプリットドライブ部9は、基本的には、図4、図5で示す先の実施例と同じであるが、エンジン出力軸2aとCVT入力軸7aとの間にバイパス入力クラッチCbを介在している。本実施例では、図8の作動表に示すように各係合手段が作動する。即ち、パワースプリットモード、モータモード、回生ブレーキモード及びリバースモードにあっては、バイパス入力クラッチCbが切断状態にあって先の実施例と同じである。パラレルハイブリットモードにあっては、入力クラッチCi及び直結クラッチCdが切断されると共に、バイパス入力クラッチCb及びリバースブレーキBrが係合する。この状態では、エンジン出力軸2aの出力は、バイパス入力クラッチCbを介して直接CVT入力軸7aに伝達され、またモータ・ジェネレータ5の出力は、サンギヤSから停止状態にあるリングギヤRにより減速されてキャリヤCRに伝達されて入力軸7aに出力する。従って、車輌側要求の加減速に対して、モータ・ジェネレータ5の小さい小トルクで(即ち低電流で)ロードレベリング(後述)が可能である。また、エンジンモードにあっては、エンジン出力をバイパス入力クラッチCbにより直接入力軸7aに出力し、この際プラネタリギヤを自由回転状態としてモータ・ジェネレータの機能を停止し得る。なお、クラッチCb,Ci,Cdをすべて接続して、先の実施例と同様にしてもよい。
【0072】
ついで、図9ないし図10に沿って、更に変更したスプリットドライブ部について説明する。
【0073】
図9は、エンジン出力軸2aをサンギヤSに連結し、モータロータ5aをリングギヤRに連結したものである。該実施例では、パワースプリットモードにおいて、前進状態のギヤ比iF=[(1+λ)/λ;λ=サンギヤ歯数/リングギヤ歯数]を大きくとれ、エンジン出力回転数を大きく減速して(約1/3)CVT入力軸7aに伝達され、大きな発進駆動力を得ることができる。図10は、上記図9においてバイパス入力クラッチCbを設けたものである。従って、パラレルハイブリットモードにおいて、エンジントルクに対しモータトルクを(1+λ)倍で加減できる。
【0074】
図11に示すものは、ダブルピニオンプラネタリギヤ6を用いるものであって、ピニオンP,Pを支持するキャリヤCRをエンジン出力軸2aに連結し、サンギヤSをモータロータ5aに連結し、リングギヤRをCVT入力軸7aに連結する。該実施例では、パワースプリットモードにおける前進状態のギヤ比iF[=1/(1−λ)]及びリバースモードのギヤ比ir(=1/λ)が、前記ギヤ比λ(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)を0.5とすると2となり、これは、トルクコンバータを用いる一般の自動変速機搭載車輌と略々同じストールトルク比にすることができる。また、エンジン出力がキャリヤCRに入力されるため、後述するサンギヤ入力に比して、ギヤ歯部にかかる応力が小さくなり、耐久性上有利となっている。
【0075】
図12に示すものは、同様にダブルピニオンプラネタリギヤ6を用いるものであるが、そのサンギヤSをエンジン出力軸2aに、キャリヤCRをモータロータ5aに、リングギヤRをCVT入力軸7aにそれぞれ連結したものである。本実施例においても、同様にパワースプリットモードのトルク比が約2となってトルクコンバータのストールトルク比と略々同じとなり、また同様にリバースモードにおいても略々同じトルク比となる。
【0076】
なお、図9ないし図12において、入力クラッチCi、直結クラッチCd、バイパス入力クラッチCb及びリバースブレーキBrは前述したものと同様に作動し、また図11及び図12のものは、点線で示すバイパスクラッチCbを介在してもよい。
【0077】
ついで、上述したスプリットドライブ部(発進装置)及びCVTからなる駆動装置の制御について説明する。図13は、その走行モードの一覧表であって、走行モードは、パワーON、即ち動力源から車輪に動力が伝達されて前方向に車輌を走行する走行駆動状態と、パワーOFF、即ち上記動力伝達が断たれて慣性にて車輌が走行する状態と、動力源からの動力を逆転して後進方向に車輌を走行するリバースモードと、がある。更に、パワーONモードは、モータ・ジェネレータのみで駆動するモータモードと、前記スプリットドライブ部を機能してエンジンとモータとで駆動するパワースプリットモードと、前記スプリットドライブ部の機能を停止してエンジンとモータとで駆動するパラレルハイブリットモード(PHモード)と、エンジンからの動力のみで駆動するエンジンモードと、がある。
【0078】
更に、パワースプリットモードは、モータ・ジェネレータをモータとして機能する放電まである場合と(M/G駆動あり)、ジェネレータとしてのみ機能する場合(M/G駆動なし)があり、またパラレルハイブリットモードは、モータ・ジェネレータの充電(ジェネレータとして機能)及び放電(モータとして機能)の両方を行うロードレベリングと、充電のみを行う発電走行と、モータとしてのみ機能するトルクアシストとがある。
【0079】
また、パワーOFFモードは、コースト時、通常ではエンジンブレーキとなる車輌慣性力を回生ブレーキとして回収するエンジンブレーキ相当回生ブレーキと、フートブレーキによる摩擦熱をも回生ブレーキとして回収する回生ブレーキと、があり、更にエンジンブレーキ相当回生ブレーキは、直結クラッチCdをOFFしたパワースプリット状態で行う場合と、該クラッチをONしたパラレルハイブリット状態で行う場合がある。また、走行パターンは、バッテリの充電状態が適正である場合の通常パターンと、バッテリの充電状態が低い状態の低SOCパターンと、充電状態が高い状態の高SOCパターンとがある。
【0080】
図14は、上述した各走行モード及び走行モードパターンのメインルーチンを示すフローチャートであり、図中、SOC(state of charge)はバッテリの充電状態を示し、SOC1,SOC2はそれぞれ予め定められているバッテリの充電規定値である。また、VSは車速であり、VSSは停車から微速までの停止同然の車速であり、BSはフートブレーキペダルの踏圧状態を検知するブレーキスイッチであり、またCdは前述した直結クラッチである。
【0081】
ここで、通常パターンは、バッテリ充電が適正状態(SOC余裕時;60〜85%)にある場合であって、図15に示すパターンからなる。なお、実線及び破線は矢印移行方向の切換え線を示す(以下同様)。また、低SOCパターンは、バッテリ充電が低い状態(60%以下)にある場合であって、図16に示すパターンからなり、バッテリを充電することが最優先される。更に、高SOCパターンは、バッテリ充電が充分な状態(85%以上)にある場合であって、図17に示すパターンからなり、モータ・ジェネレータは専らモータとして機能する。なお、車速VSは、VS4<VS1<VS8、及びVS7<VS2の関係にあり、アクセル開度ACCは、ACC2<ACC1<ACC3の関係にある。また、上記バッテリの充電状態は、バッテリ残存量センサ(図示せず)からの信号により判断され、また各パターンのアクセル開度はスロットルセンサ(図3の24)により、また車速は車速センサ(図3の23)により、それぞれ検出される。
【0082】
図18は、前述した走行モードに係る処理ルーチンを示し、モータモード、パワースプリットモード、パラレルハイブリットモード及びエンジンモードの各モードは、アクセル開度(ACC)及び車速(VS)に基づき、前述した各パターンに従って選定され、前述した図6の作動表に示す入力クラッチCi、直結クラッチCd及びリバースブレーキBrの各作動により設定される。モータモードは、入力クラッチCiがOFFされてエンジンとの関係が断たれ、かつ直結クラッチCdがONされて、モータ(ジェネレータ)のロータの回転が直接CVT入力軸に伝達される。そして、車輌の要求出力(PRv)が演算され、該要求出力に合致するようにモータ出力が設定されると共にCVTのギヤ(回転)比が演算され、これによりモータの最良効率曲線に沿うように、モータ出力制御及びCVTのギヤ比制御が行なわれる。
【0083】
また、パワースプリットモード及びパラレルハイブリットモードは、後述する各モード処理がそれぞれ行なわれる。また、エンジンモードは、入力クラッチCi及び直結クラッチCdが共にONにあって、エンジン出力軸がCVT入力軸に直結する。そして、該エンジンモードにあっても、前記モータモードと同様に、車輌要求出力(PRv)が演算され、これと合うようにエンジン出力が設定されると共にCVTのギヤ比が演算され、これによりエンジンの最良燃費曲線に沿うように、エンジン出力制御及びCVTのギヤ比制御が行なわれる。
【0084】
図19は、図18のパワースプリットモード処理を示すサブルーチンであり、該パワースプリットモードは、車輌の発進時及び低〜中車速走行時(例えば0〜60km/h)に機能し、前述したように、入力クラッチCiがONすると共に、直結クラッチCd及びリバースブレーキBrがOFFして、プラネタリギヤ6が機能する。まず、ステップS1に示すように、車輌平均出力(PMv)を演算するが、これは、例えば車輌の瞬間要求出力を所定サンプリング周期(例えば30秒毎)毎の区間平均をとる区間平均法、又はサンプル毎に、現在から過去N個の瞬間要求出力のデータを平均する移動平均法等により行う。ついで、該車輌の平均出力(PMv)に合致するようにエンジン出力(Pe)を設定し(S2)、これにより、エンジン出力は、上記平均化に基づくゆっくりとした変動により最良燃費曲線に沿って制御され、そして上記エンジン出力からエンジン運転ポイント即ちエンジントルク(Te)及びエンジン回転数(Ne)を決定する(S3)。更に、アクセル開度及び車速から駆動力マップに基づき、現在の車輌の要求出力(PRv)及び車輌要求回転数(NRv)を決定する(S4)。なお、上記車輌の平均出力をエンジン出力(Pe=PMv)とすることにより、モータ・ジェネレータにより補う出力(放電)及び発電量(充電)が走行全体において±0に近くなる。
【0085】
これに基づき、前記エンジン出力(Pe)と車輌要求出力(PRv)との差からモータ・ジェネレータの出力が演算されると共にCVTのギヤ(回転)比が演算される(S5)。即ち、Tをトルク、Nを回転数、添字mをモータ(ジェネレータ)、eをエンジン、cをCVT入力、Rvを車輌要求値、RcvtをCVTギヤ比、λをプラネタリギヤのサンギヤSとリングギヤRの歯数比(Z/Z)とすると、Tm=λTe,Tm+Te=Tc,TRv=Rcvt×Tc,Nc=Rcvt×NRv,Nm=(1+λ/λ)Nc−(1/λ)Neとなる。つまり、エンジンをステップS1に示す車輌平均出力値に一致すべく所定出力状態(Ne及びTe一定)に保持した状態で、該エンジンの出力トルクTeからプラネタリギヤの歯数比λに基づきモータトルクTmが算定され、かつ該モータトルクTmと前記エンジントルクTeとから、CVTの入力トルクTc(=スプリットドライブ部の出力トルク)が算定され、そして車輌の要求トルク及び回転数(車速)になるように、CVTのトルク比Rcvt及びモータの出力回転数Nmが算定される。
【0086】
これをまとめれば、Te=const,Tm=constであって、CVT出力トルク(Tout)は、Tout=(Te±Tm)×Rcvtとなり、またNe=const,Nm=variableであって、CVT出力回転数(Nout)は、
Nout=(Ne+λNm)/Rcvt(1+λ)となる。
【0087】
更に、上記モータトルクTm及びモータ回転数Nmがモータ・ジェネレータ5の出力範囲内かが判断され(S6)、範囲内の場合は、上記ステップS3、S5に基づく演算値になるように、エンジン2及びモータ・ジェネレータ5の出力並びにCVTのギヤ(トルク)比が制御される(S7)。この際、図15及び図17に示すようにバッテリ充電状態に余裕のある場合は、モータ・ジェネレータ5は、モータとして機能する放電範囲及びジェネレータとして機能する充電範囲の両方をカバーし(+PmMAX〜PmMAX;M/G駆動あり)、図16に示すようにバッテリ充電状態に余裕のない場合、モータ・ジェネレータ5は、ジェネレータとして機能する充電範囲のみ(0〜〜PmMAX;M/G駆動なし)をカバーする。
【0088】
そして、ステップS6でモータ出力範囲外と判断した場合、過不足分(=Tm・Nm−PmMAX)が演算され(S8)、該過不足分を補うようにエンジン出力Peが新たに設定され(S9)、更にこれに基づきエンジン運転ポイント(Te,Ne)が決定され(S10)、そしてモータ出力、CVTのギヤ比が演算される(S11)。即ち、Tm=TmMAX,Nm=Ne,Rcvt=Ne/NRvとなる。
【0089】
該パワースプリットモードを具体的に述べると、発進時又は低中車速走行時の加速時、エンジン出力Peは、平均車輌要求出力等により所定値(Te=一定,Ne=一定)に保持される。この状態で、モータ・ジェネレータの発電量を減じて更にはモータとしてエンジン出力をアシストすることにより、CVTの入力回転数(=スプリットドライブ部出力回転;キャリヤ回転)を調整する。この際、CVTの入力トルクは常に一定である[Tc=Tm+Te=λTe+Te=Te(λ+1)。λ=0.5とすると、Tc=1.5Te]。そして、CVTのギヤ比が所定範囲(例えば0.4〜2.3)にて無段階に調整することが可能であるので、CVTの入力回転Ncが車輌要求回転数NRvになるように、CVTのギヤ比Rcvtを調整すると同時に、該ギヤ比の調整によりCVTの出力トルクも変動するので、モータの回転数Nmを調整する。これにより、モータを一定トルク状態で回転数を調整すると同時に、CVTのギヤ(トルク)比を調整することにより、エンジン出力を所定状態に保持したままで、車輌要求出力値(TRv,NRv)を満たすことができる。
【0090】
そして、発進及び所定加速が達成して定常走行状態になると、エンジン出力トルク(回転数一定)を、該定常走行状態における車輌要求出力に合致するように徐々に上げると共に、これに見合った分のモータによるアシストトルクを徐々に減じて行く。これにより、エンジン出力は、最良燃費曲線の所定点に所定時間保持しつつ、ゆっくりと変化することができ(準定常状態)、燃費及び排ガス性能を向上し得る。また、所定走行状態から減速する場合は、モータ・ジェネレータがジェネレータとして機能し、バッテリを充電しながら、上述と同様なエンジンの出力制御を行うことができる。
【0091】
ついで、図20〜図22に沿って、図18におけるパラレルハイブリットモード処理のサブルーチンについて説明する。該パラレルハイブリットモードは、中〜高車速走行状態(例えば60〜180km/h)で機能し、エンジン出力軸とCVT入力軸が直結し、これにモータ・ジェネレータのトルクが加減される。まず、該サブルーチンにおけるロードレベリングモードについて、即ち図15に示すバッテリ充電が適正にある場合の制御について図20に沿って説明する。まず、前記パワースプリットモードと同様に車輌平均出力PMvが演算され(S15)。更にエンジン出力Peが該車輌平均出力に一致するように設定され(S16)、そしてエンジン運転ポイント(Te,Ne)が決定される(S17)。この際、エンジン運転ポイント(Te,Ne)は、車輌平均出力に基づきゆっくりとかつ最良燃費曲線に沿って制御される(準定常状態)。一方、アクセル開度及び車速から駆動力アップにより、車輌要求出力PRv(TRv,NRv)が演算され、これにより、CVTギヤ比(Rcvt)が、Rcvt=Ne/NRvに基づき演算される(S19)。
【0092】
更に、モータ(ジェネレータ)出力トルクTmが演算される(S20)。即ち、モータトルク(Tm)は、Tm=TRv−Teにて算定され、回転数Nmは、エンジン回転数Neと同じであるため、モータ出力(Pm)は、Pm=Tm×Neとなる。つまり、エンジン出力を前記車輌平均出力に依存して所定状態に保持した状態で、CVTがエンジン回転数を車輌要求回転数に変速するように回転(ギヤ)比を制御すると共にモータ・ジェネレータは、該エンジン回転数に規定された定速度でトルクを加減することにより、CVTの回転比によるトルク変化を吸収して車輌要求トルクになるように制御される。
【0093】
これをまとめれば、Te=const,Tm=variableであって、CVT出力トルク(Tout)は、Tout=(Te±Tm)×Rcvtとなり、またNe(=Nm)=constであって、CVT出力回転数(Nout)はNout=Ne/Rcvtとなる。
【0094】
ついで、モータトルクTmがモータ出力範囲内にあるか否かが判断され(S21)、出力範囲内にある場合、前記ステップS19及びS20に基づく演算値により、エンジン及びモータ・ジェネレータ出力並びにCVTギヤ比が制御される(S22)。この際、該ロードレベリングにあっては、モータトルクは、出力方向即ちモータとして機能してエンジンをアシストする放電域と、入力方向即ちジェネレータとして機能してバッテリを充電する充電域の両方をカバーする。
【0095】
また、モータ出力範囲外である場合、過不足分(=Tm×Ne−PmMAX)が算出され(S23)、該過不足分を補うようにエンジン出力Peが新たに設定され(S24)、更にエンジン運転ポイント(Te,Ne)が決定され(S25)、そしてモータ出力及びCVTギヤ比が演算される(S26)。即ち、Tm=TmMAX,Nm=Ne,Rcvt=Ne/NRvとなる。
【0096】
具体的には、例えば車速をvからvに加速する場合、エンジンを一定トルク及び一定回転にしたままでCVTをvからvにアップシフトする。すると、トルクは小さくなってしまうため、それを補うように同時にモータ(ジェネレータ)がトルクを出力する。そして、車速がvになって定常状態になると、前記モータ出力のアシストを徐々に減らすと共に、エンジン出力を徐々に上げる。そして、該エンジンの出力制御は、上述したようにモータにてアシストされるため、CVT最高効率曲線上をゆるやかに動かすことができると共に、エンジン出力を車速及びスロットル開度に応じて最適設定ポイントを選び、該設定されたエンジントルク及び回転数を所定時間一定に保ちつつ、滑らかにかつ徐々に変化する(準定常状態)。これにより、燃費を向上すると共に排ガス性能を向上する。なお、車輌を減速する場合は、モータ・ジェネレータで、余剰なエンジン出力をバッテリに充電しつつ、エンジンを上記準定常状態に保持する。
【0097】
ついで、図21に沿って、前記パラレルハイブリットモードにおける発電走行モード、即ち図16に示すようにバッテリ充電量に余裕がない場合、発電しながら走行するモードについて説明する。まず、前述と同様に、平均法等により車輌要求出力PRvが演算され(S30)、そしてバッテリ充電状態SOCと発電量Pgとのグラフから発電量Pgが演算される(S31)。そして、上記車輌要求出力PRvとモータ・ジェネレータによる発電量Pgとの和からエンジン出力Pe(=PRv+Pg)が演算され(S32)、更にこれに基づき、エンジン運転ポイント(Te,Ne)が決定される(S3)。そして、前述と同様にCVTギヤ比が演算され(S34)、これによりエンジン出力及び(モータ)ジェネレータ出力並びにCVTのギヤ比が制御される(S35)。
【0098】
図22は、前記パラレルハイブリットモードにおけるトルクアシストモード、即ち図17に示すようにバッテリ充電量が充分な場合、モータ・ジェネレータをモータとしてのみ機能してエンジンをアシストしつつ走行するモードを示すサブルーチンである。本サブルーチンにおいても、ステップS37〜S42は、図20に示すロードレベリングのステップS15〜S20と同様であるので、説明を省略する。そして、ステップS43において、ステップS42で演算されたモータトルクTmが0以上、即ちモータとしてエンジン出力をアシストするように機能する場合、これら演算値Pe,Tm,Tcvtに基づきエンジン及びモータ出力並びにCVTギヤ比が制御される(S46)。またTm<0の場合、モータトルクTmがモータ出力範囲内か判断される(S45)。この際、ステップS43と合せて、モータ出力範囲は、機械エネルギとして出力する側(放電側)のみであって、所定トルク及び回転数の範囲内にある。該モータ出力範囲内にある場合、同様に所定値に基づきエンジン及びモータ出力並びにCVTギヤ比が制御される(S46)。また、演算されたモータ出力Tmがマイナス即ち充電として作用するか、又は過大であって、モータ出力範囲が不足する場合、過不足分(=Tm×NE−PmMAX)を演算し(S47)、該過不足分を前記平均車輌要求に基づくエンジン出力Peにプラスして新たなエンジン出力Peを演算し(S48)、そしてこれによりエンジン運転ポイント決定する共に(S49)、モータ出力(Tm=0又はTm=TmMAX,Nm=Ne)及びCVTギヤ比(Rcvt=Ne/NRv)を演算する(S50)。
【0099】
図23は、リバースモード(図14)を示すサブルーチンであって、入力クラッチCi及び直結クラッチCdがOFF状態のままで、リバースブレーキBrが係合される(S51)、これにより、CVT入力軸7aはエンジン出力軸2aとの関係が断たれ、モータ・ジェネレータ5のロータ5aの回転は、リバースブレーキBrの係合によるリングギヤRの固定により、サンギヤSからキャリヤCRに減速・逆回転として伝達されてCVT入力軸7aに出力される。そして車輌駆動状態であると(S52)、アクセル開度ACC及び車速VSが読込まれ(S53)、更にこれにより車輌要求出力(PRv)が演算される。そして、該車輌要求出力に合せるようにモータ出力(Pm=PRv)が設定され、またCVTは所定低速状態(ギヤ比Lo)に設定される。この状態で、前記モータ出力値になるようにモータ制御が行なわれる(S57)。
【0100】
ついで、図14のメインフローにおける回生ブレーキ制御について説明する。まず、前進コースト状態にあってかつ車速が所定微速以上で走行している場合において(VS≧VSS;S60)、ブレーキペダルを踏圧してブレーキスイッチBSをONすると(S61)、回生ブレーキ制御が行なわれる(S62)。該回生ブレーキ制御は、ブレーキペダルの変位量を検出することにより、ブレーキ作動必要量を判断し、かつバッテリ充電状態SOCに応じて回生量を制御する。即ち、車輌総制動力は、モータ・ジェネレータ5による回生ブレーキ力と油圧ブレーキ力の和となるが、この際、CVTのギヤ比は、最大回生効率、ビジーシフトの防止及び再加速時のレスポンスを考慮して設定される。また、入力クラッチCiをOFFすると共に直結クラッチCdをONして、エンジンをアイドリング状態にしてモータ・ジェネレータにより回生制動してもよく、また入力クラッチCiをONすると共に直結クラッチCdをONして、エンジンブレーキを併用しつつジェネレータにより回生制動してもよい。
【0101】
また、ステップS61にて、ブレーキスイッチBSがOFFの場合、エンジンブレーキ制御(S64,S65)が行なわれる。この際、直結クラッチCdのON・OFF状態により(S63)、スプリットドライブ状態及び直結状態でエンジンブレーキ制御が行なわれる。直結エンジンブレーキ制御(S64)は、入力クラッチCiをOFFすると共に直結クラッチCdをONして、エンジンをアイドリング状態にして、従前のエンジンブレーキをすべてジェネレータ5による回生発電とするようにしても、また入力クラッチCiをONすると共に直結クラッチCdをONして、エンジンブレーキを作動しつつジェネレータによる回生発電を行うようにしてもよい。また、スプリットエンジンブレーキ制御(S65)は、入力クラッチCi及び直結クラッチCdが共にOFF状態にあって、CVT入力軸からの車輌慣性力は、キャリヤCRから反力関係にあるサンギヤS及びリングギヤRにそのギヤ比により分岐され、エンジンブレーキを作動しつつジェネレータによる回生発電を行う。なお、リングギヤRをリバースブレーキBrで固定して、サンギヤSからジェネレータにて回生発電を行うことも可能である。
【0102】
上述実施の形態は、パワースプリットモードの外に、モータモード、パラレルハイブリットモード(ロードレベリング、発電走行及びトルクアシスト)及びエンジンモードを有するが、これに限らず、パラレルハイブリットモード等のいずれかを省略してもよく、またパワースプリットモードだけもよく、更には該パワースプリットモードと他の任意のモード(単数及び複数)を組合せたものでもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の基本を示す図で、(a) はスケルトン、(b) はエンジン出力図、(c) はスプリット(ドライブ)部出力図、(d) は無段変速機出力図である。
【図2】本発明に適用し得るスプリット発進装置(ドライブ部)を示す図で、(a) はスケルトン、(b) はエンジン出力図、(c) は速度線図(充放電線図を含む)を示す。
【図3】本実施の形態の制御に係るブロック図。
【図4】一部変更した実施例を示すスケルトン。
【図5】更に一部を変更した実施例を示すスケルトン。
【図6】各係合手段の作動を示す作動図。
【図7】一部変更したスプリットドライブ部を示すスケルトン。
【図8】その作動を示す作動図。
【図9】一部変更したスプリットドライブ部を示すスケルトン。
【図10】更に一部変更したスプリットドライブ部を示すスケルトン。
【図11】ダブルピニオンプラネタリギヤを用いたスプリットドライブ部を示すスケルトン。
【図12】その一部変更したスケルトン。
【図13】本実施の形態に係る走行モードの一覧を示す図。
【図14】そのメインルーチンを示すフローチャート。
【図15】通常のパターンを示す図。
【図16】低SOC状態のパターンを示す図。
【図17】高SOC状態のパターンを示す図。
【図18】パターン処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図19】パワースプリットモード処理を示すフローチャート。
【図20】パラレルハイブリットモードのロードレベリング処理を示すフローチャート。
【図21】その発電走行処理を示すフローチャート。
【図22】そのトルクアシスト処理を示すフローチャート。
【図23】リバースモード処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 車輌用駆動装置
2 燃焼エンジン
2a 出力軸
3 バッテリ
5 モータ・ジェネレータ
6 プラネタリギヤ
7 無段変速機(CVT)
7a 入力部材
9 スプリット発進装置(ドライブ部)
23 車速センサ(CVT出力回転数)
24 スロットルセンサ
Ci,Cd,Br,Cb 係合手段(入力クラッチ、直結クラッチ、リバースブレーキ、バイパス直結クラッチ、)

Claims (10)

  1. バッテリからの電気エネルギを機械エネルギに変換して出力し又は機械エネルギを電気エネルギに変換して前記バッテリに貯えるモータ・ジェネレータと、
    少なくとも3個の回転要素を有するプラネタリギヤと、
    を備えてなる車輌用駆動装置において、
    入力部材の回転を無段階に変速して駆動車輪に出力する無段変速機を備え、かつ、
    前記プラネタリギヤは、その第1の回転要素を燃焼エンジンの出力軸に連結し、また該第1の回転要素の反力関係となる第2の回転要素を前記モータ・ジェネレータに連結し、そして第3の回転要素を前記無段変速機の入力部材に連結し、前記燃焼エンジンの出力を所定状態に保持した状態で、前記第3の回転要素が定トルクで回転数を変化することにより車輌の要求出力を満たすように、前記燃焼エンジンの出力に加えて又は減じて前記モータ・ジェネレータの出力を制御すると共に、前記第3の回転要素の回転数が車輌の要求回転数を満たすように前記無段変速機のトルク比を制御するパワースプリットモード用制御手段を備えてなる、
    車輌用駆動装置。
  2. 前記パワースプリットモード用制御手段は、前記燃焼エンジンの出力が最良燃費曲線に沿って変化するように、前記無段変速機及び前記モータ・ジェネレータを制御してなる、
    請求項1記載の車輌用駆動装置。
  3. 車輌の平均出力を演算する演算手段を備え、
    前記パワースプリットモード用制御手段は、前記演算手段により得られた平均出力になるように前記燃焼エンジンを制御してなる、
    請求項1又は2記載の車輌用駆動装置。
  4. 車輌の減速状態を検出する減速状態検出手段と、
    該減速状態検出手段からの出力信号に基づき、前記モータ・ジェネレータが車輌の慣性エネルギを電気エネルギに変換して前記バッテリに貯えるように制御する回生ブレーキ制御手段と、を備えてなる、
    請求項1記載の車輌用駆動装置。
  5. 前記無段変速機は、トロイダル式無段変速機である、
    請求項1ないし4のいずれか記載の車輌用駆動装置。
  6. 前記無段変速機は、ベルト式無段変速機である、
    請求項1ないし4のいずれか記載の車輌用駆動装置。
  7. 前記プラネタリギヤは、シンプルプラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がリングギヤであり、前記第2の回転要素がサンギヤであり、前記第3の回転要素がキャリヤである、
    請求項1ないし6のいずれか記載の車輌用駆動装置。
  8. 前記プラネタリギヤは、シンプルプラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がサンギヤであり、前記第2の回転要素がリングギヤであり、前記第3の回転要素がキャリヤである、
    請求項1ないし6のいずれか記載の車輌用駆動装置。
  9. 前記プラネタリギヤは、ダブルピニオンプラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がキャリヤであり、前記第2の回転要素がサンギヤであり、前記第3の回転要素がリングギヤである、
    請求項1ないし6のいずれか記載の車輌用駆動装置。
  10. 前記プラネタリギヤは、ダブルピニオンプラネタリギヤであって、前記第1の回転要素がサンギヤであり、前記第2の回転要素がキャリヤであり、前記第3の回転要素がリングギヤである、
    請求項1ないし6のいずれか記載の車輌用駆動装置。
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