JP2003312212A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Abstract
を維持しながら、ドライ及びウエットでの操縦安定性な
どを向上させることができる空気入りタイヤを提供す
る。 【解決手段】 少なくとも周方向に連なる連続溝によっ
て区分される陸部10をトレッド面に有する空気入りタ
イヤにおいて、その陸部10は、タイヤ装着時にタイヤ
赤道線より車両外側に配置されて車両外側に面する側壁
11を有し、その側壁11は踏面12の法線18に対し
傾斜角α20〜60°で傾斜すると共に、その側壁11
には凹部又は溝部15を設けてあることを特徴とする。
Description
に連なる連続溝によって区分される陸部をトレッド面に
有し、その陸部の側壁は踏面の法線に対し傾斜角20〜
60°で傾斜する空気入りタイヤに関する。
連続溝によって区分される陸部をトレッド面に有する空
気入りタイヤでは、図5に示すように、トレッド表面3
1の法線32と、周方向溝33の対向する溝壁34との
なす角αが等しくなるように溝壁34を形成しながら、
底壁35が所定の曲率半径Rになるように、周方向溝3
3を形成していた。しかし、このような周方向溝33を
形成した空気入りタイヤでは、高速旋回時の横力によ
り、周方向溝33に隣接する旋回外側のトレッド表面3
1が局部的に接地圧が高まり、その部分で偏摩耗が生じ
易かった。
4号公報には、図6に示すように、溝底47よりタイヤ
の半径方向外方位置から、トレッド表面に向けて溝幅が
次第に拡開する方向へ向けて傾けて形成し、その拡開傾
斜部分48のトレッド表面の法線に対する傾斜角αを、
その周方向中間溝44のトレッド端側の溝壁49の傾斜
角βより10〜30°大きくした空気入りタイヤが提案
されている。
うち、トレッド端側の溝壁の傾斜角αを大きくしていく
と、ブロックの横力に対する剛性の向上によって、旋回
走行時のグリップ力を高めることができる。
傾斜角αを大きくしていくと、図1に示す「比較例2」
のタイヤように、ブロックの端縁近傍において、路面と
ブロック表面との接地圧が局所的に高くなり、偏摩耗の
発生、ノイズの増加、乗心地性の悪化などが生じること
が判明した。
は、ウエット走行時の排水性やタイヤ耐久性等の基本性
能を維持しつつ、低騒音化を図るべく、周方向溝の側壁
に長穴を複数設けた空気入りタイヤが開示されている。
しかし、このタイヤは周方向溝の側壁の一方を所定の角
度範囲で傾斜させたものでないため、接地圧の局所的増
大によるノイズの増加は問題とならず、この発明におけ
る低騒音化は、専ら気柱管共鳴音の低減効果によるもの
である。
ズ、乗心地性などに関する性能を維持しながら、ドライ
及びウエットでの操縦安定性などを向上させることがで
きる空気入りタイヤを提供することにある。
本発明により達成できる。即ち、本発明の空気入りタイ
ヤは、少なくとも周方向に連なる連続溝によって区分さ
れる陸部をトレッド面に有する空気入りタイヤにおい
て、その陸部は、タイヤ装着時にタイヤ赤道線より車両
外側に配置されて車両外側に面する側壁を有し、その側
壁は踏面の法線に対し傾斜角20〜60°で傾斜すると
共に、その側壁には凹部又は溝部を設けてあることを特
徴とする。
m、溝幅0.4〜15mm、溝間隔0.2〜15mmの
溝部が設けられていることが好ましい。
壁と踏面との境界線に対して平行又は45°以下の角度
で傾斜していることが好ましい。
は、それが設けられた側壁の面積全体の30〜80%を
占めていることが好ましい。
配置されて車両外側に面する側壁を有し、その側壁は踏
面の法線に対し傾斜角20〜60°で傾斜するため、ブ
ロックの横力に対する剛性の向上によって、旋回走行時
のグリップ力を高めることができる。その際、陸部の端
縁近傍において路面との接地圧が局所的に高くなり易い
が、その側壁には凹部又は溝部を設けてあるため、陸部
の端縁近傍における接地圧が低減され、踏面全体の接地
圧が均一化される。その結果、偏摩耗、ノイズ、乗心地
性などに関する性能を維持しながら、ドライ及びウエッ
トでの操縦安定性などを向上させることができる。
m、溝幅0.4〜15mm、溝間隔0.2〜15mmの
溝部が設けられている場合、適度な溝深さ、溝幅及び溝
間隔によって、陸部の端縁近傍における接地圧が適度に
低減され、踏面全体の接地圧がより均一化されるように
なる。
との境界線に対して平行又は45°以下の角度で傾斜し
ている場合、境界線に対してより垂直に近い角度の場合
と比較して、踏面全体の接地圧の均一化がより確実に行
えるようになる。
は、それが設けられた側壁の面積全体の30〜80%を
占めている場合、陸部の端縁近傍における接地圧の低減
効果が適度になり、踏面全体の接地圧の均一化がより確
実に行えるようになる。
て、図面を参照しながら説明する。図2は本発明の空気
入りタイヤの一例のトレッドパターンの概略展開図を示
すものである。
方向に連なる連続溝によって区分される陸部をトレッド
面Tに有する。本実施形態では図2に示すようなトレッ
ドパターンの例を示す。このトレッド面Tは、タイヤ赤
道EQの両側に設けられた周方向溝1および周方向の浅
溝2と、周方向溝1から浅溝2と交差して車両内側端ま
で延びる変形V字状の溝3、車両内側端から浅溝2と交
差して周方向溝1の手前まで延びる変形V字状の溝4、
及び車両外側端から周方向溝1の手前まで延びる曲線状
の斜め溝6,7とを有する。
2、及び溝4によって区分されている。陸部20は、周
方向溝1及び車両外側端によって区分されている。陸部
21は、周方向の浅溝2、溝3、溝4、及び車両内側端
によって区分されている。陸部21には変形した三角溝
5を更に有する。なお、各々の陸部10,20,21に
は、サイプ8a〜8eが形成されている。
ようなトレッドパターンにおいて、図2に示すように、
何れかの陸部10が、タイヤ装着時にタイヤ赤道線EQ
より車両外側に配置されて車両外側に面する側壁11を
有する。更に、その側壁11は、図3に示すように、踏
面12の法線18に対し傾斜角αが20〜60°、好ま
しくは30〜50°で傾斜し、その側壁11には凹部1
6又は溝部15を設けてある。本実施形態では、溝部1
5が、側壁11と踏面12との境界線に対して平行に所
定間隔をおいて形成されている例を示す。
〜2.0mm、溝幅Wが0.4〜15mm、溝間隔Sが
0.2〜15mmが好ましく、溝深さDが0.5〜2.
0mm、溝幅Wが1.0〜5.0mm、溝間隔Sが0.
4〜3.0mmがより好ましい。溝幅Wが0.4mm未
満又は溝間隔Sが0.2mm未満では加工が困難になる
傾向がある。溝幅Wが15mmを超えるか又は溝間隔S
が15mmを超えると、溝部15が溝底と近くなりす
ぎ、クラック等の問題を招く恐れがある。なお、図3は
図2において周方向溝1に垂直な切断方向(即ちタイヤ
幅方向)であるI−I矢視断面を示している。
が設けられた側壁11の面積全体の30〜80%を占め
ているのが好ましく、35〜70%を占めているのがよ
り好ましい。
特に限定されることなく、三角形、四角形、その他の多
角形、半円、U字型など何れでもよい。また、溝部15
を設ける方向は、側壁11と踏面12との境界線に対し
て45°以下の角度で傾斜しているのが好ましく、40
°以下の角度で傾斜しているのがより好ましい。
1が配置される位置としては、タイヤ装着時にタイヤ赤
道線EQより車両外側であって、側壁11の中央線が、
タイヤ赤道線EQの位置よりトレッド幅の半分の20〜
80%の位置に配置されるのが好ましい。
傾斜角は、0〜20°であればよい。また、側壁13に
ついても同様である。
トレッド面Tを有するものであるが、他の部分は従来の
タイヤと同様であり、トレッド面Tの形成も従来タイヤ
の成型方法に準じて行うことができる。
の形態について説明する。
ンに限らず、少なくとも周方向に連なる連続溝によって
区分される陸部を有するトレッドパターンであれば何れ
のタイヤにも適用できる。周方向に連なる連続溝として
は、直線状の周方向溝やジグザグ状溝に限らず、例えば
円弧状もしくは曲線状の溝部を順次連続させたものや、
波状溝などでもよい。また、溝部が形成される側壁は複
数列存在してもよい。なお、横溝や傾斜溝の有無又は形
状も任意であり、サイプや細溝等の有無なども何れでも
よい。
状の溝部15を形成する例を示したが、図4(a)〜
(c)に示すような形状の凹部16又は溝部15を形成
してもよい。
垂直な断面形状が三角形であり、溝間隔Sが0mmであ
る例である。本発明において、このように溝間隔Sが存
在しない場合の側壁11の傾斜角αは、凹凸面の頂部を
連ねた面と法線との角度とする。
状の凹部16で形成されている。また、図4(c)に示
す凹部16は、1つの断面半円状の凹部16で形成され
ている。凹部16の開口形状は、特に限定されることな
く、円、楕円、三角、四角、菱形、各種文字形状など何
れの形状でもよい。また、凹部16の断面形状も、特に
限定されることなく、三角形、四角形、その他の多角
形、半円、U字型など何れでもよい。
ンの例を示したが、本発明の空気入りタイヤは、対象パ
ターンにも適用できる。非対象パターンの場合、タイヤ
の装着方向が指定されるのが通常であるが、対象パター
ンではその必要はない。
施例等について説明する。なお、実施例等における性能
評価は下記のようにして行った。
りタイヤを空気圧210kPaにてリム組み(リム:
6.5J)して実車(2500ccクラスの国産RV
車)に装着した。この実車により、4名乗車相当の荷重
にて、ドライ時のテストコースにおいて、テストドライ
バー2名による実車フィーリングテスト(直進、レーン
チェンジ、ハンドリング、制動)を実施し、その結果
を、従来品を100とする指数で評価した。この値が大
きいほど、ドライ条件での操縦安定性および制動性能が
優れている。
み後に同じ実車に装着した。この実車により、4名乗車
相当の荷重にて、ウエット時のテストコースにおいて、
テストドライバー2名による実車フィーリングテスト
(直進、レーンチェンジ、ハンドリング)を実施し、そ
の結果を、従来品を100とする指数で評価した。この
値が大きいほど、ウエット条件での操縦安定性が優れて
いる。
走行を行い、図1における側壁11と側壁14の踏面1
2摩耗量の差を測定し、従来品を100とする指数で評
価した。この値が大きいほど、偏摩耗の程度が小さい。
名による実車フィーリングテストを実施し、その結果
を、従来品を100とする指数で評価した。この値が大
きいほど、ノイズが小さい。
名による実車フィーリングテスト(良路走行性、不整路
面走行性、ハーシュネス)を実施し、その結果を、従来
品を100とする指数で評価した。この値が大きいほ
ど、乗心地が優れている。
70R16のタイヤについて、図3における側壁の傾斜
角αを50°とし、溝幅1mm、溝深さ2mm、溝間隔
0.5mmの断面四角形の溝部を形成し、他の部分は通
常のラジアルタイヤと同様にして、空気入りタイヤを試
作した。
0.5mmの溝部を形成すること以外は、同様にして同
サイズの空気入りタイヤを試作した。
70R16のタイヤについて、図3における側壁の傾斜
角αを90°とし、側壁に溝部を設けずに、他の部分は
通常のラジアルタイヤと同様にして、空気入りタイヤを
試作した。
実施例1と同様にして同じタイヤサイズの空気入りタイ
ヤを試作した。
を行った結果を表1に示す。
偏摩耗、ノイズ、乗心地性などに関する性能を維持しな
がら、ドライ及びウエットでの操縦安定性などを向上さ
せることができる。これに対して、傾斜した側壁に溝部
等を形成していない比較例2では、ドライ及びウエット
での操縦安定性などが向上するものの、偏摩耗、ノイ
ズ、乗心地性などに関する性能を維持できなかった。
1、比較例1〜2で得られたブロック形状に対し、荷重
20kgをかけた状態を仮定条件とし、その際、側壁を
有する陸部に生じる接地圧を条件とし、FEM解析によ
り算出した。その際の接地圧と陸部中央からの距離との
関係を図1に示した。その結果、ブロックに荷重をかけ
た場合に、実施例1で得られた試作タイヤでは、陸部踏
面の端縁に近い部分の接地圧が、比較例2と比べて低下
し、全体の接地圧が均一化していることが判った。
央からの距離との関係を示すグラフ
ーンを示す概略展開図
面図
面図
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも周方向に連なる連続溝によっ
て区分される陸部をトレッド面に有する空気入りタイヤ
において、 その陸部は、タイヤ装着時にタイヤ赤道線より車両外側
に配置されて車両外側に面する側壁を有し、その側壁は
踏面の法線に対し傾斜角20〜60°で傾斜すると共
に、その側壁には凹部又は溝部を設けてあることを特徴
とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 前記側壁には、溝深さ0.3〜2.0m
m、溝幅0.4〜15mm、溝間隔0.2〜15mmの
溝部が設けられている請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 前記溝部は、それが設けられた側壁と踏
面との境界線に対して平行又は45°以下の角度で傾斜
している請求項2に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 前記凹部又は前記溝部の開口面積は、そ
れが設けられた側壁の面積全体の30〜80%を占めて
いる請求項1〜3いずれかに記載の空気入りタイヤ。
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