JP2003312146A - 光学記録媒体 - Google Patents

光学記録媒体

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JP2003312146A
JP2003312146A JP2002124120A JP2002124120A JP2003312146A JP 2003312146 A JP2003312146 A JP 2003312146A JP 2002124120 A JP2002124120 A JP 2002124120A JP 2002124120 A JP2002124120 A JP 2002124120A JP 2003312146 A JP2003312146 A JP 2003312146A
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optical recording
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JP2002124120A
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Akira Nakajima
明 中島
Takashi Teruda
尚 照田
Toshibumi Takizawa
俊文 滝澤
Hideji Takeshima
秀治 竹島
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速での情報記録に適した光学記録媒体
を提供する。 【解決手段】 透明基板上に、光吸収性色素を含む記録
層を有する光学記録媒体において、記録層が下記(1)
〜(3)を全て満たし、光吸収性色素が下記(4)を満
たし、透明基板が下記(5)を満たすことを特徴とする
光学記録媒体。 (1)記録層が、波長670〜750nmの範囲に最大
吸収波長を有する。 (2)記録層の最大吸収波長における吸光度が0.6〜
0.8である。 (3)記録層の波長780nmにおける吸光度が、最大
吸収波長における吸光度の10〜30%である。 (4)光吸収性色素の、窒素中での示差熱分析における
発熱量が500〜100μV・sec/mgである。 (5)透明基板が、幅500〜700nm、深さ150
〜200nmである記録・再生光の案内溝を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学記録媒体にかか
るもので、とくに透光性の基板上に少なくとも光吸収層
を有する、書き込み可能な光学記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の書き込み可能な光学記録媒体とし
ては、たとえば特公平7−105065号公報にあるよ
うに、スパイラル状に形成したプリグルーブを有する透
光性の基板上に、有機色素などからなる光吸収層(記録
層)を設け、この光吸収層の上にさらに金属膜などから
なる光反射層を設けた構造を基本としている。この光学
記録媒体に、その基板側からレーザー光などによる記録
光を照射することにより、光吸収層にエネルギーを吸収
させて、光吸収層における色素の発熱、分解、および基
板の熱変形などにより記録ピットを形成し、情報の記録
を行うものである。
【0003】こうした書き込み可能な光学記録媒体は、
一般に「CD−R」として知られており、このCD−R
は、再生専用のCD(コンパクトディスク)およびCD
−ROMなどのディスクとの互換性が高く、一度のみの
記録が可能で、この記録を消去することができないとい
う特徴を有することから、とくに情報処理分野において
一般的になり、広く普及している。
【0004】しかしながら、情報データの増大、ならび
に情報処理の複雑化および高度化にともなって、光学記
録媒体への記録速度および読出し速度は、ここ数年高速
度化が進んでおり、CD−R市場においては2002年
度末までに、通常の40倍速の記録機および48倍速程
度の読出し用のCD−ROMドライブが、販売開始され
ている。
【0005】高速で記録を行う場合、たとえばX倍速で
あれば、線速をX倍とし、EFM信号の各ピット長さn
Tに相当する時間の約1/Xの時間ずつ高出力のレーザ
ー光を照射し、結果的に規定範囲のピット長さ3T〜1
1Tまでの信号を記録した光情報記録媒体を得ようとす
るものである。したがって、記録機において各Tの記録
ピットの長さを制御するにあたっては、従来の等速記録
以上の精度が要求されるという問題がある。(前記「等
速」とは、音楽用CDの再生速度と等速度の意。線速度
一定モード(CLV、Constant linear
Velocity)で、線速度約1.2m/s。以
下、特に断りがない限り、本明細書における記録/再生
はCLVにて行われ、記録/再生時の「速度」は「線速
度」と意味する。)また、記録される媒体についても、
所定長さのそれぞれのピットを従来の数分の一のみの時
間で形成させる必要があるため、記録時の発熱および熱
干渉の影響が従来よりも格段に大きくなってくるという
問題がある。
【0006】したがって、これらの高速記録時に発生す
る熱的な不均一性が原因となってジッターが悪化し、ピ
ット長さの偏り(デビエーション)が発生するという問
題がある。高速記録時の特性悪化は、上述のような熱的
な不均一性が原因と考えられるが、記録光に対する感度
を安定して上げることにより、記録の高速化に対応して
ピットの形成をより容易にすることが考えられている。
最も一般的には、色素自体を改善し、記録光波長におけ
る光吸収量の増加や、分解温度の降下等を図ることによ
り、これを含む記録層を高感度化する方法が挙げられ
る。
【0007】しかし、40倍速、48倍速等の超高速で
の記録に、色素の改善のみで対応することは非常に困難
である。また、高速での記録/再生時には、低速時と比
較して、媒体の面振れ加速度 (Vertical Acceleration)
および偏芯加速度 (Radial Acceleration)における許容
度が小さくなる。高速記録/再生を行うためには、記録
時の媒体の回転数を上げる必要があるが、これは記録お
よび再生に用いるレーザー光にとって、媒体の反りおよ
び媒体表面の微細な凹凸に追従するために瞬間的に行わ
なければならない位置調整の変化量が大きくなることを
意味する。一般に、記録/再生時における媒体の面振れ
加速度および偏芯加速度は、媒体の回転速度の二乗に比
例することが知られている。
【0008】実際に市販の記録装置には、高速での記録
時に、面振れ加速度や偏芯加速度の増加や、これに伴う
再生信号のエラー増加などをモニターし、これらの値が
一定値を超えると、媒体の回転速度を低下させることに
より記録信号の品質を確保する機能を有するものがあ
る。面振れ加速度や偏芯加速度が大きな光学記録媒体で
は、このような記録装置を用いた場合に、その高速記録
機能を充分に活用できない、という問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の課題を解決する
ため、我々は既に、特願2001−255470号に
て、透明基板上の溝形状と記録層の吸光度特性、および
記録層に含まれる光吸収性色素の熱特性などを組み合わ
せることにより、高速記録に適した光学記録媒体を提供
できる旨、提案した。しかし、40倍速記録や48倍速
記録など、更なる高速記録に対応するには、より一層記
録感度を向上することが望まれていた。
【0010】我々は、鋭意検討し、さらなる最適化検討
の結果、 ・高速記録に相応しい記録層としての光吸収性、 ・好適な発熱量を有した光吸収性色素の使用、 ・40倍速以上の高速記録に対応できる記録層の厚さ、
基板の溝形状 を見いだし、本発明に達した。
【0011】また、記録速度40倍速以上の市販のドラ
イブにおいて、記録速度が下がることなく記録できる媒
体の面振れ加速度(Vertical Acceleration)および偏芯
加速度(Radial Acceleration)の範囲を見いだし、本発
明に達した。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、透明
基板上に、光吸収性色素を含む記録層を有する光学記録
媒体において、記録層が下記(1)〜(3)を全て満た
し、光吸収性色素が下記(4)を満たし、透明基板が下
記(5)を満たすことを特徴とする光学記録媒体に存す
る。 (1)記録層が、波長670〜750nmの範囲に最大
吸収波長を有する。 (2)記録層の最大吸収波長における吸光度が0.6〜
0.8である。 (3)記録層の波長780nmにおける吸光度が、最大
吸収波長における吸光度の10〜30%である。 (4)光吸収性色素の、窒素中での示差熱分析における
発熱量が500〜100μV・sec/mgである。 (5)透明基板が、幅500〜700nm、深さ150
〜200nmの記録・再生光の案内溝を有する。
【0013】該光学記録媒体は、900rpmの角速度
一定モード(CAV、Constant Angula
r Velocity)での記録/再生時における、面
ぶれ加速度が2m/s2以下であり、かつ偏芯加速度が
0.8m/s2以下であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の態様】本発明の光学記録媒体は、少なく
とも透明基板上に記録層、反射層、および保護層を順次
積層してなる構造を有する。これらの層の間に、本発明
の光学記録媒体の性能を損なわない範囲で任意の層を有
していても良い。本発明の光学記録媒体における記録層
は、光吸収性色素を含み、波長670〜750nmの範
囲に最大吸収波長を有し、最大吸収波長における吸光度
が0.6〜0.8であり、波長780nmにおける吸光
度が、最大吸収波長における吸光度の10〜30%であ
る。
【0015】本発明において、吸光度は例えば(株)日
立製作所製吸光度計「U−3300」を用いて測定する
ことができる。最大吸収波長における記録層の吸光度が
0.6未満の場合、変調度I11/Ito p>0.6を満た
すことが困難になり、また0.8を超えると、例えば4
0倍速以上での記録に必要な記録感度を得られない。
【0016】波長780nmにおける吸光度が最大吸収
波長における吸光度の10%未満の場合、結果として記
録感度が不足となるため、必要な記録パワーが大きくな
り、記録光光源としてレーザーダイオードを使用してい
る現在の実際のドライブでの記録が難しくなることが予
想される。また該吸光度が30%を超える場合は、結果
として、光学記録媒体の再生光波長における反射率が低
くなり、コンパクトディスクとの互換性に問題が生じる
おそれがある。波長780nmにおける吸光度は、好ま
しくは最大吸収波長における吸光度の10〜20%であ
る。
【0017】記録層に含まれる光吸収性色素は、該色素
の窒素中での示差熱分析における発熱量が500〜10
0μV・sec/mgである。発熱量は500μV・s
ec/mgを超えると、記録マークが過剰に広がってし
まい、ジッターが悪化するため好ましくない。また10
0μV・sec/mg未満の場合、記録感度が低すぎる
ため、本発明の目的である高速での記録が困難になる。
光吸収性色素の、示差熱分析における発熱量は、300
〜100μV・sec/mgがより好ましい。
【0018】示差熱分析は、錫(標準物質)の融点の吸
熱量が61μV・sec/mgである、抵抗炉タイプの
TG−DTAを用いて、窒素気流下(流量は200mL
/分)で行う。測定装置としては、例えばセイコーイン
スツルメント社製「TG/DTA22」などを使用すれ
ばよい。発熱量の測定値におけるプラス/マイナスは、
装置によって異なるが、本発明における「発熱量」は発
熱量の絶対値を意味する。
【0019】本発明の光学記録媒体は透明基板上に記録
・再生光の案内溝を有し、該案内溝は幅500〜700
nm、深さ150〜200nmである。好ましくは、幅
550〜650nm、深さ170〜180nm、さらに
好ましくは幅 550〜600である。溝が500nm
より狭い場合には感度が悪くなり、溝が700nmより
も広いあるいは200nmより深い場合には基板の成形
が困難になるという生産上の問題が発生する。また溝深
さが、150nm未満の場合は被記録部分のラジアルコ
ントラストが0.3(規格値)未満となってしまう。
【0020】本発明において、案内溝の溝幅および溝深
さは、回折光の強度を測定し、該測定値からU字形近似
の溝形状として換算し算出した値である。測定および換
算には、例えばドクターシェンク(Dr.Schenk)社製
「MT−126」を使用すればよい。次に、本発明の光
学記録媒体を構成する、各種材料および層構成等につい
て詳細に説明する。
【0021】本発明の光学記録媒体における基板の材質
は、基本的には記録光及び再生光の波長で透明であれば
よい。このような材質としては、例えばアクリル系樹
脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリエ
ステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹
脂からなるもの、ガラスからなるもの、ガラス上に光硬
化性樹脂等の放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設けた
もの等を使用することができる。
【0022】高生産性、コスト、耐吸湿性などの点から
は、射出成型ポリカーボネートが好ましく、耐薬品性、
耐吸湿性などの点からは、非晶質ポリオレフィンが好ま
しい。また高速回転時の機械的安定性などの点からは、
ガラス基板が好ましい。記録層に接して樹脂基板または
樹脂層を設け、その樹脂基板または樹脂層上に、前述の
記録・再生光の案内溝を設ける。案内溝の他に、アドレ
ス情報などを表すピット(プリピット)を有していても
よい。このような案内溝やピットは、基板の成形時に付
与することが好ましいが、基板の上に紫外線硬化樹脂層
を用いて付与することもできる。案内溝の溝ピッチは
1.6μm程度であることが好ましい。
【0023】基板上、または必要に応じて下引き層等を
設けた上に、光吸収性色素を含む記録層を設ける。該記
録層は、(1)波長670〜750nmの範囲に最大吸
収波長を有し、(2)最大吸収波長における吸光度が
0.6〜0.8であり、(3)波長780nmにおける
吸光度が、最大吸収波長における吸光度の10〜30
%、を満たす。上記(1)〜(3)は、記録層が複数の
色素や各種添加剤を含有している場合には、それら全て
を含む記録層全体が満たすべき条件であり、記録層が含
有する個々の成分、例えば光吸収性色素については、必
ずしも上記条件を満たさなくてもよい。
【0024】光吸収性色素としては、示差熱分析におけ
る発熱量が前記条件(4)を満たし、かつこれを含む記
録層が上記条件を満たすものであればよく、構造上の制
限は特にないが、含金属アゾ系色素、フタロシアニン系
色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アゾ
系色素、スクアリリウム系色素、含金属インドアニリン
系色素、トリアリールメタン系色素、メロシアニン系色
素、アズレニウム系色素、ナフトキノン系色素、アント
ラキノン系色素、インドフェノール系色素、キサンテン
系色素、オキサジン系色素、ピリリウム系色素等が挙げ
られる。中でもシアニン系色素、フタロシアニン系色素
および含金属アゾ系色素が好ましく、含金属アゾ系色素
が特に好ましい。
【0025】また、記録層の安定性や耐光性向上のため
に、一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化
合物(例えば、アセチルアセトナートキレート、ビスフ
ェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシム、ビス
ジチオ−α- ジケトン等)等を含んでいても良く、また
記録感度向上のために、金属系化合物等の記録感度向上
剤を含有していても良い。ここで金属系化合物とは、遷
移金属等の金属が原子、イオン、クラスター等の形で化
合物に含まれるものを言い、例えばエチレンジアミン系
錯体、アゾメチン系錯体、フェニルヒドロキシアミン系
錯体、フェナントロリン系錯体、ジヒドロキシアゾベン
ゼン系錯体、ジオキシム系錯体、ニトロソアミノフェノ
ール系錯体、ピリジルトリアジン系錯体、アセチルアセ
トナート系錯体、メタロセン系錯体、ポルフィリン系錯
体のような有機金属化合物が挙げられる。金属原子とし
ては特に限定されないが、遷移金属であることが好まし
い。
【0026】さらに記録層は、必要に応じて、バインダ
ー、レベリング剤、消泡剤等を含んでいても良い。記録
層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング
法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート
法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成法が挙げられ
るが、量産性、コスト面からはスピンコート法が好まし
い。また厚みの均一な記録層が得られるという点から
は、塗布法より真空蒸着法の方が好ましい。
【0027】スピンコート法による成膜の場合、回転数
は500〜15000rpmが好ましく、スピンコート
の後、必要に応じて、加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等
の処理を行っても良い。ドクターブレード法、キャスト
法、スピンコート法、浸漬法等の塗布方法により記録層
を形成する場合の塗布溶媒としては、基板を侵さない溶
媒であればよく、特に限定されない。例えば、ジアセト
ンアルコール、3-ヒドロキシ-3- メチル-2- ブタノン等
のケトンアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ等のセロソルブ系溶媒;n-ヘキサン、n-オク
タン等の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシク
ロヘキサン、n-ブチルシクロヘキサン、tert- ブチルシ
クロヘキサン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶
媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペン
タノール、ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロ
アルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、
イソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶
媒等が挙げられる。
【0028】真空蒸着法の場合は、例えば本発明の色素
と、必要に応じて他の色素や各種添加剤等の記録層成分
を、真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内
を適当な真空ポンプで10-2〜10-5Pa程度にまで排
気した後、るつぼを加熱して記録層成分を蒸発させ、る
つぼと向き合って置かれた基板上に蒸着させることによ
り、記録層を形成する。
【0029】記録層の膜厚は、前述のように、最大吸収
波長における該層の吸光度が0.6〜0.8になるよう
設定される。よって、該層の膜厚は含有する光吸収性色
素などの化合物の性質により異なる。平均膜厚は10n
m〜5μm、好ましくは70nm〜3μmであればよい
が、断面SEMにて測定したグルーブ上での膜厚が80
〜120nm程度、ランド上での膜厚が40〜60nm
程度であれば特に好ましい。
【0030】記録層の上には直接または他の層を介して
反射層を形成し、その膜厚は通常50〜300nmであ
る。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十
分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、P
t、Ta及びPdの金属を単独あるいは合金にして用いるこ
とが可能である。この中でもAu、Al、Agは反射率が高く
反射層の材料として適している。
【0031】またこれらを主成分とし、これら以外に例
えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、
Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、S
n、Bi、Ta、Ti、Pt、Pd、Ndおよび半金属などを含む合
金であっても良い。なかでもAgまたはAgを主成分とする
合金はコストが安い点、高反射率が出やすい点、更に後
で述べる印刷受容層を設ける場合に地色が白く美しいも
のが得られる点等から特に好ましい。ここで主成分とは
含有率が50%以上のものをいう。
【0032】なお、金属以外の材料で低屈折率薄膜と高
屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層
として用いることも可能である。反射層を形成する方法
としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング
法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基
板の上や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、
密着性の向上等のために公知の無機系または有機系の中
間層、接着層を設けることもできる。
【0033】反射層の上に形成する保護層の材料として
は、反射層を外力から保護するものであれば特に限定さ
れない。有機物質の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げ
ることができる。また、無機物質としては、酸化ケイ
素、窒化ケイ素、MgF2、SnO2等が挙げられる。熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な溶剤に溶解して
塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することが
できる。
【0034】UV硬化性樹脂は、そのままもしくは適当
な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗
布し、UV光を照射して硬化させることによって形成す
ることができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウ
レタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエス
テルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いるこ
とができる。中でも、保護層の材料としてはUV硬化性
樹脂が好ましい。
【0035】これらの材料は単独であるいは混合して用
いても良いし、1層だけではなく多層膜にして用いても
良い。保護層の形成方法としては、記録層と同様にスピ
ンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学
蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコー
ト法が好ましい。
【0036】保護層の膜厚は、一般に0.1 〜100 μm の
範囲であるが、本発明においては、3〜30μm が好まし
い。また、反射層面に更に基板を貼り合わせてもよく、
また反射層面相互を内面とし対向させ光学記録媒体2枚
を貼り合わせても良い。基板鏡面側に、表面保護やゴミ
等の付着防止のために紫外線硬化樹脂層や、無機系薄膜
等を成膜してもよい。
【0037】なお、記録/再生光の入射面ではない面
に、インクジェット、感熱転写等の各種プリンタ、或い
は各種筆記用具に記入(印刷)が可能な印刷受容層を設
けてもよい。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実
施例によって限定されるものではない。 (実施例1)溝幅620nm、溝深さ170nm、トラ
ックピッチ1.5μmの案内溝を有する直径120mm
の射出成形ポリカーボネート性透明樹脂基板上に、下記
構造式
【0039】
【化1】 で表される色素の2.5%オクタフルオロペンタノール
溶液をスピンコートした後100℃で乾燥し、最大吸収
波長における吸光度が0.7となるよう膜厚を調整した
記録層を設けた。上記色素の、窒素中での示差熱分析に
おける発熱量は114μV・sec/mgであった。こ
の発熱量は、セイコーインスツルメント社製「TG/D
TA22」を用いて測定した。
【0040】次に、記録層上に厚さ80nmのAg膜を
設けて反射層とし、更に厚さ5μmの紫外線硬化性樹脂
層を設けて保護層とし、光学記録媒体を形成した。この
光学記録媒体に対し、波長780nmの半導体レーザー
を搭載したCD−R評価装置(Pulstec社製「DDU-100
0」)を用い、線速48.0m/s(40倍速)にてE
FM変調記録方式によりランダム信号を記録し、評価し
た。
【0041】β=0となる時の記録パワーは44mWで
あり、この光学記録媒体は、出力60mWの半導体レー
ザーを記録光として用いる上で、実用上充分な記録感度
を有することが示された。また、同様に作成された光学
記録媒体に対し、三洋電機(株)社製「Sanyo B
P5」を用い、24倍速(28.8m/s)にて上記と
同様に記録を行った。記録後の媒体は、エキスパート社
製「CD-TR」を用いて評価した。
【0042】その結果、β=0となる時の記録パワーは
36mWであった。ここで、βとは再生信号のアシンメ
トリーの逆数に対応するパラメータである。また、同様
に作成した光学記録媒体に対し、記録パワーを変化させ
つつ記録を行った。この時、BLEA(ブロックエラー
レート)<10となる、良好な記録特性を得られるβの
範囲は40%あり、実用上充分な値であった。 (実施例2)案内溝の溝幅を580nmとした以外は、
実施例1と同様に光学記録媒体を作成し、得られた光学
記録媒体に対して、三洋電機(株)社製「Sanyo
BP5」を用いて、24倍速(28.8m/s)記録で
記録を行った。記録後の媒体は、エキスパート社製「CD
-TR」を用いて評価した。その結果、β=0となる時の
記録パワーは38mWであった。 (実施例3)900rpmの角速度一定モード(CA
V、Constant Angular Veloci
ty)での記録/再生時における、面ぶれ加速度(Vert
ical Acceleration)および偏芯加速度(Radial Acceler
ation)の値が異なる、数枚の光学記録媒体に対し、市
販のライター(記録装置)であるシナノケンシ社製「P
x−W4012TA」にて記録を行い、その到達記録速
度を、ahead softwear社製CD−R w
riting soft“Nero5 buring
ROM”付属のtool kit“Nero CD S
peed”を用いて測定した。
【0043】なお、このライターは40倍速で記録可能
だが、書き込む光学記録媒体の面ぶれ加速度や偏芯加速
度が高すぎると、ライター側でそれを検知し、より低速
で記録するよう調整するしくみを有する。上記「到達記
録速度」とは、その媒体が実際に、どれくらいの速度ま
で記録可能であったかを示す値である。評価結果を図3
に示す。
【0044】図3より、高速で記録するには(少なくと
もこの記録装置にて、40倍速で記録するためには)、
面ぶれ加速度 (Vertical Acceleration)は、2m/s2
以下、 偏芯加速度(Radial Acceleration)は、0.
8m/s2以下であることが好ましいことが分かる。 (比較例1)案内溝の幅を450nm、深さを140n
mとした以外は、実施例1と同様に光学記録媒体を作成
した。得られた媒体に対し、波長780nmの半導体レ
ーザーを搭載したCD−R評価装置(Pulstec社の「DDU
-1000」)を用い、線速48.0m/s(40倍速)に
てEFM変調記録方式にてランダム信号を記録し、評価
した。
【0045】β=0となる時の記録パワーは51mWで
あり、この光学記録媒体は、出力60mWの半導体レー
ザーを記録光として用いる上では、実用上、記録パワー
に関するマージンがないことが判った。これは主に、溝
幅が狭すぎるため十分な感度が得られなかったと考えら
れる。また、同様に作成した光学記録媒体に対し、三洋
電機(株)社製「SanyoBP5」を用いて24倍速
(28.8m/s)にて記録を行った。記録後の媒体
は、エキスパート社製「CD-TR」を用いて評価した。そ
の結果、β=0となる時の記録パワーは40mWであっ
た。 (比較例2)高速記録対応を謳った市販のフタロシアニ
ン系CD−Rディスクにつき、溝形状および記録層に含
有される色素の熱特性につき検討した。
【0046】該媒体は、深さ175〜185nm、幅5
50〜700nmの案内溝を有する透明基板上に、下記
式で表されるフタロシアニン系色素
【0047】
【化2】 を含む記録層を有し、その上にAg反射層、およびUV
硬化性樹脂を用いて形成された保護層を有する。案内溝
の形状は、ドクターシェンク(Dr.Schenk)社製「MT
−126」を用いて、本文中に記載した方法にて測定し
た。
【0048】上記フタロシアニン系色素の、示差熱分析
結果を図2に示す。図2より、該色素の発熱量は、明ら
かに100μV・sec/mgを下回っていることが分
かる。この光学記録媒体に対し、三洋電機(株)社製
「Sanyo BP5」を用いて、24倍速記録を試み
たところ、BLER<10となるβの範囲が存在しなか
った。つまり、この媒体に対しては、例えば32倍速以
上の高速で記録するとエラーが増加しやすい傾向があ
り、高速記録に適した記録媒体であるとはいえないこと
が分かる。
【0049】
【発明の効果】特定の発熱特性をもつ色素を含有する、
特定の吸光度特性をもつ記録層に対し、本発明の溝形状
を有する基板を組み合わせることにより、非常に高速で
の記録が可能な追記型CD(CD−R)が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1、2および比較例1にて使用した含
金属アゾ系色素の、TG−DTA測定結果を示すチャー
トである。
【図2】 比較例2にて使用したフタロシアニン系色素
の、TG−DTA測定結果を示すチャートである。
【図3】 実施例3における、到達記録速度と面振れ加
速度及び偏芯加速度との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝澤 俊文 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 竹島 秀治 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA03 EA12 EA22 EA25 EA33 EA43 FA01 FA12 FB42 FB43 FB45 5D029 HA06 JA04 JB47 JC03 JC11 WB11 WB17 WC01 WD11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、光吸収性色素を含む記録
    層を有する光学記録媒体において、記録層が下記(1)
    〜(3)を全て満たし、光吸収性色素が下記(4)を満
    たし、透明基板が下記(5)を満たすことを特徴とする
    光学記録媒体。 (1)記録層が、波長670〜750nmの範囲に最大
    吸収波長を有する。 (2)記録層の最大吸収波長における吸光度が0.6〜
    0.8である。 (3)記録層の波長780nmにおける吸光度が、最大
    吸収波長における吸光度の10〜30%である。 (4)光吸収性色素の、窒素中での示差熱分析における
    発熱量が500〜100μV・sec/mgである。 (5)透明基板が、幅500〜700nm、深さ150
    〜200nmである記録・再生光の案内溝を有する。
  2. 【請求項2】 記録層中の光吸収性色素が、シアニン系
    色素、フタロシアニン系色素および含金属アゾ系色素か
    ら選ばれる少なくとも一種である、請求項1記載の光学
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 透明基板上に、記録層および反射層を順
    次積層してなる、請求項1または2記載の光学記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 900rpmの角速度一定モード(CA
    V、ConstantAngular Velocit
    y)での記録/再生時における、面ぶれ加速度が2m/
    2以下であり、かつ偏芯加速度が0.8m/s2以下で
    あることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一
    項に記載の光学記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100785708B1 (ko) * 2003-12-26 2007-12-18 다이요 유덴 가부시키가이샤 광정보기록매체
JP2010033684A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Victor Co Of Japan Ltd 光ディスク
US7859965B2 (en) 2005-04-08 2010-12-28 Pioneer Corporation Recording device and method, reproducing device and method, recording/reproducing device and method, and computer program

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