JP2003288736A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2003288736A
JP2003288736A JP2002088650A JP2002088650A JP2003288736A JP 2003288736 A JP2003288736 A JP 2003288736A JP 2002088650 A JP2002088650 A JP 2002088650A JP 2002088650 A JP2002088650 A JP 2002088650A JP 2003288736 A JP2003288736 A JP 2003288736A
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layer
recording layer
substrate
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Application number
JP2002088650A
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English (en)
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Kazuhiro Kiyono
和浩 清野
Shinichi Nakagawa
真一 中川
Chiaki Yokota
千秋 横田
Atsushi Tokuhiro
淳 徳弘
Hidekazu Takahashi
英一 高橋
Masatoshi Yanagimachi
昌俊 柳町
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 線速度28.8m/sec以上で高速記録し
ても、CD再生機との互換性を高めた光情報記録媒体を
提供する。 【解決手段】 記録溝の形成された基板1上に、レーザ
ー光により情報の書き込みが可能な有機色素からなる記
録層2、反射層、および保護層がこの順に設けられた光
情報記録媒体において、溝間(ランド部)の記録層表面
と溝部(グルーブ部)記録層表面の積層方向における差
異(α)が150nm以下に抑えられ、かつランド部に
おける色素膜厚(β)が25nm以下であることを特徴
とする光情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、記録溝(案内
溝)の形成された基板上に、記録層、反射層、保護層を
この順に設けられた光情報記録媒体、特に線速度28.
8m/sec(24倍速)以上で記録が可能な光情報記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の急速な情報化社会の進展に伴い、
磁気記録媒体に比べ格段に高密度記録が可能な光情報記
録媒体の利用・研究が盛んに行われている。この光情報
記録媒体としては、あらかじめ情報が記録されており再
生のみが可能な再生専用型、利用者によって情報の記録
および再生が可能な追記型、および情報の記録・再生・
消去が可能な書換え型が知られている。なかでも追記型
は、一般に安価で保存性に優れるため、大量のデータを
コンパクトに保存しておく媒体として広く普及しつつあ
る。
【0003】この追記型の光情報記録媒体は、有機色素
を記録層とし且つ記録層の上に金属の反射層を設け、更
にこの上に保護層を設けた単板型のCD−R(CD−R
ecordable)や張合型のDVD−R(DVD−
Recordable)が一般的であり、広く普及して
いる。
【0004】このCD−R又はDVD−Rは、基板側か
ら照射されるレーザー光により有機色素記録層を変化さ
せ、情報を信号として記録するものであり、記録装置と
しては、高出力半導体レーザーを用いたライターが、ま
た情報記録のためのソフトウェアが、各種市販されてい
る。近年、CD−Rの記録装置に関して、通常の記録速
度よりも12倍〜24倍以上もの高速で記録する装置が
多数市販されてきている。また、DVD−Rに関しても
4倍速以上の高速で記録する装置が市販されつつある。
高速で記録する場合、通常用いられる書き込み時間より
も短時間で記録がなされる一方、より高パワーのレーザ
ー照射が必要となるため、記録再生特性に求められるマ
ージンがより一層狭くなってしまう。特に通常の記録速
度では顕在化しなかったジッター特性、及びブロックエ
ラーレートが増加するという問題点が指摘されてきた。
【0005】これに対して例えば、特開平6−3380
59号公報などに示されているように基板の溝深さ、及
びレーザー光による記録層の変形量を規定することによ
って、主としてジッター特性の改善を図っている例があ
る。該系では記録層に用いられる有機色素の分解を部分
的に制御することを特徴としているが、例えば、記録層
としてフタロシアニン系色素を用いた場合、基板の溝深
さ等基板構造を変えるだけでは色素の分解を制御ことは
難しく、従ってジッター特性を低減させることは困難で
あった。
【0006】また、特開平5−101440号公報に記
載のように、基板溝設計に加えて記録溝(グルーブ)部
及び溝間(ランド部)の色素膜厚を規定することでジッ
ター・エラーレートの改善を図っている例もあるが、本
設計指針では線速28.8m/sec以上の高速記録に
対してはジッター・エラーレートが良好化することはな
かった。
【0007】さらに、特開平6−208732号公報に
記載のように、反射層に銀−パラジウム合金を使用する
ことで記録時の色素分解で生ずる反射層と記録層の亀裂
・剥離を抑えることでジッター特性を良好化させようと
いう試みが報告されている。該系では、2倍速、4倍速
程度の高速記録では効果があるものの、最近多数市販さ
れている16倍速、24倍速以上のさらなる高速記録に
対して必ずしも感度を良好化させてブロックエラー、及
びジッター特性を良好化できないことを本発明者たちは
観測している。
【0008】また、記録層の塗布溶媒を選定することに
よって、記録層の感度・S/N比の向上、記録マージン
の拡大の試みも報告されている。例えば、特開昭62−
41085号公報、USP−5,959,960、WO0
0/49,611などは2成分系の有機溶剤を用い、か
つ第2成分溶媒が高沸点溶媒である系を用いて該特性を
改善するとの記述がある。ところが、これら先行文献は
単に高沸点の第2成分溶媒を添加することで色素の感
度、均一性をコントロールしようとするもので、特に2
4倍速以上の高速記録時におけるジッター特性、及びブ
ロックエラーレートの増加が抑えられるわけではないこ
とが本出願者らによってわかってきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述してきたように、
従来開発されてきた光情報記録媒体では、高速で記録し
た時の感度の良好化、ブロックエラーレート、及びジッ
ター特性の低減化が必ずしも十分とはいえず、そのた
め、特にその典型例となるCD−R媒体では、24倍
速、32倍速以上の高速記録で書き込みを行った場合、
必ずしも再生専用のCDとの互換が十分ではなく、普及
した市販CDプレーヤーでの再生に問題が生じる場合が
あった。
【0010】本発明は、このような問題を解決し、高速
記録してもCD再生機との互換性を高めた光情報記録媒
体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ランド部の記録層
表面とグルーブ部記録層表面の積層方向における差異を
150nm以下に抑えて、かつランド部位における色素
膜厚を25nm以下になるように色素膜厚設計を行うこ
とによって、グルーブ部位に十分な感度、変調度を与え
て、かつ線速度28.8m/sec以上の高速記録時に
おけるジッター、ブロックエラーレートの低減に格段の
効果があることを見出した。本発明の特徴は、ランド部
の色素膜厚を極力薄くして、かつ色素充填をグルーブ部
に集中させることにある。このことによって、高速記録
時に必要とされるより高パワーのレーザー光に対して
も、ランド部にまで影響を与えるであろう記録層色素の
爆発・変形・界面剥離を誘発することなく、ジッター・
エラーレートを低く抑えることが可能になる。
【0012】本効果をより鮮明に助長させるために、さ
らに記録層色素の塗布溶媒に高沸点・高粘性で、かつポ
リカーボネート基板を実質的に溶解する有機溶媒(1)
を第二溶剤として選定することが非常に有効であること
も本発明者らによってわかってきた。すなわち、ポリカ
ーボネート基板表面を実質的に溶解する有機溶媒(1)
を第二溶剤として用いることで、ポリカーボネート基板
表面の硬質部層を適度に荒らしてポリカーボネート基板
と色素層の界面、特にランド部の界面の密着性をより一
層向上させて、高速記録時でも界面剥離を誘発させるこ
とのないジッター・エラーレート等時録特性により大き
く寄与する媒体設計指針が存在することを見出した。
【0013】すなわち、本発明にかかる光情報記録媒体
は以下のようなものである。
【0014】記録溝の形成された基板上に、レーザー光
により情報の書き込みが可能な有機色素からなる記録
層、反射層、および保護層がこの順に設けられた光情報
記録媒体において、溝間(ランド部)の記録層表面と溝
部(グルーブ部)記録層表面の積層方向における差異が
150nm以下に抑えられ、かつランド部における色素
膜厚が25nm以下であることを特徴とする光情報記録
媒体に関するものである。
【0015】さらに、ランド部の記録層表面とグルーブ
部記録層表面の積層方向における差異が特に100nm
以下に抑えられ、かつランド部位における色素膜厚が特
に15nm以下であることを特徴とする光情報記録媒体
に関するものである。
【0016】さらに、前記記録層色素がフタロシアニン
色素である光情報記録媒体に関するものである。
【0017】さらに、前記基板に設けられたグルーブ溝
深さが180nm以上であることを特徴とする光情報記
録媒体に関するものである。
【0018】さらに、該記録層色素の塗布溶媒に沸点が
140℃(101325Pa)以上、かつ粘性率が0.
0006Pa−s(0.6cP)(20℃)以上であ
り、かつポリカーボネート基板を実質的に溶解する有機
溶媒(1)を第二溶剤として含有した少なくとも2種類
以上の混合溶媒によって溶解塗布された後、反射層及び
保護層が形成された光情報記録媒体に関するものであ
る。
【0019】さらに、有機溶剤(1)が塗布溶剤全体に
対して1−10体積%の混合比率で色素溶液が調合塗布
された後、反射層及び保護層が形成された光情報記録媒
体に関するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光情報記録媒体
に関して詳細に述べる。
【0021】本発明の光記録媒体の構成は追記型CD−
RあるいはDVD−Rと基本的に同一である。すなわ
ち、所望の形状に溝を形成した透明な基板の上にレーザ
ー光を吸収してピットを形成する記録層が設けられてお
り、その記録層の上に反射率を増大させるための反射層
が設けられており、さらにその上に記録層および反射層
を保護するための保護層が設けられているものである。
該保護層が接着層として2層張合せ構造になっていても
よい。
【0022】上記基板の材質としては、半導体レーザー
の光を実質的に透過し、通常の光記録媒体に用いられる
材料として特にポリカーボネート樹脂を用いる。必要に
応じて、ポリカーボネート樹脂を射出成形によって、あ
るいは2P法などによってプリグルーブを形成した基板
とする。これらの基板の形状は板状でもフィルム状でも
良く、又円形やカード状でもよい。また、基板表面には
記録位置を表す案内溝や記録位置を表すピットや一部再
生専用の情報等のためのピットを有していてもよい。
【0023】記録層は記録レーザー光を吸収して物理的
あるいは/及び化学的変化を起こし、これが再生レーザ
ー光で読み取り可能であるような物質であり、半導体レ
ーザー波長域に吸収を有する各種の有機色素を用いるこ
とができる。すなわち、フタロシアニン系色素、ナフタ
ロシアニン系色素、シアニン系色素、スクワリリウム系
色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、アズ
レニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン
系色素、Ni,Crなどの金属塩系色素、インドフェノ
ール系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系
色素、インダンスレン系色素、インジゴ系色素、チオイ
ンジゴ系色素、メロシアニン系色素、チアジン系色素、
アクリジン系色素、オキサジン系色素、アゾ系色素など
を挙げることができる。なかでも、フタロシアニン系色
素はその高い耐光性・耐久性から好ましいものである。
【0024】これらの色素は単独で用いてもよいし、2
種類以上の色素を混合して用いてもよい。また、必要に
応じて紫外線吸収剤、一重項酸素クエンチャー、結合
剤、熱分解促進剤、金属化合物等の添加物質を加えるこ
ともできる。
【0025】本発明に於いて用いられる上記フタロシア
ニン色素は通常スピンコート、蒸着、スパッタリング等
の手段によって成膜することが出来るが、成膜の容易
さ、及びグルーブ部とランド部の色素膜厚のコントロー
ルのしやすさの点からはスピンコート法が好ましい。
【0026】上記色素をスピンコートにより成膜する
際、該記録層色素が射出成形基板であるポリカーボネー
ト基板を実質的に溶解しない主溶媒と、高沸点・高粘性
を有し、かつポリカーボネート基板を実質的に溶解する
有機溶媒(1)を第二溶剤として含有した少なくとも2
種類以上の混合溶媒によって溶解塗布される必要があ
る。もし、高沸点・高粘性を有して、かつポリカーボネ
ート基板を実質的に溶解する有機溶剤(1)を添加しな
いと、十分なレベリング機能を発揮することができず、
ランド部の色素膜厚を極力薄くかつ色素充填をグルーブ
部に集中させることが困難になるばかりか、ポリカーボ
ネート基板表面の硬質層を適度に荒らすことで達成され
る記録層色素との界面強度のより一層の向上が図れず
に、特に線速度28.8m/sec以上の高速記録時に
おいて良好なジッター、ブロックエラーレートを保つこ
とが困難になる。逆に、ポリカーボネート基板を実質的
に溶解する有機溶剤(1)のみだと、ポリカーボネート
基板に必要以上のダメージを与えて良好な成膜ができな
くなることは言うまでもない。
【0027】ポリカーボネート基板を実質的に溶解しな
い主溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、3
−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,
2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチル
ペンタン、2,2,3,3−テトラメチルブタン等の飽
和脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサ
ン、ジエチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキ
サン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の飽和脂環式
炭化水素系、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジ
イソブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジペン
チルエーテル等のエーテル系等の溶剤を挙げることがで
きる。これらの有機溶剤は1種または2種以上混合して
用いてもよい。これら有機溶剤の中で特にフタロシアニ
ン色素との相溶性の良い飽和脂環式炭化水素系やエーテ
ル系、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエ
チルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、シ
クロヘプタン、シクロオクタン、ジブチルエーテル、イ
ソブチルエーテル、プロピルエーテル等を用いることが
好ましい。
【0028】第二溶剤としてポリカーボネート基板を実
質的に溶解する有機溶媒(1)は、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ブチル
ベンゼン、クメン、トリメチルベンゼン、トリエチルベ
ンゼン、テトラリン、p−シメン等が挙げられる。特に
沸点が140℃(101325Pa)以上、かつ粘性率
が0.0006Pa−s(0.6cP)(20℃)以上
を有するブチルベンゼン、クメン、トリメチルベンゼ
ン、テトラリン、p−シメン、キシレンは、基板溝(グ
ルーブ)に対して十分なレベリング機能を有すると共
に、スピンコート塗布後も乾燥処理前工程において記録
層色素中に長時間残留するため、経時で基板表面の硬質
層を適度に溶解/荒らすことが可能となる。
【0029】溶媒の沸点及び粘性率は、純溶媒の測定値
を、例えば、「溶剤便覧」(槙書店)、「溶剤ハンドブ
ック」(産業図書)等の文献値から一義的に求めること
ができるが、E型粘度計等で実測してももちろん良い。
【0030】
【化1】
【0031】本発明に於いては、有機溶剤(1)が塗布
溶剤全体に対して1−10体積%の混合比率で色素溶液
が調合塗布されることが好ましい。この混合比率は、色
素と混合溶媒との相溶性を十分せしめ、かつ上記に示す
ような基板溝(グルーブ)に対して十分なレベリング機
能を有すると共に、基板表面の硬質層を適度に溶解/荒
らすことのできる最適混合比率として求められる。
【0032】また、本発明に於いて、上記混合溶剤を用
いて色素塗布する場合、本発明で用いる基板には、溝ピ
ッチ0.7μm〜2.0μmで、溝深さ160nm〜2
50nm、好ましくは170nm〜220nmの溝を有
するが、特に180nm以上の基板を用いることが好ま
しい。また溝幅は半値幅として0.2μm〜0.8μ
m、好ましくは0.25μm〜0.60μmから選択さ
れる。この膜厚設計で記録線速度28.8m/sec以
上の高速記録時において良好なジッター、ブロックエラ
ーレートを保つことができ、かつ十分な感度、変調度、
及び適正なプッシュプルを保つことが可能となる。
【0033】ここで、「ランド部の記録層表面とグルー
ブ部記録層表面の積層方向における差異」とは、記録層
の積層方向(厚み方向)におけるランド部の記録層表面
の最大高さと、同方向におけるグルーブ部記録層表面の
最低高さとの差であり、図1に示されるαに相当するも
のである。図1において、基板1には所定形状の溝(グ
ルーブ)が形成されており、該基板1上に記録層2が形
成されている。このとき、ランド部とグルーブ部には基
板の溝形状に追従するように高低差が生じる。記録が施
される記録層の溝上(グルーブ)膜厚は30nm以上が
好ましく、一方、ランド部の膜厚(β)は25nm以
下、好ましくは10nm以下であり、ランド部における
記録層表面とグルーブ部における記録層表面の積層方向
の差異(α)が150nm以下、好ましくは100nm
以下となるようにグルーブ部の膜厚を設定すればよい。
【0034】基板の溝深さ測定には、簡便な方法として
AFMが挙げられるが、凍結破断による断面SEM法や
後述するFIB−TEM法も精度ある測定方法として有
効である。
【0035】記録層形成後に、必要に応じて乾燥工程を
設けても良い。媒体の生産性や媒体の記録信号特性の安
定性からは乾燥温度は50℃以上100℃以下が好まし
い。記録層を50℃以上で乾燥した場合は基板や記録層
に残留する応力が十分に緩和されると考えられる。乾燥
時間は通常5分〜25時間程度である。一方、乾燥時の
圧力は常圧または減圧で行っても良い。
【0036】本発明に於ける記録層の上には反射層上を
設ける。この反射層は、例えば反射機能以外にも、断熱
機能、光エンハンス機能等を兼ね備える膜であっても良
い。このような場合、該反射層は2層以上の多層になっ
ても良い。反射層の具体例としては、アルミ、金、銀、
銅、白金、ニッケル等やこれらの金属を一成分とする合
金などが挙げられる。反射層の膜厚は通常20〜200
nm程度である。また、酸化アルミ、酸化珪素、窒化珪
素、窒化アルミ、窒化ホウ素、沸化マグネシウム、炭化
珪素等の無機膜を断熱機能、光エンハンス機能として2
層目に設けても良い。
【0037】本発明に於ける反射層の上には保護層を設
ける。この保護層は記録膜および反射膜を保護できるも
のならば特に限定されない。たとえば、ポリカーボネー
ト、アクリル、ポリスチレン、塩化ビニル、エポキシ、
ポリエステルなどの高分子材料、あるいはSiO2、A
23、AlNなどの無機物を用いることができる。な
かでも、紫外線硬化アクリル樹脂は、容易に保護層を形
成できるので好適である。これらは、単独で用いてもよ
いし、混合して用いてもよい。また、多層膜として2種
以上を重ねて使用しても構わない。
【0038】本発明の光記録媒体は基板を通してレーザ
ー光を照射し信号の記録及び再生を行う。この際、発振
波長はCD−Rの場合、770〜830nmの半導体レ
ーザーが用いられる。CDプレーヤーとの互換性を考慮
すれば770〜830nmの波長の半導体レーザーで記
録再生するのが一般的である。しかしながら、特にフタ
ロシアニン色素は640〜740nmに大きな吸収を有
するので、記録再生に際しては、CD−Rの記録再生波
長である770〜830nmの波長域以外である400
〜600nmの青色半導体レーザーにても、高速で短時
間に記録することも出来る。
【0039】また、発振波長はDVD−Rの場合、63
0〜650nmの半導体レーザーが用いられる。DVD
プレーヤーとの互換性を考慮すれば630〜650nm
の波長の半導体レーザーで記録再生するのが一般的であ
る。
【0040】記録層色素膜厚の測定は極めて困難である
が、最近ガリウムイオンビーム等で端面のエッチングを
施した後、SEM、あるいはTEMで観察するといった
精度の良い方法が利用され始めた。この方法は対象物に
Pt等のスパッタ層、更にはカーボンの蒸着膜を施した
後、ガリウムイオンビームで端面のエッチングを施す。
この手法のメリットとして、凍結破断等で対象物の切片
を出して色素膜厚を測定する従来の方法と比較して、硬
度が極めて低く、端面の正確な厚みを測定することがで
きなかったものまで、正確な層構造を反映させて色素膜
厚を測定することが可能となる。
【0041】さらに、記録層中の塗布溶媒の定性、及び
定量は通常、ヘッドスペースGC/MSやイオン選択G
C/MS(SIM GC/MS)、溶媒抽出によるGC
/MS測定などが挙げられる。溶媒抽出によるGC/M
S測定、及びSIM GC/MSは、反射層及び保護層
を剥離した後、記録層中の塗布溶媒とは別の溶媒で抽出
する。また、ヘッドスペースGC/MSは反射層及び保
護層を剥離することなしに、密封系で加熱して塗布溶剤
ガスを追い出して、ガスクロマトグラフィーにより定量
分析することが可能である。
【0042】本発明者らは、記録層の色素膜厚、特に基
板溝のレーザー走査しないランド部の色素膜厚を薄くす
ることで、24倍速以上の高速記録時におけるジッター
特性、及びブロックエラーレートの増加が抑えられるこ
とを見出した。さらにこの要因が、特にランド部記録層
色素とポリカーボネート基板の界面の剥離に起因するこ
とも本発明者らによって突き止められた。この現象は、
特に高パワーで記録を行う高速記録時において、かつ/
または記録層色素が非極性でシンメトリック構造を有す
るフタロシアニン色素を使用することで顕著に現れるこ
とがわかってきた。この問題点を解決するために、基板
溝のレーザー走査しないランド部の色素膜厚を薄くする
という方策が試行錯誤の上に取られてきたが、一方で単
純にランド部の色素膜厚を薄くしただけだと基板溝のレ
ーザー走査部(グルーブ部)の色素膜厚も同時に薄くな
ってしまい、記録感度、あるいは変調度が低下してしま
う、あるいはプッシュプルが大きくなってしまう等、記
録再生に重大な欠陥が発生してしまうことも同時にわか
ってきた。
【0043】この問題を解決するために、基板溝のレー
ザー走査部(グルーブ部)の色素膜厚を減することな
く、該グルーブ部とレーザー走査しないランド部の色素
膜厚設計をコントロールして、如何にランド部の色素膜
厚を限りなく薄くして、かつ記録層色素とポリカーボネ
ート基板の界面を適度に荒らして、色素と基板界面の密
着性を向上させるかが重要な課題となった。この課題克
服のために、記録層色素の膜厚を制御して、かつ基板表
面の硬質層を何らかの手段で適度に荒らすことが本発明
者らによって試みられてきた。その結果、ランド部の記
録層表面とグルーブ部記録層表面の積層方向における差
異を150nm以下好ましくは100nm以下に抑え、
かつランド部位における色素膜厚を25nm以下、好ま
しくは10nm以下になるように色素膜厚設計を行い、
さらにはポリカーボネート基板を実質的に溶解する有機
溶媒を用いることが、基板表面の硬質層に適度な粗さを
与えて基板と色素層の界面の密着性に大きく寄与するこ
とが本発明者らによってわかった。
【0044】また、ポリカーボネート基板を実質的に溶
解する有機溶媒を用いる点は、特開平4−332930
号公報でも述べられているが、効果を及ぼすための記録
概念、及び使用する溶媒の蒸気圧と基板溶解性の関係は
本発明の範囲とは明らかに異なるものであり、かつその
効果も全く異なっている。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施の態様はこれにより限定されるもの
ではない。
【0046】実施例1 記録色素として特開平03−62878号公報に準じて
合成した下記構造式で表されるフタロシアニン色素(式
(A))200gをエチルシクロヘキサン(bp.:1
31.8℃、粘性率:0.00076Pa−s(0.7
6cP))9.6L、ポリカーボネート基板を実質的に
溶解する有機溶剤としてプソイドクメン(bp.:16
9.4℃、粘性率:0.00115Pa−s(1.15
cP))0.4Lを添加した混合溶解10Lに溶解し塗
布溶液を調製した。さらに、この塗布溶液をスパイラル
グルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅0.6μm、溝深1
80nm)付きのポリカーボネート製射出成形基板(外
径120mm、厚さ1.2mm)上に回転数1300r
pmでスピンコートし、吸光度Abs=0.50になる
ように記録層を形成した。次に基板と塗布記録層を十分
になじませた後、この記録層を形成した基板を80℃、
2時間の条件で乾燥させ、色素中の残留溶剤を除去し
た。さらにこの記録層上にAgを膜厚60nmになるよ
うにスパッタし、反射層を形成した。この反射層上に紫
外線硬化樹脂「SD−1700」(大日本インキ化学工
業(株)製)をスピンコートした後、紫外線を照射し硬
化させ、厚さ6μmの保護層を形成した。
【0047】
【化2】
【0048】このようにして作製したCD−R媒体を、
Sanyo社製24倍速対応光ディスク記録装置(レー
ザー波長780nm、NA=0.5)を用いて、線速度
28.8m/sで記録し(EFM記録)、光ディスク評
価装置「DDU−1000」(パルステック工業社製、
レーザー波長781nm、NA=0.45;市販のCD
プレーヤー搭載の光学ヘッド使用)で再生した時のジッ
ター、ブロックエラーレート、変調度を、それぞれ「L
JM−1851」ジッターメーター(リーダー電子
製)、ケンウッド社製CD−デコーダー:「DR355
2」、日立 DIGITAL STORAGE OSC
ILLOSCOPE 「VC−6100」、更にADC
社製「TIA−175」タイミングインターバルアナラ
イザーを用いて計測した。PushPullは未記録品
を直接光ディスク評価装置「DDU−1000」(パル
ステック工業社製、レーザー波長781nm、NA=
0.45;市販のCDプレーヤー搭載の光学ヘッド使
用)で評価した。
【0049】評価結果を表−2に示す。実施例1では、
記録レーザーパワー30.5mWでブロックエラーレー
ト及びジッターは最良の値が得られ、その時のブロック
エラーレートは5cps以下、3Tピット(最短ピッ
ト)及び3Tランド(最短ランド)のジッターはそれぞ
れ27ns、28.5nsであった。また、11Tピッ
ト(最長ピット)の変調度はI11/Ttop=0.63、記
録前のPushPullはPPb=0.11であった。
24倍速高速記録特性できわめて良好な記録と読み出し
が行え、また各種CDプレーヤーとの互換性は非常に良
好であった。
【0050】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
をFIB TEMにより観察した。以下に測定条件を記
す。
【0051】
【表1】
【0052】この測定の結果、ランド部の記録層表面と
グルーブ部記録層表面の積層方向における差異は90n
m、ランド部位の記録層色素膜厚は10nmであった。
【0053】実施例2 実施例1と同様のフタロシアニン色素200gをエチル
シクロヘキサン(bp.:131.8℃、粘性率:0.
00079Pa−s(0.79cP))9.6L、ポリ
カーボネート基板を実質的に溶解する有機溶剤としてn
−ブチルベンゼン(bp.:183.3℃、粘性率:
0.00103Pa−s(1.03cP))0.4Lを
添加した混合溶解10Lに溶解し塗布溶液を調製した。
さらに、この塗布溶液をスパイラルグルーブ(ピッチ
1.6μm、溝幅0.6μm、溝深180nm)付きの
ポリカーボネート製射出成形基板(外径120mm、厚
さ1.2mm)上に実施例1と同じようにしてスピンコ
ート成膜後、実施例1と同じように反射層、保護層を形
成して媒体を作った。
【0054】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.5mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは最良の値が得られ、それぞれブロックエラー
レートは5cps以下、ジッターは3Tピットが28n
s、3Tランドが30nsであった。また、11Tピッ
トの変調度はI11/Ttop=0.62、記録前のPus
hPullはPPb=0.12であった。24倍速高速
記録特性できわめて良好な記録と読み出しが行え、ま
た、各種CDプレーヤーとの互換性も非常に良好であっ
た。
【0055】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は100nm、ランド部位の記録層
色素膜厚は10nmであった。
【0056】実施例3 実施例1と同様のフタロシアニン色素200gをエチル
シクロヘキサン(bp.:131.8℃、粘性率:0.
00076Pa−s(0.76cP))9.8L、ポリ
カーボネート基板を実質的に溶解する有機溶剤としてp
−シメン(bp.:177.1℃、粘性率:0.003
4Pa−s(3.4cP))0.2Lを添加した混合溶
解10Lに溶解し塗布溶液を調製した。さらに、この塗
布溶液をスパイラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅
0.6μm、溝深180nm)付きのポリカーボネート
製射出成形基板(外径120mm、厚さ1.2mm)上
に実施例1と同じようにしてスピンコート成膜後、実施
例1と同じように反射層、保護層を形成して媒体を作っ
た。
【0057】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.5mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは最良の値が得られ、それぞれブロックエラー
レートは5cps以下、ジッターは3Tピットが28.
5ns、3Tランドが29nsであった。また、11T
ピットの変調度はI11/Ttop=0.64、記録前のP
ushPullはPPb=0.09であった。24倍速
高速記録特性できわめて良好な記録と読み出しが行え、
また、各種CDプレーヤーとの互換性も非常に良好であ
った。
【0058】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は70nm、ランド部位の記録層色
素膜厚は5nm以下であった。
【0059】実施例4 記録色素として特開平03−62878号公報に準じて
合成した下記構造式で表されるフタロシアニン色素(式
(B))200gをエチルシクロヘキサン(bp.:1
31.8℃、粘性率:0.00076Pa−s(0.7
6cP))9.6L、ポリカーボネート基板を実質的に
溶解する有機溶剤としてプソイドクメン(bp.16
9.4℃:粘性率1.15)0.4Lを添加した混合溶
解10Lに溶解し塗布溶液を調製した。さらに、この塗
布溶液をスパイラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅
0.6μm、溝深180nm)付きのポリカーボネート
製射出成形基板(外径120mm、厚さ1.2mm)上
に回転数1300rpmでスピンコートし吸光度をAb
s=0.50になるように記録層を形成した。次に基板
と塗布記録層を十分になじませた後、この記録層を形成
した基板を80℃、2時間の条件で乾燥させ、色素中の
残留溶剤を除去した。さらにこの記録層上にAgを膜厚
60nmになるようにスパッタし、反射層を形成した。
この反射層上に紫外線硬化樹脂「SD−1700」(大
日本インキ化学工業(株)製)をスピンコートした後、
紫外線を照射し硬化させ、厚さ6μmの保護層を形成し
た。
【0060】
【化3】
【0061】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.0mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは最良の値が得られ、それぞれブロックエラー
レートは5cps以下、ジッターは3Tピットが26.
5ns、3Tランドが28nsであった。また、11T
ピットの変調度はI11/Ttop=0.63、記録前のP
ushPullはPPb=0.11であった。24倍速
高速記録特性できわめて良好な記録と読み出しが行え、
また、各種CDプレーヤーとの互換性も非常に良好であ
った。
【0062】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は100nm、ランド部位の記録層
色素膜厚は15nmであった。
【0063】実施例5 実施例4と同様のフタロシアニン色素200gをn−ジ
ブチルエーテル(bp.142.4℃:粘性率0.00
07Pa−s(0.70cP))9.6L、ポリカーボ
ネート基板を実質的に溶解する有機溶剤としてプソイド
クメン(bp.169.4℃:粘性率0.00115P
a−s(1.15cP))0.4Lを添加した混合溶解
10Lに溶解し塗布溶液を調製した。さらに、この塗布
溶液をスパイラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅
0.6μm、溝深180nm)付きのポリカーボネート
製射出成形基板(外径120mm、厚さ1.2mm)上
に実施例4と同じようにしてスピンコート成膜後、実施
例4と同じように反射層、保護層を形成して媒体を作っ
た。
【0064】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.0mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは最良の値が得られ、それぞれブロックエラー
レートは10cps、ジッターは3Tピットが31.0
ns、3Tランドが32.5nsであった。また、11
Tピットの変調度はI11/Ttop=0.61、記録前の
PushPullはPPb=0.13であった。24倍
速高速記録特性で主溶剤がエチルシクロヘキサン系より
もジッターが2〜3ns悪くなったが、それでも良好な
記録と読み出しが行え、また、各種CDプレーヤーとの
互換性も非常に良好であった。
【0065】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の差
異は120nm、ランド部位の記録層色素膜厚は20n
mであった。
【0066】実施例6 実施例4と同様のフタロシアニン色素200gをエチル
シクロヘキサン(bp.131.8℃:粘性率0.7
6)9.4L、ポリカーボネート基板を実質的に溶解す
る有機溶剤としてo−キシレン(bp.144.4℃:
粘性率0.77)0.6Lを添加した混合溶解10Lに
溶解し塗布溶液を調製した。さらに、この塗布溶液をス
パイラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅0.6μ
m、溝深180nm)付きのポリカーボネート製射出成
形基板(外径120mm、厚さ1.2mm)上に実施例
4と同じようにしてスピンコート成膜後、実施例4と同
じように反射層、保護層を形成して媒体を作った。
【0067】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.0mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは最良の値を示し、ブロックエラーレートは5
cps以下、ジッターは3Tピットが30.5ns、3
Tランドが32.1nsであり、規格範囲内(規格:ブ
ロックエラーレート<220cps;3Tピット/ラン
ドジッター<35ns)であり問題はなかった。一方、
11Tピットの変調度はI11/Ttop=0.55、記録
前のPushPullはPPb=0.17であり、沸
点、粘性率共にo−キシレンより高い例えばプソイドク
メン等と比較して変調度が低く、PushPullも若
干高い値となった。ただし、24倍速高速記録/再生特
性には問題はなく、各種CDプレーヤーとの互換性も非
常に良好であった。
【0068】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は150nm、ランド部位の記録層
色素膜厚は25nmであった。
【0069】実施例7 実施例1と同様のフタロシアニン色素200gをエチル
シクロヘキサン(bp.131.8℃:粘性率0.7
6)9.6L、ポリカーボネート基板を実質的に溶解す
る有機溶剤としてプソイドクメン(bp.169.4
℃:粘性率1.15)0.4Lを添加した混合溶解10
Lに溶解し塗布溶液を調製した。さらに、この塗布溶液
をスパイラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅0.6
μm、溝深170nm)付きのポリカーボネート製射出
成形基板(外径120mm、厚さ1.2mm)上に実施
例1と同じようにしてスピンコート成膜した。基板グル
ーブの溝深は180nmから170nmに変更してい
る。塗布成膜は実施例1と同じように反射層、保護層を
形成して媒体を作った。
【0070】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.5mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは最良の値を示し、ブロックエラーレートは5
cps以下、ジッターは3Tピットが28.5.ns、
3Tランドが29.5nsであり、規格範囲内(規格:
ブロックエラーレート<220cps;3Tピット/ラ
ンドジッター<35ns)であり問題はなかった。一
方、11Tピットの変調度はI11/Ttop=0.56、
記録前のPushPullはPPb=0.14であり、
基板溝深1800Aと比較して変調度が低い値となっ
た。ただし、24倍速高速記録/再生特性には問題はな
く、各種CDプレーヤーとの互換性も良好であった。
【0071】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は140nm、ランド部位の記録層
色素膜厚は20nmであった。
【0072】実施例8 実施例4と同様のフタロシアニン色素200gをエチル
シクロヘキサン(bp.131.8℃:粘性率0.7
6)9.6L、ポリカーボネート基板を実質的に溶解す
る有機溶剤としてプソイドクメン(bp.169.4
℃:粘性率1.15)0.4Lを添加した混合溶解10
Lに溶解し塗布溶液を調製した。さらに、この塗布溶液
をスパイラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅0.6
μm、溝深170nm)付きのポリカーボネート製射出
成形基板(外径120mm、厚さ1.2mm)上に実施
例4と同じようにしてスピンコート成膜した。基板グル
ーブの溝深は180nmから170nmに変更してい
る。塗布成膜は実施例4と同じように反射層、保護層を
形成して媒体を作った。
【0073】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.0mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは最良の値を示し、ブロックエラーレートは5
cps以下、ジッターは3Tピットが27.5.ns、
3Tランドが29.0nsであり、規格範囲内(規格:
ブロックエラーレート<220cps;3Tピット/ラ
ンドジッター<35ns)であり問題はなかった。一
方、11Tピットの変調度はI11/Ttop=0.55、
記録前のPushPullはPPb=0.15であり、
基板溝深180nmと比較して変調度が低く、Push
Pullは若干高い値となった。ただし、24倍速高速
記録/再生特性には問題はなく、各種CDプレーヤーと
の互換性も良好であった。
【0074】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は140nm、ランド部位の記録層
色素膜厚は20nmであった。
【0075】比較例1 実施例1と同様のフタロシアニン色素200gをエチル
シクロヘキサン(bp.131.8℃:粘性率0.7
6)9.6Lとポリカーボネート基板を実質的に溶解す
る有機溶剤としてトルエン(bp.110.6℃:粘性
率0.59)0.4Lを添加した混合溶解10Lに溶解
し塗布溶液を調製した。さらに、この塗布溶液をスパイ
ラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅0.6μm、溝
深180nm)付きのポリカーボネート製射出成形基板
(外径120mm、厚さ1.2mm)上に実施例1と同
じようにしてスピンコート成膜後、実施例1と同じよう
に反射層、保護層を形成して媒体を作った。
【0076】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.5mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは底値が得られたが、それぞれブロックエラー
レートは526cps、ジッターは3Tピットが42.
5ns、3Tランドが43.5nsであり、規格範囲外
であった。また、11Tピットの変調度もI11/Ttop
=0.48であり十分な変調度を得ることはできなかっ
た。また、記録前のPushPullもPPb=0.2
0と高くなりすぎて一部CDプレーヤーでトラッキング
サーボエラーを発生させるものがあった。
【0077】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は165nm、ランド部位の記録層
色素膜厚は30nmであった。
【0078】比較例2 実施例4と同様のフタロシアニン色素200gをエチル
シクロヘキサン(bp.131.8℃:粘性率0.7
6)9.6Lとポリカーボネート基板を実質的に溶解す
る有機溶剤としてトルエン(bp.110.6℃:粘性
率0.59)0.4Lを添加した混合溶解10Lに溶解
し塗布溶液を調製した。さらに、この塗布溶液をスパイ
ラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅0.6μm、溝
深180nm)付きのポリカーボネート製射出成形基板
(外径120mm、厚さ1.2mm)上に実施例4と同
じようにしてスピンコート成膜後、実施例4と同じよう
に反射層、保護層を形成して媒体を作った。
【0079】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.0mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは底値が得られたが、それぞれブロックエラー
レートは417cps、ジッターは3Tピットが39.
5ns、3Tランドが41.5nsであり、規格範囲外
であった。また、11Tピットの変調度もI11/Ttop
=0.49であり十分な変調度を得ることはできなかっ
た。また、記録前のPushPullもPPb=0.2
0と高くなりすぎて一部CDプレーヤーでトラッキング
サーボエラーを発生させるものがあった。
【0080】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は165nm、ランド部位の記録層
色素膜厚は30nmであった。
【0081】比較例3 実施例4と同様のフタロシアニン色素200gをエチル
シクロヘキサン(bp.131.8℃:粘性率0.7
6)9.6Lとポリカーボネート基板を全く溶解しない
ジエチレングリコールジメチルエーテル(bp.15
9.8℃:粘性率0.98)0.4Lを添加した混合溶
解10Lに溶解し塗布溶液を調製した。さらに、この塗
布溶液をスパイラルグルーブ(ピッチ1.6μm、溝幅
0.6μm、溝深180nm)付きのポリカーボネート
製射出成形基板(外径120mm、厚さ1.2mm)上
に実施例4と同じようにしてスピンコート成膜後、実施
例4と同じように反射層、保護層を形成して媒体を作っ
た。
【0082】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.0mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは底値であったが、ブロックエラーレートは3
00cps、ジッターは3Tピットが40.9ns、3
Tランドが45.5nsであり、規格範囲外(規格:ブ
ロックエラーレート<220cps;3Tピット/ラン
ドジッター<35ns)であった。また、11Tピット
の変調度はI11/Ttop=0.61、記録前のPush
PullはPPb=0.14であった。24倍速高速記
録/再生特性は十分ではなく、一部CDプレーヤーでは
再生不能であった。
【0083】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は125nm、ランド部位の記録層
色素膜厚は30nmであった。
【0084】比較例4 実施例4と同様のフタロシアニン色素200gを第二溶
剤の含まれていないエチルシクロヘキサン(bp.13
1.8℃:粘性率0.76)10Lに溶解し塗布溶液を
調製した。さらに、この塗布溶液をスパイラルグルーブ
(ピッチ1.6μm、溝幅0.6μm、溝深180n
m)付きのポリカーボネート製射出成形基板(外径12
0mm、厚さ1.2mm)上に実施例4と同じようにし
てスピンコート成膜後、実施例4と同じように反射層、
保護層を形成して媒体を作った。
【0085】次にこの媒体を実施例1と同様にして24
倍速での記録、読み出しの評価を行った。レーザーパワ
ー30.0mWの記録条件でブロックエラーレート及び
ジッターは底値であったが、ブロックエラーレートは6
40cps、ジッターは3Tピットが46ns、3Tラ
ンドが51.5nsであり、規格範囲外(規格:ブロッ
クエラーレート<220cps;3Tピット/ランドジ
ッター<35ns)であった。また、11Tピットの変
調度はI11/Ttop=0.41であり十分な変調度を得
ることはできなかった。また、記録前のPushPul
lもPPb=0.24と高くなりすぎて一部CDプレー
ヤーでトラッキングサーボエラーを発生させるものがあ
った。24倍速高速記録/再生特性は十分ではなく、一
部CDプレーヤーでは再生不能であった。
【0086】一方、作製されたCD−R媒体の各層構造
を実施例1に従ってFIB TEMにより観察した結
果、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の積
層方向における差異は175nm、ランド部位の記録層
色素膜厚は40nmであった。
【0087】以上、実施例1〜8、比較例1〜4の実施
要件一覧を表−1に、またその結果を表−2にまとめ
た。
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【発明の効果】実施例から明らかなように本発明に於い
ては、ランド部の記録層表面とグルーブ部記録層表面の
積層方向における差異が150nm以下であり、かつラ
ンド部における色素膜厚が25nm以下であることによ
り、線速度28.8m/sec(24倍速)以上の高速
で記録を行った場合、優れたエラーレート、ジッター特
性を有し、且つ十分な変調度を有して、且つ適正なPu
shPullを有する光情報記録媒体の提供が可能とな
る。該効果は、さらに好ましくは記録層色素の塗布溶媒
にポリカーボネート基板を実質的に溶解する有機溶媒
(1)を第二溶剤として含有した少なくとも2種類以上
の混合溶媒によって溶解塗布された後、反射層及び保護
層が形成された場合により顕著に発現する。これにより
市販CDプレーヤーとの安定した互換性が実証し得た。
又、青色短波長レーザーによる高速記録が十分に期待で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体における、ランド部の
記録層表面とグルーブ部の記録層表面との積層方向にお
ける差異を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 α 記録層表面の差異 β ランド部記録層膜厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 千秋 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 徳弘 淳 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 高橋 英一 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 柳町 昌俊 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA03 EA22 EA31 FA01 FA12 FA14 FB45 FB60 5D029 JA04 JB28 JB36 WB17 WC01 WD11 5D121 AA01 EE21 EE28 GG16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録溝の形成された基板上に、レーザー
    光により情報の書き込みが可能な有機色素からなる記録
    層、反射層、および保護層がこの順に設けられた光情報
    記録媒体において、溝間(ランド部)の記録層表面と溝
    部(グルーブ部)記録層表面の積層方向における差異が
    150nm以下に抑えられ、かつランド部における色素
    膜厚が25nm以下であることを特徴とする光情報記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 前記ランド部の記録層表面とグルーブ部
    記録層表面の積層方向における差異が100nm以下に
    抑えられ、かつランド部における色素膜厚が15nm以
    下であることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記記録層色素がフタロシアニン色素で
    ある請求項1または請求項2記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記基板に設けられた溝の深さが180
    nm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 該記録層色素の塗布溶媒に沸点が140
    ℃(101325Pa)以上、かつ粘性率が0.000
    6Pa−s(20℃)以上であり、かつポリカーボネー
    ト基板を実質的に溶解する有機溶媒(1)を第二溶剤と
    して含有した少なくとも2種類以上の混合溶媒によって
    溶解塗布された後、反射層及び保護層が形成された請求
    項1〜請求項4のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 有機溶剤(1)が塗布溶剤全体に対して
    1−10体積%の混合比率で色素溶液が調合塗布された
    後、反射層及び保護層が形成された請求項1〜請求項5
    のいずれかに記載の光情報記録媒体。
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