JP2003312078A - インクフィルム用ボビン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ボビンとスプールとを一体形成することによ
り、インクフィルムの斜め走行の発生を防止し、インク
フィルムの走行性を向上し、また、インクフィルム交換
時のユーザーの負担を軽減し、インクフィルムの部品点
数を削減してコストダウンを図る。 【解決手段】同一形状である供給側インクフィルム用ボ
ビン１２及び巻取側インクフィルム用ボビン１３の両端
部に、フランジ部１２ａ、１３ａ及び軸受け部１４ａ、
１４ｂに嵌入するガイド軸１２ｂ、１３ｂを一体形成し
た。フランジ部１２ａ、１３ａ間の寸法Ｌが一定に維持
され、ガイド軸１２ｂ、１３ｂの回転軸方向と供給側イ
ンクフィルム用ボビン１２及び巻取側インクフィルム用
ボビン１３の回転軸方向とが常に一致することによりイ
ンクフィルムの走行性を向上でき、一体形成することで
部品点数が削減されコストダウンが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】この発明は、熱転写方式の画
像形成を行うプリンタに装着され、外周面にインクフィ
ルムが巻回されているインクフィルム用ボビンに関す
る。

【０００１】

【従来の技術】熱転写方式の画像形成を行うプリンタに
装着されるインクフィルム装置では、インクフィルムを
円滑に印字ヘッドへ供給し、使用された前記インクフィ
ルムを回収する必要がある。

【０００２】その為、従来のインクフィルム装置では図
３及び図４に示されるように、外周面にインクフィルム
１１１が巻回される供給側及び巻取側の２本のインクフ
ィルム用ボビン１１２、１１３を１対のフレーム１１
６、１１６間に軸支したものがある。未使用のインクフ
ィルム１１１は供給側インクフィルム用ボビン１１２に
巻回されており、供給側インクフィルム用ボビン１１２
から送り出されたインクフィルム１１１はサーマルヘッ
ド１１８を経由して画像形成に使用され、巻取側インク
フィルム用ボビン１１３に引き出されて巻き取られる。
未使用のインクフィルム１１１が外周面に巻回された供
給側インクフィ１ルム用ボビン１１２は、円筒形のボビ
ン１１２ａの両端にフランジ部１１４ａとガイド軸１１
４ｂとが一体形成されたスプール１１４を嵌入して構成
されている。また、サーマルヘッド１１８を経由した使
用済みのインクフィルム１１１を外周面に巻回して巻き
取る巻取側インクフィルム用ボビン１１３は、円筒形の
ボビン１１３ａの両端にフランジ部１１５ａとガイド軸
１１５ｂとが一体形成されたスプール１１５を嵌入して
構成されている。

【０００３】フランジ部１１４ａ、１１５ａは、インク
フィルム１１１が供給側インクフィルム用ボビン１１２
から送り出されて巻取側インクフィルム用ボビン１１３
に巻き取られる際、インクフィルム１１１の走行方向
が、正常な走行方向に対して斜め方向へずれないように
ボビン１１２ａ、１１３ａの外周面におけるインクフィ
ルム１１１の巻取方向及び引出方向に直交する方向の両
端位置を規定する。ガイド軸１１４ｂ、１１５ｂは、フ
レーム１１６、１１６に形成された凹状の軸受け部１１
６ａ，１１６ｂに上部から嵌入し、軸受け部１１６ａ、
１１６ｂにおいて回転自在に支持される。

【０００４】このように、従来のインクフィルム装置に
用いられるインクフィルム用ボビン１１２、１１３にお
いては、ボビン１１２ａ、１１３ａの外周面に対するイ
ンクフィルム１１１の巻取方向及び引出方向に直交する
方向の両端位置を規定するフランジ部１１４ａ、１１５
ａと、インクフィルム１１１の巻取及び引出に際してイ
ンクフィルム装置１００におけるボビン１１２ａ、１１
３ａの回転中心を規定するガイド軸１１６ａ、１１６ｂ
と、がボビン１１２ａ、１１３ａに対して別部品として
構成されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インクフィルム装置では、以下の様な問題がある。

【０００６】（１）フランジ部が、ボビンと一体形成さ
れていない為、ボビン両端部とスプールとの間の嵌合具
合によるガタツキの発生等により、ボビンの両端に位置
するフランジ部間の寸法が一定に維持され難く、インク
フィルムの斜め走行の防止に限界があった。

【０００７】（２）ガイド軸が、ボビンと一体形成して
いない為、ボビンの両端部とスプールとの間の嵌合具合
によるガタツキの発生や一体形成してない事で嵌合部の
強度不足等により、インクフィルムの張力によってガイ
ド軸の曲がり、折れ等が発生する。それによってガイド
軸の回転軸方向とボビンの回転軸方向がずれる為、イン
クフィルムの走行性に悪影響を及ぼしていた。

【０００８】（３）インクフィルムを完全に使い終わる
と、新しいインクフィルムに交換する必要がある。従来
の構成の場合、ユーザは、使用済みのインクフィルムに
おいてボビンの両端に嵌合されているスプールを取り外
し、未使用のインクフィルムが巻回された新しいボビン
の両端に再度前記スプールを嵌合させるといった手間の
かかる作業をしなければならなかった。また、ボビン両
端のそれぞれに嵌合されるスプールが同一形状でない場
合、ボビン両端のそれぞれに適正なスプールを嵌合でき
るように各スプールの形状を確認しなければならず、ユ
ーザに非常に負担のかかる作業を強いることになる。

【０００９】（４）新しいボビンにスプールが嵌合され
た状態で販売されている場合には、各スプールの形状を
確認するための手間のかかる作業はないが、ユーザはイ
ンクフィルムの交換時にボビンとともにスプールを購入
しなければならず、ランニングコスト上昇につながって
いた。

【００１０】この発明の目的は、ボビンとスプールとを
一体形成することにより、インクフィルムの斜め走行の
発生を防止し、インクフィルムの走行性を向上できるよ
うにし、また、インクフィルム交換時のユーザの負担を
軽減し、インクフィルムの部品点数を削減してコストダ
ウンを図ることができるインクフィルム用ボビンを提供
することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために、以下の構成を備えている。

【００１２】（１）熱転写方式の画像形成を行うプリン
タに装着されるインクフィルム装置の軸受け部に着脱自
在に軸支され、外周面にインクフィルムが巻回されるイ
ンクフィルム用ボビンにおいて、前記インクフィルムの
巻取方向及び引出方向に直交する方向の両端位置を規定
するフランジ部を両端部に一体形成したことを特徴とす
る。

【００１３】この構成においては、インクフィルムの巻
取方向及び引出方向に直交する方向の両端位置を規定す
るフランジ部を一体にしてインクフィルム用ボビンが形
成される。したがって、インクフィルム用ボビンにおい
てインクフィルムが巻回される外周面とインクフィルム
の両端位置を規定するフランジ部との位置関係が変化す
ることがなく、インクフィルム用ボビンの両端に位置す
るフランジ部間の寸法が一定に維持され、インクフィル
ムの斜め走行を生じることがない。また、インクフィル
ム用ボビンを構成する部品点数が減少し、ユーザにおい
てフランジ部を取り付ける作業が不要になる。

【００１４】（２）前記両端部にインクフィルム装置の
軸受け部に嵌入する円筒状のガイド軸を一体形成したこ
とを特徴とする。

【００１５】この構成においては、インクフィルム装置
の軸受け部に嵌入する円筒状のガイド軸を一体にしてイ
ンクフィルム用ボビンが形成される。したがって、イン
クフィルム用ボビンにおいてインクフィルムが巻回され
る外周面と巻取及び引出に際してインクフィルムの回転
位置を規定するガイド軸との位置関係が変化することが
なく外周面に対するガイド軸の曲がり又は折れ等による
インクフィルムの回転軸のガイド軸とのずれを生じるこ
とがない。また、インクフィルム用ボビンを構成する部
品点数が減少し、ユーザにおいてガイド軸を取り付ける
作業が不要になる。

【００１６】

【発明の実施の形態】図１及び図２は、本発明の実施形
態に係るインクフィルム用ボビンを適用したインクフィ
ルム装置の概略の構成を示した平面断面図及び側面図で
ある。本発明の本体装置である熱転写方式の画像形成を
行うプリンタに装着されるインクフィルム装置１は、イ
ンクフィルム装置１の側面にフレーム１４が配置され、
フレーム１４に軸受け部１４ａ，１４ｂが凹状に形成さ
れている。軸受け部１４ａに着脱自在及び回転自在に軸
支され、外周面にインクフィルム１１が巻回されている
供給側インクフィルム用ボビン１２と、軸受け部１４ｂ
に着脱自在及び回転自在に軸支されるインクフィルム１
１を巻き取る巻取側インクフィルム用ボビン１３を備え
られる。巻取側インクフィルム用ボビン１３は、供給側
インクフィルム用ボビン１２と同一形状である。

【００１７】供給側インクフィルム用ボビン１２から巻
取側インクフィルム用ボビン１３へ至るインクフィルム
搬送経路中にプラテンローラ１５、サーマルヘッド１
６、インクフィルムガイド軸１７ａ、１７ｂが配置され
ている。

【００１８】供給側インクフィルム用ボビン１２及び巻
取側インクフィルム用ボビン１３の両端にはフランジ部
１２ａ、１３ａ及び軸受け部１４ａ、１４ｂに嵌入する
ガイド軸１２ｂ、１３ｂが一体形成されており、フラン
ジ部１２ａ、１３ａは、供給側インクフィルム用ボビン
１２及び巻取側インクフィルム用ボビン１３がインクフ
ィルム装置への装着前における落下衝撃等によりインク
フィルムの引出方向に直交する方向へずれるのを防止す
る。また、巻取側インクフィルム用ボビン１３がインク
フィルム１１を巻き取る際に、インクフィルム１１が正
常な走行方向に対して少し斜め走行しても正常な走行方
向に戻るようにインクフィルム１１をガイドして正常に
巻き取らせる。さらに、フランジ部１２ａ、１３ａは、
インクフィルム１１の引出方向に直交する方向の両端位
置を規定する。ガイド軸１２ｂ、１３ｂは、供給側イン
クフィルム用ボビン１２、巻取側インクフィルム用ボビ
ン１３が、着脱自在及び回転自在になるよう円筒状に形
成し軸支される。

【００１９】また、インクフィルムの走行経路は、プラ
テンローラ１５が時計方向に回転し、供給側インクフィ
ルム用ボビン１２が反時計方向へ回転し、券回されてい
るインクフィルム１１が送り出され、インクフィルム１
１の走行がスキューしない様に安定させるインクフィル
ムガイド軸１７ａを経由してプラテンローラ１５とサー
マルヘッド１６の間に供給され、プラテンローラ１５と
サーマルヘッド１６間の圧力によって用紙に画像形成を
行う。さらに巻取側インクフィルム用ボビンが図示しな
い駆動源によって時計方向に回転して画像形成に使用さ
れたインクフィルム１１をインクフィルムの走行がスキ
ューしない様に安定させるインクフィルムガイド軸１７
ｂを経由して巻き取る。

【００２０】以上の構成において、供給側インクフィル
ム用ボビン１２、巻取側インクフィルム用ボビン１３が
この発明のインクフィルム用ボビンである。

【００２１】このように供給側インクフィルム用ボビン
１２及び巻取側インクフィルム用ボビン１３にフランジ
部１２ａ、１３ａを一体形成することにより、フランジ
部１２ａ、１３ａ間の寸法Ｌが常に一定に維持される。
したがって、インクフィルムのスキューを最小限に抑え
ることができ、インクフィルムの斜め走行を効率的に防
止でき、インクフィルムの走行性を向上できる。

【００２２】また、供給側インクフィルム用ボビン１２
及び巻取側インクフィルム用ボビン１３にガイド軸１２
ｂ、１３ｂを一体形成することにより、ガイド軸の回転
軸方向とインクフィルム用ボビンの回転軸方向とが常に
一致する。したがって、インクフィルムのスキューを最
小限に抑えることができ、インクフィルムの斜め走行を
効率的に防止でき、インクフィルムの走行性を向上でき
る。

【００２３】さらに、供給側インクフィルム用ボビン１
２及び巻取側インクフィルム用ボビン１３にフランジ部
１２ａ、１３ａとガイド軸１２ｂ、１３ｂとを一体形成
することにより、従来の様にインクフィルム交換時にス
プールをインクフィルム用ボビンに再度嵌合させる様な
手間のかかる操作をなくすことができる。また、部品点
数が削減できたためコストダウンが可能となる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、 （１）インクフィルムの巻取方向及び引出方向に直交す
る方向の両端位置を規定するフランジ部を一体にしてイ
ンクフィルム用ボビンが形成される。したがって、イン
クフィルム用ボビンにおいてインクフィルムが巻回され
る外周面とインクフィルムの両端位置を規定するフラン
ジ部との位置関係が変化することがなく、インクフィル
ム用ボビンの両端に位置するフランジ部間の寸法が一定
に維持され、インクフィルムの斜め走行を生じることが
なくなり、インクフィルムの走行性を向上することがで
きる。また、インクフィルム用ボビンを構成する部品点
数が減少しランニングコストを下げることができ、ユー
ザにおいてフランジ部を取り付ける作業が不要になりユ
ーザの負担を軽減することができる。

【００２５】（２）インクフィルム装置の軸受け部に嵌
入する円筒状のガイド軸を一体にしてインクフィルム用
ボビンが形成される。したがって、インクフィルム用ボ
ビンにおいてインクフィルムが巻回される外周面と巻取
及び引出に際してインクフィルムの回転位置を規定する
ガイド軸との位置関係が変化することがなく外周面に対
するガイド軸の曲がり又は折れ等によるインクフィルム
の回転軸のガイド軸とのずれを生じることがなくなり、
インクフィルムの走行性を向上することができる。ま
た、インクフィルム用ボビンを構成する部品点数が減少
しランニングコストを下げることができ、ユーザにおい
てガイド軸を取り付ける作業が不要になりユーザの負担
を軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るインクフィルム用ボビ
ンを適用した熱転写方式の画像形成を行うプリンタに装
着されるインクフィルム装置の概略の構成を示した平面
断面図である。

【図２】本発明の実施形態に係るインクフィルム用ボビ
ンを適用した熱転写方式の画像形成を行うプリンタに装
着されるインクフィルム装置の概略の構成を示した側面
図である。

【図３】従来の熱転写方式の画像形成を行うプリンタに
装着されるインクフィルム装置の概略の構成を示した平
面断面図である。

【図４】従来の熱転写方式の画像形成を行うプリンタに
装着されるインクフィルム装置の概略の構成を示した側
面図である。

【符号の説明】

１−インクフィルム装置 １１−インクフィルム １２−供給側インクフィルム用ボビン １２ａ−フランジ部 １２ｂ−ガイド軸 １２ｃ−ボビン部 １３−巻取側インクフィルム用ボビン １３ａ−フランジ部 １３ｂ−ガイド軸 １３ｃ−ボビン部 １４−フレーム １４ａ−軸受け部 １４ｂ−軸受け部 １５−プラテンローラ １６−サーマルヘッド １７ａ−インクフィルムガイド軸 １７ｂ−インクフィルムガイド軸 Ｌ−フランジ部間の寸法

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱転写方式の画像形成を行うプリンタに装
   着されるインクフィルム装置の軸受け部に着脱自在に軸
   支され、外周面にインクフィルムが巻回されるインクフ
   ィルム用ボビンにおいて、 前記インクフィルムの巻取方向及び引出方向に直交する
   方向の両端位置を規定するフランジ部を両端部に一体形
   成したことを特徴とするインクフィルム用ボビン。
2. 【請求項２】前記両端部にインクフィルム装置の軸受け
   部に嵌入する円筒状のガイド軸を一体形成したことを特
   徴とする請求項１に記載のインクフィルム用ボビン。