JP2003311685A - ブロック肉スライサ - Google Patents

ブロック肉スライサ

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整 仲野
Hideaki Onishi
秀明 大西
Naoki Tokunaga
直樹 徳永
Kazushi Ochi
一志 越智
Kenji Yokoyama
堅士 横山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブロック肉の表面を傷つけることが少なく、表
層が軟弱なブロック肉であっても均一にスライスできる
ブロック肉スライサを提供する。 【解決手段】 前方へほぼ、45度傾斜させた肉載台1
を、該肉載台1の後部に設けられた支点3を中心として
揺動可能に構成し、該肉載台1の前方先端部上方位置に
は、前記肉載台1が斜め上動時に、肉載台1上に搭載さ
れたブロック肉5の表面を押圧する出退自在の押圧具6
を備えるとともに、前記肉載台1の前方先端部に対面し
て、ブロック肉5の先端面を受止める受板7と、前記肉
載台1の斜め上動にともない前記ブロック肉5の先端部
をスライスする刃体10とを設けた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、牛や豚などのブロ
ック肉を所定の厚さにスライスするブロック肉スライサ
に関する。 【0002】 【従来の技術】通常ブロック肉スライサは、肉載台上に
搭載されたブロック肉を適宜手段でもって送り出し、肉
載台と刃体との相対移動により、所定の厚さにスライス
する構成である。本出願人による特許第3074304
号などに見られる肉載台を機体に吊設してブロック肉の
自重により送り出し、肉載台先端部に対面して設けられ
ているブロック肉の先端面を受止める受板でスライス厚
みを規制し、刃体によりスライスする構成においては、
肉載台が保有するブロック肉の全重量を前記受板が受け
るので、ブロック肉先端と受板との間に生じる面圧が大
きく、肉載台が移動するときに、ブロック肉の受板との
接触面が過度に擦られて、ブロック肉の表面が傷み、商
品価値を低下させる問題があった。その上、肉載台が直
立状態なので、ブロック肉の投入位置が高くなり、ブロ
ック肉の供給時に労力を要した。 【0003】また、従来から広く用いられているブロッ
ク肉の保持、送出方法として、ブロック肉を挟持して間
歇的に所定量だけ送り出すことのできる一対の突起付ベ
ルトやローラなどをほぼ、水平状態の肉載台に装設する
方法があるが、この場合、例えば−3℃乃至−5℃程度
に冷凍したブロック肉が常温に曝されて、表層のみが軟
弱状態になった場合などにおいては、突起付ベルトやロ
ーラの突起が、ブロック肉の表層の脂身などを削り取っ
て、ベルトや、ローラの表面が目詰まり状態を起こし
て、スリップし、ブロック肉の送りと保持が困難とな
る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ブロック肉
の表面や切断面を傷つけることが少なく、表面が軟弱な
ブロック肉であっても均一にスライスでき、しかも操作
性の良いブロック肉スライサを提供することを課題とし
ている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、次ぎのような技術手段を講じた。すなわ
ち、本発明に係るブロック肉スライサは、水平面から前
方へほぼ、45度傾斜させた肉載台を、該肉載台の後部
に設けられた支点を中心として斜め上下方向に揺動可能
に構成し、該肉載台の前方先端部上方位置には、前記肉
載台が斜め上動時に、肉載台上に搭載されたブロック肉
の表面を押圧する出退自在の押圧具を備えるとともに、
前記肉載台の前方先端部に対面して、ブロック肉の先端
面を受止める受板と、前記肉載台の斜め上動にともない
前記ブロック肉の先端部をスライスする刃体とを設けた
構成としている。 【0006】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の態様につい
て図面を対照して説明する。図1は、本ブロック肉スラ
イサの側面図で、肉載台1を、水平面から前方(図1に
おいて向かって右側)へ、ほぼ、45度傾斜させた状態
で、肉載台1の後部を、機枠2の上部左右に設けた軸3
に挿通して、斜め上下方向(図1の矢印A1、A2方
向)に揺動可能に支持させる。 【0007】前記肉載台1の下方には、クランク装置4
が設けられており、モータM1を回転させることによ
り、肉載台1を所定の範囲内で揺動させることができ
る。 【0008】前記肉載台1の、ブロック肉5搭載面は、
両側面に案内壁板1aを有する樋状に構成され、図例で
は、3個のブロック肉5が並列して搭載可能なように隔
壁1bで仕切られている。この肉載台1のブロック肉5
搭載面は、ブロック肉5との接触面積を少なくし、抵抗
を減らすために、送り方向と平行に多数の縦溝を形成す
ることが望ましい。更には、表面に適宜突起を有する平
ベルトなどをほぼ、全面に敷設して、適宜送り出し方向
(傾斜方向)へ移動するように構成して、補助的な送り
出し装置とするも良い。 【0009】肉載台1の前方先端部上方位置には、前記
肉載台1が斜め上動(矢印A1方向)時に、ブロック肉
5の表面を押圧する出退自在の押圧具6を備える。この
押圧具6は、加圧装置としてのガイド付エアーシリンダ
6aの先端部に、ブロック肉5の表面との接触面を有す
る押板6bを装着して構成し、肉載台1に搭載されてい
るブロック肉5のそれぞれに対応して個別(本例では3
組)に設ける。この各ガイド付エアーシリンダ6aは、
肉載台1から延設した支持枠1cに固着される。 【0010】肉載台1の前方先端部は、図3に示すよう
にブロック肉5の通過窓1dを有する格子状の枠板1e
で構成されていて、先端表面は側面示で、肉載台1の揺
動中心である軸3を中心とする同心円弧状に形成されて
いる。 【0011】ついで、前記肉載台1の前方先端部に対面
して、肉載台1上に搭載されたブロック肉5の先端面を
受止める受板7の構成について述べる。受板7は、対接
する前記の肉載台1の前方先端部を構成する枠板1eの
先端表面を覆うことのできる大きさの板材とし、前記枠
板1eの先端表面との対向面は、前記枠板1eの先端表
面に沿うよう円弧状に形成する。 【0012】この受板7は、肉載台1の揺動中心である
軸3から放射腺方向に移動可能に機枠2に支承される
が、本例では、受板7から突出した左右のガイド棒7
a、7bを機枠2の受筒2a、2bで支承し、電動式移
動装置8のネジ軸8aを受板7に螺通して、このネジ軸
8aを回転させることで受板7を移動させる。 【0013】前記受板7の上方には、スライスされた肉
片mが通過できる空間を隔てて、前記受板7と同じ巾寸
法の板材からなる刃受板9を、受板7のほぼ、円弧延長
腺上に配置して機枠2に固着する。この刃受板9の前記
受板7の対向側端面には、刃体の一例である帯刃10の
案内溝9aが穿設されている。 【0014】帯刃10は、図4に示すように、一側縁を
尖らせて刃付けし、他縁側を前記案内溝9aに遊嵌保持
させるが、帯刃10の刃先は、良好なスライスを行うた
めに、前記肉載台1の先端部を構成する枠板1eの先端
表面に対し、常に、同じ状態で軽く摺接するか、若しく
は、最小の隙間を保つよう対設させる必要がある。 【0015】前記帯刃10は、機枠2の左右に張り出さ
れた状態で支持されたドラム13、14に掛け渡され
る。いずれか一方のドラム(図例では13)は、モータ
M2の軸端に連結されて回転し、帯刃10を高速で走行
させる。尚、刃体は帯刃に限らず回転する丸刃やなた刃
に置換することもできる。 【0016】Cは、ベルトコンベア装置で、始端部を、
前記受板7と刃受板9との間に形成されたライス肉片m
の通過空間の直下に臨ませ、切り出されるスライス肉片
mを受け取り機外に搬出する。 【0017】前述のように構成されたブロック肉スライ
サの作用について述べる。まず、スライス厚みを設定す
るが、ライス厚みは、前記帯刃10の刃先と、ブロック
肉5の先端部を受け止める受板7との隙間により決定さ
れるので、前記電動式移動装置8を駆動して、ネジ軸8
aを回転させることで受板7を所望の位置まで移動させ
る。 【0018】次に、ブロック肉5を肉載台1の樋内に投
入する。ブロック肉5は肉載台1の傾きに沿って滑り込
み、先端が受板7に突き当たって止まる。肉載台1の傾
きがほぼ、45度に形成されているので、ブロック肉5
は、比較的ゆっくりと滑走し、受板7に衝突した際のシ
ョックが少なく、ブロック肉5自身が大きく座屈変形す
ることもない。 【0019】ついで、機械全体をスタートさせると、エ
アーバルブ(図示しない)が開いて、ガイド付エアーシ
リンダ6aの先端部に装着した押板6bが進出してブロ
ック肉5の表面を、肉載台1の肉載面に向けて押圧し、
ブロック肉5が移動しないように保持する。ついで、ク
ランク装置4が肉載台1を矢印A1方向に突き上げる
と、肉載台1の前方先端部を構成する枠板1eの先端表
面から突出したブロック肉5の先端部分が、モータM2
によって高速移動している帯刃10の刃先によって切り
取られ、スライス肉片mとなり、受板7と刃受板9との
間に形成された空間を通過して、直下に配置されたベル
トコンベア装置C上に排出される。 【0020】肉載台1が上死点を過ぎて矢印A2方向に
下降始めると、エアーバルブを作動させて、ガイド付エ
アーシリンダ6aの先端部に装着した押板6bを後退さ
せ、ブロック肉5を自由状態にする。ブロック肉5は、
肉載台1が下死点に達するまでの間に、適度な遠心力と
重力の作用を受けて、肉載台1のブロック肉5搭載面上
を滑走し、ブロック肉5の先端が受け板7に受け止めら
れる。 【0021】前述の動作が、詳細説明は省略するが、予
め設定されたプログラムにしたがって連続して繰り返さ
れてブロック肉5がスライスされる。 【0022】 【発明の効果】以上の説明のように、本発明に係るブロ
ック肉スライサによれば、肉載台1が、前方へほぼ、4
5度傾けられ、斜め上下方向に揺動可能に構成されてい
るので、肉載台1が直立した構成に比較して、肉載台1
に搭載されたブロック肉5の先端と受板7との間に生じ
る面圧が減少し、肉載台1が移動する際にブロック肉5
の先端と、受板7との接触面が過度に擦られることな
く、表面の傷みが少ないスライス肉片mが得られる。 【0023】一方、ブロック肉5の送り出しに関して、
肉載台1は、下降するにつれ傾きも大きくなり、当然重
力の影響も増大してブロック肉5が滑りやすく、その
上、ブロック肉5は、慣性によって肉載台1の肉載面か
らやや持ち上げられる状態で、遠心力により振り出され
ることとなり、たとえ、表面が軟弱なブロック肉であっ
ても、確実に送り出すことができるので、均一なスライ
スが可能である。さらには、肉載台1が傾けられている
ので、供給位置が低くなり、ブロック肉が投入し易いな
どの効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の1例の側面図である。 【図2】図1の上面図である。 【図3】図1のB−B矢示図である。 【図4】刃受板帯刃保持部の断面図である。 【符号の説明】 1 肉載台 2 機枠 4 クランク装置 5 ブロック肉 6 押圧具 7 受板 9 刃受板 10 帯刃 C ベルトコンベア装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越智 一志 愛媛県松山市東垣生町980番地5 株式会 社日本キャリア工業内 (72)発明者 横山 堅士 愛媛県松山市東垣生町980番地5 株式会 社日本キャリア工業内 Fターム(参考) 4D065 CA01 DD02 EB07 ED01 ED11 ED27

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】水平面から前方へほぼ、45度傾斜させた
    肉載台を、該肉載台の後部に設けられた支点を中心とし
    て、斜め上下方向に揺動可能に構成し、該肉載台の前方
    先端部上方位置には、前記肉載台が斜め上動時に、肉載
    台上に搭載されたブロック肉を表面から押圧する出退自
    在の押圧具を備えるとともに、前記肉載台の前方先端部
    に対面して、前記ブロック肉の先端面を受止める受板
    と、前記肉載台の斜め上動にともない前記ブロック肉の
    先端部をスライスする刃体とを設けてなるブロック肉ス
    ライサ。
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