JP2003311386A - 軽合金射出成形機用部材 - Google Patents

軽合金射出成形機用部材

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JP2003311386A
JP2003311386A JP2002113639A JP2002113639A JP2003311386A JP 2003311386 A JP2003311386 A JP 2003311386A JP 2002113639 A JP2002113639 A JP 2002113639A JP 2002113639 A JP2002113639 A JP 2002113639A JP 2003311386 A JP2003311386 A JP 2003311386A
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molding machine
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alloy
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Shigeru Hirakawa
茂 平川
Kenichiro Shimizu
健一郎 清水
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶損性、耐摩耗性を向上させた長寿命の軽
合金射出成形機用部材を提供する。 【解決手段】 耐熱鋼からなる基材の溶融金属と接触す
る少なくとも一部分にコバルト基合金からなる被覆層を
形成してなる、該被覆層はコバルト基合金のマトリック
ス中にホウ化物が40〜80面積%含有する金属組織か
らなることを特徴する。また、このコバルト基合金が、
Crが5.0〜30.0重量%、Bが1.5〜4.0重
量%、Siが1.5重量%以下、Mnが2.0重量%以
下、残部実質的にCoおよび不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウムなど
軽合金の射出成形に関し、高温高圧下で、特に耐摩耗
性、耐溶損性および耐久性に優れたシリンダ、スクリ
ュ、ノズルなどの軽合金射出成形機用部材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】マグネシウム合金の成形加工は、ダイキ
ャスト法が幅広く用いられているが、近年作業環境の改
善や成形加工効率を高めるため、射出成形法の適用が普
及しつつある。このマグネシウムなどの軽合金を射出す
る射出成形機用部材として、特許第2862799号公
報には基材をニッケル基耐熱性合金で構成すると共に、
該基材の射出用溶融金属との接触部表面に、例えば耐溶
損性に優れるステライトなどのコバルト基耐熱性合金を
被覆した射出成形機用部材が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽合金射出
成形機用部材について、その耐摩耗性および耐溶損性を
改善することを目的とするものであり、特にコバルト基
合金の金属組織に着目して、その目的を達成し得るとの
知見にもとづいて完成されたものである。
【0004】
【発明が解決するための手段】本発明の軽合金射出成形
機用部材は、耐熱鋼からなる基材の溶融金属と接触する
少なくとも一部分にコバルト基合金からなる被覆層を形
成してなり、該被覆層はコバルト基合金のマトリックス
中にホウ化物が40〜80面積%含有する金属組織から
なることを特徴とする。
【0005】本発明において、コバルト基合金が、Cr
が5.0〜30.0重量%、Bが1.5〜4.0重量
%、Siが1.5重量%以下、Mnが2.0重量%以下
を含むことを特徴とする。
【0006】また、前記コバルト基合金からなる被覆層
の抗折強度が140kg/mm以上であることを特徴
とする。耐熱鋼はニッケル基耐熱鋼であることを特徴と
する。
【0007】さらに、前記被覆層は、Crが5.0〜3
0.0重量%、Bが1.5〜4.0重量%、Siが1.
5重量%以下、Mnが2.0重量%以下を含むコバルト
基合金粉末を、HIP法により加圧焼結して得られたこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明のコバルト基合金によれば、耐溶損性に
優れるコバルト基合金のマトリックスにHv1000以
上の高硬度のホウ化物が分散することにより、耐摩耗性
が向上する。ホウ化物が40面積%未満では、その効果
が十分でなく、80面積%を超えると抗折力などの機械
的性質を低下させるので好ましくない。ホウ化物の含有
量は、さらに好ましくは50〜70面積%である。
【0009】以下に本発明のコバルト基合金における、
各元素の含有量(重量比)の限定理由を述べる。
【0010】Crはマトリックス中のBとのホウ化物を
形成するとともに、合金中に分散し、耐摩耗性を向上さ
せる。Crが5.0%未満であるとその効果が十分でな
く、また30.0%を超えると合金の靭性を低下し、H
IP後の割れが発生しやすくなる。よって、その範囲を
5.0〜30.0%とした。
【0011】Bは本発明の最も特徴とする元素であり、
金属組織中に高硬度のホウ化物を晶出させ、合金の硬さ
を著しく向上させる。1.5%未満の合金ではその効果
が十分でなく、4.0%を超えると共晶組織が粗大化
し、かつ脆性を増してしまう。そこで、その範囲を1.
5〜4.0%とした。
【0012】Siは、1.5%を超えると、機械的性質
が低くなり、所定の強度が得られなくなる。よって、そ
の範囲を1.5%以下とした。
【0013】Mnは、2.0%を超えると、機械的性質
が低くなり、所定の強度が得られなくなる。よって、そ
の範囲を2.0%以下とした。
【0014】また、本発明のコバルト基合金にFeはで
きるかぎり含まれないのがよく、1.0%が好ましい。
含まれるFeの量が1.0%を超えると、硬さが低下す
るとともに、酸に対する耐食性が低下する。即ち、射出
成形機用部材を操業毎に酸にて洗浄する際に腐食が進行
し、部材の寿命が短くなる。より好ましくは0.5%以
下である。
【0015】Niもできるかぎり含まれないのがよく、
1.0%以下が好ましい。Niのマグネシウムに対する
溶損は激しく、Ni量が1.0%を超えると、その影響
が大きい。
【0016】CoはCrおよびBと化合して合金に耐摩
耗性および耐溶損性を向上させる作用を与えるため、基
合金として残部とする。
【0017】また、本発明の射出成形機用部材の基材は
約600℃の高温で使用されるため、耐熱鋼で構成する
ことが望ましく、なかでもニッケル基耐熱鋼は、射出成
形機用部材としての強度を十分に確保できる。
【0018】本発明によれば、マグネシウムなどの溶融
金属の射出成形機用部材として要求される、被覆層の耐
溶損性、耐摩耗性、基材の高温特性の全ての条件を満足
することができ、射出成形機用部材の寿命を大幅に伸ば
すことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1は本発明の射出成形機用部材である
シリンダの概略断面図を示す。図1において、シリンダ
1はシリンダの母材である基材2と、基材2の内面に形
成された被覆層3から構成される。
【0020】まず、重量%でCr:19%、Mo:3
%、Fe:19%、Nb:5%、Ti:0.8%、A
l:0.5%、残部実質的にNiおよび不可避的不純物
からなるニッケル基耐熱鋼を用いて、外径150mm、
内径50mmの円筒状の基材2を製作した。
【0021】このニッケル基耐熱鋼は、980℃×1時
間保持後に油焼入れにより急冷し、720℃×8時間炉
冷後、620℃×8時間空冷を実施した。このようにし
て得たニッケル基耐熱鋼からなるシリンダ母材である基
材2は、硬さがHsC58、引張り強度が1380MP
a、室温から650℃までの平均線熱膨張率が15.0
×10−6/℃を有する。
【0022】次に、この基材2の内面被覆層用粉末とし
て、重量%で、Cr:10.9%、B:1.6%、S
i:0.5%、Mn:0.5%、残部実質的にCoおよ
び不可避的不純物からなるコバルト基合金粉末を準備し
た。
【0023】HIP法により加圧焼結することで、前記
コバルト基合金粉末を基材2の内面に拡散接合させた。
HIP条件は圧力1000kg/cm以上、温度は8
00〜1100℃で行った。
【0024】このようにして、本発明の軽合金射出成形
機用部材であるシリンダを得ることができた。また、コ
バルト基合金粉末をHIP法により円筒ライナー状の焼
結体を製作した後、このライナーをシリンダ基材の内面
に、焼嵌めすることにより、本発明の軽合金射出成形機
用部材を得ても良い。
【0025】本発明の被覆層を形成する方法は、HIP
法、遠心鋳造法などの種々の方法が適用できるが、シリ
ンダ等に強固に被覆できるという点でHIP法が適して
いる。
【0026】図2に、本発明の被覆層であるコバルト基
合金焼結体の金属組織の模式図を示す。図2において黒
く見えるところがホウ化物5であり、白色に見えるとこ
ろはコバルト基合金マトリックス基地である。これより
コバルト基合金マトリックス中4に微細なホウ化物5が
均一に分散していることがわかる。
【0027】また、本発明のシリンダ部材を用いて、約
600℃でのマグネシウム合金の射出成形を実機試験し
た結果、長期間使用において、溶損、摩耗、ヒートクラ
ックの発生は認められず、優れた耐久性を示した。
【0028】本発明は溶融金属と接触する少なくとも一
部分に本発明のコバルト基合金を被覆することが特徴で
あり、実施例のようにシリンダに限定されず、スクリ
ュ、ノズルなどの他の射出成形機部材にも適用できる。
【0029】
【発明の効果】本発明の軽合金射出成形機用部材によれ
ば、マグネシウムなどの溶融金属の射出成形機用部材と
して耐溶損性、耐摩耗性の全ての条件を満足することが
でき、溶損、摩耗による寿命低下や折損などの損傷を防
ぐことができ、射出成形機用の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形機用部材であるシリンダの概
略断面図である。
【図2】本発明の被覆層であるコバルト基合金焼結体の
金属組織の模式図を示す。
【符号の説明】
1 シリンダ、 2 基材、 3 被覆層、 4 マトリックス、 5 ホウ化物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 19/05 C22C 19/05 B 19/07 19/07 G

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱鋼からなる基材の溶融金属と接触す
    る少なくとも一部分にコバルト基合金からなる被覆層を
    形成してなり、該被覆層はコバルト基合金のマトリック
    ス中にホウ化物が40〜80面積%含有する金属組織か
    らなることを特徴とする軽合金射出成形機用部材。
  2. 【請求項2】 前記コバルト基合金が、Crが5.0〜
    30.0重量%、Bが1.5〜4.0重量%、Siが
    1.5重量%以下、Mnが2.0重量%以下を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の軽合金射出成形機用部
    材。
  3. 【請求項3】 前記被覆層の抗折強度が140kg/m
    以上であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の軽合金射出成形機用部材。
  4. 【請求項4】 前記耐熱鋼がニッケル基耐熱鋼であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軽合金
    射出成形機用部材。
  5. 【請求項5】 前記被覆層は、Crが5.0〜30.0
    重量%、Bが1.5〜4.0重量%、Siが1.5重量
    %以下、Mnが2.0重量%以下を含むコバルト基合金
    粉末を、熱間静水圧プレス法により加圧焼結して得られ
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軽
    合金射出成形機用部材。
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