JP2003311163A - 家庭用精米機の精米機構 - Google Patents

家庭用精米機の精米機構

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精米スクリーンと精米ロールの組み合わせか
らなる精米機構を有する家庭用精米機において、精米が
行われると同時に研米が行われるようにすることであ
る。 【解決手段】 精米室内に設けた円筒状の精米スクリー
ン27内に精米ロールを挿入し、上記精米スクリーン2
7の入口32端から送り込まれた米穀を上記精米ロール
により精米しつつ、上記精米スクリーン27の出口33
端から排出するようにした家庭用精米機の精米機構にお
いて、上記精米スクリーン27の出口端側内面に研米部
36を設けた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、家庭用精米機の
精米機構に関し、特に無洗米の精米機構に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】家庭用精米機において、精米ロールを精
米室に挿入し、精米ロールの回転に伴う米穀相互の摩擦
により精米を行う精米機構を備えたものにおいては、ホ
ッパー、精米室、戻し通路からなる循環経路において米
穀を循環しつつ精米を行う循環方式(例えば、特開平8
−19745号公報参照)と、ホッパーから出た米穀を
出口側に抵抗体を設けた精米室に1回だけ通して精米を
行う1回通し方式とがある(例えば、特開2000−3
01009号公報参照)。いずれの方式においても、精
米スクリーンには、ぬか排出用の多数のスリットが設け
られ、また、精米ロールは、根元部にピッチの細かい螺
旋でなる順送り部が設けられるとともに、先端部にはピ
ッチの粗い反対螺旋でなる逆送り部が設けられる。
【0003】上記の精米機構において、精米スクリーン
内の米穀は、精米ロールの順送り部の作用により精米ス
クリーンの出口側に送られるとともに、逆送り部により
押し戻し方向の抵抗を受ける。これにより米穀相互に強
い摩擦が生じ精米が行われ、精米作用に伴って発生する
ぬかは、精米スクリーンのスリットからぬか受け容器に
排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして精米
された白米を炊く際には、事前に米粒に付着したぬかを
洗い落とす米とぎが行われるが、近年米とぎを不要とし
直ちに炊飯を行えるように予め米粒に付着したぬかを除
去した、いわゆる無洗米が流通するようになっている。
【0005】市販されている家庭用精米機において、無
洗米を作るために、精米機とは別に回転ブラシを内蔵し
た米研ぎ器を設け、精米後の米をその米研ぎ器に移して
水を使うことなく回転ブラシの払拭により米粒に付着し
たぬかを除去する手段が知られている。また、回転方式
の精米機において、精米工程の後に遠心力を利用した研
米工程を実施するようにしたものも知られている。
【0006】しかし、精米機とは別の米研ぎ器を用いる
ことは、機器が2台になるとともに、無洗米を作る作業
も、精米作業の後に研米作業を行う必要があり、手数が
かかるとともに、米研ぎ器のブラシが摩耗し易い問題も
ある。また、回転方式の精米機において遠心力を用いた
研米を行うと、研米後の米穀に割れが多く発生する不都
合がある。
【0007】そこで、この発明は精米スクリーンと精米
ロールの組み合わせからなる精米機構を有する家庭用精
米機において、精米が行われると同時に研米が行われる
ようにした精米機構を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、精米室内に設けた円筒の精米スクリ
ーン内に精米ロールを挿入し、上記精米スクリーンの入
口端から送り込まれた米穀を上記精米ロールにより精米
しつつ、上記精米スクリーンの出口端から排出するよう
にした家庭用精米機の精米機構において、上記精米スク
リーン出口端側内面に研米部を設けた構成を採ったもの
である。
【0009】上記の構成によると、精米スクリーンの内
部において従来通りの精米が行われるとともに、研米部
を通過する際に、米穀に対する研米が行われ、精米の完
了と同時に無洗米を得ることができる。上記の精米によ
り発生するぬかと、研米により発生するぬかは、精米ス
クリーンから外部に排出される。
【0010】上記研米部は、要するに米穀に対して研磨
作用を行うことにより、米穀に付着したぬかを除去する
機能をもった部分であり、具体的には精米スクリーンの
内周面に研米メッシュを装着することにより形成され
る。その研米メッシュの網目の大きさとしては2×3m
m程度が適当である。また、研米メッシュとしてラス網
を用いることができる。米粒はそのメッシュに接触する
ことにより研磨されるとともに、除去されたぬかはその
網目と精米スクリーンのスリットを通じて排出される。
上記のスリットは、上記研米部においては周方向に形成
され、それ以外の非研米部においては傾斜角をもって形
成される。
【0011】また、上記精米ロールの精米スクリーン内
における外径が一定である場合において、上記精米スク
リーンの研米部とそれ以外の非研米部の内径が同一であ
るように形成した構成を採用することができる。上記研
米部は精米スクリーンの出口側約三分の一の範囲に設け
られる。また、精米ロールの外径が研米部と非研米部と
において差があり、かつ、上記精米スクリーンの内径に
おいても上記研米部と非研米部とにおいて差がある場合
において、上記精米ロールの外径の差と精米スクリーン
の内径の差とが同一であるようにした構成を採用するこ
ともできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付
図面に基づいて説明する。図1及び図2に示した実施形
態の家庭用精米機は傾斜循環式精米機であり、ケーシン
グ1の内部において、機台2上に一定の勾配をもって精
米用モーター3が取付けられ、そのモーター軸に取付け
られた精米ロール4もその勾配をもって斜め上方に延び
ている。ケーシング1の上部に上面開放のホッパー5が
設けられ、その下端部の排出口6が精米室7の内部に連
通される。ホッパー5には蓋9が設けられる。
【0013】精米室7は、ホッパー5の下部に沿って傾
斜状態に設けられ、その上端の出口が縦向きの戻し通路
8に開放される。戻し通路8の上端がホッパー5に開放
される。これにより、図2に矢印で示すように、ホッパ
ー5、排出口6、精米室7、戻し通路8及びホッパー5
の順に米穀が循環する循環通路が構成される。
【0014】上記の排出口6の下方にシャッター(図示
省略)を介して米ガイド部材11が設けられ、その米ガ
イド部材11が米受け容器12上に開放される。
【0015】精米室7はその下部が長さ方向に開放され
て、ぬかガイド部材13を介してサイクロン装置14に
連通されている。サイクロン装置14で分離されたぬか
はその下方に設置されたぬか受け容器15に排出され、
空気はホース16を経て吸引装置17に吸引され、外部
に排出される。
【0016】上記の米受け容器12とぬか受け容器15
は、図1に示すように、精米機前面の操作パネル18の
下方において、内方に凹入したベース19上に設置さ
れ、米受け容器12の前面の凹部21にぬか受け容器1
5が抱持状に嵌合される。
【0017】なお、前記ケーシング1の後部上方に設け
た段部22に、用具ケース23が磁石24により着脱自
在に設けられる。用具ケース23には、計量カップ2
5、清掃ブラシ26等が収納される。
【0018】図3(a)から(d)は前記の精米室7内
に収納される精米スクリーン27を示す。精米スクリー
ン27はつば付きの半円筒体を対向状に合わせ一体化
し、円筒部28の上下に長さ方向のつば29,29を形
成した形状をなすものである。円筒部28には多数のス
リット31、31’が設けられ、そのスリット31、3
1’からぬかが排出される。円筒部28の一端側が米穀
の入口32となり、他端側が出口33となる。後述のよ
うに、精米スクリーン27は非研米部39と研米部34
に分けられるが、その非研米部39に形成されるスリッ
ト31は従来の場合と同様に長さ方向に対して一定の傾
斜角をもっているのに対し、研米部34のスリット3
1’は長さ方向に対して直角方向、即ち、周方向に形成
され、しかも、各スリット31’の幅は、非研米部39
のスリット31の幅の約3倍に形成される。
【0019】上記円筒部28の出口側の約三分の一の範
囲の内面に研米部34が設けられる。この研米部34は
図3(d)に示すような研米メッシュ36(例えば、ラ
ス網)を円筒状に形成し、これを円筒部28の2箇所に
設けた周方向のリブ37、37により長さ方向に位置決
めしている。研米メッシュ36の網目35の大きさは、
2×3mm程度である。上記の精米スクリーン27の内
部に挿入される前記の精米ロール4は、図4から図6に
示すように、元部に細かいピッチの螺旋でなる順送り部
4aが設けられ、中間部分に軸と平行の所要数の凸条3
8により案内部4bが形成される。先端部においては、
その凸条38が粗いピッチの逆螺旋に形成され逆送り部
4cとなっている。順送り部4aの中程が精米スクリー
ン27の入口32の部分に入り、その順送り部4aと案
内部4bが精米スクリーン27のほぼ中間部分に達し、
残り半分の逆送り部4cの先端近くに達する。
【0020】図4から図6は、上記の精米スクリーン2
7と精米ロール4の関係の諸例を示す。これらの諸例に
おいて、研米部34の軸方向長さL1が精米スクリーン
27の出口33側の約三分の一の範囲に設けられ、残り
の部分、即ち非研米部39が出口側の約三分の二の範囲
に設けられた場合を基本とする。図4(b)の場合のみ
研米部34が精米スクリーン27の二分の一の範囲に設
けられ、非研米部39と同じ長さである。
【0021】図4(a)(b)は精米ロール4の外径φ
2が精米室の全長にわたり同一であり、精米スクリーン
27は、その研米部34及び非研米部39の内径がとも
にΦ2である。
【0022】図5(a)は、精米ロール4の研米部34
に相当する部分の外径がφ1、非研米部39に相当する
部分の外径がφ2(φ2>φ1)である。精米スクリー
ン27の内径は全長にわたりΦ2である。
【0023】図5(b)は、精米ロール4の研米部34
に相当する部分の外径がφ3、非研米部39に相当する
部分の外径がφ2(φ3>φ2)である。精米スクリー
ン27の内径は全長にわたりΦ2である。
【0024】図5(c)は、精米ロール4の外径が全長
にわたりφ2である。精米スクリーン27の内径が、研
米部34においてΦ1、非研米部39においてΦ2(Φ
2>Φ1)である。
【0025】図5(d)は、精米ロール4の外径が全長
にわたりφ2である。精米スクリーン27の内径が、研
米部34においてΦ3、非研米部39においてΦ2(Φ
3>Φ2)である。
【0026】図6は、精米ロール4の研米部34に相当
する部分の外径がφ1、非研米部39に相当する部分の
外径がφ2(φ2>φ1)である。精米スクリーン27
の内径が、研米部34においてΦ1、非研米部39にお
いてΦ2(Φ2>Φ1)である。また、Φ2−Φ1=φ
2−φ1の関係にある。
【0027】実施形態の家庭用精米機は以上のようなも
のであり、次にその作用について説明する。精米に際し
使用者が電源スイッチ42をオンし、所定量の玄米をホ
ッパー5に投入して、ケーシング1の前面に設けられた
操作パネル18の精米度設定キー41を操作して所望の
精米度を内部のマイコンに入力し、スタートキー43を
オンにすると、マイコンは精米工程を実行し、精米用モ
ーター3が駆動され精米が開始される。ホッパー5の排
出口6から精米室7内に入った玄米は、精米ロール4の
順送り部4aの作用により送られる一方、逆送り部4c
の逆送り作用及び精米室7の傾斜による重力により精米
スクリーン27の内部で玄米相互の摩擦が発生し、その
摩擦により次第に精米が行われる。
【0028】また、上記の精米作用の進行とともに、研
米部34において研米メッシュ36に接触した米粒はそ
れに付着したぬかが除去される。精米と研米の進行に伴
い発生するぬかは、吸引装置17により吸引され精米ス
クリーン27のスリット31、31’から外部に排出さ
れる。そして、サイクロン装置14において空気と分離
され、ぬか受け容器15内に排出される。
【0029】このようにして循環経路を循環しながら精
米と研米を進行させ、所定の精米度に達したことを適宜
なセンサーで検知するとマイコンからの指令により精米
を停止させ、排出口6下方のシャッター(図示省略)を
開放させる。これにより、ホッパー5内の精米済みの無
洗米がガイド部材11を経て、米受け容器12に排出さ
れる。
【0030】なお、以上の実施形態では循環式の精米方
式の場合について述べたが、1回通し方式の場合でも、
同様の精米機構を用いて精米と同時に研米を行うことに
より、精米済みの無洗米を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、この発明は、精米スクリ
ーンと精米ロールの組み合わせからなる精米機構を有す
るものにおいて、精米と同時に研米が行われるので、精
米機の米受け容器に精米済みの無洗米を排出させること
ができる。また、研米部は精米スクリーン内に設けられ
るので、精米スクリーンは外観上従来のものと同様であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の分解斜視図
【図2】同上の組立て状態の断面図
【図3】(a)同上の精米スクリーンの斜視図 (b)同上の正面図 (c)同上の一部断面図 (d)同上の研米メッシュの一部拡大図
【図4】(a)精米スクリーンと精米ロールとの関係の
説明図 (b)精米スクリーンと精米ロールとの関係の説明図
【図5】(a)から(d)精米スクリーンと精米ロール
との関係の説明図
【図6】精米スクリーンと精米ロールとの関係の説明図
【符号の説明】
1 ケーシング 2 機台 3 精米用モーター 4 精米ロール 4a 順送り部 4b 案内部 4c 逆送り部 5 ホッパー 6 排出口 7 精米室 8 戻し通路 9 蓋 11 米ガイド部材 12 米受け容器 13 ぬかガイド部材 14 サイクロン装置 15 ぬか受け容器 16 ホース 17 吸引装置 18 操作パネル 19 ベース 21 凹部 22 段部 23 用具ケース 24 磁石 25 計量カップ 26 清掃ブラシ 27 精米スクリーン 28 円筒部 29 つば 31 スリット 31’ スリット 32 入口 33 出口 34 研米部 35 網目 36 研米メッシュ 37 リブ 38 凸条 39 非研米部 41 精米度設定キー 42 電源スイッチ 43 スタートキー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 直井 泰男 大阪市北区天満1丁目20番5号 象印マホ ービン株式会社内 (72)発明者 山本 丈郎 大阪市北区天満1丁目20番5号 象印マホ ービン株式会社内 (72)発明者 田中 光男 長野県南安曇郡豊科町大字豊科2587番地 株式会社細川製作所内 Fターム(参考) 4D043 AA03 DA03 DH53 DH61 DH66 DH69

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精米室内に設けた円筒状の精米スクリー
    ン内に精米ロールを挿入し、上記精米スクリーンの入口
    端から送り込まれた米穀を上記精米ロールにより精米し
    つつ、上記精米スクリーンの出口端から排出するように
    した家庭用精米機の精米機構において、上記精米スクリ
    ーン出口端側内面に研米部を設けたことを特徴とする家
    庭用精米機の精米機構。
  2. 【請求項2】 上記研米部は、上記精米スクリーンの内
    周面に研米メッシュを装着して形成したことを特徴とす
    る請求項1に記載の家庭用精米機の精米機構。
  3. 【請求項3】 上記研米メッシュの網目の大きさが、2
    ×3mm程度であることを特徴とする請求項2に記載の
    家庭用精米機の精米機構。
  4. 【請求項4】 上記研米メッシュがラス網により形成さ
    れたことを特徴とする請求項2又は3に記載の家庭用精
    米機の精米機構。
  5. 【請求項5】 上記精米スクリーンに形成される多数の
    ぬか排出用のスリットが、上記研米部においては周方向
    に形成され、それ以外の非研米部においては傾斜角をも
    って形成されたことを特徴とする請求項1から4のいず
    れかに記載の家庭用精米機の精米機構。
  6. 【請求項6】 上記精米ロールの精米スクリーン内にお
    ける外径が一定である場合において、上記精米スクリー
    ンの研米部とそれ以外の非研米部の内径が同一であるこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の家庭
    用精米機の精米機構。
  7. 【請求項7】 上記研米部が、精米スクリーンの出口側
    約三分の一の範囲に設けられたことを特徴とする請求項
    1から6のいずれかに記載の家庭用精米機の精米機構。
  8. 【請求項8】 上記精米ロールの外径が上記研米部と非
    研米部とにおいて差があり、かつ、上記精米スクリーン
    の内径においても上記研米部と非研米部とにおいて差が
    あり、上記精米ロールの外径の差と精米スクリーンの内
    径の差とが同一であることを特徴とする請求項1から7
    のいずれかに記載の家庭用精米機の精米機構。
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