JP2003311121A - 生物脱臭装置 - Google Patents

生物脱臭装置

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JP2003311121A
JP2003311121A JP2002122705A JP2002122705A JP2003311121A JP 2003311121 A JP2003311121 A JP 2003311121A JP 2002122705 A JP2002122705 A JP 2002122705A JP 2002122705 A JP2002122705 A JP 2002122705A JP 2003311121 A JP2003311121 A JP 2003311121A
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microbial carrier
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microbial
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Seiya Hina
清也 日名
Kiyohito Chikasawa
清仁 近沢
Yasuhiko Ishii
保彦 石井
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微生物担体の目詰まりによる圧損の上昇を防止
し、微生物担体を容易に洗浄することができる生物脱臭
装置を提供する。 【解決手段】臭気気体を微生物担体に接触して脱臭する
装置において、微生物担体が伸縮性を有することを特徴
とする生物脱臭装置、及び、臭気気体を微生物担体に接
触して脱臭する装置において、装置内部に水を入れて微
生物担体を水に浸漬する手段と、水に浸漬された微生物
担体に空気を送って洗浄する手段とを有することを特徴
とする生物脱臭装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物脱臭装置に関
する。さらに詳しくは、本発明は、微生物担体が伸縮性
を有し、状況に応じて適度に圧縮又は伸長して優れた脱
臭性能と目詰まり防止機能を発揮し、微生物担体の洗浄
を水又は空気と水を併用することにより容易に行うこと
ができる生物脱臭装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生物脱臭法は、微生物が臭気物質を分解
する作用を利用した脱臭法である。自然界で起こってい
る現象を利用するので、省エネルギー的、経済的であ
り、安全で、二次公害のおそれも少ない。脱臭の原理
は、微生物による硫化水素、メルカプタン、硫化アルキ
ル、アンモニアなどの臭気物質の酸化分解である。微生
物は、この酸化分解で生じるエネルギーを利用して増殖
する。臭気物質の分子を構成する炭素、水素、硫黄、窒
素は、一部は微生物の菌体を構成する成分になるが、大
部分は微生物による酸化分解で、二酸化炭素、水、硫
酸、硝酸などになる。脱臭処理される気体中の臭気物質
の濃度は、冬期と夏期の温度条件によって大きく異な
り、100倍以上の差となることも多い。生物脱臭装置
は、通常は年間の平均的な臭気物質を対象として設計さ
れる。平均的な臭気物質濃度の場合は、硫化水素などの
臭気物質は、下式に示されるように、微生物の作用によ
り硫酸まで酸化されるので、適切な散水により微生物担
体の表面に生成する臭気分解物質を洗い流すことができ
る。 H2S + 2O2 → H2SO4 2CH3SH + 7O2 → 2H2SO4 + 2CO2
2H2O しかし、夏期になると、脱臭処理される気体中の硫化水
素濃度が100ないし数100ppm(容量比)を超える
場合もあり、このような条件下においては、硫化水素な
どの微生物による酸化分解が十分に進行せず、下式に示
されるように、硫黄までの生物酸化にとどまる。 2H2S + O2 → 2S + 2H2O CH3SH + 2O2 → S + 2H2O + CO2 このような不十分な酸化分解が起こると、硫黄が微生物
担体の表面に付着して表面を覆うために、微生物担体が
目詰まりし、微生物担体の比表面積を低下させると同時
に、空隙率が減少する。その結果、充填された微生物担
体の通気抵抗が大幅に上昇し、脱臭処理される気体の通
気が困難になる。また、散水用水中に浮遊粒子状物質が
含まれる場合にも、微生物担体の表面に付着して圧損を
上昇させる場合がある。このために、微生物担体の目詰
まりによる圧損の上昇を防止し、微生物担体を容易に洗
浄することができる生物脱臭装置が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微生物担体
の目詰まりによる圧損の上昇を防止し、微生物担体を容
易に洗浄することができる生物脱臭装置を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、微生物担体を伸
縮性有する材料で構成し、微生物担体が圧縮された状態
で生物脱臭処理を行い、微生物担体が伸長された状態で
洗浄を行うことにより、目詰まりによる圧損の上昇を回
避し、洗浄を容易に行うことができ、さらに、微生物担
体が水に浸漬された状態における空気による曝気及び水
に浸漬しながらの曝気が有効な洗浄手段であることを見
いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)臭気気体を微生物担体
に接触して脱臭する装置において、微生物担体が伸縮性
を有することを特徴とする生物脱臭装置、(2)微生物
担体が圧縮された状態で生物脱臭処理が行われ、微生物
担体が伸長された状態で微生物担体の洗浄が行われるこ
とを特徴とする第1項記載の生物脱臭装置、(3)伸縮
性を有する微生物担体が、繊維状担体又はスポンジ状担
体である第1項記載の生物脱臭装置、及び、(4)臭気
気体を微生物担体に接触して脱臭する装置において、装
置内部に水を入れて微生物担体を水に浸漬する手段と、
水に浸漬された微生物担体に空気を送って洗浄する手段
とを有することを特徴とする生物脱臭装置、を提供する
ものである。さらに、本発明の好ましい態様として、
(5)微生物担体が、伸縮性を有するひも状担体である
第4項記載の生物脱臭装置、及び、(6)微生物担体
が、固形状充填材である第4項記載の生物脱臭装置、を
挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の生物脱臭装置は、臭気気
体を微生物担体に接触して脱臭する装置において、微生
物担体が伸縮性を有する生物脱臭装置である。本発明の
生物脱臭装置においては、微生物担体が圧縮された状態
で生物脱臭処理を行い、微生物担体が伸長された状態で
微生物担体の洗浄を行うことが好ましい。図1は、本発
明の生物脱臭装置の一態様の説明図であり、図1(a)
は、微生物担体が圧縮された状態を示し、図1(b)は、
微生物担体が伸長された状態を示す。本態様の装置にお
いては、下部の送気口1より臭気物質を含む排気が送り
込まれ、上部のシャワーノズル2から散水される。装置
内に固定多孔板3と移動多孔板4が設けられ、固定多孔
板と移動多孔板に伸縮性を有する微生物担体5の両端が
それぞれ取り付けられている。図1(a)に示す状態で
は、移動多孔板4が、2個のシリンダー6により押し下
げられ、微生物担体が固定多孔板と移動多孔板の間で圧
縮され、比表面積が大きくなっている。実装置において
は、多孔板の全面に微生物担体が取り付けられ、両多孔
板の間は微生物担体で充填された状態になっているが、
本図においては、簡明を期するために、微生物担体は1
条のみを示している。臭気物質を含む排気が送気口1か
ら送り込まれると、排気は固定多孔板3の孔を経由して
微生物担体の充填層に移動し、微生物により酸化分解さ
れる。微生物担体には、臭気物質を分解する微生物をあ
らかじめ培養して種付けすることができ、あるいは、馴
化させることもできる。臭気物質を酸化分解する微生物
としては、例えば、硫化水素を分解するthiobacillus属
の細菌や、メチルメルカプタンなどの有機硫黄系臭気物
質を分解するhyphomicrobiumの細菌、thiobacillus属の
細菌などを挙げることができる。下式に示されるよう
に、硫化水素が完全に酸化されると硫酸になり、メチル
メルカプタンが完全に酸化されると、硫酸と二酸化炭素
と水になる。 H2S + 2O2 → H2SO4 2CH3SH + 7O2 → 2H2SO4 + 2CO2
2H2
【0006】硫酸が生成すると、臭気物質の一つである
アンモニアは、酸化分解を受けるよりも、硫酸により中
和されて硫酸アンモニウムとなって除去される。硫酸が
生成して微生物担体の充填層のpHが下がると、硫化水素
分解菌以外の微生物がはたらかなくなるので、シャワー
ノズル2から散水して微生物担体の充填層のpHを中性付
近に保つことが好ましい。散水され、微生物担体を洗浄
した水は、図示されていない装置下部に設けられた排水
口から排出される。臭気物質を含む排気は、微生物担体
と接触する間に臭気物質が酸化分解され、全く又はほと
んど臭気が感じられない処理気体となって、排気口7か
ら排出される。本発明装置において、伸縮性を有する微
生物担体は、ゴム弾性のような材料固有の伸縮性に限定
されず、例えば、平打組物、丸打組物、胡蝶組物などの
単繊維自体は伸縮しないが、繊維構造の変化により伸縮
性を示す組物や、紐、ロープなどのように、単繊維自体
は伸縮せず、繊維構造も大きくは変化しないが、可撓性
を有するために、移動多孔板を押し下げたときに、圧縮
されて固定多孔板と移動多孔板の間を充填し得る材料を
含む。本発明装置において、伸縮性を有する微生物担体
は、上記のような繊維状担体又はスポンジ状担体である
ことが好ましい。一般に夏期の高温時になると、排気中
に含まれる臭気物質の濃度が増加し、完全な酸化分解が
困難となって、下式で示される反応により、硫黄が生成
する。 2H2S + O2 → 2S + 2H2O CH3SH + 2O2 → S + 2H2O + CO2 生成した硫黄は微生物担体に付着し、微生物の活動を抑
制するとともに、微生物担体の充填層の空隙率を減少
し、圧力損失を増加させる。排気中に塵埃などが含まれ
る場合や、散水に用いる水に懸濁物質が含まれる場合
も、同様に微生物担体の充填層の空隙率が減少し、圧力
損失が増加する。本発明装置においては、このようなと
きに、移動多孔板4をわずかに上方に移動し、微生物担
体の充填層の空隙率を増加して、圧力損失を低下させる
ことができる。しかし、臭気物質の酸化分解が不十分に
なり、処理気体中の臭気物質の濃度が規定されている数
値を超えた場合には、微生物担体の洗浄に移行する。
【0007】本発明の生物脱臭装置における微生物担体
の洗浄時の状態を、図1(b)に示す。洗浄時には、伸長
させた微生物担体に上からシャワーノズル2により散水
しながら、下から散気管10を通して空気が通気して、
微生物担体を洗浄する。2個のシリンダー6により移動
多孔板4を引き上げ、固定多孔板3と移動多孔板の間で
微生物担体5が伸長された状態とする。次いで、散水に
より伸長した微生物担体が水に浸漬された状態とし、散
気管10から空気を送って微生物担体を洗浄する。必要
に応じて、伸縮性を有する微生物担体の圧縮と伸長を繰
り返し、微生物担体に物理的な力を加えることにより、
付着物の解砕と剥離を促進することができる。空気の入
口には、水が逆流しないように逆止弁などを設けること
ができる。微生物担体が水に浸漬した状態で空気を送っ
て洗浄することにより、微生物担体に付着した硫黄、塵
埃、懸濁物質などを除去する。この洗浄により、圧力損
失は初期の値まで回復する。洗浄中は装置に水を送り、
図示されていない上部のオーバーフロー口又は下部の排
水口から、除去された硫黄などが浮遊している水を排出
することが好ましい。本発明装置において、移動多孔板
の移動機構に特に制限はなく、例えば、上記のシリンダ
ーの他に、ネジ式機構、カム式機構などを挙げることが
できる。本発明の脱臭装置において、上部に固定多孔
板、下部に移動多孔板としてもよい。
【0008】図2は、本発明の生物脱臭装置の他の態様
の説明図であり、装置内部に水を入れて微生物担体を水
に浸漬する手段と、水に浸漬された微生物担体に空気を
送って洗浄する手段とを有する生物脱臭装置である。図
2(a)は、生物脱臭処理が行われている状態を示し、図
2(b)は、微生物担体の洗浄が行われている状態を示
す。本態様の生物脱臭装置は、送気口1、シャワーノズ
ル2、上部の固定多孔板3、下部の移動多孔板4、微生
物担体5、排気口7、バイパスダクト8、オーバーフロ
ー管9、散気管10を有する。生物脱臭処理が行われて
いるとき、図2(a)に示すように、移動多孔板4が押し
上げられ、移動多孔板と固定多孔板5の間に微生物担体
5が圧縮されて充填層を形成する。シャワーノズル2か
ら散水され、微生物担体が湿潤化され、臭気成分の分解
により生成した硫酸などが洗浄により除去される。バイ
パスダクト9は閉じられ、臭気物質を含む排気は送気口
1から装置内に送り込まれ、移動多孔板4を経由して微
生物担体と接触し、臭気物質が酸化分解除去される。臭
気物質が除去された処理気体は、排気口7より排出され
る。臭気物質の不完全な酸化分解により生成した硫黄、
排気中に含まれる塵埃、水に含まれる懸濁物質などの付
着により、微生物担体の充填層の空隙率が減少し、圧力
損失が増加した場合には、移動多孔板4をわずかに下方
に移動し、微生物担体の充填層の空隙率を増加して、圧
力損失を低下させることができる。しかし、臭気物質の
酸化分解が不十分になり、処理気体中の臭気物質の濃度
が規定されている数値を超えた場合には、微生物担体の
洗浄に移行する。微生物担体の洗浄を行う場合は、図2
(b)に示すように、移動多孔板4を下方に引き下げて、
微生物担体5が伸長された状態とし、装置内部に水を入
れてオーバーフロー管9まで装置内部を水で満たすこと
で、伸長した微生物担体が水に浸漬された状態とする。
洗浄を行っている間、臭気物質を含む排気は、バイパス
ダクト8を経由して排出される。この状態で、装置下部
に設けられた散気管10から空気を送り、伸長された微
生物担体を曝気によって洗浄する。臭気物質を含む排気
を送気するファンでは空気の圧力又は量が不足する場合
があるので、別途に洗浄用の空気圧縮機、洗浄ブロワな
どを設けることが好ましい。微生物担体が水に浸漬した
状態で空気を送って気液混合洗浄することにより、微生
物担体に付着した硫黄、塵埃、懸濁物質などを容易に除
去することができる。この洗浄により、圧力損失は初期
の値まで回復する。洗浄中は装置に水を送り、除去され
た硫黄などが浮遊している洗浄排水は、オーバーフロー
管9から排出することができる。この場合、シャワーノ
ズル2の散水によって、装置内部を水で満たしている。
本発明の生物脱臭装置は、微生物担体の充填層を多段と
することができる。その各段の間には、整流、散水など
のための空間を設けることが好ましい。その間隙を利用
して移動多孔板を移動させることができる。
【0009】図3は、本発明の生物脱臭装置の他の態様
の説明図であり、図3(a)は、生物脱臭処理が行われて
いる状態を示し、図3(b)は、微生物担体の洗浄が行わ
れている状態を示す。本態様の生物脱臭装置は、送気口
1、シャワーノズル2、固定多孔板11、固形状の微生
物担体12、排気口7、オーバーフロー管9、散気管1
0を有する。図1又は図2に示す態様の生物脱臭装置と
異なり、本態様の生物脱臭装置には移動多孔板がなく、
固定多孔板11のみを有し、固定多孔板上に固形状の微
生物担体12が充填されている。ここで、固形状の微生
物担体として、シリカ系の多孔質セラミックが使用され
ている。必要に応じて、充填された固形状の微生物担体
の上にも、もう1枚の固定多孔板を設けることができ
る。シャワーノズル2から散水され、微生物担体が湿潤
化され、臭気成分の分解により生成した硫酸などが洗浄
により除去される。臭気物質を含む排気は送気口1から
装置内に送り込まれ、固定多孔板11を経由して微生物
担体と接触し、臭気物質が酸化分解除去される。臭気物
質が除去された処理気体は、排気口7より排出される。
臭気物質の不完全な酸化分解により生成した硫黄、排気
中に含まれる塵埃、水に含まれる懸濁物質などの付着に
より、微生物担体充填層の空隙率が減少し、圧力損失が
増加した場合、あるいは、臭気物質の酸化分解が不十分
になり、処理気体中の臭気物質の濃度が規定されている
数値を超えた場合には、微生物担体の洗浄に移行する。
微生物担体の洗浄を行う場合は、図3(b)に示すよう
に、装置内部に水を入れて固形状の微生物担体が水に浸
漬された状態とし、装置下部に設けられた散気管10か
ら空気を送り、曝気によって固形状の微生物担体を洗浄
する。臭気物質を含む排気を送気するファンでは空気の
圧力又は量が不足する場合があるので、別途に洗浄用の
空気圧縮機、洗浄ブロワなどを設けることが好ましい。
微生物担体が水に浸漬した状態で空気を送って気液混合
洗浄することにより、微生物担体に付着した硫黄、塵
埃、懸濁物質などを効果的に除去することができる。こ
の洗浄により、圧力損失は初期の値まで回復する。洗浄
中は装置に水を送り、除去された硫黄などが浮遊してい
る洗浄排水は、オーバーフロー管9から排出することが
できる。
【0010】地球温暖化ガスの一種であるN2O(笑気
ガス)は、メタノール、エタノールなどのアルコール類
に容易に溶解する。このために、し尿の硫化脱窒槽から
の排気などのN2Oを多く含む排気は、ダクトなどにア
ルコール又はアルコール含有水を噴霧して脱臭効率を高
めることができる。この場合、アルコールを添加する
と、微生物担体中に汚泥が増加し、目詰まりを起こしや
すくなるが、本発明の生物脱臭装置を用いることにより
目詰まりを容易に除去することができる。また、装置の
散水にアルコールを添加することも可能である。本発明
装置は、高濃度の硫化水素、有機酸などを含む排気にも
適用することができ、除去率は充填材密度を疎にした装
置よりも高くすることができる。伸縮性のある微生物担
体として、ポリビニルアルコールなどの親水性と抱水性
を有する材料又はそれらを塗布した材料を用いることが
できる。または、圧縮すると縮むスポンジ状充填材、た
とえばウレタン系発泡体も、本発明の微生物担体として
用いることができる。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 図2に示す生物脱臭装置を用いて、下水処理場の汚泥処
理工程から発生する排気の脱臭処理を平成13年4月2
日から11月27日まで240日間行った。微生物担体
として、ポリプロピレン繊維とポリ塩化ビニリデン繊維
からなる直径30mmの丸打組物を用い、その充填量は、
圧縮時の容積で16m3とした。試験期間中の排気の温
度は12〜34(平均22)℃であり、臭気物質の濃度
は、硫化水素150〜530(平均250)ppm(容量
比)、メチルメルカプタン5.3〜23(平均15)ppm
(容量比)、硫化メチル0.1〜0.5(平均0.2)ppm
(容量比)、二硫化メチル0.05〜0.6(平均0.3)p
pm(容量比)、アンモニア0.0〜4(平均2.5)ppm(容
量比)であった。この排気を、生物脱臭装置に40m3
minで通気して脱臭処理を行った。通気速度は、SV1
50h-1、LV300m/hである。処理気体の臭気物
質の濃度は、硫化水素0.02〜0.4(平均0.2)ppm
(容量比)、メチルメルカプタン0.01〜0.025(平
均0.02)ppm(容量比)、硫化メチル0.001〜0.0
5(平均0.01)ppm(容量比)、二硫化メチル0.00
1〜0.1(平均0.05)ppm(容量比)、アンモニア1.
0ppm(容量比)以下であった。試験開始時の圧力損失は
5mmH2Oであったが、120日後、7月31日に圧力損
失が40mmH2Oに達したので、まず最初に排気がバイパ
スダクト8を経由して排出されるように弁操作を行い、
次いでオーバーフロー管9の途中の自動弁を閉じ、シャ
ワーノズルから連続して散水を行った。水位が散気管1
0より上になったとき、洗浄ブロワを起動し、洗浄空気
を12m3/m2・時の流量で5分間曝気して微生物担体
の洗浄を行った。圧力損失は、5mmH2Oに回復した。さ
らに120日後、11月27日に、圧力損失は30mmH2
Oに達した。排気と処理気体の臭気物質濃度を第1表
に、圧力損失の経時変化を第2表に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】第1表に見られるように、本発明装置を用
いて脱臭処理することにより、排気中の臭気物質が分解
除去され、処理気体は臭気が感じられない程度まで脱臭
されている。また、第2表に見られるように、微生物担
体の圧力損失は、運転の継続とともに次第に高くなる
が、繊維状の微生物担体を伸長して洗浄することによ
り、初期の状態まで回復する。 実施例2 図3に示す生物脱臭装置を用いて、養豚場の糞尿処理施
設から発生する排気の脱臭処理を平成13年3月21日
から11月15日まで240日間行った。微生物担体と
して、直径6〜12mmのポリビニルアルコールのゲル状
球体8m3を充填した。試験期間中の排気の温度は18
〜29(平均20)℃であり、臭気物質の濃度は、硫化
水素50〜700(平均350)ppm(容量比)、メチル
メルカプタン1.5〜8(平均5)ppm(容量比)、硫化メ
チル0.02〜0.3(平均0.05)ppm(容量比)、二硫
化メチル0.01〜0.2(平均0.03)ppm(容量比)、
アンモニア0.0〜3.5(平均2.0)ppm(容量比)であ
った。この排気を、生物脱臭装置に20m3/minで通気
して脱臭処理を行った。通気速度は、SV150h-1
LV300m/hである。処理気体の臭気物質の濃度
は、硫化水素0.02〜0.3(平均0.1)ppm(容量
比)、メチルメルカプタン0.01〜0.09(平均0.0
5)ppm(容量比)、硫化メチル0.001〜0.04(平
均0.01)ppm(容量比)、二硫化メチル0.001〜0.
05(平均0.01)ppm(容量比)、アンモニア1.0ppm
(容量比)以下であった。試験開始時の圧力損失は10mm
H2Oであったが、120日後、7月18日に圧力損失が
250mmH2Oに達したので、まず最初に排気がバイパス
ダクト8を経由して排出されるように弁操作を行い、次
いでオーバーフロー管9の途中の自動弁を閉じ、シャワ
ーノズルから連続して散水を行った。水位が散気管10
より上になったとき、洗浄ブロワを起動し、洗浄空気を
12m3/m2・時の流量で5分間曝気して微生物担体の
洗浄を行った。圧力損失は、10mmH2Oに回復した。さ
らに120日後、11月15日に、圧力損失は200mm
H2Oに達した。排気と処理気体の臭気物質濃度を第3表
に、圧力損失の経時変化を第4表に示す。
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】第3表に見られるように、本発明装置を用
いて脱臭処理することにより、排気中の臭気物質が分解
除去され、処理気体は臭気が感じられない程度まで脱臭
されている。また、第4表に見られるように、微生物担
体の圧力損失は、運転の継続とともに次第に高くなる
が、洗浄することにより、初期の状態まで回復する。
【0018】
【発明の効果】本発明の生物脱臭装置は、微生物担体が
伸縮性を有し、状況に応じて適度に圧縮又は伸長して目
詰まりを防止することができ、優れた脱臭性能を発揮す
る。また、圧力損失が高くなった場合は、微生物担体を
空気で洗浄することにより、容易に付着物を除去して原
状に回復することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の生物脱臭装置の一態様の説明
図である。
【図2】図2は、本発明の生物脱臭装置の他の態様の説
明図である。
【図3】図3は、本発明の生物脱臭装置の他の態様の説
明図である。
【符号の説明】
1 送気口 2 シャワーノズル 3 固定多孔板 4 移動多孔板 5 微生物担体 6 シリンダー 7 排気口 8 バイパスダクト 9 オーバーフロー管 10 散気管 11 固定多孔板 12 微生物担体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 保彦 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA03 AA06 AA13 AB02 AC10 BA17 CA01 CA07 DA59 DA70 EA09 EA13 HA06 4L046 AA03 AA24 BA07 BB00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臭気気体を微生物担体に接触して脱臭する
    装置において、微生物担体が伸縮性を有することを特徴
    とする生物脱臭装置。
  2. 【請求項2】微生物担体が圧縮された状態で生物脱臭処
    理が行われ、微生物担体が伸長された状態で微生物担体
    の洗浄が行われることを特徴とする請求項1記載の生物
    脱臭装置。
  3. 【請求項3】伸縮性を有する微生物担体が、繊維状担体
    又はスポンジ状担体である請求項1記載の生物脱臭装
    置。
  4. 【請求項4】臭気気体を微生物担体に接触して脱臭する
    装置において、装置内部に水を入れて微生物担体を水に
    浸漬する手段と、水に浸漬された微生物担体に空気を送
    って洗浄する手段とを有することを特徴とする生物脱臭
    装置。
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