JP2003310248A - 生分解性ポリマーを分解する微生物、及びそれを用いて生分解性ポリマーを分解処理する方法 - Google Patents

生分解性ポリマーを分解する微生物、及びそれを用いて生分解性ポリマーを分解処理する方法

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JP2003310248A
JP2003310248A JP2002125101A JP2002125101A JP2003310248A JP 2003310248 A JP2003310248 A JP 2003310248A JP 2002125101 A JP2002125101 A JP 2002125101A JP 2002125101 A JP2002125101 A JP 2002125101A JP 2003310248 A JP2003310248 A JP 2003310248A
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JP2002125101A
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Nobuki Hayase
伸樹 早瀬
Kazue Tsutsumi
主計 堤
Katsuhiko Nakagawa
克彦 中川
Yasushi Miyahara
康史 宮原
Kazusaku Tanaka
一作 田中
Suminori Tanaka
住典 田中
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Okura Industrial Co Ltd
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Okura Industrial Co Ltd
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    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】生分解性ポリマーであるポリブチレンサクシネ
ートアジペート(PBSA)、ポリブチレンサクシネー
ト(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)を分解す
る微生物及びこれら生分解性ポリマーの分解方法を提供
する。 【解決手段】生分解性ポリマーであるポリブチレンサク
シネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンサクシ
ネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)を分
解するバルクフォーデリア(Burkhoderia)属に属する
微生物または培養物をポリブチレンサクシネートアジペ
ート(PBSA)、ポリブチレンサクシネート(PB
S)、ポリカプロラクトンに接触させることにより分解
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性ポリマー
であるポリブチレンサクシネートアジペート(以下、P
BSAと略記する)、ポリブチレンサクシネート(以
下、PBSと略記する)、ポリカプロラクトン(以下、
PCLと略記する)を分解する微生物およびその培養物
による該生分解性ポリマーの効率的な分解方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】安価に大量生産されるプラスチックは、
自然界で分解が行われないため深刻な自然破壊や廃棄物
処理問題の要因となっている。このような社会的背景を
基に、環境中において分解の進む生分解性ポリマーに大
きな期待が集まっている。生分解性ポリマーは、プラス
チックの利便性と、廃棄物となると自然界で微生物によ
り水と二酸化炭素に完全に分解される環境適合性を有し
ている素材である。生分解性ポリマーには、生分解性の
あるでんぷんやセルロースなどの天然高分子を利用した
「天然物利用系」、微生物が細胞内蓄える脂肪族ポリエ
ステルを利用した「微生物産生系」、化学的にモノマー
の重合反応によって作られた脂肪族ポリエステル構造を
有する「化学合成系」と、製造方法により大きく3つに
分類される。特に、「化学合成系」は、大量に比較的安
価に製造することが可能であることより、多くの商品が
開発され、今後の需要の拡大が期待されている。
【0003】しかし、これら「化学合成系」の生分解性
ポリマーは、「天然物利用系」、「微生物産生系」の生
分解性ポリマーと異なり、従来の汎用プラスチックと同
様に石油等を原料として人工的に化学合成されたポリマ
ーであり、これら「化学合成系」の生分解性ポリマーと
して市販されているPBSA、PBS、PCL等の化学
合成系生分解性ポリマーを効率よく分解し、また有効利
用できる技術の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PBSA、
PBS、PCL等の化学合成系生分解性ポリマーを効率
よく分解する微生物、および分解方法を提供することを
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PBS
A、PBS、PCL等の化学合成系生分解性ポリマーを
効率よく分解する微生物について鋭意研究を重ねた結
果、PBSA、PBS及びPCLを分解する新規微生物
を自然界から分離することに成功し、本発明を完成する
に至った。かくして本発明によれば、 (1)バルクフォーデリア(Burkhoderia)属微生物に
由来する、PBSA、PBS、PCLを分解する微生物 (2)上記(1)の微生物菌体、またはこの微生物菌体
の培養物を用いてPBSA、PBS、PCL、PES及
びそれらを主骨格とするポリマーから選ばれる一種以上
を効率的に分解する方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態と
ともに詳細に説明する。本発明のPBSA、PBS、P
CLを分解する微生物、またPBSA、PBS、PCL
の効率的分解法に使用される微生物は、バルクフォーデ
リア(Burkhoderia)属に属し、該生分解ポリマー分解
活性を、構成的に発現するか、または誘導物質あるいは
温度等により誘導的に発現するか、生分解性ポリマー以
外の栄養源がポリマー分解に必要であるかなどの如何に
かかわらず、培養して得られる菌体もしくは培養物にP
BSA、PBS及びPCLを分解する活性を有していれ
ば特に制限されない。
【0007】このような微生物は、例えば以下のような
方法によって自然界より分離、取得、あるいは既存の保
存菌株より選定、取得することができる。 生分解性ポリマー分解菌の分離 生分解性ポリマー分解菌集積培養培地は、以下のような
組成からなる。(PBSAまたはPBSまたはPCL
1g/l、KH2PO4 2.34g/l、KH2PO41.33g
/l、MgSO4・7H2O 0.20g/l、(NH4)2SO4 1.
0g/l、NaCl 0.5g/l、酵母エキス 0.25
g/l、プライサーフ A210G(第一工業製薬製)
0.1g/l、微量元素溶液 1.0ml(微量元素溶
液 CoCl 2 (11.9mg/L) NiCl2 (11.8g/L) CrCl2 (6.3g
/L) CuSO4 (15.7g/L) FeCl3 (0.97g/L) CaCl2 (0.78g/
L) MnCl2 (10.0g/L) )。PBSA、PBS、PCLを
除く培地成分をビーカーで作成し、PBSAまたはPB
SまたはPCLを試験管に入れ、そこに塩化メチレンを
PBSAまたはPBSまたはPCL 1gに対して40mLの
割合で加え溶解させる。この2つを混合し超音波で乳状
にする。
【0008】その後、加熱して塩化メチレンを除去し
て、PBSA、PBS、PCLエマルジョン培地を作製
する。このエマルジョン化したPBSA、PBS、PC
Lを唯一の炭素源とした集積培養培地に、土壌、コンポ
スト等を少量添加し、20℃〜40℃、静置条件または振と
う条件下で集積培養する。2日から10日後に微生物の増
殖による培養液の濁りまたはポリマーエマルジョンの分
解により培地の透明化が観察される試験管より、同じ組
成の集積培養培地に集積培養液を添加し、2日から10日
間20℃〜40℃で培養を行う。この集積培養を2回から5回
繰り返す。その後、集積培養液をPBSAをエマルジョン化
した栄養塩寒天培地へ移し、20℃〜40℃で4日から10日
菌を培養する。出現したコロニーの内、コロニーの周り
に透明なクリアーゾーンを形成した菌を分解菌とみな
し、その菌をもう一度同じ培地に植え継いで純化する。
【0009】この様にして取得できる微生物としてバル
クフォーデリア属に属する微生物バルクフォーデリア・
エスピー(Burkhoderia)1−A株、バルクフォーデリア
・エスピー(Burkhoderia)2−B株、バルクフォーデリ
ア・エスピー(Burkhoderia)3−B株を例示できる。本
菌株は、以下の表1に示す菌学的性質を有している。
【0010】
【表1】
【0011】そして、この菌学的性質について、バージ
ェイズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテ
リオロジー(Bergey's Manual of Systematic Bacterio
logyVol.2,[P.H.A.Sneath, N.S.Mair, M.E.Sharpe and
J.G.Hol(1986) Williams &Wilkins])に基づき検索し
た結果、これら菌株は、バルクフォーデリア(Burkhode
ria)に属する菌株であると認められたものである。し
かしながら、これら菌株は、生分解性ポリマーであるポ
リブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリ
ブチレンサクシネート(PBS)及びポリカプロラクト
ンを分解する点で新規な微生物である。また、これら菌
株は、1−A株及び3−B株はオキシダーゼ:+、である
のに対し2−B 株はオキシダーゼ:― 、2−B株及び3
−B株はゼラチン液化:+、であるのに対し1−A株はゼ
ラチン液化:―であるという異なった生理学的性質を有
していた。
【0012】尚、これら菌株は独立行政法人産業技術総
合研究所 特許生物寄託センターに、1−A株は受託番
号:FERM P−18822、2−B株は受託番号:F
ERM P−18823、3−B株は受託番号:FERM
P−18824として寄託されている。
【0013】これらPBSA、PBS、PCLを分解す
る微生物の培養は、炭素源、窒素源、無機塩、各種ビタ
ミン等を含む通常の栄養培地で行うことができ、炭素源
としては、例えば、ブドウ糖、ショ糖、果糖、麦芽糖、
ガラクトース、キシロース等の糖類、エタノール、メタ
ノール等のアルコール類、クエン酸、リンゴ酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸等の有機酸類が用いられる。
窒素源としては、例えばアンモニア、硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等がそ
れぞれ単独もしくは混合して用いられる。また、無機塩
としては、例えばリン酸一水素カリウム、リン酸二水素
カリウム、硫酸マグネシウム等が用いられる。この他に
ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンステイープリ
カー、カザミノ酸、ビオチン等の各種ビタミン等の栄養
素を培地に添加することができる。更に、鉄、マンガ
ン、モリブデン、タングステン、カルシウム等の金属塩
を培地に添加してもよい。
【0014】培養条件は、通常、通気撹拌、振とう等の
好気条件下に、PBSA、PBS、PCLを分解する微
生物の生育し得る温度であれば特に制限はなく、また、
培養途中のpHについても該微生物が生育し得るpHで
あれば特に制限はない。培養中のpH調整は、酸または
アルカリを添加して行うことができる。
【0015】これら分解菌によるPBSA、PBS、P
CLの分解には、上記炭素源、窒素源、無機塩、各種ビ
タミン等を含む培地に、PBSA、PBS、PCLの各
フィルム、粉砕物、ペレット等を投入し、上記のような
培養条件で培養することにより分解が可能である。ま
た、培養液や培養上清にPBSA、PBS、PCLの各
フィルム、粉砕物、ペレット等を投入することにより分
解することも可能である。
【0016】これら微生物のPBSA、PBS、PCL
の分解機構としては、エステル結合の切断によりポリマ
ーを分解することが明らかとなっており、これら微生物
のPBSA、PBS、PCLの分解代謝物より、有機
酸、アルコール等の回収も可能である。
【0017】
【実施例】以上に本発明を説明してきたが、下記の実施
例により更に具体的に説明する。しかしながら、実施例
は本発明の具体的な認識を得る一助とみなすべきのもの
であり、本発明の範囲を何等限定するものではない
【0018】実施例1 ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)分解
菌の分離 生分解性ポリマー分解菌の分離 生分解性ポリマー分解
菌集積培養培地は、以下のような組成からなる。PBS
A(ビオノーレ ♯3001、昭和高分子社製) 1g
/l、KH2PO4 2.34g/l、KH2PO4 1.33g/
l、MgSO4・7H2O0.20g/l、(NH4)2SO4 1.0g
/l、NaCl 0.5g/l、酵母エキス 0.25g/
l、プライサーフ A210G(第一工業製薬製) 0.1
g/l、微量元素溶液 1.0ml(微量元素溶液 Co
Cl2 (11.9mg/L) NiCl2 (11.8g/L) CrCl2 (6.3g/L) Cu
SO4 (15.7g/L) FeCl3 (0.97g/L) CaCl2 (0.78g/L) Mn
Cl2 (10.0g/L) )。PBSAを除く培地成分をビーカー
で作成し、PBSAを試験管に入れ、そこに塩化メチレ
ンをPBSA 1gに対して40mLの割合で加え溶解させ
る。この2つを混合し超音波で乳状にする。その後、加
熱して塩化メチレンを除去して、PBSAエマルジョン
培地を作製した。エマルジョン化したPBSAを唯一の
炭素源とした集積培養培地を試験管に5mlずつ分けて滅
菌し、コンポストをマイクロスパチュラ約一杯分入れ、
30℃、静置条件下で集積培養した。1週間後に微生物の
増殖による培養液の濁りまたはポリマーエマルジョンの
分解により培地の透明化が観察される試験管より、50μ
lの集積培養液をPBSAをエマルジョン化した栄養塩
寒天培地(バクトトリプトン 10g/l、酵母エキス
5g/l、NaCl 5g/l、Plysurf A210G(第一工
業製薬製) 0.1g/l、PBSA 1g/l、寒天 2
0g/l)へ植菌し30℃で5日間培養した。培養後、
出現したコロニーの周りにPBSAエマルジョンを分解
して透明なクリアーゾーンを形成した菌を分解菌とみな
した。この分解菌を、さらに同じ組成のPBSAをエマ
ルジョン化した栄養塩寒天培地に植菌して、コロニーを
形成させて、6株の微生物の純化を行った。これら菌株
の内、PBSAをエマルジョン化した栄養塩寒天培地上
にて特にPBSAエマルジョンを分解し、寒天培地の透
明化活性の強い1−A株、2−B株、3−B株の3種の
微生物を単離した。これら分離菌株について、前記の如
く更に菌学的諸性質を調べた結果、全てバルクフォーデ
リアに属する菌株であると認められた。しかしながら、
1−A株及び3−B株はオキシダーゼ:+、であるのに対
し2−B 株はオキシダーゼ:― 、2−B株及び3−B株
はゼラチン液化:+、であるのに対し1−A株はゼラチ
ン液化:―であるという異なった生理学的性質を有して
おり、各々バルクフォーデリア・エスピー(Burkhoderi
a)1−A株、バルクフォーデリア・エスピー(Burkhode
ria)2−B株、バルクフォーデリア・エスピー(Burkho
deria)3−B株と命名した。
【0019】実施例2 各種生分解性ポリマーエマルジョンの分解 生分解性ポリマーとしては、PBSA(ビオノーレ ♯
3001、昭和高分子社製)、PBS(ビオノーレ ♯
1001、昭和高分子社製)、PLA(4030D、カ
ーギル社製)、ポリエチレンサクシネート(PES)(ル
ナーレSE、株式会社日本触媒社製)、 ポリヒドロキ
シブチレート/バリレート(PHB/PHV)(バイオポ
ール、モンサント社製)、ポリ-ε-カプロラクトン(P
CL)(平均分子量10000、和光純薬工業社製)、セルグ
リーン(P(HB02B)、ダイセル化学工業社製)、
マタービー(日本合成化学工業社製)を使用した。これ
ら生分解性ポリマー 1g/l、KH2PO4 2.34g/
l、KH2PO4 1.33g/l、MgSO4・7H2O 0.20
g/l、(NH4)2SO4 1.0g/l、NaCl0.5g/
l、酵母エキス 1.0g/l、Plysurf A210G(第
一工業製薬製) 0.1g/l、寒天 20g/l、微
量元素溶液 1.0ml(微量元素溶液 CoCl2 (11.9m
g/L) NiCl2 (11.8g/L) CrCl2 (6.3g/L) CuSO4 (15.7g
/L) FeCl3 (0.97g/L) CaCl2 (0.78g/L) MnCl2 (10.0g
/L))を含む生分解性ポリマーエマルジョン寒天培地を
作製した。エマルジョン培地の作製方法は、生分解性ポ
リマーを除く培地成分をビーカーで作成し、生分解性ポ
リマーを試験管に入れ、そこに塩化メチレンを生分解性
ポリマー 1gに対して40mLの割合で加え溶解させ、この2
つを混合し超音波で乳状にし、その後、加熱して塩化メ
チレンを除去して、生分解性ポリマーエマルジョン培地
を作製した。その後、バルクフォーデリア・エスピー
(Burkhoderia)1−A株、バルクフォーデリア・エスピ
ー(Burkhoderia)2−B株、バルクフォーデリア・エス
ピー(Burkhoderia)3−B株を各種生分解性ポリマーエ
マルジョン培地に植菌し、30℃で1週間培養を行っ
た。増殖したコロニー周辺のクリアーゾーンの有無を観
察して、各種生分解性ポリマーの分解性とした。結果を
表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2から明らかなようにすべての菌は、PB
SA、PBS、PES、PCL、セルグリーン、マタービーを分解
し、広い分解スペクトルを示した。しかし、バイオポー
ル、PLAを分解できなかった。
【0022】実施例3 各種生分解性ポリマーフィルムの分解 生分解性ポリマーとしては、PBSA(ビオノーレ ♯
3001、昭和高分子社製)、PBS(ビオノーレ ♯
1001、昭和高分子社製)、PLA(4030D、カ
ーギル社製)、セルグリーン(P(HB02B)、ダイ
セル工業社製)、エコフレックス(BASFジャパン社製)
を使用した。栄養塩液体培地(トリプトン, 5 g/l; 酵
母エキス, 2.5 g/l; NaCl, 0.50g/l)の入った試験管
に、エタノール殺菌をしたフィルム状の各種生分解性ポ
リマー(厚さ:50μm)を無菌的に投入した。そこに各種
分解菌を植菌し、30℃で2週間振盪培養を行った。その
後、フィルムを回収し洗浄、真空乾燥後重量を測定し
た。 分解率={(分解試験前のフィルム乾燥重量)−(分解
試験後のフィルム乾燥重)}/(分解試験前のフィルム
乾燥重量) は、上記の式により計算した。結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3からも明らかなようにPBSA、PBSで
は、完全にフィルムが消滅している実験区が観察され
た。セルグリーン(ポリカプロラクトン系)について
は、1−A株、3−B株でよく分解されていた。また、PL
A(ポリ乳酸)については、本実験条件ではほとんど分
解が認められなかった。エコフレックスについては、数
%の重量減少は観察され、分解速度は遅いが分解が進行
していることが明らかになった。
【0025】実施例4 PBSAフィルム(ビオノーレ ♯3001、昭和高分
子社製)をエマルジョン化した栄養塩液体培地(PBS
A, 1 g/l; トリプトン, 5 g/l; 酵母エキス, 2.5 g/
l; NaCl, 0.50g/l)を作製した。PBSAエマルジョン
培地の作製方法は、PBSAを除く培地成分をビーカー
で作成し、PBSAを試験管に入れ、そこに塩化メチレ
ンをPBSA 1gに対して40mlの割合で加え溶解させ、
この2つを混合し超音波で乳状にし、その後、加熱して
塩化メチレンを除去して、PBSAエマルジョン培地を
作製した。このPBSAエマルジョン培地を坂口振とう
フラスコに200mL入れ、バルクフォーデリア・エスピー
(Burkhoderia)1−A株を植菌し、30℃で2週間振盪
培養した。培養後、培養液を凍結乾燥し、凍結乾燥物中
のポリマーをクロロホルムで抽出した。この抽出物をN
MRにより分析した。NMRスペクトルデータより、分
解様式を検討するために模式図(式1)に示したように
PBSAを各ユニットに分けて、コハク酸ユニット(A
)を基にしたアジピン酸ユニット、1,4-ブタンジオー
ルユニットの分解率を求めた結果を表4に示した。1−
A株により分解したフィルムにおいては、コハク酸ユニ
ットを基にしたアジピン酸ユニット、1,4-ブタンジオー
ルユニットの存在率は減少しアジピン酸ユニットは77.3
%、1,4-ブタンジオールユニットは22.7%の分解が認めら
れ、1−A株はアジピン酸ユニットが選択的に良く分解
されていると考えられる。
【0026】
【式1】
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】本発明により、生分解性ポリマーである
ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポ
リブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクト
ン(PCL)を分解する微生物が提供され、これら微生
物を用いたポリブチレンサクシネートアジペート(PB
SA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカ
プロラクトン(PCL)の分解法が提供される。本発明
の生分解性ポリマー分解菌及び分解酵素を用いることに
より、あるポリブチレンサクシネートアジペート(PB
SA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカ
プロラクトン(PCL)を効率的に分解することがで
き、プラスチック廃棄物問題の解決に寄与するととも
に、リサイクル等、資源の有効利用が図れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 一作 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 田中 住典 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 Fターム(参考) 4B065 AA01X AC12 AC20 BA23 CA55 4F301 AA25 CA09 CA38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルクフォーデリア(Burkhoderia)属に
    属する微生物であって生分解性ポリマーであるポリブチ
    レンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレ
    ンサクシネート(PBS)及びポリカプロラクトンを分
    解する微生物。
  2. 【請求項2】FERM P−18822菌株である請求
    項1記載の微生物。
  3. 【請求項3】FERM P−18823菌株である請求
    項1記載の微生物。
  4. 【請求項4】FERM P−18824菌株である請求
    項1記載の微生物。
  5. 【請求項5】バルクフォーデリア(Burkhoderia)属に
    属する微生物を用いて生分解性ポリマーであるポリブチ
    レンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレ
    ンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン、ポリ
    エチレンサクシネート(PES)及びそれらを主骨格と
    するポリマーから選ばれる一種以上を分解処理する方
    法。
JP2002125101A 2002-04-26 2002-04-26 生分解性ポリマーを分解する微生物、及びそれを用いて生分解性ポリマーを分解処理する方法 Pending JP2003310248A (ja)

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