JP2003309969A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2003309969A
JP2003309969A JP2002111030A JP2002111030A JP2003309969A JP 2003309969 A JP2003309969 A JP 2003309969A JP 2002111030 A JP2002111030 A JP 2002111030A JP 2002111030 A JP2002111030 A JP 2002111030A JP 2003309969 A JP2003309969 A JP 2003309969A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合共振形コンバータについて電力変換効率
の向上を図る。 【解決手段】 一次側が一石構成の電圧共振形コンバー
タ、二次側が半波整流方式電圧共振回路を組み合わせた
複合共振形コンバータとしてのスイッチング電源回路に
おいて、二次側が半波整流回路とし、絶縁コンバータト
ランスのコアのギャップをゼロとして一次側巻線と二次
側巻線の結合係数を0.95程度の密結合する。直流入
力電圧は、全波整流回路から得るようにする。一次側巻
線は、外側巻線N2Aと内側巻線N1Bに分割する。内側巻
線N1Bには直列にインダクタL1Cを接続し、外側巻線N
2A側と内側巻線N1B側のインダクタンスを同等とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることがわかってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】ここでは先行技術として、図23、図2
7、図28の回路例を挙げる。図23は一次側の電圧共
振コンバータと二次側電圧共振回路を組み合わせた複合
共振形コンバータである。図27及び図28は、一次側
に電流共振コンバータ及び部分電圧共振回路を備えた共
振形コンバータである。
【0004】まず、先行技術となる図23のスイッチン
グ電源回路を説明する。この図に示す電源回路において
は、商用交流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流
入力電圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整
流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流平
滑回路が備えられ、交流入力電圧VACの等倍のレベルに
対応する整流平滑電圧Eiを生成するようにされる。
【0005】この電源回路に備えられる電圧共振形のス
イッチングコンバータは、1石のスイッチング素子Q1
を備えた自励式の構成を採っている。この場合、スイッ
チング素子Q1には、800V耐圧のバイポーラトラン
ジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用されてい
る。
【0006】スイッチング素子Q1のベースと一次側ア
ース間には、駆動巻線NB、共振コンデンサCB、ベース
電流制限抵抗RBの直列接続回路よりなる自励発振駆動
用の直列共振回路が接続される。また、スイッチング素
子Q1のベースは、ベース電流制限抵抗RB−起動抵抗R
Sを介して平滑コンデンサCi(整流平滑電圧Ei)の
正極側にも接続されており、起動時のベース電流を整流
平滑ラインから得るようにしている。
【0007】また、スイッチング素子Q1のベースと平
滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿入され
るクランプダイオードDDにより、スイッチング素子Q1
のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するように
されており、また、スイッチング素子Q1のコレクタ
は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一
端と接続され、エミッタは一次側アースに対して接地さ
れる。
【0008】また、上記スイッチング素子Q1のコレク
タ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが
並列に接続されている。この並列共振コンデンサCr
は、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランス
PITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1
とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を
形成する。そして、ここでは詳しい説明を省略するが、
スイッチング素子Q1のオフ時には、この並列共振回路
の作用によって並列共振コンデンサCrの両端電圧VQ1
は、実際には正弦波状のパルス波形となって電圧共振形
の動作が得られるようになっている。
【0009】この図に示す直交形制御トランスPRT
は、共振電流検出巻線NA、駆動巻線NB、及び制御巻線
NCが巻装された可飽和リアクトルである。この直交形
制御トランスPRTは、スイッチング素子Q1を駆動す
ると共に、定電圧制御のために設けられる。この直交形
制御トランスPRTの構造としては、図示は省略する
が、4本の磁脚を有する2つのダブルコの字形コアの互
いの磁脚の端部を接合するようにして立体型コアを形成
する。そして、この立体型コアの所定の2本の磁脚に対
して、同じ巻装方向に共振電流検出巻線NA、駆動巻線
NBを巻装し、更に制御巻線NCを、上記共振電流検出巻
線ND及び駆動巻線NBに対して直交する方向に巻装して
構成される。
【0010】この場合、直交形制御トランスPRTの共
振電流検出巻線NAは、平滑コンデンサCiの正極と絶
縁コンバータトランスPITの一次巻線N1との間に直
列に挿入される。これにより、スイッチング素子Q1の
スイッチング出力は、一次巻線N1を介して共振電流検
出巻線NAに伝達される。直交形制御トランスPRTに
おいては、共振電流検出巻線NAに得られたスイッチン
グ出力がトランス結合を介して駆動巻線NBに誘起され
ることで、駆動巻線NBにはドライブ電圧としての交番
電圧が発生する。このドライブ電圧は、自励発振駆動回
路を形成する直列共振回路(NB,CB)からベース電流
制限抵抗RBを介して、ドライブ電流としてスイッチン
グ素子Q1のベースに出力される。これにより、スイッ
チング素子Q1は、直列共振回路の共振周波数により決
定されるスイッチング周波数でスイッチング動作を行う
ことになる。
【0011】絶縁コンバータトランスPITは、スイッ
チング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送す
る。この場合、絶縁コンバータトランスPITは、例え
ば図24に示すように、フェライト材によるE型コアC
R1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせ
たEE型コアが備えられる。そして、一次側と二次側の
巻装領域が互いに独立するようにして分割された上で一
体化されたボビンBに対して、一次巻線N1と、二次巻
線N2をそれぞれの巻装領域に巻装している。なお、一
次巻線N1及び二次巻線N2は、それぞれ60μmmφのリ
ッツ線をガラ巻きにより巻装している。そして、中央磁
脚に対しては図のように0.5〜1mm程度のギャップ
Gを形成するようにしている。これによって、結合係数
kとしては、例えばk≒0.8程度による疎結合の状態
を得るようにしている。
【0012】絶縁コンバータトランスPITの一次巻線
N1の一端は、スイッチング素子Q1のコレクタと接続さ
れ、他端は共振電流検出巻線NAの直列接続を介して平
滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続さ
れている。
【0013】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、
二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されること
で、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次
側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。
つまり二次側において電圧共振動作が得られる。即ち、
この電源回路では、一次側にはスイッチング動作を電圧
共振形とするための並列共振回路が備えられ、二次側に
は電圧共振動作を得るための並列共振回路が備えられ
た、「複合共振形スイッチングコンバータ」としての構
成を有する。
【0014】並列共振回路を形成する二次巻線N2に対
してはブリッジ整流ダイオードDBRが接続される。この
ブリッジ整流ダイオードDBRと平滑コンデンサCOによ
り全波整流回路が形成されることで、平滑コンデンサC
Oの両端電圧として、二次側直流出力電圧EOが生成され
る。なお、この直流出力電圧EOは制御回路1に対し
て、検出電圧として分岐して入力される。
【0015】制御回路1では、入力された二次側直流出
力電圧EOのレベルを検出して、このレベル変化に応じ
て、制御巻線NCに流すべき直流電流である制御電流の
レベルを可変する。このようにして可変された制御電流
のレベルに応じて、直交形制御トランスPRTでは、駆
動巻線NBのインダクタンスLBが可変されることにな
る。これにより、駆動巻線NBのインダクタンスLBを含
んで形成されるスイッチング素子Q1のための自励発振
駆動回路内の直列共振回路の共振条件が変化するが、こ
れは、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数を可
変する動作となる。そして、上記のようにしてスイッチ
ング周波数が可変制御されると、これに応じて、一次側
並列共振回路(N1//Cr)と二次側並列共振回路(N2
//C2)の共振インピーダンスが変化して、絶縁コンバ
ータトランスPITの一次側から二次側に伝送される交
番電圧レベルも変化することになる。この結果、二次巻
線N2に得られた交番電圧レベルを元として生成される
二次側直流出力電圧EO1のレベルも可変されることとな
る。このような動作によって二次側の直流出力電圧を安
定化する。
【0016】図26に各部の動作波形を示す。なお各部
は次のように選定される。 一次巻線N1=45T(ターン):60μm/130束
のリッツ線 二次巻線N2=45T(ターン):60μm/130束
のリッツ線 ギャップG=1mm、結合係数k=0.81 一次側並列共振コンデンサCr=6800pF 二次側並列共振コンデンサC2=0.01μF
【0017】スイッチング素子Q1のスイッチング動作
は、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧
VQ1及びコレクタ電流IQ1により示される。つまり、ス
イッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFにおいて
は、コレクタ電流IQ1は0レベルになると共に、コレク
タ−エミッタ間電圧VQ1としては、一次側電圧共振回路
による電圧共振パルス電圧が得られる。これに対して、
スイッチング素子Q1がオンとなる期間TONにおいて
は、図示する波形によりコレクタ電流IQ1が流れると共
に、コレクタ−エミッタ間電圧VQ1は0レベルとなる。
このようなスイッチング動作により、絶縁コンバータト
ランスPITの一次巻線N1には図示するように電流I
1が流れ、またそれに応じて二次巻線N2に電流I2が
流れる。二次側共振電圧V2は図示するようになる。こ
のとき、二次側のブリッジ整流ダイオードDBRに流れる
電流ID0は、図示するように正負非対称となる。このた
め図24に示したように一対のE型コアCR1,CR2
にはギャップGを形成しておかなければフェライト磁心
の偏磁によってフェライト磁心が飽和し、スイッチング
素子Q1の破壊のおそれが生ずる。従って、交流入力電
圧VACが100V系で負荷電力Poが200Wの場合、
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に流れる
一次電流I1が過大である。例えば電流I1=8A(P-
P)、スイッチング素子Q1のコレクタ電流IQ1=4A
(P-P)である。図25に負荷電力Poの変動に対する
AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)及びスイッチング
周波数fsの変化特性を示しているが、負荷電力Po=
200Wの場合のAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)
は91%程度となる。
【0018】なお、入力倍電圧整流回路を備えるように
し、またスイッチング素子Q1の耐圧を1500Vとす
れば、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は92%程
度とすることができるが、この場合、平滑コンデンサC
iが2つ必要であることや高耐圧のスイッチング素子Q
1及び平滑コンデンサが必要であることにより大幅なコ
ストアップが生ずる。
【0019】次に一次側に電流共振コンバータ及び部分
電圧共振回路を備えた共振形コンバータとしての先行技
術である図27のスイッチング電源回路を説明する。こ
の図27に示す電源回路の基本構成としては、一次側ス
イッチングコンバータとして自励式の電流共振形コンバ
ータを備えている。
【0020】この図に示す電源回路において、商用交流
電源から直流入力電圧(整流平滑電圧Ei)を生成する
ための整流回路系としては、図示するようにして、2本
の低速リカバリ型の整流ダイオードD1,D2と、2本の
平滑コンデンサCi1,Ci2を接続することで、倍電圧
整流回路を形成している。これにより、直列接続された
2本の平滑コンデンサCi1−Ci2の両端には、交流入
力電圧VACの2倍のレベルに対応する整流平滑電圧Ei
が得られる。この整流平滑電圧Eiが、後段のスイッチ
ングコンバータに対して直流入力電圧として供給され
る。
【0021】この図に示す電源回路のスイッチングコン
バータは電流共振形とされ、図のように2つのスイッチ
ング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続して
いる。この場合、スイッチング素子Q1,Q2について
は、バイポーラトランジスタが選定されている。スイッ
チング素子Q1のベースに対しては、ベース電流制限抵
抗RB1−共振用コンデンサCB1−駆動巻線NB1を直列接
続して成る自励発振駆動回路が接続される。スイッチン
グ素子Q1のベース−エミッタ間には、ダンパーダイオ
ードDD1が図示する方向によって接続される。また、ス
イッチング素子Q1のコレクタ−ベース間には、起動時
の電流をベースに流すための起動抵抗Rs1が接続され
る。同様にして、スイッチング素子Q2のベースに対し
ては、ベース電流制限抵抗RB2−共振用コンデンサCB2
−駆動巻線NB2を直列接続して成る自励発振駆動回路が
接続される。また、ベース−エミッタ間には、ダンパー
ダイオードDD2が接続され、コレクタ−ベース間には起
動抵抗Rs2が接続される。
【0022】ここで、スイッチング素子Q1側の自励発
振駆動回路を形成する共振用コンデンサCB1のキャパシ
タンスと駆動巻線NB1のインダクタンスによっては直列
共振回路が形成される。同様にして、スイッチング素子
Q2側の自励発振駆動回路を形成する共振用コンデンサ
CB2のキャパシタンスと駆動巻線NB2のインダクタンス
によっても直列共振回路が形成される。そして、これら
直列共振回路の共振周波数によって決定されるスイッチ
ング周波数によって、スイッチング素子Q1,Q2が自励
式でスイッチング駆動されることになる。また、後述す
るように、ドライブトランスPRTにおいては、駆動巻
線NB1,NB2が互いに逆極性となる交番電圧が励起され
るようになっていることから、スイッチング素子Q1,
Q2は、交互にオン/オフするようにして、スイッチン
グ動作を行う。
【0023】また、スイッチング素子Q2 のコレクタ−
エミッタ間に対しては、並列に部分共振コンデンサCp
が接続されている。この部分共振コンデンサCpのキャ
パシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンス
成分L1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)
を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のター
ンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得ら
れるようになっている。
【0024】ドライブトランスPRT (Power Regulati
ng Transformer)はスイッチング素子Q1,Q2をスイッ
チング駆動すると共に、定電圧制御のためにスイッチン
グ周波数を可変制御するために備えられる。そして、こ
のドライブトランスPRTは、駆動巻線NB1,NB2及び
共振電流検出巻線NAを巻回するとともに、更にこれら
の各巻線に対して制御巻線Ncが直交する方向に巻回さ
れた可飽和リアクトルとされている。なお、駆動巻線N
B1と、駆動巻線NB2は、互いに逆極性の電圧が励起され
るようになっている。
【0025】絶縁コンバータトランスPIT (Power Is
olation Transformer)はスイッチング素子Q1 、Q2の
スイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁コンバ
ータトランスPITは、上記図24と同様の構造とさ
れ、一対のE型コアCR1,CR2の中央磁脚にはギャ
ップGが形成され、一次巻線N1と二次巻線N2では例
えばk≒0.8程度による疎結合の状態を得るようにし
ている。絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1
の一端は、共振電流検出巻線NAを介して、スイッチン
グ素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタ
との接点(スイッチング出力点)に接続されることで、
スイッチング出力が得られるようにされる。
【0026】また、この場合には、一次巻線N1の他端
は直列共振コンデンサC1を介して一次側アースに接続
されている。そして、上記直列共振コンデンサC1のキ
ャパシタンスと、一次巻線N1を含む絶縁コンバータト
ランスPITのインダクタンス成分により、一次側スイ
ッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一
次側直列共振回路を形成している。このようにして、こ
の図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、電
流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振動作と
が複合的に得られていることになる。
【0027】また、この場合の絶縁コンバータトランス
PITの二次側には、二次巻線N2と、この二次巻線N2
よりも巻き数(ターン数)の少ない二次巻線N3が巻装
されている。二次巻線N2に対しては、図示するように
してブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサCO1が接
続されることで、全波整流動作によって、平滑コンデン
サCO1の両端に二次側直流出力電圧EO1が得られるよう
になっている。また、二次巻線N3は、センタータップ
を施した上で、図示するようにして整流ダイオードDO
3,DO4、及び平滑コンデンサCO2を接続することによ
って全波整流回路が形成され、平滑コンデンサCO2の両
端に二次側直流出力電圧EO2を生成するようにされる。
これら二次側直流出力電圧EO1,EO2は、それぞれ図示
しない負荷に対して供給される。また、二次側直流出力
電圧EO1は、制御回路1のための検出電圧としても分岐
して入力される。
【0028】制御回路1では、二次側直流出力電圧EO1
のレベル変化に応じて、制御巻線NCに流す制御電流
(直流電流)レベルを可変することで、直交形制御トラ
ンスPRTに巻装された駆動巻線NBのインダクタンス
LBを可変制御する。これにより、駆動巻線NBのインダ
クタンスLBを含んで形成されるメインスイッチング素
子Q1のための自励発振駆動回路内における直列共振回
路の共振条件が変化する。これは、メインスイッチング
素子Q1のスイッチング周波数を可変する動作となり、
この動作によって二次側の直流出力電圧を安定化する。
【0029】また、同じく一次側に電流共振コンバータ
及び部分電圧共振回路を備えた共振形コンバータとし
て、先に本出願人が提案した発明に基づいて構成するこ
とのできるスイッチング電源回路の他の例を、図28の
回路図に示す。この図に示す電源回路は、他励式による
電流共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み
合わされた共振形コンバータとしての構成を採ってい
る。なお、この図において図27と同一部分については
同一符号を付し、共通となる構成部分については説明を
省略する。
【0030】この図に示す電源回路においては、先ず、
商用交流電源ACに対して、ブリッジ整流回路Di及び
1本の平滑コンデンサCiから成る全波整流平滑回路が
備えられる。従ってこの場合には、全波整流動作によっ
て、平滑コンデンサCiの両端に整流平滑電圧Ei(直
流入力電圧)が得られることになる。この整流平滑電圧
Eiは、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルとな
る。
【0031】この場合、上記直流入力電圧を入力してス
イッチングする電流共振形コンバータとしては、図示す
るようにして、MOS−FETによる2本のスイッチン
グ素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続してい
る。スイッチング素子Q1,Q2の各ソース−ドレイン間
に対しては、図示する方向により、それぞれクランプダ
イオードDD1,DD2を並列に接続している。また、スイ
ッチング素子Q2のソース−ドレイン間に対しては、部
分共振コンデンサCpを並列に接続することで、絶縁コ
ンバータトランスPITの一次巻線N1と共に並列共振
回路(部分電圧共振回路)を形成している。これによ
り、図28に示す電源回路としても部分電圧共振動作が
得られることになる。
【0032】この他励式である電源回路においては、ス
イッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するため
に、例えば汎用のICによる発振ドライブ回路11が設
けられる。この発振ドライブ回路11は、スイッチング
素子Q1,Q2の各ゲートに対してドライブ信号としての
ゲート電圧を印加する。これにより、スイッチング素子
Q1,Q2は、所要のスイッチング周波数により交互にオ
ン/オフするようにしてスイッチング動作を行うように
される。
【0033】なお、発振ドライブ回路11は、絶縁コン
バータトランスPITの一次側に追加的に巻装された低
圧巻線N4と、コンデンサC4から成る整流回路によって
得られた低圧直流電圧を入力して動作電源としている。
また、起動時においては、起動抵抗Rsを介して整流平
滑電圧Eiを入力することで起動するようになってい
る。
【0034】この図に示す電源回路の絶縁コンバータト
ランスPITは、図24による説明と同様の構造を有す
る。つまり、一対のE型コアCR1,CR2の中央磁脚
に対してギャップを形成することで、一次側と二次側の
結合係数kとしては、k=0.8程度の疎結合の状態が
得られるようにしているものである。
【0035】この場合の制御回路2は、二次側直流出力
電圧EO1のレベル変化に応じて可変の直流電流を生成
し、フォトカプラPCを介して発振ドライブ回路11に
供給する。発振ドライブ回路11では、フォトカプラP
Cを介して入力された制御回路2の出力に応じて、スイ
ッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変され
るようにしてスイッチング駆動する。このようにしてス
イッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変さ
れることで、二次側直流出力電圧のレベルが安定化され
ることになる。
【0036】図29は、図27に示した電源回路におけ
る要部の動作をスイッチング周期により示す波形図であ
る。スイッチング素子Q2のスイッチング動作は、スイ
ッチング素子Q2のコレクタ−エミッタ間電圧VQ2及び
コレクタ電流IQ2により示される。つまり、スイッチン
グ素子Q2がオフとなる期間TOFFにおいては、コレクタ
電流IQ2は0レベルになると共に、コレクタ−エミッタ
間電圧VQ2としては、整流平滑電圧Eiによりクランプ
されたレベルが得られることになる。これに対して、ス
イッチング素子Q2がオンとなる期間TONにおいては、
図示する波形によりコレクタ電流IQ2が流れると共に、
コレクタ−エミッタ間電圧VQ2は0レベルとなる。そし
て期間TONにおいてコレクタ電流IQ2が一次巻線N1N
1に電流I1として流れるものとなる。なお、ここでは
図示していないが、スイッチング素子Q1は、スイッチ
ング素子Q2と交互となるタイミングでオン/オフ動作
していることから、スイッチング素子Q1のコレクタ−
エミッタ間電圧、及びコレクタ電流は、スイッチング素
子Q2のコレクタ−エミッタ間電圧VQ2及びコレクタ電
流IQ2をほぼ180°移相した波形となるものである。
したがって、スイッチング素子Q1側がオンとなる期間
TOFFにおける一次巻線電流I1の波形部分が、スイッチ
ング素子Q1のコレクタ電流として流れるものとなる。
【0037】また、スイッチング素子Q2のコレクタ−
エミッタ間に対して並列に接続される部分共振コンデン
サCpには、図示するようにして、スイッチング素子Q
2のターンオフ時に正極性の部分共振電流IC2が流れ、
スイッチング素子Q1のターンオフ時(スイッチング素
子Q2のターンオン時)に負極性の部分共振電流IC2が
流れるようになっており、部分電圧共振動作が得られて
いることが分かる。そして、このような動作波形からも
分かるように、スイッチング素子Q1,Q2は、ZVS(Z
ero Voltage Switching:零電圧スイッチング)及びZC
S(Zero Current Switching:零電流スイッチング)動
作が得られることになって、スイッチング損失の低減が
図られている。
【0038】また、二次巻線N2に対して接続されたブ
リッジ整流回路DBRの正極入力端子と負極入力端子との
間の整流電圧V2は、図示するようにブリッジ整流回路
DBRの正/負の各整流電流経路のダイオードが導通する
のに応じて、絶対値レベルが二次側直流出力電圧EO1の
レベルでクランプされた波形が得られる。なお、ここで
の詳しい説明は省略するが、図28に示した電源回路に
ついても、ほぼ同様の動作波形が得られる。
【0039】また、図27に示した構成による電源回路
の特性として、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力
Po=0W〜200Wの変動に対する、AC/DC電力
変換効率(ηAC/DC)、スイッチング周波数fs、及び
スイッチング素子Q2(又はQ1)のオン期間TONを図3
0に示す。この図30に示すように、負荷電力Poが重
くなって二次側直流出力電圧が低下するのに応じて、ス
イッチング周波数fsは低下するように制御され、これ
に応じて期間TONが長くなっていることが分かる。ま
た、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、例えば負
荷電力Po=200W時には91.8%、負荷電力Po
=150Wでは92.4%となり、この負荷電力Po=
150W時において最も高効率な状態が得られている。
【0040】なお、図27に示す電源回路として、上記
図29に示す動作及び図30に示す特性を得るのにあた
っては、次のように各部を選定している。 一次巻線N1=二次巻線N2=45T 一次側直列共振コンデンサC1=0.056μF 部分共振コンデンサCp=330pF
【0041】
【発明が解決しようとする課題】ところで電源回路とし
ては、電力変換効率はできるだけ高いことが好ましい。
ここで、絶縁コンバータトランスPITについては、上
記のように、そのコアにギャップを形成し、一次巻線N
1と二次巻線N2を疎結合の状態としているが、これ
は、フェライトコアが磁気飽和状態となりにくいように
するためである。
【0042】しかしながら、一次側巻線と二次側巻線と
を疎結合の状態にしていることから、自ずとAC/DC
電力変換効率(ηAC/DC)の向上には限界がある。図2
3の回路の場合、交流入力電圧VACが100V系で負荷
電力200W程度では、AC/DC電力変換効率(ηAC
/DC)は91%程度が限界である。また倍電圧整流回路
を採用しても92%が限界である。交流入力電圧VAVが
100V系で負荷電力Poが120W程度の場合は、図
28のような全波整流回路Diを用いた電源回路を採用
することが考えられるが、AC/DC電力変換効率(η
AC/DC)は、90%程度が限界であり、特に、負荷電力
Poが120Wよりも高い場合には、90%以下に低下
する。また、交流入力電圧VAVが100V系で負荷電力
Poが150W以上の場合は、図27のような倍電圧整
流回路を用いた電源回路を採用することが考えられる
が、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、92%程
度が限界である。そしてこれら図23,図27,図28
の回路では、これ以上の高効率化は不可能とされる。
【0043】また、絶縁コンバータトランスPITが疎
結合の状態とされていることで、絶縁コンバータトラン
スPITからの漏洩磁束の発生レベルは高くなってしま
う。このため、回路の実際としては、絶縁コンバータト
ランスPITに銅板のショートリングを設けるなどのシ
ールド対策が必要になり、それだけ、絶縁コンバータト
ランスPITのコストアップ及び大型化を招くことにな
る。さらに、絶縁コンバータトランスPITが疎結合の
状態にある場合、ギャップG近傍の一次側巻線と二次側
巻線とは、いわゆるフリンジ磁束による渦電流損失によ
って温度上昇しているために、信頼性の点で不利とな
る。
【0044】さらに、絶縁コンバータトランスPITの
中央磁脚にギャップGを形成するのにあたっては、例え
ばフェライト材のE型コアの中央磁脚を研磨するように
される。この場合、絶縁コンバータトランスPITを製
造するのに、研磨工程が追加されることとなってしまう
ので、その分コストアップになってしまうという問題も
生じる。
【0045】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のよう
に構成することとした。即ち、交流入力に対して全波整
流を行い、平滑コンデンサにより直流入力電圧を得る整
流平滑手段と、上記直流入力電圧を断続するスイッチン
グ素子を備えて成るスイッチング手段と、磁脚にギャッ
プを形成していないコアに対して一次側巻線及び二次側
巻線を巻装し、上記一次側巻線と二次側巻線とが所要以
上の結合係数による密結合の状態となるように形成さ
れ、上記一次側巻線に得られる上記スイッチング手段の
出力を上記二次側巻線に対して伝送するとともに、上記
一次側巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離
されている絶縁コンバータトランスと、上記内側巻線側
のインダクタンス値を上記外側巻線側のインダクタンス
値と同等とするために、上記内側巻線に直列であり、か
つ上記外側巻線に並列に接続されたインダクタンスと、
上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線と一次側並列
共振コンデンサとにより形成され、上記スイッチング手
段の動作を電圧共振形とするように設けられる一次側並
列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスの二次側巻
線に対して、二次側共振コンデンサを接続することで形
成される二次側共振回路と、上記二次側共振回路に得ら
れる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで直流
出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段
と、自励発振回路又は他励発振回路により形成され、そ
の発振出力により上記スイッチング素子をスイッチング
駆動するスイッチング駆動手段と、上記直流出力電圧の
レベルに応じて上記自励発振回路又は上記他励発振回路
による発振周波数を制御し、上記スイッチング素子のス
イッチング周波数を可変制御することで、上記直流出力
電圧についての定電圧制御を行うようにされる定電圧制
御手段とを備えたスイッチング電源回路とする。
【0046】この場合、上記内側巻線と上記外側巻線
は、巻方向が逆の逆転捲きとされるようにする。或い
は、上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方向が同方向と
されるとともに、上記内側巻線と上記外側巻線との間に
絶縁材が施されるようにする。また、上記二次側巻線に
ついても、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離され
るとともに、上記二次側巻線における内側巻線側のイン
ダクタンス値を上記二次側巻線における外側巻線側のイ
ンダクタンス値と同等とするために、上記二次側巻線に
おける内側巻線に直列であり、かつ上記二次側巻線にお
ける外側巻線に並列に接続されたインダクタンスが備え
られるようにする。そしてこの場合、上記二次側巻線の
内側巻線と外側巻線は、巻方向が逆の逆転捲きとされる
ようにする。或いは、上記二次側巻線の内側巻線と外側
巻線は、巻方向が同方向とされるとともに、上記二次側
巻線の内側巻線と外側巻線との間に絶縁材が施されるよ
うにする。上記絶縁コンバータトランスのコアは、一対
のE型コア或いは一対のU型コアで形成されるようにす
る。
【0047】また本発明は、交流入力に対して全波整流
を行い、平滑コンデンサにより直流入力電圧を得る整流
平滑手段と、ハーフブリッジ接続されたスイッチング素
子を備えて成り、上記直流入力電圧を断続するスイッチ
ング動作を行うスイッチング手段と、磁脚にギャップを
形成していないコアに対して一次側巻線及び二次側巻線
を巻装し、上記一次側巻線と二次側巻線とが所要以上の
結合係数による密結合の状態となるように形成され、上
記一次側巻線に得られる上記スイッチング手段の出力を
上記二次側巻線に対して伝送するとともに、上記一次側
巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離されて
いる絶縁コンバータトランスと、少なくとも、上記絶縁
コンバータトランスの一次側巻線の漏洩インダクタンス
成分と、上記一次側巻線に直列接続された一次側直列共
振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上
記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直
列共振回路と、上記スイッチング手段を形成する複数の
スイッチング素子のうち、所定のスイッチング素子に対
して並列に接続される部分共振コンデンサのキャパシタ
ンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線の漏
洩インダクタンス成分によって形成され、上記スイッチ
ング手段を形成する複数のスイッチング素子のターンオ
フ期間に電圧共振動作を行う一次側部分電圧共振回路
と、上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線の漏洩イ
ンダクタンス成分と、この二次側巻線に対して並列に接
続される二次側部分電圧共振コンデンサのキャパシタン
スとによって形成される二次側部分電圧共振回路と、上
記絶縁コンバータトランスの二次側巻線に得られる交番
電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧
を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、
上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
チング手段のスイッチング周波数を可変することで、二
次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成
された定電圧制御手段とを備えたスイッチング電源回路
とする。
【0048】この場合、インダクタンスを、上記内側巻
線に直列で、かつ上記外側巻線に並列に接続すること
で、上記内側巻線側のインダクタンス値と上記外側巻線
側のインダクタンス値とを同等とする。或いは、一次側
直列共振コンデンサとして、上記内側巻線に直列接続さ
れる第1のコンデンサと、上記外側巻線に直列接続され
る第2のコンデンサが設けられ、上記第1のコンデンサ
と上記第2のコンデンサは、上記内側巻線に流れる直列
共振電流と上記外側巻線に流れる直列共振電流が等しく
なるように各静電容量が選定されるようにする。また、
上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方向が逆の逆転捲き
とされる。或いは、上記内側巻線と上記外側巻線は、巻
方向が同方向とされるとともに、上記内側巻線と上記外
側巻線との間に絶縁材が施されるようにする。また、上
記二次側巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分
離されるとともに、上記二次側巻線における内側巻線側
のインダクタンス値を上記二次側巻線における外側巻線
側のインダクタンス値と同等とするために、上記二次側
巻線における内側巻線に直列であり、かつ上記二次側巻
線における外側巻線に並列に接続されたインダクタンス
が備えられるようにする。上記二次側巻線の内側巻線と
外側巻線は、巻方向が逆の逆転捲きとされる。或いは、
上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線は、巻方向が同方
向とされるとともに、上記二次側巻線の内側巻線と外側
巻線との間に絶縁材が施される。また上記絶縁コンバー
タトランスのコアは、一対のE型コア、或いは一対のU
型コアで形成される。
【0049】上記構成によれば、一次側が一石構成の電
圧共振形コンバータ、二次側が半波整流方式電圧共振回
路を組み合わせた複合共振形コンバータとしてのスイッ
チング電源回路が形成される。そして、一次側が電圧共
振形コンバータの場合は、二次側が半波整流回路とされ
ることにより、絶縁コンバータトランスのコアのギャッ
プをゼロとして一次巻線と二次巻線の結合係数を0.9
5程度の密結合とすることができる。さらに、直流入力
電圧は、全波整流回路から得るようにしている。また、
一次側巻線、又は一次側巻線と二次側巻線の両方を、内
側巻線と外側巻線による構成としている。これにより、
負荷電力が200W以上の重負荷時の電力変換効率を向
上させることができる。
【0050】また上記構成によれば、一次側が二石構成
の電流共振形コンバータで部分電圧共振回路を備え、二
次側に部分電圧共振回路を備えた複合共振形コンバータ
としてのスイッチング電源回路が形成される。この場
合、二次側に部分電圧共振回路を備えることで、絶縁コ
ンバータトランスのコアのギャップをゼロとして一次巻
線と二次巻線の結合係数を0.95程度の密結合とする
ことができる。さらに、直流入力電圧は、全波整流回路
から得るようにしている。また、一次側巻線、又は一次
側巻線と二次側巻線の両方を、内側巻線と外側巻線によ
る構成としている。これにより電力変換効率を向上させ
ることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
〜第9の実施の形態について順次説明していく。第1〜
第4の実施の形態は、一次側が一石構成の電圧共振形コ
ンバータ、二次側が半波整流方式電圧共振回路を組み合
わせた複合共振形コンバータとしてのスイッチング電源
回路である。第5〜第9の実施の形態は、一次側が二石
構成の電流共振形コンバータで部分電圧共振回路を備
え、二次側に部分電圧共振回路を備えた複合共振形コン
バータとしてのスイッチング電源回路である。
【0052】<第1の実施の形態>図1は、本発明の第
1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例
を示している。この図1に示す電源回路は、一次側に電
圧共振形コンバータを備えると共に二次側にも共振回路
を備えた複合共振形スイッチングコンバータとしての構
成を採る。
【0053】この図に示す電源回路においては、商用交
流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を
得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di
及び平滑コンデンサCiからなる全波整流平滑回路が備
えられ、交流入力電圧VACの等倍のレベルに対応する整
流平滑電圧Eiを生成するようにされる。平滑コンデン
サCiは800V耐圧である。
【0054】この電源回路に備えられる電圧共振形のス
イッチングコンバータは、1石のスイッチング素子Q1
を備えた自励式の構成を採っている。この場合、スイッ
チング素子Q1には、800V耐圧のバイポーラトラン
ジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用されてい
る。
【0055】スイッチング素子Q1のベースと一次側ア
ース間には、駆動巻線NB、共振コンデンサCB、ベース
電流制限抵抗RBの直列接続回路よりなる自励発振駆動
用の直列共振回路が接続される。また、スイッチング素
子Q1のベースは、ベース電流制限抵抗RB−起動抵抗R
Sを介して平滑コンデンサCi(整流平滑電圧Ei)の
正極側にも接続されており、起動時のベース電流を整流
平滑ラインから得るようにしている。
【0056】また、スイッチング素子Q1のベースと平
滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿入され
るクランプダイオードDDにより、スイッチング素子Q1
のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するように
されており、また、スイッチング素子Q1のコレクタ
は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線(N1A、
N1B)の一端部と接続され、エミッタは一次側アースに
対して接地される。
【0057】また、上記スイッチング素子Q1のコレク
タ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが
並列に接続されている。この並列共振コンデンサCr
は、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランス
PITの一次巻線(N1A、N1B)のリーケージインダク
タンス(L1A、L1B)とにより電圧共振形コンバータの
一次側並列共振回路を形成する。そして、ここでは詳し
い説明を省略するが、スイッチング素子Q1のオフ時に
は、この並列共振回路の作用によって並列共振コンデン
サCrの両端電圧VQ1は、実際には正弦波状のパルス波
形となって電圧共振形の動作が得られるようになってい
る。
【0058】この図に示す直交形制御トランスPRT
は、共振電流検出巻線NA、駆動巻線NB、及び制御巻線
NCが巻装された可飽和リアクトルである。この直交形
制御トランスPRTは、スイッチング素子Q1を駆動す
ると共に、定電圧制御のために設けられる。この直交形
制御トランスPRTの構造としては、図示は省略する
が、4本の磁脚を有する2つのダブルコの字形コアの互
いの磁脚の端部を接合するようにして立体型コアを形成
する。そして、この立体型コアの所定の2本の磁脚に対
して、同じ巻装方向に共振電流検出巻線NA、駆動巻線
NBを巻装し、更に制御巻線NCを、上記共振電流検出巻
線ND及び駆動巻線NBに対して直交する方向に巻装して
構成される。
【0059】この場合、直交形制御トランスPRTの共
振電流検出巻線NAは、平滑コンデンサCiの正極と絶
縁コンバータトランスPITの一次巻線(N1A、N1B)
との間に直列に挿入される。これにより、スイッチング
素子Q1のスイッチング出力は、一次巻線(N1A、N1
B)を介して共振電流検出巻線NAに伝達される。直交形
制御トランスPRTにおいては、共振電流検出巻線NA
に得られたスイッチング出力がトランス結合を介して駆
動巻線NBに誘起されることで、駆動巻線NBにはドライ
ブ電圧としての交番電圧が発生する。このドライブ電圧
は、自励発振駆動回路を形成する直列共振回路(NB,
CB)からベース電流制限抵抗RBを介して、ドライブ電
流としてスイッチング素子Q1のベースに出力される。
これにより、スイッチング素子Q1は、直列共振回路の
共振周波数により決定されるスイッチング周波数でスイ
ッチング動作を行うことになる。
【0060】絶縁コンバータトランスPITは、スイッ
チング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送す
る。この絶縁コンバータトランスPITは、磁脚にギャ
ップを形成していないコアに対して一次巻線(N1A、N
1B)及び二次巻線N2を巻装し、一次巻線(N1A、N1
B)と二次巻線N2とが所要以上の結合係数による密結
合の状態となるように形成される。そして一次側の巻線
としては、ボビンの外側に巻回されることになる一次巻
線(以下、外側巻線)N1Aと、ボビンの内側に巻回され
ることになる一次巻線(以下、内側巻線)N1Bに分割さ
れており、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻数は同数と
される。また、内側巻線N1Bには、インダクタL1Cが直
列接続される。この絶縁コンバータトランスPITの構
造例については後述するが、絶縁コンバータトランスP
ITの外側巻線N1Aの巻始め端、及び内側巻線N1Bの巻
終わり端は、スイッチング素子Q1のコレクタと接続さ
れている。また外側巻線N1Aの巻終わり端は共振電流検
出巻線NAの直列接続を介して平滑コンデンサCiの正
極(整流平滑電圧Ei)と接続されており、内側巻線N
1Bの巻始め端は、インダクタL1Cを介して外側巻線N1A
の巻終わり端と接続される。つまり、内側巻線N1Bとイ
ンダクタL1Cの直列回路が、外側巻線N1Aに対して並列
接続されて一次巻線が形成されるとともに、この場合、
内側巻線N1Bと外側巻線N1Aは、巻方向が逆の逆転捲き
とされているものとなる。
【0061】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、
二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されること
で、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次
側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。
つまり二次側において電圧共振動作が得られる。即ち、
この電源回路では、一次側にはスイッチング動作を電圧
共振形とするための並列共振回路が備えられ、二次側に
は電圧共振動作を得るための並列共振回路が備えられ
た、「複合共振形スイッチングコンバータ」としての構
成を有する。
【0062】二次巻線N2の巻終わり端には整流ダイオ
ードDO1のアノードが接続され、巻始め端は、二次側ア
ースに接続される。また整流ダイオードDO1のカソード
に対して平滑コンデンサCOの正極端子が接続される。
平滑コンデンサCOの負極端子は二次側アースに接続さ
れる。このようにして、並列共振回路を形成する二次巻
線N2に対しては、整流ダイオードDO1及び平滑コンデ
ンサCOから成る半波整流回路が形成されることで、平
滑コンデンサCOの両端電圧として、二次側直流出力電
圧EOが生成される。なお、この直流出力電圧EOは制御
回路1に対して、検出電圧として分岐して入力される。
【0063】制御回路1では、入力された二次側直流出
力電圧EOのレベルを検出して、このレベル変化に応じ
て、制御巻線NCに流すべき直流電流である制御電流の
レベルを可変する。このようにして可変された制御電流
のレベルに応じて、直交形制御トランスPRTでは、駆
動巻線NBのインダクタンスLBが可変されることにな
る。これにより、駆動巻線NBのインダクタンスLBを含
んで形成されるスイッチング素子Q1のための自励発振
駆動回路内の直列共振回路の共振条件が変化するが、こ
れは、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数を可
変する動作となる。そして、上記のようにしてスイッチ
ング周波数が可変制御されると、これに応じて、一次側
並列共振回路((N1A,N1B)//Cr)と二次側並列共
振回路(N2//C2)の共振インピーダンスが変化して、
絶縁コンバータトランスPITの一次側から二次側に伝
送される交番電圧レベルも変化することになる。この結
果、二次巻線N2に得られた交番電圧レベルを元として
生成される二次側直流出力電圧EOのレベルも可変され
ることとなる。このような動作によって二次側の直流出
力電圧を安定化する。
【0064】上記絶縁コンバータトランスPITとして
は、例えば図2又は図3に断面図として示した構造を有
している。図2は一対のE型コアを用いた構造例であ
る。絶縁コンバータトランスPITのコアとしては、図
示するようにして、2つのE型コアCR1,CR2の互
いの磁脚の端部を対向させるようにして組み合わせるこ
とで、EE形コアを形成する。またこの場合、E形コア
CR1,CR2の各中央磁脚が対向する面にギャップは
形成されない。なお、E形コアCR1,CR2には、例
えばフェライト材を用いるようにされる。そして本実施
の形態では、上記のようにして形成されるEE形コア
(CR1,CR2)に対して一次巻線(N1A,N1B)及
び二次巻線N2を巻装するために、一次/二次分割ボビ
ンBを用いるようにされる。ここで、一次側において
は、まず内側巻線N1Bが巻装され、その外周側に上述の
ように逆転捲きにより外側巻線N1Aが巻装された構成と
なる。
【0065】図3は一対のU型コアを用いた構造例であ
る。この場合、絶縁コンバータトランスPITでは、そ
のコアとして、図3に示すように、それぞれ2本の磁脚
を有するU型コアCR11、CR12が組み合わされ、
U−U型コアを形成するようにされる。さらに、上記の
ようにして形成されるU−U型コアの一方の磁脚に対し
ては、図示するようにして一次巻線(N1A,N1B)と二
次巻線N2とを互いに分割された巻装領域に巻装したボ
ビンBが取り付けられる。また、上記のように形成され
るU−U型コアの中央磁脚に対し、ギャップを形成しな
いようにしている。そして一次側においては、まず内側
巻線N1Bが巻装され、その外周側に上述のように逆転捲
きにより外側巻線N1Aが巻装された構成となる。
【0066】図2,図3のいずれの場合も、ギャップを
ゼロとすることで、一次巻線(N1A,N1B)と二次巻線
N2の結合係数を0.95程度の密結合の状態としてい
る。ところで、例えば先行技術の電源回路では、絶縁コ
ンバータトランスPITについて疎結合の状態とするこ
とで磁気飽和を抑制していた。一方、本例においては、
絶縁コンバータトランスPITについてギャップゼロと
し、密結合としている。これは、二次側整流回路が半波
整流方式とされていることによる。即ちギャップゼロと
しても絶縁コンバータトランスPITのフェライト磁心
が磁気飽和しないのは、一次巻線(N1A,N1B)と二次
巻線N2に流れる電流I1,I2が逆方向であり、(N
1A,N1B)、I1による磁束と、N2,I2による磁束
は互いにうち消しあっているからである。
【0067】また、一次巻線としての外側巻線N1Aと内
側巻線N1Bについては、巻数は同等であるが、内側に巻
装される内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Bは、外
側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Aより少なくなる。
そして一次電流I1は、外側巻線N1Aに流れる電流I1A
と内側巻線N1Bに流れる電流I1Bに分流するが、上記漏
洩インダクタンスN1A、N1Bの差により、そのままで
は、I1B>I1Aとなってしまう。そこで、内側巻線N1B
に対して直列にインダクタL1Cを接続し、内側巻線N1B
側のインダクタンス(L1B、L1C)を、外側巻線N1A側
のインダクタンス(L1A)と同等となるようにし、これ
によって電流I1B=電流I1Aとしている。つまりインダ
クタL1Cの値は、内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL
1Bと、外側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Aの差に応
じて選定される。
【0068】また、内側巻線N1Bと外側巻線N1Aは逆転
捲きとしているが、これにより内側巻線N1Bと外側巻線
N1Aの間に絶縁のための層間テープを施すことを不要と
している。即ち、スイッチング素子Q1がオフとなった
ときに、電圧VQ1、つまり電圧共振パルス電圧が、内側
巻線N1Bの巻終わり端と外側巻線N1Aの巻始め端に印加
されるが、内側巻線N1Bの巻終わり端と外側巻線N1Aの
巻始め端は同電位であるため、絶縁のための層間テープ
が不要となるものである。
【0069】図4に各部の動作波形を示し、また図5
に、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=0W
〜200Wの変動に対する、AC/DC電力変換効率
(ηAC/DC)及びスイッチング周波数fsの変化特性を
示している。なお、図5において実線は本例の図1の回
路の場合の特性であり、破線は比較のために付記した図
23の先行技術例の特性(つまり図25に示した特性)
である。なお各部は次のように選定される。 一次巻線の外側巻線N1A=50T:60μm/80束の
リッツ線 一次巻線の内側巻線N1B=50T:60μm/80束の
リッツ線 二次巻線N2=55T ギャップゼロ、結合係数k=0.95 一次側並列共振コンデンサCr=5600pF 二次側並列共振コンデンサC2=6800pF 外側巻線N1Aの漏洩インダクタンスL1A=170μH 内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1B=165μH インダクタL1C=4.7μH
【0070】図4において、スイッチング素子Q1のス
イッチング動作は、スイッチング素子Q1のコレクタ−
エミッタ間電圧VQ1及びコレクタ電流IQ1により示され
る。つまり、スイッチング素子Q1がオフとなる期間T
OFFにおいては、コレクタ電流IQ1は0レベルになると
共に、コレクタ−エミッタ間電圧VQ1としては、一次側
電圧共振回路による電圧共振パルス電圧が得られる。こ
れに対して、スイッチング素子Q1がオンとなる期間T
ONにおいては、図示する波形によりコレクタ電流IQ1が
流れると共に、コレクタ−エミッタ間電圧VQ1は0レベ
ルとなる。このようなスイッチング動作により、絶縁コ
ンバータトランスPITの一次巻線(N1A、N1B)には
図示するように電流I1が流れるが、この電流I1は図
示するように外側巻線N1Aへの電流I1Aと内側巻線N1B
への電流I1Bに分流する。電流I1は7.6A(P-P)
で、電流I1A=電流I1B=3.8A(P-P)である。また
二次巻線N2の電流I2、二次側共振電圧V2は図示す
るようになる。
【0071】そして図5に示されるように、負荷電力P
o=200W時にはAC/DC電力変換効率(ηAC/D
C)は、先行技術例の91.1%から92.2%に向上
する。また負荷電力Po=50W時には、先行技術例の
90.1%から92.1%に向上する。即ち本例によれ
ば、負荷電力Po=200Wの場合であっても、入力全
波整流回路による電源回路において、入力倍電圧整流回
路による電源回路と同等以上のAC/DC電力変換効率
(ηAC/DC)、つまり92%以上のAC/DC電力変換
効率を実現できる。また、入力倍電圧整流回路の場合、
平滑コンデンサCiやスイッチング素子Q1の耐圧は1
500Vが必要となるが、本例の場合は耐圧800Vで
よく、回路構成上、有利なものとできる。
【0072】AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)が向
上するのは、絶縁コンバータトランスPITのギャップ
をゼロとしたこと、及び一次側巻線を外側巻線N1Aと内
側巻線N1Bに分割して一次電流を電流I1A、I1B(I1A
=I1B)に分流させたことによるが、これには次のよう
な理由が考えられる。 ・一次巻線N1と二次巻線N2の結合係数が0.8から
0.95に向上したことによって漏洩磁束が低減し、一
次巻線N1と二次巻線N2の渦電流損失が低下するた
め。 ・ギャップ周辺のフリンジ磁束によって一次巻線N1と
二次巻線N2の局部的な電力損失が解消されて絶縁コン
バータトランスPITの銅損が低減するため。 ・一次巻線N1と二次巻線N2の増加によって、一次電
流I1と二次電流I2が低減したことによって、絶縁コ
ンバータトランスPITの銅損とスイッチング素子Q1
のスイッチング損失が低減するため。 ・一次電流が電流I1A、I1Bに分流することで一次側巻
線での銅損が低減するため。
【0073】また本実施の形態の場合、絶縁コンバータ
トランスPITにおいてギャップを形成しないため、製
造にあたりギャップを形成するための工程は不要となる
ので、それだけ製造工程が簡略化され、コストダウンを
図ることが可能になる。また、密結合とされることで、
絶縁コンバータトランスPITからの漏洩磁束も低減さ
れるので、例えば銅板によるショートリングを絶縁コン
バータトランスPITに巻回して施す必要もなくなる。
この点でも、絶縁コンバータトランスPITの製造工程
が簡略化され、また、コストダウンが促進されることに
なる。さらに、ギャップが無くなったことで、絶縁コン
バータトランスPITの巻線の局部的な温度上昇の問題
も解消され、それだけ信頼性が向上することにもなる。
【0074】<第2の実施の形態>図6に第2の実施の
形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側及び
二次側の基本的な構成は図1の回路と同様であり、同一
部分は同一符号を付して説明を省略する。この図6の回
路は、絶縁コンバータトランスPITの外側巻線N1Aと
内側巻線N1Bの巻方向が図1と異なるものとなってい
る。
【0075】この場合、外側巻線N1Aの巻始め端は、共
振電流検出巻線NAを介して平滑コンデンサCiの正極
に接続され、巻終わり端がスイッチング素子Q1のコレ
クタに接続される。内側巻線N1Bの巻始め端は、インダ
クタLC1を介して外側巻線N1Aの巻始め端と接続され、
共振電流検出巻線NAを介して平滑コンデンサCiの正
極に接続される。そして内側巻線N1Bの巻終わり端がス
イッチング素子Q1のコレクタに接続される。即ち、外
側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻方向は同方向とされてい
る。絶縁コンバータトランスPITのコアには図7,図
8に示すようにギャップは形成されない。
【0076】上述したように図1の回路の場合は、外側
巻線N1Aと内側巻線N1Bが逆転捲きとされたことによ
り、絶縁のための層間テープを不要としていたが、この
図6の場合は、電圧共振パルス電圧が印加される内側巻
線N1Bの巻終わり端と、これに続いて巻装される外側巻
線N1Aの巻始め端とが異なる電位となるため、図7,図
8に示すように、絶縁のための層間テープTPを施すこ
とが必要となる。この図6の第2の実施の形態によって
も、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることがで
きる。
【0077】<第3の実施の形態>図9に第3の実施の
形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の構
成、及び二次側の半波整流回路の構成は図1の回路と同
様であり、同一部分は同一符号を付して説明を省略す
る。
【0078】この例では、二次側においても二次巻線を
外側巻線N2Aと内側巻線N2Bに分割している。即ち絶縁
コンバータトランスPITは、磁脚にギャップを形成し
ていないコアに対して一次巻線(N1A、N1B)及び二次
巻線(N2A、N2B)を巻装し、一次巻線(N1A、N1B)
と二次巻線(N2A、N2B)とが所要以上の結合係数によ
る密結合の状態となるように形成される。
【0079】一次側の外側巻線N1Aと内側巻線N1B(及
びインダクタL1C)の構成は図1と同様である。二次側
の巻線としては、図10,図11にも示すように、ボビ
ンBの外側に巻回されることになる外側巻線N2Aと、ボ
ビンの内側に巻回されることになる内側巻線N2Bに分割
され、外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻数は同数とされ
る。例えば外側巻線N2Aと内側巻線N2Bは、それぞれ6
0μm/80束のリッツ線により同数巻装する。
【0080】外側巻線N2Aの巻始め端、及び内側巻線N
2Bの巻終わり端はダイオードD01のアノード側に接続さ
れている。また外側巻線N2Aの巻終わり端は二次側アー
スと接続されており、内側巻線N2Bの巻始め端は、イン
ダクタL2Cを介して二次側アースと接続される。また、
内側巻線N2Bには、インダクタL2Cが直列接続される。
インダクタL2Cは、一次側におけるインダクタL1Cと同
様の目的で設けられるものである。即ち内側巻線N2Bの
漏洩インダクタンスL2Bが、外側巻線N2Aの漏洩インダ
クタンスL2Aより少ないことに対応して、これを同等と
するためのものであり、内側巻線N2BとインダクタL2C
の直列回路が外側巻線N2Aと並列接続されることで、内
側巻線N2B側のインダクタンス(L2B、L2C)を、外側
巻線N2A側のインダクタンス(L2A)と同等となるよう
にし、これによって二次側の電流I2B=電流I2Aとする
ものである。
【0081】また、内側巻線N2BとインダクタL2Cの直
列回路が、外側巻線N2Aに対して並列接続されて一次巻
線が形成されるとともに、この場合、内側巻線N2Bと外
側巻線N2Aは、巻方向が逆の逆転捲きとされているもの
となる。従って、内側巻線N2Bと外側巻線N2Aの間に絶
縁のための層間テープを施すことは不要で、絶縁コンバ
ータトランスPITの構造は図10,図11に示すよう
になる。
【0082】このように二次側の巻線についても外側巻
線N2Aと内側巻線N2Bに分割し、二次電流I2を電流I
2A、I2Bに分流させるようにする(I2A=I2B=I2/
2)ことで、二次側巻線における銅損も低減し、AC/
DC電力変換効率を更に向上できる。
【0083】<第4の実施の形態>図12に第4の実施
の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の
構成、及び二次側の半波整流回路の構成は図6の回路と
同様である。この図12の回路は、絶縁コンバータトラ
ンスPITの一次側において、外側巻線N1Aと内側巻線
N1Bの巻方向を同方向とし、また二次側において、外側
巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向を同方向としたもので
ある。
【0084】即ち一次側においては、外側巻線N1Aの巻
始め端は、共振電流検出巻線NAを介して平滑コンデン
サCiの正極に接続され、巻終わり端がスイッチング素
子Q1のコレクタに接続される。内側巻線N1Bの巻始め
端は、インダクタLC1を介して外側巻線N1Aの巻始め端
と接続され、共振電流検出巻線NAを介して平滑コンデ
ンサCiの正極に接続される。そして内側巻線N1Bの巻
終わり端がスイッチング素子Q1のコレクタに接続され
る。このように外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻方向は
同方向とされている。
【0085】また二次側においては、外側巻線N2Aの巻
始め端、及び内側巻線N2Bの巻始め端はダイオードD01
のアノード側に接続される。また外側巻線N2Aの巻終わ
り端は二次側アースと接続されており、内側巻線N2Bの
巻終わり端は、インダクタL1Cを介して二次側アースと
接続される。つまり外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方
向は同方向とされている。
【0086】従ってこの場合、絶縁コンバータトランス
PITにおいては図13,図14に示すように、一次側
巻線及び二次側巻線について、それぞれ外側巻線N1A、
N2Aと内側巻線N1B、N2Bの間に、絶縁のための層間テ
ープTPを施すことが必要となる。この図12の第4の
実施の形態によっても、上記第3の実施の形態と同様の
効果を得ることができる。
【0087】<第5の実施の形態>第5の実施の形態の
スイッチング電源回路を図15に示す。この第5の実施
の形態は、一次側が二石構成の自励式による電流共振形
コンバータであって部分電圧共振回路を備え、二次側に
部分電圧共振回路を備えた複合共振形コンバータとして
のスイッチング電源回路である。
【0088】この図に示す電源回路においては、商用交
流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を
得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di
及び平滑コンデンサCiからなる全波整流平滑回路が備
えられ、交流入力電圧VACの等倍のレベルに対応する整
流平滑電圧Eiを生成するようにされる。
【0089】この図に示す一次側の自励式による電流共
振形コンバータとしては、図のように2つのスイッチン
グ素子Q1,Q2を備えて成る。この場合、スイッチング
素子Q1,Q2については、バイポーラトランジスタが選
定されている。これらスイッチング素子Q1,Q2は、ハ
ーフブリッジ結合方式によって接続されている。つま
り、スイッチング素子Q1のコレクタは、整流平滑電圧
Eiのライン(平滑コンデンサCiの正極端子)と接続
される。スイッチング素子Q1のエミッタは、スイッチ
ング素子Q2のコレクタと接続され、スイッチング素子
Q2のエミッタは一次側アースに対して接続される。
【0090】また、スイッチング素子Q1のベースに対
しては、ベース電流制限抵抗RB1−共振用コンデンサC
B1−駆動巻線NB1を直列接続して成る自励発振駆動回路
が接続される。ここで、共振用コンデンサCB1−駆動巻
線NB1の直列接続は、共振用コンデンサCB1のキャパシ
タンスと、駆動巻線NB1のインダクタンスによって直列
共振回路を形成しており、この直列共振回路の共振周波
数によってスイッチング周波数が決定される。また、ベ
ース電流制限抵抗RB1は、自励発振駆動回路からスイッ
チング素子Q1のベースに流すべき駆動信号としてのベ
ース電流レベルを調整する。
【0091】また、スイッチング素子Q1のベース−エ
ミッタ間には、ダンパーダイオードDD1が図示する方向
によって接続される。また、スイッチング素子Q1のコ
レクタ−ベース間には、起動時の電流をベースに流すた
めの起動抵抗Rs1が接続される。
【0092】同様にして、スイッチング素子Q2のベー
スに対しては、ベース電流制限抵抗RB2−共振用コンデ
ンサCB2−駆動巻線NB2を直列接続して成る自励発振駆
動回路が接続される。そして、共振用コンデンサCB2−
駆動巻線NB2によって、直列共振回路が形成される。ま
た、ベース−エミッタ間には、ダンパーダイオードDD2
が接続され、コレクタ−ベース間には起動抵抗Rs2が
接続される。
【0093】また、スイッチング素子Q2 のコレクタ−
エミッタ間に対しては、並列に部分共振コンデンサCp
が接続されている。この部分共振コンデンサCpのキャ
パシタンスと、一次巻線(N1A、N1B)及びインダクタ
L1Cを含む絶縁コンバータトランスPITのインダクタ
ンス成分(L1A、L1B、L1C)によって並列共振回路
(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチン
グ素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部
分電圧共振動作が得られるようになっている。
【0094】ドライブトランスPRT (Power Regulati
ng Transformer)はスイッチング素子Q1,Q2をスイッ
チング駆動すると共に、定電圧制御のためにスイッチン
グ周波数を可変制御するために設けられる。このドライ
ブトランスPRTは、駆動巻線NB1,NB2及び共振電流
検出巻線NAを巻回するとともに、更にこれらの各巻線
に対して制御巻線Ncが直交する方向に巻回された可飽
和リアクトルとされている。なお、駆動巻線NB1と、駆
動巻線NB2は、互いに逆極性の電圧が励起される巻方向
によって巻装されている。
【0095】絶縁コンバータトランスPIT (Power Is
olation Transformer)はスイッチング素子Q1 、Q2の
スイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁コンバ
ータトランスPITの一次巻線(N1A、N1B)の一端
は、共振電流検出巻線NAを介してスイッチング素子Q1
のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接点
(スイッチング出力点)に接続されることで、スイッチ
ング出力が得られるようにされる。
【0096】また、図示するように一次巻線(N1A、N
1B)の他端は直列共振コンデンサC1を介して一次側ア
ースに接続されている。そして、上記直列共振コンデン
サC1のキャパシタンスと、一次巻線(N1A、N1B)及
びインダクタL1Cを含む絶縁コンバータトランスPIT
のインダクタンス成分(L1A、L1B、L1C)により、一
次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とする
ための一次側直列共振回路を形成している。このように
して、この図に示す一次側スイッチングコンバータとし
ては、電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共
振動作とが複合的に得られていることになる。
【0097】この電源回路のスイッチング動作として
は、例えば次のようになる。先ず商用交流電源ACが投
入されると、例えば起動抵抗Rs1,Rs2を介してスイ
ッチング素子Q1、Q2のベースに起動のためのベース電
流が供給されることになる。ここで、例えばドライブト
ランスPRTの駆動巻線NB1,NB2には、互いに逆極性
の電圧が励起されることになるので、スイッチング素子
Q1が先にオンとなったとすれば、スイッチング素子Q2
はオフとなるように制御される。そして、これら駆動巻
線NB1,NB2に励起された交番電圧を源として、スイッ
チング素子Q1,Q2の各自励発振駆動回路が、共振動作
による自励発振動作を行う。これにより、スイッチング
素子Q1,Q2が交互にオン/オフするように制御され
る。つまりスイッチング動作を行うことになる。そして
例えばスイッチング素子Q1がオンとなったときには、
そのスイッチング出力として、共振電流検出巻線NAを
介して一次巻線(N1A、N1B)及び直列共振コンデンサ
C1に共振電流が流れるが、この共振電流が0となる近
傍で、スイッチング素子Q1がオフとなるとともに、ス
イッチング素子Q2がオンとなる。これにより、スイッ
チング素子Q2を介して先とは逆方向の共振電流が流れ
る。以降、ZVS及びZCSにより、スイッチング素子
Q1、Q2が交互にオンとなる自励式のスイッチング動作
が継続される。また、スイッチング素子Q1,Q2がオン
/オフ動作に伴い、スイッチング素子Q1,Q2のターン
オフ時の短期間においては、部分共振コンデンサCpに
電流が流れる。つまり、部分電圧共振動作が得られる。
【0098】絶縁コンバータトランスPITは、磁脚に
ギャップを形成していないコアに対して一次巻線(N1
A、N1B)及び二次巻線N2,N3を巻装し、一次巻線
(N1A、N1B)と二次巻線N2、N3とが所要以上の結
合係数による密結合の状態となるように形成される。そ
して一次側の巻線としては、ボビンの外側に巻回される
ことになる外側巻線N1Aと、ボビンの内側に巻回される
ことになる内側巻線N1Bに分割されており、外側巻線N
1Aと内側巻線N1Bの巻数は同数とされる。また、内側巻
線には、インダクタL1Cが直列接続される。この絶縁コ
ンバータトランスPITの構造例については後述する
が、絶縁コンバータトランスPITの外側巻線N1Aの巻
始め端、及び内側巻線N1Bの巻始め端は、共振電流検出
巻線NAの直列接続を介してスイッチング出力点(スイ
ッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2の
コレクタの接続点)と接続されている。また外側巻線N
1Aの巻終わり端は共振コンデンサC1に接続され、内側
巻線N1Bの巻終わり端は、インダクタL1Cを介して共振
コンデンサC1に接続されている。つまり、内側巻線N
1BとインダクタL1Cの直列回路が、外側巻線N1Aに対し
て並列接続されて一次巻線が形成されるとともに、この
場合、内側巻線N1Bと外側巻線N1Aは、巻方向が同方向
同軸捲きとされているものとなる。
【0099】また、絶縁コンバータトランスPITの二
次巻線N2に対しては、二次側部分電圧共振コンデンサ
C20が並列に接続される。例えば、この二次側部分電圧
共振コンデンサC20としては、フィルムコンデンサが採
用される。そして、この二次側部分電圧共振コンデンサ
C20のキャパシタンスと、二次巻線N2のリーケージイ
ンダクタンスL2とによっては、二次側部分電圧共振回
路が形成される。このため、絶縁コンバータトランスP
ITの二次巻線N2に交番電圧が励起されることによっ
ては、二次側にて部分共振(電圧共振)動作が得られる
ことになる。つまり、図1に示す電源回路は、一次側で
は電流共振動作及び部分電圧共振動作が得られると共
に、二次側においても部分電圧共振動作が得られる複合
共振形コンバータとして構成されていることになる。
【0100】上記二次巻線N2に対しては、図示するよ
うにしてブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサCO1
が接続されることで全波整流回路が形成される。この全
波整流回路の全波整流動作によって、平滑コンデンサC
O1の両端に二次側直流出力電圧EO1が得られるようにな
っている。この二次側直流出力電圧EO1は、図示しない
負荷に対して供給される。さらに、この二次側直流出力
電圧EO1は、図示するように制御回路1のための検出電
圧としても分岐して入力される。
【0101】また二次側においては、さらに二次巻線N
3が巻装される。この二次巻線N3はセンタータップ点
が二次側アースに接続されると共に、一端はダイオード
D01のアノードに接続され、他端はダイオードD02のア
ノードに接続される。そしてダイオードD01、D02のカ
ソードは平滑コンデンサC02の正極側に接続され、これ
によって量は整流平滑回路が形成されて、例えば低電圧
の直流出力電圧E02を得るようにしている。
【0102】制御回路1は二次側直流出力電圧EO1のレ
ベル変化に応じ、制御巻線NCに流す制御電流(直流電
流)レベルを可変することで、直交形制御トランスPR
Tに巻装された駆動巻線NB1、NB2のインダクタンスL
B1、LB2を可変制御する。これにより、駆動巻線NB1の
インダクタンスLB1を含んで形成されるスイッチング素
子Q1のための自励発振駆動回路内の直列共振回路の共
振条件が変化する。また駆動巻線NB2のインダクタンス
LB2を含んで形成されるスイッチング素子Q2のための
自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振条件が変化す
る。これによりスイッチング素子Q1,Q2のスイッチ
ング周波数が可変され、この動作によって二次側の直流
出力電圧を安定化する。
【0103】この場合、絶縁コンバータトランスPIT
としては、例えば上述した図7又は図8に断面図として
示した構造、即ち一対のE型コア又は一対のU型コアを
有した構造とされる。上述したように例えばフェライト
材による一対のE型コアCR1,CR2又は一対のU型
コアCR11,CR12においては各中央磁脚が対向す
る面にギャップは形成されない。そして本実施の形態で
は、一対のE型コアCR1,CR2により形成されるE
E形コア、又は一対のU型コアCR11,CR12によ
り形成されるUU形コアに対して一次巻線(N1A,N1
B)及び二次巻線N2を巻装するために、一次/二次分
割ボビンBが用いられ、一次側においては、まず内側巻
線N1Bが巻装され、その外周側に上述のように同方向同
軸捲きにより外側巻線N1Aが巻装された構成となる。ま
た、この場合、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bは巻方向が
同方向であるため、上記第2の実施の形態で述べた場合
と同様に、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの間には絶縁の
ための層間テープTPが施されるものとなる。なお、図
7,図8には示されていないが、この場合、二次側には
二次巻線N3も巻装されることになる。
【0104】そして絶縁コンバータトランスPITで
は、ギャップをゼロとすることで、一次巻線(N1A,N
1B)と二次巻線N2の結合係数を0.95程度の密結合
の状態としている。ところで、例えば図27,図28の
ような先行技術の電源回路では、絶縁コンバータトラン
スPITについて疎結合の状態とすることで磁気飽和を
抑制していた。一方、本例においては、絶縁コンバータ
トランスPITについてギャップゼロとし、密結合とし
ている。先行技術のように絶縁コンバータトランスに1
mmのギャップを設ける場合、例えば直流出力電圧E01
=135Vを得るためには、二次巻線N2=45Tであ
り、二次巻線N2の1Tあたりの誘起電圧は3V/Tで
あったが、本例のギャップゼロとした場合、フェライト
磁心の磁束密度が上昇するため、二次巻線N2=55T
として、二次巻線N2の1Tあたりの誘起電圧を2.4
5V/Tに低下させ、フェライト磁心の磁束密度を先行
技術の場合と同等とすることで磁気飽和を抑制する。
【0105】また例えば先行技術の電源回路では、絶縁
コンバータトランスPITについて疎結合の状態とする
ことで、中間負荷時における異常発振を抑止していたも
のであるが、これに対して、本実施の形態の電源回路で
は、二次側に備えられる部分電圧共振回路の共振動作に
よって、中間負荷時に異常発振が生じないようにしてい
る。このようにすることで、絶縁コンバータトランスP
ITを密結合の状態となるように構成しても、電源回路
の動作上での問題は生じないことになる。
【0106】また、一次側巻線としての外側巻線N1Aと
内側巻線N1Bについては、巻数は同等であるが、内側に
巻装される内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Bは、
外側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Aより少なくな
る。そして一次電流I1は、外側巻線N1Aに流れる電流
I1Aと内側巻線N1Bに流れる電流I1Bに分流するが、上
記漏洩インダクタンスN1A、N1Bの差により、そのまま
では、I1B>I1Aとなってしまう。そこで、内側巻線N
1Bに対して直列にインダクタL1Cを接続し、内側巻線N
1B側のインダクタンス(L1B、L1C)を、外側巻線N1A
側のインダクタンス(L1A)と同等となるようにし、こ
れによって電流I1B=電流I1Aとしている。
【0107】図16に交流入力電圧VAC=100V、負
荷電力Po=125Wの際の各部の動作波形を示す。ま
た図17に交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po
=0W〜125Wの変動に対する、AC/DC電力変換
効率(ηAC/DC)及びスイッチング周波数fsの変化特
性を示している。なお、図17において実線は本例の図
15の回路の場合の特性であり、破線は比較のために付
記した図28の先行技術例の特性である。さらに図18
は、負荷電力Po=125W時の交流入力電圧VAC=9
0V〜140Vの変動に対する、AC/DC電力変換効
率(ηAC/DC)及びスイッチング周波数fsの変化特性
を示している。各部は次のように選定される。 一次巻線の外側巻線N1A=27T:60μm/130束
のリッツ線 一次巻線の内側巻線N1B=27T:60μm/130束
のリッツ線 二次巻線N2=55T:60μm/130束のリッツ線 ギャップゼロ、結合係数k=0.94 一次側直列共振コンデンサC1=0.18μF 一次側部分電圧共振コンデンサCp=6800pF 二次側部分電圧共振コンデンサC20=2200pF 外側巻線N1Aの漏洩インダクタンスL1A=64μH 内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1B=60μH インダクタL1C=4.7μH
【0108】なお、比較のために図17に点線で示した
特性となった先行技術としての図28の回路の定数を示
すと次の通りである。 一次巻線N1=27T:60μm/180束のリッツ線 二次巻線N2=45T:60μm/130束のリッツ線 ギャップ=1.4mm、結合係数k=0.75 一次側直列共振コンデンサC1=0.15μF 一次側部分電圧共振コンデンサCp=680pF
【0109】図16において、スイッチング素子Q2の
動作はコレクタ−エミッタ間電圧VQ2、スイッチング電
流IQ2により示される。スイッチング素子Q2は、期間
TONにおいてオンとなり、期間TOFFにおいてオフとな
るようにスイッチング動作を行う。そして、スイッチン
グ素子Q2に流れる電流IQ2は、図示するようにして、
期間TOFFにおいては0レベルで、期間TONにおいて
は、先ず、開始時においてダンパーダイオードDD2から
スイッチング素子Q2のベース→コレクタを介して負極
正方向にダンパー電流が流れ、この後、コレクタ−エミ
ッタを介して流れる波形となる。
【0110】また、スイッチング素子Q2のコレクタ−
エミッタ間電圧VQ2は、期間TOFFにおいては整流平滑
電圧Ei(直流入力電圧)のレベルでクランプされたパ
ルスとなり、期間TONにおいては、0レベルとなる波形
が得られる。なお、スイッチング素子Q1は、スイッチ
ング素子Q2に対して交互にオン/オフするタイミング
でスイッチングしている。従って、スイッチング素子Q
1のスイッチング電流及びコレクタ−エミッタ間電圧と
しては、上記スイッチング電流IQ2及びコレクタ−エミ
ッタ間電圧VQ2と同じ波形形状とされたうえで、ほぼ1
80°移相されたものとなる。
【0111】そして、この図においては一次巻線(N1
A、N1B)にスイッチング出力として流れる一次巻線電
流I1が示されている。この一次巻線電流I1は、スイッ
チング素子Q1,Q2のスイッチング動作に応じて、一次
側直列共振回路(C1−(N1A、N1B))の直列共振回
路の共振動作によって得られる共振電流である。そし
て、この一次巻線電流I1は、スイッチング素子Q1がオ
フでスイッチング素子Q2がオンとなる期間TONにおい
ては、スイッチング素子Q2のスイッチング電流IQ2と
してスイッチング素子Q2に流れることになる。また、
スイッチング素子Q2がオフでスイッチング素子Q12が
オンとなる期間TOFFにおいては、スイッチング素子Q1
のスイッチング電流としてスイッチング素子Q1に流れ
ることになる。この一次巻線電流I1は、外側巻線N1A
と内側巻線N1Bに分流する。即ち図示するように外側巻
線N1Aへの電流I1Aと内側巻線N1Bへの電流I1Bに分流
する。I1A=I1B=I1/2となる。
【0112】また、絶縁コンバータトランスPITの二
次側の動作は、二次巻線N2に流れる二次巻線電流I2と
二次巻線N2の両端電圧V2によって示される。この場
合、二次巻線N2には、図示するようにして一次巻線電
流I1と同じ極性の交番電流として電流I2が流れる。
また、二次巻線N2の両端電圧V2は、ブリッジ整流回路
DBRの正/負の各整流電流経路のダイオードが導通する
のに応じて、絶対値レベルが二次側直流出力電圧EO1の
レベルでクランプされた波形となる。
【0113】また、小容量の二次側部分電圧共振コンデ
ンサC20に流れる共振電流IC3も示しているが、この共
振電流IC3は、ブリッジ整流回路DBRを形成する高速リ
カバリ型ダイオードがターンオン、ターンオフするタイ
ミングで流れており、これにより二次側で部分電圧共振
動作を得ているものである。そして、この共振電流IC3
が流れる期間に対応しては、ブリッジ整流回路DBRを形
成する高速リカバリ型ダイオードの印加電圧(V2)が
反転することになるが、この反転時において、波形形状
に傾斜が与えられていることが示される。
【0114】そして図17に示されるようにAC/DC
電力変換効率(ηAC/DC)は向上される。例えば負荷電
力Po=125W時にはAC/DC電力変換効率(ηAC
/DC)は、先行技術例の89.8%から92.55%に
2.75%向上した。この場合、交流入力電力は4.1
W低減できる。
【0115】即ち本例によれば、一次側が電流共振形コ
ンバータであって部分電圧共振回路を備え、二次側に部
分電圧共振回路を備えた複合共振形コンバータとし、さ
らに絶縁コンバータトランスPITのギャップをゼロと
し、一次側巻線を外側巻線N1Aと内側巻線N1Bに分割し
て一次電流I1を電流I1Aと電流I1Bに分流させる構成
により、92%以上のAC/DC電力変換効率を実現で
き、交流入力電力を低減できる。絶縁コンバータトラン
スPITのギャップをゼロとすることと、一次電流I1
を電流I1Aと電流I1Bに分流させることでAC/DC電
力変換効率が向上する理由は、第1の実施の形態の説明
で述べたとおりである。
【0116】また、本例の場合、一次側直列共振電流と
しては実際には先行技術の8.2A(P-P)から5.8A
(P-P)に低減することになり、スイッチング素子Q1、
Q2の発熱が低下することから、スイッチング素子Q
1、Q2に対する放熱板が不要となるなど、回路構成
上、有利なものとなる。さらに第1の実施の形態におい
ても説明したが、絶縁コンバータトランスPITにおい
てギャップを形成しないため、製造にあたりギャップを
形成するための工程は不要となるので、それだけ製造工
程が簡略化され、コストダウンを図ることが可能にな
る。また、密結合とされることで、絶縁コンバータトラ
ンスPITからの漏洩磁束も低減されるので、例えば銅
板によるショートリングを絶縁コンバータトランスPI
Tに巻回して施す必要もなくなる。この点でも、絶縁コ
ンバータトランスPITの製造工程が簡略化され、ま
た、コストダウンが促進されることになる。さらに、ギ
ャップが無くなったことで、絶縁コンバータトランスP
ITの巻線の局部的な温度上昇の問題も解消され、それ
だけ信頼性が向上することにもなる。
【0117】<第6の実施の形態>図19に第6の実施
の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側及
び二次側の基本的な構成は図15の回路と同様であり、
同一部分は同一符号を付して説明を省略する。この図1
9の回路は、絶縁コンバータトランスPITの外側巻線
N1Aと内側巻線N1Bの巻方向が図15と異なるものとな
っている。
【0118】この場合、外側巻線N1Aの巻終わり端、及
び内側巻線N1Bの巻始め端は、共振電流検出巻線NAの
直列接続を介してスイッチング出力点(スイッチング素
子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの
接続点)と接続されている。また外側巻線N1Aの巻始め
端は共振コンデンサC1に接続され、内側巻線N1Bの巻
終わり端は、インダクタL1Cを介して共振コンデンサC
1に接続されている。つまり、内側巻線N1Bとインダク
タL1Cの直列回路が、外側巻線N1Aに対して並列接続さ
れて一次巻線が形成されるとともに、この場合、内側巻
線N1Bと外側巻線N1Aは、巻方向が逆方向の逆転捲きと
されているものとなる。絶縁コンバータトランスPIT
の構造は図2又は図3に示すようになり、コアにはギャ
ップは形成されない。
【0119】上述した図15の回路の場合は、外側巻線
N1Aと内側巻線N1Bが巻方向が同方向されたことによ
り、絶縁のための層間テープを必要としていたが、この
図19の場合は、逆転捲きであることから図2又は図3
に示すように、絶縁のための層間テープTPは不要とな
る。この理由は第1の実施の形態において説明したとお
りである。なお、図2,図3には示されていないが、こ
の場合、二次側には二次巻線N3も巻装されることにな
る。この図19の第6の実施の形態によっても、上記第
5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0120】<第7の実施の形態>図20に第7の実施
の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の
基本的な構成、及び二次側の構成は図15の回路と同様
である。この場合は、図15における直列共振コンデン
サC1に相当するコンデンサとして、直列共振コンデン
サC1A、C1Bが設けられる。
【0121】直列共振コンデンサC1Aは外側巻線N1Aに
対して直列に接続され、また直列共振コンデンサC1Bは
内側巻線N1Bに対して直列に接続される。即ちこの場
合、直列共振コンデンサC1Aと外側巻線N1Aによる直列
回路と、直列共振コンデンサC1Bと内側巻線N1Bによる
直列回路とが、並列に接続されるものとなる。図15の
場合に接続されたインダクタL1Cは設けられない。
【0122】この場合、直列共振コンデンサC1A、C1B
の各静電容量値は、外側巻線N1Aに流れる直列共振電流
I1Aと、内側巻線N1Bに流れる直列共振電流I1Bとが等
しくなるように選定すればよい。上述したように図15
の場合にインダクタL1Cが設けられるのは、外側巻線N
1Aと内側巻線N1Bでの漏洩インダクタンスの差を解消し
て、電流I1A=電流I1Bとするためである。この図20
の場合は、直列共振コンデンサC1A、C1Bの各静電容量
値によって電流I1A=電流I1Bとする。この図20の第
7の実施の形態によっても、上記図15の第5の実施の
形態と同様の効果を得ることができる。
【0123】<第8の実施の形態>図21に第8の実施
の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の
構成、及び二次側の共振コンデンサC20及びブリッジ整
流ダイオードDBRによる全波整流回路の構成は図15の
回路と同様である。
【0124】この例では、二次側においても二次巻線を
外側巻線N2Aと内側巻線N2Bに分割している。即ち絶縁
コンバータトランスPITは、上述した図13,図14
のような構造となり、磁脚にギャップを形成していない
コアに対して一次巻線(N1A、N1B)及び二次巻線(N
2A、N2B)を巻装し、一次巻線(N1A、N1B)と二次巻
線(N2A、N2B)とが所要以上の結合係数による密結合
の状態となるように形成される。
【0125】一次側の外側巻線N1Aと内側巻線N1B(及
びインダクタL1C)の構成は図15と同様である。二次
側の巻線としては、図13,図14にも示すように、ボ
ビンBの外側に巻回されることになる外側巻線N2Aと、
ボビンの内側に巻回されることになる内側巻線N2Bに分
割され、外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻数は同数とさ
れる。
【0126】そして二次側においては、外側巻線N2Aの
巻始め端、及び内側巻線N2Bの巻始め端はブリッジ整流
ダイオードDBRの正極側に接続される。また外側巻線N
2Aの巻終わり端はブリッジ整流ダイオードDBRの負極側
に接続され、内側巻線N2Bの巻終わり端は、インダクタ
L2Cを介してブリッジ整流ダイオードDBRの負極側と接
続される。つまり外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向
は同方向とされている。
【0127】インダクタL2Cは、一次側におけるインダ
クタL1Cと同様の目的で設けられるものである。即ち内
側巻線N2Bの漏洩インダクタンスL2Bが、外側巻線N2A
の漏洩インダクタンスL2Aより少ないことに対応して、
これを同等とするためのものであり、内側巻線N2Bとイ
ンダクタL2Cの直列回路が外側巻線N2Aと並列接続され
ることで、内側巻線N2B側のインダクタンス(L2B、L
2C)を、外側巻線N2A側のインダクタンス(L2A)と同
等となるようにし、これによって二次電流I2B=電流I
2Aとするものである。
【0128】この構成の場合、上記のように外側巻線N
2Aと内側巻線N2Bの巻方向は同方向である。また一次側
における外側巻線N1Aと内側巻線N1Bも同方向である。
このため、絶縁コンバータトランスPITにおいては図
13,図14に示すように、一次側巻線及び二次側巻線
について、それぞれ外側巻線N1A、N2Aと内側巻線N1
B、N2Bの間に、絶縁のための層間テープTPを施すこ
とが必要となる。
【0129】このように二次側の巻線についても外側巻
線N2Aと内側巻線N2Bに分割し、二次電流I2を電流I
2A、I2Bに分流させるようにする(I2A=I2B=I2/
2)ことで、二次側巻線における銅損も低減し、AC/
DC電力変換効率を更に向上できる。
【0130】<第9の実施の形態>図22に第9の実施
の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の
基本的な構成、及び二次側の共振コンデンサC20及びブ
リッジ整流ダイオードDBRによる全波整流回路の構成は
図21と同様である。この図22の回路は、絶縁コンバ
ータトランスPITの一次側においては、外側巻線N1A
と内側巻線N1Bの巻方向を逆方向とし、また二次側にお
いて、外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向を逆方向と
したものである。
【0131】即ち一次側においては、外側巻線N1Aの巻
終わり端、及び内側巻線N1Bの巻始め端は、共振電流検
出巻線NAの直列接続を介してスイッチング出力点(ス
イッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2
のコレクタの接続点)と接続される。また外側巻線N1A
の巻始め端は共振コンデンサC1に接続され、内側巻線
N1Bの巻終わり端は、インダクタL1Cを介して共振コン
デンサC1に接続されている。つまり、内側巻線N1Bと
インダクタL1Cの直列回路が、外側巻線N1Aに対して並
列接続されて一次巻線が形成されるとともに、内側巻線
N1Bと外側巻線N1Aは、巻方向が逆方向の逆転捲きとさ
れているものとなる。
【0132】二次側の巻線としては、外側巻線N2Aの巻
終わり端、及び内側巻線N2Bの巻始め端はブリッジ整流
ダイオードDBRの正極側に接続される。また外側巻線N
2Aの巻始め端はブリッジ整流ダイオードDBRの負極側に
接続され、内側巻線N2Bの巻終わり端は、インダクタL
2Cを介してブリッジ整流ダイオードDBRの負極側と接続
される。つまり外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向も
逆方向とされている。
【0133】従って、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの
間、及び内側巻線N2Bと外側巻線N2Aの間に絶縁のため
の層間テープを施すことは不要で、絶縁コンバータトラ
ンスPITの構造は図10,図11に示すようになる。
この第9の実施の形態によっても、上記第8の実施の形
態と同様の効果を得ることができる。
【0134】以上、各種実施の形態を説明してきたが、
本発明としてのスイッチング電源回路としては、上記各
実施の形態としての構成に限定されるものではなく、例
えば、要部の部品素子の定数などは適宜、各種条件に応
じて適切な値に変更されればよい。また、例えば一次側
スイッチングコンバータに用いられるスイッチング素子
としては、各回路図に示したバイポーラトランジスタの
ほか、MOS−FETやIGBTなどが採用されて構わ
ない。また、各実施の形態ではスイッチング素子Q1
(又はQ1,Q2)に対して自励発振回路を設けたが、
例えばスイッチング素子Q1(又はQ1,Q2)をMO
S−FETやIGBTで形成する場合、これに対して他
励発振回路によってスイッチング動作させる構成として
もよい。
【0135】
【発明の効果】以上説明から理解されるように、本発明
では次の効果が得られる。請求項1〜請求項8の発明に
よれば、一次側が一石構成の電圧共振形コンバータ、二
次側が半波整流方式電圧共振回路を組み合わせた複合共
振形コンバータとしてのスイッチング電源回路におい
て、二次側が半波整流回路とされることにより、絶縁コ
ンバータトランスのコアのギャップをゼロとして一次巻
線と二次巻線の結合係数を0.95程度の密結合とし、
さらに直流入力電圧は、全波整流回路から得るようにし
ている。これにより、AC/DC電力変換効率(ηAC/D
C)を向上させることができ、入力電力を低減して省電
力化を図ることができる。さらに、一次側巻線、又は一
次側巻線と二次側巻線の両方を、インダクタンス値を同
等とした内側巻線と外側巻線による構成とし、一次側巻
線に流れる電流、又は一次側巻線と二次側巻線の両方に
ついての電流を分流させている。これによりAC/DC
電力変換効率(ηAC/DC)をさらに向上でき、特に負荷
電力が200W以上の重負荷時にも電力変換効率を向上
させることができる。例えば入力倍電圧整流回路を備え
るようにした回路と同等以上の電力変換効率を、入力全
波整流回路の構成において実現できる。従って、平滑コ
ンデンサは1つでよく、またスイッチング素子の耐圧も
800V程度でよいものとなるため、回路構成上、有利
となり、回路規模の小型化、軽量化、低コスト化を実現
できる。また二次側が半波整流回路であることも、ブリ
ッジ整流ダイオードを備えるようにする回路に比べて回
路規模の小型化、軽量化、低コスト化に有利である。
【0136】請求項9〜請求項18の発明によれば、一
次側が二石構成の電流共振形コンバータで部分電圧共振
回路を備え、二次側にも部分電圧共振回路を備えた複合
共振形コンバータとしてのスイッチング電源回路が形成
され、二次側に部分電圧共振回路を備えたことにより、
絶縁コンバータトランスのコアのギャップをゼロとして
一次巻線と二次巻線の結合係数を0.95程度の密結合
とし、さらに直流入力電圧は、全波整流回路から得るよ
うにしている。さらに、一次側巻線、又は一次側巻線と
二次側巻線の両方を、インダクタンス値を同等(直列共
振電流が同等)とした内側巻線と外側巻線による構成と
し、一次側巻線に流れる電流、又は一次側巻線と二次側
巻線の両方についての電流を分流させている。これによ
り一次側が入力全波整流方式の電流共振形コンバータと
しての回路構成において、AC/DC電力変換効率(η
AC/DC)を向上させることができ、入力電力を低減して
省電力化を図ることができる。また一次側直列共振電流
が低減され、ハーフブリッジ接続された各スイッチング
素子の発熱が低減するため、これらに対する放熱板が不
要になるという利点もある。
【0137】また請求項1〜請求項18に係る発明で
は、絶縁コンバータトランスにおいてギャップを形成し
ないことで、ギャップ形成のためのコアの研磨工程は省
略されることになる。これにより、例えば製造工程が簡
略化され、また、絶縁コンバータトランスを製造するコ
ストも低減することができる。さらに、上記のように絶
縁コンバータトランスに巻装された一次側巻線と二次側
巻線とが密結合となることによっては、絶縁コンバータ
トランスからの漏洩磁束は低減されるので、例えば絶縁
コンバータトランスにショートリングを施す必要もない
こととなる。そして、この点でも、コストダウンが図ら
れ、また、回路の小型軽量化が促進されるものである。
また、絶縁コンバータトランスのギャップ近傍における
局部的温度上昇は発生しないことになるために、それだ
け電源回路としても信頼性が向上することになる。また
絶縁コンバータトランスのギャップがゼロであること
で、一対のE型フェライト磁心や、一対のU型フェライ
ト磁心による構成が可能であり、フェライト磁心の選定
の自由度が増すため設計に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のスイッチング電源
回路の回路図である。
【図2】第1、第6の実施の形態のE型コアによる絶縁
コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図3】第1,第6の実施の形態のU型コアによる絶縁
コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図4】第1の実施の形態の電源回路の動作を示す波形
図である。
【図5】第1の実施の形態の電源回路のAC/DC電力
変換効率の特性の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のスイッチング電源
回路の回路図である。
【図7】第2、第5、第7の実施の形態のE型コアによ
る絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図8】第2、第5、第7の実施の形態のU型コアによ
る絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態のスイッチング電源
回路の回路図である。
【図10】第3、第9の実施の形態のE型コアによる絶
縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図11】第2,第9の実施の形態のU型コアによる絶
縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態のスイッチング電
源回路の回路図である。
【図13】第4、第8の実施の形態のE型コアによる絶
縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図14】第4,第8の実施の形態のU型コアによる絶
縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態のスイッチング電
源回路の回路図である。
【図16】第5の実施の形態の電源回路の動作を示す波
形図である。
【図17】第5の実施の形態の電源回路のAC/DC電
力変換効率の特性の説明図である。
【図18】第5の実施の形態の電源回路のAC/DC電
力変換効率の特性の説明図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態のスイッチング電
源回路の回路図である。
【図20】本発明の第7の実施の形態のスイッチング電
源回路の回路図である。
【図21】本発明の第8の実施の形態のスイッチング電
源回路の回路図である。
【図22】本発明の第9の実施の形態のスイッチング電
源回路の回路図である。
【図23】先行技術としてのスイッチング電源回路の構
成例を示す回路図である。
【図24】先行技術としての電源回路に採用される絶縁
コンバータトランスの構造例を示す断面図である。
【図25】先行技術の電源回路のAC/DC電力変換効
率の特性の説明図である。
【図26】先行技術の電源回路の動作を示す波形図であ
る。
【図27】先行技術としてのスイッチング電源回路の構
成例を示す回路図である。
【図28】先行技術としてのスイッチング電源回路の他
の構成例を示す回路図である。
【図29】先行技術の電源回路の動作を示す波形図であ
る。
【図30】先行技術の電源回路のAC/DC電力変換効
率の特性の説明図である。
【符号の説明】
1 制御回路、Di ブリッジ整流回路、Ci 平滑コ
ンデンサ、Q1,Q2スイッチング素子、PIT 絶縁
コンバータトランス、N1A,N2A 外側巻線、N1B,N
2B 内側巻線 N2 二次巻線、Cr 一次側並列共振
コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、Cp
一次側部分電圧共振コンデンサ、C20二次側部分電圧共
振コンデンサ

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流入力に対して全波整流を行い、平滑
    コンデンサにより直流入力電圧を得る整流平滑手段と、 上記直流入力電圧を断続するスイッチング素子を備えて
    成るスイッチング手段と、 磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次側巻
    線及び二次側巻線を巻装し、上記一次側巻線と二次側巻
    線とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるよ
    うに形成され、上記一次側巻線に得られる上記スイッチ
    ング手段の出力を上記二次側巻線に対して伝送するとと
    もに、上記一次側巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側
    巻線に分離されている絶縁コンバータトランスと、 上記内側巻線側のインダクタンス値を上記外側巻線側の
    インダクタンス値と同等とするために、上記内側巻線に
    直列であり、かつ上記外側巻線に並列に接続されたイン
    ダクタンスと、 上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線と一次側並列
    共振コンデンサとにより形成され、上記スイッチング手
    段の動作を電圧共振形とするように設けられる一次側並
    列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線に対して、二
    次側共振コンデンサを接続することで形成される二次側
    共振回路と、 上記二次側共振回路に得られる交番電圧を入力して半波
    整流動作を行うことで直流出力電圧を得るように構成さ
    れる直流出力電圧生成手段と、 自励発振回路又は他励発振回路により形成され、その発
    振出力により上記スイッチング素子をスイッチング駆動
    するスイッチング駆動手段と、 上記直流出力電圧のレベルに応じて上記自励発振回路又
    は上記他励発振回路による発振周波数を制御し、上記ス
    イッチング素子のスイッチング周波数を可変制御するこ
    とで、上記直流出力電圧についての定電圧制御を行うよ
    うにされる定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方向
    が逆の逆転捲きとされることを特徴とする請求項1に記
    載のスイッチング電源回路。
  3. 【請求項3】 上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方向
    が同方向とされるとともに、上記内側巻線と上記外側巻
    線との間に絶縁材が施されることを特徴とする請求項1
    に記載のスイッチング電源回路。
  4. 【請求項4】 上記二次側巻線は、巻数が同数の内側巻
    線と外側巻線に分離されるとともに、 上記二次側巻線における内側巻線側のインダクタンス値
    を上記二次側巻線における外側巻線側のインダクタンス
    値と同等とするために、上記二次側巻線における内側巻
    線に直列であり、かつ上記二次側巻線における外側巻線
    に並列に接続されたインダクタンスが備えられることを
    特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  5. 【請求項5】 上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線
    は、巻方向が逆の逆転捲きとされることを特徴とする請
    求項4に記載のスイッチング電源回路。
  6. 【請求項6】 上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線
    は、巻方向が同方向とされるとともに、上記二次側巻線
    の内側巻線と外側巻線との間に絶縁材が施されることを
    特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源回路。
  7. 【請求項7】 上記絶縁コンバータトランスのコアは、
    一対のE型コアで形成されることを特徴とする請求項1
    に記載のスイッチング電源回路。
  8. 【請求項8】 上記絶縁コンバータトランスのコアは、
    一対のU型コアで形成されることを特徴とする請求項1
    に記載のスイッチング電源回路。
  9. 【請求項9】 交流入力に対して全波整流を行い、平滑
    コンデンサにより直流入力電圧を得る整流平滑手段と、 ハーフブリッジ接続されたスイッチング素子を備えて成
    り、上記直流入力電圧を断続するスイッチング動作を行
    うスイッチング手段と、 磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次側巻
    線及び二次側巻線を巻装し、上記一次側巻線と二次側巻
    線とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるよ
    うに形成され、上記一次側巻線に得られる上記スイッチ
    ング手段の出力を上記二次側巻線に対して伝送するとと
    もに、上記一次側巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側
    巻線に分離されている絶縁コンバータトランスと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線
    の漏洩インダクタンス成分と、上記一次側巻線に直列接
    続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスと
    によって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流
    共振形とする一次側直列共振回路と、 上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素
    子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続
    される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶
    縁コンバータトランスの一次側巻線の漏洩インダクタン
    ス成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成
    する複数のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共
    振動作を行う一次側部分電圧共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線の漏洩インダ
    クタンス成分と、この二次側巻線に対して並列に接続さ
    れる二次側部分電圧共振コンデンサのキャパシタンスと
    によって形成される二次側部分電圧共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線に得られる交
    番電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電
    圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段
    と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング手段のスイッチング周波数を可変することで、二
    次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成
    された定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  10. 【請求項10】 インダクタンスを、上記内側巻線に直
    列で、かつ上記外側巻線に並列に接続することで、上記
    内側巻線側のインダクタンス値と上記外側巻線側のイン
    ダクタンス値とを同等とすることを特徴とする請求項9
    に記載のスイッチング電源回路。
  11. 【請求項11】 一次側直列共振コンデンサとして、上
    記内側巻線に直列接続される第1のコンデンサと、上記
    外側巻線に直列接続される第2のコンデンサが設けら
    れ、上記第1のコンデンサと上記第2のコンデンサは、
    上記内側巻線に流れる直列共振電流と上記外側巻線に流
    れる直列共振電流が等しくなるように各静電容量が選定
    されていることを特徴とする請求項9に記載のスイッチ
    ング電源回路。
  12. 【請求項12】 上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方
    向が逆の逆転捲きとされることを特徴とする請求項9に
    記載のスイッチング電源回路。
  13. 【請求項13】 上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方
    向が同方向とされるとともに、上記内側巻線と上記外側
    巻線との間に絶縁材が施されることを特徴とする請求項
    9に記載のスイッチング電源回路。
  14. 【請求項14】 上記二次側巻線は、巻数が同数の内側
    巻線と外側巻線に分離されるとともに、 上記二次側巻線における内側巻線側のインダクタンス値
    を上記二次側巻線における外側巻線側のインダクタンス
    値と同等とするために、上記二次側巻線における内側巻
    線に直列であり、かつ上記二次側巻線における外側巻線
    に並列に接続されたインダクタンスが備えられることを
    特徴とする請求項9に記載のスイッチング電源回路。
  15. 【請求項15】 上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線
    は、巻方向が逆の逆転捲きとされることを特徴とする請
    求項14に記載のスイッチング電源回路。
  16. 【請求項16】 上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線
    は、巻方向が同方向とされるとともに、上記二次側巻線
    の内側巻線と外側巻線との間に絶縁材が施されることを
    特徴とする請求項14に記載のスイッチング電源回路。
  17. 【請求項17】 上記絶縁コンバータトランスのコア
    は、一対のE型コアで形成されることを特徴とする請求
    項9に記載のスイッチング電源回路。
  18. 【請求項18】 上記絶縁コンバータトランスのコア
    は、一対のU型コアで形成されることを特徴とする請求
    項9に記載のスイッチング電源回路。
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