JP2003309401A - フィルタ回路およびこのフィルタ回路を用いた周波数逓倍回路 - Google Patents
フィルタ回路およびこのフィルタ回路を用いた周波数逓倍回路Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の単一スタブ回路は、所望波fcと不要
波fxの周波数関係が、fc=2n・fx、またはfc
=fx/2n(n:1,2,3,…)の関係に限られていた。
それ以外の周波数関係にあるときは、所望波と不要波の
周波数関係によって、LPF、HPF、BPF、BRFなどの多段フ
ィルタ回路を組み合わせて構成していた。そのため、回
路寸法が大きくなり、また挿入損失が大きくなるなどの
問題があった。 【解決手段】 RF帯伝送線路1の同一点に2本のスタ
ブ8、9を接続し、その先端を開放または短絡する。ま
たスタブ長L8,L9、特性インピーダンスZ8,Z9
を調整することにより、任意周波数の不要波を阻止す
る。この構成により、従来のフィルタ回路よりも小型
化、かつ低損失化できる。
波fxの周波数関係が、fc=2n・fx、またはfc
=fx/2n(n:1,2,3,…)の関係に限られていた。
それ以外の周波数関係にあるときは、所望波と不要波の
周波数関係によって、LPF、HPF、BPF、BRFなどの多段フ
ィルタ回路を組み合わせて構成していた。そのため、回
路寸法が大きくなり、また挿入損失が大きくなるなどの
問題があった。 【解決手段】 RF帯伝送線路1の同一点に2本のスタ
ブ8、9を接続し、その先端を開放または短絡する。ま
たスタブ長L8,L9、特性インピーダンスZ8,Z9
を調整することにより、任意周波数の不要波を阻止す
る。この構成により、従来のフィルタ回路よりも小型
化、かつ低損失化できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高周波帯伝送線
路に設けて任意の周波数の不要波を阻止するフィルタ回
路と、このフィルタ回路を用いた周波数逓倍回路に関す
るものである。
路に設けて任意の周波数の不要波を阻止するフィルタ回
路と、このフィルタ回路を用いた周波数逓倍回路に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高周波(以下RFともいう)信号を伝送
する伝送線路、または、高周波電力を出力する無線送信
機、局部発振器などの出力ライン、特に基本波の整数倍
の高次高調波を取出す逓倍回路では、例えば不要スプリ
アスを低減する等の目的から、任意の周波数(又は周波
数帯)の選択的通過(即ちこの周波数以外の周波数の遮
断)、または任意の周波数(周波数帯)の遮断(即ちこ
の周波数以外の周波数の通過)を行うことが必要となる
場合がある。以下の説明では、このように遮断したい周
波数を不要波、通過させるべき周波数を所望波という。
従来、不要波を阻止するためには、RF帯伝送線路の途
中に分岐接続して、先端を短絡又は開放した線路からな
る単一スタブ(トラップとも言う)、または所望波と不
要波の周波数関係に応じて各種のスタブを組み合わせて
構成したいわゆるLPF(ローパスフィルタ)、HPF
(ハイパスフィルタ)、BPF(バンドパスフィル
タ)、BRF(バンド除去フィルタ)などのフィルタ回
路を利用していた。図3はこのような従来の単一スタブ
の構成を示す図で、1はRF帯伝送線路であり、2はR
F帯伝送線路1の途中に接続された先端開放スタブであ
る。図4は同じく伝送線路1の途中に接続された先端短
絡スタブ12の例である。伝送線路1、先端開放スタブ
2、先端短絡スタブ12の伝搬定数は非分散特性であ
る。高周波伝送線路1や各スタブは、図では説明の都合
上、平行2線フィーダで示しているが、同軸線路、平面
伝送線路、導波管などでもよい。
する伝送線路、または、高周波電力を出力する無線送信
機、局部発振器などの出力ライン、特に基本波の整数倍
の高次高調波を取出す逓倍回路では、例えば不要スプリ
アスを低減する等の目的から、任意の周波数(又は周波
数帯)の選択的通過(即ちこの周波数以外の周波数の遮
断)、または任意の周波数(周波数帯)の遮断(即ちこ
の周波数以外の周波数の通過)を行うことが必要となる
場合がある。以下の説明では、このように遮断したい周
波数を不要波、通過させるべき周波数を所望波という。
従来、不要波を阻止するためには、RF帯伝送線路の途
中に分岐接続して、先端を短絡又は開放した線路からな
る単一スタブ(トラップとも言う)、または所望波と不
要波の周波数関係に応じて各種のスタブを組み合わせて
構成したいわゆるLPF(ローパスフィルタ)、HPF
(ハイパスフィルタ)、BPF(バンドパスフィル
タ)、BRF(バンド除去フィルタ)などのフィルタ回
路を利用していた。図3はこのような従来の単一スタブ
の構成を示す図で、1はRF帯伝送線路であり、2はR
F帯伝送線路1の途中に接続された先端開放スタブであ
る。図4は同じく伝送線路1の途中に接続された先端短
絡スタブ12の例である。伝送線路1、先端開放スタブ
2、先端短絡スタブ12の伝搬定数は非分散特性であ
る。高周波伝送線路1や各スタブは、図では説明の都合
上、平行2線フィーダで示しているが、同軸線路、平面
伝送線路、導波管などでもよい。
【0003】次に動作について説明する。図3の回路に
おいて、先端開放スタブ2の伝搬定数が非分散特性を有
し、所望波の周波数fcと不要波の周波数fxの周波数
関係が fc=2n・fx ・・・(1) (nは1、
2、3・・・) の関係にあるとき、先端開放スタブ2の長さLをL=λ
x/4(λx:不要波の1波長)とすると、先端開放ス
タブ2を伝送線路1の接続点から見た入力インピーダン
スは所望波周波数fcに対して∞(open)、不要波
周波数fxに対して0(short)となる。そのた
め、1本の先端開放スタブ2を取り付けることで、伝送
線路1を通る高周波の内、所望波を通過させ、不要波を
阻止することができる。
おいて、先端開放スタブ2の伝搬定数が非分散特性を有
し、所望波の周波数fcと不要波の周波数fxの周波数
関係が fc=2n・fx ・・・(1) (nは1、
2、3・・・) の関係にあるとき、先端開放スタブ2の長さLをL=λ
x/4(λx:不要波の1波長)とすると、先端開放ス
タブ2を伝送線路1の接続点から見た入力インピーダン
スは所望波周波数fcに対して∞(open)、不要波
周波数fxに対して0(short)となる。そのた
め、1本の先端開放スタブ2を取り付けることで、伝送
線路1を通る高周波の内、所望波を通過させ、不要波を
阻止することができる。
【0004】また、図4の回路において、先端開放スタ
ブ2の伝搬定数が非分散特性を有し、所望波の周波数f
cと不要波の周波数fxの周波数関係がfc=fx/
(2n) ・・・(2) (nは1,2,3,…) の関係にあるとき、先端短絡スタブ12の長さをL=λ
c/4(λc:所望波の1波長)とすると、先端短絡スタ
ブ12を伝送線路1の接続点から見た入力インピーダン
スは、所望波に対して∞(open)、不要波に対して
0(short)となる。そのため、1本の先端短絡ス
タブ12を取り付けることで、所望波を通過させ、不要
波を阻止することができる。
ブ2の伝搬定数が非分散特性を有し、所望波の周波数f
cと不要波の周波数fxの周波数関係がfc=fx/
(2n) ・・・(2) (nは1,2,3,…) の関係にあるとき、先端短絡スタブ12の長さをL=λ
c/4(λc:所望波の1波長)とすると、先端短絡スタ
ブ12を伝送線路1の接続点から見た入力インピーダン
スは、所望波に対して∞(open)、不要波に対して
0(short)となる。そのため、1本の先端短絡ス
タブ12を取り付けることで、所望波を通過させ、不要
波を阻止することができる。
【0005】しかし、所望波の周波数fcと不要波の周
波数fxとの周波数関係が、上記の条件でない場合、即
ち、fc=K・fx、{Kは正の実数で、K≠2n ま
たはK≠1/(2n) (nは1、2、3/・・)}の
関係にあるとき、上述の図3、図4の回路では、先端開
放スタブ2、先端短絡スタブ12の前述の入力インピー
ダンスを所望波に対して∞(open)となるようにス
タブの長さを調整すると、不要波に対しては、容量性、
または誘導性のインピーダンスとなるため、完全に不要
波を阻止することができない。このような場合には、従
来、図5のようにいわゆる多段フィルタが使用されてい
た。
波数fxとの周波数関係が、上記の条件でない場合、即
ち、fc=K・fx、{Kは正の実数で、K≠2n ま
たはK≠1/(2n) (nは1、2、3/・・)}の
関係にあるとき、上述の図3、図4の回路では、先端開
放スタブ2、先端短絡スタブ12の前述の入力インピー
ダンスを所望波に対して∞(open)となるようにス
タブの長さを調整すると、不要波に対しては、容量性、
または誘導性のインピーダンスとなるため、完全に不要
波を阻止することができない。このような場合には、従
来、図5のようにいわゆる多段フィルタが使用されてい
た。
【0006】図5は(不要波周波数fx)> (所望波
周波数fc)の関係にあるときに用いる多段(図では3
段)LPFの例である。図5において、1はRF帯伝送
線路、2a、2b、2cはそれぞれ第1、第2、第3の
先端開放並列スタブ、3aは第1の先端開放並列スタブ
2aと第2の先端開放並列スタブ2b間を接続する伝送
線路、3bは第2の先端開放並列スタブ2bと第3の先
端開放並列スタブ2cとの間を接続する伝送線路であ
る。次に、図5の動作について説明する。3本の1/4
波長先端開放スタブ2a、2b、2cと、これらを繋ぐ
1/4波長の接続線路(ここでの1/4波長は不要波の
1/4波長)からなり、各先端開放スタブ2a、2b、
2cは図3の先端開放スタブ2と同様に、長さLa,L
b,Lcをすべて同じ長さのλx/4(λx:不要波の
1波長)とする。このとき、各先端開放スタブと、これ
らを繋ぐ1/4波長の接続線路の特性インピーダンスを
調整することで、通過域の周波数範囲や挿入損失、遮断
域の周波数範囲や反射損失を決定する。さらに、通過
域、遮断域の周波数範囲を広げるため、段数を増やした
り、前記各線路の特性インピーダンスを調整したりす
る。また、先端開放スタブの代わりに線短絡スタブにし
たり、結合線路を多段に接続するなどして、LPF,H
PF,BPF,BRFなどを構成することができる。こ
れらにより所望波と不要波の周波数関係がfc=K・f
xのときでも、所望波を通過させ、不要波を阻止するこ
とができる。
周波数fc)の関係にあるときに用いる多段(図では3
段)LPFの例である。図5において、1はRF帯伝送
線路、2a、2b、2cはそれぞれ第1、第2、第3の
先端開放並列スタブ、3aは第1の先端開放並列スタブ
2aと第2の先端開放並列スタブ2b間を接続する伝送
線路、3bは第2の先端開放並列スタブ2bと第3の先
端開放並列スタブ2cとの間を接続する伝送線路であ
る。次に、図5の動作について説明する。3本の1/4
波長先端開放スタブ2a、2b、2cと、これらを繋ぐ
1/4波長の接続線路(ここでの1/4波長は不要波の
1/4波長)からなり、各先端開放スタブ2a、2b、
2cは図3の先端開放スタブ2と同様に、長さLa,L
b,Lcをすべて同じ長さのλx/4(λx:不要波の
1波長)とする。このとき、各先端開放スタブと、これ
らを繋ぐ1/4波長の接続線路の特性インピーダンスを
調整することで、通過域の周波数範囲や挿入損失、遮断
域の周波数範囲や反射損失を決定する。さらに、通過
域、遮断域の周波数範囲を広げるため、段数を増やした
り、前記各線路の特性インピーダンスを調整したりす
る。また、先端開放スタブの代わりに線短絡スタブにし
たり、結合線路を多段に接続するなどして、LPF,H
PF,BPF,BRFなどを構成することができる。こ
れらにより所望波と不要波の周波数関係がfc=K・f
xのときでも、所望波を通過させ、不要波を阻止するこ
とができる。
【0007】また、(不要波周波数fx)< (所望波
周波数fc)の関係にあるときには、図4のフィルター
を図5と同様に多段接続することにより、fc=fx/
2nの関係にない不要波を阻止することができるが、図
5と類似するので説明は省略する。
周波数fc)の関係にあるときには、図4のフィルター
を図5と同様に多段接続することにより、fc=fx/
2nの関係にない不要波を阻止することができるが、図
5と類似するので説明は省略する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の高周波伝送ライ
ンに用いるフィルタ回路は、所望波fcと不要波fxの
周波数関係が、fc=2n・fx、またはfc=fx/
(2n)ここで(nは1、2、3・・・)の関係にある
時は単一スタブが使用され、それ以外の周波数関係にあ
るときは、所望波と不要波の周波数関係によって、LP
F、HPF、BPF、BRFのフィルタ回路を構成して
いた。そのため、上記周波数関係の如何によっては、フ
ィルタの段数が増し、回路構成が複雑で寸法が大きくな
り、また挿入損失が大きくなるという問題があった。
ンに用いるフィルタ回路は、所望波fcと不要波fxの
周波数関係が、fc=2n・fx、またはfc=fx/
(2n)ここで(nは1、2、3・・・)の関係にある
時は単一スタブが使用され、それ以外の周波数関係にあ
るときは、所望波と不要波の周波数関係によって、LP
F、HPF、BPF、BRFのフィルタ回路を構成して
いた。そのため、上記周波数関係の如何によっては、フ
ィルタの段数が増し、回路構成が複雑で寸法が大きくな
り、また挿入損失が大きくなるという問題があった。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、所望波と不要波の周波数関係の
如何に関わらず、任意周波数の不要波を阻止できるとと
もに、従来のフィルタ回路よりも小型化かつ低損失化で
きるフィルタ回路を提供することを目的としている。
ためになされたもので、所望波と不要波の周波数関係の
如何に関わらず、任意周波数の不要波を阻止できるとと
もに、従来のフィルタ回路よりも小型化かつ低損失化で
きるフィルタ回路を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るフィルタ
回路は、高周波信号を伝送する高周波伝送線路、前記高
周波伝送線路上の1点に並列に接続され、その先端が開
放された2本の先端開放高周波線路、前記2本の先端開
放高周波線路の特性インピーダンスと、長さとをそれぞ
れ調整し、前記高周波伝送線路を伝送された前記高周波
信号に含まれる第1の周波数の信号を通過させ、第2の
周波数の信号の通過を阻止するものである。
回路は、高周波信号を伝送する高周波伝送線路、前記高
周波伝送線路上の1点に並列に接続され、その先端が開
放された2本の先端開放高周波線路、前記2本の先端開
放高周波線路の特性インピーダンスと、長さとをそれぞ
れ調整し、前記高周波伝送線路を伝送された前記高周波
信号に含まれる第1の周波数の信号を通過させ、第2の
周波数の信号の通過を阻止するものである。
【0011】また、前記2本の先端開放高周波線路の伝
搬定数が非分散特性を有し、特性インピーダンスが互い
に等しく、前記第1の周波数のK倍が前記第2の周波数
にほぼ等しいとき、前記第1の周波数の信号の波長をλ
cとし、mを正の整数、nを1以上の正の整数としたと
き、前記2本の先端開放高周波線路の長さを、一方は
(2m+1)(λc / 4) / Kで、他方は (2nK−
2m−1)(λc / 4) / Kで表される値に設定したも
のである。
搬定数が非分散特性を有し、特性インピーダンスが互い
に等しく、前記第1の周波数のK倍が前記第2の周波数
にほぼ等しいとき、前記第1の周波数の信号の波長をλ
cとし、mを正の整数、nを1以上の正の整数としたと
き、前記2本の先端開放高周波線路の長さを、一方は
(2m+1)(λc / 4) / Kで、他方は (2nK−
2m−1)(λc / 4) / Kで表される値に設定したも
のである。
【0012】また、高周波信号を伝送する高周波伝送線
路、前記高周波伝送線路上の1点に並列に接続され、そ
の先端が短絡された2本の先端短絡高周波線路、前記先
端短絡高周波線路の特性インピーダンスと、長さとをそ
れぞれ調整し、前記高周波伝送線路を伝送された前記高
周波信号に含まれる第1の周波数の信号を通過させ、第
2の周波数の信号の通過を阻止するものである。
路、前記高周波伝送線路上の1点に並列に接続され、そ
の先端が短絡された2本の先端短絡高周波線路、前記先
端短絡高周波線路の特性インピーダンスと、長さとをそ
れぞれ調整し、前記高周波伝送線路を伝送された前記高
周波信号に含まれる第1の周波数の信号を通過させ、第
2の周波数の信号の通過を阻止するものである。
【0013】また、前記2本の先端短絡高周波線路の伝
搬定数が非分散特性を有し、特性インピーダンスが互い
に等しく、前記第1の周波数のK倍が前記第2の周波数
にほぼ等しいとき、前記第1の周波数の信号の波長をλ
cとし、mおよびnを1以上の正の整数としたとき、前
記2本の先端短絡高周波線路の長さを、一方は mλc /
2 / K、他方は (nK-m)λc / 2 / Kとしたものであ
る。
搬定数が非分散特性を有し、特性インピーダンスが互い
に等しく、前記第1の周波数のK倍が前記第2の周波数
にほぼ等しいとき、前記第1の周波数の信号の波長をλ
cとし、mおよびnを1以上の正の整数としたとき、前
記2本の先端短絡高周波線路の長さを、一方は mλc /
2 / K、他方は (nK-m)λc / 2 / Kとしたものであ
る。
【0014】また、高周波信号を伝送する高周波伝送線
路、前記高周波伝送線路上の1点に接続された、先端が
短絡された先端短絡高周波線路、前記先端短絡高周波線
路に並列に前記1点に接続された先端開放高周波線路、
前記先端短絡高周波線路の特性インピーダンスと長さを
調整すると共に、前記先端開放高周波線路の特性インピ
ーダンスと長さを調整し、前記高周波伝送線路を伝送さ
れた前記高周波信号に含まれる第1の周波数の信号を通
過させ、第2の周波数の信号の通過を阻止するものであ
る。
路、前記高周波伝送線路上の1点に接続された、先端が
短絡された先端短絡高周波線路、前記先端短絡高周波線
路に並列に前記1点に接続された先端開放高周波線路、
前記先端短絡高周波線路の特性インピーダンスと長さを
調整すると共に、前記先端開放高周波線路の特性インピ
ーダンスと長さを調整し、前記高周波伝送線路を伝送さ
れた前記高周波信号に含まれる第1の周波数の信号を通
過させ、第2の周波数の信号の通過を阻止するものであ
る。
【0015】また、前記2本の先端開放、先端短絡高周
波線路の伝搬定数が非分散特性を有し、特性インピーダ
ンスが互いに等しく、前記第1の周波数のK倍が前記第
2の周波数にほぼ等しいとき、前記第1の周波数の信号
の波長をλcとし、mおよびnを正の整数としたとき、
前記2本の先端短絡高周波線路の長さを、一方は
{(2m+1)K−2n}(λc / 4) / K、他方は
n(λc / 2) / K、又は、一方は (2m+1)(λ
c / 4)/K、他方は {(2n+1)K−2m−1}
(λc / 4)/K、としたものである。
波線路の伝搬定数が非分散特性を有し、特性インピーダ
ンスが互いに等しく、前記第1の周波数のK倍が前記第
2の周波数にほぼ等しいとき、前記第1の周波数の信号
の波長をλcとし、mおよびnを正の整数としたとき、
前記2本の先端短絡高周波線路の長さを、一方は
{(2m+1)K−2n}(λc / 4) / K、他方は
n(λc / 2) / K、又は、一方は (2m+1)(λ
c / 4)/K、他方は {(2n+1)K−2m−1}
(λc / 4)/K、としたものである。
【0016】この発明による周波数逓倍回路は、出力側
にf0のn倍の周波数の信号を通過し、f0のn倍以外
の整数倍の周波数の信号の通過を阻止する請求項1〜6
に記載のフィルタ回路を備え、周波数f0の基本波が入
力されたとき、周波数f0のn倍の逓倍波を出力するも
のである。
にf0のn倍の周波数の信号を通過し、f0のn倍以外
の整数倍の周波数の信号の通過を阻止する請求項1〜6
に記載のフィルタ回路を備え、周波数f0の基本波が入
力されたとき、周波数f0のn倍の逓倍波を出力するも
のである。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1のフィルタ回路について図面により説明する。図
1において、1は一端から他端に向けて高周波信号を伝
送する特性インピーダンスZ1のRF帯伝送線路(高周
波伝送線路)、8、9は伝送線路の伝搬定数が非分散特
性を有し、損失が少なく、RF帯伝送線路1の同一点に
並列接続された各々長さL8、L9で、特性インピーダ
ンスZ8、Z9の先端開放または先端短絡(即ち先端の
インピーダンスZL8、ZL9=0又は∞)の第1、第
2の調整スタブ(先端開放または先端短絡高周波線路)
である。長さL8、L9、特性インピーダンスZ8、Z
9の選択方法については後に説明する。理解を助けるた
め以下で使用する各部分の記号と符号について表1にま
とめる。
形態1のフィルタ回路について図面により説明する。図
1において、1は一端から他端に向けて高周波信号を伝
送する特性インピーダンスZ1のRF帯伝送線路(高周
波伝送線路)、8、9は伝送線路の伝搬定数が非分散特
性を有し、損失が少なく、RF帯伝送線路1の同一点に
並列接続された各々長さL8、L9で、特性インピーダ
ンスZ8、Z9の先端開放または先端短絡(即ち先端の
インピーダンスZL8、ZL9=0又は∞)の第1、第
2の調整スタブ(先端開放または先端短絡高周波線路)
である。長さL8、L9、特性インピーダンスZ8、Z
9の選択方法については後に説明する。理解を助けるた
め以下で使用する各部分の記号と符号について表1にま
とめる。
【0018】
【表1】
【0019】図1において、所望波fc(第1の周波数
の信号という)と不要波fx(第2の周波数の信号とい
う)の周波数関係がK{Kは正の実数、即ちK≠2n、
またはK≠1/(2n)ここで(n=1,2,3・・・
即ち1以上の正の整数)}倍の関係(即ちfx=K・f
c)であるとき、第1、第2の調整スタブ20a、20
bの先端を開放または短絡(ZL8=0又は∞、ZL9
=0又は∞)にし、第1、第2の調整スタブ8、9の長
さL8、L9と、特性インピーダンスZ8、Z9をそれ
ぞれ調整することによって、任意周波数の不要波を阻止
することができる。以下の説明では、第1、第2の調整
スタブ8、9の先端の状態が、以下の3通りの場合に分
けて説明する。 1)第1、第2の調整スタブが、ともに、先端開放(Z
L8=ZL9=∞)のとき。(本実施の形態で説明) 2)第1、第2の調整スタブが、共に、先端短絡(ZL
8=ZL9=0)のとき。(実施の形態2で説明) 3)1つの調整スタブは先端短絡、他の1つの調整スタ
ブは開放(ZL8=0、ZL9=∞又はZL8=∞、Z
L9=0)のとき。(実施の形態3で説明)
の信号という)と不要波fx(第2の周波数の信号とい
う)の周波数関係がK{Kは正の実数、即ちK≠2n、
またはK≠1/(2n)ここで(n=1,2,3・・・
即ち1以上の正の整数)}倍の関係(即ちfx=K・f
c)であるとき、第1、第2の調整スタブ20a、20
bの先端を開放または短絡(ZL8=0又は∞、ZL9
=0又は∞)にし、第1、第2の調整スタブ8、9の長
さL8、L9と、特性インピーダンスZ8、Z9をそれ
ぞれ調整することによって、任意周波数の不要波を阻止
することができる。以下の説明では、第1、第2の調整
スタブ8、9の先端の状態が、以下の3通りの場合に分
けて説明する。 1)第1、第2の調整スタブが、ともに、先端開放(Z
L8=ZL9=∞)のとき。(本実施の形態で説明) 2)第1、第2の調整スタブが、共に、先端短絡(ZL
8=ZL9=0)のとき。(実施の形態2で説明) 3)1つの調整スタブは先端短絡、他の1つの調整スタ
ブは開放(ZL8=0、ZL9=∞又はZL8=∞、Z
L9=0)のとき。(実施の形態3で説明)
【0020】1) 第1、第2の調整スタブ8、9が共
に先端開放(ZL8=ZL9=∞)のとき。図1におい
て、伝送線路1の上の第1、第2の調整スタブ8、9が
接続されている点から、並列接続された第1,第2の調
整スタブ8、9の側を見た総入力インピーダンスZin
は、不要波周波数fxにおける値をZin_xとすると、1
/Zin_x =1/Zin_8x +1/Zin_9x
・・・・(3)ここでZin_8xとZin_9xは、それぞれ前
記接続点から第1、第2の調整スタブ8、9を見た不要
周波数fxでのインピーダンスである。(3)式は 1/Zin_x= jtan(2π/λx・L8)/Z8+jtan(2π/λx・L9)/Z9=∞・・・(4) となる。(λxは不要波周波数fxにおける1波長であ
る。)
に先端開放(ZL8=ZL9=∞)のとき。図1におい
て、伝送線路1の上の第1、第2の調整スタブ8、9が
接続されている点から、並列接続された第1,第2の調
整スタブ8、9の側を見た総入力インピーダンスZin
は、不要波周波数fxにおける値をZin_xとすると、1
/Zin_x =1/Zin_8x +1/Zin_9x
・・・・(3)ここでZin_8xとZin_9xは、それぞれ前
記接続点から第1、第2の調整スタブ8、9を見た不要
周波数fxでのインピーダンスである。(3)式は 1/Zin_x= jtan(2π/λx・L8)/Z8+jtan(2π/λx・L9)/Z9=∞・・・(4) となる。(λxは不要波周波数fxにおける1波長であ
る。)
【0021】一方、伝送線路1の上の第1、第2の調整
スタブ8、9が接続されている点から、並列接続された
第1,第2の調整スタブ8、9の側を見た総入力インピ
ーダンスZinは、所望波周波数fcにおける値をZin_c
とすると、 1/Zin_c = 1/Zin_8c +1/Zin_8c ・・・(5) ここでZin_8cとZin_9cは、それぞれ前記接続点から第
1、第2の調整スタブ8、9を見た所望周波数fcでの
インピーダンスである。 (5)式は =jtan(2π/λc・L8)/Z8+jtan(2π/λc・L9)/Z9=0・・・(6) となる。( Zin_cは、Zin_8c、Zin_9cを並列接続した
インピーダンスである。λcは所望波周波数における1
波長である。)
スタブ8、9が接続されている点から、並列接続された
第1,第2の調整スタブ8、9の側を見た総入力インピ
ーダンスZinは、所望波周波数fcにおける値をZin_c
とすると、 1/Zin_c = 1/Zin_8c +1/Zin_8c ・・・(5) ここでZin_8cとZin_9cは、それぞれ前記接続点から第
1、第2の調整スタブ8、9を見た所望周波数fcでの
インピーダンスである。 (5)式は =jtan(2π/λc・L8)/Z8+jtan(2π/λc・L9)/Z9=0・・・(6) となる。( Zin_cは、Zin_8c、Zin_9cを並列接続した
インピーダンスである。λcは所望波周波数における1
波長である。)
【0022】式(4)、(6)より、Z8=Z9のと
き、次式が得られる。 L8 = ( 2m+1)(λc/4)/ K …(7) L9 = (2nK-2m-1)(λc/4)/ K …(8) ここで mは :0,1,2,3,…即ち正の整数、 nは :1,2,3,4,…即ち1以上の正の整数、 fx=K・fcである。 式(7)、(8)により、第1、第2の調整スタブ8、
9のスタブ長さL8、L9を決定することにより、所望
波周波数fcを通過させ、不要波周波数fxを阻止でき
る。さらに、Z8、Z9の特性インピーダンスを調整す
ることにより、式(4),(6)より、不要波阻止帯
域、所望波通過帯域の調整ができる。Z8、Z9の特性
インピーダンスを大きくすることにより、不要波阻止帯
域が狭まり、所望波通過帯域が広がる。逆に、Z8、Z
9の特性インピーダンスを小さくすることにより、不要
波阻止帯域が広がり、所望波通過帯域が狭まる。図1の
フィルタ回路では、その構成が従来の多段フィルタ回路
より単純化されているので、低損失化も期待できる。
き、次式が得られる。 L8 = ( 2m+1)(λc/4)/ K …(7) L9 = (2nK-2m-1)(λc/4)/ K …(8) ここで mは :0,1,2,3,…即ち正の整数、 nは :1,2,3,4,…即ち1以上の正の整数、 fx=K・fcである。 式(7)、(8)により、第1、第2の調整スタブ8、
9のスタブ長さL8、L9を決定することにより、所望
波周波数fcを通過させ、不要波周波数fxを阻止でき
る。さらに、Z8、Z9の特性インピーダンスを調整す
ることにより、式(4),(6)より、不要波阻止帯
域、所望波通過帯域の調整ができる。Z8、Z9の特性
インピーダンスを大きくすることにより、不要波阻止帯
域が狭まり、所望波通過帯域が広がる。逆に、Z8、Z
9の特性インピーダンスを小さくすることにより、不要
波阻止帯域が広がり、所望波通過帯域が狭まる。図1の
フィルタ回路では、その構成が従来の多段フィルタ回路
より単純化されているので、低損失化も期待できる。
【0023】実施の形態2.実施の形態2の図は実施の
形態1の図1と同じなので、図1を用いて説明する。ま
た、各式に用いる符号も特に断らない限り実施の形態1
と同じ意味として用いる。 2) 第1、第2の調整スタブがともに、先端短絡(Z
L8=ZL9=0)のとき。図1において、第1、第2
の調整スタブの接続点から並列接続された両調整スタブ
を見た入力インピーダンスは、不要波周波数fxにおい
て、 1/Zin_x = 1/Zin_8x + 1/Zin_9x ・・・・(9) = 1/{jZ8・tan(2π/λx・L8)}+ 1/{jZ9・tan(2π/λx・L9)}=∞ ・・(10) となる。所望波周波数fc においては、 1/Zin_c = 1/Zin_8c +1/Zin_9c ・・(11) =1/{jZ8・tan(2π/λc・L8)}+1/{jZ9・tan(2π/λc・L9)}=0・(12) となる。式(10)、(12)より、Z8=Z9のとき
次式が得られる。 L8 = m(λc / 2) / K、 …(13) L9 = (nK-m)(λc/2 )/ K …(14) m :1,2,3,4,…即ち、1以上の正の整数、 n :1,2,3,4,…即ち、1以上の正の整数、
形態1の図1と同じなので、図1を用いて説明する。ま
た、各式に用いる符号も特に断らない限り実施の形態1
と同じ意味として用いる。 2) 第1、第2の調整スタブがともに、先端短絡(Z
L8=ZL9=0)のとき。図1において、第1、第2
の調整スタブの接続点から並列接続された両調整スタブ
を見た入力インピーダンスは、不要波周波数fxにおい
て、 1/Zin_x = 1/Zin_8x + 1/Zin_9x ・・・・(9) = 1/{jZ8・tan(2π/λx・L8)}+ 1/{jZ9・tan(2π/λx・L9)}=∞ ・・(10) となる。所望波周波数fc においては、 1/Zin_c = 1/Zin_8c +1/Zin_9c ・・(11) =1/{jZ8・tan(2π/λc・L8)}+1/{jZ9・tan(2π/λc・L9)}=0・(12) となる。式(10)、(12)より、Z8=Z9のとき
次式が得られる。 L8 = m(λc / 2) / K、 …(13) L9 = (nK-m)(λc/2 )/ K …(14) m :1,2,3,4,…即ち、1以上の正の整数、 n :1,2,3,4,…即ち、1以上の正の整数、
【0024】式(13)、(14)により、第1、第2
の調整スタブ8、9のスタブ長さL8、L9を決定する
ことにより、所望波周波数fcを通過させ、不要波周波
数fxを阻止できる。さらに、Z8、Z9の特性インピ
ーダンスを調整することにより、式(10)、(12)
より、不要波阻止帯域、所望波通過帯域の調整ができ
る。Z8、Z9の特性インピーダンスを大きくすること
により、不要波阻止帯域が狭まり、所望波通過帯域が広
がる。逆に、Z8、Z9の特性インピーダンスを小さく
することにより、不要波阻止帯域が広がり、所望波通過
帯域が狭まる。
の調整スタブ8、9のスタブ長さL8、L9を決定する
ことにより、所望波周波数fcを通過させ、不要波周波
数fxを阻止できる。さらに、Z8、Z9の特性インピ
ーダンスを調整することにより、式(10)、(12)
より、不要波阻止帯域、所望波通過帯域の調整ができ
る。Z8、Z9の特性インピーダンスを大きくすること
により、不要波阻止帯域が狭まり、所望波通過帯域が広
がる。逆に、Z8、Z9の特性インピーダンスを小さく
することにより、不要波阻止帯域が広がり、所望波通過
帯域が狭まる。
【0025】実施の形態3.実施の形態3の図は実施の
形態1の図1と同じなので、図1を用いて説明する。ま
た、各式に用いる符号も特に断らない限り実施の形態1
と同じ意味として用いる。 3)1つのスタブが先端短絡、1つのスタブが先端開放
(ZL8=0、ZL9=∞ 又はZL8=∞、ZL9=
0)のとき。図1において、第1、第2の調整スタブ
8、9の接続点から並列接続された線路8、9を見た入
力インピーダンスは、ZL8=∞、 ZL9=0のとき
不要波fxにおいて、 1/Zin_x = 1/Zin_2x +1/Zin_3x ・・・・(15) =jtan(2π/λx・L8)/Z8+ 1/{jZ9・tan(2π/λx・L9)}=∞ …(16) となる。所望波周波数fc においては、 1/Zin_c = 1/Zin_8c +1/Zin_8c ・・・(17) =jtan(2π/λc・L8)/Z8+1/{jZ9・tan(2π/λc・L9)}=0 ・・・(18) となる。式(16)、(18)より、Z8=Z9のと
き、次の(I),(II)の2通りの式が得られる。
形態1の図1と同じなので、図1を用いて説明する。ま
た、各式に用いる符号も特に断らない限り実施の形態1
と同じ意味として用いる。 3)1つのスタブが先端短絡、1つのスタブが先端開放
(ZL8=0、ZL9=∞ 又はZL8=∞、ZL9=
0)のとき。図1において、第1、第2の調整スタブ
8、9の接続点から並列接続された線路8、9を見た入
力インピーダンスは、ZL8=∞、 ZL9=0のとき
不要波fxにおいて、 1/Zin_x = 1/Zin_2x +1/Zin_3x ・・・・(15) =jtan(2π/λx・L8)/Z8+ 1/{jZ9・tan(2π/λx・L9)}=∞ …(16) となる。所望波周波数fc においては、 1/Zin_c = 1/Zin_8c +1/Zin_8c ・・・(17) =jtan(2π/λc・L8)/Z8+1/{jZ9・tan(2π/λc・L9)}=0 ・・・(18) となる。式(16)、(18)より、Z8=Z9のと
き、次の(I),(II)の2通りの式が得られる。
【0026】(I)先端短絡の第1の調整スタブ8で不
要波を阻止するとき L8 = {(2m+1)K-2n}(λc/4)/ K、 …(19) L9 = n(λc/2)/ K …(20) m :0,1,2,3,…即ち、正の整数、 n :0,1,2,3,…即ち、正の整数、 (II)先端開放の第1の調整スタブ8で不要波を阻止
するとき L8 = (2m+1)(λc / 4)/K、 …(21) L9 = {(2n+1)K-2m-1}(λc /4)/K …(22) m :0,1,2,3,…即ち、正の整数、 n :0,1,2,3,…即ち、正の整数、
要波を阻止するとき L8 = {(2m+1)K-2n}(λc/4)/ K、 …(19) L9 = n(λc/2)/ K …(20) m :0,1,2,3,…即ち、正の整数、 n :0,1,2,3,…即ち、正の整数、 (II)先端開放の第1の調整スタブ8で不要波を阻止
するとき L8 = (2m+1)(λc / 4)/K、 …(21) L9 = {(2n+1)K-2m-1}(λc /4)/K …(22) m :0,1,2,3,…即ち、正の整数、 n :0,1,2,3,…即ち、正の整数、
【0027】式(19)、(20)、または(21)、
(22)により、第1、第2の調整スタブ8、9のスタ
ブ長さL8、L9を決定することにより、所望波周波数
fcを通過させ、不要波周波数fxを阻止できる。さら
に、Z8=Z9の特性インピーダンスを調整することに
より、式(16)、(18)より、不要波阻止帯域、所
望波通過帯域の調整ができる。即ちZ8=Z9の特性イ
ンピーダンスを大きくすることにより、不要波阻止帯域
が狭まり、所望波通過帯域が広がる。逆に、Z8=Z9
の特性インピーダンスを小さくすることにより、不要波
阻止帯域が広がり、所望波通過帯域が狭まる。
(22)により、第1、第2の調整スタブ8、9のスタ
ブ長さL8、L9を決定することにより、所望波周波数
fcを通過させ、不要波周波数fxを阻止できる。さら
に、Z8=Z9の特性インピーダンスを調整することに
より、式(16)、(18)より、不要波阻止帯域、所
望波通過帯域の調整ができる。即ちZ8=Z9の特性イ
ンピーダンスを大きくすることにより、不要波阻止帯域
が狭まり、所望波通過帯域が広がる。逆に、Z8=Z9
の特性インピーダンスを小さくすることにより、不要波
阻止帯域が広がり、所望波通過帯域が狭まる。
【0028】実施の形態4.図2は、N逓倍器に実施の
形態1〜3のフィルタ回路を応用し、逓倍に伴い発生す
る高調波を阻止する例を示す回路構成である(N=2,3,
4,…)。図において、4は基本周波数波を取込み基本周
波数と複数の逓倍波(又は高調波)とを出力する能動回
路、5は能動回路4の出力側に接続された高周波伝送路
の途中に挿入された基本波反射回路、6は同じく2倍波
反射回路、7は(N−1)倍波反射回路である。基本波
反射回路5,2倍波反射回路6,(N−1)倍波反射回
路7はいずれも本発明の実施の形態1〜3のいずれかの
フィルタ回路である。逓倍数N(N=2,3,4,…即ち2以
上の正の整数)が増すと、所望逓倍波fcと不要逓倍波
fxの周波数関係がfc=2n・fxまたはfc=fx
/2nの関係を満たさないものが生じるようになること
はいうまでもないが、このような場合にも、本発明のフ
ィルタ回路を用いることにより、逓倍器の小型化が可能
となる。
形態1〜3のフィルタ回路を応用し、逓倍に伴い発生す
る高調波を阻止する例を示す回路構成である(N=2,3,
4,…)。図において、4は基本周波数波を取込み基本周
波数と複数の逓倍波(又は高調波)とを出力する能動回
路、5は能動回路4の出力側に接続された高周波伝送路
の途中に挿入された基本波反射回路、6は同じく2倍波
反射回路、7は(N−1)倍波反射回路である。基本波
反射回路5,2倍波反射回路6,(N−1)倍波反射回
路7はいずれも本発明の実施の形態1〜3のいずれかの
フィルタ回路である。逓倍数N(N=2,3,4,…即ち2以
上の正の整数)が増すと、所望逓倍波fcと不要逓倍波
fxの周波数関係がfc=2n・fxまたはfc=fx
/2nの関係を満たさないものが生じるようになること
はいうまでもないが、このような場合にも、本発明のフ
ィルタ回路を用いることにより、逓倍器の小型化が可能
となる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明のフィルタ回路
によれば、RF帯伝送線路の同一点に先端を開放した2
本のスタブを接続し、そのスタブ長、特性インピーダン
スを調整することにより、任意周波数の不要波を阻止で
き、回路の小型化、および低損失化が可能となるという
効果が得られる。
によれば、RF帯伝送線路の同一点に先端を開放した2
本のスタブを接続し、そのスタブ長、特性インピーダン
スを調整することにより、任意周波数の不要波を阻止で
き、回路の小型化、および低損失化が可能となるという
効果が得られる。
【0030】また、RF帯伝送線路の同一点に先端を短
絡した2本のスタブを接続し、そのスタブ長、特性イン
ピーダンスを調整することにより、任意周波数の不要波
を阻止でき、回路の小型化、および低損失化が可能とな
るという効果が得られる。
絡した2本のスタブを接続し、そのスタブ長、特性イン
ピーダンスを調整することにより、任意周波数の不要波
を阻止でき、回路の小型化、および低損失化が可能とな
るという効果が得られる。
【0031】また、RF帯伝送線路の同一点に先端を開
放したスタブと、先端を短絡したスタブとの2本のスタ
ブを並列に接続し、そのスタブ長、特性インピーダンス
を調整することにより、任意周波数の不要波を阻止で
き、回路の小型化、および低損失化が可能となるという
効果が得られる。
放したスタブと、先端を短絡したスタブとの2本のスタ
ブを並列に接続し、そのスタブ長、特性インピーダンス
を調整することにより、任意周波数の不要波を阻止で
き、回路の小型化、および低損失化が可能となるという
効果が得られる。
【0032】この発明の周波数逓倍回路によれば、不要
なスプリアスを阻止するフィルタ回路の構成が簡単なの
で、逓倍回路の構成を簡単化することができる。
なスプリアスを阻止するフィルタ回路の構成が簡単なの
で、逓倍回路の構成を簡単化することができる。
【図1】この発明の実施の形態1〜3によるフィルタの
回路図である。
回路図である。
【図2】この発明の実施の形態4による逓倍器の構成図
である。
である。
【図3】従来の先端開放単一スタブを用いたフィルタ回
路の回路図である。
路の回路図である。
【図4】従来の先端短絡単一スタブを用いたフィルタ回
路の回路図である。
路の回路図である。
【図5】従来のLPF回路の回路図である。
1 RF帯伝送線路、 2 スタブ、3a,3b ス
タブ線路間を繋ぐRF帯伝送線路、 4 能動回路、
5 基本波反射回路、 6 2倍波反射回路、 7
N−1倍波反射回路、8 第1の調整スタブ、 9
第2の調整スタブ。
タブ線路間を繋ぐRF帯伝送線路、 4 能動回路、
5 基本波反射回路、 6 2倍波反射回路、 7
N−1倍波反射回路、8 第1の調整スタブ、 9
第2の調整スタブ。
Claims (7)
- 【請求項1】 高周波信号を伝送する高周波伝送線路、
前記高周波伝送線路上の1点に並列に接続され、その先
端が開放された2本の先端開放高周波線路、前記2本の
先端開放高周波線路の特性インピーダンスと、長さとを
それぞれ調整し、前記高周波伝送線路を伝送された前記
高周波信号に含まれる第1の周波数の信号を通過させ、
第2の周波数の信号の通過を阻止することを特徴とする
フィルタ回路。 - 【請求項2】 前記2本の先端開放高周波線路の伝搬定
数が非分散特性を有し、特性インピーダンスが互いに等
しく、前記第1の周波数のK倍が前記第2の周波数にほ
ぼ等しいとき、前記第1の周波数の信号の波長をλcと
し、mを正の整数、nを1以上の正の整数としたとき、
前記2本の先端開放高周波線路の長さを、一方は(2m
+1)(λc / 4) / Kで、他方は (2nK−2m−
1)(λc / 4) / Kで表される値に設定したことを特
徴とする請求項1に記載のフィルタ回路。 - 【請求項3】 高周波信号を伝送する高周波伝送線路、
前記高周波伝送線路上の1点に並列に接続され、その先
端が短絡された2本の先端短絡高周波線路、前記先端短
絡高周波線路の特性インピーダンスと、長さとをそれぞ
れ調整し、前記高周波伝送線路を伝送された前記高周波
信号に含まれる第1の周波数の信号を通過させ、第2の
周波数の信号の通過を阻止することを特徴とするフィル
タ回路。 - 【請求項4】 前記2本の先端短絡高周波線路の伝搬定
数が非分散特性を有し、特性インピーダンスが互いに等
しく、前記第1の周波数のK倍が前記第2の周波数にほ
ぼ等しいとき、前記第1の周波数の信号の波長をλcと
し、mおよびnを1以上の正の整数としたとき、前記2
本の先端短絡高周波線路の長さを、一方は mλc / 2 /
K、他方は (nK-m)λc / 2 / Kとしたことを特徴とす
る請求項3に記載のフィルタ回路。 - 【請求項5】 高周波信号を伝送する高周波伝送線路、
前記高周波伝送線路上の1点に接続された、先端が短絡
された先端短絡高周波線路、前記先端短絡高周波線路に
並列に前記1点で接続された先端開放高周波線路、前記
先端短絡高周波線路の特性インピーダンスと長さを調整
すると共に、前記先端開放高周波線路の特性インピーダ
ンスと長さを調整し、前記高周波伝送線路を伝送された
前記高周波信号に含まれる第1の周波数の信号を通過さ
せ、第2の周波数の信号の通過を阻止することを特徴と
するフィルタ回路。 - 【請求項6】 前記2本の先端短絡高周波線路の伝搬定
数が非分散特性を有し、特性インピーダンスが互いに等
しく、前記第1の周波数のK倍が前記第2の周波数にほ
ぼ等しいとき、前記第1の周波数の信号の波長をλcと
し、mおよびnを正の整数としたとき、前記2本の先端
短絡高周波線路の長さを、一方は {(2m+1)K−
2n}(λc / 4) / K、他方は n(λc / 2) /
K、又は、一方は (2m+1)(λc / 4)/K、他
方は {(2n+1)K−2m−1}(λc / 4)/
K、としたことを特徴とする請求項5に記載のフィルタ
回路。 - 【請求項7】 入力された周波数f0の信号を増幅し、
周波数f0の整数倍の高調波信号を出力する増幅回路、
前記増幅回路の出力側に接続され、nを2以上の正の整
数とするとき、前記f0のn倍の周波数の信号を通過
し、f0のn倍以外の前記f0の整数倍の周波数の信号
の通過を阻止する請求項1〜6に記載のフィルタ回路を
備え、周波数f0の基本波が入力されたとき、周波数f
0のn倍の逓倍波を出力することを特徴とする周波数逓
倍回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002114939A JP2003309401A (ja) | 2002-04-17 | 2002-04-17 | フィルタ回路およびこのフィルタ回路を用いた周波数逓倍回路 |
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JP2002114939A JP2003309401A (ja) | 2002-04-17 | 2002-04-17 | フィルタ回路およびこのフィルタ回路を用いた周波数逓倍回路 |
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008113402A (ja) * | 2006-05-09 | 2008-05-15 | Mitsubishi Electric Corp | 増幅器 |
JP2010081500A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Nippon Antenna Co Ltd | 統合アンテナ |
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