JP2007228169A - 90度ハイブリッド回路 - Google Patents

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毅 大島
Hideyuki Saotome
秀之 早乙女
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Abstract

【課題】所望の伝送特性に応じた素子の値を容易に決定できる90度ハイブリッド回路を得る。
【解決手段】同一構成からなる4つの共振回路を備え、4つの接続部5〜8のそれぞれの間に4つの伝送線路9〜12を接続し、4つの接続部5〜8のそれぞれと4つの入出力端子1〜4のそれぞれとの間に4つの共振回路のそれぞれを接続してなる90度ハイブリッド回路であって、4つの伝送線路9〜12のそれぞれは、所定の周波数帯域の中心周波数において略1/4波長となる長さを有し、4つの共振回路のそれぞれは、中心周波数と略同一となる共振周波数を有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波帯やミリ波帯で使用される90度ハイブリッド回路に関する。
従来の90度ハイブリッド回路は、入出力端子#1ないし#4と、キャパシタンスC1、C2、Cmと、インダクタンスLmと、一端を接地したインダクタンスLpにより構成される。キャパシタンスC1、C2とインダクタンスLpにより90度ハイブリッド回路が構成され、キャパシタンスCmとインダクタンスLmによる直列共振回路を装荷することで、広い周波数帯域に渡り90度ハイブリッド回路として動作させている。(例えば、非特許文献1参照)。
また、従来の別の90度ハイブリッド回路は、入出力端子#1ないし#4と、特性アドミッタンスY1、Y2の1/4波長線路と、特性アドミッタンスYstubの1/4波長先端開放直列スタブにより構成される。特性アドミッタンスY1、Y2の1/4波長線路により90度ハイブリッド回路が構成され、特性アドミッタンスYstubの1/4波長先端開放直列スタブを装荷することで、広い周波数帯域に渡り90度ハイブリッド回路として動作させている。(例えば、非特許文献1、2参照)。
I.Ohta and T.Kawai,"Design of quadrature hybrids and directional couplers based on the equivalent admittance approach,"IEICE Trans. Electron.,vol.E88−C,no.1,pp.2−14,Jan. 2005. 城之薗心弥,太田勲,"広帯域/2周波帯ユニプレーナ型ブランチラインカプラの設計,"2005年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会,C−2−50,2005年.
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。従来の90度ハイブリッド回路では、所定の周波数帯域における反射を抑制して、より高性能に動作させたい場合、あるいは、許容される反射振幅に対して、より広い周波数帯域で動作させたい場合など、所望の伝送特性に応じた設計を行う必要がある場合に、90度ハイブリッド回路を構成する素子の値を決定するのが困難であるという課題があった。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、所望の伝送特性に応じた素子の値を容易に決定できる90度ハイブリッド回路を得ることを目的とする。
本発明に係る90度ハイブリッド回路は、第1の入出力端子ないし第4の入出力端子と、第1の接続部ないし第4の接続部と、第1の伝送線路ないし第4の伝送線路と、キャパシタンスおよびインダクタンスを有する同一構成からなる4つの共振回路とを備え、第1の接続部と第2の接続部との間に第1の伝送線路が接続され、第2の接続部と第3の接続部との間に第2の伝送線路が接続され、第3の接続部と第4の接続部との間に第3の伝送線路が接続され、第4の接続部と第1の接続部との間に第4の伝送線路が接続され、第1の接続部と第1の入出力端子との間、第2の接続部と第2の入出力端子との間、第3の接続部と第3の入出力端子との間、および第4の接続部と第4の入出力端子との間のそれぞれに、4つの共振回路のそれぞれが接続された構成を有する90度ハイブリッド回路であって、第1の伝送線路ないし第4の伝送線路は、所定の周波数帯域の中心周波数において略1/4波長となる長さを有し、4つの共振回路のそれぞれは、中心周波数と略同一となる共振周波数を有するものである。
本発明によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において1/4波長の長さを有する伝送線路と、中心周波数と同一の共振周波数を有する共振回路とにより回路を構成することにより、所望の伝送特性に応じた素子の値を容易に決定できる90度ハイブリッド回路を得ることができる。
以下、本発明の90度ハイブリッド回路の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る90度ハイブリッド回路の構成を示す回路図である。図1の90度ハイブリッド回路は、4つの入出力端子として、第1の入出力端子1、第2の入出力端子2、第3の入出力端子3、および第4の入出力端子4を備えている。また、4つの接続部として、第1の接続部5、第2の接続部6、第3の接続部7、および第4の接続部8を備えている。
また、4つの伝送線路として、第1の伝送線路9、第2の伝送線路10、第3の伝送線路11、および第4の伝送線路12を備えている。さらに、第1の共振回路13と第2の共振回路14に続いて、第1の共振回路13に相当する直列共振回路(第1の共振回路13と同一の直列構成を有し、同一の共振周波数を有するが、必ずしも素子の値は同一でないもの)と第2の共振回路14に相当する並列共振回路(第2の共振回路14と同一の並列構成を有し、同一の共振周波数を有するが、必ずしも素子の値は同一でないもの)とを交互に縦続接続して構成された共振回路を4つ備えている。
ここで、第1の伝送線路9および第3の伝送線路11の特性インピーダンスをZc1とし、第2の伝送線路10および第4の伝送線路12の特性インピーダンスをZc2として、さらに、第1の伝送線路9ないし第4の伝送線路12のそれぞれの長さを、所定の周波数帯域の中心周波数fにおいて、1/4波長となるように設定する。
第1の共振回路13は、キャパシタンスC(第1のキャパシタンスに相当)とインダクタンスL(第1のインダクタンスに相当)を直列に接続して構成される。また、第2の共振回路14は、キャパシタンスC(第2のキャパシタンスに相当)とインダクタンスL(第2のインダクタンスに相当)を並列に接続して構成される。そして、第1の共振回路13および第2の共振回路14の共振周波数は、ともに、上述した伝送線路の中心周波数fと同一となるように設定する。
図1に示す90度ハイブリッド回路は、第1の接続部5と第2の接続部6との間に第1の伝送線路9が接続され、第2の接続部6と第3の接続部7との間に第2の伝送線路10が接続され、第3の接続部7と第4の接続部8との間に第3の伝送線路11が接続され、さらに、第4の接続部8と第1の接続部5との間に第4の伝送線路12が接続されている。
また、直列共振回路である第1の共振回路13と、並列共振回路である第2の共振回路14に続いて、第1の共振回路13に相当する直列共振回路と第2の共振回路14に相当する並列共振回路とを交互に複数個縦続に接続してなる共振回路を、第1の接続部5と第1の入出力端子1との間、第2の接続部6と第2の入出力端子2との間、第3の接続部7と第3の入出力端子3との間、および第4の接続部8と第4の入出力端子4との間の4箇所に配置している。さらに、第1の入出力端子1ないし第4の入出力端子4には、それぞれ負荷抵抗Rが接続される。
なお、上述した第1の共振回路13と第2の共振回路14に続いて、第1の共振回路13に相当する直列共振回路と第2の共振回路14に相当する並列共振回路とを交互に複数個縦続に接続してなる共振回路は、複数個の個数が2個の場合には、第1の共振回路13と第2の共振回路14とを1つずつ縦続接続して構成される。また、複数個の個数を3以上とした場合の共振回路は、1段目に第1の共振回路13、2段目に第2の共振回路14が縦続接続され、続いて、3段目以降の奇数段に第1の共振回路13に相当する直列共振回路、4段目以降の偶数段に第2の共振回路14に相当する並列共振回路がそれぞれ交互に配置されるようにして縦続接続される。また、複数個ではなく1段で共振回路を構成する場合には、共振回路は、第1の共振回路13のみで構成される。
以下の説明においては、このような共振回路に含まれている第1の共振回路13または第1の共振回路13に相当する直列共振回路と、第2の共振回路14または第2の共振回路14に相当する並列共振回路の総数をN個(Nは1以上の整数)とし、段数Nの共振回路と呼ぶこととする。
次に、本実施の形態1に係る90度ハイブリッド回路の動作について説明する。
まず、所定の周波数帯域の下端をf、上端をfとする。中心周波数fと比帯域幅wは、周波数fと周波数fを用いて、それぞれ下式(1)により与える。
Figure 2007228169
次に、共振回路の段数Nが奇数の場合に、第1の伝送線路9および第3の伝送線路11の特性インピーダンスZc1の値と、第2の伝送線路10および第4の伝送線路12の特性インピーダンスZc2の値と、第1の共振回路13および第2の共振回路14を構成するキャパシタンスCおよびインダクタンスL(i=1,...,N)の値とを、共振回路の段数Nに応じて、下式(2)により与える。
Figure 2007228169
また、共振回路の段数Nが偶数の場合に、同様の値を共振回路の段数Nに応じて、下式(3)により与える。
Figure 2007228169
上式(2)および(3)において、係数gi+1(i=1,2,...,N)と係数gN+2の値は、文献(G.Matthaei,L.Young,and E.M.T.Jones:Microwave filters,impedance−matching networks,and coupling structures,Artech House,New York,1980.)において示されている方法を利用して求めることができる。
算出方法を要約すると、下記の通りである。係数gi+1(i=1,2,...,N)と係数gN+2は、下式(4)のように与えられる。
Figure 2007228169
上式(4)において、係数Hは、チェビシェフリップル、係数δは、decrementを表す。本実施の形態1に係る90度ハイブリッド回路においては、係数δを下式(5)のように与える。
Figure 2007228169
また、所定の周波数帯域における反射振幅の最大値|Γ|maxは、下式(6)により求められる。
Figure 2007228169
上式(4)および(6)から、所定の周波数帯域における反射振幅の最大値|Γ|maxは、係数δ、共振回路の段数N、チェビシェフリップルHにより表される。係数δと段数Nの各値を固定すると、所定の周波数帯域における反射振幅の最大値|Γ|maxは、チェビシェフリップルHの値のみに依存する。
本実施の形態1に係る90度ハイブリッド回路では、所定の周波数帯域における反射を抑制して、より高性能に動作させる場合に、チェビシェフリップルHの値を、所定の周波数帯域における反射振幅の最大値|Γ|maxが最小となるように選択する。
一方、許容される反射振幅を与えて、より広い周波数帯域に渡り90度ハイブリッド回路として動作させる場合には、上述の反射振幅の最大値|Γ|maxを許容される反射振幅として設定する。
許容される反射振幅|Γ|maxおよび共振回路の段数Nの各値を固定すると、上式(4)および(6)から、係数δは、チェビシェフリップルHの値のみに依存する。上式(5)から、係数δの値が小さくなるほど比帯域幅wの値は大きくなり、許容される反射振幅|Γ|maxの値より小さくなる反射振幅の周波数帯域が広がる。即ち、より広い周波数帯域に渡り90度ハイブリッド回路として動作する。
このように、本実施の形態1に係る90度ハイブリッド回路では、許容される反射振幅を与えて、より広い周波数帯域に渡り90度ハイブリッド回路として動作させる場合に、チェビシェフリップルHの値を、係数δが最小になるように選択する。
上記にしたがって、係数gi+1(i=1,2,...,N)と係数gN+2の値を求めて、共振回路の段数Nの偶奇に応じて、式(2)あるいは(3)に代入することで、第1の伝送線路9ないし第4の伝送線路12の特性インピーダンスZc1、Zc2の値と、第1の共振回路13および第2の共振回路14を構成するキャパシタンスCとインダクタンスL(i=1,...,N)の値とを決定することができる。
以上のように、実施の形態1によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において1/4波長の長さを有する伝送線路と、中心周波数と同一の共振周波数を有する共振回路とにより90度ハイブリッド回路を構成している。この結果、所定の周波数帯域における反射を抑制して、より高性能に動作させる、あるいは、許容される反射振幅に対して、より広い周波数帯域で動作させるなど、所望の伝送特性に応じた素子の値を容易に決定することのできる90度ハイブリッド回路を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2以降では、所望の伝送特性を有する90度ハイブリッド回路の設計について、具体的に説明する。
図2は、本発明の実施の形態2に係る90度ハイブリッド回路の構成を示す回路図である。本実施の形態2における図2の回路は、実施の形態1における図1の回路における共振回路を、第1の共振回路13のみの1段で構成しているものである。図2において、図1と同一符号は、同一または相当部分を示すものであり、説明を省略する。
次に、図2の構成を有する90度ハイブリッド回路の伝送特性を具体的に説明する。
説明の便宜上、所定の周波数帯域を1.92〜2.17GHz(f=1.92GHz、f=2.17GHz)、共振回路の段数Nを1、第1の入出力端子1ないし第4の入出力端子4に接続される負荷抵抗Rを50Ωに設定する。
上式(1)から、中心周波数fは、2.045GHzと求まる。従って、第1の伝送線路9ないし第4の伝送線路12の長さは、この中心周波数f=2.045GHzおいて、1/4波長となるように選択する。また、上式(1)から、比帯域幅wは0.122(12.2%)と求まる。従って、上式(5)から、係数δは、4.31となる。
係数δ=4.31と共振回路の段数N=1の各値とを、上式(4)および(6)に代入して、上記の所定の周波数帯域(1.92〜2.17GHz)における反射振幅の最大値|Γ|maxが最小となるチェビシェフリップルHを求めると、0.000727dBとなる。この時、所定の周波数帯域における反射振幅の最大値|Γ|maxは、−37dBとなる。そして、係数δ、共振回路の段数N、およびチェビシェフリップルHの各値を上式(4)に代入すると、係数g=0.220、g=1.027と求まる。
さらに、共振回路の段数Nを1(奇数)としていることから、上記の負荷抵抗R=50Ω、中心周波数f=2.045GHz、比帯域幅w=0.122、およびg=0.220、g=1.027の各値を、上式(2)に代入すると、第1の伝送線路9および第3の伝送線路11の特性インピーダンスZc1、第2の伝送線路10および第4の伝送線路12の特性インピーダンスZc2、第1の共振回路13を構成する第1のキャパシタンスCおよび第1のインダクタンスLの値は、それぞれZc1=36.29Ω、Zc2=51.33Ω、C=0.842pF、L=7.194nHと求まる。
このように、第1のキャパシタンスCおよび第1のインダクタンスLの各値から、第1の共振回路13の共振周波数は、2.045GHzとなり、上記の中心周波数fの値と一致する。
次に、このようにして各素子の値が決定された90度ハイブリッド回路の周波数特性について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態2において、図2に示した90度ハイブリッド回路のSパラメータの周波数特性の一例を示す説明図である。図3においては、説明の便宜上、第1の入出力端子1から高周波信号を入力した場合の伝送特性を示している。
図3(a)は、第1の入出力端子1で反射される高周波信号の大きさ、すなわち、反射振幅|S11|の周波数特性を示したものである。図3(b)は、第1の入出力端子1から第4の入出力端子4へ伝送される高周波信号の大きさ、すなわち、アイソレーション|S41|の周波数特性を示したものである。
図3(c)は、第1の入出力端子1から第2の入出力端子2および第3の入出力端子3へ分配される高周波信号の大きさ、すなわち、分配振幅|S21|、|S31|の周波数特性を示したものである。さらに、図3(d)は、第1の入出力端子1から第2の入出力端子2および第3の入出力端子3へ分配される高周波信号の位相差、即ち分配位相差∠(S21/S31)の周波数特性を示したものである。
また、図3(a)〜(d)において、一点鎖線は、設定した周波数帯域(1.92〜2.17GHz)の下端の周波数f(=1.92GHz)と上端の周波数f(=2.17GHz)を表している。
図3(a)に示すSパラメータの周波数特性から、所定の周波数帯域における反射振幅は、−36dB以下となり、上述において見積もられた反射振幅の最大値|Γ|max=−37dBとよく一致する。また、図3(b)〜(d)に示すように、所定の周波数帯域において、高アイソレーション、等分配振幅特性、そして90度位相差特性が維持されており、90度ハイブリッド回路として動作している様子がわかる。
そのため、第1の入出力端子1から、所定の周波数帯域(1.92〜2.17GHz)の帯域幅を有する高周波信号を入力した場合、第1の入出力端子1でほとんど反射せずに90度ハイブリッド回路へ入力され、第4の入出力端子4へほとんど分配されずに、第2の入出力端子2および第3の入出力端子3へ90度の位相差で等分配されることとなる。
このような伝送特性は、第2の入出力端子2、第3の入出力端子3、あるいは第4の入出力端子4のいずれから高周波信号を入力した場合でも、本実施の形態1による90度ハイブリッド回路の構成上の対称性から同様となる。
以上のように、実施の形態2によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において1/4波長の長さを有する伝送線路と、中心周波数と同一の共振周波数を有する共振回路とにより90度ハイブリッド回路を構成している。この結果、所定の周波数帯域における反射を抑制して、より高性能に動作させるための素子の値を容易に決定することのできる90度ハイブリッド回路を得ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、実施の形態2に係る90度ハイブリッド回路において、実施の形態2とは異なる値を設定した場合の伝送特性を具体的に説明する。従って、回路構成は、図2に示したものと同様である。
より具体的には、実施の形態2においては、所望の伝送特性として、所定の周波数帯域を規定した場合に、素子の値を決定する手順を説明した。これに対して、本実施の形態3においては、所望の伝送特性として、反射振幅および中心周波数を規定した場合に、素子の値を決定する手順を説明する。
説明の便宜上、許容される反射振幅|Γ|maxを−20dB、中心周波数fを2GHz、共振回路の段数Nを1、第1の入出力端子1ないし第4の入出力端子4に接続される負荷抵抗Rを50Ωに設定する。従って、第1の伝送線路9ないし第4の伝送線路12の長さは、中心周波数f=2GHzにおいて、1/4波長となるように選択する。
許容される反射振幅|Γ|max=−20dBと共振回路の段数N=1の各値を、上式(4)および(6)に代入して、係数δが最小となるチェビシェフリップルHを求めると、0.0363dBとなる。また、このときの係数δは、1.42となる。係数δの値を上式(5)に代入すると、許容される反射振幅(|Γ|max=−20dB)以下となる比帯域幅wは、0.37(37%)と求まる。そして、係数δ、共振回路の段数N、およびチェビシェフリップルHの各値を、上式(4)に代入すると、係数g=0.471、g=1.223と求まる。
さらに、共振回路の段数Nを1(奇数)としていることから、負荷抵抗R=50Ω、中心周波数f=2GHz、比帯域幅w=0.37、およびg=0.471、g=1.223の各値を、上式(2)に代入すると、第1の伝送線路9および第3の伝送線路11の特性インピーダンスZc1、第2の伝送線路10および第4の伝送線路12の特性インピーダンスZc2、第1の共振回路13を構成する第1のキャパシタンスCおよび第1のインダクタンスLの値は、それぞれZc1=43.24Ω、Zc2=61.15Ω、C=1.027pF、L=6.168nHと求まる。
このように、第1のキャパシタンスCおよび第1のインダクタンスLの各値から、第1の共振回路13の共振周波数は、2GHzとなり、上記の中心周波数fと一致する。
次に、このようにして各素子の値が決定された90度ハイブリッド回路の周波数特性について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態3において、図2に示した90度ハイブリッド回路のSパラメータの周波数特性の一例を示す説明図である。図4においては、説明の便宜上、第1の入出力端子1から高周波信号を入力した場合の伝送特性を示している。
図4(a)〜(d)は、実施の形態2における図3(a)〜(d)と同様の周波数特性を示したものである。そして、図4(a)〜(d)において、一点鎖線は、許容される反射振幅(|Γ|max=−20dB)以下となる周波数範囲(1.65〜2.35GHz)の上端および下端の周波数を表す。
図4(a)に示すSパラメータの周波数特性から、−20dB以下の反射振幅となる比帯域幅は、35%となり、上記において見積もられた比帯域幅w=37%とよく一致する。また、図4(b)〜(d)に示すように、比帯域幅が35%となる周波数帯域(1.65〜2.35GHz)において、高アイソレーション、等分配振幅特性、そして90度位相差特性が維持されており、90度ハイブリッド回路として動作している様子がわかる。
そのため、第1の入出力端子1から、所定の周波数帯域(1.65〜2.35GHz)の帯域幅を有する高周波信号を入力した場合、第1の入出力端子1でほとんど反射せずに90度ハイブリッド回路へ入力され、第4の入出力端子4へほとんど分配されずに、第2の入出力端子2および第3の入出力端子3へ90度の位相差で等分配される。
このような伝送特性は、第2の入出力端子2、あるいは第3の入出力端子3、あるいは第4の入出力端子4から高周波信号を入力した場合でも、本実施の形態1による90度ハイブリッド回路の構成上の対称性から同様となる。
以上のように、実施の形態3によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において1/4波長の長さを有する伝送線路と、中心周波数と同一の共振周波数を有する共振回路とにより90度ハイブリッド回路を構成している。この結果、許容される反射振幅に対して、より広い周波数帯域で動作させるための素子の値を容易に決定することのできる90度ハイブリッド回路を得ることができる。
実施の形態4.
実施の形態2および実施の形態3では、図2に示したように、共振回路として第1の共振回路13を1つのみ用いた場合において、所望の伝送特性を規定した際の素子の値の決定方法と、その決定した値により得られる周波数特性について説明した。これに対して、本実施の形態4では、共振回路として第1の共振回路13と第2の共振回路14とを縦続接続した2段構成のものを用いた場合において、素子の値の決定方法と得られる周波数特性について説明する。
さらに、所望の伝送特性としては、実施の形態3と同様に、反射振幅および中心周波数を規定した場合について説明する。
図5は、本発明の実施の形態4に係る90度ハイブリッド回路の構成を示す回路図である。本実施の形態4における図5の回路構成は、実施の形態2および実施の形態3における図2の回路構成と比較すると、共振回路が第1の共振回路13と第2の共振回路14との縦続接続からなる2段で構成されている点が異なる。図5において、図2と同一符号は、同一または相当部分を示すものであり、説明を省略する。
次に図5の構成を有する90度ハイブリッド回路の伝送特性を具体的に説明する。
説明の便宜上、許容される反射振幅|Γ|maxを−20dB、中心周波数fを2GHz、共振回路の段数Nを2、第1の入出力端子1ないし第4の入出力端子4に接続される負荷抵抗Rを50Ωに設定する。
すなわち、共振回路の段数が2段である以外は、実施の形態3と同様の条件を規定している。そして、第1の伝送線路9ないし第4の伝送線路12の長さは、中心周波数f=2GHzにおいて、1/4波長となるように選択する。
許容される反射振幅|Γ|max=−20dBと共振回路の段数N=2の各値を、上式(4)および(6)に代入して、係数δが最小となるチェビシェフリップルHを求めると、0.0263dBとなる。また、このときの係数δは、1.06となる。係数δの値を上式(5)に代入すると、許容される反射振幅(|Γ|max=−20dB)以下となる比帯域幅wは、0.50(50%)と求まる。そして、係数δ、共振回路の段数N、およびチェビシェフリップルHの各値を、上式(4)に代入すると、係数g=0.966、g=0.730、g=0.883と求まる。
さらに、共振回路の段数Nを2(偶数)としていることから、負荷抵抗R=50Ω、中心周波数f=2GHz、比帯域幅w=0.5、およびg=0.966、g=0.730、g=0.883の各値を、上式(3)に代入すると、第1の伝送線路9および第3の伝送線路11の特性インピーダンスZc1、第2の伝送線路10および第4の伝送線路12の特性インピーダンスZc2、第1の共振回路13を構成する第1のキャパシタンスCおよび第1のインダクタンスL、第2の共振回路14を構成する第2のキャパシタンスCおよび第2のインダクタンスLの値は、それぞれZc1=40.05Ω、Zc2=56.64Ω、C=0.724pF、L=8.747nH、C=2.060pF、L=3.074nHと求まる。
このように、第1のキャパシタンスCおよび第1のインダクタンスLの各値から、第1の共振回路13の共振周波数は、2GHzとなり、第2のキャパシタンスCおよび第2のインダクタンスLの各値から、第2の共振回路14の共振周波数は、2GHzとなり、それぞれ上記の中心周波数fと一致する。
次に、このようにして各素子の値が決定された90度ハイブリッド回路の周波数特性について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態4において、図5に示した90度ハイブリッド回路のSパラメータの周波数特性の一例を示す説明図である。図6においては、説明の便宜上、第1の入出力端子1から高周波信号を入力した場合の伝送特性を示している。
図6(a)〜(d)は、実施の形態2における図3(a)〜(d)および実施の形態3における図4(a)〜(d)と同様の周波数特性を示したものである。そして、図6(a)〜(d)において、一点鎖線は、許容される反射振幅(|Γ|max=−20dB)以下となる周波数範囲(1.59〜2.41GHz)の上端および下端の周波数を表す。
図6(a)に示すSパラメータの周波数特性から、−20dB以下の反射振幅となる比帯域幅は、41%となり、上記において見積もられた比帯域幅w=50%の値より若干小さくなるものの、共振回路の段数Nを増やしたことにより、広い周波数帯域に渡り反射が抑制されている。すなわち、比帯域幅は、N=1段の実施の形態3において35%であったものが、N=2段の本実施の形態3において41%と改善されている。
また、図6(b)〜(d)に示すように、比帯域幅41%となる周波数帯域(1.59〜2.41GHz)において、高アイソレーション、等分配振幅特性、そして90度位相差特性が維持されており、90度ハイブリッド回路として動作している様子がわかる。
そのため、第1の入出力端子1から、所定の周波数帯域(1.59〜2.41GHz)の帯域幅を有する高周波信号を入力した場合、第1の入出力端子1でほとんど反射せずに90度ハイブリッド回路へ入力され、第4の入出力端子4へほとんど分配されずに、第2の入出力端子2および第3の入出力端子3へ90度の位相差で等分配される。
このような伝送特性は、第2の入出力端子2、あるいは第3の入出力端子3、あるいは第4の入出力端子4から高周波信号を入力した場合でも、本実施の形態1による90度ハイブリッド回路の構成上の対称性から同様となる。
以上のように、実施の形態4によれば、所定の周波数帯域の中心周波数において1/4波長の長さを有する伝送線路と、中心周波数と同一の共振周波数を有する2段の共振回路とにより90度ハイブリッド回路を構成している。この結果、許容される反射振幅に対して、1段の共振回路と比較して、より広い周波数帯域で動作させるための素子の値を容易に決定することができる90度ハイブリッド回路を得ることができる。
なお、上述の説明においては、段数Nが1段および2段の場合について具体的に説明したが、3段以上の場合にも、数式(1)〜(6)を用いて、所望の伝送特性を有する90度ハイブリッド回路を容易に設計することができる。
本発明の実施の形態1に係る90度ハイブリッド回路の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態2に係る90度ハイブリッド回路の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態2において、図2に示した90度ハイブリッド回路のSパラメータの周波数特性の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態3において、図2に示した90度ハイブリッド回路のSパラメータの周波数特性の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態4に係る90度ハイブリッド回路の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態4において、図5に示した90度ハイブリッド回路のSパラメータの周波数特性の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 第1の入出力端子、2 第2の入出力端子、3 第3の入出力端子、4 第4の入出力端子、5 第1の接続部、6 第2の接続部、7 第3の接続部、8 第4の接続部、9 第1の伝送線路、10 第2の伝送線路、11 第3の伝送線路、12 第4の伝送線路、13 第1の共振回路、14 第2の共振回路。

Claims (4)

  1. 第1の入出力端子ないし第4の入出力端子と、
    第1の接続部ないし第4の接続部と、
    第1の伝送線路ないし第4の伝送線路と、
    キャパシタンスおよびインダクタンスを有する同一構成からなる4つの共振回路と
    を備え、
    前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に前記第1の伝送線路が接続され、前記第2の接続部と前記第3の接続部との間に前記第2の伝送線路が接続され、前記第3の接続部と前記第4の接続部との間に前記第3の伝送線路が接続され、前記第4の接続部と前記第1の接続部との間に前記第4の伝送線路が接続され、前記第1の接続部と前記第1の入出力端子との間、前記第2の接続部と前記第2の入出力端子との間、前記第3の接続部と前記第3の入出力端子との間、および前記第4の接続部と前記第4の入出力端子との間のそれぞれに、前記4つの共振回路のそれぞれが接続された構成を有する90度ハイブリッド回路であって、
    前記第1の伝送線路ないし前記第4の伝送線路は、所定の周波数帯域の中心周波数において略1/4波長となる長さを有し、
    前記4つの共振回路のそれぞれは、前記中心周波数と略同一となる共振周波数を有する
    ことを特徴とする90度ハイブリッド回路。
  2. 請求項1に記載の90度ハイブリッド回路において、
    前記4つの共振回路のそれぞれは、第1のキャパシタンスおよび第1のインダクタンスを直列接続して構成された第1の共振回路であり、前記第1の共振回路の共振周波数を前記中心周波数と略同一とすることを特徴とする90度ハイブリッド回路。
  3. 請求項1に記載の90度ハイブリッド回路において、
    前記4つの共振回路のそれぞれは、第1のキャパシタンスおよび第1のインダクタンスを直列接続してなる第1の共振回路と、第2のキャパシタンスおよび第2のインダクタンスを並列接続してなる第2の共振回路とを縦続接続して構成された共振回路であり、前記第1の共振回路および前記第2の共振回路の共振周波数を前記中心周波数と略同一とすることを特徴とする90度ハイブリッド回路。
  4. 請求項1に記載の90度ハイブリッド回路において、
    前記共振回路のそれぞれは、第jのキャパシタンスおよび第jのインダクタンスを直列接続してなる第j段目の共振回路(j=1、3、5、・・・で表される奇数)と、第kのキャパシタンスおよび第kのインダクタンスを並列接続してなる第k段目の共振回路(k=2、4、6、・・・で表される偶数)とを交互にM段(Mは、3以上の整数)縦続接続して構成された共振回路であり、前記第jの共振回路および前記第kの共振回路のそれぞれの共振周波数を前記中心周波数と略同一とすることを特徴とする90度ハイブリッド回路。
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