JP2003307814A - 遮光用布片及びこれを用いた感光材料用遮光容器 - Google Patents

遮光用布片及びこれを用いた感光材料用遮光容器

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JP2003307814A JP2002113954A JP2002113954A JP2003307814A JP 2003307814 A JP2003307814 A JP 2003307814A JP 2002113954 A JP2002113954 A JP 2002113954A JP 2002113954 A JP2002113954 A JP 2002113954A JP 2003307814 A JP2003307814 A JP 2003307814A
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light shielding
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Satoru Tsurumaki
悟 鶴巻
Masazumi Tomota
政純 友田
Toshihiro Kondo
俊弘 近藤
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Fujifilm Holdings Corp
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Seiren Co Ltd
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価でかつ十分な接着強度を有し、超音波ス
リット適性と塗工適性を兼ね備え、さらに遮光品質を確
保した遮光布片及びこれを用いた写真フィルム等感光材
料用遮光容器を提供すること。 【解決手段】 カーボンブラックを含む接着剤を基布組
織裏面に塗設したことを特徴とする遮光用布片、及び感
光材料を出し入れするスリット状開口部を有する感光材
料用遮光容器であって、カーボンブラックを含む接着剤
を基布組織裏面に塗設した遮光用布片を前記開口部に貼
着したことを特徴とする感光材料用遮光容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印画紙、印刷用感
光材料、写真撮影用カラーネガフィルム等の感光材料を
収納する遮光容器に関する。本発明はこのような遮光容
器に感光材料を出し入れするスリット状開口部に設ける
遮光用布片、すなわちテレンプ、に関し、更に詳しく
は、前述の遮光容器とテレンプとを接着するための接着
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真用35mmロールフィルム等は、パ
トローネ(「カートリッジ」ともいう。)と呼ばれる遮
光容器に収納された状態で利用されている。周知の通り
このパトローネは基本的に、筒状の鉄製胴部と、該胴部
内に収納されフィルムをロール状に巻くための巻芯とし
てのスプールと、胴部の両端を閉じる2つのキャップか
ら構成される。そして、上記胴部のフィルム出入り口内
面には、通常、テレンプとも称される遮光用布片が貼着
される。この遮光用布片は、未使用のフィルムが感光す
るのを防止出来ることは勿論、フィルムの引き出し及び
巻き戻し操作を円滑にするため、基布表面にパイルを有
し、かつ柔軟な材料からなる遮光用布片が用いられてい
る。
【0003】従来、この種の遮光布片としては、二枚重
ねの織布或いは編布をパイル糸で織り込みまたは編み立
てにより連結し、二枚重ねの織布或いは編布とし、次い
で、二枚の織布或いは編布の略中央付近のパイル糸を布
面に沿って裁断することによって製造されている(実公
昭37−21388号公報、実公昭46−20539号
公報、特開昭60−208751号公報、実公昭61−
34526号公報、特開昭62−98347号公報、実
開昭62−51341号公報、実開昭62−16724
9号公報、実開平4−18844号公報、実開平4−1
8846号公報、実開平4−28641号公報、特開平
4−73642号公報参照)。これらのいわゆるテレン
プは、パイル糸が写真フィルムに接触することにより遮
光するものであり、また柔軟性や写真フィルムの引き出
し抵抗も通常の使用には十分耐えうるものである。
【0004】従来、これらのパイル糸を用いた遮光布片
(パイル織物、パイル編物)の遮光性能を向上させるた
めの方法としては、遮光部材に用いられるパイル織物或
いはパイル編物のパイル密度を上げる方法、写真フィル
ムマガジンのフィルム出入り口部分の間隔を小さくする
方法、更には実開平4−28641号公報の様に特殊糸
を使用することでパイル糸の立毛状態を保持し、パイル
潰れを防止することで解決を図っていた。
【0005】一方、特開平7−152114号公報に
は、織布に起毛処理を施して、その起毛面をシャーリン
グ(毛羽の切り揃え処理)したテレンプが提案されてい
る。また、特開平8−15825号公報では、経編した
編布に緯糸を挿入して、その緯糸を起毛処理したテレン
プが提案されている。これらのテレンプは起毛した繊維
が写真フィルムに接触することにより遮光するものであ
る。一般的に起毛処理はパイル糸を布に織り込む或いは
編み込む工程よりも生産性が高く、これらのテレンプは
コスト的にも安価である。しかしながら、これらの起毛
処理を施したテレンプは、フィルムとの接触面積が増大
し、引き出し抵抗が増加する傾向にあるので、基布に対
して特公平6−10748号公報に開示されている様な
潤滑剤を含浸させたり、写真フィルムに滑り性を付与す
るために潤滑剤を使用するなどして写真フィルムの特に
裏面(乳剤塗布面とは反対のバック面)の摩擦係数を低
減する等の改良が必要である。
【0006】また、前述の様に、従来、テレンプは、遮
光容器のスリット状開口部、すなわちポート口から侵入
する光を遮断する様、設計されているにも関わらず、写
真フィルムを使用或いは放置する環境によっては、フィ
ルムに入光被りを与え、結果として画像障害という重大
なクレームを引き起こすことがあった。この原因につい
て解析を行った所、写真フィルムを使用或いは放置する
環境によっては遮光用布片を透過する光があることがわ
かった。
【0007】さらには、従来の固形分100%のホット
メルト接着剤では、パトローネ胴板に対するテレンプの
十分な接着強度が確保出来ず、筒部形成部の上下に写真
フィルムカートリッジの蓋部材或いは底面部材をはめ込
む際に剥がれが生じ、剥がれた隙間より光が漏れてしま
い、入光被りの問題を引き起こすことがあった。また、
写真フィルムの使用環境によっては、パトローネ胴板か
らテレンプが剥離してしまったり、特に夏場など、写真
フィルムが装填されたままのカメラを車中に放置されて
しまうと、カメラとテレンプ接着剤塗工部分が接着を起
こしてしまい、カメラを汚染するばかりか、写真フィル
ムを取り出し出来なくなるという問題があった。
【0008】更には、ホットメルト接着剤を塗工後、基
布を細幅にスリットする工程において、スリット刃に樹
脂カスが付着してしまい、スリット適性が悪化する結
果、テレンプ製品としての得率が悪化する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決すべくなされたものであり、まず第一の目的
は、安価でかつ十分な接着強度を有し、超音波スリット
適性と塗工適性を兼ね備えたテレンプを提供することで
ある。本発明の第二の目的は、十分な接着強度と遮光品
質を確保した安価な遮光布片及びこれを用いた写真フィ
ルム等感光材料用遮光容器を提供することである。本発
明の第三の目的は、還元増感処理されたハロゲン化銀乳
剤を有する感光材料の写真特性を劣化させることのない
遮光布片及びこれを用いた写真フィルム等感光材料用遮
光容器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は、以下の遮光用布片および感光材料用遮光容器
によって解決された。 1)カーボンブラックを含む接着剤を基布組織裏面に塗
設したことを特徴とする遮光用布片、 2)感光材料を出し入れするスリット状開口部を有する
感光材料用遮光容器であって、カーボンブラックを含む
接着剤を基布組織裏面に塗設した遮光用布片を前記開口
部に貼着したことを特徴とする感光材料用遮光容器。
【0011】また、遮光用布片の好ましい実施態様を以
下に列挙する。 3)接着剤がホットメルト接着剤である1)記載の遮光
用布片、 4)カーボンブラックの接着剤への添加量が0.2〜
1.0質量%である1)または3)記載の遮光用布片、 5)接着剤塗工量が60〜150g/mである1)、
3)又は4)記載の遮光用布片、 6)酸化防止剤がフェノール系であるである1)、3)
ないし5)のいずれか1つに記載の遮光用布片、 7)遮光用布片が超音波スリット機により裁断して得ら
れた細幅の1)、3)ないし6)のいずれか1つに記載
の遮光用布片、 8)「細幅」のサイズが幅が2乃至30mmである7)
に記載の遮光用布片。
【0012】次に、2)記載の感光材料用遮光容器の好
ましい実施態様を以下に列挙する。 9)接着剤がホットメルト接着剤である2)記載の感光
材料用遮光容器、 10)カーボンブラックの接着剤への添加量が0.2〜
1.0質量%である2)または9)記載の感光材料用遮
光容器、 11)接着剤塗工量が60〜150g/mである
2)、9)又は10)に記載の感光材料用遮光容器、 12)酸化防止剤がフェノール系であるである2)、
9)ないし11)のいずれか1つに記載の感光材料用遮
光容器、 13)基布組織が織物構造または編物構造である2)、
9)ないし12)のいずれか1つに記載の感光材料用遮
光容器、 14)クサリ糸と挿入糸で形成された編物構造である1
3)に記載の感光材料用遮光容器 15)135型フィルムカートリッジである2)、9)
ないし14)のいずれか1つに記載の感光材料用遮光容
器、 16)還元増感処理がなされた写真フィルムが収納され
ている2)、9)ないし15)のいずれか1つに記載の
感光材料用遮光容器、 17)遮光用布片が超音波スリット機により裁断して得
られた細幅の2)、9)ないし16)のいずれか1つに
記載の感光材料用遮光容器、 18)「細幅」のサイズとしては、幅が2乃至30mm
であることが好ましい17)に記載の感光材料用遮光容
器。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の遮光用布片は、基布組織の部分(「基布部」とも
いう。)及びこれに編み込まれたパイルよりなるパイル
部分(「パイル部」ともいう。)とを有し、パイル部は
緻密で均一な長さを有する立毛状のパイルにより構成さ
れている。ここで、パイルとはマルチフィラメントを意
味する。本発明のテレンプの基布組織としては、経糸と
緯糸からなる織物構造、クサリ糸と挿入糸で形成された
編物構造、及び起毛織物、起毛編物が代表的であるが、
本発明の基布組織としては前記の織物構造又は編物構造
が好ましく、編物構造が最も好ましい。
【0014】本発明のテレンプの基布部側、すなわち基
布組織裏面には、目止め剤を塗工してもよい。目止め剤
は、特に接着剤の粘度が低い場合に裏面(塗工面)から
表面に接着剤が浸透してくるのを防ぐ効果がある。
【0015】目止め剤の例としては、特開昭62−55
699号公報、特開昭62−71949号公報、特開昭
62−27733号公報、特開平2−72348号公報
に記載されている如きポリビニル系、ポリオレフィン
系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系、
合成ゴム系、エポキシ系、フェノール系、これらに含ま
ないアクリル系等の合成エマルジョンから選ばれる1種
又は2種以上のブレンド物あるいはこれらを組み合わせ
た共重合体エマルジョンが挙げられる。なお、目止め剤
は、特に接着剤の粘度が低い場合に裏面(塗工面)から
表面に接着剤が浸透してくるのを防ぐ効果があることが
知られている。接着剤のみで遮光用布片への浸み上がり
具合を調整出来る場合は、特公平5−88455号公報
に開示されている様に、目止め剤を塗工する必要はな
く、コスト、設備簡略化等の面からもこの方が好まし
い。
【0016】本発明の遮光用布片には、遮光布片と感光
材料収納容器とを貼着するために接着剤が用いられる。
接着剤の例としては、特公昭56−20535号公報、
特開昭61−289347号公報、特開昭62−556
49号公報、特開昭62−27733号公報、特公平5
−88456号公報、特公平6−52399号公報、特
公平6−52403号公報に開示されている。具体的に
は市販の両面粘着テープ、ポリエチレン等のポリオレフ
ィン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル
共重合体系、エチレン−エチルアクリレート、エチレン
−イソブチルアクリレート等のアクリル酸共重合体系、
ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン10、ナイロン
12、N−メトキシメチル化ナイロン等のポリアミド
系、テレフタル酸系等のポリエステル系、ポリビニルブ
チラール系、ポリ酢酸ビニル系、アセテート、メチルセ
ルロース、アセテートブチレート等のセルロース誘導体
系、ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリル酸エ
ステル系、ポリビニルメチルエーテルなどのポリビニル
エーテル系、ポリウレタン系、ポリカーボネート系、ス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレンなどのスチレン
系ブロック共重合体系、スチレンブタジエン、イソプレ
ン、ブチルゴム等の合成ゴム系またはこれらに含まれな
い特殊ゴム系、または以上に含まれないアクリル共重合
体などから選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げ
られる。コストや環境適性の面では、接着剤として、熱
可塑性樹脂を主成分とした無溶剤100%固形分の常温
では個体の接着剤である「ホットメルト接着剤」が好ま
しい。ホットメルト接着剤は、日刊工業新聞社発行「接
着ハンドブック第2版(日本接着協会編)」等に記載さ
れている。
【0017】ホットメルト接着剤は、遮光容器の感光材
料が出入りするスリット状開口部の両内側において、遮
光容器本体に貼着される。このテレンプパイル部は、感
光材料が出入りするスリット状開口部の両側において対
面して高密の状態を形成し、出入りする感光材料と直接
に接して、遮光容器内部への光線漏れを防ぎつつ、感光
材料を傷つけず、且つ、引き出し抵抗を減じて、感光材
料を給送する。
【0018】本発明に関するホットメルト接着剤の性状
は室温において固形状で加熱することにより流動性が発
現する100%固形分のタイプで、加熱した場合の流動
性は200℃において100,000から200,00
0mPa・sの範囲の流動性を持つものが好ましい。こ
のような範囲の流動性を持たせるためのホットメルト接
着剤の組成は酢酸ビニル含量が20〜30%、メルトイ
ンデックスが2〜5g/10分、軟化点が150〜19
0℃のエチレン酢酸ビニル共重合樹脂で、例えばエバフ
レックス360(三井・デュポンポリケミカル(株))
をベースとするエチレン酢酸ビニル系の接着剤で、その
他、融点が130〜150℃の芳香族系石油樹脂の粘着
付与剤、例えば日石ネオポリマー140(日本石油化学
(株))、タルク等の無機微粒子、融点が90〜110
℃で分子量分布の小さいポリエチレンワックスで形成さ
れることが好ましく、それらの組成割合はエチレン酢酸
ビニル共重合樹脂:40〜50質量%、粘着付与剤:2
5〜35質量%、無機微粒子:5〜15質量%、ワック
ス:10〜20質量%が好ましい。
【0019】さらに基布の透過に対する遮光性を付与す
るためにホットメルト接着剤に対しカーボンブラック、
例えば三菱カーボンブラック#44(三菱化学(株))
を0.2〜1.0質量%添加し、充分に混練してカーボ
ンブラックを分散させる必要がある。カーボンブラック
の添加量が0.2質量%未満になるとテレンプとなった
時に遮光性が不充分になり、写真性能が不安定になるな
ど最終製品であるフィルムパトローネにおいてフィルム
のかぶりなどの不具合が生じる。特に、写真性能につい
ては、(株)図書出版社発行「カーボンブラック便覧
(カーボンブラック協会著)」に記載されているカーボ
ンブラックの持つ吸着特性の影響が大きいと考えられ
る。また1.0質量%を超えて添加すると接着力が低下
するばかりか、粘度が上昇したり、カーボンブラックが
二次凝集を起こしやすくなり、塗工適性上の不具合が生
じる。
【0020】また、ホットメルト接着剤を塗工する際の
熱劣化を防ぐために、酸化防止剤を添加する方が好まし
い。酸化防止剤については、(株)産業調査会 事典出
版センター 発行「実用プラスチック事典」や加工技術
研究会発行「プラスチックフィルム・レジン材料総覧1
991(上巻)」に記載されている様な通常の酸化防止
剤が使用出来る。酸化防止剤は、その構造から分類する
と、フェノール系、チオエーテル系、リン系に分けられ
るが、フェノール系が最も基本的である。しかしなが
ら、酸化防止剤には写真フィルムの性能に影響を及ぼす
恐れがあり、その使用にあたっては、添加量も含めて十
分な検討が必要である。
【0021】また本発明に関するホットメルト接着剤組
成物においてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂のメルトイ
ンデックスが2〜5g/10分、軟化点が150〜19
0℃であることが好ましい。メルトインデックスが5g
/10分より大きいか、または軟化点が150℃未満に
なると接着剤の凝集力が不足し、十分な耐熱接着力が得
られない上、また、目止め剤層を塗設しない場合は接着
剤の浸み込み量が多くなりテレンプのパイル側に接着剤
が浸み出す懸念がある。逆にメルトインデックスが2g
/10分未満、軟化点が190℃より高くなると塗工す
る装置の樹脂の押し出しモーターに無理がかかり、装置
に故障が起こりやすくなり、押し出し塗工が困難とな
る。また、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂の配合割合に
ついては、40〜50質量%が好ましい。40質量%未
満になると低温における接着強度が得られず、50質量
%を超えると流動性が低下し、遮光用基布(遮光用布片
の基布部)への均一で安定な塗工性が得られない。粘着
付与剤については軟化点が130〜150℃が好まし
い。130℃未満になると接着剤の耐熱性が得られな
い。150℃以上になると接着剤の流動性が悪くなり、
遮光用基布への均一で安定な塗工性が得られない。また
組成割合においては、粘着付与剤が25〜35%が好ま
しい。35質量%より多くなると接着剤の粘着性が強く
なりすぎるために、テレンプを製造する工程の熱履歴を
受けるライン各部分において接着剤の付着が生じるため
製造ラインで故障が生じる恐れがあり、また最終的にテ
レンプとなった状態においても樹脂カスの付着などの恐
れがある。粘着付与剤が25質量%より少ないと目標と
する接着力が得られない傾向がある。ワックスの組成割
合は10〜20質量%が好ましい。20質量%を超える
と接着剤の凝集力が低下し、目標とする接着力が得られ
ず、さらに粘度が低下するので浸み込み状態に不具合が
生じる。また10質量%より少ないと接着剤のオープン
タイムが長くなるため、テレンプの製造工程においてブ
ロッキングが発生する恐れがある。さらに無機微粒子の
含量は、5〜15質量%が好ましい。15質量%を超え
ると接着剤の流動性が悪くなり、遮光用基布への均一で
安定な塗工性が得られず目標とする接着強度も得られな
い。また、5質量%より少ないと十分な接着剤の凝集力
が得られない。これらホットメルト接着剤に使用する原
材料には写真感光材料の性能(感度、濃度等)を一定以
上変化させてしまう成分を含むことは許されないことは
言うまでもない。
【0022】本発明に関するホットメルト接着剤は、東
洋経済新報社発行の「接着剤の実際知識(沖津俊直
著)」や高分子刊行会発行の「新高分子文庫16 ホッ
トメルト接着剤の実際」に記載されている様な製法で製
造される。但し、本発明に関するホットメルト接着剤の
ように、比較的、粘度が高い場合はエンドレスなスチー
ルベルトの上に線状またはピスケット状に滴下及び冷却
固化させるだけではペレット状にカッティングする工程
で不具合が生じるため、スチールベルトの代わりに冷却
水を浸した浴槽中で固化させてからカッティングする方
が好ましい。
【0023】また、本発明に関するホットメルト接着剤
の様に、カーボンブラックを配合する場合、ロール、バ
ンバリーミキサー、押し出し機などで樹脂に直接練り込
む場合もあるが、通常あらかじめインクロールで少量の
可塑剤と練ったペースト状トーナーにするか、ロールや
押し出し機で少量の樹脂と練り合わせたマスターバッチ
カラーペレットを作るか、あるいは高速混合機と用いて
少量の樹脂粉末に均一にまぶせたパウダーマスターバッ
チ(レジンカラー)を作る。
【0024】次いでこれを加工工程で多量の樹脂に混
合、希釈して、所定の着色剤配合量に合わせる方式が好
ましい。微粒子径の高級カラーブラックになるほど一般
に分散しにくいから、上述のようなマスターバッチ方式
をうまく活用することも有用である。さらに、本発明に
関するホットメルト接着剤の様にカーボンブラックとフ
ィラーを同配合する場合は原材料の比重差が大きく、均
一分散が極めて難しいために、2軸のスクリュータイプ
の押出し混練機などの連続混練機の場合、1パス後の樹
脂が同一生産内での物性上のバラツキを持ってしまうケ
ースが多く、1パス後に得られた樹脂を再度、混合釜に
投入し、2パスさせた方が好ましい。また、酸化劣化を
防止するという観点では、樹脂の溶融に押し出し機を用
いたり、さらには押し出し機内を脱泡(減圧)したり押
し出し機内を窒素パージする方が好ましい。また、熱劣
化を防止するという観点では原材料の溶解温度を200
℃以下に設定するのが好ましい。
【0025】本発明に関するカーボンブラックについ
て、(株)図書出版社発行の「カーボンブラック便覧
(カーボンブラック協会編)」に記載されている様な一
般のカーボンブラックが使用可能であるが、製法及び原
料で分類されるオイルファーネスブラックを用いること
が特に好ましい。
【0026】なお、無溶剤100%固形分であるホット
メルト接着剤は常温で固体である上、一般的に粘度が高
く、流動性が悪いため、ホットメルト接着剤を遮光用布
片の裏面(グランド面)へ塗工する方式としては、槇書
店 発行の「コーティング方式(原崎勇次著)」に記載
されている様な押出コーティング方式を用いて塗工する
のが好ましい。塗布装置におけるホットメルト接着剤の
供給方法は、加熱シリンダーにより溶融し、スクリュー
方式により供給する方法がある。接着剤はこれらの押し
出しダイコーターの塗工装置を使用して直接テレンプ基
材の裏面に塗布する。
【0027】又、日刊工業新聞社発行「接着ハンドブッ
ク第2版(日本接着協会編)」に記載されているような
ノズル方式、ロール方式、ブレード方式、さらには高分
子刊行会発行の「新高分子文庫16 ホットメルト接着
剤の実際」に記載されているような種々の塗工装置を用
いて塗工することもできる。
【0028】また、酸化劣化及び熱劣化を極力抑えると
いう点では前述のスクリュー方式が好ましい。また、ホ
ッパー部分に窒素パージ機器、例えば、(株)エア・ウ
ォーター製分離膜式窒素ガス発生装置を設置すると更に
好ましい。異物が混入すると塗工面異常を発生させる恐
れがあるため、異物混入防止という観点では、押し出し
機の出口側やダイの手前にフィルターを設置したり、樹
脂をホッパーに投入する前に振動式異物除去装置を用い
たり、高磁力のマグネット式異物除去装置で異物を除去
した方が塗工安定性という観点では好ましい。押し出し
コーティング方式の場合には、樹脂の熱劣化や酸化劣化
を防止するという観点では、押し出し機やダイ、あるい
は押し出し機とダイを接続するヒートホースのそれぞれ
に樹脂の滞留部を作らないことが好ましい。また、特に
ダイの内部に滞留部が存在してしまう場合は、整流板を
設置して樹脂の流れを変化させたり、ギアなどの部品
に、例えばDiamond BLACK. Inc.社のボロンカーバイト
セラミックコーティングを施すのが好ましい。
【0029】本発明に関するホットメルト接着剤をテレ
ンプ基材のグランド面(裏面)へ塗布する場合の接着剤
領域はホットメルト接着剤の少なくとも一層により形成
される。接着剤領域は、ストライプ状や海島状であって
も良いが、接着剤層は均一で連続した領域を形成してい
ることが好ましく、連続した接着剤層を形成することが
特に好ましい。
【0030】本発明に関するホットメルト接着剤を前述
の塗工機にてテレンプ基材のグランド面に塗布する際の
ホットメルト接着剤の温度は合成繊維で構成された遮光
用テレンプの場合、熱変性を起さない温度が好ましい。
ここでいう合成繊維とはポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル系やナイロン等のポリアミド系等の熱可
塑性を有する樹脂で構成されたものである。例えばテレ
ンプの素材がポリエチレンテレフタレートや66ナイロ
ンなどの合成繊維の場合は200℃以下が好ましく、よ
り好ましくは150〜180℃である。塗布する際のホ
ットメルト接着剤の粘度はホットメルト樹脂の物性およ
び塗布温度により調節する必要があるが、100,00
0〜700,000mPa・sが好ましく、より好まし
くは200,000〜600,000mPa・sであ
る。100,000mPa・s未満になると目止め剤層
を用いずにホットメルト接着剤を直接、テレンプ基材の
グランド面へ塗布した場合、パイル側へ接着剤が浸みだ
してしまう不具合が生じ、700,000mPa・sを
超えると繊維組織に対し樹脂の浸透・密着が悪くなり、
テレンプ製造ラインでのカット時において毛羽の抜けが
多くなる不具合が生じ、さらに平滑で均一な塗布が非常
に困難となる。
【0031】また、塗工時における装置条件として塗工
ヘッドとバックアップロールのクリアランスは、基布の
厚みが1.0〜2.0mmの範囲において0.3mm以
上1.6mm以下の範囲で設定することが好ましい。ク
リアランスが0.3mmより狭いとパイル糸が強く圧縮
されるため、パイル潰れや基布の走行性が悪くなる等の
不具合が生じる。また1.6mmより大きくなると基布
に接着剤が転写せず、カスレ等の塗工面異常を発生させ
る恐れがある。接着剤の塗布量は60〜120g/m
が好ましく、塗布量が60g/mより少ないと、テレ
ンプ基材の裏面の凹凸を平滑化出来ず、結果として目標
とする接着強度が得られないばかりか、テレンプ基材を
透過する光を吸収することが出来ず、添加するカーボン
ブラック量をアップさせる必要があるが、添加するカー
ボンブラック量をアップさせると前述の通り、接着力が
低下するばかりか、粘度が上昇したり、熱劣化を起こし
やすくなり、塗工適性上の不具合が生じる。塗布量が1
20g/mより多いと、テレンプリボンを製造するた
めの超音波スリット工程においてリボンへの樹脂カスの
付着量が増加する不具合が生じる。さらには、例えば特
開昭59−143841号公報、特開昭63−7486
9号公報、特公平5―53256号公報、特開平7−3
01888号公報に示されるような複数の薄板を互いに
前端と後端とがほぼ接する状態に並べて連続搬送し、接
着剤が塗布された長尺の2本のテレンプを、並べられた
薄板の左右両端部にそれぞれ連続的に貼着させる設備に
おいて、テレンプをパトローネ胴板への熱圧着する際に
パトローネ胴板へホットメルト接着剤が転写してしまう
といった外観上の不具合が発生する。
【0032】本発明に関するホットメルト接着剤を塗布
するのに適した遮光用基布はパイル側ではパイル密度範
囲が45,000〜85,000本/cmで、かつパ
イル糸が1.6mm以下の厚みにおいてパイル圧縮特性
が0.49N/cmの荷重時で15〜25%の厚み変
位率、1.96N/cmの荷重時で26〜45%の厚
み変位率を示すものが好ましい。上述のパイル密度は単
糸に基づく本数を示す。また、ここでいう厚み変位率は
もとの厚みから荷重により減少した厚みの割合をいう。
この特性は、パイル糸の糸の太さ、糸の断面形状、糸の
種類、糸の加工種をそれぞれ組み合わせることにより達
成されるものである。このようなパイル密度および圧縮
特性をパイル糸に持たせることにより接着剤の塗工時に
おいて接着剤をグランド面に押し込む圧力を受けてもパ
イル潰れがなく、さらにフィルムカートリッジとしたと
きに遮光性が良好で、引き出し抵抗の小さい良好な品質
の遮光用テレンプとなる。例えば、単糸デシテックスが
1.16デシテックスの84デシテックス/72フィラ
メントのポリエステル加工糸をパイル密度50,000
〜60,000本/cmとして使用した場合に、前記
のような良好なパイル特性を得ることができる。同様な
加工糸においても単糸デシテックスが2.31デシテッ
クスとなる84デシテックス/36フィラメントのポリ
エステル加工糸を用いた場合は、1.96N/cm
荷重時で厚み変位率が26%よりも小さくなり、塗工時
においてパイル潰れは生じないが、フィルムカートリッ
ジとしたときに引き出し抵抗が高くなるため、単糸デシ
テックスは低い方が好ましい。
【0033】テレンプの厚みは貼着するパトローネ本体
のスリット状開口の上下隙間幅により設定する必要があ
り、隙間幅を半分にした値のプラス0.05〜0.3m
mの範囲で設定することが好ましい。0.05mm未満
になると遮光性が大きく低下するおそれがあり、0.3
mmより大きくなると引き出し抵抗が上昇するおそれが
生じるので好ましくない。グランド面は平滑で接着剤の
塗工性が良好となる織物または経編み構造が好ましく、
グランド組織を経編構造とした場合、本出願人が実公平
7−50741で考案したクサリ・ソウニュウ組織のも
のやクサリ・サテン組織が好ましく、このような組織と
することでグランド面の凹凸が減少し塗工性が良好で少
ない接着剤塗布量で目標とする接着強度が得られる。ま
たクサリ・ソウニュウ組織の場合、使用する糸の太さと
しては56〜110デシテックスのマルチフィラメント
糸が好ましく、デシテックスの違う数種のフィラメント
糸を複合して使用してもよいが、フィラメント数は接着
剤と繊維との投錨効果を持たせるために45以下が良好
である。糸の太さが110デシテックスより大きくなる
と、テレンプリボンを製造する超音波スリット工程にお
いてスリット性が悪くなる不具合が生じ、糸が56デシ
テックスより細くなるとグランド組織が弱くなり、テレ
ンプとしたときの剛性が低下するのでカートリッジ本体
への貼着の際に設定された位置への安定な接着ができな
いおそれがある。上記経編構造および織物のテレンプで
使用するパイル糸およびグランド糸の素材は単一の合成
繊維で構成されていることが好ましいが、二種以上の合
成繊維を複合して使用しても構わない。
【0034】本発明に用いる遮光用布片には、写真フィ
ルムを引き出す際のスタチック防止や遮光機能確保のた
めに、実公昭62−51341、実開平4−33040
公報に記載されているように繊維は黒色で、帯電防止材
及び導電物質を含んでいることが好ましい。その着色方
法としては、原反染色(後染め)でも良いし、黒原着糸
を用いても良い。黒原着糸とは原糸にカーボンブラック
を練り込んで繊維を黒色に着色したものであるが、日刊
工業新聞社発行の「プラスチック用着色剤(花田豊、矢
作瑛共著)」に記載されている通り、カーボンブラック
は紫外線・可視光線・赤外線の広い領域にわたって良好
な光吸収が得られるため、いろいろな波長に分光吸収を
有する感光材料に適用が可能となる。
【0035】本発明に用いる遮光用布片は、広幅(50
0mm以上)で製造した後に使用幅に裁断(スリット)
してもよいし、最初から使用幅で製造することも出来
る。広幅品をパイル抜けしないようにスリットする方法
としては、実公昭48−35790号公報に記載のヒー
ト刃で熱溶融切断したり、その他の手段として超音波カ
ッター、レーザーカッター、ヒートカッター等で裁断す
る方法がある。
【0036】図1は、本発明の長尺遮光テレンプを用い
て、左右両端部に遮光テレンプを貼り付けた胴体部形成
用金属板の一例の正面図である。胴体部形成用金属板1
は、ポート部形成部7a、7bと筒部形成部8とからな
り、筒部形成部の上下には写真フィルムカートリッジの
蓋部材或いは底面部材にはめ込まれる凸部9a、9bが
設けられている。図3に示されている胴体部形成用金属
板1は、幅方向の長さAが79.75〜79.85m
m、縦方向の長さBが42.15〜42.25mm、ポ
ート部形成部7aの縦方向の長さD、及びポート部形成
部7bの縦方向の長さCの長さが35.8〜36.0m
m、ポート部形成部7aの幅方向の長さFが7.1〜
7.3mm、ポート部形成部7bの幅方向の長さEが
3.4〜3.6mm、ポート部形成部7aの端部から筒
部形成部の凸部9aの端部までの幅方向の長さHが、2
1.15〜21.40mm、ポート部形成部7bの端部
から筒部形成部の凸部9aの端部までの幅方向の長さG
が17.3〜17.5mm、筒部形成部の凸部9aの端
部からポート部形成部7aの端部までの縦方向の長さI
が3.1〜3.2mm、筒部形成部の凸部9aの縦方向
の長さJが0.5〜0.6mmである。また、写真フィ
ルムカートリッジの蓋部材或いは底面部材をはめ込むの
を容易にするのと、はめ込んだ時に遮光テレンプ10a
が剥がれるのを防止するために、Kという段差(誘い)
(図2参照)をそれぞれ0.4〜0.6mmというレベ
ルで設けている。
【0037】図1に示されている遮光テレンプ10a、
10bはともに、胴体部形成用金属板に貼り付けた長尺
遮光テレンプ連結体をそれぞれ長さ方向の両端部が筒部
形成部8から1〜2mm突出する位置で切断することに
より貼り付けられたものである。遮光テレンプ10a
は、幅が11.3〜11.7mmでも良く、又8.8〜
9.7mmと短くても良く、端部がポート部形成部7a
から幅方向に1.0〜2.5mm突出する位置に貼り付
けられている。遮光テレンプ10bは、幅が9.3〜
9.7mmであって、ポート部形成部7bから幅方向に
1.0〜2.5mm突出する位置に貼り付けられてい
る。
【0038】図3は、図1に示したテレンプ付き胴体部
形成用金属板を用いた写真フィルムカートリッジの一例
の断面図である。写真フィルムカートリッジのフィルム
ケースは、図1に示した胴体部形成用金属板1の筒部形
成部8を、ポート部形成部7a、7bに貼り付けられて
いる遮光テレンプ10a、10bが互いに接触するよう
に筒状に折り曲げることにより形成されている。そし
て、スプール軸11に巻き付けられた写真フィルム12
は、その両側の表面がポート部7の遮光テレンプ10
a、10bに接触した状態で引き出されることにより、
カートリッジ内の写真フィルムは遮光されている。
【0039】なお、遮光テレンプ10a、10bは、カ
ートリッジ内に収納されている写真フィルムを露光させ
ない程度に、写真フィルムと接触していれば、その幅に
制限はない。例えば、遮光テレンプ10a、10bとも
に幅(写真フィルムカートリッジのポート口から見ると
奥行きに相当)を8.8〜9.7mmとすることが好ま
しい。特に、遮光テレンプの得率や製造部品の管理など
を考慮すると、遮光テレンプは、その幅が狭く、同じ幅
のものを用いることが好ましい。なお、遮光テレンプの
幅をともに8.8〜9.7mmにする場合には、図2に
示した胴体部形成用金属板のポート部形成部の幅方向の
長さF−値を3.5〜4.0mmにすることが写真フィ
ルムカートリッジの遮光性を高めるために好ましい。ま
た、テレンプの幅を11.3〜11.7mmから8.8
〜9.7mmに狭くするとF−値も狭めることが好まし
いが、同時に写真フィルムカートリッジの蓋部材或いは
底面部材をはめ込むためには、段差(誘い)部Kの高さ
を0.4〜0.6mmから1.5〜2.5mmに大きく
することが好ましい。図2には、テレンプの幅を狭くし
た際に好ましい段差Kの大きい、テレンプ付き胴体部形
成用金属板1の一例の斜視図を示す。
【0040】超音波スリット後、細幅遮光用布片をプラ
スティック製のリールにトラバースさせながら巻き付け
る。この時の巻き付けテンションは低すぎると、輸送中
に巻崩れを起こし、設備で細幅遮光用布片を引き出すこ
とが出来なくなってしまう。また巻き付けテンションが
高すぎると、パイルが潰れてしまい、遮光性不良を引き
起こすことがある。
【0041】前述のパトローネ胴板は、例えば、所定形
状に切断された金属薄板をまず断面略舟形に成形して、
該薄板の左右両端に上記テレンプを貼着し、次いでこれ
らのテレンプが互いに重なるように該薄板を略円筒状に
曲げ成形することによって形成される。
【0042】テレンプを薄板に貼着する方法としては、
予め該テレンプを所定長さに切断しておき、薄板を間欠
的に搬送しながら切断されたテレンプを停止中の薄板に
逐一貼着する方法と、貼着処理速度を上げて生産性を高
める方法として、例えば特開昭59−143841号公
報、特開昭63−74869号公報、特公平5―532
56号公報、特開平7−301888号公報に示される
ように、複数の薄板を互いに前端と後端とがほぼ接する
状態に並べて連続搬送し、接着剤が塗布された長尺の2
本のテレンプを、並べられた薄板の左右両端部にそれぞ
れ連続的に貼着させ、その後隣り合う薄板の間にカッタ
ー刃を進入させてテレンプを切断するようにした方法が
実用化されている。
【0043】本発明に用いる遮光用布片は各種感光材料
(写真フィルム、印画紙、感光樹脂フィルム等)のカー
トリッジの引出し口に設けられる遮光用布片、感光物質
を対象とした機器類(写真現像機等)の遮光を目的とし
た内張り等に用いることが出来る。特に、本発明のフィ
ルムカートリッジは、各種写真フィルムを遮光的に収納
し、且つ写真性能を劣化させずに長期間にわたって保管
できる。また、引出し口からフィルムを引出す構造の容
器に好ましく適用でき、特にシート状およびロール状の
各種写真感光材料(JIS135サイズ写真フィルム、
カラー印画紙、電算写植フィルム及び印画紙、感熱紙、
感光樹脂フィルム、マイクロフィルム、Xレイフィルム
等)を収納するカートリッジに好適であるが、硫黄増感
剤、還元増感剤、金増感剤などの増感剤をハロゲン化銀
乳剤に添加するなどの公知の手法により増感処理がなさ
れた感光材料を収納するのに適しており、特に還元増感
剤によって還元増感処理がなされた感光材料を収納する
のに適している。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。 実施例1 編物構造を有する遮光用テレンプの組織は実公平7−5
0741において示されるクサリ・ソウニュウ組織であ
り、材料であるパイル編物は、基布の鎖糸、挿入糸とし
て84デシテックス/36フィラメントのポリエステル
糸を用いるとともに、パイル糸としては84デシテック
ス/72フィラメントのポリエステル加工糸を用い、ダ
ブルラッシェル機を用いて前後2枚の基布がパイル糸で
連結された状態に編成した。このときの編みゲージは2
2、コース密度は50となるように編み立てし、この後
この基布をセンターカットして遮光用パイル編物を得
た。なお、センターカット後のパイル厚みは2.2mm
である。またパイル糸に使用するポリエステル加工糸は
3軸外接式摩擦仮撚装置により2回加熱により得られた
ものを使用した。このようにセンターカットされた基布
は、この後プレシャーリング工程でパイル糸の長さを適
宜に調整し、120℃に加熱した状態でブラッシングに
よるパイルの整毛を行なった。さらにプレセット工程に
より190℃で加熱してパイルを捲縮させて固め、この
後、遮光性を付与するための染色加工を行い乾燥した。
これにより1.4mmのパイル厚みにおいて圧縮特性が
0.49N/cmの荷重時で厚み変位率20%、1.
96N/cmの荷重時で厚み変位率32%を示す遮光
用布片を得た。このときのコース密度は50、ウェル密
度は26でパイル密度は58,000本/cmであ
る。
【0045】調整された基布に対し、遮光用基布へ接着
剤と塗工する際に接着剤の基布表面への浸透を防ぐ目止
め剤とカートリッジ本体へ遮光用基布を貼着する接着層
を形成させるために、基布のグランド面に目止め剤とし
て酢酸ビニル系エマルジョンを55g/m塗布し、そ
の後、固形分100%のホットメルト接着剤を塗布す
る。ここで使用する酢酸ビニル系エマルジョンは固形分
が50%、粘度が100000mPa・sである。ホッ
トメルト接着剤については、酢酸ビニル含量が26%、
メルトインデックスが2g/10分、軟化点が160℃
以上のエチレン酢酸ビニル共重合樹脂を45質量%、融
点が140℃の芳香族系石油樹脂の粘着付与剤30質量
%、タルクを10質量%、融点が100℃のポリエチレ
ンワックス15質量%の組成で形成されるエチレン酢酸
ビニル系の接着剤で、遮光性を付与するためにさらにホ
ットメルト接着剤に対してオイルファーネス法で製造さ
れた粒径が24nm、DBP吸油量が粉状で76ml/
100g、pHが8.0の特性をもつカーボンブラック
を0.3質量%、樹脂の酸化劣化を防止するためにフェ
ノール系酸化防止剤を0.3質量%いずれも練り込み方
式にて添加し、2軸スクリュータイプの押出し混練機に
て2パスさせることで充分に混練してカーボンブラック
を分散させたものを使用した。この組成で調製されたホ
ットメルト接着剤を由利ロール機械製のGPDホットメ
ルトダイコーターを使用して、遮光用基布のグランド面
に樹脂温度が175℃の条件で塗布量が100g/m
となるように塗布した。このようにして得られた遮光用
基布を11.5mmと9.5mmの幅にスリットして本
発明である遮光用テレンプを得た。
【0046】その後、複数の薄板を互いに前端と後端と
が近接する状態、つまり左端どうし、右端どうしがそれ
ぞれ一線に並ぶ状態に並べて連続搬送する搬送手段と、
予め接着剤が塗布された長尺の2本のテレンプを、搬送
されている上記薄板の左右両端部にそれぞれ押し当てる
圧着手段とを設けて、各テレンプを薄板左端、右端に沿
って連続的に貼着させ、そして貼着後の長尺のテレンプ
を各薄板毎に裏面より切断してパトローネ胴板を成形し
た。さらにこのパトローネ内にISO感度400のカラ
ーネガフィルムをスプールに巻き回して収納し、この状
態で遮光性及び引き出し抵抗の品質特性を評価した。な
お、前述のISO感度400のカラーネガフィルムと
は、特開平9−189980号公報に記載されたハロゲ
ン化銀乳剤D(還元増感剤として二酸化チオ尿素をハロ
ゲン化銀1モルに対して8.0×10−7モル添加して
もの)が乳剤としてベースに塗布されたものである。
【0047】比較例1 基布は実施例1と同様に作成した。調整された基布に対
し、遮光用基布へ接着剤と塗工する際に接着剤の基布表
面への浸透を防ぐ目止め剤とカートリッジ本体へ遮光用
基布を貼着する接着層を形成させるために、基布のグラ
ンド面に目止め剤として酢酸ビニル系エマルジョンを5
5g/m塗布し、その後、固形分100%のホットメ
ルト接着剤を塗布する。ここで使用する酢酸ビニル系エ
マルジョンは固形分が50%、粘度が100,000m
Pa・sである。ホットメルト接着剤については酢酸ビ
ニル含量が26%、メルトインデックスが2g/10
分、軟化点が160℃以上のエチレン酢酸ビニル共重合
樹脂を45質量%、融点が140℃の芳香族系石油樹脂
の粘着付与剤30質量%、タルクを10質量%、融点が
100℃のポリエチレンワックス15質量%の組成で形
成されるエチレン酢酸ビニル系のホットメルト接着剤
を、2軸スクリュータイプの押出し混練機にて生産し
た。この組成で調製されたホットメルト接着剤を由利ロ
ール機械製のGPDホットメルトダイコーターを使用し
て、遮光用基布のグランド面に樹脂温度が175℃の条
件で塗布量が100g/mとなるように塗布した。こ
のようにして得られた遮光用基布を11.5mmと9.
5mmの幅にスリットして本発明である遮光用テレンプ
を得た。以降は実施例1と同様にサンプルを作成した。
【0048】実施例2 基布は実施例1と同様に作成した。調整された基布に対
し、遮光用基布へ接着剤と塗工する際に接着剤の基布表
面への浸透を防ぐ目止め剤とカートリッジ本体へ遮光用
基布を貼着する接着層を形成させるために、基布のグラ
ンド面に目止め剤として酢酸ビニル系エマルジョンを5
5g/m塗布し、その後、固形分100%のホットメ
ルト接着剤を塗布する。ここで使用する酢酸ビニル系エ
マルジョンは固形分が50%、粘度が100,000m
Pa・sである。ホットメルト接着剤については酢酸ビ
ニル含量が26%、メルトインデックスが2g/10
分、軟化点が160℃以上のエチレン酢酸ビニル共重合
樹脂を45質量%、融点が140℃の芳香族系石油樹脂
の粘着付与剤30質量%、タルクを10質量%、融点が
100℃のポリエチレンワックス15質量%の組成で形
成されるエチレン酢酸ビニル系の接着剤で、遮光性を付
与するためにさらにホットメルト接着剤に対しカーボン
ブラックを0.3質量%添加し、2軸スクリュータイプ
の押出し混練機にて2パスさせることで充分に混練して
カーボンブラックを分散させたものを使用した。この組
成で調製されたホットメルト接着剤を由利ロール機械製
のGPDホットメルトダイコーターを使用して、遮光用
基布のグランド面に樹脂温度が175℃の条件で塗布量
が100g/mとなるように塗布した。このようにし
て得られた遮光用基布を11.5mmと9.5mmの幅
にスリットして本発明である遮光用テレンプを得た。以
降は実施例1と同様にサンプルを作成した。
【0049】実施例3 基布は実施例1と同様に作成した。調整された基布に対
し、遮光用基布へ接着剤と塗工する際に接着剤の基布表
面への浸透を防ぐ目止め剤とカートリッジ本体へ遮光用
基布を貼着する接着層を形成させるために、基布のグラ
ンド面に目止め剤として酢酸ビニル系エマルジョンを5
5g/m塗布し、その後、固形分100%のホットメ
ルト接着剤を塗布する。ここで使用する酢酸ビニル系エ
マルジョンは固形分が50%、粘度が100,000m
Pa・sである。ホットメルト接着剤については酢酸ビ
ニル含量が26%、メルトインデックスが2g/10
分、軟化点が160℃以上のエチレン酢酸ビニル共重合
樹脂を45質量%、融点が100℃のポリエチレンワッ
クス15質量%、タルクを10質量%、融点が140℃
の芳香族石油樹脂の粘着剤30質量%の組成で形成され
るエチレン酢酸ビニル系の接着剤で、遮光性を付与する
ためにさらにホットメルト接着剤に対しカーボンブラッ
クを0.3質量%添加し、2軸スクリュータイプの押出
し混練機にてカーボンブラックを分散させたものを使用
した。この組成で調製されたホットメルト接着剤を由利
ロール機械製のGPDホットメルトダイコーターを使用
して、遮光用基布のグランド面に樹脂温度が175℃の
条件で塗布量が100g/mとなるように塗布した。
このようにして得られた遮光用基布を11.5mmと
9.5mmの幅にスリットして本発明である遮光用テレ
ンプを得た。以降は実施例1と同様にサンプルを作成し
た。
【0050】実施例4 基布は実施例1と同様に作成した。調整された基布に対
し、遮光用基布へ接着剤と塗工する際に接着剤の基布表
面への浸透を防ぐ目止め剤とカートリッジ本体へ遮光用
基布を貼着する接着層を形成させるために、基布のグラ
ンド面に目止め剤として酢酸ビニル系エマルジョンを5
5g/m塗布し、その後、固形分100%のホットメ
ルト接着剤を塗布する。ここで使用する酢酸ビニル系エ
マルジョンは固形分が50%、粘度が100,000m
Pa・sである。ホットメルト接着剤については酢酸ビ
ニル含量が26%、メルトインデックスが2g/10
分、軟化点が160℃以上のエチレン酢酸ビニル共重合
樹脂を45質量%、融点が140℃の芳香族系石油樹脂
の粘着付与剤30質量%、タルクを10質量%、融点が
100℃のポリエチレンワックス15質量%の組成で形
成されるエチレン酢酸ビニル系の接着剤で、遮光性を付
与するためにさらにホットメルト接着剤に対しカーボン
ブラックを0.3質量%、樹脂の酸化劣化を防止するた
めにフェノール系酸化防止剤を0.3質量%添加し、2
軸スクリュータイプの押出し混練機にて2パスさせるこ
とで充分な混練及び分散を行った。この組成で調製され
たホットメルト接着剤を由利ロール機械製のGPDホッ
トメルトダイコーターを使用して、遮光用基布のグラン
ド面に樹脂温度が175℃の条件で塗布量が60g/m
となるように塗布した。このようにして得られた遮光
用基布を11.5mmと9.5mmの幅にスリットして
本発明である遮光用テレンプを得た。以降は実施例1と
同様にサンプルを作成した。
【0051】実施例5 基布は実施例1と同様に作成した。調整された基布に対
し、遮光用基布へ接着剤と塗工する際に接着剤の基布表
面への浸透を防ぐ目止め剤とカートリッジ本体へ遮光用
基布を貼着する接着層を形成させるために、基布のグラ
ンド面に目止め剤として酢酸ビニル系エマルジョンを5
5g/m塗布し、その後、固形分100%のホットメ
ルト接着剤を塗布する。ここで使用する酢酸ビニル系エ
マルジョンは固形分が50%、粘度が100,000m
Pa・sである。ホットメルト接着剤については酢酸ビ
ニル含量が26%、メルトインデックスが2g/10
分、軟化点が160℃以上のエチレン酢酸ビニル共重合
樹脂を45質量%、融点が140℃の芳香族系石油樹脂
の粘着付与剤30質量%、タルクを10質量%、融点が
100℃のポリエチレンワックス15質量%の組成で形
成されるエチレン酢酸ビニル系の接着剤で、遮光性を付
与するためにさらにホットメルト接着剤に対しカーボン
ブラックを1.0質量%添加し、2軸スクリュータイプ
の押出し混練機にて2パスさせることで充分に混練して
カーボンブラックを分散させたものを使用した。この組
成で調製されたホットメルト接着剤を由利ロール機械製
のGPDホットメルトダイコーターを使用して、遮光用
基布のグランド面に樹脂温度が175℃の条件で塗布量
が100g/mとなるように塗布した。このようにし
て得られた遮光用基布を11.5mmと9.5mmの幅
にスリットして本発明である遮光用テレンプを得た。以
降は実施例1と同様にサンプルを作成した。
【0052】実施例6 調整された基布に対し、遮光用基布へ接着剤と塗工する
際に接着剤の基布表面への浸透を防ぐ目止め剤とカート
リッジ本体へ遮光用基布を貼着する接着層を形成させる
ために、基布のグランド面に目止め剤として酢酸ビニル
系エマルジョンを55g/m塗布し、その後、固形分
100%のホットメルト接着剤を塗布する。ここで使用
する酢酸ビニル系エマルジョンは固形分が50%、粘度
が100000mPa・sである。ホットメルト接着剤
については、酢酸ビニル含量が26%、メルトインデッ
クスが2g/10分、軟化点が160℃以上のエチレン
酢酸ビニル共重合樹脂を45質量%、融点が140℃の
芳香族系石油樹脂の粘着付与剤30質量%、タルクを1
0質量%、融点が100℃のポリエチレンワックス15
質量%の組成で形成されるエチレン酢酸ビニル系の接着
剤で、遮光性を付与するためにさらにホットメルト接着
剤に対しカーボンブラックを0.3質量%、樹脂の酸化
劣化を防止するためにリン系酸化防止剤を0.2質量%
添加し、2軸スクリュータイプの押出し混練機にて2パ
スさせることで充分に混練してカーボンブラックを分散
させたものを使用した。この組成で調製されたホットメ
ルト接着剤を由利ロール機械製のGPDホットメルトダ
イコーターを使用して、遮光用基布のグランド面に樹脂
温度が175℃の条件で塗布量が100g/mとなる
ように塗布した。このようにして得られた遮光用基布を
11.5mmと9.5mmの幅にスリットして本発明で
ある遮光用テレンプを得た。以降は実施例1と同様にサ
ンプルを作成した。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果から、本発明品は設備適性、品
質共に従来品よりも優れていることが確認出来た。な
お、ここでのAAは非常に優れている状態を、BBは実
用上問題なく使用できる状態を、CCは実用限度内では
あるが問題が発生する場合があり、改善することが望ま
しい状態を表す。
【0055】評価方法 (厚み)PEACOCKダイヤルゲージ型式Gを用いて
測定。 (塗工品位)由利ロール機械(株)製のGPDホットメ
ルトダイコーターを使用して、幅500mmの遮光用基
布のグランド面(裏面)に3m/分のスピードにて接着
剤を塗工した。塗工後、塗工面の品位やブツ量を目視に
て観察した。基布100m当たりのブツ量が5個未満の
ものをランクAAとし、同じく5個以上10個未満のも
のをランクBBとし、10個以上のものをランクCCと
した。 (超音波スリット適性)振動数が15KHz、振幅が4
0μmの超音波スリット機を用い、加工スピード5m/
分でスリット加工を行った。スリット後のリボンへの樹
脂カス付着状態及びその付着量を目視にて観察した。細
幅遮光布片10m当たりの樹脂カス付着個数が10個未
満のものをランクAAとし、同じく10個以上30個未
満のものをランクBBとし、30個以上のものをランク
CCとした。
【0056】(接着強度)11.5mm幅にスリット
(裁断)されたリボンサンプルを、パトローネ胴板に使
用する金属板の内面へ、温度140℃、荷重110gf
/cm、圧着時間3秒の条件で貼り合わせ、23℃で
24時間、放置した後、80℃に設定した高温高湿槽を
付属した東洋精機製ストログラフ試験器にて300mm
/分の引っ張り速度で180°剥離強度を測定する。 (遮光性)サンプルを24時間、室温で調湿を行った
後、9万ルクスの光量で、ポート口方向から30分間曝
光させた後、写真フィルムを現像して、その写真画像の
光もれによる光被りを目視にて観察する。
【0057】(写真特性)接着剤と特開平9−1899
80号公報に記載されたハロゲン化銀乳剤D(還元増感
剤として二酸化チオ尿素をハロゲン化銀1モルに対して
8.0×10−7モル添加してもの)からなるカラー写
真感光材料の乳剤塗布面とを重ね合わせ、これを遮光か
つ防湿性の機能を有する積層材中に収納し、ヒートシー
ルを行って密封した後、60℃に調整された高温高湿槽
内で3日間放置した。放置後、積層材内より取り出した
写真感光材料を白色でウェッジ露光して、標準現像し、
現像後の写真感光材料の被り濃度(未露光部濃度)とフ
ィルム濃度測定機にて測定した。この被りの濃度と、評
価用サンプルと重ね合わせないで写真感光材料のみを、
上記と同様の条件で放置、露光、現像して得た被りの濃
度(未露光部濃度)との差(△FOG)を算出した。な
お、表1に示した△FOGは、カラー写真感光材料の最
上面の乳剤層(青感層)の値である。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、安価でかつ十分な接着
強度、超音波スリット適性、塗工適性、遮光性を満足す
る接着剤塗設した遮光用布片及びこれを用いた写真フィ
ルム等感光材料用遮光容器を提供することができた。ま
た、還元増感処理されたハロゲン化銀乳剤を有する感光
材料の写真特性を劣化させることのない遮光布片及びこ
れを用いた写真フィルム等感光材料用遮光容器が得られ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長尺遮光テレンプ連結体を用いて、左
右両端部に遮光テレンプを貼り付けた胴体部形成用金属
板の一例の正面図である。
【図2】本発明の長尺遮光テレンプの幅をともに8.8
〜9.7mmにした場合に好ましく用いる、段差部を設
けた胴体部形成用金属板の一例の斜視図である。
【図3】図1に示した遮光テレンプ付き胴体部形成用金
属板を用いた写真フイルムカートリッジの一例の断面図
である。
【符号の説明】 1 胴体部形成用金属板 7 ポート部 7a、7b ポート部形成部 8 筒部形成部 9a、9b 筒部形成部の凸部 10a、10b 遮光テレンプ 11 スプール軸 12 写真フイルム K 段差(誘い)部 F ポート部形成部の幅方向の長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友田 政純 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内 (72)発明者 近藤 俊弘 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンブラックを含む接着剤を基布組
    織裏面に塗設したことを特徴とする遮光用布片。
  2. 【請求項2】 感光材料を出し入れするスリット状開口
    部を有する感光材料用遮光容器であって、カーボンブラ
    ックを含む接着剤を基布組織裏面に塗設した遮光用布片
    を前記開口部に貼着したことを特徴とする感光材料用遮
    光容器。
JP2002113954A 2002-04-16 2002-04-16 遮光用布片及びこれを用いた感光材料用遮光容器 Pending JP2003307814A (ja)

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US10/413,528 US20030192973A1 (en) 2002-04-16 2003-04-15 Cloth and container for recording material using same
CN03122618A CN1452008A (zh) 2002-04-16 2003-04-16 布片以及使用它的记录材料用容器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009517520A (ja) * 2005-11-29 2009-04-30 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード 窒素及び/又は二酸化炭素を使用する石炭品質向上プロセス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009517520A (ja) * 2005-11-29 2009-04-30 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード 窒素及び/又は二酸化炭素を使用する石炭品質向上プロセス

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