JP2003307157A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

蒸発燃料処理装置

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JP2003307157A JP2002149849A JP2002149849A JP2003307157A JP 2003307157 A JP2003307157 A JP 2003307157A JP 2002149849 A JP2002149849 A JP 2002149849A JP 2002149849 A JP2002149849 A JP 2002149849A JP 2003307157 A JP2003307157 A JP 2003307157A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの吸入空気量が少ない場合でも加熱
パージされた蒸発燃料によるエンジンのA/F制御性を
損なわず、エンジンの吸入空気量に適した脱離を行うこ
とができる蒸発燃料処理装置を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 空気量が多いときはヒータ5の出力が増
大され、少ないときはヒータ5の出力が通常とされるの
で空気量が少ない時においても混合気過濃によるエンジ
ンのA/F制御性を損なうことがない。また、高空気量
時にはヒータ5の出力が増大されるので吸着材4の吸着
・脱離性能が向上してキャニスタ2の処理能力が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の蒸発燃料処
理装置に関し、詳しくは、加熱装置を有するキャニスタ
の吸着・脱離(以下パージともいう)性能を向上するこ
とができる蒸発燃料処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の燃料タンク内に生ずる蒸発燃料
を、容器内に収容した吸着材に一時的に吸着させ、エン
ジンの負圧吸引力により脱離して蒸発燃料の大気への漏
洩を防止するキャニスタの吸着・脱離効率を上げて処理
能力を向上させるようにした蒸発燃料処理装置について
は、特開平8−4606号公報により公知である。この
公報によれば、容器内の中心部に筒形のヒータチューブ
を活性炭中に埋設した状態で垂設し、ヒータチューブ内
に適当な間隔を置いて(適当な高さ位置で)複数個のP
TC素子を収容し、活性炭を加熱し適度の温度とするこ
とにより吸着・脱離効率を上げて処理能力を向上させる
としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
構成においては、キャニスタ内に設けられた加熱装置
(ヒータ)の制御部が常時加熱装置に通電して脱離を促
進させるため、エンジンの吸入空気量が少ない場合でも
濃度の高いパージされた蒸発燃料が吸入され、エンジン
のA/F制御性を損なうおそれがある。そこで本発明
は、エンジンの吸入空気量が少ない場合でもエンジンの
A/F制御性を損なわず、エンジンの吸入空気量に適し
た脱離を行うことができる蒸発燃料処理装置を提供する
ことを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決を目的と
してなされた請求項1の発明は、燃料系統に生ずる蒸発
燃料を一時的に吸着し、エンジン稼動時に脱離して大気
への漏洩を防止する加熱装置を備える蒸発燃料処理装置
において、脱離が行われているかどうかを判断する脱離
判断手段と、脱離量を積算する脱離量積算手段と、前記
エンジンの吸入空気量を計測する空気量計測手段と、前
記加熱装置の出力を制御する出力制御手段と、加熱制御
域かどうかを判断する制御域判断手段とを有するととも
に、前記脱離判断手段により脱離が行われていると判断
され、かつ前記脱離量積算手段により積算された脱離量
が所定値より多く、かつ前記制御域判断手段により加熱
制御域と判断された時は、前記空気量計測手段により計
測された前記空気量に対応して前記加熱装置の出力を制
御するようにしたことを特徴とする。
【0005】また、請求項2の発明は、燃料系統に生ず
る蒸発燃料を一時的に吸着し、エンジン稼動時に脱離し
て大気への漏洩を防止する加熱装置を備える蒸発燃料処
理装置において、脱離が行われているかどうかを判断す
る脱離判断手段と、脱離量を積算する脱離量積算手段
と、前記エンジンの吸入空気量を計測する空気量計測手
段と、前記空気量計測手段により計測された空気量と予
め定められた第1の所定空気量とを比較する空気量比較
手段と、前記加熱装置の出力を制御する出力制御手段
と、前記空気量計測手段により計測された空気量と予め
定められた第2の所定空気量とを比較して加熱制御域か
どうかを判断する制御域判断手段とを有するとともに、
前記脱離判断手段により脱離が行われていると判断さ
れ、前記脱離量積算手段により積算された脱離量が所定
値より多く、かつ前記制御域判断手段により前記第2の
所定空気量以上であるときは加熱制御域と判断され、か
つ、前記空気量計測手段により計測された前記空気量が
予め定められた前記第1の空気量以上であるとき、前記
加熱装置の出力を上げるようにしたことを特徴とする。
【0006】また、請求項3の発明は、燃料系統に生ず
る蒸発燃料を一時的に吸着し、エンジン稼動時に脱離し
て大気への漏洩を防止する加熱装置を備える蒸発燃料処
理装置において、脱離が行われているかどうかを判断す
る脱離判断手段と、脱離量を積算する脱離量積算手段
と、前記エンジンの吸入空気量を計測する空気量計測手
段と、前記空気量計測手段により計測された空気量と予
め定められた第1の所定空気量とを比較する空気量比較
手段と、前記加熱装置の出力を制御する出力制御手段
と、加熱制御域かどうかを判断する制御域判断手段と、
高速道路を走行中であるかどうかを判断する高速走行判
断手段とを有するとともに、前記脱離判断手段により脱
離が行われていると判断され、前記脱離量積算手段によ
り積算された脱離量が所定値より多いと判断され、前記
制御域判断手段により加熱制御域と判断され、前記空気
量比較手段により計測された前記空気量が前記第1の空
気量以上であり、かつ前記高速走行判断手段により車両
が高速走行中であると判断されたとき、前記加熱装置の
出力を上げるようにしたことを特徴とする。
【0007】また、請求項4の発明は、燃料系統に生ず
る蒸発燃料を一時的に吸着し、エンジン稼動時に脱離し
て大気への漏洩を防止する加熱装置を備える蒸発燃料処
理装置において、脱離が行われているかどうかを判断す
る脱離判断手段と、脱離量を積算する脱離量積算手段
と、脱離蒸発燃料のベーパ濃度を検出するためのベーパ
濃度検出手段と、前記エンジンの吸入空気量を計測する
空気量計測手段と、前記加熱装置の出力を制御する出力
制御手段と、加熱制御域かどうかを判断する制御域判断
手段とを有するとともに、前記脱離判断手段により脱離
が行われていると判断され、前記脱離量積算手段により
積算された脱離量が所定値より多いと判断され、前記ベ
ーパ濃度検出手段により検出されたベーパ濃度が第3の
所定値より少ない時には加熱装置による加熱を停止し、
前記ベーパ濃度が第3の所定値よりも多く、かつ第1の
所定値よりも少なく、かつ前記制御域判断手段により加
熱制御域と判断されたとき、通常のヒータ出力で加熱
し、前記ベーパ濃度が第2の所定値よりも少なく、かつ
前記空気量計測手段により計測された前記吸入空気量が
第1の所定値以上と判断された時は前記加熱装置の出力
を上げるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の望ましい実施形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態
に係る蒸発燃料処理装置の部分縦断面図である。図1に
おいて、蒸発燃料処理装置1のキャニスタ2を構成する
ケース3内には吸着材4が収容され、隔壁3aにより第
1吸着材室2aおよび第2吸着材室2bを構成してい
る。第1吸着材室2aの吸着材4の略中央部には加熱装
置を構成するヒータ5が埋設されている。ヒータ5はE
CU6からの電気信号によりヒータ制御装置7により制
御される。出力制御手段を構成するヒータ制御装置7は
空気量計測手段を構成するエンジンのエアーフローメー
タ9bにより計測された空気量Gaを基に制御されるよ
う構成されている。第1吸着材室2a上部のケース3に
はパージポート3bおよびタンクポート3cが立設さ
れ、パージポート3bはVSV(バキュームスイッチン
グバルブ)8を経て吸気管9のスロットルバルブ9a下
流部に連通している。
【0009】VSV8は電磁式デューティ制御弁で構成
され、ECUからの電気信号により制御され、ECUに
おいて作動回数と吸気管負圧とから通過パージ量が演算
されパージ量積算手段を構成する。タンクポート3cは
逆止弁を経て燃料タンクの上部に連通される。第2吸着
材室2b上部のケース3には大気ポート3dが立設さ
れ、脱離時に大気から新気が導入されるよう構成されて
いる。吸気管9の入口部にはエンジンの吸入空気量を計
測するためのエアーフローメータ9bが設けられてい
る。通常のヒータ出力は低空気量域において、吸着・脱
離性能の効率がよい吸着材温度で、かつ高濃度とならな
い出力に設定されている。
【0010】次に、本発明に係る第1の実施形態の作用
についてフローチャートに従って説明する。図2は本発
明の第1の実施形態に係るヒータコントロールルーチン
を示すフローチャートである。図1および図2におい
て、フローチャートのステップ(以下、単にSと記す)
100においてパージ中か否か、すなわち、パージが行
われているか否かが判定され、行われていれば次のS1
01に進む。パージ中か否かの判定は、例えば、VSV
8が開弁しているか否か、すなわち、開弁時はパージ
中、閉弁時は否として検知することができる。S101
において、パージ開始後の積算パージ量がECUにおい
て演算され、所定値Cより多い場合はS102に進む。
ここで、所定値Cは仮にキャニスタが高濃度ベーパ状態
であったとしてもパージにより高濃度ベーパ状態でなく
なる判定値である。S102においてヒータ制御域か否
かが判定される。なお、ヒータ制御域であるか否かの判
定は吸気管9の入口部に設けられたエアーフローメータ
9bにより計測された空気量Gaと予め定められた空気
量Bとが比較され、Ga≧Bの場合はヒータ制御域であ
ると判定される。
【0011】なお、制御域の判定については、A/F制
御性を損なう時点での空気量B(第2の所定空気量)を
予め決めておき、その値以下の場合(例えば、アイドル
時、減速燃料カット時、長い下り坂等の超低負荷時)は
制御域外、その値以上の場合は制御域内とするようにし
ている。ヒータ制御域であればS103に進んで吸入空
気量Gaに対応した出力で加熱装置を出力させる。な
お、加熱装置の制御条件として、S101におけるパー
ジ開始後の積算パージ量の判定と、S102における空
気量Gaによるヒータ制御域か否かの判定との両方を行
う理由は次による。すなわち、ベーパ高濃度吸着時は高
空気量域においても過剰ベーパ状態となる可能性があ
り、空気量Gaだけでヒータ出力の制御判断を行うと過
剰ベーパの供給によりA/Fが荒れ車両の運転性を損な
うおそれがあるため、パージ開始後の所定積算パージ量
がパージされた後にヒータ出力を行うよう構成してい
る。
【0012】次に、本発明に係る第2の実施形態の作用
についてフローチャートに従って説明する。図3は本発
明の第2の実施形態に係るヒータコントロールルーチン
を示すフローチャートである。図1および図3におい
て、フローチャートのS110においてパージ中か否
か、すなわち、パージが行われているか否かが判定さ
れ、行われていれば次のS111に進む。パージ中か否
かの判定方法は、第1の実施形態と同様であるので説明
は省く。S111において、パージ開始後の積算パージ
量がECUにおいて演算され、所定値Cより多い場合は
S112に進む。S112において、ヒータ制御域であ
るか否かが判定される。なお、制御域の判定について
は、A/F制御性を損なう時点での空気量B(第2の所
定空気量)を予め決めておき、その値以下の場合(例え
ば、アイドル時、減速燃料カット時、長い下り坂等の超
低負荷時)は制御域外、その値以上の場合は制御域内と
するようにしている。
【0013】ヒータ制御域であればS113に進み、通
常の出力によりヒータ5が制御される。ヒータ制御域で
なければS110に戻り再びパージ中か否かが判定され
る。次いで、S114において吸気管9の入口部に設け
られたエアーフローメータ9bにより計測された空気量
Gaと予め定められた空気量A(第1の所定空気量)と
が比較され、Ga≧Aの場合はS115に進んでヒータ
5の出力がさらに増大(アップ)される。すなわち、通
常のヒータ出力に対してさらに一段高い出力の増大によ
り高吸入空気量時にはキャニスタ2の脱離性能を向上さ
せるようにし空気量が少ないときには通常のヒータ出力
で加熱制御を行うので、パージ燃料が高濃度になること
がなくA/F制御性を損なうことがない。なお、空気量
Gaは第1の所定空気量Aと比較され、多い場合はヒー
タ出力を増大させるようにしたが、空気量に対応してヒ
ータの出力を調整させるようにしてもよい。なお、上述
の空気量Aおよびヒータ出力については車両の走行条件
に基づいて実験的に最良の値を選択することが可能であ
る。また、所定空気量AとBの関係はA>Bになるよう
設定される。
【0014】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。第3の実施形態の構成は第2の実施形態に加え
てETC信号またはGPS信号等をECU6に接続する
以外は同様であるので説明は省く。ここで、本発明に係
る第3の実施形態の作用についてフローチャートに従っ
て説明する。図4は本発明の第3の実施形態に係るヒー
タコントロールルーチンを示すフローチャートである。
図1および図4において、フローチャートのS120に
おいてパージ中か否か、すなわち、パージが行われてい
るか否かが判定され、行われていれば次のS121に進
む。パージ中か否かの判定は、第1の実施形態と同様で
あるので説明は省く。
【0015】S121において、パージ開始後の積算パ
ージ量がECU6において演算され、所定値Cより多い
場合はS122に進む。S122において、ヒータ制御
域であるか否かが判定される。ヒータ制御域であればS
123に進み、通常の出力によりヒータ5が制御され
る。ヒータ制御域でなければS120に戻り再びパージ
中か否かが判定される。次いで、S124において車両
が高速道路を走行中であるか否かが判定される。判定方
法としては、例えば、高速道路料金所に設けられたET
Cの信号または衛星を利用するGPSのナビ情報を利用
して判定する。また、車速信号を検知して高速域が所定
時間続いた場合は高速道路上であると判定することもで
きる。
【0016】車両が高速道路を走行中であると判定され
た場合は、次のS125に進み吸気管9の入口部に設け
られたエアーフローメータ9bにより計測された空気量
Gaと予め定められた空気量Aとが比較され、Ga≧A
の場合はS126に進んでヒータ5の出力がさらに増大
(アップ)される。すなわち、第2の実施形態の効果に
加えてさらに高速道路走行時には脱離性能を向上させて
キャニスタ2の吸着・脱離性を高めることができる。低
空気量時のヒータ出力については第2の実施形態と同様
であるので説明は省く。なお、上述の空気量Aおよびヒ
ータ出力については車両の走行条件に基づいて実験的に
最良の値を選択することが可能である。また、所定空気
量AとBの関係はA>Bになるよう設定される。
【0017】次に、本発明に係る第4の実施形態につい
て説明する。図5は本発明の一実施形態に係る蒸発燃料
処理装置の部分縦断面図である。図5において、蒸発燃
料処理装置21のキャニスタ22を構成するケース23
内には吸着材24が収容され、隔壁23aにより第1吸
着材室22aおよび第2吸着材室22bを構成してい
る。第1吸着材室22aの吸着材24の略中央部には加
熱装置を構成するヒータ25が埋設されている。ヒータ
25はECU26からの電気信号によりヒータ制御装タ
置27により制御される。出力制御手段を構成するヒー
タ制御装置27は空気量計測手段を構成するエンジンの
エアーフローメータ29bにより計測された空気量Ga
を基に制御されるよう構成されている。第1吸着材室2
2a上部のケース23にはパージポート23bおよびタ
ンクポート23cが立設され、パージポート23bはV
SV(バキュームスイッチングバルブ)28を経て吸気
管29のスロットルバルブ29a下流部に連通してい
る。パージポート23bの下流にはパージ燃料の濃度を
測定するためのパージ濃度検出手段を代表するHCセン
サ30が設けられている。HCセンサ30の検出信号は
ECUに送られ利用される。
【0018】VSV28は電磁式デューティ制御弁で構
成され、ECU26からの電気信号により制御され、E
CU26において作動回数と吸気管負圧とから通過パー
ジ量が演算されパージ量積算手段を構成する。タンクポ
ート23cは逆止弁を経て燃料タンクの上部に連通され
る。第2吸着材室22b上部のケース23には大気ポー
ト23dが立設され、脱離時に大気から新気が導入され
るよう構成されている。吸気管29の入口部にはエンジ
ンの吸入空気量を計測するためのエアーフローメータ2
9bが設けられている。通常のヒータ出力は低空気量域
において、吸着・脱離性能の効率がよい吸着材温度で、
かつ高濃度とならない出力に設定されている。
【0019】次に、本発明に係る第4の実施形態の作用
についてフローチャートに従って説明する。図6は本発
明の第2の実施形態に係るヒータコントロールルーチン
を示すフローチャートである。図5および図6におい
て、フローチャートのS130においてパージ中か否
か、すなわち、パージが行われているか否かが判定さ
れ、行われていれば次のS131に進む。パージ中か否
かの判定方法は、第1の実施形態と同様であるので説明
は省く。S131において、パージ開始後の積算パージ
量がECU26において演算され、所定値Dより多い場
合はS132に進む。なお、所定値Dはキャニスタのベ
ーパ状態を検出するのに必要なパージ量を示し、上述の
所定値C(図2,3,4参照)との関係はC≫Dとな
る。また、ここでの「パージ開始後」は完全暖機後のパ
ージ開始からを意図しており、燃料カット等で短時間パ
ージがカットされた後の再開パージからの積算パージ量
ではない。また、長時間パージカットが実施された場合
はキャニスタのベーパ状態が変わっている可能性がある
ので、この場合は長時間パージカット後の積算パージ量
でヒータ出力制御に入る。S132において、HCセン
サ30によりパージ燃料のベーパ濃度が測定され、第3
の所定値Gと比較され、所定値Gより多い場合はS13
4に進み、少ない場合はS133においてヒータ出力が
OFFされ、余分な電力消費が防止されるよう構成され
ている。
【0020】なお、所定値Gはヒータ出力が不要なベー
パ濃度であり最も濃度の低い値となる。なお、ベーパ濃
度の第1および第2の所定値E、Fについては後述す
る。S134において、ベーパ濃度が第1の所定値Eと
比較され所定値Eより多い場合はS130に戻り少ない
場合はS135に進む。なお、ベーパ濃度の第1の所定
値Eは空気量Gaが所定値A以上の高空気量域の判定濃
度であり、最も高い濃度である。S135において、ヒ
ータ制御域であるか否かが判定される。なお、制御域の
判定については、A/F制御性を損なう時点での空気量
B(第2の所定空気量)を予め決めておき、その値以下
の場合(例えば、アイドル時、減速燃料カット時、長い
下り坂等の超低負荷時)は制御域外、その値以上の場合
は制御域内とするようにしている。
【0021】ヒータ制御域であればS136に進み、通
常の出力によりヒータ25が制御される。ヒータ制御域
でなければS130に戻り再びパージ中か否かが判定さ
れる。次いでS137において、ベーパ濃度が第2の所
定値Fと比較され所定値Fより少ない場合はS138に
進み、多い場合はS136に戻り通常のヒータ出力が維
持される。なお、ベーパ濃度の第2の所定値Fは空気量
Gaが所定値B以上の低空気量域の判定濃度であり、ベ
ーパ濃度の所定値E、F、Gの関係はE>F≧Gとな
る。S138において吸気管29の入口部に設けられた
エアーフローメータ29bにより計測された空気量Ga
と予め定められた空気量A(第1の所定空気量)とが比
較され、Ga≧Aの場合はS139に進んでヒータ25
の出力がさらに増大(アップ)される。
【0022】すなわち、通常のヒータ出力に対してさら
に一段高い出力の増大により高吸入空気量時にはキャニ
スタ22の脱離性能を向上させるようにし空気量が少な
いときには通常のヒータ出力で加熱制御を行うので、パ
ージ燃料が高濃度になることがなくA/F制御性を損な
うことがない。なお、空気量Gaは第1の所定空気量A
と比較され、多い場合はヒータ出力を増大させるように
したが、空気量に対応してヒータの出力を増減させるよ
うにしてもよい。また、上述の空気量Aおよびヒータ出
力については車両の走行条件に基づいて実験的に最良の
値を選択することが可能である。また、所定空気量Aと
Bの関係はA>Bになるよう設定される。また、本実施
形態においてはキャニスタのベーパ濃度状態を判定する
のでS135およびS138における吸入空気量判定の
各ステップは無くてもよい。
【0023】ここで、上述の空気量の所定値A、Bおよ
びベーパ濃度の所定値E、F、Gの判定基準について説
明する。前記の各所定値そのもので判定した場合、ヒー
タ出力制御にハンチング現象が生ずるため、本実施形態
においては図7に示すように判定基準値に一定のヒステ
リシスを設けることによりハンチング現象の発生を防止
している。
【0024】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下の効果を奏する。すなわち、請求項1および2の
発明においては、空気量が多いときはヒータ出力が増大
され、少ないときはヒータ出力が通常とされるので空気
量が少ない時においても加熱パージにより混合気過濃に
よるエンジンのA/F制御性を損なうことがない。ま
た、請求項3の発明においては、通常のヒータ出力につ
いては低空気量時におけるエンジンのA/F制御性を損
なわない範囲内に設定し、車両が高速道路で連続長時間
高速走行中にはヒータ出力を上げるようにしたので、ガ
ソリンの高分子成分まで脱離することができキャニスタ
の吸着性をさらに高めることができる。また、請求項4
の発明においては、実際のキャニスタのベーパ濃度に応
じてヒータ出力を制御することができるので、より正確
なヒータ出力制御が可能となる。また、低ベーパ濃度状
態ではヒータ出力をOFFにするので無駄な電力消費が
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2の実施形態に係る蒸発
燃料処理装置の部分縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るヒータコントロ
ールルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るヒータコントロ
ールルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るヒータコントロ
ールルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る蒸発燃料処理装
置の部分縦断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係るヒータコントロ
ールルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図7(a)は本発明の空気量Gaの判定基準を
示すヒステリシス線図である。図7(b)は本発明のベ
ーパ濃度の判定基準を示すヒステリシス線図である。
【符号の説明】
1 蒸発燃料処理装置 2 キャニスタ 5 ヒータ(加熱装置) 7 ヒータ制御装置(出力制御装置) 8 VSV(脱離判断手段) 9b エアーフローメータ(空気量計測手段) 21 燃料処理装置 22 キャニスタ 25 ヒータ(加熱装置) 27 ヒータ制御装置(出力制御装置) 28 VSV(脱離判断手段) 29b エアーフローメータ(空気量計測手段) 30 HCセンサ(ベーパ濃度検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清宮 伸介 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G044 BA20 EA10 FA08 GA02 GA29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料系統に生ずる蒸発燃料を一時的に吸
    着し、エンジン稼動時に脱離して大気への漏洩を防止す
    る加熱装置を備える蒸発燃料処理装置において、脱離が
    行われているかどうかを判断する脱離判断手段と、脱離
    量を積算する脱離量積算手段と、前記エンジンの吸入空
    気量を計測する空気量計測手段と、前記加熱装置の出力
    を制御する出力制御手段と、加熱制御域かどうかを判断
    する制御域判断手段とを有するとともに、前記脱離判断
    手段により脱離が行われていると判断され、かつ前記脱
    離量積算手段により積算された脱離量が所定値より多
    く、かつ前記制御域判断手段により加熱制御域と判断さ
    れた時は、前記空気量計測手段により計測された前記空
    気量に対応して前記加熱装置の出力を制御するようにし
    たことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】 燃料系統に生ずる蒸発燃料を一時的に吸
    着し、エンジン稼動時に脱離して大気への漏洩を防止す
    る加熱装置を備える蒸発燃料処理装置において、脱離が
    行われているかどうかを判断する脱離判断手段と、脱離
    量を積算する脱離量積算手段と、前記エンジンの吸入空
    気量を計測する空気量計測手段と、前記空気量計測手段
    により計測された空気量と予め定められた第1の所定空
    気量とを比較する空気量比較手段と、前記加熱装置の出
    力を制御する出力制御手段と、前記空気量計測手段によ
    り計測された空気量と予め定められた第2の所定空気量
    とを比較して加熱制御域かどうかを判断する制御域判断
    手段とを有するとともに、前記脱離判断手段により脱離
    が行われていると判断され、前記脱離量積算手段により
    積算された脱離量が所定値より多く、かつ前記制御域判
    断手段により前記第2の所定空気量以上であるときは加
    熱制御域と判断され、かつ、前記空気量計測手段により
    計測された前記空気量が予め定められた前記第1の空気
    量以上であるとき、前記加熱装置の出力を上げるように
    したことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  3. 【請求項3】 燃料系統に生ずる蒸発燃料を一時的に吸
    着し、エンジン稼動時に脱離して大気への漏洩を防止す
    る加熱装置を備える蒸発燃料処理装置において、脱離が
    行われているかどうかを判断する脱離判断手段と、脱離
    量を積算する脱離量積算手段と、前記エンジンの吸入空
    気量を計測する空気量計測手段と、前記空気量計測手段
    により計測された空気量と予め定められた第1の所定空
    気量とを比較する空気量比較手段と、前記加熱装置の出
    力を制御する出力制御手段と、加熱制御域かどうかを判
    断する制御域判断手段と、高速道路を走行中であるかど
    うかを判断する高速走行判断手段とを有するとともに、
    前記脱離判断手段により脱離が行われていると判断さ
    れ、前記脱離量積算手段により積算された脱離量が所定
    値より多いと判断され、前記制御域判断手段により加熱
    制御域と判断され、前記空気量比較手段により計測され
    た前記空気量が前記第1の空気量以上であり、かつ前記
    高速走行判断手段により車両が高速走行中であると判断
    されたとき、前記加熱装置の出力を上げるようにしたこ
    とを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  4. 【請求項4】 燃料系統に生ずる蒸発燃料を一時的に吸
    着し、エンジン稼動時に脱離して大気への漏洩を防止す
    る加熱装置を備える蒸発燃料処理装置において、脱離が
    行われているかどうかを判断する脱離判断手段と、脱離
    量を積算する脱離量積算手段と、脱離蒸発燃料のベーパ
    濃度を検出するためのベーパ濃度検出手段と、前記エン
    ジンの吸入空気量を計測する空気量計測手段と、前記加
    熱装置の出力を制御する出力制御手段と、加熱制御域か
    どうかを判断する制御域判断手段とを有するとともに、
    前記脱離判断手段により脱離が行われていると判断さ
    れ、前記脱離量積算手段により積算された脱離量が所定
    値より多いと判断され、前記ベーパ濃度検出手段により
    検出されたベーパ濃度が第3の所定値より少ない時には
    加熱装置による加熱を停止し、前記ベーパ濃度が第3の
    所定値よりも多く、かつ第1の所定値よりも少なく、か
    つ前記制御域判断手段により加熱制御域と判断されたと
    き、通常のヒータ出力で加熱し、前記ベーパ濃度が第2
    の所定値よりも少なく、かつ前記空気量計測手段により
    計測された前記吸入空気量が第1の所定値以上と判断さ
    れた時は前記加熱装置の出力を上げるようにしたことを
    特徴とする蒸発燃料処理装置。
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