JP2002327655A - キャニスタパージシステム - Google Patents

キャニスタパージシステム

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JP2002327655A JP2001133592A JP2001133592A JP2002327655A JP 2002327655 A JP2002327655 A JP 2002327655A JP 2001133592 A JP2001133592 A JP 2001133592A JP 2001133592 A JP2001133592 A JP 2001133592A JP 2002327655 A JP2002327655 A JP 2002327655A
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衛 ▲吉▼岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないヒータ電力で効率的にキャニスタのパ
ージを行う。 【解決手段】 内燃機関100の燃料タンク11からの
蒸発燃料をブリーザ配管13を介してキャニスタ10に
導入し、キャニスタ内の吸着剤50a、50bに吸着さ
せる。機関運転中、パージ制御弁15を開弁するととも
にCCV17を開弁してキャニスタ内に大気を導入し、
吸着剤から蒸発燃料をパージする。吸着剤を加熱するヒ
ータ20a、20bをキャニスタ内に設け、吸着剤を加
熱可能とする。機関運転中に所定の条件が成立すると、
電子制御ユニット(ECU)30はパージ制御弁を開弁
したままCCVを閉弁してキャニスタ内を負圧に保持
し、ヒータに通電して吸着剤の加熱を行う。吸着剤から
の蒸発燃料の脱離は圧力が低いほど促進されるため、少
ない加熱電力で効率的なパージを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料タ
ンクからの蒸発燃料を一旦キャニスタに吸着した後に機
関吸気通路に供給するキャニスタパージシステムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃料タンク内の蒸発燃料の大
気放出を防止するために、タンク内の蒸発燃料を活性炭
などの吸着剤を収納したキャニスタに導いて一旦吸着剤
に吸着させるキャニスタパージシステムが一般に知られ
ている。このようなキャニスタパージシステムでは、キ
ャニスタ内の吸着剤が吸着した蒸発燃料で飽和すること
を防止するために、キャニスタと機関吸気通路とをパー
ジ通路で接続し、機関運転中に大気をキャニスタを通し
て吸気通路に吸入することにより、吸着剤に吸着された
蒸発燃料を吸気とともに機関に吸入させて燃焼するよう
にしている。
【0003】すなわち、キャニスタを大気と機関吸気通
路とに同時に連通させることにより吸気通路の負圧によ
り大気がキャニスタ内の吸着剤を通過してパージ通路か
ら吸気通路に吸引される。空気がキャニスタ内の吸着剤
を通過する際に吸着剤に吸着された蒸発燃料が吸着剤か
ら脱離し、パージ通路からは空気と蒸発燃料との混合気
(パージガス)が吸気通路内に流入する。吸気通路に流
入した蒸発燃料は機関吸気とともに機関の燃焼室に吸入
されるため、キャニスタからの蒸発燃料は燃焼室内で燃
焼する。これにより、燃料タンクからの蒸発燃料は大気
に放出されることなく機関燃焼室で燃焼する。
【0004】上記のように、キャニスタパージシステム
では吸着剤は蒸発燃料の吸着と脱離を繰返して蒸発燃料
の大気放出を防止している。しかし、蒸発燃料の脱離
(パージ)が効率的に行われないと吸着剤には次第に吸
着された蒸発燃料が蓄積してしまい吸着できる蒸発燃料
の量が低下する問題がある。この問題を解決するため
に、例えばキャニスタに吸着剤を加熱するヒータを設
け、パージ中に吸着剤温度を上昇させることにより吸着
剤からの蒸発燃料の脱離を促進する技術が知られてい
る。
【0005】この種のキャニスタパージシステムの例と
しては、例えば特開平8−42413号公報に記載され
たものがある。同公報のキャニスタパージシステムは、
キャニスタ内の吸着剤を加熱する電気ヒータを設け、燃
料タンク内の燃料の残量が多い時には電気ヒータにより
キャニスタの吸着剤を加熱し、燃料タンク内の燃料残量
が少なくなったときにヒータによる加熱を停止するよう
にしている。
【0006】機関の燃料タンクへの給油時には多量の蒸
発燃料が発生し、キャニスタの吸着剤には多量の蒸発燃
料が吸着される。従って、燃料の残量が多い場合には給
油後あまり時間が経過しておらず、給油時に発生した蒸
発燃料が多量にキャニスタの吸着剤に吸着されていると
考えられる。上記公報のキャニスタパージシステムは、
燃料タンク内の燃料残量が多く、吸着剤に多量の蒸発燃
料が吸着されていると考えられる場合にはキャニスタの
吸着剤の加熱を行い、吸着剤からの蒸発燃料の脱離を促
進している。
【0007】一方、吸着剤の蒸発燃料吸着能力は吸着剤
温度が高いほど低下する。また、燃料タンクの燃料残量
が少なくなった場合には、近い将来給油が行われ、多量
の蒸発燃料が発生することが予測される。そこで、上記
公報のキャニスタパージシステムでは燃料残量が少なく
なった場合には、吸着剤の加熱を停止して吸着剤温度を
低下させ、吸着剤の蒸発燃料吸着能力を増大させて給油
に備えるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
8−42413号公報のキャニスタパージシステムで
は、燃料残量が多い間は機関の運転中常に加熱が行われ
るため加熱に要するエネルギーが増大する問題がある。
また、上記公報の装置では、単に加熱により吸着剤から
吸着した蒸発燃料を脱離させているため、必ずしも効率
の良い脱離を行えず、無駄に消費される加熱エネルギー
が多い問題がある。
【0009】本発明は上記に鑑み、吸着剤のヒータ加熱
を行う際に、加熱エネルギーの無駄な消費を招くことな
く、効率的に吸着剤からの蒸発燃料の脱離を行うことが
可能なキャニスタパージシステムを提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内部に吸着剤を収容するハウジングと、それぞ
れ前記ハウジングに設けられ、ハウジング内部を内燃機
関の吸気通路に連通するパージポートと、ハウジング内
部を内燃機関の燃料タンク内の液面上部空間に連通する
ベーパーポートと、ハウジング内部を大気に連通する大
気ポートとを備え、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベー
パーポートを介してハウジング内に導入して前記吸着剤
に吸着させ、内燃機関運転中に前記大気ポートからハウ
ジング内に大気を導入して前記吸着剤に吸着された蒸発
燃料を吸着剤から脱離させるとともに脱離した蒸発燃料
を前記パージポートから内燃機関の吸気通路に供給する
キャニスタパージシステムであって、前記吸着剤を加熱
するヒータと、前記大気ポートからのハウジングへの大
気の導入を遮断して、ハウジング内を負圧に保持する負
圧保持手段と、機関運転中、前記負圧保持手段によりハ
ウジングが負圧に保持された状態で前記ヒータを作動さ
せ、前記吸着剤を加熱するパージ制御手段と、を備えた
キャニスタパージシステムが提供される。
【0011】すなわち、請求項1の発明ではキャニスタ
内を負圧に保持したままで吸着剤の加熱が行われる。キ
ャニスタ内の圧力を低下させると吸着剤に吸着された燃
料が蒸発しやすくなるため、キャニスタ内を負圧に保持
して加熱を行うことにより、吸着剤からの蒸発燃料の脱
離に要する加熱エネルギーが低減されるとともに、短時
間で脱離を完了することが可能となる。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、前記負圧
保持手段は、前記大気ポートからのハウジングへの大気
の導入を遮断した状態で前記パージポートから内燃機関
の吸気通路負圧をハウジング内に導入することによりハ
ウジング内を負圧に保持する、請求項1に記載のキャニ
スタパージシステムが提供される。
【0013】すなわち、請求項2の発明では負圧保持手
段は大気ポートを閉鎖するとともにパージポートから機
関の吸気通路負圧をキャニスタ内に導入することにより
キャニスタ内を負圧に保持する。これにより、簡易にキ
ャニスタ内を負圧に保持することが可能となる。ここ
で、吸着剤の加熱はパージポートを開放したままで行っ
ても良く、パージポートからキャニスタ内に負圧を導入
後にパージポートを閉鎖して、キャニスタ内を負圧密閉
状態にして行っても良い。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、前記負圧
保持手段は、前記パージポートからハウジング内に負圧
を導入後、ハウジング内が負圧になった状態で前記パー
ジポートと吸気通路との連通を遮断してハウジング内を
負圧に保持する、請求項2に記載のキャニスタパージシ
ステムが提供される。
【0015】すなわち、請求項2の発明ではキャニスタ
内を負圧密閉状態にして吸着剤の加熱を行う。パージポ
ートを開放した負圧状態で吸着剤の加熱を行うと、吸着
剤から連続的に大きな速度で燃料が蒸発脱離するように
なるため、吸着剤の温度が低下してしまい、比較的低い
温度で加熱による入熱と蒸発脱離による気化熱とが平衡
してしまう場合がある。これに対してキャニスタを負圧
状態で密閉して加熱を行うと、キャニスタ内の蒸発燃料
濃度の上昇により徐々に蒸発燃料の脱離速度が低下する
ため、吸着剤の温度低下は少なくなり同一の加熱量で吸
着剤温度を高く維持することが可能となる。このため、
キャニスタを負圧状態で密閉して加熱を行い、キャニス
タ内の蒸発燃料濃度が増大してキャニスタ内圧力が上昇
したときにパージ通路を開放してキャニスタ内の蒸発燃
料を吸気通路に吸引する操作を繰返すことにより、蒸発
燃料脱離に必要な加熱エネルギー量を低減することが可
能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は本発明を自動車用エ
バポパージシステムに適用した実施例の概略構成を示す
図である。図1において、100は内燃機関本体、1は
内燃機関100の吸気通路、3は吸気通路1に配置され
たエアクリーナを示す。吸気通路1には運転者のアクセ
ルペダル(図示せず)の操作に応じた開度をとるスロッ
トル弁6が設けられている。
【0017】図1に11で示すのは機関の燃料タンクで
ある。タンク11内の燃料油はフュエルポンプ70によ
り昇圧され、フィード配管71を介して機関100の各
気筒の燃料噴射弁101に圧送される。燃料タンク11
には、タンク内への給油のための給油管111が設けら
れている。また、タンク11の上部には、後述するキャ
ニスタ10にタンク11内の燃料油液面上部空間を接続
するブリーザー配管13が接続されている。
【0018】ブリーザー配管13とタンク11との接続
部にはベントバルブ131とそれぞれフロート弁からな
るCOV(CUT OFF VALVE)132とRO
V(ROLL OVER VALVE)133とが設け
られている。ベントバルブ131は、燃料タンク11内
圧力がブリーザー配管13内圧力よりわずかに高くなる
と開弁し、ブリーザー配管13を通してタンク11内の
蒸発燃料を含む空気をキャニスタに流すようにされてい
る。
【0019】また、ROV133は、給油時の液面上昇
により閉弁し、ベントバルブ131と燃料タンク11と
の接続を遮断する。また、ROV133は、車両転倒時
等にベントバルブ131とタンク11との接続部を閉鎖
し、ブリーザー配管13を介して大量の燃料油が外部に
洩れることを防止する機能を有している。
【0020】COV132はROV133と並列に配置
されており、ROV133より更に液面が上昇したとき
にベントバルブ131とタンク11との連通を遮断す
る。COV132は、給油時の液面上昇時にはROV1
33閉弁後も開弁してタンク11とベントバルブ131
とを連通するが、車両旋回による液面の動揺によりCO
V132位置まで液面が到達したような場合、及び車両
転倒時等には閉弁し、ベントバルブ131を通って燃料
油がブリーザー配管13に侵入することを防止する機能
を有する。
【0021】図1に30で示すのは、機関の電子制御ユ
ニット(ECU)である。ECU30は、ROM(リー
ドオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)、CPU(マイクロプロセッサ)及び入出力ポート
を互いに双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロ
コンピュータからなり、機関の燃料噴射制御等の基本制
御を行う他、本実施例では後述するキャニスタのパージ
制御を行う。
【0022】上記制御のため、ECU30の出力ポート
は図示しない駆動回路を介して機関100の燃料噴射弁
101に接続され、燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御
している他、後述するパージ制御弁15のアクチュエー
タ、CCV(CANISTER CLOSURE VA
LVE)17のアクチュエータにそれぞれ接続され、こ
れらの弁の作動を制御している。また、ECU30の入
力ポートには、機関の回転数、吸入空気量、機関冷却水
温度等を表す信号が、それぞれ図示しないセンサから入
力されている他、機関吸気通路1に設けられた吸気酸素
濃度センサ33から吸気中の酸素濃度に対応する信号が
入力されている。ECU30は、吸気酸素濃度センサ3
3出力に基づいて、吸気中に含まれる蒸発燃料量(蒸発
燃料濃度)を算出する。
【0023】図1に10で示すのは燃料タンク内の蒸発
燃料を吸着するキャニスタである。キャニスタ10はブ
リーザー配管13により燃料タンク11の燃料液面上部
空間と、また、パージ配管14により吸気通路1の吸気
酸素濃度センサ33上流側部分と、それぞれ接続されて
いる。図1に15で示すのは、パージ通路14を開閉す
るパージ制御弁15である。パージ制御弁15はソレノ
イドアクチュエータなどの適宜な形式のアクチュエータ
を備え、ECU30からの信号により開弁し、キャニス
タ10と吸気通路1とを連通してキャニスタ10のパー
ジを行う。
【0024】次に、本実施形態のキャニスタ10の構造
について説明する。図2は本実施形態のキャニスタ10
の構造を模式的に示す断面図である。キャニスタ10は
ハウジング10aと、該ハウジング内に充填された活性
炭などの蒸発燃料吸着剤50(以下の説明では、吸着剤
50a、50bを総称して吸着剤50と称する場合があ
る)とを備えている。ハウジング10a内には、ハウジ
ング上部から延びる隔壁10bが設けられており、ハウ
ジング10a内を主室10cと副室10dとに分割して
いる。吸着剤50はそれぞれ主室10cと副室10d内
に設けられたフィルタ材料、多孔板等の通気性材料から
なる2枚の保持板51a、51bの間に充填されてい
る。隔壁10bの下端、及び主室10c、副室10d内
の下側の保持板51b下部には空間10eが形成されて
いる。
【0025】主室10c内の吸着剤50a、及び副室1
0d内の吸着剤50bにはそれぞれヒータ20a(第1
のヒータ)、20b(第2のヒータ)が埋込まれてい
る。ヒータ20a、20bについては後述する。ハウジ
ング10aの主室10c部分には、ベーパーポート13
aとパージポート14aとが設けられており、主室10
c内の上側保持板51a上部空間10fは、ベーパーポ
ート13aを介してブリーザー配管13に、またパージ
ポート14aを介してパージ配管14に、それぞれ接続
されている。また、ハウジング10aの副室10d部分
には、大気ポート18aが設けられており、副室10d
内の上側保持板51aの上部空間10gは、大気ポート
18aを介して大気連通管18に接続されている。大気
連通管18の他端は、タンク11の給油口近傍に開口し
ている。
【0026】また、大気連通管18にはエアフィルター
19と前述したCCV17とが設けられている。エアフ
ィルタ19は後述するパージ実行時に大気連通管18か
らキャニスタ10内に流入する空気中の異物を除去する
ものである。CCV17は、ソレノイドアクチュエータ
などの適宜な形式のアクチュエータを備え、ECU30
からの制御信号に応じて大気連通管18とキャニスタ1
1との連通を遮断するものである。
【0027】次に、本実施例におけるキャニスタ10の
機能について説明する。キャニスタ10と吸気通路1と
を接続するパージ通路14上のパージ制御弁15の閉弁
中に燃料タンク11内圧力が上昇してベントバルブ13
1の開弁圧力に到達すると、ベントバルブ131が開弁
する。これにより、燃料タンク11の液面上部空間から
ブリーザー配管13を介して燃料蒸気と空気との混合気
がキャニスタ10の主室10c内に流入し、主室内の吸
着剤50aを通過して下部空間10eから更に副室10
d内の吸着剤50bを通過した後に大気連通管18から
大気に放出されるようになる。これにより、大気連通管
18からは主室10c内と副室10d内の吸着剤50
a、50bで燃料蒸気を除去された後の空気のみが放出
されるようになる。これにより、蒸発燃料の大気放出が
防止される。
【0028】また、機関運転中にパージ制御弁15が開
弁されると、キャニスタ10内にはパージ通路14を介
して吸気通路1のスロットル弁6下流側の負圧が作用
し、キャニスタ内圧力は大気圧より低くなる。このた
め、パージ制御弁15が開弁すると、大気連通管18か
らフィルタ19により異物を除去された清浄な空気がキ
ャニスタ10内に流入する。この空気は副室10dと主
室10cの吸着剤50b、50aから吸着した蒸発燃料
を離脱させ、蒸発燃料と空気との混合ガス(パージガ
ス)となってパージ通路14から機関吸気通路1に流入
し、機関燃焼室で燃焼する。これにより、吸着剤50が
蒸発燃料で飽和することが防止される。
【0029】上述のように、キャニスタ10内の吸着剤
50は蒸発燃料の吸着とパージによる脱離とを繰返すこ
とにより、蒸発燃料の大気放出を防止している。しか
し、パージによる蒸発燃料の脱離が不十分になると吸着
剤50には次第に吸着された蒸発燃料が蓄積し、吸着剤
50の吸着能力が低下する。特に、蒸発燃料の高沸点成
分は吸着剤50から脱離しにくいため吸着剤50に蓄積
されやすい。
【0030】本実施形態では、パージ実行時に吸着剤5
0に吸着された蒸発燃料を完全に脱離させて吸着剤50
の吸着能力を回復させるためにヒータ20a、20bが
設けられている。本実施形態では、ヒータ20a、20
bは板状の電気ヒータとされ、図2(A)、(B)に示
すように、それぞれキャニスタ主室10c内の吸着剤5
0aと副室10d内の吸着剤50bのほぼ長さ方向全体
にわたって埋込まれている。ヒータ20a、20bはそ
れぞれECU30からの制御信号により作動する図示し
ないリレーを介して車両の電源に接続され、互いに独立
して作動可能とされている。すなわち、本実施形態では
ベーパーポート13a近傍に位置するキャニスタ10の
主室10c内の吸着剤50aと、大気ポート18a近傍
に位置するキャニスタ10の副室10d内の吸着剤50
bとは、互いに独立して加熱することが可能となってい
る。
【0031】次に、本実施形態のキャニスタのヒータ2
0a、20bの制御について説明する。本実施形態で
は、パージ実行中に機関100の吸気通路1に設けた吸
気酸素濃度センサ33出力に基づいて吸着剤50の蒸発
燃料吸着量を推定し、この蒸発燃料吸着量に応じて第1
と第2のヒータ20a、20bのオン、オフを行う。具
体的には、本実施形態では、吸気酸素濃度センサ33と
して、センサ電極上で吸気中の蒸発燃料などの可燃物を
酸化(燃焼)し、燃焼後の吸気中の酸素濃度を検出する
形式のものが用いられている。このため、吸気酸素濃度
センサ33で検出した酸素濃度は吸気中の蒸発燃料量
(濃度)が大きいほど低下する。すなわち、吸気酸素濃
度センサ33で検出した酸素濃度は吸気中の蒸発燃料濃
度を表すことになる。
【0032】一方、機関100の燃料噴射制御では通常
吸気通路1に設けたエアフローメータ(図示せず)また
は吸気圧力センサ(図示せず)と機関回転数とに基づい
て機関の吸気流量が算出される。このため、吸気酸素濃
度センサ33で検出した酸素濃度と吸気流量とから、パ
ージ中に吸気通路に流入する蒸発燃料量(流量)を算出
することが可能となる。
【0033】一方、パージ配管14から吸気通路1に供
給されるパージガスの流量は機関運転状態(吸気通路負
圧)とパージ制御弁15開度により定まる。このため、
蒸発燃料流量とパージガス流量とに基づいてパージガス
中の蒸発燃料濃度を算出することができる。例えばEC
U30は一定時間毎に吸気酸素濃度センサ33で検出し
た吸気酸素濃度と機関吸気流量とに基づいて吸気中の蒸
発燃料量(流量)を算出し、更に機関運転状態とパージ
制御弁15開度とに基づいてパージガス流量を算出す
る。そして、ECU30は更に、算出した蒸発燃料量と
パージガス流量とに基づいてパージガス中の蒸発燃料濃
度を算出し、この蒸発燃料濃度に基づいてキャニスタの
パージ制御を行う。
【0034】本実施形態では、基本的にはパージガス中
の蒸発燃料濃度が所定の上限値以上である場合、及び所
定の下限値以下である場合にはヒータでの吸着剤加熱は
行わない。パージガス中の蒸発燃料濃度は吸着剤の吸着
した蒸発燃料量と相関があり、吸着剤の蒸発燃料吸着量
が大きいほどパージガス中の蒸発燃料濃度は高くなる。
このため、蒸発燃料濃度が高い場合は吸着剤の蒸発燃料
吸着量が大きいことを意味している。吸着剤の蒸発燃料
吸着量が多い場合には、吸着剤からの蒸発燃料脱離速度
も大きく、吸着剤を加熱して蒸発の脱離を促進する必要
はない。
【0035】一方、蒸発燃料濃度が低い場合には吸着剤
から蒸発燃料の大部分が脱離しており、吸着剤の蒸発燃
料吸着量は低くなっている。このため、吸着剤の吸着能
力は既に回復しており、これ以上吸着剤を加熱して蒸発
燃料の脱離を促進する必要はない。また、吸着量が小さ
い状態で吸着剤を加熱すると吸着剤自体の温度が上昇
し、蒸発燃料の吸着を再開したときの吸着能力が低下し
てしまう。そこで、本実施形態では吸着剤の蒸発燃料吸
着量が所定の上限値より小さく、かつ所定の下限値より
大きい場合にのみヒータに通電して吸着剤の加熱を行う
ようにしている。
【0036】ところが、単にヒータによる加熱のみで吸
着剤からの蒸発燃料の脱離を行うと、単位加熱量当りの
蒸発燃料脱離量は比較的少なくなり加熱に要するエネル
ギーが増大する問題がある。また、吸着剤に吸着された
蒸発燃料は気化することにより吸着剤から脱離するた
め、脱離時に吸着剤から気化熱を奪う。このため、短時
間で効率的に吸着剤から蒸発燃料を脱離させようとする
と、大容量のヒータを用いて吸着剤を加熱する必要があ
る。吸着剤に多量の蒸発燃料が吸着されている場合に
は、燃料の蒸発により吸着剤から奪われる熱量も大きい
ため、大容量のヒータを用いても吸着剤温度はそれほど
上昇しない。
【0037】しかし、吸着剤に吸着された蒸発燃料量が
徐々に減少して単位時間当りの脱離量が減少してくる
と、それに応じて蒸発燃料が奪う気化熱も減少するた
め、大容量のヒータで吸着剤を加熱し続けると吸着剤温
度が過度に上昇してしまい、脱離完了後の吸着剤吸着能
力が低下する問題がある。これを防止するためには、吸
着剤温度が一定になるようにヒータに供給する電力を制
御することが必要となり、吸着剤温度の検出のための温
度センサーやヒータ電力を可変制御する必要が生じるた
め、装置コストの増大や制御の複雑化が生じるおそれが
ある。
【0038】本実施形態では、図2のキャニスタ10を
パージする際にキャニスタ10内を負圧に保持して吸着
剤からの蒸発燃料の脱離を行うことにより、装置コスト
の増大や制御の複雑化を招くことなく効率的な脱離を行
うようにしている。前述のように、吸着剤に吸着された
蒸発燃料は気化することにより吸着剤から脱離するた
め、脱離を促進するためには蒸発燃料の奪う気化熱をヒ
ータにより供給する必要がある。一方、吸着剤に吸着さ
れた燃料はキャニスタ内の圧力が低下すると気化しやす
くなり、脱離が促進される。このため、キャニスタ内の
圧力を低下させた状態で吸着剤を加熱すれば、少ない加
熱エネルギーで蒸発燃料を脱離させることができる。
【0039】本実施形態では、パージ実行中にCCV1
7を閉弁してキャニスタ10の大気ポート18aと大気
との連通を遮断する。これにより、キャニスタ内圧力は
通常のパージ中(CCV17を開弁した状態)より大幅
に低下することになる。この状態でヒータ20a、20
bに通電して吸着剤50a、50bを加熱することによ
り少ないヒータ加熱電力で蒸発燃料の脱離を行うことが
できる。
【0040】図3は、本実施形態の吸着剤からの蒸発燃
料の脱離操作(パージ操作)の実際を示すフローチャー
トである。本操作はECU30により一定時間毎に実行
されるルーチンにより行われる。図3の操作では、まず
ステップ301でフラグXPGの値が1にセットされて
いるか否かが判定される。XPGは現在吸着剤50のヒ
ータ加熱が実行されているか否かを表すフラグであり、
XPG=1は現在ヒータ加熱実行中、XPG=0は現在
ヒータ加熱が実行されていないことを意味する。
【0041】ステップ301でXPG≠1、すなわち、
現在吸着剤50のヒータ加熱が実行されていない場合に
は、次にステップ303でCCV17を開弁してキャニ
スタ10内に空気を導入するとともに、ステップ305
ではヒータ20a、20bの両方をオフにする。また、
ステップ307ではカウンタCTの値を0にセットす
る。カウンタCTについては後述する。
【0042】ステップ309からステップ315は吸着
剤50のヒータ加熱の要否判断を表す。すなわち、ステ
ップ309では現在の吸気酸素濃度センサ33から吸気
酸素濃度を読込み、ステップ311では、読込んだ吸気
酸素濃度と現在の機関吸入空気量、吸気通路負圧及びパ
ージ制御弁開度とに基づいてパージガスの蒸発燃料濃度
FGPGが算出される。
【0043】そして、ステップ313では蒸発燃料濃度
FGPGが所定の上限値GPGH以上か否か、また、ス
テップ315ではFGPGが所定の下限値GPGL以下
か否かを判断し、FGPGが上限値GPGH以下、かつ
下限値GPGL以上の場合にのみ吸着剤50のヒータ加
熱を行う。ステップ313における上限値GPGHは、
吸着剤全体としてある程度吸着量が減少して加熱しない
状態での吸着剤からの蒸発燃料の脱離速度が低下を始め
た状態に対応する蒸発燃料濃度である。すなわち、蒸発
燃料濃度がGPGH以上である場合には吸着剤を加熱し
なくとも充分に蒸発燃料の脱離速度が大きいため、ヒー
タによる加熱は行わない。GPGHの値はキャニスタの
サイズ、吸着剤の種類などにより異なるため、詳細には
実際のキャニスタを用いた実験により設定することが好
ましい。
【0044】また、ステップ315における下限値GP
GLは、加熱時の吸着剤50aと50bとの両方からの
蒸発燃料脱離が完了した状態に対応する蒸発燃料濃度で
あり、GPGHと同様、詳細には実験により設定され
る。ステップ313、315で蒸発燃料濃度FGPG
が、GPGH>FGPG>GPGLの範囲にない場合に
は吸着剤50のヒータ加熱の必要はないため、今回の操
作の実行を終了する。ステップ313でGPGH>FG
PG>GPGLであった場合にはステップ317でフラ
グXPGの値を1にセットして今回の操作を終了する。
フラグXPGの値が1にセットされると次に本操作が実
行されたときに、ステップ301の後にステップ319
から327の操作が実行され、キャニスタ10内の減圧
と吸着剤50のヒータ加熱が実行されるようになる。
【0045】本実施形態では、ヒータ20a、20bは
同時にオン、オフされて吸着剤50a、50bを同時に
加熱する。また、ヒータ加熱は、CCV17を閉弁した
状態で予め定めた一定時間行う。CCV17を閉弁する
ことによりキャニスタ10への大気ポート13aからの
空気の流入は遮断され、キャニスタ10内は吸気通路1
内の吸気圧力に応じた負圧になる。この状態で吸着剤5
0a、50bを加熱することにより少ないヒータ電力で
吸着剤から効率的に蒸発燃料を脱離させることが可能と
なる。
【0046】ステップ319から327の操作では、ま
ずステップ319でCCV17が閉弁され、ステップ3
21ではヒータ20a、20bがオン(通電)される。
また、ステップ323ではカウンタCTの値が1増大さ
れる。カウンタCTの値はヒータ加熱を実行していない
ときには常にステップ307で0に設定されている。ま
た、本操作は一定時間毎に実行されるため、ステップ3
23で増大後のCTの値はヒータ加熱を開始してからの
経過時間を表す。
【0047】ステップ325から327では、カウンタ
CTの値が所定値CT0に到達するまでCCV17を閉
弁した状態でヒータ20a、20bにより吸着剤50
a、50bを加熱し、加熱開始後CT0に相当する時間
経過後フラグXPGの値を0にセットする。フラグXP
Gの値が0にセットされると、次回の操作実行時からス
テップ301の後にステップ303以下が実行されるよ
うになり、CCV17が開弁され、ヒータ20a、20
bの通電は停止される。すなわち、この場合にはヒータ
加熱と吸収剤50の負圧保持とを行わない通常のパージ
が実行されるようになる。
【0048】ステップ325における所定値CT0は、
キャニスタ内を負圧に保持して吸着剤を加熱した場合
に、吸着剤に吸着された蒸発燃料を完全に脱離させるの
に充分な時間に相当するカウンタ値であり、詳細には実
際のキャニスタを用いた実験により設定される。
【0049】なお、本実施形態では、図2に示したよう
に主室10cと副室10dとに個別のヒータ20a、2
0bを設けた場合を例にとって説明しているが、主室1
0cと副室10dの吸着剤を同時に加熱する単一のヒー
タを用いた場合でも同様な制御が可能であることはいう
までもない。
【0050】次に、本発明のパージ制御操作の上記とは
別の実施形態について説明する。上述の実施形態では、
CCV17を閉弁し、パージ制御弁15を開弁した状態
で保持することにより、キャニスタ10内を負圧に保持
していた。しかし、このようにパージ制御弁15を開弁
したままで吸着剤のヒータ加熱を行うと、吸着剤からの
蒸発燃料蒸発速度(脱離速度)が大きくなり、吸着剤か
ら奪われる気化熱も増大するため、ヒータ20a、20
bの熱量によっては吸着剤温度が低い状態で気化熱とヒ
ータ入熱とが平衡してしまい、ヒータの単位電力当りの
蒸発燃料の脱離量が比較的小さくなる場合が生じる。
【0051】本実施形態では、図3の場合と同様にパー
ジ制御弁15を開弁した状態でCCV17を閉弁し、キ
ャニスタ内の圧力を低下させるが、キャニスタ内圧力が
低下した時点でパージ制御弁15を閉弁し、キャニスタ
内を負圧密閉状態に維持する。密閉状態では、キャニス
タ内の燃料蒸気圧は吸着剤から脱離した蒸発燃料により
上昇するため、吸着剤からの蒸発燃料脱離量は徐々に減
少し、キャニスタ内の燃料蒸気圧が燃料の飽和蒸気圧に
到達した時点で吸着剤からの脱離が生じなくなる。しか
し、この場合には蒸発燃料脱離量の減少とともに蒸発燃
料に奪われる気化熱も減少するため、吸着剤温度の低下
は少なくなる。
【0052】本実施形態では、キャニスタを負圧密閉し
た状態で吸着剤をヒータ加熱しながら所定時間保持し、
所定時間経過後にパージ制御弁15を開弁しキャニスタ
内の蒸発燃料を吸気通路に吸入するとともに、キャニス
タ内圧力を再度吸気負圧付近まで低下させ、その後パー
ジ制御弁15を閉弁する操作を繰返すことにより吸着剤
50から蒸発燃料を脱離させる。すなわち、本実施形態
ではCCV17を閉弁したままで、パージ制御弁15を
一定時間閉弁した後開弁する操作を繰返すことにより、
吸着剤50からの蒸発燃料のパージを行う。
【0053】このように、密閉状態での蒸発燃料脱離を
繰返した場合には、パージ制御弁15を開弁したままで
脱離を行う場合に較べて、蒸発燃料の脱離速度は低くな
るが、脱離速度が低くなった分だけ吸着剤の加熱に要す
る電力を削減することが可能となる。このため、少ない
ヒータ加熱電力で吸着剤からの蒸発燃料の脱離を行うこ
とが可能となる。
【0054】図4、図5は、本実施形態の具体的な操作
を示すフローチャートである。本操作は、ECU30に
より一定時間毎に実行されるルーチンにより行われる。
図4、ステップ401では、フラグXPGの値が1にセ
ットされているか否かが判定される。前述の第3の実施
形態と同様、XPGは現在吸着剤50のヒータ加熱が実
行されているか否かを表すフラグであり、XPG=1は
現在ヒータ加熱実行中、XPG=0は現在ヒータ加熱が
実行されていないことを意味する。ステップ401でX
PG≠1であった場合には、次にステップ403でカウ
ンタCT1とCT2、CT3の値を0にセットする。
【0055】そして、ステップ405では吸気酸素濃度
センサ33から吸気中の酸素濃度を読込んで、ステップ
407ではパージガス中の蒸発燃料濃度FGPGを算出
する。これらの操作は図3、図4と同様な操作である。
上記により蒸発燃料濃度FGPGを算出後、ステップ4
09ではFGPGが上限値GPGHと下限値GPGLと
の間にあるか否かが判定される。GPGH、GPGLは
図3の実施形態と同一の値である。
【0056】ステップ409でFGPGの値が、GPG
H>FGPG>GPGLの範囲にない場合には、ステッ
プ411でフラグXPGの値は0にセットされる。この
場合には本実施形態においてもヒータ加熱は実施され
ず、ステップ413と415ではCCV17とパージ制
御弁15とがそれぞれ開弁保持され、ステップ417で
ヒータ20a、20bがオフ状態に保持される。これに
より、キャニスタ10内は負圧保持も加熱も行わない通
常のパージが行われるようになる。一方、ステップ40
9でFGPGの値が、GPGH>FGPG>GPGLの
範囲にある場合には、ステップ419でフラグXPGの
値は1にセットされる。これにより、本操作が次に実行
されるとステップ401の後に図5のステップ421か
ら443のヒータ加熱操作が実行されるようになる。
【0057】図5、ステップ421から443では、C
CV17とパージ制御弁15とを閉弁してキャニスタ内
を負圧状態で密閉した状態で所定時間ヒータ加熱を行
い、その後パージ制御弁15を開弁する操作を行う。す
なわち、図5ステップ421ではCCV17が閉弁保持
され、ステップ423ではパージ制御弁15が開弁保持
され、ステップ425ではカウンタCT2の値が1増大
される。そして、ステップ427では増大したカウンタ
CT2の値が所定値T2に到達するのを待つ。ステップ4
27でカウンタCT2の値が所定値T 2に到達すると、次
にステップ429以下の操作が実行される。
【0058】カウンタCT2の値は、ステップ403で
0にセットされているため、ステップ427におけるカ
ウンタCT2の値はステップ421でCCV17が閉弁
され、ステップ423でパージ制御弁15が開弁された
後の経過時間を示している。また、ステップ427の所
定値T2はCCV17の閉弁とパージ制御弁15の開弁
とにより、キャニスタ10内が吸気負圧と同程度の負圧
になるのに充分な時間に相当するカウンタ値に設定され
ている。すなわち、ステップ427でCT2≧T2である
場合には、キャニスタ10内は充分な負圧になったと判
断できるため、次にステップ429でパージ制御弁15
を閉弁するとともに、ステップ431でヒータ20a、
20bをオンにして、キャニスタ10を負圧密閉状態に
保持して吸着剤50a、50bの加熱を行う。
【0059】ステップ433、435ではキャニスタの
負圧密閉状態での加熱が所定時間(カウンタCT1の値
が所定値T1に到達するまでの時間)継続される。T
1は、図3の操作における加熱継続時間CT0より短い時
間に設定されている。ステップ435でカウンタCT1
の値が所定値T1に到達すると、ステップ437、43
9ではパージ制御弁15の開弁とヒータ20a、20b
の通電停止が行われ、ステップ441、443ではこの
状態がカウンタCT3の値が所定値T3に到達するまで保
持される。所定値T3は、キャニスタ10内の負圧が再
度吸気通路負圧に相当する圧力まで低下するのに必要な
時間に対応する値に設定されている。
【0060】カウンタCT3が所定値T3に到達した後は
再度図4、ステップ403以下の操作が繰返される。す
なわち、本実施形態では、密閉加熱後にパージ制御弁1
5を開弁した後のパージガス蒸発燃料濃度が図4ステッ
プ409で下限値GPGLに低下するまでCCV17を
閉弁したままでパージ制御弁15の開閉とヒータ加熱と
が繰返されることになる。これにより、少ないヒータ電
力で吸着剤からの蒸発燃料の脱離を完全に行うことが可
能となる。
【0061】なお、本実施形態においても、個別のヒー
タを用いる代りに、キャニスタ10の主室10cと副室
10dの吸着剤50a、50bを単一のヒータで加熱す
るようにしても良い。
【0062】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、吸着剤
のヒータ加熱により吸着剤から蒸発燃料を脱離させる際
に、ヒータの加熱エネルギーを低減し効率的に吸着剤か
らの蒸発燃料の脱離を行うことが可能となる共通の効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用内燃機関に適用した実施形態
の概略構成を示す図である。
【図2】図1のキャニスタの構成の一実施形態を模式的
に示す断面図である。
【図3】図2のキャニスタのパージ制御操作の一実施形
態を説明するフローチャートである。
【図4】図2のキャニスタのパージ制御操作の別の実施
形態を説明するフローチャートの一部である。
【図5】図2のキャニスタのパージ制御操作の別の実施
形態を説明するフローチャートの一部である。
【符号の説明】
1…吸気通路 10…キャニスタ 11…燃料タンク 15…パージ制御弁 17…CCV 20a、20b…ヒータ 30…電子制御ユニット(ECU) 100…内燃機関本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 政弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G044 BA01 BA20 EA35 EA36 FA13 FA27 FA28 FA37 GA13 GA20 GA22 GA24 GA29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に吸着剤を収容するハウジングと、
    それぞれ前記ハウジングに設けられ、ハウジング内部を
    内燃機関の吸気通路に連通するパージポートと、ハウジ
    ング内部を内燃機関の燃料タンク内の液面上部空間に連
    通するベーパーポートと、ハウジング内部を大気に連通
    する大気ポートとを備え、燃料タンク内の蒸発燃料を前
    記ベーパーポートを介してハウジング内に導入して前記
    吸着剤に吸着させ、内燃機関運転中に前記大気ポートか
    らハウジング内に大気を導入して前記吸着剤に吸着され
    た蒸発燃料を吸着剤から脱離させるとともに脱離した蒸
    発燃料を前記パージポートから内燃機関の吸気通路に供
    給するキャニスタパージシステムであって、 前記吸着剤を加熱するヒータと、 前記大気ポートからのハウジングへの大気の導入を遮断
    して、ハウジング内を負圧に保持する負圧保持手段と、 機関運転中、前記負圧保持手段によりハウジングが負圧
    に保持された状態で前記ヒータを作動させ、前記吸着剤
    を加熱するパージ制御手段と、を備えたキャニスタパー
    ジシステム。
  2. 【請求項2】 前記負圧保持手段は、前記大気ポートか
    らのハウジングへの大気の導入を遮断した状態で前記パ
    ージポートから内燃機関の吸気通路負圧をハウジング内
    に導入することによりハウジング内を負圧に保持する、
    請求項1に記載のキャニスタパージシステム。
  3. 【請求項3】 前記負圧保持手段は、前記パージポート
    からハウジング内に負圧を導入後、ハウジング内が負圧
    になった状態で前記パージポートと吸気通路との連通を
    遮断してハウジング内を負圧に保持する、請求項2に記
    載のキャニスタパージシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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