JP2003305697A - 中空構造体の製造方法 - Google Patents

中空構造体の製造方法

Info

Publication number
JP2003305697A
JP2003305697A JP2002110583A JP2002110583A JP2003305697A JP 2003305697 A JP2003305697 A JP 2003305697A JP 2002110583 A JP2002110583 A JP 2002110583A JP 2002110583 A JP2002110583 A JP 2002110583A JP 2003305697 A JP2003305697 A JP 2003305697A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
sacrificial layer
substrate
film
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002110583A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Muramoto
准一 村本
Kazuhiro Matsuhisa
和弘 松久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2002110583A priority Critical patent/JP2003305697A/ja
Publication of JP2003305697A publication Critical patent/JP2003305697A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 犠牲層の除去を行う犠牲層露出部分の残渣に
よって、犠牲層エッチングが不均一で時間が長いので、
それだけ他の部分に与える損傷が大きい。 【解決手段】 基板2に支持された膜4,10上に所定
パターンの犠牲層13を形成する工程と、犠牲層13の
表面を覆う中空構造体の支持膜13を堆積し、ドライエ
ッチングにより開口部12aを形成し、犠牲層13の上
面の一部を露出させる工程と、表面に所定の液体を塗布
し、開口部12aの犠牲層露出上面にレーザー光を照射
して当該液体を加熱し蒸発させる洗浄工程と、支持膜の
開口部12aを介したエッチングにより、犠牲層13を
除去し中空部を形成する工程と含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空構造体の支持
膜を犠牲層の少なくとも上面で開口して犠牲層の上面の
一部を露出させ、この露出部分から犠牲層をエッチング
により除去して中空部を形成する工程を含む中空構造体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】柱状コンデンサや中空配線およびMEM
S(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)な
ど、中空立体構造をもつ半導体デバイスが開発されてき
た。これらの中空立体構造は、犠牲層の上に堆積した多
層堆積膜にパターンを形成し、その開口部分を通して犠
牲層を除去することによって作製される。
【0003】ここで図11(A)〜図12(B)に、例
として、光学MEMSの製造工程の一部を示す。光学M
EMSは、レーザーなどの光源を用いたディスプレイの
光強度変調素子として用いられる。光学MEMSは、表
面の反射膜と、これを支え、中空構造をもつ支持膜とを
有する。反射膜材料として、可視領域において反射光の
分散が小さいアルミニウムAlなどが用いられる。図1
1(A)に示すように、基板60上にエッチング防止膜
61、中空にする部分の形状を決める犠牲層62、支持
膜63および反射膜(被支持体)64を堆積させる。こ
こで、反射膜64およびその支持膜63に対してエッチ
ングの選択性が高い材質が犠牲層62に用いられる。
【0004】反射膜64上にレジストを塗布し、パター
ニング後に、図11(B)に示すように、反射膜64お
よび支持膜63をプラズマエッチングする。また、レジ
スト除去後(図11(C))、エッチングによる残渣6
6を除去する(図12(A))。そして、図12(B)
の工程では、このエッチング開口部を通して、犠牲層6
2を除去して中空構造にする。
【0005】従来、この犠牲層62の除去は、主に、ウ
エットエッチングにより行われてきた。具体的には、犠
牲層62に酸化シリコンを用いた場合、その除去を、フ
ッ酸HFを用いて行うなどが例示できる。
【0006】しかしながら、近年の立体構造の微細化に
よって、洗浄液による構造物自体へのエッチング損傷あ
るいは洗浄液やリンス液の表面張力による微細構造物の
倒壊といった不具合が発生することが多くなってきた。
また、フッ酸HFによって酸化シリコンからなる犠牲層
62をウエット処理で除去する場合、フッ酸HFは酸化
力が強いため、中空配線、例えばAl反射膜64を構成
する金属が溶解してしまう。さらに、100nm以下の
パターンサイズで構造物が作製されている場合、水の表
面張力がシリコンの最大応力を超えてしまい、構造物が
倒壊してしまうことも問題となる。
【0007】したがって、犠牲層除去を実行する方法と
してのウエットエッチング法は、ドライエッチング法に
代替されてきた。例えば犠牲層62にシリコンを用いる
場合、XeFプラズマエッチング法が用いられる。X
eFプラズマエッチングのシリコンのエッチング選択
比は、二酸化シリコンSiO、金属あるいはレジスト
に対して約1万倍と非常に高い。このため犠牲層62を
有効に除去することが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、プラズマエ
ッチングを行う場合、そのエッチングが開始されるとき
に反射膜64の開口部から露出した犠牲層表面に付着し
ている残渣66が問題となる。つまり、犠牲層62上の
積層膜(反射膜64およびその支持膜63)をエッチン
グにより加工するプロセスにおいて、図11(B)およ
び図11(C)に示すように、その開口部表面がエッチ
ング時の副生成物(例えば、ポリマー重合物)からなる
残渣66で覆われてしまう。
【0009】レジスト65塗布前の表面洗浄液、レジス
ト現像液、リンス液からのポリマー、あるいはその後の
洗浄に用いた水が残存していると、これらが図11
(B)のエッチング時にエッチングプラズマと反応して
ポリマー残渣66となって開口部周囲に付着する。この
残渣66は、レジスト除去後の図11(C)の状態でも
除去できず、多くが残存している。
【0010】反射膜64の開口部から露出した犠牲層表
面に付着した残渣66は除去しなくてはならない。その
残渣66が存在すると、犠牲層62の除去を行うプラズ
マの接触を妨害するため犠牲層除去が速やかに行われな
い。とくに、犠牲層除去時のプラズマエッチング開始の
潜伏期間(インキュベーションタイム)を増加させる。
インキュベーションタイムの増大はプラズマエッチング
時間の増大をもたらし、プラズマによる反射膜64への
損傷が引き起こされる。このようなポリマー残渣66に
よるエッチングの阻害はエッチング処理を不均一にし、
反射膜表面の傾斜やねじれなどの力学的応力が発生し、
反射表面に歪みを発生させる。この歪みやエッチング損
傷によって、反射膜表面に微細な凹凸が生じる。これら
の反射膜表面の微細な凹凸や歪みは、その光学特性、例
えば反射率の低下やオペレーション電圧の変動をきた
し、デバイスの動作特性を低下させる。
【0011】したがって、プロセス効率や歩留まりを向
上させるためには、そのようなポリマー残渣66を完全
に除去してからプラズマエッチングを行って犠牲層を除
去することが必要となる。この残渣除去後の様子を図1
2(A)に示すが、このエッチングによって反射膜表面
の微細な凹凸形成がさらに進行して、表面荒れ64aと
なって現れ、これがデバイス特性を著しく低下させる。
【0012】また、この犠牲層除去前に、付着したポリ
マー残渣66をウエット洗浄で除去することもできる
が、この場合、洗浄面に残存する水素原子がXeF
ラズマ内のフッ素ラジカルと反応してフッ化水素HFを
生成する。フッ化水素HFは、反射膜表面にエッチング
損傷をもたらし、前記したと同様、反射膜表面の反射率
を著しく低下させる。また、フッ化水素は、エッチング
装置のチャンバー内壁や配管等を腐食させるため発塵の
原因となる。さらにフッ化水素は有毒であるため、外部
環境への悪影響を考慮すると、排気系統にフッ化水素ガ
ス処理装置を準備する必要性があるなど様々な不利益を
もたらす。
【0013】本発明の目的は、犠牲層の除去を行う犠牲
層露出部分の残渣を、他の部分に損傷を与えることなく
有効に除去する工程を含む中空構造体の製造方法を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る中空構造体
の製造方法は、基板に支持された膜上に所定パターンの
犠牲層を形成する工程と、当該犠牲層の表面を覆う中空
構造体の支持膜を堆積する工程と、当該支持膜にドライ
エッチングにより開口部を形成し、前記犠牲層の上面の
一部を露出させる工程と、表面に所定の液体を塗布し、
前記開口部から露出する前記犠牲層の上面にレーザー光
を照射して当該液体を加熱し蒸発させる洗浄工程と、前
記支持膜の開口部を介したエッチングにより、前記犠牲
層を除去し中空部を形成する工程と含む。
【0015】好適に、前記液体の塗布時に、前記開口部
から露出する前記犠牲層の上面を超臨界流体の雰囲気に
さらす。好適に、前記レーザー光の照射後に所定時間、
前記開口部から露出する前記犠牲層の上面を超臨界流体
の雰囲気にさらす乾燥工程をさらに含む。好適に、前記
堆積した支持膜上に、当該支持膜により支えられる所定
パターンの被支持体を形成する工程をさらに有し、前記
支持膜の開口工程では、前記被支持体をマスクにしたエ
ッチングにより当該被支持体のパターン間スペースから
露出する前記支持膜の部分を除去し、前記犠牲層の上面
の一部を露出させる。
【0016】この中空構造体の製造方法では、犠牲層を
形成し、これを覆う支持膜を堆積した後、この支持膜に
エッチングにより開口部を形成する。この支持膜が、そ
の上の被支持体を支える場合、先に、この被支持体をパ
ターニングして、パターニング後の被支持体をマスクに
用いたエッチングにより支持膜に開口部を形成する。こ
のエッチング後に、本発明では当該犠牲層の露出上面の
洗浄工程を含む。具体的には、最初に、表面に液体(例
えば、有機物溶媒または水)を塗布する。この液体の塗
布よって、犠牲層の露出上面に液体が付着する。つぎ
に、この液体が付着した犠牲層の露出上面にレーザー光
を照射する。すると、高いエネルギー密度のレーザー光
が照射された部分で液体が爆発的に蒸発し、その瞬間的
な液体の昇華にともなって、犠牲層の露出上面に先のエ
ッチング工程で付着していた残渣が除去される。
【0017】たとえばレーザー光照射の前に予め導入し
た超臨界流体の雰囲気に前記犠牲層の露出上面をさらし
ておく。超臨界状態ではガスの密度が急激に上昇し気体
とも液体ともつかない流体の状態になっていることか
ら、超臨界流体の種類に応じて特定の化学的親和性が高
い物質を溶解する。この超臨界流体の種類を、乾燥させ
たい物質(例えば、超臨界流体COに対してイソプロ
ピルアルコールIPAやエタノールに代表される有機物
溶媒や水)に適合して予め選択すると、このレーザー光
の照射後の乾燥時に、昇華されないで残存した有機物溶
媒や水などが除去される。また、液体を塗布する場合、
この塗布の前に超臨界流体の雰囲気の導入を開始する
と、この液体の塗布中に気体と液体との界面で働く表面
張力が低減される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、中空部となる箇所に犠
牲層を形成し、犠牲層周囲を囲む支持膜を形成し、この
支持膜の一部を、フォトリソグラフィ技術を用いて開口
し、この開口部から露出する犠牲層部分をエッチングに
より除去して空隙(中空部)を形成する種々の中空構造
体に適用できる。そして、本実施形態に係る中空構造体
の製造方法は、支持膜に開口部を形成し犠牲層を除去す
る前に、開口部による露出表面の残渣を除去するための
表面洗浄を、いわゆるレーザー・クリーニング法あるい
はスチーム・レーザー・クリーニング法により施すこと
に特徴がある。
【0019】このような中空構造体を有するデバイスの
代表的なものとして、MEMS素子がある。MEMS素
子は、シリコン基板、ガラス基板等の基板上に中空構造
体として形成され、機械的に駆動してその物理的または
物性値の変化を出力に反映させる駆動体と、駆動体の駆
動を制御する半導体集積回路等とを電気的、機械的に結
合させた素子である。MEMS素子の基本的な特徴は、
機械的構造として構成されている駆動体が素子の一部に
組み込まれ、半導体プロセスにより集積回路と一体とし
て形成されることである。
【0020】以下、光学MEMSのうち、例えばレーザ
ーディスプレイ用の光強度変調に用いられる光変調素子
を例に、本発明の実施形態を説明する。
【0021】図1は、本発明の実施形態に係る光変調素
子の機械的駆動体の斜視図である。この光変調素子の機
械的駆動体、すなわち中空構造体1は、基板2の上に、
複数個のMEMSエレメント3を並列に密に配置させた
構造を有し、個々のMEMSエレメント3は、大別する
と、全てのエレメントで共通な基板側電極4と、この基
板側電極4に対しブリッジ状に配置され、当該基板側電
極4と空隙を挟んで一定距離で対向した電極を含む薄膜
構造体とからなる。この薄膜構造体は、静電駆動型メン
ブレンと称せられる。静電駆動型メンブレン5側の電極
(以下、メンブレン電極という)は、基板側電極4との
電位差に応じて、その間に働く静電引力あるいは静電反
発力によって機械的に動く。メンブレン電極の表面は高
い反射率の材料からなり、入射光が、この反射面に当た
って反射する。基板側電極4とメンブレン電極との距離
が変わると反射光の光強度が変わるため、基板側電極4
を基準に各メンブレン電極に与える電圧値の組み合わせ
に応じて入射光の光強度を変調でき、変調後の光(反射
光)を出力する。
【0022】図2は、1つのエレメントを拡大して示す
斜視図である。ガラスまたは単結晶シリコンからなる基
板2上に、例えばクロム(Cr)、タングステン(W)
あるいはアルミニウム(Al)などからなる基板側電極
4が形成されている。基板側電極4は、必要に応じて、
この電極を犠牲層のエッチングから保護するエッチング
ストッパ膜10で覆われている。
【0023】基板側電極4の上方をブリッジ状に交差す
る薄膜構造体5は、その最上部に形成されたメンブレン
電極11と、このメンブレン電極11を下方から支えて
基板側電極4との距離を定常状態で一定に維持させるブ
リッジ状の支持膜12とからなる。支持膜12が支える
被支持体は、この場合、メンブレン電極11となる。支
持膜12は、支柱として機能する2つの側板部と、側板
部の上端を結びメンブレン電極11の下面に接する支持
平面部と、側板部の下端それぞれから外側に延びた裾部
とを有し、1つの絶縁膜から構成されている。支持膜1
2の絶縁材料に限定はないが、その強度、弾性係数など
の物性値が機械的駆動に対して適切であるため、例えば
窒化シリコンが選択できる。また、被支持体であるメン
ブレン電極11は、反射率が高い金属材料などからな
り、本例では、アルミニウムから構成されている。アル
ミニウムは、比較的容易に成膜、加工でき、可視光領域
での光反射率の波長分散が小さく、かつ、表面にできる
アルミナ自然酸化膜が保護膜となって反射面を保護する
などの理由から、メンブレン電極材料として好適であ
る。なお、図示を省略したが、メンブレン電極11のそ
れぞれには電極の引き出し配線部を有し、個々に異なる
電圧が印加可能となっている。なお、このブリッジ状の
薄膜構造体5に代えて、支柱として機能する支持膜の側
板部が1つである片持ち梁形、即ちカンチレバー形の薄
膜構造体の採用も可能である。
【0024】以下、この光変調素子の製造を例として、
本発明に係る中空構造体の製造方法の実施形態を説明す
る。
【0025】[第1実施形態]図3(A)〜図5(B)
は、この光変調素子の製造途中の断面図である。なお、
図3(A)〜図3(D)に図2に示すA方向の断面を示
し、図4(A)以降は図2に示すB方向の断面を拡大し
て示す。図3(A)に示すように、例えばガラスまたは
単結晶シリコンなどからなる基板2上に、Cr、Wまた
はAl等の金属膜を成膜して、これを方形状にパターン
ニングして基板側電極4を形成する。必要に応じて、こ
の基板側電極4を覆うエッチングストッパ膜10を成膜
する。
【0026】続いて、これら基板に支持された膜4,1
0上に、犠牲層13となる膜を成膜して、これを図3
(B)に示すように基板側電極4とほぼ同様なパターン
に加工して犠牲層13を形成する。犠牲層13は、例え
ばアモルファスシリコンやポリシリコンなどの半導体材
料あるいは酸化シリコンなどの絶縁材料から構成され
る。前記したエッチングストッパ膜10は、この犠牲層
材料とのエッチング選択比が高い材料からなる。例え
ば、犠牲層13がアモルファスシリコンやポリシリコン
からなる場合、エッチングストッパ膜10の材料として
酸化シリコンが選択される。また、犠牲層13が酸化シ
リコンからなる場合、エッチングストッパ膜10の材料
として、例えば窒化シリコンが選択される。なお、エッ
チングストッパ膜10は、後述する犠牲層13の除去時
に基板側電極4が損傷を受けないように設けられている
が、電極材料あるいはエッチング方法の適切な選択によ
って、このような懸念がない場合は省略可能である。
【0027】この犠牲層13とのエッチング選択比が高
い膜を全面に成膜し、これをパターニングして、図3
(C)に示す支持膜12を形成する。なお、このときの
エッチングでは、少なくとも犠牲層13の上面に接する
支持膜部分はエッチングにより分離しないで、その他の
部分を分離する。
【0028】全面にAl膜を形成し、これをパターニン
グして、図3(D)に示す被支持体としてのメンブレン
電極11を形成する。具体的には、図4(A)に示すよ
うに、Al膜上に所定の開口部14aを有するレジスト
14を形成し、これをマスクとしてドライエッチングに
よりAl膜を個々のメンブレン電極11に分離する。
【0029】続いて、エッチングガスを切り替えて、図
4(B)に示すように、メンブレン電極間に露出した支
持膜12の部分をエッチングにより除去する。これによ
り、支持膜12が個々のエレメントごとに分離され、犠
牲層上面を露出させるための開口部(例えば、エッチン
グ溝)12aが形成される。このメンブレン電極間を狭
く形成するための微細加工用のレジスト14は薄いの
で、支持膜12のエッチング途中でエッチオフされるこ
とがある。その場合、メンブレン電極11のAl反射面
がむき出しとなる。また、図4(B)に示すように、エ
ッチング途中に生成される重合物や変質したレジストの
滓が残渣15となって支持膜12のエッチング面に付着
する。この残渣15は次の犠牲層除去を妨げるため除去
する必要があるが、これをドライエッチングで強制的に
除去しようとするとかなりのオーバーエッチングを施さ
なければならず、むき出しとなったAl反射面への損
傷、ひいてはデバイス特性の低下が懸念される。
【0030】そこで、本発明の実施形態では、支持膜1
2に開口部12aが形成された段階でエッチングを停止
し、この残渣除去のためにレーザー・クリーニングある
いはスチーム・レーザー・クリーニングを行う。この工
程は、本発明の“洗浄工程”の具体例に該当し、以下、
レーザー洗浄と言う。
【0031】図6は、第1実施形態に係るレーザー洗浄
工程のフロー図である。まず、所定のレーザー洗浄装置
のチャンバー内に、光変調素子が図4(B)の段階まで
形成された基板2をセットする。このレーザー洗浄装置
には、そのチャンバー内に液体の塗布機構を内蔵してい
る。
【0032】ステップST0において、このチャンバー
内に超臨界状態の流体(例えばCO 流体)を導入す
る。超臨界状態の流体は、一方側からチャンバー内に導
入され、他方側から外部に排気される。この状態で、次
のステップST1において、レーザー洗浄の剥離用蒸気
となる液体、例えば純度が高いイソプロピルアルコール
IPAやエタノールなどの有機物溶媒または水を塗布す
る。
【0033】液体塗布では、液体を微粒子状は気相状態
にして基板表面まで搬送し、付着または結露させる。こ
のとき、微細構造物に液体と気体との間の表面張力によ
る力が加わり、微細構造物の強度が弱い場合に、これが
倒壊するおそれがある。
【0034】本実施形態では、このとき既に超臨界状態
の流体が導入されおり、超臨界状態の流体は、気体と液
体の中間状態であると考えられることから、その超臨界
流体雰囲気内では液体(有機物溶媒または水)と気体と
の界面で働く表面張力が低減される。その結果、中空構
造体に余計な力が加わらず、微細構造物が存在しても、
その倒壊が有効に防止できる。本実施形態の液体塗布方
法としては、噴霧状の液体微粒子を混合した気体を用い
る方法、液体を気相で含む蒸気を用いる方法、あるいは
液体を液相のまま導入し雰囲気ガスの流れによって散布
する方法などがある。
【0035】次のステップST2において、この液体が
塗布された基板上に、図4(B)の支持膜12のエッチ
ング溝12aに照準を合わせてレーザー光を外部からチ
ャンバーの光学窓等を通して照射し、レーザー光が個々
の開口部(エッチング溝)12aに沿って走査されるよ
うにレーザー光軸と基板との相対位置を動かす。あるい
は、レーザー光のエネルギーが十分小さい場合は、開口
部にレーザー光を照準させる必要は必ずしもなく、これ
を基板表面全域に繰り返し走査してもよい。これによ
り、開口部12a内の有機物溶媒が急激に加熱され爆発
的に蒸発する。このときの昇華エネルギーによって、開
口部12aの内面に付着していた残渣15が除去され、
超臨界流体とともにチャンバー外に排出される。とくに
超臨界流体がCO流体の場合、ポリマー重合物と化学
的親和性が高いため残渣15が有効に除去される。
【0036】ステップST3において、引き続き超臨界
流体COの雰囲気に基板を所定時間さらすことによ
り、このレーザー洗浄工程あるいはそれより前の工程に
おいて付着した水分を乾燥させる。例えば、Er:YA
Gレーザーなどのように、その波長が水に強く吸収され
る場合、基板上に残存する水は、より効果的に基板上か
ら除去される。
【0037】図5(A)は、このレーザー洗浄により残
渣が除去された状態を示している。レーザー洗浄の後
は、水分が吸着しないように直ちにエッチング装置に基
板を移送し、例えば等方性が強い条件のプラズマエッチ
ングを行う。このエッチングでは、開口部12aの底面
に接した犠牲層露出部からエッチングが始まり、エッチ
ング途中も、この開口部12aを通ってエッチングガス
およびプラズマが出入りする。上述したレーザー洗浄に
より、この犠牲層露出部の表面からポリマー残渣や水分
が除去されているので、直ぐにエッチングが開始されイ
ンキュベーションタイムが殆どない。また、エッチング
が均一に進み、このため、全ての犠牲層13を除去する
時間が一定で、オーバーエッチング量も必要最小限でよ
い。このため、被支持体としてのメンブレン電極11の
Al反射面の面荒れが最低限に抑えられる結果、その光
学特性,力学特性が著しく変化するようなことがなく、
さらには微細構造体の変形もない。これにより、図5
(B)に示すように中空部16が形成され、中空構造体
の基本構造が完成する。
【0038】仮に、レーザー洗浄を行わず、ポリマー残
渣や水分の除去が不十分だとする。この場合、例えば犠
牲層材料がアモルファスシリコンやポリシリコンで、そ
のエッチングにXeFガスが用いられた場合に、これ
らポリマー残渣や水分がXeFプラズマ内のフッ素ラ
ジカルと反応してフッ化水素(HF)が生成される。H
FはAlの反射表面にエッチング損傷をもたらし、その
反射率を著しく低下させる。また、HFはチャンバー内
壁を腐食するため発塵の原因となる。さらにHFは有毒
であるため、外部環境への悪影響を考慮すると、レーザ
ー洗浄装置の排気系統にHFガス用の排ガス処理装置を
装備することが必須となる。
【0039】本実施形態では、上述したレーザー洗浄に
よりポリマー残渣や水分を完全に除去することが可能で
あり、このような不具合がなく、特性低下のない、ある
いは、それが最小限に抑制された光変調素子の製造が可
能となるという利点がある。
【0040】[第2実施形態]第2実施形態は、レーザ
ー洗浄において超臨界流体の導入タイミングが第1実施
形態と異なる。中空構造体の構造および製法の基本は同
じである。
【0041】図7は、第2実施形態に係るレーザー洗浄
工程のフロー図である。先の第1実施形態ではエタノー
ル等の液体塗布を超臨界流体雰囲気中で行うため、寸法
が100nm以下の微細構造体であっても、その構造体
の倒壊を有効に防止できた。これに対し、第2実施形態
では、液体塗布(ステップST1)より後に超臨界流体
の導入(ステップST0)を行うこととしている。この
ため、エタノール塗布では倒壊のおそれが少ない、寸法
が100nmより大きい中空構造体に適している。超臨
界流体の導入(ステップST0)は、レーザー光照射
(ステップST2)の前または後、さらにはレーザー光
照射中でもよい。超臨界流体の流れによって除去した残
渣を基板から遠ざけて再付着を防止する意味では、レー
ザー光照射の前に予め超臨界流体をチャンバー内に導入
して、予め、この流れを作っておくことが望ましい。な
お、各ステップの具体的な方法は、第1実施形態と同じ
であり、ここでの説明は省略する。
【0042】第2実施形態では、超臨界流体の導入時間
が短くて済むためガス原材料の節約になり、またCO
ガスを超臨界状態にするための装置の稼働率を低減でき
るという利点がある。
【0043】以下、より詳細なレーザー洗浄の方法を、
具体的な洗浄装置構造も含めて実施例にて説明する。
【0044】[実施例1]図8(A)は実施例1に係る
レーザー洗浄装置の概略を模式的に示す図である。ま
た、図8(B)は図8(A)の一部を拡大した図であ
る。このレーザー洗浄装置20は、第1実施形態の手順
(図6)でレーザー洗浄を行うのに適している。
【0045】このレーザー洗浄装置20は、そのチャン
バー21の壁面の一方に超臨界流体の導入口24を備
え、これと反対側のチャンバー壁面に排気口25を備え
ている。超臨界流体の導入口24には、図示を省略した
超臨界流体の生成装置が配管を介して接続されている。
チャンバー21内には、例えば2軸移動可能なステージ
23が設置され、その上に、前述した光変調素子等の中
空構造体を有する素子を途中まで作り込んだ基板2がセ
ットされている。一方のチャンバー壁面下部には基板2
の搬入搬出口22が設けられている。また、チャンバー
21の上部には、有機物溶媒または水等を含む洗浄ガス
の混合部26と、基板状態を視認または測定可能な光学
窓27とを備える。
【0046】図8(B)では、有機物溶媒(例えばエタ
ノール)を噴霧状にして不活性ガスからなる搬送気体と
混合した後、基板上に吹き付ける噴霧式溶媒塗布機構を
例示する。この洗浄ガス混合部26は、有機物溶媒導入
部26a,搬送気体導入部26b,有機物溶媒噴射ノズ
ル26c,洗浄ガス供給口26dを有する。
【0047】まず、搬入搬出口22を通してチャンバー
21内のステージ23上に基板2がセットされると、C
流体を導入口24から、例えば所定流量で供給す
る。有機物溶媒101は液体のまま導入しても、条件に
よってはCO流体内で霧状に散在する状態となって塗
布されることもあるが、ここでは、搬送気体導入部26
bから搬送気体102を導入し、有機物溶媒噴射ノズル
26bからこの搬送気体に霧状に噴出させて混合し、こ
の混合後のガス(洗浄ガス)を洗浄ガス供給口26dか
らチャンバー内に供給する。洗浄ガス103は、その供
給口から基板2に到達される間に供給速度に応じた距離
だけ超臨界流体100の流れる方向に流される。しがた
って、洗浄ガス103の供給速度を調整することによ
り、有機物溶媒等をレーザー光が照射される基板表面領
域Sに搬送することができる。
【0048】有機物溶媒の塗布を行ってから適切な遅延
時間を計り、必要に応じて集光レンズ等の光調整部28
によりスポット径等が調整されたレーザー光Lが、基板
2上の表面領域Sに照射される。この照射によって、こ
の領域に搬送されて付着した有機物溶媒が爆発的に蒸発
し、それに伴って残渣が除去される。レーザー光Lのエ
ネルギー密度は基板2に損傷を与えないように十分小さ
い。また、エネルギー密度が高い場合でも、レーザー光
Lを十分に絞ると反射面の影響を十分小さくでき、さら
には、この基板表面側部分は犠牲層により支持されてい
るので変形し難い。溶媒蒸気とともに剥離された残渣
は、超臨界流体や洗浄ガスの流れ100´に乗って排気
口25から外部に排出され処分される。
【0049】この洗浄装置の構成では、有機物溶媒を含
む洗浄ガス103を必要量だけ局所的に供給できる。ま
た、その洗浄ガス103の供給口26dがチャンバー天
井面から突出していないので超臨界流体100の乱流が
抑制され、その結果、除去された残渣が基板2に再付着
することなくスムーズに排出される。
【0050】[実施例2]図9は実施例2に係るレーザ
ー洗浄装置の概略を模式的に示す図である。このレーザ
ー洗浄装置30は、第2実施形態の手順(図7)でレー
ザー洗浄を行うのに適している。
【0051】このレーザー洗浄装置30の超臨界流体の
導入口34はチャンバー31の内部奥深くに設けられ、
導入口34からチャンバー内を内部配管34aが通って
いる。また、洗浄ガスの混合部36と光学窓37が分離
して設けられ、その間に排気口35を備えている。この
ため、排気口35より左側のレーザー照射領域と、右側
の液体塗布領域が区分され、例えばレーザー照射領域の
みに超臨界流体が導入可能である。導入口34に接続さ
れた不図示の超臨界流体の生成装置から配管34aを通
って導入口34からチャンバー31内に導入された超臨
界流体100は、短い距離だけ流れ、その大部分が直ぐ
に排気口35から外部に排出される。一方、超臨界流体
の導入側と反対側のチャンバー側壁には、不活性ガスの
導入口39が設けられている。供給ガスの混合部36
は、図8(B)に示す実施例1の混合部26と基本的構
造は同じであり、エタノール等の有機物溶媒または水1
01をノズルから噴射し搬送気体102と混合して基板
2に所定速度で搬送する。余分な洗浄ガスは、導入口3
9から導入された不活性ガス104に導かれて排気口3
5から排出される。
【0052】また、光学窓37は、レーザー光Lの入射
光、これが基板面で反射して戻る反射光の双方が透過で
きるように幅広に形成されている。反射光は外部に設け
た光ダンパー40により捕獲され吸収される。レーザー
光Lの入射側外部には、可動反射ミラー38が設置され
ている。可動反射ミラー38はミラー面の角度を変更す
る駆動部を備え、これにより横方向から入射したレーザ
ー光Lの光軸を曲げる角度調整が可能であり、この動作
を連続的に行うことにより、基板2に対しレーザー光L
を一方向に走査することができる。一方、基板2を保持
するステージ33は、基本的に洗浄中はレーザー光Lの
走査方向とほぼ直交する方向(図の左方向)に移動す
る。基板2上の支持膜の開口部に沿ってレーザー光Lを
正確にトレースする場合、基板2とステージ33との相
対的な回転角度の微調整を行う機構も必要となる。
【0053】まず、搬入搬出口32を通してチャンバー
31内のステージ33上に基板2がセットされると、ス
テージ33が搬入搬出口32より遠い側から図9の矢印
の方向に移動し、基板の処理する領域の最端部分に対し
液体塗布がされる。有機物溶媒101は液体のまま導入
してもよいが、ここでは、洗浄ガスの混合部36内で、
有機物溶媒101を有機物溶媒噴射ノズルから搬送気体
102に霧状に噴出させて混合し、この混合後のガス
(洗浄ガス)をチャンバー内に供給する。洗浄ガス10
3の基板到達量は不活性ガス104の供給量である程度
調整でき、余分な供給ガスは基板に到達しないまま排出
される。
【0054】ステージは間欠的に動き、その全体として
見た移動速度を一定とした場合、ステージの停止時間と
基板上のレーザー光Lの所定長さの1ラインまたは複数
の所定数のラインの走査時間とが連動して動くようにす
る。この場合、有機物溶媒の塗布を行ってから所定の遅
延時間経過後に同じ場所へのレーザー照射が施される。
つまり、有機物溶媒供給位置からレーザー照射位置まで
の空間的距離とステージの移動速度とから決まる時間が
前記所定の遅延時間となる。レーザー光Lが基板2上の
表面領域に照射されると、この領域に予め供給された有
機物溶媒等が爆発的に蒸発し、それに伴って残渣が除去
される。レーザー光Lのエネルギー密度は基板2に損傷
を与えないように十分小さい。また、エネルギー密度が
高い場合でも、レーザー光Lを十分に絞ると反射面の影
響を十分小さくでき、さらには、この基板表面側部分は
犠牲層により支持されているので変形し難い。溶媒蒸気
とともに剥離され、離脱した残渣は、超臨界流体100
に乗って排気口35から外部に排出され処分される。レ
ーザー光照射が済んだ基板表面領域は、ステージ移動中
の超臨界流体100にさらされている間に乾燥される。
その後、ステージ33の移動方向に設けられた搬入搬出
口32から処理後のウェハが取り出される。
【0055】この洗浄装置の構成では、基板上のある領
域にとっては、エタノール塗布、レーザー光照射、乾燥
の各ステップが図7のように施されている。しかし、基
板上の異なる領域に対しては、常に、この3つの処理が
並列に施されることになるため全体的に処理の効率、ス
ループットが高い。
【0056】また、超臨界流体100はチャンバー31
内の流路が短いため、比較的、その供給量を小さくして
も十分な役目を果たすことができ、ガス原材料の節約が
できる。本実施例に限らないが超臨界流体100自体も
残渣等の付着物の除去効果がある。しかし、レーザー光
照射により除去効果が格段に高いため全体の残渣除去効
果は実施例1と同等である。なお、チャンバー内全体で
超臨界流体の供給量と排気速度を調整して、この超臨界
流体雰囲気がチャンバー内全体に行き渡るようにしても
よい。この場合、導入口39から導入する不活性ガスの
温度と圧力は、超臨界状態が保てる臨界温度範囲と臨界
圧力範囲に設定される。この場合、有機物溶媒の塗布も
超臨界状態において施されることとなり、本実施例は第
1実施形態の具体例となる。
【0057】また、排気口35がレーザー光の照射位置
からみて基板が動く方向と反対側に、しかも近距離にあ
るので、除去された残渣が基板2に再付着することなく
スムーズに排出される。また、処理中のウェハの動きが
一方の方向に制御され、その方向から搬出されるので、
その点でも残渣の再付着防止に配慮されている。さら
に、例えば光変調素子のように高反射率表面が素子全体
でかなりの割合を示すデバイスでは、レーザースポット
が反射面にかかる割合によってはかなりの光量の反射光
が放たれる。この反射光がチャンバー内で遮られると、
その部分で光反応または熱反応によって発塵する可能性
がある。この実施例2では、反射光が外部の光ダンパー
40によって終端されるため、このような発塵の問題が
ない。
【0058】[実施例3]図10(A)〜図10(C)
は実施例3に係るレーザー洗浄装置の概略を模式的に示
す図である。図10(A)は正面図、図10(B)は上
面図であり、図10(C)は一部の拡大図である。
【0059】このレーザー洗浄装置50のチャンバー5
1の一方側壁面に基板2の搬入搬出口52が設けられ、
チャンバー内のほぼ中央に設置されたステージ53上に
基板2がセットされる。超臨界流体の導入口54は図1
0(B)に示すように、基板2の中心からやや手前の上
方に設けられ、基板中心付近に超臨界流体100を導入
できるようになっている。また、基板中心付近に横方向
から洗浄ガスを供給する洗浄ガスの混合部56が設けら
れている。供給ガスの混合部56は、図10(C)に示
すように、実施例1の混合部26と基本的構造は同じで
あり、導入路56aと56bからそれぞれ導入されたエ
タノール等の有機物溶媒または水101と搬送気体10
2とを混合し、洗浄ガス103として基板中心付近に供
給する構成となっている。
【0060】チャンバー51の天井は基板表面に近くま
で迫っており、その天井に基板2の半径方向に長い気体
通路51aが形成され、気体通路51aの奥側端に排気
口55が形成されている。したがって、超臨界流体10
0や洗浄ガス103は、この気体通路51a内を基板2
の半径方向に流れ排気口55から排出される。光学窓3
7が気体通路51aの上方に設けられ、その上方の装置
外部に実施例2と同様に、可動反射ミラー38と光ダン
パー40が配置されている。可動反射ミラーの動作によ
って、レーザー光Lが基板中心から超臨界流体が流れる
方向の半径方向に基板上を走査され、その反射光が光ダ
ンパーで捕獲される。このレーザー光Lの基板半径方向
の走査時のみレーザー光Lを通し、それ以外の回帰時間
はレーザー光Lを遮るために、シャッター57が可動反
射ミラー38の光入力側に設置されている。
【0061】このような構成のレーザー洗浄装置50で
は、第1実施形態で説明した図6の手順、第2実施形態
で説明した図7の手順の何れも採用可能である。搬入搬
出口52を通してチャンバー内中央のステー53上にセ
ットされた基板2に対しエタノール等の塗布がされる
が、このとき、図6の場合は超臨界流体100と搬送気
体102によって運ばれたエタノール等が基板2の半径
方向に流され塗布される。また、図7の場合は、搬送気
体102に運ばれてエタノール等が基板2の半径方向で
塗布される。つぎにレーザー光Lを同じ半径方向の基板
部分で走査させレーザー洗浄を行う。このとき、図6の
場合、あるいは図7で超臨界流体導入をレーザー照射前
に行う場合に、超臨界流体自体による残渣の剥離効果が
補助的に作用する。一方、図7で超臨界流体導入をレー
ザー照射後に行う場合は、超臨界流体は基板乾燥にのみ
用いられる。
【0062】ステージ53は間欠的に回転動作し、その
停止時間にレーザー照射が行われる。エタノール等の塗
布は予め全体に塗布してもよいし、半径方向に部分的に
塗布し、その部分のレーザー照射が済んだら、ステージ
53の回転動作により位置出しし、この塗布、レーザー
照射、ステージの回転動作を繰り返してもよい。ステー
ジの回転動作は、レーザーの回帰時間に連動して微小角
度ずつ行ってもよい。この回帰期間中はシャッター57
によりレーザー光路が遮られている。レーザー光Lのエ
ネルギー密度は基板2に損傷を与えないように十分小さ
い。溶媒蒸気とともに剥離され、離脱した残渣は、超臨
界流体100等に乗って排気口55から外部に排出され
処分される。レーザー光照射が済んだ基板表面領域は、
その後、超臨界流体にさらされている間に乾燥される。
【0063】この洗浄装置の構成では、ステージ53が
回転動作しかしないこと、レーザー照射、液体の塗布お
よび流体,気体を流す方向が基板の半径方向に限られ気
体通路が限定的であることなどの理由から装置構成がシ
ンプルで、小型化されている。超臨界流体100や洗浄
ガス103の供給量を小さくしても十分な役目を果たす
ことができ、ガス原材料の節約ができる。また、周辺雰
囲気ガスの流れとレーザー光Lの走査方向が一致するた
め、レーザー洗浄により除去された残渣が、洗浄後の基
板部分に再付着することがない。さらに、例えば光変調
素子のように高反射率表面が素子全体でかなりの割合を
示すデバイスの洗浄であっても、反射光が外部の光ダン
パー40によって終端されているため、反射光による発
塵が有効に防止されている。
【0064】
【発明の効果】本発明に係る中空構造体の製造方法によ
れば、液体を塗布し、これをレーザー照射で瞬時に蒸発
させるときに、そのエネルギーによって残渣が剥離され
るので、この蒸気と一緒に残渣を除去できる。このと
き、レーザー照射による熱上昇は、塗布された液体の沸
点程度に抑えられるため、レーザー照射部分に対して熱
損傷を与えない。残渣を除去した状態で行う犠牲層の除
去工程では、エッチングのインキュベーション時間が抑
制され、均一なエッチングが達成できる。また、エッチ
ング時間が必要最小限なので他に与えるエッチングダメ
ージも最小限に抑制できる。その結果、損傷の少ない中
空構造体が形成でき、中空構造体の微細化も可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光変調素子の機械的駆
動部分の斜視図である。
【図2】図1に示す光変調素子の機械的駆動部分を構成
する1つのエレメントを拡大して示す斜視図である。
【図3】(A)〜(D)は、図1に示す光変調素子の製
造途中の断面図であり、図2に示すA方向の断面を示す
ものである。
【図4】(A),(B)は、図3(D)の工程に続く光
変調素子の製造途中の断面図であり、図2に示すB方向
の断面を拡大して示すものである。
【図5】(A),(B)は、図4(B)の工程に続く光
変調素子の製造途中の断面図であり、図2に示すB方向
の断面を拡大して示すものである。
【図6】本発明の第1実施形態に係るレーザー洗浄工程
のフロー図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るレーザー洗浄工程
のフロー図である。
【図8】(A)は本発明の実施例1に係るレーザー洗浄
装置の概略を模式的に示す図である。(B)は(A)の
一部を拡大した図である。
【図9】本発明の実施例2に係るレーザー洗浄装置の概
略を模式的に示す図である。
【図10】(A)〜(C)は本発明の実施例3に係るレ
ーザー洗浄装置の概略を模式的に示す図である。(A)
は正面図、(B)は上面図、(C)は一部の拡大図であ
る。
【図11】(A)〜(C)は、従来の中空構造体の問題
点の指摘に用いた、光学MEMSの製造工程の一部を示
す断面図である。
【図12】(A),(B)は、図11(C)に続く工程
を示す光学MEMSの断面図である。
【符号の説明】
1…中空構造体、2…基板、3…MEMSエレメント、
4…基板側電極、5…薄膜構造体、10…エッチングス
トッパ膜、11…被支持体としてのメンブレン電極、1
2a…支持膜の開口部、12…支持膜、13…犠牲層、
14…レジスト、14a…レジスト開口部、15…残
渣、16…中空部、20,30,50…レーザー洗浄装
置、100…超臨界流体、101…有機物溶媒、L…レ
ーザー光

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に支持された膜上に所定パターンの犠
    牲層を形成する工程と、 当該犠牲層の表面を覆う中空構造体の支持膜を堆積する
    工程と、 当該支持膜にドライエッチングにより開口部を形成し、
    前記犠牲層の上面の一部を露出させる工程と、 表面に所定の液体を塗布し、前記開口部から露出する前
    記犠牲層の上面にレーザー光を照射して当該液体を加熱
    し蒸発させる洗浄工程と、 前記支持膜の開口部を介したエッチングにより、前記犠
    牲層を除去し中空部を形成する工程とと含む中空構造体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記液体の塗布時に、前記開口部から露出
    する前記犠牲層の上面を超臨界流体の雰囲気にさらす請
    求項1記載の中空構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記レーザー光の照射時に、前記開口部か
    ら露出する前記犠牲層の上面を超臨界流体の雰囲気にさ
    らす請求項1記載の中空構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記レーザー光の照射後に所定時間、前記
    開口部から露出する前記犠牲層の上面を超臨界流体の雰
    囲気にさらす乾燥工程をさらに含む請求項1記載の中空
    構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記堆積した支持膜上に、当該支持膜によ
    り支えられる所定パターンの被支持体を形成する工程を
    さらに有し、 前記支持膜の開口工程では、前記被支持体をマスクにし
    たエッチングにより当該被支持体のパターン間スペース
    から露出する前記支持膜の部分を除去し、前記犠牲層の
    上面の一部を露出させる請求項1記載の中空構造体の製
    造方法。
JP2002110583A 2002-04-12 2002-04-12 中空構造体の製造方法 Pending JP2003305697A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002110583A JP2003305697A (ja) 2002-04-12 2002-04-12 中空構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002110583A JP2003305697A (ja) 2002-04-12 2002-04-12 中空構造体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003305697A true JP2003305697A (ja) 2003-10-28

Family

ID=29393677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002110583A Pending JP2003305697A (ja) 2002-04-12 2002-04-12 中空構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003305697A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007102196A (ja) * 2005-09-09 2007-04-19 Denso Corp 光学素子の製造方法
JP2009505163A (ja) * 2005-08-19 2009-02-05 クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド テーパ縁を実現するために、memsデバイス内に層を形成するための方法
US7719754B2 (en) 2008-09-30 2010-05-18 Qualcomm Mems Technologies, Inc. Multi-thickness layers for MEMS and mask-saving sequence for same
JP2010164394A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Denso Corp 半導体装置の製造方法
US7906353B2 (en) 2004-09-27 2011-03-15 Qualcomm Mems Technologies, Inc. Method of fabricating interferometric devices using lift-off processing techniques
JP2011096599A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Sumitomo Electric Ind Ltd シールドフラットケーブルおよびその製造方法
US8603920B2 (en) 2009-08-07 2013-12-10 Denso Corporation Manufacturing method of semiconductor device including etching step
JP2016124135A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 株式会社シンク・ラボラトリー 水性液体付着物乾燥装置及び水性液体付着物乾燥方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7906353B2 (en) 2004-09-27 2011-03-15 Qualcomm Mems Technologies, Inc. Method of fabricating interferometric devices using lift-off processing techniques
JP2009505163A (ja) * 2005-08-19 2009-02-05 クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド テーパ縁を実現するために、memsデバイス内に層を形成するための方法
US8229253B2 (en) 2005-08-19 2012-07-24 Qualcomm Mems Technologies, Inc. Electromechanical device configured to minimize stress-related deformation and methods for fabricating same
US8298847B2 (en) 2005-08-19 2012-10-30 Qualcomm Mems Technologies, Inc. MEMS devices having support structures with substantially vertical sidewalls and methods for fabricating the same
JP2007102196A (ja) * 2005-09-09 2007-04-19 Denso Corp 光学素子の製造方法
JP4645557B2 (ja) * 2005-09-09 2011-03-09 株式会社デンソー 光学素子の製造方法
US7719754B2 (en) 2008-09-30 2010-05-18 Qualcomm Mems Technologies, Inc. Multi-thickness layers for MEMS and mask-saving sequence for same
JP2010164394A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Denso Corp 半導体装置の製造方法
US8603920B2 (en) 2009-08-07 2013-12-10 Denso Corporation Manufacturing method of semiconductor device including etching step
JP2011096599A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Sumitomo Electric Ind Ltd シールドフラットケーブルおよびその製造方法
JP2016124135A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 株式会社シンク・ラボラトリー 水性液体付着物乾燥装置及び水性液体付着物乾燥方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3410720B2 (ja) 導電性溶液を用いた水晶基板のクリーニング方法
US6096661A (en) Method for depositing silicon dioxide using low temperatures
JP6223325B2 (ja) レーザスクライビング・プラズマエッチングによるデバイスの個片化用のインサイチュー蒸着マスク層
US7078351B2 (en) Photoresist intensive patterning and processing
KR100285696B1 (ko) 패터닝된 금속층의 세정방법
JP6198727B2 (ja) マルチステップ・非対称形状レーザビームスクライビング
US8158335B2 (en) High etch resistant material for double patterning
US7921859B2 (en) Method and apparatus for an in-situ ultraviolet cleaning tool
TWI554848B (zh) 為半導體裝置形成薄膜圖案的方法及其設備
WO2000045421A2 (en) Wafer edge engineering method and device
JP2004513515A (ja) ホトレジストの改良形接着用アモルファス炭素層
JP2007511096A (ja) トレンチエッチングのためのラインエッジ粗さ低減
JP2003305697A (ja) 中空構造体の製造方法
KR20240003445A (ko) 이중층 포토레지스트 기반의 포토리소그래피 방법
JP5782460B2 (ja) 材料除去及びパターン転写の方法及びシステム
US20060213615A1 (en) Laser nozzle cleaning tool
US20030104287A1 (en) Method of manufacturing mask for electron beam lithography and mask blank for electron beam lithography
TW201719273A (zh) 用於製造膜總成之方法
JP2000500284A (ja) 側壁を効果的にレーザ剥離するためにビームを斜めに回転させる方法と装置
TWI720574B (zh) 光罩雷射蝕刻
JP2003303799A (ja) 表面洗浄装置および表面洗浄方法
US7687225B2 (en) Optical coatings
JP2004134720A (ja) ドライリソグラフィ法およびこれを用いたゲートパターン形成方法
TW202407456A (zh) 形成阻劑圖案的方法
JPH0766191B2 (ja) 非平坦面リソグラフィを用いたデバイス製作法