JP2003305610A - ドラム型剪断機用刃物 - Google Patents

ドラム型剪断機用刃物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】4コーナーのうちの少なくとも1コーナーに刃
先を備えたドラム型剪断機用刃物であって、刃先コーナ
ー換え作業を容易に行なうことが出来るようにしたドラ
ム型剪断機用刃物を提供する。 【解決手段】 ドラム型剪断機用刃物3を、断面矩形状
の4コーナーのうちの少なくとも1つのコーナーが刃先
とされた主刃物4と、一方の側面が主刃物4の一方の側
面に接し、他方の側面がウエッジ7の傾斜面に相対して
接する傾斜面とさた裏刃物5とによって構成し、主刃物
4と裏刃物5とを1本の平行ピンで結び、一体の刃物と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は各種金属板の圧延ラ
インの中で用いられるドラムシャー、或いはスリッター
ラインやサイドトリマーラインの中で用いられるドラム
型のスクラップチョッパー等の剪断機のドラムの刃物取
り付け溝に組み込まれて使用されるドラム型剪断機用刃
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドラム型剪断機のドラムの外周面側に設
けられている刃物取り付け溝に組み込まれているドラム
型剪断機用刃物の従来の技術としては、実開昭51−9
7881号公報や実開平2−74119号公報に示され
たものが知られている。
【0003】実開昭51−97881号公報には図3に
示したように、ドラム1の軸方向に延びて設けられてい
る刃物取り付け溝2にその刃物取り付け溝2の一方の側
面にボルトで締め付け固定されたライナー10と別に設
けられた勾配ライナー9との間に挟まれたドラム型剪断
機用刃物3が示されており、そのドラム型剪断機用刃物
3と勾配ライナー9はウエッジ7とそのウエッジ7を押
えるための締め付けボルト8によって固定されている。
更に、ドラム型剪断機用刃物3の両側面の中央部には数
ミリメートルの深さを有する溝部3bが設けてあり、ま
た勾配ライナー9のドラム型剪断機用刃物側側面の中央
部には数ミリメートルの凸部を有する突起9aが設けら
れており、この凸部を有する突起9aをドラム型剪断機
用刃物3の溝部3bにはめこむことによってドラム型剪
断機用刃物3がドラム1の半径方向の外側に抜け出ない
ようにされたドラム型剪断機用刃物が用いられている。
また、実開平2−74119号公報には図4に示したよ
うに、ドラム1の軸方向に延びて設けられている刃物取
り付け溝2に刃物抜け止め用の傾斜面を備えたウエッジ
7とそのウエッジ7を押えるための締め付けボルト8に
よって固定されているドラム型剪断機用刃物3が示され
ており、このドラム型剪断機用刃物3は先端にチップ3
cを着脱自在に付設したものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
実開昭51−97881号公報に示されているドラム型
剪断機用刃物の場合には使用する刃先を別コーナーの新
しい刃先に換えるときに行なうドラム型剪断機用刃物の
刃先コーナー換え作業は簡単に行なえるが、勾配ライナ
ー9のドラム型剪断機用刃物側の側面に凸部を有する突
起9aを設けておく必要があることに加えてその凸部を
有する突起9aが入り込むための溝部3bをドラム型剪
断機用刃物3の両側に加工しておく必要がある。また、
実開平2−74119号公報に示されているドラム型剪
断機用刃物では刃物本体にチップ3cを取り付けるため
の段部を加工しておき、その段部にチップ3cを複数の
締め付けボルトによって締め付け固定する必要があるの
で、チップ3cの刃先コーナー換えを行なおうとする場
合には多数の締め付けボルトの取り外し、及びチップ3
cのコーナー換え後のボルトの締め付け作業が必要にな
る。本発明は刃物の両側側面に数ミリメートルの深さの
溝部3bを加工したり、或いは複数の締め付けボルトに
よるチップ3cの取り外し及び取り付け作業等を不要に
してドラム型剪断機用刃物の刃先コーナー換え作業を簡
単に行うことが出来るようにしたドラム型剪断機用刃物
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明の請求項1に係る発明は、円柱状のドラムの
外周面側にそのドラムの軸方向に延びて設けられている
刃物取り付け溝に、刃物抜け止め用の傾斜面を備えたウ
エッジとそのウエッジを押えるための締め付けボルトに
よって固定されるドラム型剪断機用刃物において、その
ドラム型剪断機用刃物が、断面が矩形状でその矩形状の
4つのコーナーのうちの少なくとも1つのコーナーが刃
先とされた主刃物と、一方の側面がその主刃物の一方の
側面に接し、他方の側面がウエッジに設けられた刃物抜
け止め用の傾斜面に相対して面接触する傾斜面とされた
裏刃物とによって構成され、主刃物と裏刃物とが1本の
平行ピンによって主刃物の一方の側面と裏刃物の一方の
側面とを密着させて一体の刃物としたドラム型剪断機用
刃物である。
【0006】本発明によればドラム型剪断機用刃物を、
断面が矩形状でその矩形状の4つのコーナーのうちの少
なくとも1つのコーナーを刃先とした主刃物と、一方の
側面が主刃物の一方の側面に接し他方の側面がウエッジ
に設けられた傾斜面に相対して面接触する傾斜面とされ
た裏刃物とによって構成し、主刃物と裏刃物とを1本の
平行ピンで一体の刃物としたので、主刃物と裏刃物とは
一本の平行ピンを抜き取るだけで簡単に分離することが
出来、その結果刃先コーナーを変更する作業が簡単に行
なえる。また、主刃物と裏刃物の側面の所定の位置にそ
の側面に直角にそれぞれ一個の平行ピン用孔を加工して
おくだけでよく、主刃物に設けられた平行ピン用孔と裏
刃物に設けられた平行ピン用孔とに通された一本の平行
ピンによってドラム型剪断機用刃物がドラムの半径方向
の外側に抜け出るのを防ぐことが可能になるので、ドラ
ム型剪断機用刃物の両側面への溝加工、及び勾配ライナ
ーへの凸部を有する突起の加工を必要とする従来技術よ
り加工及び構造が簡素化される。
【0007】次に、請求項2に係る発明は前述した請求
項1に係る発明のドラム型剪断機用刃物において、断面
が矩形状とされた主刃物のその矩形状の一方の対角線上
にある2つのコーナーに逃げ面が設けられたドラム型剪
断機用刃物である。
【0008】本発明は、前記の請求項1の発明において
は断面が矩形状とされた主刃物の矩形状の4つのコーナ
ーすべて、或いは4つのコーナーのうちの少なくとも1
つのコーナーを刃先としたドラム型剪断機用刃物に代え
て矩形状の断面の一方の対角線上にある2つのコーナー
に逃げ面を設けるようにし、他の2つのコーナーのみを
刃先としたドラム型剪断機用刃物であり、ドラム型剪断
機の種類によってはドラム型剪断機用刃物のドラム回転
方向後部に比較的大きな逃げ面を設けることが必要にな
る場合もあることより、その対策のためのドラム型剪断
機用刃物としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
図1乃至図2を参照しながら説明する。図1は本発明に
係るドラム型剪断機用刃物の基本となる実施の形態を示
す断面図である。図1において円柱状のドラム1の外周
面側にはドラム1の軸方向に延びる複数の刃物取り付け
溝2が設けられており、その刃物取り付け溝2にはドラ
ム型剪断機用刃物3とウエッジ7を組み込むことができ
るようになっている。ウエッジ7のドラム型剪断機用刃
物側の側面は刃物取り付け溝2の底面に向かうに従って
ウエッジ7の本体側に徐々に入り込む向きの傾斜面とさ
れており、それに対してドラム型剪断機用刃物3のウエ
ッジ側の側面はそのウエッジ7の傾斜面に接する向きの
傾斜面とされている。この状態において、ドラム型剪断
機用刃物3を所定の向きで刃物取り付け溝2に組み込ん
だ後にウエッジ7を組み込んでウエッジ7を締め付けボ
ルト8によってドラム1に締め付け固定すればドラム型
剪断機用刃物3も所定の姿勢でドラム1に固定されるよ
うになっている。
【0010】次に、ドラム型剪断機用刃物3は矩形の断
面からなりその断面矩形状の4コーナーすべてが刃先と
されている主刃物4と、一方の側面が主刃物4の一方の
側面に接し、他方の側面がウエッジ7の傾斜面に面で接
する傾斜面とされている裏刃物5とからなり、主刃物4
と裏刃物5とは1本の平行ピン6によって結ばれて一体
の刃物を構成している。この場合主刃物4の側面に直角
に開けられている平行ピン用通し孔はその主刃物4の高
さ方向及び長さ方向のほぼ中央部分近傍に設けられ、裏
刃物5の一方の側面に直角に開けられている平行ピン用
通し孔は裏刃物5の長さ方向の中央部分近傍で、更に高
さ方向ではその裏刃物5の下面から通し孔の中心までの
高さが主刃物4の高さの約半分となる部分に設けられて
いる。また特に、この平行ピン用通し孔の高さ方向での
穿孔位置は主刃物4ではその主刃物4の高さ方向の中心
線上に、裏刃物5ではその裏刃物5の下面から通し孔の
中心までの高さが主刃物4の高さの丁度1/2であるこ
とが望ましいが、これについては主刃物4或いは裏刃物
5の下面側にシムを準備することによって高さを合わせ
ることも可能となるので本発明を実施するのに必須の条
件とはならない。
【0011】また、図1では4つのコーナーすべてを刃
先とした主刃物4について説明したが、上部にある1つ
のコーナー或いは2つのコーナーのみを刃先とし、その
他のコーナーは刃先としないドラム型剪断機用刃物とす
ることも出来る。このように1つのコーナー、或いは2
つのコーナーのみを刃先とするのは、主刃物4の厚さを
可能なかぎり薄くしたいときや、刃先が剪断の衝撃によ
って変形してしまう程までに過酷に使用するような場合
であって変形した刃先を刃物取り付け溝2の底面側に配
置することが好ましくないとき等に利用される。尚、一
般的にドラム型剪断機用刃物3にはドラム回転方向の後
方部に逃げ面3aが設けられる。
【0012】図2は本発明に係るドラム型剪断機用刃物
の別の実施の形態を示す断面図であり、ドラム型剪断機
用刃物3のドラム回転方向後部に比較的大きな逃げ面3
aを設けることが求められるドラム型剪断機に組み込ま
れるドラム型剪断機用刃物に本発明の刃物を採用した場
合の図面である。この場合、断面が矩形状の主刃物4の
その矩形状の一方の対角線上の2つのコーナーにはドラ
ム型剪断機用刃物3の大きな逃げ面3aの一部が設けれ
ており、他方の対角線上の2つのコーナーのみが刃先と
して使われる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明のドラム型剪
断機用刃物は主刃物と裏刃物とによって構成され、その
主刃物と裏刃物とを1本の平行ピンのみで結ぶようにし
たので、刃先コーナー換えのために行う取り付け変更作
業を簡単に行うことが出来るようになる。また、主刃
物、裏刃物のそれぞれに1個の平行ピン用孔を加工して
おき、その平行ピン用孔に1本の平行ピンを通すことに
よってドラム型剪断機用刃物がドラムの半径方向の外側
に抜け出るのを防ぐことが出来るので従来のドラム型剪
断機用刃物よりも加工及び構造が簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドラム型剪断機用刃物の実施の形
態を示す断面図。
【図2】本発明に係るドラム型剪断機用刃物の別の実施
の形態を示す断面図。
【図3】従来のドラム型剪断機用刃物を説明するための
断面図。
【図4】従来のドラム型剪断機用刃物の他の例を説明す
るための断面図。
【符号の説明】
1 ドラム 2 刃物取り付け溝 3 ドラム型剪断機用刃物 4 主刃物 5 裏刃物 6 平行ピン 7 ウエッジ 8 締め付けボルト 9 勾配ライナー 10 ライナー 3a 逃げ面 3b 溝部 3c チップ 9a 突起

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状のドラムの外周面側に該ドラムの
    軸方向に延びて設けられている刃物取り付け溝に、刃物
    抜け止め用の傾斜面を備えたウエッジと該ウエッジを押
    えるための締め付けボルトとによって固定されるドラム
    型剪断機用刃物において、該ドラム型剪断機用刃物が、
    断面が矩形状で矩形状の4つのコーナーのうちの少なく
    とも1つのコーナーが刃先とされた主刃物と、一方の側
    面が前記主刃物の一方の側面に接し他方の側面が前記ウ
    エッジに設けられた刃物抜け止め用の傾斜面に相対して
    面接触する傾斜面とされた裏刃物とによって構成され、
    前記主刃物と前記裏刃物とが1本の平行ピンによって前
    記主刃物の前記一方の側面と前記裏刃物の前記一方の側
    面とを密着させて一体の刃物とされていることを特徴と
    するドラム型剪断機用刃物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のドラム型剪断機用刃物
    において、断面が矩形状とされた前記主刃物の矩形状の
    一方の対角線上にある2つのコーナーに逃げ面が設けら
    れていることを特徴とするドラム型剪断機用刃物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4979841B1 (ja) * 2011-12-14 2012-07-18 株式会社平安製作所 せん断機
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