JP2003304762A - 海苔の活性処理方法、活性処理装置および海苔作業船 - Google Patents

海苔の活性処理方法、活性処理装置および海苔作業船

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JP2003304762A
JP2003304762A JP2003090809A JP2003090809A JP2003304762A JP 2003304762 A JP2003304762 A JP 2003304762A JP 2003090809 A JP2003090809 A JP 2003090809A JP 2003090809 A JP2003090809 A JP 2003090809A JP 2003304762 A JP2003304762 A JP 2003304762A
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Rikio Tomita
力雄 冨田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海苔網および海苔養殖施設を構成する綱類を
スムースに通過させつつ前記綱類より上方位置に所望の
部材を支持することができるとともに、構成が簡単であ
り、軽量で、コストも低廉な海苔養殖施設を構成する綱
類通過装置を利用して薬剤処理や海苔の刈取りを施す。 【解決手段】 動力推進機構を有する海苔作業船Aを海
面部分に展張されている海苔養殖施設の海苔網Bの下面
をくぐるように進行させて、前記海苔網Bを船体の船首
部から後部へ相対移動させながら海苔網Bに対して次亜
塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性処理液を用
いて活性処理を施し、その後前記展張位置へ導びいて再
び展張させたり、更に後部案内部材Iをもってこの活性
処理に有効な時間だけ前記海苔網Bを浮上させた後に前
記展張位置へ導びいて再び展張させること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海苔養殖場におい
て海面部分に展張されている海苔網および海苔網に繁殖
した海苔に対して効果的な海苔の活性処理を施したり、
前記海苔を刈取ったりする場合に用いられる海苔の活性
処理方法、活性処理装置および海苔作業船に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】一般に、
海苔養殖は枠綱に浮子を取付けて海苔網を海面に浮かす
ように展張して錨で止める浮き流し方式や海中に立設し
た支柱に海苔網を展張した支柱方式によって行なわれて
いる。
【0003】また、健康な海苔を育成し、収穫率を向上
させるために海苔の刈取り後の海苔網に対して酸処理を
施している。
【0004】本出願人は特許第3193655号公報に
より、このような海苔養殖において、動力推進機構を有
する船を海面部分に展張されている海苔網の下面をくぐ
るように進行させて、前記海苔網を船体の船首部から後
部へ相対移動させながら海苔網に対して薬剤処理を施
し、更に後部案内部材をもってこの薬剤処理に有効な時
間だけ前記海苔網を浮上させた後に海面の前記展張位置
へ導びいて再び展張させるようにするとともに、海苔網
および海苔養殖施設を構成する綱類をスムースに通過さ
せつつ前記綱類より上方位置に所望の部材を支持するこ
とができるとともに、構成が簡単であり、軽量で、コス
トも低廉な海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を提案
し、また、前記海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を
利用して海苔網浸漬体を処理液槽に対して常に所定位置
関係に保持し、海苔網および前記綱類をスムーズに通過
させることができ、海苔網を確実に処理液槽中の処理液
中に浸漬通過させることができ、適正な処理を施すこと
のできる海苔網処理装置を提案し、また前記海苔養殖施
設を構成する綱類通過装置を利用して薬剤処理や海苔の
刈取りを施すことのできる海苔作業船を提案している。
【0005】この薬剤処理には食品添加可能な酸剤等が
用いられているが、酸剤等に代わるとともに取り扱いが
容易であり、しかも海苔の健康的な育成を促進できる手
法の開発が更に要望されている。
【0006】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、海苔網や海苔に対して、船上の空中にある間
に次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性処理
液を用いて活性処理を施すとともに、活性処理に有効な
時間だけ浮上させておいた後に海面に戻すようにして、
海苔の健康的な育成をはかることができ、コストも低廉
であり、環境に優しい活性処理を確実に施すことのでき
る海苔の活性処理方法、活性処理装置および海苔作業船
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため本発明の海苔の活性処理方法は、動力推進機構を有
する海苔作業船を海面部分に展張されている海苔養殖施
設の海苔網の下面をくぐるように進行させて、前記海苔
網を船体の船首部から後部へ相対移動させながら海苔網
に対して次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活
性処理液を用いて活性処理を施し、その後前記展張位置
へ導びいて再び展張させたり、更に後部案内部材をもっ
てこの活性処理に有効な時間だけ前記海苔網を浮上させ
た後に前記展張位置へ導びいて再び展張させることを特
徴とする。
【0008】また、本発明の海苔の活性処理装置は、次
亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性処理液を
処理液槽に貯留する活性処理機構を設け、海苔養殖施設
を構成する綱類が上面を通過する下方部材と、この下方
部材上に接離自在にして載置されている上方部材と、前
記両部材間を前記綱類が通過している際に前記上方部材
を下方部材に対して一定位置に保持する上方部材保持機
構とを有する綱類通過装置における前記下方部材を前記
活性処理機構の処理液槽の両側にそれぞれ配設し、前記
処理液槽の上部を海苔養殖施設を構成する綱類と一緒に
通過する海苔網を処理液槽中の前記次亜塩素酸ソーダを
有効成分として含有する活性処理液中に押し下げて浸漬
させる海苔網浸漬体を前記両側の上方部材によって支持
するように配設したことを特徴とする。ここで海苔養殖
施設を構成する綱類とは、海苔網を養殖場において所定
位置に展張するために必要な縁綱、側綱、吊り綱等の綱
類の総称を意味する。
【0009】また、本発明の海苔作業船は、前記海苔の
活性処理装置や海苔網から海苔を刈取る刈取り機を搭載
したことを特徴とする。
【0010】また、前記次亜塩素酸ソーダを有効成分と
して含有する活性処理液の他に、補助的に酸剤やアルカ
リ剤を用いたり、PH調整を行うようにするとよい。
【0011】このように形成されている本発明の海苔の
活性処理装置を搭載した海苔作業船を用いて海苔の活性
処理方法を施すことにより、海苔網に繁殖している海苔
や海苔の刈取り後の海苔網に対して、海苔作業船上の空
中にある間に次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有す
る活性処理液を用いて海苔の活性処理を施した後に海面
に戻したり、活性処理を施すとともに、海苔網を活性処
理に有効な時間だけ浮上させておいた後に海面に戻すよ
うにして、海苔の健康的な育成をはかることができる。
【0012】具体的には、綱類通過装置の上下の部材間
を綱類と一緒に海苔網を通過させている間に、海苔網を
上側の海苔網浸漬体と下側の活性処理機構の処理液槽と
の間を通過させ、海苔網浸漬体により海苔網を処理液槽
内の次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性処
理液中に確実に浸漬させて海苔の活性処理を行うように
している。
【0013】また、酸剤等の薬剤の代わりに次亜塩素酸
ソーダを有効成分として含有する活性処理液を用いてい
ると、海苔網に付着して海水中に持ち込まれ次亜塩素酸
ソーダは元々海水の電気分解生成液成分であるために、
海水の汚染を誘発することもなく環境にも優しいものと
なり、環境破壊の要因が全くない素材を用いて海苔の活
性処理を施すことができ、更に活性処理用の特別な酸剤
等を用意する必要がなく、活性処理後に残留している次
亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性処理液は
海中に戻すことができ、コストも低廉となり、取り扱い
も容易となる。
【0014】また、このように形成されている海苔の活
性処理装置を海苔作業船に搭載したり、海苔網から海苔
を刈取る刈取り機を更に搭載することにより、海苔作業
船を海苔網の下を潜らせる間に海苔網や海苔に対する活
性処理並びに海苔の刈取りを自動的に極めて良好に行な
うようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
から図8について説明する。
【0016】図1は本発明の海苔養殖施設を構成する綱
類通過装置(以下、綱類通過装置という)を利用して形
成されている海苔の活性処理装置を搭載した海苔作業船
を示している。
【0017】図1に示すように、海苔作業船Aによる海
苔の刈取りや海苔網Bに対する活性処理は次のようにし
て行なわれる。
【0018】すなわち、スクリューD等の自走機構を備
えた海苔作業船Aを船尾に配置されている操舵室Cにお
いて操船しながら、海苔作業船Aの前方の水面中に張出
すように設けられている前部案内部材Eによって海面に
展張されている海苔網Bを掬い上げるようにして海苔作
業船Aを海苔網Bの下に潜るようにして進行させて行
き、甲板の前方部分に配設されている刈取り機Fにより
海苔網Bから海苔を刈取り、続いて刈取り機Fの後方に
配置されている海苔の活性処理装置Gの処理液槽H内の
次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性処理液
中に海苔網Bを浸漬通過させることにより所定の活性処
理を施し、船Aの後方に伸縮自在にして張出された後部
案内部材Iにより海苔網Bを活性処理後所定時間空中に
保持して次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活
性処理液を海苔網Bに十分に浸透させてから、再び海苔
網Bを水面に展張させるようにしている。
【0019】図2から図6は海苔の活性処理装置Gの1
実施形態を示している。
【0020】本実施形態における海苔の活性処理装置G
は、海苔作業船A上に設置されるとともに次亜塩素酸ソ
ーダを有効成分として含有する活性処理液が入れられる
活性処理機構1の処理液槽2と、この処理液槽2の左右
両側に設置されている1対の綱類通過装置3、3と、こ
れらの綱類通過装置3、3によって支持されているとと
もに、処理液槽2の上部を通過する海苔網Bを処理液槽
2中の次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性
処理液4中に上方から押し下げて浸漬させる海苔網浸漬
体5とをもって形成されている。前記綱類通過装置3
は、前記処理液槽2に対して前記海苔網浸漬体5を上方
に浮かして支持するものである。これによって、処理液
槽2と海苔網浸漬体5との間を海苔網Bと綱類の1種で
ある吊り綱Ba等が自由に通過できる。これらの海苔網
Bと吊り綱Baとは図2、図3、図5および図6におい
て羽根矢印方向に進行する。
【0021】本実施形態においては、海苔作業船A上に
掬い上げた吊り綱Baを下から支えて後方へ案内する左
右1対の断面円形のほぼ水平な案内部材6、6の間に処
理液槽2を設置している。そして、各案内部材6上にそ
れぞれ綱類通過装置3を配設している。本実施形態の綱
類通過装置3においては、前記案内部材6が吊り綱Ba
が上面を通過する下方部材となる。この案内部材6上に
上方部材7が接離自在にして載置されているとともに、
上方部材保持機構8によって上方部材7と案内部材6と
の間を吊り綱Baが通過している際に上方部材7を案内
部材6に対して一定位置に保持するようにされている。
前記上方部材7は、2本の平行な主ロツド9、9の前後
2箇所に下方に突出するように湾曲する下方湾曲部1
0、10を形成し、各下方湾曲部10の湾曲途中をそれ
ぞれ連結材11、11によって連結して一体化し、前後
2本の連結材11、11を主ロツド9と平行で下方に突
出するように若干湾曲している中間ロツド12により連
結して形成されており、左右2つの下方湾曲部10、1
0によって案内部材6を跨ぐようにして載置されてい
る。また、各主ロツド9の前方端は1箇所に連結され、
そこから吊り綱Baを確実に下方湾曲部10と案内部材
6との間に導くガイドロツド9aが前方に向けて延設さ
れている。各下方湾曲部10は、吊り綱Baの通過を可
能とするとともに、案内部材6と係合することにより上
方部材7の左右方向への移動を阻止する作用を発揮す
る。また、案内部材6の前記各中間ロツド12の後方位
置には、それぞれ中間ロツド12と係合して上方部材7
の後方への移動を阻止する作用を発揮するストッパ13
が突設されている。更に、上方部材7はその自重により
上方への移動を阻止されるようになっている。従って、
本実施形態における上方部材保持機構8は、案内部材6
と各下方湾曲部10との係合部、中間ロツド12とスト
ッパ13との係合部および上方部材7の自重とにより形
成されている。
【0022】また、前記海苔網浸漬体5は、左右1対の
上方部材7、7の主ロツド9、9間に連結ロツド14を
掛け渡し、この連結ロツド14から処理液槽2の処理液
貯留部18内に延びるように複数本(本実施形態におい
ては4本)の略U字形をしたロツド状の浸漬バー15、
15を延設し、各浸漬バー15の後端部を後端部材16
により連結して形成されている。この処理液槽2は海苔
網Bの横幅より広い幅を有する略長方形状に形成されて
おり、内部に立設した隔壁17により内側の処理液4が
貯留される処理液貯留部18とその外側のオーバーフロ
ー部19とに分割されている。処理液貯留部18内には
後述する活性処理機構1の電解槽から次亜塩素酸ソーダ
を有効成分として含有する活性処理液4が供給されて、
常に所定量の活性処理液4が貯留されるように制御され
ている。また、図3および図5の鎖線に例示するよう
に、活性処理液4の左右方向への揺れを防止するため
に、各浸漬バー15の上部にパンチングメタルなどによ
り多数の孔が形成された平板状の処理液揺動防止部材2
0を立設するようにして固着するとよい。
【0023】次に、活性処理機構1を図8により説明す
る。この活性処理機構1は、塩化物水溶液の1種である
塩化ナトリウム水溶液としての海水を電気分解して次亜
塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性処理液4を
生成する海水電気分解手段32と、海苔網Bと活性処理
液4とを接触させて活性処理を施す接触処理手段33と
によって形成されている。
【0024】一方の海水電気分解手段32は、電解槽3
4を備えている。この電解槽34には、予め海水が充填
供給されるようになっている。また、図8に示すよう
に、ポンプ35によって吸水管36より海水37を汲み
上げることができるようにして、海水を現地調達できる
ようにされている。また、電解槽34内には陽極板38
と陰極板39とが対面配置されており、それぞれ図示し
ない電源供給手段より正電位および負電位が供給される
ように形成されている。これらの陽極板38と陰極板3
9との間には、電解槽34を必要に応じて陽極槽41と
陰極槽42とに分割する隔壁40が着脱自在に形成され
ている。この隔壁40を設置した場合には、一方の陽極
槽41において超酸性溶液が生成され、他方の陰極槽4
2において超アルカリ性溶液が生成され、隔壁40を設
置しない場合には両極38、39の間に塩化物溶液とし
ての塩化ナトリウム水溶液から次亜塩素酸ソーダを有効
成分として含有する活性処理液4が生成される。陽極槽
41と陰極槽42とからは、それぞれポンプ43、44
を備えた供給管45、46を通して超アルカリ性溶液お
よび超酸性溶液若しくは次亜塩素酸ソーダを有効成分と
して含有する活性処理液4が1個の処理液貯留タンク4
7に供給されるように形成されている。更に、この処理
液貯留タンク47からポンプ48を備えた供給管49に
より活性処理液4が処理液槽2の処理液貯留部18に供
給されるように形成されている。
【0025】次に、前述した構成からなる本実施形態の
作用を説明する。
【0026】活性処理機構1において、電解槽34内に
隔壁40を設置しないで次亜塩素酸ソーダを有効成分と
して含有する活性処理液4を処理液槽2に供給する場合
を説明する。
【0027】まず、陽極板38および陰極板39に正電
位および負電位を印可すると、電解槽34内において海
水の電気分解が行われ、隔壁40が存在しないために陽
極槽41内の陽極板38および陰極板39の間に弱アル
カリ性の次亜塩素酸ソーダ(NaClO)を有効成分と
して含有する活性処理液4が生成される。このようにし
て生成された弱アルカリ性の次亜塩素酸ソーダ(NaC
lO)を有効成分として含有する活性処理液4は、電解
槽34からポンプ43、44を備えた供給管45、46
(いずれか一方でもよい)を通して処理液貯留槽47に
一旦貯留され、その後ポンプ48によって供給管49を
通して処理液槽2の処理液貯留部18に供給される。
【0028】このようにして処理液槽2内に次亜塩素酸
ソーダを有効成分として含有する活性処理液4が充填さ
れている状態にして、海苔作業船Aが海苔網Bの下に潜
って行くと、海苔網Bが処理液槽2の処理液貯留部18
内に海苔網浸漬体5の浸漬バー15、15によって上か
ら下方に押付けられて強制的に次亜塩素酸ソーダを有効
成分として含有する活性処理液4内に浸漬させられて、
適正な活性処理が施される。この時、海苔網Bの吊り綱
Baは、案内部材6上を後方に移動し、綱類通過装置3
の主ロツド9の下方湾曲部10の部分に達すると、図6
に示すように、海苔作業船Aの進行力により綱類通過装
置3および海苔網浸漬体5の自重の総和に抗して下方湾
曲部10を持ち上げるようにしながら後方へ移動するこ
とにより下方湾曲部10と案内部材6との間をスムース
に通過する。この下方湾曲部10と案内部材6との間を
通過するのは吊り綱Baだけであるから、吊り綱Baに
よる上方部材7を持ち上げようとする上向きの力は比較
的小さいので、前記上方部材保持機構8によって上方部
材7は常に案内部材6に対して一定位置に保持されるこ
ととなる。
【0029】その後、吊り綱Baは同様にして各上方部
材7の下方湾曲部10と案内部材6との間を通過して行
く。
【0030】このようにして綱類通過装置3は吊り綱B
aの通過を許容するとともに、処理液槽2と海苔網浸漬
体5との相対位置関係を一定位置に保持することがで
き、すなわち横揺れ、立て揺れを防止することができ、
そして、海苔網Bと海苔網浸漬体5との相対位置関係を
も一定位置に保持することができるので、海苔網Bに対
する活性処理を常に適正なものとすることができる。更
に、本実施の形態においては、浸漬バー15に固着され
ている処理液揺動防止部材20が、海苔網作業船Aと一
緒に処理液槽2が揺れた時に、処理液槽2内の活性処理
液4の揺れを小さく抑えることができ、これにより活性
処理液4の不規則な移動を確実に防止することができ
る。これにより活性処理液4の揺れに起因する重心の変
動量を小さく抑えて、海苔作業船Aの安定性を向上さ
せ、かつ、処理液槽2内において海苔網Bを確実に活性
処理液4内に浸漬させることにより、海苔網Bに対する
活性処理を常に均一に施すことができる。本実施形態に
おける綱類通過装置3は、ロツド材を組み合わせること
により形成されているために、複雑なメカニズムが不要
となり、構成が簡単で、軽量であり、コストが非常に低
廉となり、しかも吊り綱Baをスムースに通過させるこ
とができるものである。また、海苔網浸漬体の構成は前
記実施形態に限定されるものではなく、変更可能であ
り、例えば、図7に示すように、上方部材7、7の間に
略U字形のロツド21を掛渡すとともに、海苔網Bを押
さえるローラ22をロツド21に回転自在に取付けても
よい。
【0031】なお、次亜塩素酸ソーダを有効成分として
含有する活性処理液4の次亜塩素酸ソーダは、電気分解
するほかに市販されている次亜塩素酸ソーダを直接海水
中に投入して作成して処理液貯留槽47に一旦貯留する
ようにしてもよい。
【0032】このように本実施形態によれば、海苔作業
船Aの進行に伴って、刈取り機Fにより海苔網Bから海
苔が刈取られ、続いて海苔の活性処理装置Gにより、海
苔網Bが海苔網浸漬体5の下を潜って処理液4に浸漬さ
れる間に、刈取り後の海苔網Bに対して次亜塩素酸ソー
ダを有効成分として含有する活性処理液による活性処理
を均一に施し、更に、船尾より張り出している後部案内
部材Iの後端部まで相対移動する間に次亜塩素酸ソーダ
を有効成分として含有する活性処理液4を海苔の細胞内
に十分に浸透させ、また、葉体に付着している雑菌を殺
菌させることによって適正な活性処理が施される。ま
た、後部案内部材Iを縮めておいて、次亜塩素酸ソーダ
を有効成分として含有する活性処理液による活性処理を
均一に施した後に、海苔網を海面に戻して展張させるよ
うにしてもよい。
【0033】このように本発明の海苔作業船Aを用いて
海苔の活性処理方法を施すことにより、海苔の刈取り後
の海苔網Bに対して、海苔作業船A上の空中にある間に
次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性処理液
を用いて活性処理を施すとともに、活性処理に有効な時
間だけ浮上させておいた後に海面に戻すようにして、海
苔の健康的な育成をはかることができる。また、酸剤の
代わりに次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活
性処理液を用いていると、海苔網に付着して海水中に持
ち込まれる次亜塩素酸ソーダは元々海水の電気分解生成
液成分であるために、海水の汚染を誘発することもなく
環境にも優しいものとなり、環境破壊の要因が全くない
素材を用いて海苔の活性処理を施すことができ、更に活
性処理用の特別な酸剤等を用意する必要がなく、活性処
理後に残留している次亜塩素酸ソーダは海中に戻すこと
ができ、コストも低廉となり、取り扱いも容易となる。
また、船で現場まで酸剤を運んだり酸処理後の酸剤を持
ち帰る必要もなくなり、船の軽量化および高速移動化を
図ることができる。
【0034】更に、次亜塩素酸ソーダを有効成分として
含有する活性処理液の他に補助的に酸剤やアルカリ剤を
用いたり、pH調整を行うようにしてもよい。これによ
り海苔の活性処理をより確実に行うことができる。
【0035】このように本実施形態においては、海苔作
業船Aを推進させるだけで、案内部材によって海水中に
展張されている海苔網Bを船上に抄い上げ、効果的な活
性処理を自動的に施して、再び海水中に展張させること
ができ、海苔の収穫率を向上させるとともに、海苔の健
康的な育成を促がすことができ、作業効率を向上させ、
省人、省力化を図ることができる。
【0036】なお、前記実施形態においては活性処理機
構1として処理液槽2に海苔網Bを浸漬けるようにした
が、例えば次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する
活性処理液を海苔網Bに噴射するようにしてもよい。
【0037】また、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の海苔の活性
処理方法、活性処理装置および海苔作業船は構成される
ものであるから、本発明の海苔の活性処理装置を搭載し
た海苔作業船を用いて海苔の活性処理方法を施すことに
より、海苔網に繁殖している海苔や海苔の刈取り後の海
苔網に対して、海苔作業船上の空中にある間に次亜塩素
酸ソーダを有効成分として含有する活性処理液を用いて
海苔の活性処理を施すとともに、海苔網を活性処理に有
効な時間だけ浮上させておいた後に海面に戻すようにし
て、海苔の健康的な育成をはかることができる。
【0039】具体的には、綱類通過装置の上下の部材間
を綱類と一緒に海苔網を通過させている間に、海苔網を
上側の海苔網浸漬体と下側の活性処理機構の処理液槽と
の間を通過させ、海苔網浸漬体により海苔網を処理液槽
内の次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有する活性処
理液中に確実に浸漬させて海苔の活性処理を行うことが
できる。
【0040】また、酸剤等の薬剤の代わりに次亜塩素酸
ソーダを有効成分として含有する活性処理液を用いてい
るので、海苔網に付着して海水中に持ち込まれる次亜塩
素酸ソーダは元々海水の電気分解生成液成分であるため
に、海水の汚染を誘発することもなく環境にも優しいも
のとなり、環境破壊の要因が全くない素材を用いて海苔
の活性処理を施すことができ、更に活性処理用の特別な
酸剤等を用意する必要がなく、活性処理後に残留してい
る次亜塩素酸ソーダは海中に戻すことができ、コストも
低廉となり、取り扱いも容易となる。
【0041】また、このように形成されている海苔の活
性処理装置を海苔作業船に搭載したり、海苔網から海苔
を刈取る刈取り機を更に搭載することにより、海苔作業
船を海苔網の下を潜らせる間に海苔網や海苔に対する活
性処理並びに海苔の刈取りを自動的に極めて良好に行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る海苔の活性処理装置を搭載した
海苔作業船の構成を示す側面図
【図2】 本発明に係る海苔の活性処理装置の実施の形
態の1例をスケルトン的に示す平面図
【図3】 図2のA−A線に沿った断面図
【図4】 図2のB−B線に沿った断面図
【図5】 図2に示す海苔の活性処理装置の要部を示す
斜視図
【図6】 綱類通過装置の綱類通過時の要部を示す拡大
側面図
【図7】 海苔網浸漬体の他の例を示す斜視図
【図8】 活性処理機構の1例を示す構成図
【符号の説明】
1 海苔の活性処理機構 2 処理液槽 3、3a 綱類通過装置 4 処理液 5 海苔網浸漬体 6、6a 案内部材 7、7a 上方部材 8、8a 上方部材保持機構 32 塩化物水溶液(塩化ナトリウム水溶液、海水)の
電気分解手段 A 海苔作業船 B 海苔網 Ba 吊り綱 F 刈取り機 G 海苔の活性処理装置 I 後部案内部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力推進機構を有する海苔作業船を海面
    部分に展張されている海苔養殖施設の海苔網の下面をく
    ぐるように進行させて、前記海苔網を船体の船首部から
    後部へ相対移動させながら海苔網に対して次亜塩素酸ソ
    ーダを有効成分として含有する活性処理液を用いて活性
    処理を施し、その後前記展張位置へ導びいて再び展張さ
    せることを特徴とする海苔の活性処理方法。
  2. 【請求項2】 動力推進機構を有する海苔作業船を海面
    部分に展張されている海苔養殖施設の海苔網の下面をく
    ぐるように進行させて、前記海苔網を船体の船首部から
    後部へ相対移動させながら海苔網に対して次亜塩素酸ソ
    ーダを有効成分として含有する活性処理液を用いて活性
    処理を施し、更に後部案内部材をもってこの活性処理に
    有効な時間だけ前記海苔網を浮上させた後に前記展張位
    置へ導びいて再び展張させることを特徴とする海苔の活
    性処理方法。
  3. 【請求項3】 前記次亜塩素酸ソーダを有効成分として
    含有する活性処理液の他に、補助的に酸剤やアルカリ剤
    を用いたり、PH調整を行うことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の海苔の活性処理方法。
  4. 【請求項4】 次亜塩素酸ソーダを有効成分として含有
    する活性処理液を処理液槽に貯留する活性処理機構を設
    け、 海苔養殖施設を構成する綱類が上面を通過する下方部材
    と、この下方部材上に接離自在にして載置されている上
    方部材と、前記両部材間を前記綱類が通過している際に
    前記上方部材を下方部材に対して一定位置に保持する上
    方部材保持機構とを有する綱類通過装置における前記下
    方部材を前記活性処理機構の処理液槽の両側にそれぞれ
    配設し、前記処理液槽の上部を海苔養殖施設を構成する
    綱類と一緒に通過する海苔網を処理液槽中の前記次亜塩
    素酸ソーダを有効成分として含有する活性処理液中に押
    し下げて浸漬させる海苔網浸漬体を前記両側の上方部材
    によって支持するように配設したことを特徴とする海苔
    の活性処理装置。
  5. 【請求項5】 前記次亜塩素酸ソーダを有効成分として
    含有する活性処理液の他に、補助的に酸剤やアルカリ剤
    を用いたり、PH調整を行うことを特徴とする請求項4
    に記載の海苔の活性処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の海苔の
    活性処理装置を搭載したことを特徴とする海苔作業船。
  7. 【請求項7】 請求項4から請求項6のいずれか1項に
    記載の海苔の活性処理装置および海苔網から海苔を刈取
    る刈取り機を搭載したことを特徴とする海苔作業船。
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